JP3186474B2 - 路面形状検出装置 - Google Patents

路面形状検出装置

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JP3186474B2 JP27672894A JP27672894A JP3186474B2 JP 3186474 B2 JP3186474 B2 JP 3186474B2 JP 27672894 A JP27672894 A JP 27672894A JP 27672894 A JP27672894 A JP 27672894A JP 3186474 B2 JP3186474 B2 JP 3186474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、凹凸を伴う路面形状を
検出する路面形状検出装置に関し、特に制御の対象とな
る制御車輪よりも前方の路面情報を得、この路面情報に
基づいて,制御車輪と車体との間に介装された流体圧シ
リンダ等のアクチュエータを含むサスペンションを予見
制御するサスペンションの予見制御装置に対する路面情
報提供手段としての使用に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】このような路面形状検出装置としては、
例えば本出願人が先に提案した特開昭60−15110
9号公報に記載されるものがある。この路面形状検出装
置は、路面形状に起因して車両に入力される振動入力を
検出するセンサとして,例えば具体的にストラットの上
方に圧電素子等からなる荷重センサを配設し、この荷重
センサ等の振動入力センサで検出された路面形状に起因
する振動入力検出信号から,凡そ12〜13Hz程度の
高周波数帯域に存在するバネ下共振周波数に相当する周
波数成分と凡そ1〜2Hz程度の低周波数帯域に存在す
るバネ上共振周波数に相当する周波数成分とを抽出し、
このうち前記バネ下共振周波数に相当する周波数成分の
振幅値が予め設定された所定振幅値以下で且つ前記バネ
上共振周波数に相当する周波数成分の振幅値が予め設定
された所定振幅値以上であるときに、当該路面形状は一
過性の凹凸であると判定するものである。また、前記路
面形状検出装置では、前記バネ下共振周波数に相当する
周波数成分と,バネ上共振周波数に相当する周波数成分
との,前記振幅を含むエネルギ比等から、当該路面形状
が,例えば平坦な良路であるとか,比較的平坦な砂利道
であるとか,凹凸の大きい不整路面であるとかの判定も
可能であるとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の路面形状検出装置では、当該路面形状が一過
性の凹凸であるとか,凹凸の大きな不整路面であるとか
の判定は可能であるが、当該路面形状の凹凸の高さや幅
(ここでは車両進行方向側面視における幅を言う)まで
は検出できないという実情がある。
【0004】勿論、前述のようなサスペンションの予見
制御装置にあっては、当該路面形状の凹凸の高さや幅ま
での正確な路面情報があれば,制御車輪を介して車体に
入力されると推定される路面からの振動入力の推定値が
正確となる分だけ、更に適切な制御力が制御車輪に付与
されることになって乗心地が向上しよう。そのため、従
来はこの種の路面形状検出装置の一部に,路面からの反
射波の到達時間から路面の凹凸高さを検出しようとする
超音波センサを用いたものも数多く提案されているが、
ノイズ等の問題から少なくとも現在では,当該超音波セ
ンサにより走行中の車両で検出できる路面形状は,前記
サスペンションの予見制御装置に適用するには不十分で
ある。
【0005】本発明は、これらの諸問題を解決すべく開
発されたものであり、外乱である路面凹凸の形状が,車
速をパラメータとする車両への振動入力として作用する
ことに着目して,路面形状の高さや幅まで検出すること
のできる路面形状検出装置を提供することを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に係る路面形状検出装置は、
路面形状に起因して車両に入力される振動入力から当該
路面形状を検出する路面形状検出装置であって、車両の
前後方向車速を検出する車速検出手段を備え、前記路面
形状に起因して車両に入力される振動入力を検出する振
動入力検出手段は、前記路面形状に起因して車両に入力
される振動入力としてバネ下に発生するバネ下振動入力
を検出するバネ下振動入力検出手段を備え、前記振動入
力検出手段で検出された前記路面形状に起因する振動入
力検出値の最大値及び最小値の少なくとも何れか一方又
は双方に基づいて、予め設定された算出式から当該路面
形状の高さ及び幅の少なくとも何れか一方又は双方を推
定する路面形状推定手段は、前記バネ下振動入力検出手
段で検出された前記路面形状に起因するバネ下振動入力
検出値の最大値と最小値とのバネ下振動最大ー最小値差
に基づいて、前記車速検出手段で検出された車速検出値
を変数とする予め設定された回帰式から当該路面形状の
高さ及び幅の少なくとも何れか一方又は双方を算出する
路面形状算出手段を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0007】
【0008】
【作用】而して、本発明のうち請求項1に係る路面形状
検出装置では、図1の基本構成図に示すように、前記振
動入力検出手段が、路面形状に起因して車両に入力され
る振動入力を,例えばバネ下上下方向加速度とかバネ下
前後方向加速度として検出し、前記路面形状推定手段
が、前記振動入力検出手段で検出されたバネ下上下方向
加速度とかバネ下前後方向加速度等のように,前記路面
形状に起因する振動入力検出値の最大値及び最小値の少
なくとも何れか一方又は双方に基づいて,予め設定され
た算出式から当該路面形状の高さ及び幅の少なくとも何
れか一方又は双方を推定する。ここで、例えば前述のよ
うな路面凹凸は,車両の走行時にのみ外乱として当該車
両に作用する振動入力であり、一般に経験するように,
例えば路面突起の高さが大きいほど或いは当該路面突起
の幅が大きいほど、車両に作用する振動入力も大きい。
路面突起の幅が,車両に作用する振動入力の大きさに関
与しているか否かは、微視的に考えると理解しにくい
が,車速がある程度以上であるとして巨視的に考える
と、一般に想定できる路面突起をタイヤが通過してしま
う時間は,前記バネ下共振周波数における振動周期より
も遙かに短く、従って当該路面突起の幅も車両への振動
入力に少なからず関与していることが分かる。そして、
その路面形状が,少なくともタイヤが連続して乗り上げ
続けたり乗り下げ続けたりしてしまわない程度の間隔を
おいた一過性の路面凹凸であるとするならば、当該路面
形状の高さや幅が,少なくとも振動入力検出値の最大値
或いは最小値に作用する。つまり、例えば前記バネ下上
下方向加速度とかバネ下前後方向加速度等の振動入力検
出値では、例えばショックアブソーバやタイヤの減衰係
数,サスペンションスプリングやタイヤの弾性係数,車
体質量等の影響を受けない又はあまり受けていない,路
面形状に起因する振動入力が入力された直後の最大値及
び最小値は、当該路面形状の高さ及び幅の影響を端的に
受け且つ高い相関係数で,それらの増加に伴って振動入
力検出値の最大値はより大きくなり,最小値はより小さ
くなる。従って、この路面形状の高さ及び幅と,振動入
力の最大値及び/又は最小値との相関を、例えば前記シ
ョックアブソーバやタイヤの減衰係数,スプリングやタ
イヤの弾性係数,車体質量等の車両特性及び実質的には
車速をも加味して,実験式等の算出式に設定しておき、
実際の車両走行時に発生する振動入力検出値の最大値及
び/又は最小値を,前記実験式等の算出式に代入すれ
ば、路面形状の高さ及び/又は幅を精度よく推定するこ
とができる。
【0009】従って、図1の基本構成図に示すように、
前記振動入力検出手段に備えられたバネ下振動入力検出
手段が、バネ下に発生するバネ下上下方向加速度とかバ
ネ下前後方向加速度等のバネ下振動入力を検出する
合、バネ下振動入力検出値は、前記ショックアブソーバ
の減衰係数やサスペンションスプリングの弾性係数或い
は車体質量といった減衰作用を受けにくく、従ってその
分だけ路面凹凸等の路面形状に起因して車両に入力され
る振動入力の影響を比較的端的に受けることになる。一
方、このようなバネ下振動入力検出値の最大値及び/又
は最小値と,前記路面形状の高さや幅との相関は、換言
すれば運動量の問題として車速を変数として,高い相関
係数で回帰でき、当該バネ下振動入力検出値の最大値と
最小値とのバネ下振動最大−最小値差は,更に高い相関
係数で路面形状の高さや幅に回帰できる。従って、路面
形状の高さ及び幅と,バネ下振動入力のバネ下振動最大
−最小値差との実験値に基づいて、車速を変数とする回
帰式を設定しておき、実際の車両走行時に発生するバネ
下振動入力検出値のバネ下振動最大−最小値差を,前記
車速検出手段で検出された車速検出値に応じた回帰式に
代入すれば、前記路面形状推定手段に備えられた路面形
状算出手段は、当該路面形状の高さ及び幅を,更に高い
精度で算出することができる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の路面形状検出装置を,前記サ
スペンションの予見制御装置に適用した一実施例を図面
に基づいて説明する。図2は、本実施例のサスペンショ
ンの予見制御装置の概略構成図であり、この実施例にお
けるサスペンションの予見制御装置12は、図3に示す
ように、前輪側で路面の凹凸を検出し、その検出値によ
り後輪のサスペンションを能動的に予見制御するもので
あり、前輪側には通常のストラット式サスペンションが
設けられている。このサスペンションの予見制御装置の
具体的構成は,本出願人が先に提案した特願平5−32
8425号に記載されるものと同様又はほぼ同様である
ために、同じ構成要素には同等の符号を附して,その詳
細な説明を割愛する。なお、図中,10は車体側部材、
11FL,11FRは前左右輪、11RL,11RRは
後左右輪、12は予見制御装置、14FL〜14RRは
車輪側部材、15FL,15FRは前左右輪側コンベン
ショナルショックアブソーバ、16はコイルスプリン
グ、18RL,18RRは後左右輪側油圧シリンダ、2
0RL,20RRは圧力制御弁、21Sは供給側配管、
21Rは戻り側配管、22は油圧源、24Rはアキュム
レータ、26は車速センサ、30はコントロールユニッ
ト、32は絞り弁、34はアキュームレータ、36はコ
イルスプリングである。
【0011】また、前記車体側部材10と後輪側部材1
4RL,14RRとの間に介装された油圧シリンダ18
RL,18RRの作用についても,前記出願明細書に記
載されるものと同様又はほぼ同様であるために,その詳
細な説明を割愛する。また、前記油圧シリンダ18R
L,18RRを駆動させるためのアクチュエータとなる
圧力制御弁20RL,20RRの基本的な作用について
は,前記出願明細書に記載されるものと同様又はほぼ同
様であるが、本実施例では当該圧力制御弁20RL,2
0RRを,所謂デューティ弁で構成し、各圧力制御弁2
0RL,20RRへのデューティ比からなる駆動信号C
Sを制御することで、前記油圧シリンダ18RL,18
RRへの制御圧PC を制御する。具体的には、図4に示
すように各圧力制御弁20RL,20RRに供給される
駆動信号CSのデューティ比が,予め設定された最小デ
ューティ比CSMIN のときに、各圧力制御弁20RL,
20RRから油圧シリンダ18RL,18RRに供給さ
れる制御圧PC が最小制御圧PMIN となり、この状態か
ら駆動信号CSのデューティ比が直線的に増加できると
すると,当該デューティ比の増加に比例して制御圧PC
が直線的に増加し、各圧力制御弁20RL,20RRに
供給される駆動信号CSのデューティ比が,予め設定さ
れた最大デューティ比CSMAX のときに、各圧力制御弁
20RL,20RRから油圧シリンダ18RL,18R
Rに供給される制御圧PC が最大制御圧PMAX となる。
なお、図4でCSN は中立デューティ比,PCNは中立制
御圧である。
【0012】一方、前記前輪11FL,11FRのバネ
下部材,具体的には図2に示すハブナックル部材27F
L,27FRには、当該前輪バネ下に発生する加速度
(以下,単にGとも記す)を夫々個別に検出するバネ下
加速度センサ28FL,28FRが配設されている。こ
れらのバネ下加速度センサ28FL,28FRは,主と
してバネ下に発生する上下方向加速度を検出するもので
あるが、後段での説明に対する理解を容易化するため
に、合わせてバネ下に発生する前後方向加速度も検出可
能なものであるとする。そして、前記バネ下加速度セン
サ28FL,28FLの夫々は、バネ下の上下方向加速
度が零であるときに零の電圧、上方向の加速度を検出し
たときに,その加速度値に応じた正のアナログ電圧、下
方向の加速度を検出したときに,その加速度値に応じた
負のアナログ電圧でなるバネ下上下方向加速度検出値
(以下,単にバネ下上下方向加速度とも記す)ZGFL
GFR を出力し、バネ下の前後方向加速度が零であると
きに零の電圧、前方向の加速度を検出したときに,その
加速度値に応じた正のアナログ電圧、後方向の加速度を
検出したときに,その加速度値に応じた負のアナログ電
圧でなるバネ下前後方向加速度検出値(以下,単にバネ
下前後方向加速度とも記す)XGFL ,XGFR を出力する
ように構成されている。
【0013】前記コントロールユニット30は、図5に
示すように、バネ下加速度センサ28i(i=FLorF
R)から出力されるバネ下上下方向加速度検出値Z
Gi(又はバネ下前後方向加速度検出値XGi)の出力信号
をバネ下加速度バネ下振動最大−最小値差信号SP-P
変換するバネ下加速度変換回路50と、このバネ下加速
度変換回路50から出力されるバネ下加速度バネ下振動
最大−最小値差信号SP-P及び車速センサ26から出力
される車速検出値Vを入力し且つ前記制御弁20RL,
20RRへのデューティ比からなる制御量Ui を制御信
号として出力するマイクロコンピュータ44と、このマ
イクロコンピュータ44からD/A変換されて出力され
る前記制御量制御信号Ui が供給されて、これらを圧力
制御弁20RL,20RRに対するデューティ比駆動信
号CSi に変換する駆動回路46iとを備えている。な
お、実質的にバネ下加速度センサ28FL,28FRが
二つあって、例えば各バネ下加速度センサ28FL,2
8FRからの各バネ下上下方向加速度検出値ZGFL ,Z
GFR 又はバネ下前後方向加速度検出値XGFL ,XGFR
みに対して,後述する図8の演算処理を行う場合には、
アナログハード回路からなる前記バネ下加速度変換回路
50が少なくとも二つ並列に必要であり、更に前記各バ
ネ下加速度センサ28FL,28FRからの各バネ下上
下方向加速度検出値ZGFL ,ZGFR 及びバネ下前後方向
加速度検出値XGFL ,XGFR の全てに対して,後述する
図8の演算処理を行う場合には、当該バネ下加速度変換
回路50が四つ並列に必要となるが、ここではその代表
の一つについてのみ詳述することとする。
【0014】ここで、マイクロコンピュータ44は、少
なくともF/V変換機能やA/D変換機能を備えた入力
側インタフェース回路44a、D/A変換機能を備えた
出力側インタフェース回路44b、マイクロプロセサユ
ニットMPU等からなる演算処理装置(CPU)44c
及びRAM,ROM等からなる記憶装置44dを有す
る。入力インタフェース回路44aには、前記車速セン
サ26からの車速検出値V及びバネ下加速度変換回路5
0からのバネ下加速度バネ下振動最大−最小値差変換信
号SP-P が入力され、出力側インタフェース回路44b
からは各圧力制御弁20iに対する制御指令値Ui が出
力される。
【0015】また、演算処理装置44cは、図示されな
い演算処理を実行して、所定サンプリング時間ΔT(例
えば5msec.)毎に、後述する図8の演算処理に従っ
て,車速センサ26からの車速V及びバネ下加速度変換
回路50からのバネ下加速度バネ下振動最大−最小値差
変換信号SP-P に応じた前左右各輪軌跡上の路面形状の
突起高さX1 及び突起幅X2 を算出し、この路面形状の
微分値等から後左右各輪に入力されるであろう後輪振動
入力推定値として,前記前左右各輪軌跡上の路面変位の
微分値を算出し、この路面変位の微分値に基づいて予見
制御量を算出するとともに、前記車速検出値に基づいて
前後輪間の遅延時間を算出し、この遅延時間が零となっ
た予見制御量に基づいて後輪側圧力制御弁20R,20
RRへの制御量Ui を算出し、この制御量Ui を当該後
輪側圧力制御弁20R,20RRへの制御信号として出
力する。
【0016】更に、記憶装置44dには、予め演算処理
装置44cの演算処理に必要なマップや回帰式,プログ
ラム等が記憶されているとともに、前記所定サンプリン
グ時間ΔT毎に算出される予見制御量を遅延時間ととも
に順次シフトさせながら所定数格納するシフトレジスタ
領域が形成されているとともに、演算処理装置44cの
演算過程で必要な演算結果を逐次記憶する。
【0017】次に、前記バネ下加速度変換回路50を説
明する前に,本実施例における路面形状の高さ及び幅算
出の原理について説明する。まず、通常のコンベンショ
ナルサスペンションを有する空気入りタイヤ付き前輪1
1FL,11FRが,例えば図6aに示すような側面視
高さX1 ,幅X2 の路面突起を乗り越すと、図6bに示
すようなバネ下振動に伴うバネ下上下方向加速度ZGi
び/又はバネ下前後方向加速度XGi(単位はg(gravit
y ,重力加速度))が発生する。このバネ下振動に伴うバ
ネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバネ下前後方向加速
度XGiの経時振動は、前記路面突起があくまでも一過性
のものであるから,11〜12Hz前後のバネ下共振周
波数に相当するものであると考えられ、しかしながら前
記ショックアブソーバ15FL,15FRやタイヤの減
衰係数,コイルスプリング16やタイヤの弾性係数,バ
ネ上質量等による減衰力によって時間の経過と共に減衰
されてやがて収束する。
【0018】ところで、このような路面突起乗り越えに
伴うバネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバネ下前後方
向加速度XGiの初期値は、前記ショックアブソーバ15
FL,15FRの減衰係数やコイルスプリング16の弾
性係数或いは車体質量といった減衰作用を受けにくく、
従ってその分だけ前記図6aに示す路面突起の高さX 1
や幅X2 に応じて,車両に入力される振動入力の中で
も,その影響を比較的端的に受けることになる。ここ
で、例えば前述のような路面突起は,車両の走行時にの
み外乱として当該車両に作用する振動入力であり、一般
に経験するように,例えば路面突起の高さX1 が大きい
ほど或いは当該路面突起の幅X2 が大きいほど、車両に
作用する振動入力も大きい。路面突起の幅X2 が,車両
に作用する振動入力の大きさに関与していることは、微
視的に考えると理解しにくいが,車速がある程度以上
で,巨視的にタイヤが連続的に当該路面突起に乗り上げ
続けたり乗り下げ続けたりしないと考えると、一般に想
定できる路面突起をタイヤが通過してしまう時間は,前
記バネ下共振周波数における振動周期よりも遙かに短
く、従って当該路面突起の幅も車両への振動入力に少な
からず関与していることが分かる。
【0019】一方、このような一過性の路面突起乗り越
えに伴うバネ下振動入力検出値であるバネ下上下方向加
速度ZGi及び/又はバネ下前後方向加速度XGiの最大値
及び/又は最小値は、路面突起に起因するバネ下振動入
力が入力された直後の数値であり、従って,例えばショ
ックアブソーバやタイヤの減衰係数,サスペンションス
プリングやタイヤの弾性係数,車体質量等の減衰要素の
影響を受けていない又はあまり受けておらず、従って当
該バネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバネ下前後方向
加速度XGiの最大値及び/又は最小値と,前記路面形状
の高さX1 や幅X2 とは、前記車速センサ26で検出さ
れる車速Vを変数とする,運動量の問題と換言できるは
ずである。そこで、前記バネ下上下方向加速度ZGiの最
大値と最小値との差の絶対値を,バネ下振動最大−最小
値差AP-P とし、前記路面突起の高さX1 と幅X2 とを
種々に変更して,同じ車両を所定の車速Vで走行させ、
この路面突起を乗り越えたときのバネ下振動最大−最小
値差AP-P と,路面突起高さX1 とをプロットしたのが
図7である。このうち、図7aは同じ車両を時速30mi
le/hrで走行させたときのものであり、図7bは同じ車
両を時速50mile/hrで走行させたときのものである。
同図からも明らかなように,バネ下振動最大−最小値差
P-P と,路面突起高さX1 及び幅X2 とは、高い相関
係数(寄与率)で,所謂統計解析学に言う強い正の相関
のあることが分かる。また、実験によれば,前記バネ下
前後方向加速度XGiの最大値と最小値との差の絶対値を
バネ下振動最大−最小値差BP-P とした場合や,前記バ
ネ下上下方向加速度ZGi又はバネ下前後方向加速度XGi
の最大値と零値との差の絶対値をバネ下振動最大−零値
差AP-0 ,BP-0 とした場合や、前記バネ下上下方向加
速度ZGi又はバネ下前後方向加速度XGiの零値と最小値
の差の絶対値をバネ下振動零−最小値差A0-P ,B0-P
とした場合にも、同様の相関を示し、何れも高い寄与率
2 を示したので、その重回帰式と共に下記表1に記
す。
【0020】
【表1】
【0021】本実施例では、前記各バネ下振動差値の中
でも特に寄与率の高い前記バネ下上下方向加速度ZGi
バネ下振動最大−最小値差AP-P 及び/又はバネ下前後
方向加速度XGiのバネ下振動零−最小値差BP-P を用い
て路面突起の高さX1 及び幅X2 を算出設定することと
するが、前記図7に示すマップを車速検出値Vに応じて
選出したり、前記表1に示す重回帰式を,適宜補間等に
よって抽出設定したり、或いは当該重回帰式に従って路
面突起の高さX1 及び幅X2 を算出設定したりするの
は、マイクロコンピュータの得意とするところであっ
て,逆にアナログハード回路では,構成が複雑になりす
ぎて現実的でない。ところが、前記路面突起乗り越えに
伴うバネ下振動入力によるバネ下上下方向加速度ZGi
び/又はバネ下前後方向加速度XGiは,その最大値及び
最小値を含めて連続値であるため、離散値でしか演算処
理を行えないマイクロコンピュータでは,前記バネ下振
動最大−最小値差AP-P ,BP-P の検出或いは算出が不
正確になる虞れがある。そこで本実施例では,マイクロ
コンピュータによる前記路面突起の高さX1 及び幅X2
の算出設定をより正確なものとするために、当該マイク
ロコンピュータで読込まれる前記バネ下振動最大−最小
値差AP-P ,BP-P を,アナログハード回路で出力でき
るようにしたのが前記バネ下加速度変換回路50であ
る。
【0022】このバネ下加速度変換回路50は、前左右
輪11FL,11FRの各バネ下加速度センサ28iで
検出されたバネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバネ下
前後方向加速度XGiを入力してホワイトノイズ等の雑音
や路面うねり成分等を除去して,前記バネ下共振周波数
に相当する又はほぼ相当する周波数成分からなる帯域通
過バネ下加速度信号SB.P.G を出力するバンドパスフィ
ルタ51と、前記帯域通過バネ下加速度信号SB.P.G
負値の信号を整流して,正値バネ下加速度信号S+Hを出
力する半波整流器52aと、前記正値バネ下加速度信号
+Hの最大値(ピーク値)を保持して,正値バネ下加速
度最大値信号S+Pを出力し且つ外部からのリセット信号
RESET により当該バネ下加速度最大値信号S+Pをリセ
ット可能なピークホールド回路54aと、前記帯域通過
バネ下加速度信号SB.P.G の正値の信号を整流して,負
値バネ下加速度信号S-Hを出力する半波整流器52a
と、前記負値バネ下加速度信号S-Hの符号を反転した負
値バネ下加速度反転信号S-H R を出力する反転器53
と、前記負値バネ下加速度反転信号S-HR の最大値(実
質的には負値のバネ下加速度ZGi,XGiの最小値となる
ピーク値)を保持して,負値バネ下加速度最小値信号S
-Pを出力し且つ外部からのリセット信号SRESETにより
当該バネ下加速度最小値信号S-Pをリセット可能なピー
クホールド回路54aと、前記正値バネ下加速度最大値
信号S+Pと負値バネ下加速度最小値信号S -Pとを加算し
て,前記バネ下加速度バネ下振動最大−最小値差変換信
号SP-P を出力する加算器55とを備えてなる。
【0023】このバネ下加速度変換回路50の作用を簡
潔に説明すると、前記のような路面突起を乗り越えるま
でのバネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバネ下前後方
向加速度XGiが零又は略零であり、当該路面突起乗り越
えと同時にまずバネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバ
ネ下前後方向加速度XGiが正の領域で増加し、やがて正
の領域での減少に転じて負の領域で減少し、次いで負の
領域での増加に転じて正の領域で増加する現象を繰り返
すが、当該バネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバネ下
前後方向加速度XGiは,前記図6bに示す通常減衰曲線
に従って次第に減衰,収束していったものとする。従っ
て、前記バンドパスフィルタ51によりバネ下共振周波
数に相当する又はほぼ相当する周波数帯域となった帯域
通過バネ下加速度信号SB.P.G は、前記一方の半波整流
器52aによって正値バネ下加速度信号S+Hとなり、ま
た前記他方の半波整流器52bによって負値バネ下加速
度信号S-Hとなり、この負値バネ下加速度信号S-Hが,
前記反転器53で反転されて負値バネ下加速度反転信号
-HR となる。ここで、前記路面突起乗り越えによるバ
ネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバネ下前後方向加速
度XGiは,先に正の領域で増加するために、前記正値バ
ネ下加速度信号S+Hは,前記負値バネ下加速度信号S-H
又は負値バネ下加速度反転信号S-HR より,位相が進ん
でいると言える。従って、前記一方のピークホールド回
路54aから出力される正値バネ下加速度最大値信号S
+Pの方が,前記他方のピークホールド回路54bから出
力される負値バネ下加速度最小値信号S-Pよりも先に立
ち上がって,バネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバネ
下前後方向加速度XGiの最大値に相当する或るピーク値
にホールドされ、これより遅れて前記負値バネ下加速度
最小値信号S-Pが立ち上がって,バネ下上下方向加速度
Gi及び/又はバネ下前後方向加速度XGiの最小値に相
当する或るピーク値にホールドされる。従って、前記加
算器55から出力されるバネ下振動最大−最小値差変換
信号SP-P は、図5に示すように時間の経過と共に二段
階に増加し、この二段目のバネ下振動最大−最小値差変
換信号SP- P が,前記バネ下振動最大−最小値差
P-P ,BP-P となる。
【0024】次に、前記車速センサ26からの車速V及
び前記バネ下加速度変換回路50からのバネ下振動最大
−最小値差変換信号SP-P を用いて,前記マイクロコン
ピュータ44の演算処理装置44cで実行される路面形
状検出のための演算処理の原理について説明する。この
マイクロコンピュータ44では、前述のようにバネ下振
動最大−最小値差(以下,単にp−p値とも記す)A
P-P を検出し、車速Vから制御マップを選出した後,該
当する回帰式を抽出して、路面突起の高さX1 と幅X2
とを算出する。この際,問題となるのは、p−p値A
P-P の検出タイミングと,バネ下振動最大−最小値差変
換信号SP-P のピークホールドリセットタイミングであ
る。まず、前述のように路面突起乗り越えに際して,バ
ネ下振動最大−最小値差変換信号SP-P は正方向に増加
するはずであり、またバネ下上下方向加速度ZGi及び/
又はバネ下前後方向加速度XGiは,当該車両のバネ下共
振周波数に相当する又はほぼ相当する周期で振動するは
ずであるから、このバネ下共振周波数に相当する周期を
バネ下共振周期Tとすると、前記バネ下振動最大−最小
値差変換信号SP-Pが正方向に立上り始めてから,凡そ
前記バネ下共振周期の3/4倍値(3/4)T以後、当
該バネ下振動最大−最小値差変換信号SP-P の前記2段
目の増加が完了するはずである。従って、このバネ下振
動最大−最小値差変換信号SP-P が正値の不感帯閾値S
P-P0を越えたらカウンタCNTをインクリメントし始
め、このカウンタCNTが,前記バネ下共振周期の3/
4倍値(3/4)Tより大きくなる所定カウント値CN
0 以上,ほぼバネ下共振周期Tとなったときに、当該
バネ下振動最大−最小値差変換信号SP-P をp−p値A
P-P に設定する。なお、前記バネ下振動最大−最小値差
変換信号SP-P が正値の不感帯閾値SP-P0を越えない場
合には、前記ピークホールド回路54a,54bにリセ
ット信号SRESET を出力して、何らかの影響によって負
方向に減少するピークホールド値の設定を回避し,路面
突起でない路面形状を誤判断することのないようにす
る。
【0025】また、前述のように路面突起乗り越えに伴
うバネ下振動は、例えば前回の路面突起乗り越えに伴う
バネ下振動が発生してから,次回の路面突起乗り越えに
伴うバネ下振動の発生が何時発生するか,予測できず、
また通常の車速での路面突起乗り越えに要する時間が,
前記バネ下共振周期よりも遙に短いことから、前記バネ
下振動最大−最小値差変換信号SP-P からp−p値A
P-P を設定して,路面突起の高さX1 及び幅X2 を算出
したら、できるだけ速やかにバネ下振動最大−最小値差
変換信号SP-P ,即ち前記正値バネ下加速度信号S+H
び負値バネ下加速度信号S-Hのホールドをリセットし
て、次回の路面突起乗り越えに伴うバネ下振動の発生に
備えたい。しかし、前述のようにほぼバネ下共振周期T
経過時にバネ下振動最大−最小値差変換信号SP-P をp
−p値AP-P と設定した後、前記正値バネ下加速度信号
+H及び負値バネ下加速度信号S-Hのホールドをリセッ
トすると、前記通常に減衰している次のバネ下共振周期
Tのバネ下上下方向加速度ZGi及び/又はバネ下前後方
向加速度XGiをそのままピークホールドすることになる
から、これにより出力されるバネ下振動最大−最小値差
変換信号SP-P に基づいて,存在しない路面突起の高さ
1 及び幅X2 を算出する可能性がある。そこで本実施
例では,前記図6bに示す通常減衰曲線に表れる減衰係
数を前記ショックアブソーバの減衰係数C,コイルスプ
リングの弾性係数K及び経過時間t等に基づいてf
(C,K,t)で設定し、これをp−p値の前回値A
P-P(n-1)に乗じてp−p値の推定今回値AP-P(n)OBを算
出設定し、前記検出設定されたp−p値の今回値A
P-P(n)が,この推定今回値AP-P(n)OB以下である場合に
は、前記路面突起の高さX1 及び幅X2 の算出を行わな
いこととした。
【0026】以上の基本原理に従って、前記コントロー
ルユニット30のマイクロコンピュータ44で実行され
る路面形状算出のための演算処理を図8のフローチャー
トに従って説明する。この図8の演算処理は、例えば前
記後輪サスペンションの予見制御のための演算処理のマ
イナプログラム等として,予め設定された所定サンプリ
ング時間(例えば5msec.)ΔT毎のタイマ割込処理とし
て実行される。なお、この演算処理のために,前記記憶
装置44dには,前記図7に示すような車両実験値に基
づく制御マップ及び回帰式を大量に記憶しており、図8
の演算処理では特に通信のためのステップを設けていな
いが,演算処理装置44cからの呼出しに応じて随時必
要な制御マップ及び回帰式を当該演算処理装置44cの
バッファ等に通信し、また演算処理装置44cでの演算
結果や各検出データは,逐次記憶装置44dに更新記憶
されるものとする。
【0027】この図8の演算処理では、まずステップS
1で,前記バネ下加速度変換回路50からのバネ下振動
最大−最小値差変換信号(以下,単にp−p信号とも記
す)SP-P を読込む。次にステップS2に移行して、前
記ステップS1で読込まれたp−p信号SP- P が,前記
予め設定された正値の不感帯閾値SP-P0以上であるか否
かを判定し、当該p−p信号SP-P が不感帯閾値SP-P0
以上である場合にはステップS3に移行し、そうでない
場合にはステップS4に移行する。
【0028】前記ステップS3では、カウンタCNTを
インクリメントしてからステップS5に移行する。前記
ステップS5では、カウンタCNTのカウント値が前記
予め設定された所定カウント値CNT0 以上であるか否
かを判定し、当該カウンタCNTのカウント値が所定カ
ウント値CNT0 以上である場合にはステップS6に移
行し、そうでない場合にはメインプログラムに復帰す
る。
【0029】前記ステップS6では、前記ステップS1
で読込まれたp−p信号SP-P をp−p値の今回値A
P-P(n)に設定してから,ステップS7に移行する。前記
ステップS7では、前記記憶装置44dに更新記憶され
ているp−p値の前回値AP-P(n-1)に前記減衰理数f
(C,K,t)を乗じて,p−p値の推定今回値A
P-P(n)OBを算出してから,ステップS8に移行する。
【0030】前記ステップS8では、前記ステップS6
で設定されたp−p値の今回値AP- P(n)が前記ステップ
S7で算出設定されたp−p値の推定今回値AP-P(n)OB
以上であるか否かを判定し、当該p−p値の今回値A
P-P(n)がp−p値の推定今回値AP-P(n)OB以上である場
合にはステップS9に移行し、そうでない場合にはステ
ップS10に移行する。
【0031】前記ステップS9では、前記車速センサ2
6で検出された車速Vを読込んでから,ステップS11
に移行する。前記ステップS11では、図示されないマ
イナプログラムに従って,前記ステップS9で読込まれ
た車速Vに応じた制御マップを選出してから,ステップ
S12に移行する。
【0032】前記ステップS12では、図示されないマ
イナプログラムに従って,前記ステップS11で選出さ
れた制御マップからp−p値の今回値AP-P(n)に応じた
回帰式を抽出してから,ステップS13に移行する。前
記ステップS13では、前記ステップS12で抽出され
た回帰式に従って前記p−p値の今回値AP-P(n)を満足
する路面突起高さX1 及び路面突起幅X2 を算出してか
ら,前記ステップS10に移行する。
【0033】前記ステップS10では、前記p−p値の
今回値AP-P(n)をp−pの前回値A P-P(n-1)として記憶
装置44dに更新記憶してから,前記ステップS4に移
行する。前記ステップS4では、前記ピークホールド回
路54a,54bにリセット信号SRESET を出力してか
ら,ステップS14に移行する。
【0034】前記ステップS14では、カウンタCNT
をクリアしてからメインプログラムに復帰する。この演
算処理によれば、前左右各輪の路面突起乗り越えに伴う
バネ下振動が発生してから,前記バネ下共振周期T後に
は、当該路面突起の高さX1 及び幅X2を,高い精度で
検出することができるから、この路面突起形状を用い
て,前記図示されない後輪サスペンションの予見制御を
実行すれば、当該後輪サスペンションの制御量を最適に
制御して,乗心地を更に向上することができる。
【0035】以上より、前記実施例は本発明のうち請求
項1及び2の路面形状検出装置を実施化したものである
と考えられ、図2及び図5のバネ下加速度センサ28F
L,28FR及び図5のバネ下加速度変換回路50及び
図8の演算処理のステップS1が本発明の路面形状検出
装置のバネ下振動入力検出手段及び振動入力検出手段に
相当し、以下同様に,図2及び図5の車速センサ26及
び図8の演算処理のステップS9が車速検出手段に相当
し、表1に示す回帰式及び図7に示す制御マップ及び図
8の演算処理のステップS11からステップS13が路
面形状算出手段に相当し、図8の演算処理全体及び図5
のコントロールユニットが路面形状推定手段に相当す
る。
【0036】なお、前記図8の演算処理では,バネ下上
下方向加速度ZGiから得るp−p値AP-P に基づいて路
面突起の高さX1 及び幅X2 を算出設定する場合につい
てのみ説明したが、この一方向の加速度信号だけからで
は路面突起の高さX1 及び幅X2 の十分な算出精度が得
られない場合には、もう一つの加速度信号,即ちバネ下
前後方向加速度XGiから得たp−p値AP-P に基づいて
路面突起の高さX1 及び幅X2 を求め、両者の整合を図
ってそれらの検出精度を高めることも可能である。
【0037】また、前記実施例では,図8の演算処理及
び図5のコントロールユニットでは,バネ下振動に伴う
加速度ZGi,XGiの最大−最小値差(p−p値)
P-P ,B P-P に基づいて路面突起の高さX1 及び幅X
2 を算出する場合についてのみ詳述したが、本発明の路
面形状検出装置では,前述したように例えばバネ下振動
に伴う加速度ZGi,XGiの最大値−零差(p−0値)A
P-0 ,BP-0 や零−最小値差(0−p値)A0-P ,B
0-P に基づいて路面突起の高さX1 及び幅X2 を算出し
てもよく、何れの場合もそれらの回帰式が高い相関係数
を有するために,算出される路面突起の高さX1 及び幅
2 の精度も高い。
【0038】また、上記実施例においては、コントロー
ルユニット30をマイクロコンピュータで構成した場合
について説明したが、これに限定されるものではなく、
シフトレジスタ、演算回路等の電子回路を組み合わせて
構成するようにしてもよいことは言うまでもない。ま
た、上記実施例においては、作動流体として作動油を適
用した場合について説明したが、これに限らず圧縮率の
少ない流体であれば任意の作動流体を適用し得る。
【0039】また、上記実施例では、後輪のサスペンシ
ョンを能動的に予見制御するものとしたが、本発明は、
減衰力可変ショックアブソーバによるセミアクティブな
予見制御にも適用される。また、上記実施例では、検出
された路面形状の高さや幅を後輪サスペンションの予見
制御に適用した場合についてのみ詳述したが、本発明の
路面形状検出装置で検出される路面形状の高さや幅を,
あらゆる車両運動制御装置に適用することが可能であ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の路面形状
検出装置によれば、路面形状の高さや幅と高い相関係数
を有し且つ車速を変数とする,路面形状に起因して車両
に入力されるバネ下上下方向加速度やバネ下前後方向加
速度等のバネ下振動入力を検出し、そのバネ下振動入力
検出値の最大値と最小値とのバネ下振動最大ー最小値差
に基づいて、車速検出値を変数とする予め設定された回
帰式に従って,前記路面形状の高さや幅を算出又は推定
する構成としたため、当該路面形状の高さや幅を高い精
度で算出又は推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の路面形状検出装置の概略構成を示す基
本構成図である。
【図2】本発明の路面形状検出装置を後輪サスペンショ
ンの予見制御装置に展開した一実施例を示す概略構成図
である。
【図3】図2に示す後輪サスペンションの予見制御装置
の予見制御概念を示す概要図である。
【図4】図2に示す圧力制御弁の駆動信号と制御圧との
関係を示す特性線図である。
【図5】図2に示すコントロールユニットの一例を示す
ブロック図である。
【図6】本発明の路面形状検出装置の原理説明図であ
る。
【図7】本発明の路面形状検出装置で用いられる回帰式
の説明図である。
【図8】図5のコントロールユニットのマイクロコンピ
ュータで実行される路面形状検出のための演算処理を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
10は車体側部材 11FL〜11RRは車輪 12はサスペンション予見制御装置 18RL,18RRは油圧シリンダ 20RL,20RRは圧力制御弁 22は油圧源 26は車速センサ 28FL,28FRはバネ下加速度センサ 30はコントロールユニット 44はマイクロコンピュータ 50はバネ下加速度変換回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 路面形状に起因して車両に入力される振
    動入力から当該路面形状を検出する路面形状検出装置で
    あって、車両の前後方向車速を検出する車速検出手段を
    備え、前記路面形状に起因して車両に入力される振動入
    力を検出する振動入力検出手段は、前記路面形状に起因
    して車両に入力される振動入力としてバネ下に発生する
    バネ下振動入力を検出するバネ下振動入力検出手段を備
    え、前記振動入力検出手段で検出された前記路面形状に
    起因する振動入力検出値の最大値及び最小値の少なくと
    も何れか一方又は双方に基づいて、予め設定された算出
    式から当該路面形状の高さ及び幅の少なくとも何れか一
    方又は双方を推定する路面形状推定手段は、前記バネ下
    振動入力検出手段で検出された前記路面形状に起因する
    バネ下振動入力検出値の最大値と最小値とのバネ下振動
    最大ー最小値差に基づいて、前記車速検出手段で検出さ
    れた車速検出値を変数とする予め設定された回帰式から
    当該路面形状の高さ及び幅の少なくとも何れか一方又は
    双方を算出する路面形状算出手段を備えたことを特徴と
    する路面形状検出装置。
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