JP2712049B2 - 鉄シリサイド熱電素子の製造方法 - Google Patents

鉄シリサイド熱電素子の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、β型鉄シリサイド熱電素子を焼結後に高温
で熱処理することなく製造する方法に関する。
(従来の技術及びその問題点) β型鉄シリサイドは優れた熱電性能を示すことから、
それから調製される熱電素子は、従来無駄に自然界に放
出されていた熱廃ガスなどの有する熱エネルギーを電気
エネルギーとして回収する素材として注目されている。
β型鉄シリサイド熱電素子の最も一般的な製造方法
は、例えば特公昭52−47677号公報、あるいは日本金属
学会誌第48巻第843ページに記載されている。これら文
献に記載の方法は、所定割合の鉄とケイ素との混合物を
溶解してα型鉄シリサイドからなるインゴットを調製
し、このインゴットを粉砕して数ミクロンから数十ミク
ロンの粉末を調製し、この粉末を所定形状に成形し、成
形物を1100〜1200℃の範囲の温度で焼結してα型鉄シリ
サイドからなる焼結体を得た後、この焼結体を700〜840
℃の温度に20〜200時間熱処理して、結晶形態をα型か
らβ型に転換して、β型鉄シリサイド熱電素子とする方
法である。
上記のように、鉄シリサイド焼結体自体は原料である
インゴットと同じくα型の結晶構造を有しているために
熱電性能を示さず、焼結体を熱処理してその結晶構造を
α型からβ型に変換する必要がある。この熱処理には長
い時間を有し、工業的にはより簡単な方法でβ型鉄シリ
サイド熱電素子を製造する方法の開発が望まれている。
(問題点を解決するための技術的手段) 本発明は上記の要望を満たすものであり、焼結の段階
で鉄シリサイドの結晶型がβ型に転換するので、従来は
必須であった焼結体の熱処理を完全に省略することがで
きる。
本発明によれば、1μm以下の粒子の割合が50重量%
以上であるα型鉄シリサイド粉末を成形した後、成形品
を1000〜1200℃の範囲の温度に加熱して焼結することに
より鉄シリサイドの結晶構造をα型からβ型に転換する
ことを特徴とする、β型鉄シリサイド熱電素子の製造方
法が提供される。
本発明で使用されるα型鉄シリサイド粉末は、鉄1原
子当たりケイ素が約2原子になる割合で鉄とケイ素とを
混合し、混合物を溶解してインゴットを作製し、このイ
ンゴットをボールミルなどの公知の粉砕機を用いて粉砕
することによって調製することができる。
粉砕によって得られる粉末の粒子中に占める直径1μ
m以下の粒子の割合が50重量%以上、好ましくは60重量
%以上になるまで粉砕を継続することが必要である。
本発明で使用される特定粒径のα型鉄シリサイドの別
の調製方法として、フェロセンなどの有機鉄化合物とシ
ランのようなケイ素化合物とを低温プラズマ中で反応さ
せる方法、高温プラズマを用いて鉄の粒子を蒸発させ、
この鉄蒸発とシランのようなケイ素化合物とを反応させ
る方法などを挙げることができる。
本発明において特定した粒径の範囲外であるα型鉄シ
リサイド粉末、即ち粉砕後の粒子中に占める直径1μm
以下の粒子の割合が50重量%未満である粉末の成形体は
焼結中に結晶構造がβ型に転換することなくα型のまま
であるので、β型に転換するための焼結後の熱処理が必
要となる。
本発明において、最終生成物であるβ型鉄シリサイド
熱電素子のp−n制御の目的で、常法に従い、コバル
ト、アルミニウムなどの不純物をインゴット原料である
鉄及びケイ素に添加することができる。
α型鉄シリサイド粉末の成形はそれ自体公知の方法に
従って行うことができる。
一例を挙げると、上記粉末にポリビニルアルコールの
ような結合剤、コロイド状ワックスのような滑剤などを
適宜添加し、加圧成形することによって成形体を得るこ
とができる。これらの添加剤の配合量は、α型鉄シリサ
イド粉末に対して一般には0.1〜1重量%である。
成形体の焼結に先立ち、上記結合剤あるいは滑剤を加
熱して分解除去する脱脂工程を付加することもできる。
成形体の焼結も、それ自体公知の方法に従って、真空
中あるいはアルゴンガス、窒素ガスなどの不活性ガス雰
囲気中において成形体を加熱することによって行うこと
ができる。焼結温度は1000〜1200℃である。
別法として、α型鉄シリサイド粉末の成形と焼結とを
同時に行う、いわゆるホットプレス法を採用することも
できる。
本発明においては、原料のα型鉄シリサイド粉末とし
て特定粒径のものを使用する結果、焼結中に鉄シリサイ
ドの結晶構造がα型からβ型に転換する。そのため、従
来の鉄シリサイド熱電素子の製造において、必須不可欠
であった焼結体の熱処理が不要となる。
(実施例) 以下に本発明の実施例及び比較例を示す。
実施例1 α型鉄シリサイドのインゴット160gを粗粉砕して350
〜500μmの粉末とした後、この粉末を内容積500mlのス
テンレススチール製ポットミルに入れエタノール中で10
0時間湿式粉砕した。得られた粉末の65.8重量%は1μ
m以下の粒径であった。
上記粉末にポリビニルアルコール0.5重量%を添加
し、プレス成形して直径20mm、厚さ2.5mmの成形品を得
た。この成形品を1150℃にまで昇温し同温度に3時間保
持して焼結体を得た。
得られた焼結体の結晶構造は、第1図のX線回折パタ
ーン(Cu、Kα線)から明らかなように、β相に特徴的
な面間隔d=3.06Å及び3.07Åに対応する重なり合った
2θ〜29゜のピークあるいはd=1.842Åに対応する2
θ〜49.4゜のピークなどが現れており、他方α相に特徴
的なd=5.136Åに対応する2θ〜17.1゜、d=2.386Å
に対応する2θ〜37.6゜のピークなどが現れておらず、
この焼結体がβ相であることが確認された。
この焼結体の熱電特性を第2図に示す。
比較例1 1μm以下の粒子の占める割合が12重量%であるα型
鉄シリサイド粉末を用いた以外は実施例1と同様にして
焼結体を得た。
この焼結体の結晶構造は第3図からわかるようにα型
であり、熱起電力を示さなかった。
なお、上記の焼結体を840℃で24時間保持して熱処理
したところ、熱電素子としての性能を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第3図は、それぞれ、実施例1及び比較例1
で得られた焼結体のX線回折パターンであり、第2図は
実施例1で得られた焼結体の熱電特性図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−247510(JP,A) 特開 昭59−56781(JP,A) 特開 昭57−63870(JP,A) 特開 昭61−229375(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1μm以下の粒子の割合が50重量%以上で
    あるα型鉄シリサイド粉末を成形した後、成形品を1000
    〜1200℃の範囲の温度に加熱して焼結することにより鉄
    シリサイドの結晶構造をα型からβ型に転換することを
    特徴とする、β型鉄シリサイド熱電素子の製造方法。
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