JP2001270710A - クラスレート化合物の製造方法 - Google Patents

クラスレート化合物の製造方法

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JP2001270710A JP2000089819A JP2000089819A JP2001270710A JP 2001270710 A JP2001270710 A JP 2001270710A JP 2000089819 A JP2000089819 A JP 2000089819A JP 2000089819 A JP2000089819 A JP 2000089819A JP 2001270710 A JP2001270710 A JP 2001270710A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バルク状のクラスレート化合物を収率良く、
容易に製造することができる方法を提供する。 【解決手段】 アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土
類元素もしくは遷移金属のうちいずれか1種以上を含む
周期律表第IVB族の化合物を不活性雰囲気中で溶融ま
たは微粉砕して、500℃以上の温度で10時間以上保
持した後冷却し、次いで、洗浄処理を施して余剰のアル
カリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移
金属を除去した後、ホットプレス成形する。また、アル
カリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移
金属のうちいずれか1種以上を含む周期律表第IVB族
の化合物として、インターカラント黒鉛層間化合物を使
用することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高効率熱電材料や
硬質材料あるいは半導体材料として有用なとクラスレー
ト化合物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、エレクトロニクスを始めとするハ
イテク分野においては、従来の物質とは大きく異なる物
性を有する新たな高機能素材の開発が望まれている。例
えば、熱電材料の分野では廃熱発電等の目的に利用する
熱電材料として、変換効率が高く、電気伝導率が高くて
信頼性にも富んだ熱電材料が望まれている。また、半導
体分野では光通信技術を担っているレーザー素子には、
シリコンやゲルマニウムあるいはガリウム砒素などのI
IIーV族化合物半導体が利用されている。これらの半
導体は安定作動する温度領域が低く、いかにして放熱性
を確保するかが大きな課題となっており、より高温度で
も安定して作動する半導体の開発が望まれている。ま
た、硬質材料分野ではダイヤモンドが広く利用されてい
るが、高価であるためダイヤモンドに代わる硬質材料が
求められ、立方晶窒化硼素(CBN)が合成可能になっ
たが砥粒などの用途に限られ、機械部品や摺動部品等の
低摩擦かつ耐摩耗性を要求される部材として利用できる
材料の出現が望まれている。
【0003】このような背景から、最近クラスターを結
晶の構成単位とするクラスレート化合物が注目されてい
る。クラスレート化合物は物質を構成する元素間の結合
様式が従来の結合様式とは大きく異なる。本化合物は自
己形成機構を有し、簡単に不純物原子を取り込むことか
ら、不純物元素の制御により新規な機能材料の一つとし
て、半導体材料、熱電材料、硬質材料になり得るとして
期待されている。
【0004】従来、クラスレート化合物の製造方法とし
ては、例えば、特開平9−183607号公報には、周
期律表IVB族元素とアルカリ金属との混合物をアルゴ
ン雰囲気下で加熱して単斜晶系結晶を作り、一方、周期
律表IVB族元素とアルカリ土類金属との混合物をアル
ゴン雰囲気下で加熱して立方晶系結晶を作り、これら単
斜晶系結晶と立方晶系結晶を混合して加熱して3元素系
固溶体からなる前駆体を得た後、この前駆体を減圧状態
で加熱することにより脱アルカリ金属元素処理を行って
クラスレート化合物を得る方法が開示されている。この
方法によれば、工程が煩雑であり、しかも減圧状態でク
ラスレート化合物を合成するため、生成速度が遅く、収
率も低い欠点がある。また、例えば、特開平9−202
609号公報には、ダイアモンドアンビル型高圧装置を
使用し、グラファイトを室温で14,000MPaの圧
力下で1週間をかけて、クラスレート化合物を合成する
クラスレート化合物の製造方法が開示されている。この
方法によれば、室温でクラスレート化合物を合成するた
め、生成速度が遅く収率も低い欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
示した従来の方法は、長時間を要する方法であったり、
或いは工程が煩雑で合成が非常に困難であり、歩留まり
が悪く、薄膜のみでの合成しか成功しておらず、実用的
な方法が無いのが実状である。本発明は、上述の事情に
鑑みてなされたもので、バルク状のクラスレート化合物
を収率良く、容易に製造することができる方法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の方法は、
アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素もしくは
遷移金属のうちいずれか1種以上を含む周期律表第IV
B族の化合物を不活性雰囲気中で溶融し、凝固させた後
徐冷して500℃以上の温度で10時間以上保持した後
冷却し、次いで、洗浄処理を施して余剰のアルカリ金
属、アルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移金属を
除去した後、ホットプレス成形するクラスレート化合物
の製造方法である。出発原料を溶融することにより、ド
ーピング原子や置換原子を均一にIVB族原子の近傍に
取り込み、電荷を放出しやすい元素である原子の周りに
IVB族原子を凝集させてクラスターを形成し、冷却と
共にそれらのクラスターが3次元に配列してクラスレー
ト結晶構造を形成し易くした。又、高温高圧状態下でク
ラスレート化合物を合成する方法を採用したので、従来
の製造方法に比べてクラスレート化合物の生成速度が速
く、収率も高まる利点を有する。
【0007】本発明の第2の方法は、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移金属のうちい
ずれか1種以上を含む周期律表第IVB族の化合物を不
活性雰囲気中で100μm以下に粉砕し、耐熱性容器中
に薄膜状に広げて静置した後、500℃以上の温度で1
0時間以上保持した後冷却し、次いで、洗浄処理を施し
て余剰のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素
もしくは遷移金属を除去した後、ホットプレス成形する
クラスレート化合物の製造方法である。出発原料を微粉
砕することにより、ドーピング原子や置換原子を均一か
つ緊密にIVB族原子と接触させ、固体内拡散を促進さ
せるために横置きの耐熱性容器中に薄い膜状にして静置
し、一定時間高温度に保持してクラスターを形成し、冷
却と共にそれらのクラスターが3次元に配列してクラス
レート結晶構造を形成し易くした。本方法は簡単な工程
で合成できる利点を有する。
【0008】さらに、本発明では周期律表第IVB族の
化合物としては炭化物、珪化物、ゲルマニウム化合物も
しくは錫化合物であることが好ましい。炭素、珪素及び
ゲルマニウム、錫のクラスレート化合物は熱電材料ある
いは半導体材料として極めて有用だからである。特に炭
素系のクラスレート化合物は硬質材料として有効であ
る。
【0009】本発明の第3の方法は、アルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移金属のうちい
ずれか1種以上を含むインターカラント黒鉛層間化合物
の100μm以下の微粒子を、耐熱性容器中に薄膜状に
広げて静置した後、500℃以上の温度で10時間以上
保持した後冷却し、次いで、洗浄処理を施して余剰のア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷
移金属を除去した後、ホットプレス成形するクラスレー
ト化合物の製造方法である。アルカリ金属、アルカリ土
類金属、希土類元素もしくは遷移金属のうちいずれか1
種以上を含む周期律表第IVB族の化合物として、炭素
の化合物であるインターカラント黒鉛層間化合物を使用
するものである。黒鉛の層間内にゲストとして挿入され
る化学種(インターカラント)として、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移金属のうち
いずれか1種以上を含むものを使用する。出発原料にイ
ンターカラント黒鉛層間化合物を使用することにより、
層間化合物がホストとなり、その層間にゲストとなる元
素が取り込まれているので固体内拡散が促進され、金属
的性質或いは半導体的性質がより強く発揮されるクラス
レート化合物を容易に製造できる利点を有する。
【0010】また、本発明では、ホットプレス成形を、
温度800℃以上、圧力30MPa以上でかつ30分以
上の条件下で成形することが好ましい。高温で長時間保
持するほど、クラスレート構造結晶の生成が促進される
からである。ここで圧力を加えるのは素子として成形す
るためである。実用上有用な製造条件を採用した。ま
た、本発明では、原料の粉砕方法として、メカニカルア
ロイングもしくはメカニカルグラインディングを採用す
ることができる。この方法による場合には、各原料が微
細かつ密接に接合するので、固体内拡散が促進される利
点を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明のクラスレート化合物は、
C、Si、GeまたはSn等の周期律表IVB族元素の
少なくとも1種の原子を主体としてなるクラスレート格
子と、該クラスレート格子の格子間隙に内包されるドー
ピング原子と、前記クラスレート格子を構成する原子の
少なくとも一部と置換される置換原子とを主体とし、こ
れらドーピング原子または置換原子が、アルカリ金属原
子、アルカリ土類金属原子、希土類原子もしくは遷移金
属原子のうちいずれか1種以上からなるものである。こ
こでクラスレート格子としては、周期律表IVB族元素
の少なくとも1種が用いられ、特に好ましくは周期律表
IVB族元素のうち、炭素(C)、珪素(Si)、ゲル
マニウム(Ge)または錫(Sn)が用いられる。
【0012】ドーピング原子としては、アルカリ金属原
子、アルカリ土類金属原子もしくは希土類原子の少なく
とも1種の原子が用いられる。アルカリ金属原子として
は、周期律表IA族元素であるリチウム(Li)、ナト
リウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(R
b)、セシウム(Cs)及びフランシウム(Fr)の6
原子が挙げられる。アルカリ土類金属原子としては、周
期律表IIA族元素のうちカルシウム(Ca)、ストロ
ンチウム(Sr)、バリウム(Ba)及びラジウム(R
a)の4原子が挙げられる。また、希土類元素として
は、周期律表IIIA族元素のうちランタン(La)か
らルテチウム(Lu)までの15種類のランタノイド元
素、すなわち、ランタン(La)、セリウム(Ce)、
プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウ
ム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(E
u)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジ
スプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウ
ム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(T
b)及びルテチウム(Lu)が挙げられる。
【0013】置換原子としては、上記アルカリ金属原
子、アルカリ土類金属原子、希土類原子の他に、さらに
遷移金属原子が用いられる。遷移金属元素としては、原
子番号21番のスカンジウム(Sc)から原子番号29
番の銅(Cu)までの元素、すなわち、スカンジウム
(Sc)、チタン(Ti)、バナジム(V)、クロム
(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト
(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、原子番号3
9番のイットリウム(Y)から原子番号47番の銀(A
g)までの元素、すなわち、イットリウム(Y)、ジル
コニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、モリブデン(M
o)、テクネチウム(Tc)、ルテニウム(Ru)、ロ
ジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)及び
原子番号72番のハフニウム(Hf)から原子番号79
番の金(Au)までの元素、すなわち、ハフニウム(H
f)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウ
ム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(I
r)、白金(Pt)及び金(Au)の26元素が挙げら
れる。
【0014】周期律表第IVB族元素単体でのクラスレ
ート格子は、基本的には半導体的または絶縁体的な性質
を有するが、電気伝導性は低いので、このクラスレート
格子に価電子数1〜3個のアルカリ金属原子、アルカリ
土類金属原子、希土類原子もしくは遷移金属原子を侵入
させることで、クラスレート格子の振動を抑制して熱伝
導性を下げるとともに、金属的な性質を付与して電気伝
導性を向上させる。更に、クラスレート格子に侵入させ
た原子による金属的な性質の付与を調整するためにクラ
スレート格子の一部をアルカリ金属原子、アルカリ土類
金属原子、希土類原子もしくは遷移金属原子で置換する
ことで金属的な性質を半金属的、即ち、半導体的な性質
に近づける。特に炭素系のクラスレート化合物は、硬さ
等の機械的性質を向上させることができる。バンドギャ
ップエネルギーの広い半導体や、適切な熱伝導率と高ゼ
ーベック係数と電気伝導率のバランスのとれた熱電材料
として好適な材料を得ることができる。
【0015】例えば、本発明のクラスレート化合物とし
ては、前記クラスレート格子がカーボンのクラスレート
格子であり、前記ドーピング原子がアルカリ土類金属で
あり、前記置換原子が希土類元素の原子を挙げることが
できる。この場合、前記クラスレート格子は図1に生成
過程を模式的に示すような、符号1で示すC原子の12
面体からなるC20クラスタと、符号2で示すC原子の1
4面体からなるC24クラスタから、符号3で示す混合格
子であるカーボンクラスレート46となったもので良
い。あるいはまた、前記クラスレート格子が図2に生成
過程を模式的に示すような、C原子の12面体からなる
20クラスタと符号4で示すC原子の16面体からなる
28クラスタから、符号5で示す混合格子であるカーボ
ンクラスレート136となったものであっても良い。こ
れらのカーボンクラスレート格子にドーピング原子と置
換原子を加えて本発明のクラスレート化合物となる。
【0016】図3にカーボンクラスレート46(C46
の格子構造を示す。各格子の頂点に炭素原子が配置され
ている。図4と図5に、本発明の方法によって得られる
クラスレート化合物の一つであるカーボンクラスレート
46の構成を説明する。このカーボンクラスレート格子
10は、図1に示すC原子の12面体からなるC20クラ
スタ1と、C原子の14面体からなるC24クラスタ2と
が組み合わさった図5に示す構成単位11が、さらに複
数組み合わさって図4に示すようにカーボンクラスレー
ト格子10として構成されている。また、図4及び図5
に示すカーボンクラスレート格子10のうち、C20クラ
スタの2aサイト6あるいはC24クラスタの6dサイ7
の少なくとも一方の少なくとも一部に、アルカリ金属原
子、アルカリ土類金属原子、希土類元素原子の少なくと
も1種のX原子がドーピングされている。さらに、カー
ボンクラスレート格子10を構成する複数の炭素原子
(C)のうち、少なくとも一部の炭素原子がアルカリ金
属原子、アルカリ土類金属原子、希土類元素原子もしく
は遷移金属原子の少なくとも1種のY原子によって置換
されている。
【0017】ここで用いられるドーピング原子として
は、前述のアルカリ金属、アルカリ土類金属又は希土類
元素の各原子である。これらの原子がカーボンクラスタ
の先のサイトに入ると、侵入した原子は2価であり、そ
の中にある2個の電子はクラスレートを構成する原子へ
移る。そのため、全体としてクラスレート化合物は金属
的な性質を有するようになる。また、置換原子として
は、前記アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素
もしくは遷移金属元素の各原子である。これらの置換原
子によって半導体的な性質を付与したり、熱伝導性を向
上させる作用を発揮する。
【0018】カーボンクラスレート136を利用する場
合も同様である。図6にカーボンクラスレート136
(C136 )の格子構造を示す。符号5で示すのがカーボ
ンクラスレート136(C136 )で、各格子の頂点に炭
素原子が配置されている。このカーボンクラスレート
は、C20クラスタの2aサイト6あるいはC24クラスタ
の6dサイト8の少なくとも一方の少なくとも一部に、
アルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、希土類元素
原子の少なくとも1種のX原子がドーピングされてい
る。また、カーボンクラスレート格子を構成する複数の
炭素原子(C)のうち、少なくとも一部の炭素原子がア
ルカリ金属原子、アルカリ土類金属原子、希土類元素原
子もしくは遷移金属原子の少なくとも1種のY原子によ
って置換されている。このカーボンクラスレート136
は、図2に示すC原子の12面体からなるC 20クラスタ
1と、C原子の14面体からなるC24クラスタ4とが組
み合わさった図7に示す構成単位12が、さらに複数組
み合わさって図6に示すようにカーボンクラスレート格
子5として構成されている。図8にカーボンクラスレー
ト136の構造を模式的に示す。
【0019】次に、上述のようなドーピング原子と置換
原子を内包したクラスレート化合物の製造方法について
説明する。 (第1の実施形態)本発明のクラスレート化合物の製造
方法の第1の実施形態は、アルカリ金属、アルカリ土類
金属、希土類元素もしくは遷移金属のうちいずれか1種
以上を含む周期律表第IVB族の化合物を不活性雰囲気
中で溶融し、凝固させた後徐冷して500℃以上の温度
で10時間以上保持した後冷却し、次いで、洗浄処理を
施して余剰のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類
元素もしくは遷移金属を除去した後、ホットプレス成形
する方法である。原料としては、前述のアルカリ土類金
属、希土類元素もしくは遷移金属のうちいずれか1種以
上の単体と、周期律表第IVB族の元素単体の混合物を
用いても良いが、反応を効率的に促進させるために、本
発明では、前述のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希
土類元素もしくは遷移金属の元素のうち、いずれか1種
以上を含む周期律表第IVB族の化合物、好ましくは炭
化物、珪化物もしくはゲルマニウム化合物を使用する。
この際、反応後の余剰な原料を水洗又は酸洗によって除
去できるものを選ぶ必要がある。アルカリ金属、アルカ
リ土類金属、希土類元素、もしくは遷移金属は、周期律
表第IVB族の化合物であるのが最も好ましいが、周期
律表第IVB族の化合物に別途アルカリ金属、アルカリ
土類金属、希土類元素もしくは遷移金属を加えて成分調
整を図ったものでも良い。このような周期律表第IVB
族の化合物としては、カルシウム炭化物(CaC 2 )、
バリウムシリサイド(BaSi2 )、ナトリウムシリサ
イド(NaSi)等が挙げられる。カルシウムシリサイ
ド(CaSi2 )は非水溶性であるので好ましくない。
【0020】所望の組成になるように配合した原料は、
先ず均一に溶解する。溶解方法は特に制限はなく、アー
ク溶解や高周波溶解が適宜利用できる。均一に溶解した
原料を凝固させ徐々に冷却して1000℃近くまで冷却
する。凝固は非晶質にならないよう急冷は避けて行う。
次いで、凝固体を500℃以上1500℃以下の温度で
10時間以上保持する。保持温度はドーピング元素や置
換元素の融点以上であれば良く、ドーピング元素がアル
カリ金属のような場合は500℃以上あれば十分である
が、遷移金属のような場合には1500℃近くまで上げ
る必要がある。しかしあまり高温にするのは得策ではな
く、好ましくは、1000℃以上1200℃以下とする
のが実用的である。保持時間は保持温度によっても変わ
るが、ドーピング元素や置換元素の固体内拡散を促進さ
せるためには10時間程度は必要である。例えば、カー
ボンクラスレート格子C46を利用する場合には10時間
必要である。この工程で電荷を放出しやすい元素の原子
の周りに炭素原子が凝集してクラスターを形成し、冷却
と共にそれらクラスターが3次元的に配列し、クラスレ
ート結晶構造を作り易くしているので、従来の製造方法
に比べてクラスレート化合物の生成速度が速く、収率も
高まる利点が生じる。次いで、所定の温度で所定の時間
保持した後、室温まで徐々に冷却する。
【0021】次に、凝固体を粉砕した後、過剰に含まれ
ているドーピング元素や置換元素であるアルカリ金属、
アルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移金属または
それらの化合物を洗浄して除去する。洗浄方法は水洗に
よりアルカリ金属が除去できるほかは、0.1N塩酸等
の弱酸による酸洗を行う。
【0022】さらに、洗浄後の粉末をホットプレス成形
して、クラスレート化合物を合成する。ホットプレス条
件としては、温度:800℃以上、圧力:数十MPa〜
数万MPa、加圧時間:数分〜数十時間の範囲で適宜選
択すればよい。ホットプレス方法も特に制限はなく、ダ
イヤモンドアンビル型高圧装置を利用したり、放電プラ
ズマ焼結法を利用しても良い。放電プラズマ焼結とは、
混合粉末に一対のパンチで数十MPa〜数万MPa程度
の圧力で加圧すると同時に、パンチ内の原料に電流を印
加して1000℃以上に加熱しながら数十分〜数時間程
度焼結する加圧焼結法の1種である。このようにしてド
ーピング元素や置換元素を内包したバルク状のクラスレ
ート化合物を、容易に効率よく合成することができる。
【0023】(第2の実施形態)次に、本発明のクラス
レート化合物の製造方法の第2の実施形態について説明
する。使用する原料は第1の実施形態の場合と同様で、
前述のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素も
しくは遷移金属の元素のうち、いずれか1種以上を含む
周期律表第IVB族の化合物を使用する。所望の組成に
なるように配合した原料は、先ず100μm以下、数十
μm程度に微粉砕する。粉砕方法は酸化を避けるために
不活性雰囲気中で行うのが望ましい。
【0024】次いで、微粉末を耐熱性容器内に薄い膜状
に広げて静置し、不活性雰囲気の加熱炉中で500℃以
上1500℃以下の温度で10時間以上保持する。その
後、第1の実施形態の場合と同様に、過剰のアルカリ金
属、アルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移金属又
はそれらの化合物を洗浄除去してから、ホットプレス成
形してクラスレート化合物を合成する。ホットプレス成
形条件は第1の実施形態と同様で良い。
【0025】(第3の実施形態)次に、本発明のクラス
レート化合物の製造方法の第3の実施形態について説明
する。使用する原料は第1の実施形態やの第2の実施形
態の場合と異なり、インターカラント黒鉛層間化合物を
使用する。使用する原料を変更した以外は、製造方法は
第2の実施形態の場合と同様である。先ず、インターカ
ラント黒鉛層間化合物について説明する。黒鉛は、共役
結合によって強固に構成された六角網目黒鉛層(C−C
間距離0.142nm)がファンデルワールス力で積層
した典型的な層間化合物である(層間距離0.335n
m)。炭素原子は電気陰性度からみても中性であるの
で、陰性・陽性両方の原子を層間に取り込み、黒鉛層間
化合物( Graphite Intercalation Compound:GID)
を形成することができる。インターカラント黒鉛層間化
合物は、層状物質である黒鉛をホストとして、その層間
内にゲストとなる化学種(インターカラント)を取り込
んだものである。
【0026】炭素原子よりも電気陰性度が小さい化学種
を取り込んだ場合は、ドナー型インターカラント黒鉛層
間化合物を構成する。このようなドナー型インターカラ
ント黒鉛層間化合物としては、アルカリ金属、アルカリ
土類金属、希土類元素もしくは遷移金属等を取り込んだ
ものが知られている。例えば、LiC6 、NaC64、K
8 、RbC8 、CsC8 、CaC6 、SrC6 、Ba
6 、SmC6 、EuC6 、YbC6 等が知られてお
り、このほかに金属鉄等の遷移金属が黒鉛層間に挿入さ
れたものも報告されている。
【0027】これらのインターカラント黒鉛層間化合物
の構造的な特徴は、挿入された化学種がn枚の黒鉛層を
挟んで規則的に繰り返す、ステージ構造を取ることであ
る。また、ドナー型インターカラント黒鉛層間化合物の
化学的性質の特徴は、超電導能を発揮したり、水素吸蔵
能を発揮することである。
【0028】インターカラント黒鉛層間化合物の製造方
法としては、黒鉛と化学種を真空系内に隔離して置き、
両者の温度を独立して制御して反応温度と蒸気圧を選択
して、目的の化合物を得る気相反応法や、溶融したアル
カリ金属に黒鉛を含浸させる溶融法等の他に、電解法や
還元反応法も提案されている。
【0029】本発明のクラスレート化合物の製造方法に
戻ると、前述のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土
類元素もしくは遷移金属の元素のうち、いずれか1種以
上を含むインターカラント黒鉛層間化合物の100μm
以下の微粒子を、耐熱性容器内に薄い膜状に広げて静置
し、不活性雰囲気の加熱炉中で500℃以上1500℃
以下の温度で50時間以上保持する。インターカラント
黒鉛層間化合物が微粒子で得られる場合はそのままでも
良いが、粗粒である場合には不活性雰囲気中で100μ
m以下、数十μm程度に微粉砕したものを使用する。そ
の後、第1の実施形態の場合と同様に、過剰のアルカリ
金属、アルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移金属
を洗浄除去してから、ホットプレス成形してクラスレー
ト化合物を合成する。この場合もホットプレス成形条件
は第1の実施形態と同様で良い。
【0030】ところで、前述の製造工程において、粉砕
工程としてメカニカルアロイング処理又はメカニカルグ
ラインディング処理を施して目的の組成比の混合粉末を
得ることもできる。メカニカルアロイング処理とは、ス
テンレス鋼球などの金属球を多数収納した中空のアトラ
イタの内部に粉砕する粉末を投入後、アトライタを高速
回転させて高エネルギーを使用して金属球の間で粉末を
粉砕・混合して均一な組成の粉末を得る方法である。メ
カニカルグラインディング処理の場合は、固体を削って
粉末にしていくため、混合粉末が得られる。多くの場合
は微粉砕された混合粉末の構成微粒子が互いに噛合して
均一組織の微粒子となり、あたかも合金(アロイ)のよ
うな組織を呈したものとなる。このような工程をメカニ
カルアロイング処理又はメカニカルグラインディングと
呼ぶ。このようにメカニカルアロイング処理又はメカニ
カルグラインディング処理を施して得られた原子同士が
密接に結合した微粉末を加熱処理し、更にホトップレス
することによって、クラスレート化合物をより容易に得
ることができる。
【0031】なお、前記熱処理を行う場合、クラスレー
ト46とクラスレート136は共に不活性雰囲気(アル
ゴン又は真空)中で処理を行う。ただし、クラスレート
136の熱処理時間は、クラスレート46の場合の2倍
以上必要とする。
【0032】
【作用】本発明のクラスレート化合物の製造方法では、
なるべく微細にして緊密に結合でした原料を、500℃
のドーピング元素の融点以上の高温に、10時間以上の
長時間保持する工程を採用している。これは、電荷を放
出しやすい元素の周りに第IV族原子が凝集してクラス
ターを形成し、冷却と共にそれらクラスターが3次元的
に配列し、クラスレート結晶構造を作り易くしている。
このような処理をした後、高温高圧状態下でクラスレー
ト化合物を合成する方法を採用したので、従来の製造方
法に比べてクラスレート化合物の生成速度が速く、収率
も高まる利点を有する。
【0033】
【実施例】以下に実施例をあげて本発明をより詳細に説
明する。 (実施例1)炭化カルシウム(CaC2 )を2,500
℃まで昇温して溶解し、凝固後保温炉中で1000℃ま
で徐冷し、1000℃±10℃で120時間(5日間)
保持した。次いで、冷却したインゴットを微粉砕し、水
洗した後0.1Nの希塩酸で洗浄した。乾燥後の粉末を
ホットプレス装置に充填し、1000℃、100MPa
で20時間かけて焼結した。得られた結晶をX線回折に
より構造解析した結果、格子定数は0.68nmとな
り、その回折ピークから結晶記号Pm3(バー)mであ
る、C−46構造のカーボンクラスレートであることが
確認された。また、他のクラスレートのX線回折ピーク
から、炭素原子20個のクラスターと炭素原子24個の
クラスターの中にCa原子が含まれていることが分かっ
た。また、EPMAでの組成分析では、Ca:Cの原子
量比は目標値Ca:C=8:46に対して、Ca:C=
7.62:45.62となっていた。また硬さ試験では
立方晶窒化硼素と同等の硬さが得られた。
【0034】(実施例2)不活性雰囲気下のボールミル
を使用して、硅化バリウム(BaSi2 )を100μm
以下に微粉砕した。次いでこの炭化カルシウム微粉末を
アルミナ製の試料皿の表面に極薄く散布して広げ、不活
性雰囲気下の加熱炉に入れて850℃±10℃で150
時間(約6日間)保持した。次いで、冷却した微粉末を
水洗して乾燥した後の粉末をホットプレス装置に充填
し、850℃、40MPaで30分かけて焼結した。得
られた結晶は実施例1と同様の格子定数が0.104n
m、結晶記号Pm3(バー)mである、Si−46構造
のバリウム−シリコンクラスレート構造であることがX
線回折ピークより確認された。EPMAでの組成分析の
結果、目標値のBa:Si=8:46に対して、Ba:
Si=7.5:46となった。
【0035】(実施例3)不活性雰囲気下のボールミル
を使用して、カルシウムを含むインターカラント黒鉛層
間化合物(CaC6 )を100μm以下に微粉砕した。
次いでこのカルシウムを含むインターカラント黒鉛層間
化合物の微粉末を試料と反応しないタンタル製の試料皿
の表面に極薄く散布して広げ、不活性雰囲気下の加熱炉
に入れて1100℃±20℃で150時間(約6日間)
保持した。次いで、冷却した微粉砕を水洗した後0.1
Nの希塩酸で洗浄した。乾燥後の粉末をホットプレス装
置に充填し、1,000℃、40MPaで20時間かけ
て焼結した。得られた結晶は実施例1と同様の格子定数
は0.68nm、結晶記号Pm3(バー)mであること
が確認された。X線回折ピークよりC−46構造のイン
ターカラントカーボンクラスレート構造であることが確
認された。EPMAでの組成分析の結果、目標値のC
a:C=8:46に対して、Ca:C=6.5:46と
なった。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明のクラスレー
ト化合物の製造方法によれば、上述した金属に近い性質
を有し、良好な熱伝導性と電気伝導性と半導体的性質と
を発揮し、高い硬度を有するる優れたクラスレート化合
物を、比較的簡単な方法で収率良く容易に得ることがで
きる。本発明によって得られるクラスレート化合物は、
硬質材料、熱伝材料、半導体材料として極めて有用なも
のである。
【0037】すなわち、本発明によって得られるクラス
レート化合物はダイヤモンドと比較して不純物元素の導
入だ容易であり、バルク状の硬質材料を提供することが
可能となる。また、本発明によって得られるクラスレー
ト化合物は、良好な熱伝導性と電気伝導性を備えたもの
が得られるので、高効率の熱電材料として利用すること
が可能である。さらに、本発明によって得られるクラス
レート化合物は、導入する不純物元素制御してバンドギ
ャプのエネルギー帯域を調整することにより、バンドギ
ャプの広いエネルギー準位を有する半導体が得られ、高
記録密度が得られる青色発光のレーザ素子への応用が期
待される。
【0038】上述の実施の態様では、カーボンクラスレ
ート化合物を採り上げて説明したが、他のIVB族のク
ラスレート化合物にも適用できるのはいうまでもない。
特に、シリコンクラスレート化合物やゲルマニウムクラ
スレート化合物、錫クラスレート化合物は、高効率の熱
電材料あるいは広いバンドギャプエネルギー準位を有す
る半導体として有用な材料を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 カーボンクラスレート46の生成過程を説明
する図である。
【図2】 カーボンクラスレート136の生成過程を説
明する図である。
【図3】 カーボンクラスレート46の基本結晶格子構
造を示す模式図である。
【図4】 カーボンクラスレート化合物のドーピング原
子と置換原子を含む結晶構造を示す模式図である。あ
る。
【図5】 カーボンクラスレート46の部分構成単位と
なる、炭素の12面体のC20と炭素の14面体のC24
結晶構造を示す模式図である。
【図6】 カーボンクラスレート136の結晶構造を示
す模式図である。
【図7】 カーボンクラスレート136の部分構成単位
となる炭素の12面体のC20と、炭素の16面体のC28
の結晶構造を示す模式図である。
【図8】 カーボンクラスレート136の構造を示す模
式図である。
【符号の説明】
1…カーボン20クラスタ、2…カーボン24クラス
タ、3…カーボンクラスレート46、4・・・カーボン2
8クラスタ、5…カーボンクラスレート136、6・・・
20の2aサイト、7・・・C24の6dサイト、8・・・C28
の6dサイト、 10・・・カーボンクラスレート化合物、
11・・・カーボンクラスレート46の基本格子、12・・・
カーボンクラスレート136の基本格子、C…炭素原
子、X・・・ドーピング原子、Y・・・置換原子、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 35/22 H01L 35/22 35/34 35/34 (72)発明者 高橋 聰 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター基盤技術研究所内 (72)発明者 宮原 薫 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター基盤技術研究所内 (72)発明者 田中 徹 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター基盤技術研究所内 (72)発明者 円谷 和雄 神奈川県厚木市森の里1−16−1 Fターム(参考) 4G046 CB01 CB08 CC01 EB13 EC01 EC05 4G072 AA01 GG01 GG03 HH02 MM01 MM26 MM36 UU01 UU30

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土
    類元素もしくは遷移金属のうちいずれか1種以上を含む
    周期律表第IVB族の化合物を不活性雰囲気中で溶融
    し、凝固させた後徐冷して500℃以上の温度で10時
    間以上保持した後冷却し、次いで、洗浄処理を施して余
    剰のアルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素もし
    くは遷移金属を除去した後、ホットプレス成形すること
    を特徴とするクラスレート化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土
    類元素もしくは遷移金属のうちいずれか1種以上を含む
    周期律表第IVB族の化合物を不活性雰囲気中で100
    μm以下に粉砕し、耐熱性容器中に薄膜状に広げて静置
    して、500℃以上の温度で10時間以上保持した後冷
    却し、次いで、洗浄処理を施して余剰のアルカリ金属、
    アルカリ土類金属、希土類元素もしくは遷移金属を除去
    した後、ホットプレス成形することを特徴とするクラス
    レート化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】 粉砕方法が、メカニカルアロイングもし
    くはメカニカルグラインディングによることを特徴とす
    る請求項2に記載のクラスレート化合物の製造方法。
  4. 【請求項4】 周期律表第IVB族の化合物が炭化物、
    珪化物もしくはゲルマニウム化合物であることを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載のクラスレート化合物
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土
    類元素もしくは遷移金属のうちいずれか1種以上を含む
    インターカラント黒鉛層間化合物の100μm以下の微
    粒子を耐熱性容器中に薄膜状に広げて静置して、500
    ℃以上の温度で10時間以上保持した後冷却し、次い
    で、洗浄処理を施して余剰のアルカリ金属、アルカリ土
    類金属、希土類元素もしくは遷移金属を除去した後、ホ
    ットプレス成形することを特徴とするクラスレート化合
    物の製造方法。
  6. 【請求項6】 ホットプレス成形が、温度:800℃以
    上、圧力:30MPa以上でかつ時間:30分以上の条
    件下で成形することを特徴とする請求項1から請求項5
    のいずれかに記載のクラスレート化合物の製造方法。
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