JP2711911B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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JP2711911B2 JP1235233A JP23523389A JP2711911B2 JP 2711911 B2 JP2711911 B2 JP 2711911B2 JP 1235233 A JP1235233 A JP 1235233A JP 23523389 A JP23523389 A JP 23523389A JP 2711911 B2 JP2711911 B2 JP 2711911B2
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【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明はサスペンション制御装置に関し、詳しくは路
面状態変化に基づく車両の振動変化を検出し、ショック
アブソーバの減衰力特性を変更して車体振動を抑制する
サスペンション制御装置に関する。
[従来の技術] 車両の「あおり」、即ち周期が1秒程度と比較的長
く、車酔い等の原因になる車両の振動を防止する装置と
しては、例えば本出願人による特開昭62−80111号公報
記載のサスペンション制御装置がある。このサスペンシ
ョン制御装置は、車両のあおりを車高のデータに基づい
て検出し、あおりが発生していればショックアブソーバ
の減衰力を高くしてサスペンションをハードにすること
により、あおりを防止するというものであった。車高の
データに基づいて車両のあおりを検出するには、前輪お
よび後輪における各車高データの波形の位相が反対であ
り、かつその波形の振動の周波数がばね上共振周波数
(周波数1.0[Hz]前後)である場合であって、振動の
振幅が所定値を上回ったときに、車両にあおりが発生し
ていると判断するという構成がとられていた。なお、振
動の周波数は、その振動の半周期を計時することにより
算出していた。
[発明が解決しようとする課題] 上記構成は車両のあおりを防止する優れたものである
が、車高が変化してから、つまり車両にあおりが発生し
てからでなければ車両のあおりを検出できないため、ス
ポーツ車等の車両のタイプや車両の振動特性などによっ
てはあおり防止の遅れが気になる場合があるという問題
があった。
本発明の車両用サスペンション制御装置は上記課題を
解決し、車両のあおりの発生を未然に検出してこれを防
止することを目的とする。
発明の構成 かかる目的を達成する本発明の構成について以下説明
する。
[課題を解決するための手段] 本発明のサスペンション制御装置は、 路面状態変化に基づく車両の振動変化を検出し、ショ
ックアブソーバの減衰力特性を変更して車体振動を抑制
するサスペンション制御装置において、 車両走行中、前記ショックアブソーバに発生する減衰
力の変化率を検出する変化率検出手段と、 該変化率検出手段の検出信号にフィルタ処理と積分処
理とを施してばね上共振周波数の近傍周波数のあおり成
分検出信号として出力するあおり成分信号出力手段と、 該あおり成分検出信号の振幅が所定のしきい値を越え
ている状態が予め設定されている判定期間以上継続した
場合に、前記ショックアブソーバの減衰力の程度を高め
にする高減衰力維持手段と、 を備えることを特徴とする。
[作用] 上記の構成になる本発明のサスペンション制御装置で
は、変化率検出手段が、車両走行中、ショックアブソー
バに発生する減衰力の変化率を検出すると、あおり成分
信号出力手段は、その変化率検出手段の検出信号にフィ
ルタ処理と積分処理とを施してばね上共振周波数の近傍
周波数のあおり成分検出信号として出力する。あおり成
分検出信号は、車高変化のうち、ばね上共振周波数近傍
での車高変化の際に発生する減衰力を捉えたもので、ば
ね上共振周波数近傍での大きな車高変化、いわゆる車両
のあおりの発生を判断できる信号である。
高減衰力維持手段は、あおり成分検出信号の振幅が所
定のしきい値を越えている状態が予め設定されている判
定期間以上継続した場合に、ばね上共振周波数近傍での
大きな車高変化である車両のあおりが発生する前兆であ
るとして、ショックアブソーバの減衰力の程度を高めに
することにより、サスペンションを固めに設定して、車
両のあおりを未然に防止する。なお、減衰力の程度を高
めにするとは、減衰力の程度を低め側から高めに変化さ
せる場合と、既に減衰力が高めにされている際に高めの
まま維持する場合とがある。
また、あおり成分検出信号の振幅が所定のしきい値を
越えている状態が予め設定されている判定期間以上継続
した場合にショックアブソーバの減衰力の程度を高めに
することにより、あおり成分検出信号よりも若干高い周
波数成分の影響を排除できるから、判定精度は向上し、
誤判定を回避できる。したがって、未然に且つきわめて
正確にあおりを防止できる。
[実施例] 以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする
ために、以下本発明のサスペンション制御装置の好適な
実施例について説明する。第1図はこのサスペンション
制御装置の構成を表わす概略構成図である。第2図
(A)はそのショックアブソーバを一部破断した全体構
成図、第2図(B)はショックアブソーバの要部拡大断
面図である。
第1図に示すように、本実施例のサスペンション制御
装置1は、減衰力可変型ショックアブソーバ(以下,単
にショックアブソーバという)2FL,2FR,2RL,2RR、及び
これら各ショックアブソーバと接続されその減衰力を制
御する電子制御装置4を備えている。
ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRは、後述するよ
うに、ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRに作用する
力を検出するピエゾ荷重センサと、ショックアブソーバ
2FL,2FR,2RL,2RRの減衰力の発生パターンを切り換える
ピエゾアクチュエータとを各々一組ずつ内蔵している。
また各ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRは、夫
々、左右前後輪5FL,5FR,5RL,5RRのサスペンションロワ
ーアーム6FL,6FR,6RL,6RRと車体7との間に、コイルス
プリング8FL,8FR,8RL,8RRと共に併設されている。
次に、上記各ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRの
構造を説明する。尚、上記各ショックアブソーバ2FL,2F
R,2RL,2RRの構造は総て同一であるため、ここでは左前
輪5FL側のショックアブソーバ2FLを例にとり説明する。
又、以下の説明では、各部材に付した符号の添え字(F
F,FR,RL,RR)を必要に応じて省略することとする。
ショックアブソーバ2は、第2図(A)に示すよう
に、シリンダ11側の下端にて車軸側部材11aを介してサ
スペンションロワーアーム6に固定され、一方、シリン
ダ11に貫通されたロッド13の上端にて、ベアリング7a及
び防振ゴム7bを介して車体7にコイルスプリング8と共
に固定されている。
シリンダ11内部には、ロッド13の下端に連接された内
部シリンダ15,連結部材16および筒状部材17と、シリン
ダ11内周面にそって摺動自在なメインピストン18とが、
配設されている。ショックアブソーバ2のロッド13に連
結された内部シリンダ15には、ピエゾ荷重センサ25とピ
エゾアクチュエータ27とが収納されている。
メインピストン18は、筒状部材17に外嵌されており、
シリンダ11に嵌合する外周にはシール材19が介装されて
いる。従って、シリンダ11内は、このメインピストン18
により第1の液室21と第2の液室23とに区画されてい
る。筒状部材17の先端にはバックアップ部材28が螺合さ
れており、筒状部材17との間に、メインピストトン18と
共に、スペーサ29とリーフバルブ30を筒状部材17側に、
リーフバルブ31とカラー32をバックアップ部材28側に、
それぞれ押圧・固定している。また、リーフバルブ31と
とバックアップ部材28との間には、メインバルブ34とば
ね35が介装されており、リーフバルブ31をメインピスト
ン18方向に付勢している。
これらリーフバルブ30,31は、メインピストン18が停
止している状態では、メインピストン18に設けられた伸
び側及び縮み側通路18a,18bを、各々片側で閉塞してお
り、メインピストン18が矢印AもしくはB方向に移動す
るのに従って片側に開く。従って、両液室21,23に充填
された作動油は、メインピストン18の移動に伴って、両
通路18a,18bのいずれかを通って、両液室21,23間を移動
する。このように両液室21,23間の作動油の移動が両通
路18a,18bに限られている状態では、ロッド13の動きに
対して発生する減衰力は大きく、サスペンションの特性
はハードとなる。
内部シリンダ15の内部に収納されピエゾ荷重センサ25
及びピエゾアクチュエータ27は、第2図(A),(B)
に示すように、圧電セラミックの薄板を電極を挟んで積
層した電歪素子積層体である。ピエゾ荷重センサ25の各
電歪素子は、ショックアブソーバ2に作用する力、即ち
減衰力によって分極する。従って、ピエゾ荷重センサ25
の出力を所定インピーダンスの回路により電圧信号とし
て取り出せば、減衰力の変化率を検出することができ
る。
ピエゾアクチュエータ27は、高電圧が印加されると応
答性良く伸縮する電歪素子を積層してその伸縮量を大き
くしたものであり、直接にはピストン36を移動する。ピ
ストン36が第2図(B)矢印B方向に移動されると、油
密室33内の作動油を介してプランジャ37及びH字状の断
面を有するスプール41も同方向に移動される。こうして
第2図(B)に示す位置(原点位置)にあるスプール41
が図中B方向に移動すると、第1の液室21につながる副
流路16cと第2の液室23につながるブッシュ39の副流路3
9bとが連通されることになる。この副流路39bは、更に
プレートバルブ45に設けられた油穴45aを介して筒状部
材17内の流路17aとが連通されているので、スプール41
が矢印B方向に移動すると、結果的に、第1の液室21と
第2の液室23との間を流動する作動油流量が増加する。
つまり、ショックアブソーバ2は、ピエゾアクチュエー
タ27が高電圧印加により伸張すると、その減衰力特性を
減衰力大(ハード)の状態から減衰力小(ソフト)側に
切り換え、電荷が放電されて収縮すると減衰力特性を減
衰力大(ハード)の状態に復帰させる。
尚、メインピストン18の下面に設けられたリーフバル
ブ31の移動量は、バネ35により、リーフバルブ30と較べ
て規制されている。また、副流路39bに引続く末端空間3
9cに摺動自在に備えられたプレートバルブ45には、油穴
45aより大径の油穴45bが、油穴45aより外側に設けられ
ており、プレートバルブ45がばね49の付勢力に抗してブ
ッシュ39方向に移動すると、作動油は、油穴45bを通っ
て移動可能となる。従って、スプール41の位置の如何を
問わず、メインピストン18が矢印B方向に移動する場合
の作動油流量は、メインピストン18が矢印A方向に移動
する場合より大きくなる。即ち、メインピストン18の移
動方向によって減衰力を変え、ショックアブソーバとし
ての特性を一層良好なものとしているのである。また、
油密室33と第1の液室21との間には作動油補給路38がチ
ェック弁38aと共に設けられており、油圧室33内の作動
油流量を一定に保っている。スプール41の隔壁41aには
油路41dが、スプール41の環状溝40には油路41dの径より
大きな径の下部連通孔41eが開けられている。
次に、上記したショックアブソーバ2の減衰力を切換
制御する電子制御装置4について、第3図を用いて説明
する。
この電子制御装置4には、各ショックアブソーバ2の
ピエゾ荷重センサ25や、車応の走行状態を検出するため
のセンサとして図示しないステアリングの操舵角を検出
するステアリングセンサ50と、車両の走行速度を検出す
る車速センサ51と、エンジンの回転を変速して出力する
図示しない変速機のシフト位置を検出するシフト位置セ
ンサ52と、図示しないブレーキペダルが踏まれたときに
信号を発するストップランプスイッチ53とが接続されて
いる。
これら各ショックアブソーバ2のピエゾ荷重センサ25
の検出信号や走行状態を検出する各種センサの検出信号
等に基づき上述したピエゾアクチュエータ27に制御信号
を出力する電子制御装置4は、CPU4a,ROM4b,RAM4cを中
心に論理演算回路として構成され、これらとコモンバス
4dを介して相互に接続された入力部4e及び出力部4fによ
って外部との入出力を行う。
電子制御装置4には、CPU4a等の他、ピエゾ荷重セン
サ25が接続された減衰力検出軽54、減衰力検出回路54が
接続されたローパスフィルタ55、ローパスフィルタ55の
出力が入力されるハイパスフィルタ56、ステアリングセ
ンサ50および車速センサ51が接続された波形整形回路5
7、ピエゾアクチュエータ27に接続される高電圧印加回
路58、バッテリ61の電圧を昇圧してピエゾアクチュエー
タ駆動用の駆動電圧を出力するいわゆるスイッチングレ
ギュレータ型の高電圧電源回路62、バッテリ61の電圧を
変圧してこの電子制御装置4の作動電圧(5v)を発生す
る電源64等が備えられている。
以上の減衰力検出回路54,ハイパスフィルタ56,波形整
形回路57,シフト位置センサ52,ストップランプスイッチ
53は入力部4eに、高電圧印加回路58,出力回路60,高電圧
電源回路62は出力部4fにそれぞれ接続されている。尚、
バッテリ61と電源64との間には、イグニッションスイッ
チ63が介装されている。
減衰力検出回路54は各ピエゾ荷重センサ25FL,25FR,25
RL,25RRに対応して設けられた4個の検出回路からな
り、各々の検出回路は、路面からショックアブソーバ2
が受ける作用力に応じてピエゾ荷重センサ25が出力する
電圧信号を減衰力変化率検出信号としてCPU4aに出力す
ると共に、電圧信号を積分した信号を減衰力検出信号と
してCPU4aやローパスフィルタ55に出力するよう構成さ
れている。
減衰力検出回路54が出力する減衰力検出信号のうち、
ローパスフィルタ55に出力されるのは、実施例で左右後
輪5RL,RRのショックアブソーバ2RL,2RRの減衰力検出信
号である。出力された減衰力検出信号の成分のうち、ロ
ーパスフィルタ55を通過して成分はハイパスフィルタ56
に出力され、ローパスフィルタ55およびハイパスフィル
タ56を通過して成分の信号(以下あおり成分検出信号と
いう)はCPU4aに出力される。
ローパスフィルタ55は周波数約1.3[Hz]以下の周波
数の信号を通過するものである。一方、ハイパスフィル
タ56は周波数約1.0[Hz]以上の周波数の信号を通過す
るものである。従って、減衰力検出回路54から出力され
た減衰力検出信号がこれらローパスフィルタ55およびハ
イパスフィルタ56を通過すると、減衰力検出信号の成分
のうち、周波数1.0[Hz]以上周波数1.3[Hz]以下のば
ね上共振周波数の近傍周波数のあおり成分検出信号が抽
出される。こうして得られるあおり成分が成分検出信号
の一例を、第4図のグラフに示す。
従って、CPU4aは、減衰力検出回路54が出力する減衰
力変化率検出信号や減衰力検出信号と、減衰力検出信号
の成分のうちローパスフィルタ55およびハイパスフィル
タ56を通過したあおり成分検出信号と、ステアリングセ
ンサ50等の検出信号をCPU4aにおける処理に適した信号
に波形整形して出力する波形整形回路57からの出力信号
等に基づいて、路面状態や車両の走行状態等を判定し、
その結果に応じてショックアブソーバ2の減衰力の程度
を切り換えるべく、対応する高電圧印加回路58に制御信
号を出力する。
ピエゾアクチュエータ駆動用の駆動電圧を出力する高
電圧電源回路62から高電圧の供給を受ける高電圧印加回
路58は、その駆動電圧をCPU4aからの制御信号(減衰力
切り換え信号)に応じてピエゾアクチュエータ27に印加
してこれを駆動し、減衰力切り換え信号に応じてショッ
クアブソーバ2の減衰力切り換えを実行するよう構成さ
れている。より詳細に説明すると、CPU4aから減衰力切
り換え信号としてローレベルの信号が入力されたときに
は高電圧V500を印加してピエゾアクチュエータ27を伸張
させ、逆に減衰力切り換え信号としてハイレベルの信号
が入力されたときには負の電圧V−100に切換えて印加
し、ピエゾアクチュエータ27を収縮させるよう構成され
ている。
従って、各ショックアブソーバ2の減衰力特性は、高
電圧を印加してピエゾアクチュエータ27を伸張させたと
きには、既述したスプール41(第2図)により、ショッ
クアブソーバ2内の第1の液室21と第2の液室23と間を
流動する作動油の流量が増加するため減衰力小(ソフ
ト)となり、負の電圧により電荷を放電されてピエゾア
クチュエータ27を収縮されたときには、作動油流量が減
少するため減衰力大(ハード)となる。
次に、上記した構成を備える本実施例のサスペンショ
ン制御装置1の電子制御装置4が行う車両のあおり防止
制御処理について説明する。このあおり防止制御処理
は、ローパスフィルタ55およびハイパスフィルタ56を通
過した後輪5RL,5RRそれぞれのあおり成分検出信号に基
づいて左右の車輪5RL,5RRに関し独立して行なわれるも
のであって、減衰力制御ルーチンのサブルーチンとして
減衰力制御ルーチンに定期割込をかけて所定周期で実行
される。
まず主ルーチンである減衰力制御ルーチンを説明す
る。減衰力制御ルーチンでは、第5図のフローチャート
に示すように、処理を繰り返す毎に、ハード優先切換フ
ラグHFがセットされたか否かの判断処理(ステップ10
0)を行なう。ハード優先切換フラグHFはあおり防止制
御サブルーチンであおり発生の前兆が捉えられた場合
に、後述するステップ130の処理でセットされるフラグ
であって、そのセット・リセットの状態をステップ100
で判断することによって減衰力制御ルーチンで行なう処
理が切り換えられる。
ステップ100でハード優先切換フラグHFがセットされ
ていないと判断された場合は、路面状態に基づく通常の
減衰力制御処理(ステップ110)を行なう。減衰力制御
処理の概要は、各種センサからの検出信号に基づき走行
状態(操舵角,車速等)を判断すると共に、減衰力検出
回路54からの減衰力変化率検出信号および減衰力検出信
号に基づいて路面状態を判断し、これらの結果に応じて
ショックアブソーバ2の減衰力の高低の設定を切り換え
て、サスペンションをソフト又はハードに切り換えると
いうものである。一般的に言えば路面の状態が悪ければ
ソフトにし、路面が平坦であればハードにする。
この減衰力制御処理(ステップ110)の後には、左右
の車輪5RL,5RRに関し独立して行なうあおり防止制御サ
ブルーチンにおいて各々のあおり防止開始フラグSF R,S
F Lのうち一方でもセットされたか否かの判断処理(ス
テップ120)を行なう。あおり防止開始フラグSF R,SF L
は各あおり防止制御サブルーチンにおいて、あおり発生
の前兆が捉えられた場合にセットされるものである。一
方のフラグでもセットされたと判断すれば、上述のハー
ド優先切換フラグHFをセットする処理(ステップ130)
を行なって、本ルーチンを終了する。
これに対して、ステップ100でハード優先切換フラグH
Fがセットされていると判断した場合は、あおり防止実
行処理(ステップ140)を行なう。この実行処理では路
面の状態にかかわらず優先的に4輪総てのショックアブ
ソーバ2の減衰力の設定を高減衰力にする処理を行な
い、サスペンションがソフトであればハードに切り換
え、ハードであればハードのまま維持する。
上記のあおり防止実行処理(ステップ140)の後に
は、左右の車輪5RL,5RRに関し独立して行なわれるあお
り防止制御サブルーチンにおいて各終了フラグEF R,EF
Lの両方ともがセットされたか否かの判断処理(ステッ
プ150)を行なう。両方の終了フラグEF R,EF Lがセット
されたと判断した場合は、あおり発生のおそれが解消さ
れたと判断し、上述のハード優先切換フラグHFをリセッ
トする処理(ステップ160)を行なう。ハード優先切換
フラグHFがリセットされると、次回のルーチンの実行で
は、ステップ110の路面状態に基づく通常の減衰力制御
処理を行ない、路面の状態が悪ければサスペンションを
ソフトにし、路面の状態が平坦であればハードにする。
以下に、かかる減衰力制御ルーチンで参照される開始
SF R,SF Lおよび終了フラグEF R,EF Lを決定するあおり
防止制御サブルーチンを、第6図のフローチャートに基
づいて説明する。尚、あおり防止制御ルーチンは左右の
車輪5RL,5RRに関し独立して行なわれるが、その処理の
内容は同一であるので、ここでは右後輪5RRについての
処理を例にとり説明する。
あおり防止制御ルーチンは、右後輪5RRの減衰力デー
タPRの読み込み処理(ステップ170)を行なうことから
始まる。読み込む減衰力データPRは、右後輪5RRのショ
ックアブソーバ2RRについてのあおり成分検出信号を構
成するデータである。
減衰力データPRの読み込み後は、ハード優先切換フ
ラグHFが値1にセットされているか否かの判断処理(ス
テップ180)を実行する。ハード優先切換フラグHFがセ
ットされていないと判断した場合は、ステップ190以降
に示すあおり防止実行についての開始条件を判定する処
理を実行する。一方、ステップ180でハード優先切換フ
ラグHFがセットされていると判断した場合は、開始条件
の判定処理を飛ばして、第6図の結合子以下に示すあ
おり防止実行の終了条件を判定する処理に移行する。
開始条件の判定処理は、右後輪5RRのショックアブソ
ーバ2RRからの減衰力データPRを監視していて、あおり
発生の前兆を示す条件が満たされたときには、あおり防
止開始フラグSF Rをセットするというものである。あお
り防止開始フラグSF Rのセットにより、既述した減衰力
制御ルーチンにおいてハード優先切換フラグHFがセット
され、ショックアブソーバ2RRの設定を高減衰力にする
あおり防止が実行される。
判定処理では、まずショックアブソーバ2RRの減衰力
の設定が低減衰力(ソフト)が高減衰力(ハード)かを
判断する処理(ステップ190)を行なう。設定が低減衰
力であると判断した場合は、ショックアブソーバ2RRの
減衰力データPRの絶対値が低値しきい値SL1以上か否か
の判断処理(ステップ200)を行なう。これは、例えば
第4図のグラフで時刻t1以降に示されるように、減衰力
データPRが低側しきい値SL1以上か否かを判断するもの
である。一方、ステップ190で設定が高減衰力であると
判断した場合は、ショックアブソーバ2RRの減衰力デー
タPRの絶対値が高側しきい値SL2以上か否かの判断処理
(ステップ210)を行なう。高側しきい値SL2は低側しき
い値SL1より大きな値であって、同じ路面であっても車
両走行中に発生する減衰力のレベルが高減衰力(ハー
ド)の設定では低減衰力(ソフト)の設定よりも高くな
ることを補償する値である。
ステップ200あるいはステップ210のいずれかにおいて
も、減衰力データPRが各々のしきい値±SL1,±SL2の範
囲内であると判断した場合は、右後輪データPRからは
車両のあおり発生の前兆はないと判断し、後述する開始
条件の判定間隔ΔTsを計時するためのカウンタCSRをク
リアする処理(ステップ220)、およびあおり防止開始
フラグSF Rをリセットする処理(ステップ230)を行な
って、本処理を一旦終了する。
一方、ステップ200あるいはステップ210で減衰力デー
タPRの絶対値が各々のしきい値SL1,SL2以上と判断した
場合は、車両のあおり発生の前兆を捉えている可能性が
あるから、判定期間ΔTsを計時するカウンタCSRをイン
クリメントする処理(ステップ240)と、インクリメン
トしたカウンタCSRが判定値VS以上か否か、即ちカウ
ンタCSRのインクリメントにより判定期間ΔTsの計時が
完了したか否かを判断する処理(ステップ250)を行な
う。
例えば、第4図のグラフに示すようにサスペンション
が当初ソフトに設定されている例では、時刻t1以降、減
衰力が接続してしきい値SL1以上となると、あおり防止
制御サブルーチンでは処理を繰り返す毎に、減衰力デー
タPRの絶対値がステップ200でしきい値SL1以上と連続
して判断される。従って、カウンタCSRはリセットされ
ることなく、次々にステップ240でインクリメントさ
れ、判定値VSまで増加する。この結果、時刻t2に判定
期間ΔTsを満了する。
この例のようにカウンタCSRが増加して、ステップ25
0において判定値VS以上と判断された場合は、あおり発
生の前兆を捉えたと判断され、あおり防止開始フラグSF
Rをセットする処理(ステップ260)を実行する。一
方、カウンタCSRが判定値VS以下となった場合は、右
後輪データPRからはあおり発生の前兆を捉えていない
と判断して、本処理を一旦終了する。
ステップ260においてあおり防止開始フラグSF Rがセ
ットされた場合は、既述したように減衰力制御ルーチン
においてハード優先切換フラグHFがセットされ(第5図
ステップ130参照)、4輪総てのショックアブソーバ2
の減衰力の設定を高減衰力に切り換えるあおり防止実行
処理(ステップ140)が実行される。第4図の例では時
刻t2から全輪のサスペンションがハードになる。なお、
図示しない左後輪5RLのあおり防止制御サブルーチンに
おいて、左後輪5RLのあおり防止開始フラグSF Lがセッ
トされた場合も、同様に減衰力制御ルーチンにおいてあ
おり防止実行処理(第5図ステップ140)が行なわれ
る。
以上説明した開始条件の判定処理において、カウンタ
CSRが判定値VS以上となること、即ち減衰力がしきい
値SL1,SL2を判定期間ΔTsの間、継続して越えることを
条件としたのは、例えばローパスフィルタ55の精度を補
い、判定精度を高めるためである。フィルタ55の特性
上、周波数1.3[Hz]より若干高い周波数の成分も幾分
かは通過するが、あおりとは無関係なこの成分は、しき
い値SL1,SL2を越えても、すぐに立ち下がる。そこで、
上述したように減衰力が判定期間ΔTsの間連続してしき
い値以上になることを要件にすれば、すぐに立ち下がる
高い周波数成分による誤判定のおそれは除去される。ま
た、判定期間ΔTsを設けたのはハードに切り換える時期
をわずかに遅延させて、その時期を感覚的に最適にする
ためである。本実施例装置のようにサスペンションの固
さがソフトおよびハードの2段階に切り換わるもので
は、車両にあおりが発生する前にその前兆をとらえてソ
フトからハードに切り換えると、運転者はハードになっ
た理由が分からず、違和感を生むおそれがあるからであ
る。なお、このような目的の判定期間ΔTsは車両のあお
りの周期に比較して微小の時間である。
次に、第6図の終了条件の判定処理(結合子以下)
について説明する。
終了条件の判定処理は、以上のように開始条件の判定
処理においてハード優先切換フラグHFがセットされた場
合、あるいは最初のステップ100においてハード優先切
換フラグHFがセットされていると判断された場合に行な
われる。その処理は、右後輪5RRのショックアブソーバ2
RRの減衰力データPRを監視していて、あおり防止の実
行を終了したとしてもあおり発生のおそれのないことを
示す条件が満たされたときに、右後輪5RRについてのあ
おり防止終了フラグEFRをセットするというものであ
る。
この判定処理では、まず、右後輪5RRのショックアブ
ソーバ2RRの減衰力データPRの絶対値が所定のしきい値
SL3未満か否かの判断処理(ステップ270)を実行する。
ステップ270で減衰力データPRの絶対値がしきい値SL3
(第4図参照)以上と判断した場合は、減衰力が依然大
きい場合である。従って、あおり防止実行を終了したの
では車両にあおりが発生するから、後述する終了条件の
判定期間ΔTeを計時するカウンタCERをクリアする処理
(ステップ280)を行なうと共に、あおり防止終了フラ
グEFRをリセットする処理(ステップ290)を行ない、本
処理を一旦終了する。
一方、ステップ270で減衰力データPRがしきい値±SL
3の範囲内であると判断した場合は、減衰力が小さい場
合(第4図において例えば時刻t3以降,時刻t5以降)で
あって、右後輪5RRについて終了条件を満足する可能性
があるから、その判定期間ΔTeを計時するカウンタCER
をインクリメントする処理(ステップ300)と、インク
リメントしたカウンタCERが判定値VE以上か否か、即
ちカウンタCERのインクリメントにより終了の判定期間
ΔTeの計時が完了したか否かを判断する処理(ステップ
310)を行なう。
カウンタCERは、あおり防止制御ルーチンを繰り返す
毎に、減衰力データPRがしきい値±SL3の範囲内に収ま
っているとステップ270で連続して判断された場合に、
次々のステップ300でインクリメントされ、判定値VEま
で増加する。例えば、第4図に示す時刻t3以降に行なわ
れる処理では減衰力データPRがしきい値±SL3の範囲内
に収まっているから、カウンタCERは連続して増加する
が、時刻t4に減衰力データPRがしきい値±SL3の範囲を
外れるため、ステップ280でリセットされ、判定値VEま
で増加しない。こうした場合には、ステップ310でカウ
ンタCERが判定値VE未満と判断され、あおり防止実行
を終了したのではあおり発生のおそれがあると判断し
て、終了フラグEFRのリセット処理(ステップ290)の実
行の後、一旦処理を終了する。主ルーチンである減衰力
制御ルーチンでは、引続きあおり防止実行処理を実行す
る。
一方、第4図に示す時刻t5以降に行なわれる処理では
減衰力データPRがしきい値±SL3の範囲内に継続して収
まっているから、カウンタCERが判定値VEまで増加す
る。従って、カウンタCERが判定値VEまで増加した時
刻t6、ステップ310でカウンタCERが判定値VE以上と判
断され、右後輪5RRの減衰力データPRからはあおり防止
を終了してもあおり発生のおそれがないと判断して、右
後輪5RRの終了フラグEFRをセットする処理(ステップ32
0)を実行する。
以上のようにしてステップ320で右後輪5RRのあおり防
止終了フラグEFRがセットされ、かつ図示しない左後輪5
RLのあおり防止制御サブルーチンの同様な処理の実行に
より左後輪5RLのあおり防止終了フラグEFRがセットされ
ると、既述したように減衰力制御ルーチンにおいてハー
ド優先切換フラグがリセット(ステップ160)される。
以降、減衰力制御ルーチンでは、通常の路面状態に基づ
く減衰力制御処理(ステップ110)を行ない、路面の状
態が悪ければサスペンションをソフトにし、路面が平坦
であればハードにする。第4図の例では時刻t6における
終了条件の判定期間ΔTeの満了によりサスペンションが
ソフトにされる。
終了条件の判定処理において、カウンタCSRが判定値
VS以上となること、即ち減衰力データPRが判定期間Δ
Teの間、継続してきしい値±SL3の範囲内に収まること
を条件としたのは、既述したように第4図において時刻
t3以降に減衰力データPRが一旦しきい値±SL3の範囲内
に収まっても、そのすぐ後の時刻t4に減衰力データPR
が再びしきい値±SL3の範囲を外れる場合に、終了条件
を成立させないためである。こうした目的から、終了条
件の判定期間ΔTeは、周波数1.0[Hz]ないし1.3[Hz]
のばね上共振周波数近傍の振動の周期よりも長い期間、
減衰力データPRを監視するものに設定される。
以上のようにしてあおり防止制御サブルーチンでは、
左右後輪5RL,5RRに関し独立して所定のインターバルで
繰り返されることにより、あおり発生の前兆を捉えた場
合には、左右の車輪5RL,5RRに関する各あおり防止開始
フラグSF R,SF Lをセットする。減衰力制御ルーチンで
は、これら開始フラグSF R,SF Lのうち一方のフラグが
セットされた場合に、ハード優先切換フラグHFをセット
し、サスペンションを優先的にハードにして、あおり発
生の防止を図る。また、あおり防止の実行中は、あおり
防止制御サブルーチンでは、あおり防止を終了したとし
てもあおり発生のおそれがないと判断した場合に、左右
の車輪5RL,5RRに関する各あおり防止終了フラグEF R,EF
Lをセットする。減衰力制御ルーチンにおいては両方の
終了フラグEF R,EF Lがセットされた場合に、ハード優
先切換フラグHFをリセットし、サスペンションを固さを
優先的にハードする処理を終了する。
以上説明したように実施例のサスペンション制御装置
によれば、左右後輪5RL,5RRの減衰力データPR,PLに基
づいて車両のあおり発生の前兆を捉え、路面状態にかか
わらずサスペンションを優先的にハードにして、あおり
発生を未然に防止することができるという優れた効果を
奏する。
また、あおり防止の開始条件は左右輪5RL,5RRのうち
一方の減衰力データがその条件を満足することを成立要
件とし、終了条件は左右後輪5RL,5RRの両方の減衰力デ
ータがその条件を満足することを成立要件としているか
ら、例えば左右輪5RL,5RRの通過する路面状態が異なる
ために、一方の車輪からあおり発生にかかる減衰力デー
タが的確に得られない場合があっても、他方の車輪の減
衰力データから判定してあおり発生を確実に防止できる
と共に、左右後輪5RL,5RRの減衰力データからあおり発
生のおそれが確実にないと判断される場合にあおり防止
を終了できるから、実用性が高いという効果を奏する。
また、あおり防止の開始条件判定処理においては、判
定期間ΔTsを設定したことにより、既述したローパスフ
ィルタ55をその特性上通過する若干高い周波数成分の影
響を排除し、判定精度の向上を図ることができるという
効果を奏する。従って、誤判定のおそれを解消できる。
さらに、判定期間ΔTsを変更することにより、あおり
防止の時期をスポーツ車等の車種に併せて最適な時期に
容易に設定できるという効果を奏する。例えば、判定期
間ΔTsを利用してあおり防止実行時期をわずかに遅延さ
せれば、あおり防止実行に伴いサスペンションの固さが
切り換えられても、操作者は切換理由をあおり防止と認
識できるから、違和感を生むおそれはない。
加えて、あおり防止制御に使用する減衰力の検出輪を
左右後輪5RL,5RRとすることにより、前輪よりあとに路
面を通過する後輪にあおり発生の可能性があってはじめ
てサスペンションをハードにする乗り心地優先の味付け
を行なうことができる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し
得ることは勿論である。例えば、車両のあおり発生を検
出する減衰力を得る検出輪を左右後輪ではなく、左右後
輪の2輪、前後の対角輪の2輪、左右前輪5FL,5FRと後
輪1輪の3輪、左右後輪と前輪1輪の3輪、4輪総てと
いう各種組合せのいずれかにしてもよい。また、開始条
件の成立要件は、以上の各種組合せのそれぞれにおい
て、いずれかひとつの車輪の減衰力が条件を満たせば成
立する構成としてもよい。終了条件の成立要件は、以上
の各種組合せのそれぞれにおいて、全部の車輪の減衰力
が条件を満たせば成立する構成としてもよい。あるいは
検出輪を4輪のいずれかひとつとし、その減衰力から開
始条件および終了条件を判定する構成でもよい。この場
合は電子制御装置4が行なう処理を簡素化することがで
きる。ショックアブソーバ2の減衰力の設定は2段階以
上であってもよい。無段階に設定できるものでもよい。
終了条件の判断は、実施例に限定されない。実施例では
終了条件のしきい値SL3は、開始条件のしきい値SL1より
も大きいが、車両の振動特性等によってはしきい値SL1
としきい値SL3とが同じ場合があるなど両値には種々の
関係が考えられる。加えて、実施例では開始条件のしき
い値(±SL1,±SL2)および終了条件のしきい値(±SL
3)のそれぞれについて、第4図に示したように正符号
側のしきい値と負符号側のしきい値とを同じ絶対値の値
として説明したが、正符号側のしきい値の絶対値と負符
号側のしきい値と絶対値とが相違する構成、例えば前者
を後者よりも相対的に大きく設定する構成でもよい。一
般にショックアブソーバが発生する減衰力はその伸び側
と縮み側とで大きさが異なる。上記構成では、伸び側と
縮み側との減衰力の違いを補償するしきい値が設定でき
るため、開始条件および終了条件の判定精度が向上す
る。さらに、開始条件の判定および終了条件の判定を行
なう構成についてはマイクロコンピュータによらず、デ
ィスクリートな回路素子により構成してもよい。
発明の効果 以上詳述したように、本発明のサスペンション制御装
置によれば、減衰力の変化率の検出信号にフィルタ処理
と積分処理とを施して得られる、ばね上共振周波数の近
傍周波数のあおり成分検出信号に基づいてあおり発生の
前兆を捉え、ショックアブソーバの減衰力を高くするこ
とができるから、あおり発生を未然に防ぐことが可能に
なるという優れた効果を奏する。従って、あおり防止を
素早く実行することができ、制御の遅れが気になること
はない。また、あおり成分検出信号の振幅が所定のしき
い値を越えている状態が予め設定されている判定期間以
上継続した場合にショックアブソーバの減衰力の程度を
高めにすることにより、あおり成分検出信号よりも若干
高い周波数成分の影響を排除できるから、判定精度は向
上し、誤判定は回避できる。したがって、未然に且つき
わめて正確にあおりを防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明一実施例としてのサスペンション制御装
置の全体構成を表わす概略構成図、第2図(A)はその
ショックアブソーバの構造を示す部分断面図、第2図
(B)はショックアブソーバの要部拡大断面図、第3図
は本実施例の電子制御装置の構成を表わすブロック図、
第4図はあおり成分検出信号の例を示すグラフ、第5図
は減衰力制御ルーチンを示すフローチャート、第6図は
あおり防止制御サブルーチンを示すフローチャートであ
る。 2FL,2FR,2RL,2RR……減衰力可変型ショックアブソーバ 4……電子制御装置 25FL,25FR,25RL,25RR……ピエゾ荷重センサ 27FL,27FR,27RL,27RR……ピエゾアクチュエータ 54……減衰力検出回路 55……ローパスフィルタ 56……ハイパスフィルタ 58……高電圧印加回路 62……高電圧電源回路
フロントページの続き (72)発明者 原 芳道 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 松永 栄樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 川田 裕之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 深見 彰 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 鈴木 豊 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−208212(JP,A) 特開 昭59−227515(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】路面状態変化に基づく車両の振動変化を検
    出し、ショックアブソーバの減衰力特性を変更して車体
    振動を抑制するサスペンション制御装置において、 車両走行中、前記ショックアブソーバに発生する減衰力
    の変化率を検出する変化率検出手段と、 該変化率検出手段の検出信号にフィルタ処理と積分処理
    とを施してばね上共振周波数の近傍周波数のあおり成分
    検出信号として出力するあおり成分信号出力手段と、 該あおり成分検出信号の振幅が所定のしきい値を越えて
    いる状態が予め設定されている判定期間以上継続した場
    合に、前記ショックアブソーバの減衰力の程度を高めと
    する高減衰力維持手段と、 を備えることを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】前記高減衰力維持手段は、前記ショックア
    ブソーバの減衰力の程度を高めにした後、前記あおり成
    分検出信号の振幅が所定の解除しきい値を下回るまでは
    前記減衰力の程度を高めに維持することを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載のサスペンション制御装置。
JP1235233A 1989-09-11 1989-09-11 サスペンション制御装置 Expired - Lifetime JP2711911B2 (ja)

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EP90117407A EP0417702B1 (en) 1989-09-11 1990-09-10 Suspension control system
US07/580,388 US5175687A (en) 1989-09-11 1990-09-11 Suspension control system

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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