JP4888648B2 - シリンジ包装容器 - Google Patents
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Description
そのために、収納容器としては、プレフィルドシリンジを嵌合・固定保持するために形状が崩れ得ない程度の硬度を有するプラスチック製のシート、フィルム等を用いて絞り形状として構成され、プレフィルドシリンジを収納した容器の開口部を、剥離可能な封止部材である蓋材、例えば封止フィルムにより封止している。
かかる包装は、なにもプレフィルドシリンジに限られたものではなく、薬液を充填する前の空のシリンジについても同じであって、いわゆるブリスター包装により流通に供されている。
この装着時の大きな力は、そのままブリスターパックからプレフィルドシリンジの取り外す際にも必要とされ、その結果、ブリスターパックからプレフィルドシリンジを取り外し難い状態となり、取り外しに関する利便性が損なわれていた。また、取り外し難いために、時としてプレフィルドシリンジが手から抜け落ちる事態が発生し、床面への脱落によるシリンジ破損が発生していた。
また、このアンダー部からシリンジ胴部が容易に抜けてしまう事態は、ブリスターパック自体の床面への落下事故に際して、特に大きな問題とされる。すなわちブリスター包装自体が床面へ落下した際に、その衝撃によりシリンジがアンダー部から外れ、同時にシリンジ肩部が床面と衝突することにより、シリンジ胴部の先端部分、あるいは注射針等の装着ノズルが落下衝撃により破損する事態が発生していた。
これらの問題は、薬液を充填されていないシリンジ容器でも同様に生じていた。
すなわち、シリンジ胴部を収納容器のアンダー部への嵌合・固定、或いはシリンジの取り外し時に強い力を必要とせず、包装された段階ではアンダー部にある程度強固に嵌合固定されるブリスター包装体を提供することを課題とする。
容器本体に、シリンジを嵌合・固定する深いアンダーカット部に相当する絞り収納部を、シリンジの挿入が容易となる開口状態になるように、包装体における該収納部の両サイドが外側に拡げられた状態で成形してなり、
前記絞り収納部にシリンジを挿入した後に、蓋材をシールする段階で、包装体における前記絞り収納部の両サイドの広がりを戻して蓋材をシールすることによりシリンジを嵌合・固定する、
ことからなる、シリンジが深いアンダーカット部に嵌合・固定されることを特徴とするシリンジの包装容器である。
容器本体を、シリンジを嵌合・固定する深いアンダーカット部に相当する絞り収納部を設けると共に、包装体における該収納部の両サイドを外側に拡げた状態となるように成形し、
前記絞り収納部にシリンジを収納し、次いで蓋材をシールする段階で、絞り収納部の両サイドを持ち上げて広がりを戻し、蓋材をシールすること、
からなることを特徴とするシリンジの包装方法である
容器本体を、包装物を嵌合・固定する深いアンダーカット部に相当する絞り収納部を設けると共に、包装体における該収納部の両サイドを外側に拡げた状態となるように成形し、
前記絞り収納部に包装物を収納し、次いで蓋材をシールする段階で、絞り収納部の両サイドを持ち上げて広がりを戻し、蓋材をシールすること、
からなることを特徴とする包装物の包装方法であり、また該方法により包装された包装容器である。
したがって、シリンジを包装するブリスター包装体の落下事故によるシリンジの破損の発生がない包装体が提供され、シリンジの生産性が向上すると共に、亀裂の入ったままのシリンジを医療の現場で使用することが無くなり、医療過誤等の発生を防止することができる。
なお、以下の説明はシリンジとしてプレフィルドシリンジを例に挙げ説明するが、薬液が充填されていないシリンジであっても同様である。
この状態では、ブリスター包装体の周囲の形状は、外側に開いた状態であり、幾分前後方向で反った状態となっていることもある。
なお、22は、ブリスター包装体に対する蓋材である例えば封止フィルム101(図示せず)をシールするシール部である。
本実施例においては、プレフィルドシリンジは、収納部100内に設けた1箇所の絞り収納部40により嵌着収納されることになるが、この絞り収納部40を設ける位置は、シリンジ胴体の任意の箇所で良く、またその数の必ずしも1つである必要はない。
すなわち、本発明においては、プレフィルドシリンジが収容されるよう絞り形状に作成された収納部100を備えた容器本体21に、シリンジを嵌合・固定する深いアンダーカット部に相当する絞り収納部40を、シリンジの挿入が容易となる開口状態になるように、包装体における該収納部の両サイド41、42が外側に拡げられた状態(図中、矢印方向)で成形してなるものである。
この絞り収納部40へのプレフィルドシリンジの収納を完了した状態を、図3のA−A線拡大断面図に対応するものとして、図6に示した。
すなわち、絞り収納部40にプレフィルドシリンジ3を収納した段階(図6に示した状態)で、絞り収納部40の両サイド41、42を持ち上げて(図中、矢印方向への移動)、絞り収納部40の広がりを戻し、蓋材101をシールすることにより、深いアンダーカット部45が形成され、かくして形成された深いアンダーカット部45にプレフィルドシリンジ3が嵌合・固定されることとなる。
すなわち、この状態では、絞り収納部40にプレフィルドシリンジ3が挿入された後、蓋材101をシールする際に、プレフィルドシリンジを嵌合・固定する深いアンダーカット部45が形成され、その結果、ブリスター包装体10の周囲の形状は、蓋材がシールされることで、平面となる。
なお、本実施例においては、蓋材をシールした段階で、ブリスター包装体10の周囲の形状が平面となる例を示しているが、これはより好ましい形態としての実施例に基づくものであり、蓋材のシールによりブリスター包装体10の前後の反りが生じたとしても、蓋材をシールすることで密閉性の確保が可能であれば、特に問題となるものではない。
すなわち、図7において、蓋材101をシールした結果形成される深いアンダーカット部45の開口部の幅(a)は、包装容器に収納するシリンジの径によって異なり、バレルの径が小さなものであれば、開口部の幅(a)とプレフィルドシリンジの径(b)の差(c)は、例えば0.5mm程度であればよく、バレルの径が大きなものであれば、3mm程度とすることが好ましい。
かかる蓋材のシールを取り外した状態を、図3のA−A線拡大断面図に対応するものとして、図8に示した。
したがって、包装容器の落下事故によるプレフィルドシリンジにおける亀裂の発生、或いは破損の発生を防止したものであり、したがって、シリンジの生産性が向上すると共に、亀裂の入ったままのプレフィルドシリンジを医療の現場で使用することが無くなり、医療過誤等の発生を防止することができる点で、その医療上の効果は多大なものである。
3 プレフィルドシリンジ
10 ブリスター包装体
12 アンダー部
21 容器本体
22 シール部
31 シリンジ胴部
40 絞り収納部
41 絞り収納部サイド
42 絞り収納部サイド
45 深いアンダーカット部
100 収納部
101 封止フィルム
Claims (8)
- シリンジが収容されるよう絞り形状に成形された収納部を備えた容器本体に蓋材がシールされてなる、いわゆるブリスター包装からなる包装容器であって、
容器本体に、シリンジを嵌合・固定する深いアンダーカット部に相当する絞り収納部を、シリンジの挿入が容易となる開口状態になるように、包装体における該収納部の両サイドが外側に拡げられた状態で成形してなり、
前記絞り収納部にシリンジを挿入した後に、蓋材をシールする段階で、包装体における絞り収納部の両サイドの広がりを戻して蓋材をシールすることによりシリンジを嵌合・固定し、
包装容器から包装物を取り出す際には、シールした蓋材を取り外すことで、絞り収納部が開いた状態に戻る、
ことからなる、シリンジが深いアンダーカット部に嵌合・固定されることを特徴とするシリンジの包装容器。 - 深いアンダーカット部に嵌合・固定されたシリンジ胴部の径が、該アンダーカット部の開口部の幅より、0.5〜3mm大きいものとなることを特徴とする請求項1に記載のシリンジの包装容器。
- シリンジがプレフィルドシリンジであることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンジの包装容器。
- 深いアンダーカット部を設けた絞り形状に成形された収納部にシリンジを嵌合・固定し、蓋材をシールしてなるブリスター形態の包装容器へのシリンジの包装方法であって、
容器本体を、シリンジを嵌合・固定する深いアンダーカット部に相当する絞り収納部を設けると共に、包装体における該収納部の両サイドを外側に拡げた状態となるように成形し、
前記絞り収納部にシリンジを収納し、次いで蓋材をシールする段階で、絞り収納部の両サイドを持ち上げて広がりを戻し、蓋材をシールし、
包装容器からシリンジを取り出す際には、シールした蓋材を取り外すことで、絞り収納部が開いた状態に戻るようにすること、
からなることを特徴とするシリンジの包装方法。 - 深いアンダーカット部に嵌合・固定されたシリンジ胴部の径が、該アンダーカット部の開口部の幅より、0.5〜3mm大きいものとなるようにすることを特徴とする請求項4に記載のブリスター包装体へのシリンジの包装方法。
- シリンジがプレフィルドシリンジであることを特徴とする請求項4または5に記載のシリンジの包装方法。
- 深いアンダーカット部を設けた絞り形状に成形された収納部に包装物を嵌合・固定し、蓋材をシールしてなる、いわゆるブリスター形態の包装容器への包装方法であって、
容器本体を、包装物を嵌合・固定する深いアンダーカット部に相当する絞り収納部を設けると共に、包装体における該収納部の両サイドを外側に拡げた状態となるように成形し、
前記絞り収納部に包装物を収納し、次いで蓋材をシールする段階で、絞り収納部の両サイドを持ち上げて広がりを戻し、蓋材をシールし、
包装容器から包装物を取り出す際には、シールした蓋材を取り外すことで、絞り収納部が開いた状態に戻るようにすること、
からなることを特徴とする包装物の包装方法。 - 請求項7に記載の包装方法により包装された包装容器。
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