JP2621512B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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JP2621512B2
JP2621512B2 JP1269827A JP26982789A JP2621512B2 JP 2621512 B2 JP2621512 B2 JP 2621512B2 JP 1269827 A JP1269827 A JP 1269827A JP 26982789 A JP26982789 A JP 26982789A JP 2621512 B2 JP2621512 B2 JP 2621512B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はサスペンション制御装置に関し、詳しくは路
面状態変化に基づく車両の振動変化を検出し、ショック
アブソーバの減衰力特性を変更して車体振動を抑制する
サスペンション制御装置に関する。
[従来の技術] 車両の「あおり」、即ち周期が1秒程度と比較的長
く、車酔い等の原因になる車両の振動を防止する装置と
しては、例えば特開昭62−80111号公報記載のサスペン
ション制御装置がある。このサスペンション制御装置
は、車両のあおりを車高のデータに基づいて検出し、あ
おりが発生していればショックアブソーバの減衰力を高
くしてサスペンションをハードにすることにより、あお
りを防止するというものであった。
[発明が解決しようとする課題] 上記構成は生じたあおりを抑止するのに有効である
が、あおりの発生を未然に防止するまでには至らなかっ
た。また、例えば走行路面が、車両にあおりを発生する
緩やかな起伏に、細かな凹凸が重なった、いわゆる複合
路面の場合には、サスペンションをハードにするあおり
防止を行うことで、車両が路面の凹凸の影響を受けて振
動し、かえって乗り心地が損なわれることがあるという
問題もあった。
本発明のサスペンション制御装置は上記課題を解決
し、あおりを未然に防止すると共に、あおり防止のため
の措置がかえって乗り心地を損なうような場合には、あ
おり防止を実行しないことによって良好な乗り心地を確
保することを目的としている。
[課題を解決するための手段] 本発明のサスペンション抑制装置は、第1図に例示す
るように、 路面状態変化に基づく車両の振動変化を検出し、ショ
ックアブソーバM1の減衰力特性を変更して車体振動を抑
制するサスペンション制御装置において、 車両走行中、前記ショックアブソーバM1に発生する減
衰力の変化率を検出する変化率検出手段M6と、 該変化率検出手段の検出信号を積分して減衰力検出信
号として出力する減衰力検出手段M6と、 該減衰力検出信号の成分のうち、ばね上共振周波数の
近傍周波数成分を抽出するばね上共振成分抽出手段M3
と、 前記減衰力検出信号の成分のうち、ばね下共振周波数
の近傍周波数成分を抽出するばね下共振成分抽出手段M4
と、 前記抽出したばね上共振成分信号がばね上共振成分信
号について予め定めたしきい値より大きく、前記抽出し
たばね下共振成分信号が該ばね下共振成分信号について
予め定めたしきい値より小さい場合に、前記ショックア
ブソーバの減衰力の程度を高めにする高減衰力維持手段
M5とを備えることを特徴とする。
[作用] 上記構成を有する本発明のサスペンション制御装置に
おいては、車両走行中、ショックアブソーバM1に発生す
る減衰力の変化率を変化率検出手段M6に検出し、その変
化率検出手段M6の検出信号を減衰力検出手段M2によって
積分して減衰力検出信号として出力し、その減衰力検出
信号の成分のうちばね上共振周波数の近傍周波数成分
を、ばね上共振成分抽出手段M3により抽出する。また、
減衰力検出信号の成分のうちばね下共振周波数の近傍周
波数成分を、ばね下共振成分抽出手段M4により抽出す
る。
こうして抽出されたばね上共振成分信号は、ばね上共
振周波数近傍での車高変化の際に発生する減衰力を促え
たもので、ばね上共振周波数近傍で大きな車高変化であ
る車両のあおりの発生を判断できる信号である。一方、
ばね下共振成分信号は、ばね下共振周波数近傍での車高
変化の際に発生する減衰力を促えたもので、ばね下共振
周波数近傍での大きな車両の振動の発生を判断できる信
号である。
高減衰力維持手段M5は、抽出されたばね上共振成分信
号がこの信号について予め定めたしきい値より大きく、
ばね下共振成分信号がこの信号について予めたしきい値
より小さい場合に、ショックアブソーバの発生する減衰
力の程度を高めにし、車両のあおりを未然に防止する。
なお、減衰力の程度を高めにするとは、減衰力の程度を
低め側から高めに変化させる場合と、既に減衰力が高め
にされている際に高めのまま維持する場合とがある。一
方、ばね上共振成分信号が大きい場合であっても、ばね
下共振成分信号がそのしきい値以上の場合には、ショッ
クアブソーバの発生す減衰力の程度を高めに維持するあ
おり防止を行なわない。従って、こうした場合に無用の
あおり防止を行なって、車両が振動してしまうという問
題を生じない。
尚、ばね上共振成分信号およびばね下共振成分信号の
しきい値の設定については、それぞれ関数によって設定
する構成や、測定により設定する構成など種々あり、2
つのしきい値の間には様々な関係が考えられる。
[実施例] 以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする
ために、以下本発明のサスペンション制御装置の好適な
実施例について説明する。
第2図はこのサスペンション制御装置1全体の構成を
表わす概略構成図であり、第3図(A)はショックアブ
ソーバを一部破断した断面図であり、第3図(B)はシ
ョックアブソーバの要部拡大断面図である。
第2図に示すように、本実施例のサスペンション制御
装置1は、減衰力を2段階に変更可能なショックアブソ
ーバ(以下、単にショックアブソーバという)2FL,2FR,
2RL,2RRと、これら各ショックアブソーバに接続されそ
の減衰力を制御する電子制御装置4とから構成されてい
る。各ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRは、夫々、
左右前後輪5FL,5FR,5RL,5RRのサスペンションロワーア
ーム6FL,6FR,6RL,6RRと車体7との間に、コイルスプリ
ング8FL,8FR,8RL,8RRと共に併設されている。
ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRは、後述するよ
うに、ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRに作用する
力を検出するピエゾ荷重センサと、ショックアブソーバ
2FL,2FR,2RL,2RRにおいてストロークに対する減衰力の
発生パターンの設定を切り変えるピエゾアクチュエータ
とを各々一組ずつ内蔵している。
次に、上記各ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRの
構造を説明するが、上記各ショックアブソーバ2FL,2FR,
2RL,2RRの構造は総て同一であるため、ここでは左前輪5
FL側のショックアブソーバ2FLを例にとり説明する。ま
た、以下の説明では、各車輪に設けられた各部材の符号
には、必要に応じて、左前輪5FL,右前輪5FR,左後輪5RL,
右後輪5RRに対応する添え字FL,FR,RL,RRを付けるものと
し、各種に関して差異がない場合には、添え字を省略す
るものとする。
ショックアブソーバ2は、第3図(A)に示すよう
に、シリンダ11側の下端には車軸側部材11aを介してサ
スペンションロワーアーム6(第2図)に固定され、一
方、シリンダ11に貫挿されたロッド13の上端にて、ベア
リング7a及び防振ゴム7bを介して車体7にコイルスプリ
ング8と共に固定されている。
シリンダ11内部には、ロッド13の下端に連接された内
部シリンダ15、連結部材16および筒状部材17と、シリン
ダ11内周面にそって摺動自在なメインピストン18とが配
設されている。ショックアブソーバ2のロッド13に連結
された内部シリンダ15には、ピエゾ荷重センサ25とピエ
ゾアクチュエータ27とが収納されている。
メインピストン18は、筒状部材17に外嵌されており、
シリンダ11に嵌合する外周にはシール材19が介装されて
いる。従って、シリンダ11内は、このメインピストン18
により第1の液室21と第2の液室23とに区画されてい
る。第3図(B)に示すように筒状部材17の先端にはバ
ックアップ部材28が螺合されており、筒状部材17との間
に、メインピストン18と共に、スペーサ29とリーフバル
ブ30を筒状部材17側に、リーフバルブ31とカラー32をバ
ックアップ部材28側に、それぞれ押圧・固定している。
また、リーフバルブ31とバックアップ部材28との間に
は、メインバルブ34とばね35が介装されており、リーフ
バルブ31をメインピスン18方向に付勢している。
これらリーフバルブ30,31は、メインピストン18が停
止している状態では、メインピストン18に設けられた伸
び側及び縮み側通路18a,18bを、各々片側で閉塞してお
り、メインピストン18が矢印AもしくはB方向に移動す
るのに従って片側に開く。従って、両液室21,23に充填
された作動油は、メインピストン18の移動に伴って、両
通路18a,18bのいずれかを通って、両液室21,23間を移動
する。このように両液室21,23間の作動油の移動が両通
路18a,18bに限られている状態では、ロッド13の動きに
対しては発生する減衰力は大きく、サスペンションの特
性はハードとなる。
内部シリンダ15の内部に収納されピエゾ荷重センサ25
及びピエゾアクチュエータ27は、第3図(A),(B)
に示すように、圧電セラミックスの薄板を電極を挟んで
積層した電歪素子積層体である。ピエゾ荷重センサ25の
各電歪素子は、ショックアブソーバ2に作用する力、即
ち減衰力によって分極する。従って、ピエゾ荷重センサ
25の出力を所定インピーダンスの回路により電圧信号と
して取り出せば、減衰力の変化率を検出することができ
る。
ピエゾアクチュエータ27は、高電圧が印加されると応
答性良く伸縮する電歪素子を積層してその伸縮量を大き
くしたものであり、直接にはピストン36を駆動する。ピ
ストン36が第3図(B)矢印B方向に移動されると、油
密室33内の作動油を介してプランジャ37及びH字状の断
面を有するスプール41も同方向に移動される。こうして
第3図(B)に示す位置(原点位置)にあるスプール41
が図中B方向に移動すると、第1の液室21につながる副
流路16cと第2の液室23につながるブッシュ39の副流路3
9bとが連通されることになる。この副流路39bは、更に
プレートバルブ45に設けられた油穴45aを介して筒状部
材17内の流路17aとが連通されているので、スプール41
が矢印B方向に移動すると、結果的に、第1の液室21と
第2の液室23との間を流動する作動油流量が増加する。
つまり、ショックアブソーバ2は、ピエゾアクチュエー
タ27が高電圧印加により伸張すると、その減衰力特性を
減衰力大(ハード)の状態から減衰力小(ソフト)側に
切り換え、電荷が放電されて収縮すると減衰力特性を減
衰力大(ハード)の状態に復帰させる。
尚、メインピストン18の下面に設けられたリーフバル
ブ31の移動量は、バネ35により、リーフバルブ30と較べ
て規制されている。また、プレートバルブ45には、油穴
45aより大径の油穴45bが、油穴45aより外側に設けられ
ており、プレートバルブ45がばね46の付勢力に抗してブ
ッシュ39方向に移動すると、作動油は、油穴45bを通っ
て移動可能となる。従って、スプール41の位置の如何を
問わず、メインピストン18が矢印B方向に移動する場合
の作動油流量は、メインピストン18が矢印A方向に移動
する場合より大きくなる。即ち、メインピストン18の移
動方向(伸び側と縮み側)によって減衰力を変え、ショ
ックアブソーバとしての特性の一層良好なものとしてい
るのである。また、油密室33と第1の液室21との間には
作動油補給路38がチェック弁38aと共に設けられてお
り、油密室33内の作動油流量を一定に保っている。
次に、上記したシェックアブソーバ2の減衰力の発生
バターンを切換制御する電子装置4について、第4図を
用いて説明する。
この電子制御装置4には、車両の走行状態を検出する
ためのセンサとして、各ショックアブソーバ2のピエゾ
荷重センサ25の他、図示しないステアリングの操舵角を
検出するステアリングセンサ50と、車両の走行速度を検
出する車速センサ51と、図示しない変速機のシフト位置
を検出するソフト位置センサ52と、図示しないブレーキ
ペダルが踏まれたときに信号を発するストップランプス
イッチ53等が接続されている。
これら検出信号等に基づき上述したピエゾアクチュエ
ータ27に制御信号を出力する電子制御装置4は、周知の
CPU4a,ROM4b,RAM4cを中心に算術論理演算回路として構
成され、これらとコモンバス4dを介して相互に接続され
た入力部4e及び出力部4fにより外部との入出力を行な
う。
電子制御装置4には、このほかピエゾ荷重センサ25が
接続された減衰力検出回路54、減衰力検出回路54が接続
された2組のバンドパスフィルタを構成するローパスフ
ィルタ55,56およびハイパスフィルタ57,58、ステアリン
グセンサ50および車速センサ51が接続された波形整形回
路59、ピエゾアクチュエータ27に接続される高電圧印加
回路60、イグニッションスイッチ63を介してバッテリ61
から電源の供給を受けピエゾアクチュエータ駆動用の駆
動電圧を出力するいわゆるスイッチングレギュレータ型
の高電圧電源回路62、バッテリ61の電圧を変圧して電子
制御装置4の作動電圧(5v)を発生する定電圧電源回路
64等が備えられている。上記構成のうち、減衰検出回路
54、ハイパスフィルタ57,58、波形整形回路59、シフト
位置センサ52、ストップランプスイッチ53は入力部4e
に、一方、高電圧印加回路60、高電圧電源回路62は出力
部4fにそれぞれ接続されている。
減衰力検出回路54は各ピエゾ荷重センサ25FL,25FR,25
RL,25RRに対応して設けられた4個の検出回路からな
り、各々の検出回路は、路面よりショックアブソーバ2
が受ける作用力に応じてピエゾ荷重センサ25を含む回路
から出力される電圧信号を減衰力変化率検出信号として
CPU4aに出力すると共に、この電圧信号を積分した信号
を減衰力検出信号としてCPU4aやバンドパスフィルタの
ローパスフィルタ55,56に出力するように構成されてい
る。
減衰力検出回路54が出力する減衰力検出信号のうち、
ローパスフィルタ55,56に出力されるのは、実施例では
左右後輪5RL,5RRのショックアプソーバ2RL,2RRの減衰力
検出信号である。出力された減衰力検出信号の成分のう
ち、ローパスフィルタ55,56を通過した成分はハイパス
フィルタ57,58に出力され、ローパスフィルタ55,56およ
びハイパスフィルタ57,58を通過した成分はCPU4aに出力
される。
実施例のローパスフィルタ55,56のうちローパスフィ
ルタ55は、周波数約1.3[Hz]以下の周波数の信号を通
過するものである。このローパスフィルタ55の出力が入
力されるハイパスフィルタ57は周波数約1.0[Hz]以上
の周波数の信号を通過するものである。従って、減衰力
検出回路54から出力された減衰力検出信号がローパスフ
ィルタ55およびハイパスフィルタ57を通過すると、減衰
力検出信号の成分のうち、周波数1.0[Hz]以上周波数
1.3[Hz]以下のばね上共振周波数の近傍周波数の信号
であるばね上共振成分信号が抽出される。こうして得ら
れるばね上共振成分信号の一例を、第5図のグラフに示
す。
また、他方のローパスフィルタ56は、周波数約15[H
z]以下の周波数の信号を通過するものである。このロ
ーパスフィルタ56の出力が入力されるハイパスフィルタ
58は周波数約10[Hz]以上の周波数の信号が通過するも
のである。従って、減衰力検出回路54から出力された減
衰力検出信号がローパスフィルタ56およびハイパスフィ
ルタ58を通過すると、減衰力検出信号の成分のうち、周
波数10[Hz]以上周波数15[Hz]以下のばね下共振周波
数の近傍周波数の信号であるばね下共振成分信号が抽出
される。
電子制御装置4のCPU4aは、以上説明した各種検出信
号、例えば減衰力検出回路54が出力する減衰力変化率検
出信号および減衰力検出信号、減衰力検出信号の成分の
うちローパスフィルタ55およびハイパスフィルタ57を通
過したばね上共振成分信号、ローパスフィルタ56および
ハイパスフィルタ58を通過したばね下共振成分信号、車
速センサ51等の検出信号をCPU4aにおける処理に適した
信号に波形整形して出力する波形整形回路59からの出力
信号と、さらに自己の処理結果等に基づいて、路面状態
や車両の走行状態等を判定することができる。CPU4aは
かかる判定に基づいて、各車輪に対応して設けられた高
電圧印加回路60に制御信号を出力する。
高電圧印加回路60は、高電圧電源回路62から出力され
る+500ボルトもしくは−100ボルトの電圧を、CPU4aか
らの制御信号に応じて、ピエゾアクチュエータ27に印加
する回路である。従って、この減衰力切換信号によっ
て、ピエゾアクチュエータ27が伸張(+500ボルト印加
時)もしくは収縮(−100ボルト印加時)し、作動油流
動が切り換えられて、ショックアブソーバ2の減衰力特
性がソフトもしくはハードに切り換えられる。即ち、各
ショックアブソーバ2の減衰力特性は、高電圧を印加し
てピエゾアクチュエータ27を伸張させたときには、既述
したスプール41(第3図(B))により、ショックアブ
ソーバ2内の第1の液室21と第2の液室23との間を流動
する作動油の流量が増加するため減衰力の小さな状態と
なり、負の電圧により電荷を放電させてピエゾアクチュ
エータ27を収縮させたときには、作動油流量が減少する
ため減衰力の大きな状態となるのである。
次に、上記した構成を備える本実施例のサスペンショ
ン制御装置1の電子制御装置4が行なう減衰力制御につ
いて、第6図,第7図のフローチャートに基づき説明す
る。各図に示した各ルーチンは、それぞれ定められた一
定の時間毎に割込処理により繰り返し実行される。各ル
ーチンの処理内容は次のとおりである。
減衰力制御ルーチン(第6図) 路面状態に応じてショックアブソーバ2の減衰力発生
パターンの高低の設定を切り換える減衰力制御を通常行
なう。あおり防止開始条件が成立した場合には、路面状
態に基づいて通常行なう減衰力制御に優先して、4輪総
てのショックアブソーバ2の設定を高減衰力発生パター
ンに切り換え、サスペンションをハードにするあおり防
止を実行する。また、あおり防止の終了条件が成立した
場合には、サスペンションをハードにするあおり防止の
実行を終了する。
あおり防止割込ルーチン(第7図) あおり発生の前兆を検出し、あおり防止実行の開始条
件が成立したか否かを判断する。また、あおり防止実行
中は、あおり防止実行の終了条件が成立したか否かを判
断する。
尚、あおり防止割込ルーチン(第7図)は、実施例で
は左右後輪5RL,5RRのショックアブソーバ2RL,2RRに関し
て独立して行なわれる。
以下、各ルーチンの詳細について、減衰力制御ルーチ
ン(第6図)から説明する。
減衰力制御ルーチンを開始すると、まず、ハード優先
切換フラグHFが値1にセットされたか否かの判断処理
(ステップ100)を行なう。ハード優先切換フラグHF、
あおり防止割込ルーチン(第7図)においてあおり防止
実行の開始条件が成立した場合に、後述するステップ13
0の処理で値1にセットされるフラグである。
ハード優先切換フラグHFが値1にセットされておら
ず、ステップ100で「NO」と判断された場合は、路面状
態に基づく通常の減衰力制御処理(ステップ110)を行
なう。減衰力制御処理の概要は、各種センサからの検出
信号に基づき走行状態(操舵角,車速等)を判断すると
共に、減衰力検出回路54からの減衰力変化率検出信号お
よび減衰力検出信号に基づいて路面状態を判断し、これ
ら判断の結果に応じてショックアブソーバ2の減衰力発
生パターンの高低の設定を切り換え、サスペンションを
ソフト又はハードにするというものである。一般的に言
えば路面の状態が悪ければソフトにし、路面が平坦であ
ればハードにする。
減衰力制御装置(ステップ110)の後には、このルー
チンを繰り返す度に、左右の車輪が5RL,5RRに関し独立
して行なうあおり防止割込ルーチン(第7図)におい
て、各々のあおり防止開始フラグSFR,SFLのうち一方で
も値1にセットされたか否かの判断処理(ステップ12
0)を行なう。あおり防止開始フラグSFR,SFLは、各あお
り防止割込ルーチンにおいて、あおり防止実行の開始条
件が成立した場合に値1にセットされる。上記フラグの
うち一方のフラグでもセットされたと判断すれば、上述
のハード優先切換フラグHFを値1にセットする処理(ス
テップ130)を行なって、本ルーチンを一旦終了する。
以上の処理に対して、ステップ100でハード優先切換
フラグHFが値1にセットされており、「NO」と判断した
場合は、あおり防止実行処理(ステップ140)を行な
う。あおり防止実行処理では、上記の路面状態に基づく
通常の減衰力制御処理(ステップ110)の結果に優先し
て、4輪総てのショックアブソーバ2を高減衰力発生パ
ターンに設定する処理を行ない、サスペンションがソフ
トであればハードに切り換え、ハードであればハードの
まま維持する。
あおり防止実行処理(ステップ140)の後には、ルー
チンを繰り返す度に、左右の車輪5RL,5RRに関し独立し
て行なうあおり防止割込ルーチンにおいて各終了フラグ
EFR,EFLの両方ともが値1にセットされたか否かの判断
処理(ステップ150)行なう。両方の終了フラグEFR,EFL
が値1にセットされたと判断した場合は、あおり発生の
おそれが解消されたと判断し、上述のハード優先切換フ
ラグHFを値0にリセットする処理(ステップ160)を行
ない、本処理を一旦終了する。こうしてハード優先切換
フラグHFが値0にリセットされると、次回のルーチンの
実行では、ステップ110の路面状態に基づく通常の減衰
力制御処理を行ない、路面の状態が悪ければサスペンシ
ョンをソフトにし、路面の状態が平坦であればハードに
するといった制御を実現する。
次に、かかる減衰力制御ルーチンで参照されるあおり
防止の開始フラグSFR,SFLおよび終了フラグEFR,EFLを決
定するあおり防止割込ルーチンを、第7図(A),
(B)のフローチャートに基づいて説明する。尚、あお
り防止割込ルーチンは左右の車輪5RL,5RRに関し独立し
て行なわれるが、各車輪についての処理に変わりはない
ので、特に区別せずに説明する。
この割込ルーチンを開始すると、第7図(A)に示す
ように、まず、ばね上共振成分信号を構成する減衰力テ
ータPspと、ばね下共振成分信号を構成する減衰力デー
タPunspとの読込処理(ステップ170)を行なう 各減衰力データPsp,Punspの読み込み後は、ハード優
先切換フラグHFが値1にセットされているか否かの判断
処理(ステップ180)を実行する。ハード優先切換フラ
グHFが値1にセットされておらず、「NO」と判断した場
合は、ステップ190以降に示すあおり防止実行の開始条
件を判定する処理を実行する。一方、ステップ180でハ
ード優先切換フラグHFがセットされており、「YES」と
判断した場合は、開始条件の判定処理を飛ばして、第7
図(B)に示すあおり防止実行の終了条件を判定する処
理に移行する。
第7図(A)に示す開始条件の判定処理の大略は、ス
テップ170で更新される減衰力データPsp,Punspを監視し
て、ばね上共振成分の減衰力データPspが大きく、ばね
下共振成分の減衰力データPunspが小さい場合に、あお
り防止実行の開始条件が満たされたと判断し、あおり防
止開始フラグSFをセットするというものである。
実施例の開始条件の判定処理では、まず、ばね上共振
成分信号の減衰力データPspが大きいか否かを判断する
一連の処理を実行する。この処理では、最初にショック
アブソーバ2の減衰力発生パターンの設定の相違に応じ
て、減衰力データPspがしきい値を越えたか否かを判断
する(ステップ190,200,210)。ステップ190でショック
アブソーバ2の設定が低減衰力発生パターン(ソフト)
であると判断し場合は、ばね上共振成分の減衰力データ
Pspが、低減衰力用のしきい値+SL1,−SL2で区切られた
範囲(第5図参照)を外れているか否かを判断する処理
(ステップ200)を行なう。一方、ステップ190でショッ
クアブソーバ2の設定が高減衰力発生パターン(ハー
ド)であると判断した場合、減衰力データPspが、高減
衰力用のしきい値+SL3,−SL4で区切られた範囲(第5
図参照)を外れているか否かを判断する処理(ステップ
210)を行なう。尚、第5図に示したように、高減衰力
用のしきい値+SL3は、低減水力用のしきい値+SL1より
大きな値であり、高減衰力用のしきい値−SL4は低減衰
力用のしきい値−SL2よりも小さな値である。また、そ
れらの正のしきい値+SL1,+SL3の絶対値は、それぞれ
負のしきい値−SL2,−SL4の絶対値よりも相対的に大き
く設定されている。これはショックアブソーバ2の減衰
力発生パターンの設定の相違や、ショックアブソーバ2
の伸び側および縮み側の相違により、同じ路面であって
もショックアブソーバ2が発生する減衰力のレベルの異
なることを補償するためである。
ばね上共振成分の減衰力データPspがしきい値+SL1,
−SL2、或は+SL3,−SL4で区切られる範囲内に収まって
おり、第7図のステップ200,210で「NO」と判断した場
合は、あおり発生の前兆はないと判断して、後述する開
始条件の判定期間ΔTstを計時するカウンタCstをクリア
し(ステップ220)、あおり防止開始フラグSFをリセッ
トして(ステップ230)、本処理を一旦終了する。
一方、ステップ200,210のいずれにおいても、減衰力
データPspがしきい値+SL1,−SL2、或いは+SL3,−SL4
で区切られる範囲を外れており、「YES」と判断した場
合は、あおり発生の前兆を促えている可能性があると判
断して、次に、開始条件の判定期間ΔTsを計時するカウ
ンタCstをインクリメントし(ステップ240)、インクリ
メントしたカウンタCstが判定値Vs以上か否定かを判断
する処理(ステップ250)を行なう。即ちカウンタCstの
インクリメントが判定値Vsまで繰り返され、計時される
判定期間ΔTsの間、ばね上共振成分の減衰力データPsp
がそのしきい値の判定を外れており、かつ後述するばね
下共振成分の減衰力データPunspがそのしきい値の範囲
内に収まっていることを検出する判断を行なう。尚、判
定期間ΔTsはばね上共振成分信号の周期(1秒程度)と
比べて微小時間であって、ばね下共振成分信号の半周期
(0.05秒程度)より長い時間である。
ステップ250において、カウンタCstが判定値Vsに至っ
ておらず、「NO」と判断した場合は、以降に、ばね下共
振成分信号の減衰力データPunspが設定のしきい値の判
定内に収まっているか否かを判断するための一連の処理
を行なう。
この処理では、まず、ショックアブソーバ2の減衰力
発生パターンの設定の相違に応じて、ばね下共振成分の
減衰力データPunspのしきい値である上限値+Vhighと下
限値−Vlowとを算出する処理(ステップ270,280,290)
を行ない、続いて、上限値+Vhighおよび下限値−Vlow
で区切られる範囲内に、ばね下共振成分の減衰力データ
Punspが収まっているか否かを判断する処理(ステップ3
00)を行なう。
上限値+Vhighと下限値−Vlowは、サスペンションを
ハードにするあおり防止を実行したとしても、車両が振
動することはなく、乗り心地が損なわれないと考えられ
るばね下共振成分の減衰力データPunspの範囲を示すも
のである。第8図にその上限値+Vhighについて例示す
る。図示する上限値+Vhighはショックアブソーバ2の
設定が低減衰力発生パターンの場合である。この例に示
すように、ばね下共振成分の減衰力データPunspの上限
値+Vhighは、ばね上共振成分の減衰力データPspの関数
f1(Psp)として決定される。従って、第8図において
は、関数f1(Psp)が描く境界線の内側の領域A(斜線
を施した部分)が、ばね上共振成分の減衰力データPsp
とばね下共振成分の減衰力データPunspの組合せのう
ち、あおり防止を実行したとしても乗り心地が損なわれ
ない領域を示している。
図示しない上記の上限値+Vhighに対応する下限値−V
lowについても、第8図に示4た上限値+Vhighと符号が
逆で同様な傾向を示すばね上共振成分の減衰力データPs
pの関数g1(Psp)として決定される。ショックアブソー
バ2の設定が高減衰力設定パターンの場合における上限
値+Vhighおよび下限値−Vlowについても上記の関数f1
(Psp),g1(Psp)と同様に、各々ばね上共振成分の減
衰力データの関数f2(Psp),g2(Psp)として決定され
る。
以上のような上限値+Vhighと下限値−Vlowを、第7
図のステップ280,290で算出し、ばね下共振成分の減衰
力データPunspが上限値+Vhighと下限値−Vlowで区切ら
れる範囲内に収まっているか否かをステップ300で判断
するが、ステップ300でばね下共振成分の減衰力データP
unspが上限値+Vhighと下限値−Vlowで区切られる範囲
を外れており、「NO」と判断した場合は、あおり防止を
実行すると乗り心地が損なわれるため、先のステップ24
0でインクリメントしたカウンタCstをクリアし(ステッ
プ220)、あおり防止開始フラグSFをリセットする処理
(ステップ230)を行なって、本処理を一旦終了する。
一方、ステップ300においてばね下共振成分の減衰力
データPunspがその上限値+Vhighと下限値−Vlowで区切
られた範囲内に収まっており、「YES」と判断した場合
は、ステップ230のあおり防止開始フラグSFをリセット
する処理のみを行なって、本処理を一旦終了する。
従って、ステップ300で「YES」と判断された場合は、
カウンタCstは先のステップ240でインクリメントされた
値を維持する。このようにばね上共振成分の減衰力デー
タPspがしきい値+SL1,−SL2、或いは+SL3,−SL4で区
切られる範囲を外れている場合であって、ばね下共振成
分の減衰力データPunspが上限値+Vhighと下限値−Vlow
で区切られた範囲内に収まっている場合が継続すれば、
ステップ240でカウンタCstは次々にインクリメントさ
れ、判定値Vsに到達する。
カウンタCstが判定値Vs以上となると、ステップ250で
は「YES」と判断し、あおり防止の実行条件が成立した
と判断して、あおり防止開始フラグSFを値1にセットす
る(ステップ260)。カウンタCstのインクリメントが繰
り返されて判定値Vsに到達したことにより、判定期間Δ
Tsの間、ばね上共振成分の減衰力データPspがそのしき
い値の判定を外れており、かつ後述するばね下共振成分
の減衰力データPunspがそのしきい値の範囲内に収まっ
ていることが検出されたからである。
こうしてあおり防止開始フラグSFがセットされると、
既述したように減衰力制御ルーチンにおいてハード優先
切換フラグHFがセットされ(第6図ステップ130)、4
輪総てのショックアブソーバ2の減衰力の低を高減衰力
に切り換えるあおり防止実行処理(第6図ステップ14
0)が実行される。開始条件の判定処理における判定期
間ΔTsは既述したようにばね下共振成分の半周期より長
いから、判定期間ΔTsが満了した場合はばね下共振成分
の振幅が小さいことが確認されており、あおり防止を実
行したとしても車両に振動は発生しない。
尚、ステップ300で「NO」と判断する場合は、ばね下
共振成分の減衰力データPunspが大きく、あおり防止を
実行しては車両に振動が発生すると考えられる場合であ
る。走行路面が例えば車両にあおりを発生する緩やかな
起伏、細かな凹凸が重なった、いわゆる複合路面の場合
にこうした状況が発生する。このような状況では、判定
期間ΔTsが満了せず、あおり防止開始フラグSFがセット
されないから、あおり防止は行なわれない。この場合
は、減衰力制御ルーチンにおいて実行される路面状態に
基づく減衰力制御処理(第6図ステップ110)により、
必要があればショックアブソーバの設定が低減衰力発生
パターンに切り換えられ、サスペンションがソフトとな
り、乗り心地が改善される。
以上の開始条件の判定処理を、第5図のグラフに例示
するばね上共振成分信号のケースについて補足説明す
る。尚、この例は、ショックアブソーバ2の設定が低減
衰力発生パターン(ソフト)の場合である。このケース
では、時刻t1以降、減衰力が継続してしきい値SL1以上
となるから、この以降のあおり防止割込ルーチンでは処
理を繰り返す毎に、減衰力データPspがしきい値SL1以上
の連続して判断される。この場合に、ばね下共振成分の
減衰力データPunspが、そのしきい値(上限値+Vhighと
下限値−Vlow)の範囲内に収まっていれば、カウンタCs
tをリセットされることなく、次々にインクリメントさ
れる。一方、ばね下共振成分の減衰力データPunspが、
そのしきい値の範囲を外れることがあれば、カウンタCs
tはクリアされる。カウンタCstは一旦クリアされても、
ばね下共振成分の減衰力データPunspがそのしきい値の
範囲内に収まり、ばね上共振成分の減衰力データPspが
しきい値SL1を越えていれば、再びカウンタCstはインク
リメントされる。こうしてカウンタCstが判定値Vsまで
増加し、時刻t2に判定時間ΔTsの計時を完了する。
判定時間ΔTsの計時を完了した場合は、既述したよう
にサスペンションをハードにするあおり防止を実行して
も、乗り心地が損なわれない場合であるから、サスペン
ションをハードにするあおり防止が実行される。
次に、第7図(B)の終了条件の判定処理について説
明する。
実施例の終了条件の判定処理は、ばね上共振成分の減
衰力データPspを監視していて、あおり防止の実行を終
了したとしても、あおり発生のおそれのないことを示す
条件が満たされたときに、あおり防止終了フラグEFをセ
ットするというものである。
この判定処理では、まず、ばね上共振成分の減衰力デ
ータPspがしきい値+SL5,−SL6で区切られる範囲内(第
5図参照)に収まっているか否かの判断処理(ステップ
310)を実行する。減衰力データPspが各しきい値+SL5,
−SL6で区切られた範囲を外れており、ステップ310で
「NO」と判断された場合は、あおり防止実行を終了した
のでは車両にあおりが発生するから、後述する終了条件
の判定期間ΔTeを計時するカウンタCedをクリアし(ス
テップ320)、あおり防止終了フラグEFをリセットする
処理(ステップ330)を行なって、本処理を一旦終了す
る。
一方、減衰力データPspがしきい値+SL5,−SL6で区切
られた範囲内に収まっており、ステップ310で「YES」と
判断した場合は、減衰力が小さい場合(第5図において
は例えば時刻t3以降、時刻t5以降)であって、終了条件
を満足する可能性があるから、その判定期間ΔTeを計時
するカウンタCedをインクリメントし(ステップ300)、
インクリメントしたカウンタCedが判定値Ve以上か否
か、即ちカウンタCedのインクリメントにより終了の判
定期間ΔTeの計時が完了したか否かを判断する処理(ス
テップ310)を行なう。
カウンタCedは、あおり防止制御ルーチンを繰り返す
毎に、減衰力データPspがしきい値+SL5,−SL6で区切ら
れた範囲内に収まっているとステップ310で連続して判
断された場合に、次々にステップ340でインクリメント
され、判定値Veまで増加する。例えば、第5図に示す時
刻t3以降に行なわれる処理では減衰力データPspがしき
い値で区切られた範囲内に収まっているから、カウンタ
Cedは連続して増加するが、時刻t4に減衰力データPspが
その範囲を外れるため、ステップ320でリセットされ、
判定値Veまで増加しない。こうした場合には、ステップ
350でカウンタCedが判定値Ve未満と判断され、あおり防
止実行を終了したのではあおり発生のおそれがあると判
断して、終了フラグEFのリセット処理(ステップ330)
の実行の後、一旦処理を終了する。減衰力制御ルーチン
(第6図)では、引続きあおり防止実行処理(ステップ
140)を実行する。
一方、第5図に示す時刻t5以降に行なわれる処理では
減衰力データPspがしきい値+SL5,−SL6で区切られる範
囲内に接続して収まっているから、カウンタCedが判定
値Veまで増加する。従って、カウンタCed判定値Veまで
増加した時刻t6には、ステップ310でカウンタCedが判定
値Ve以上と判断され、あおり防止を終了してもあおり発
生のおそれがないと判断して、終了フラグEFを値1にセ
ットする処理(ステップ360)を実行する。
以上のようにして左右後輪5RL,5RRに関して独立して
行なわれるあおり防止割込ルーチンにおいて、その両ル
ーチンの防止終了フラグEFがセットされると、既述した
ように減衰力制御ルーチン(第6図)においてハード優
先切換フラグHFがリセット(ステップ160)される。以
降、減衰力制御ルーチンでは、通常の路面状態に基づく
減衰力制御処理(ステップ110)を行ない、路面状態が
悪ければサスペンションをソフトにし、路面が平坦であ
ればハードにする。第5図の例では時刻t6における終了
条件の判定期間ΔTeの満了によりサスペンションがソフ
トにされる。尚、終了条件の判定期間ΔTeは、ばね上共
振成分の周期よりも長い期間、減衰力データPspを監視
するものに設定される。
以上説明したように、実施例のサスペンション制御装
置によれば、ばね上共振成分の減衰力データPspと、ば
ね下共振成分の減衰力データPunspとを監視して、ばね
上共振成分の減衰力データPspがそのしきい値の範囲を
外れ、ばね下共振成分の減衰力データPunspがそのしき
い値の範囲内に収まっていることが検出された場合に、
サスペンションを優先的にハードにするから、あおり発
生を好適かつ未然に防止できるという優れた効果を奏す
る。一方、例えば路面が、車両にあおりを発生する緩や
かな起伏に細かな凹凸が重なった、いわゆる複合路面の
場合には、サスペンションはハードにされないから(あ
おり防止を行わないから)、車両が路面の凹凸の影響を
受けて振動することはなく、乗り心地は損なわない。
また、ばね下共振成分減衰力データPunspの上限値+V
highおよび下限値−Vlowは、ばね上共振成分の減衰力デ
ータPspの関数として設定されているから、間近に発生
する車両のあおりの大きさと、ばね下共振周波数近傍で
の車両の振動の大きさとのバランスを考慮して、乗り心
地が最良になるように、あおり防止を実行するか否かの
判断を行なうことが可能にする。
さらに、この関数は、ショックアブソーバ2の減衰力
発生パターンの高低の設定毎に設けられているので、上
記判断の精度が高い。
加えて、あおり防止の開始条件判定処理においては、
判定期間ΔTsを設定したことにより、ローパスフィルタ
55をその特性上、幾分通過する若干高い周波数成分の影
響を排除し、判定精度の向上を図ることができるという
効果を奏する。従って、誤判定のおそれを開所できる。
また、この判定期間ΔTsを変更することにより、あお
り防止の時期をスポーツ車等の車種に併せて最適な時期
に容易に設定できるという効果を奏する。例えば、判定
期間ΔTsを利用してあおり防止実行時期をわずかに遅延
すれば、あおり防止実行に伴いサスペンションがハード
に切り換えられることがあっても、操作者は切換理由を
あおり防止と認識できるから、違和感を生むおそれがな
い。
さらに、判定期間ΔTsは、上述のローパスフィルタ55
の特性補償や違和感の解消という機能と、ばね下共振成
分の減衰力データPunspがそのしきい値内に収まってい
るか否かを判定する機能とを一つのカウンタで実現する
ものである、各機能に別個に判定期間を設けていないの
で、電子制御装置4の負担が小さいという利点もある。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の
要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し
得ることは勿論である。例えば、あおり防止割込ルーチ
ンは左右後輪について行なう以外にも、4個の車輪のう
ちいずれか2個の車輪、いずれか3個の車輪、或は4輪
総てについて行なってもよい。4個の車輪のうちいずれ
かひとつについて行なってもよい。この場合は電子制御
装置4が行なう処理を簡素化することができる。ショッ
クアブソーバ2の減衰力発生パターンの設定は2段階以
上であってもよい。無段階に設定できるものでもよい。
あおり防止の開始条件の判定処理におけるばね下共振成
分の減衰力データPunspのしきい値と、ばね上共振成分
の減衰力データPspの大きさとの関係は、第8図に例示
した関係以外にも、直線で描かれる関係、曲線で描かれ
る関係、さらに閉領域の飛島ができる関係など種々の関
係が考えられる。それは例えば官能試験により最適な関
係に設定される。終了条件の判定は、実施例に限定され
ない。例えばばね下共振成分の減衰力データPunspを監
視する処理を加え、減衰力データPunspが大きい場合に
は、判定期間ΔTeの満了を待つことなく、サスペンショ
ンをハードに維持するあおり防止の実行を終了する構成
としてもよい。また、実施例では終了条件のしきい値+
SL5,−SL6の絶対値は、それぞれ開始条件のしきい値+S
L1,−SL2のしきい値よりも大きく設定されているが、車
両の振動特性等によっては、前者が後者と同じ場合があ
るなど両値には種々の関係が考えられる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の車両用サスペンション
制御装置によれば、ばね上共振成分信号およびばね下共
振成分信号の大きさを監視して、ばね上共振成分信号が
そのしきい値より大きく、ばね下共振成分信号がそのし
きい値より小さい場合に、サスペンションを優先的にハ
ードにするから、あおり発生を好適かつ未然に防止でき
るという優れた効果を奏する。一方、例えば路面が、車
両にあおりを発生する緩やかな起伏に細かな凹凸が重な
った、いわゆる複合路面の場合には、サスペンションは
ハードにされないから(あおり防止を行わないから)、
車両が路面の凹凸の影響を受けて振動することはなく、
乗り心地は損なわれない。従って、あおりを未然に防止
すると共に、あおり防止のための措置がかえって乗り心
地を損なうような場合には、あおり防止を実行しないこ
とによって良好な乗り心地を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を例示するブロック図、第
2図は本発明の一実施例としてのサスペンション制御装
置の全体構成を表示わす概略構成図、第3図(A)はそ
のショックアブソーバの構造を示す部分断面図、第3図
(B)はショックアブソーバの要部拡大断面図、第4図
は本実施例の電子制御装置の構成を表わすブロック図、
第5図はローパスフィルタ55およびハイパスフィルタ57
を通過した減衰力検出信号の例を示すグラフ、第6図の
減衰力制御ルーチンを示すフローチャート、第7図
(A)、(B)はあおり防止割込ルーチンを示すフロー
チャート、第8図はばね下共振成分信号のしきい値を例
示するグラフである。 2FL,2FR,2RL,2RR……減衰力可変型ショックアブソーバ 4……電子制御装置 25FL,25FR,25RL,25RR……ピエゾ荷重センサ 27FL,27FR,27RL,27RR……ピエゾアクチュエータ 54……減衰力検出回路 55,56……ローパスフィルタ 57,58……ハイパスフィルタ 60……高電圧印加回路 62……高電圧電源回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 栄樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 川田 裕之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 深見 彰 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 鈴木 豊 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−227515(JP,A) 特開 平1−208212(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】路面状態変化に基づく車両の振動変化を検
    出し、ショックアブソーバの減衰力特性を変更して車体
    振動を抑制するサスペンション制御装置において、 車両走行中、前記ショックアブソーバに発生する減衰力
    の変化率を検出する変化率検出手段と、 該変化率検出手段の検出信号を積分して減衰力検出信号
    として出力する減衰力検出手段と、 該減衰力検出信号の成分のうち、ばね上共振周波数の近
    傍周波数成分を抽出するばね上共振成分抽出手段と、 前記減衰力検出信号の成分のうち、ばね下共振周波数の
    近傍周波数成分を抽出するばね下共振成分抽出手段と、 前記抽出したばね上共振成分信号がばね上共振成分信号
    について予め定めたしきい値より大きく、前記抽出した
    ばね下共振成分信号が該ばね下共振成分信号について予
    め定めたしきい値より小さい場合に、前記ショックアブ
    ソーバの減衰力の程度を高めにする高減衰力維持手段と を備えることを特徴とするサスペンション制御装置。
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