JP2531281B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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JP2531281B2 JP1288319A JP28831989A JP2531281B2 JP 2531281 B2 JP2531281 B2 JP 2531281B2 JP 1288319 A JP1288319 A JP 1288319A JP 28831989 A JP28831989 A JP 28831989A JP 2531281 B2 JP2531281 B2 JP 2531281B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明はサスペンションを制御装置に関し、詳しくは
減衰力の設定を可変し得るショックアブソーバを備え、
車両の走行状態に基づいてショックアブソーバの減衰力
の発生パターンを制御するサスペンション制御装置に関
する。
[従来の技術] この種のサスペンション制御装置として、ショックア
ブソーバの減衰力の変化率を検出し、この変化率が所定
以上となったとき、即ち路めの凹凸やブレーキ操作等に
基づいて減衰力が急変するとき、ショックアブソーバの
動きに対する減衰力の発生パターンを小さな値の側に速
やかに切り換えるものが知られている(例えば、特開昭
64−67407号公報)。減衰力の変化率は応答性に極めて
優れた信号なので、こうしたサスペンション制御装置
は、減衰力のパターンを路面状態の変化に素早く追従さ
せ、乗り心地を良好に保つことができる。
[発明が解決しようとする課題] このように減衰力の変化率を用いたサスペンション制
御装置は、応答性に優れたものであるが、悪路走行時の
ように変化率の信号が調整用基準値に対して短時間に上
下する場合、調整用基準値に対する大小関係に従ってい
ちいち減衰力の設定を切り換えたのでは、減衰力を制御
する意味がないから、減衰力の変化率が一旦調整用基準
値を越えると所定期間その減衰力の設定を保持すること
が必要になる。しかながら、減衰力の設定の切り換え
後、その状態を単に一定期間継続するだけでは、路面の
状態に充分な対応がとれないという問題があった。即
ち、路面の有れたいわゆる悪路を走行している場合、、
減衰力の変化率は激しく上下動するから、減衰力の発生
パターンをソフトに維持する期間が短ければ、減衰力の
切替頻度が高くなって違和感を生じる。また、ショック
アブソーバの耐久性にとってもマイナスとなる。一方、
ソフトに維持する期間が余り長いと、比較的平坦な路面
を走行している場合、小さな段差等を越えた後、不必要
に長時間、減衰力の設定がソフトに維持されて、接地性
が損なわれるという問題を招致する。この結果、ドライ
ブフィーリングが低下する場合が考えられる。
本発明のサスペンション制御装置は上記課題を解決
し、減衰力変化率を利用した減衰力の設定の制御を路面
状況に応じたものとすることを目的とする。
発明の構成 かかる目的を達成する本発明の構成について以下説明
する。
[課題を解決するための手段] 本発明のサスペンション制御装置は、第1図に例示す
るように、 車両のサスペンションSに設けられ、減衰力の発生パ
ターンを設定し得るショックアブソーバM1と、 該ショックアブソーバM1の減衰力の変化率を検出する
減衰力変化率検出手段M2と、 該検出された減衰力の変化率と減衰力の調整用基準値
との大小関係に基づいて、前記ショックアブソーバM1の
減衰力の設定を変更する減衰力制御手段M3と、 該減衰力制御手段M3によって減衰力の設定が変更され
た後、減衰力の変化率が所定の復帰用基準値に収まつて
からさらに所定の保持期間だけ、前記減衰力の設定変更
状態を継続する減衰力切換保持手段M4と、 前記減衰力制御手段M3によって減衰力の設定が変更さ
れた後、減衰力の変化率が復帰用基準値となるまでの時
間を計測する計時手段M5と、 該計測された時間の長短に基づいて、前記保持期間の
長さを決定する保持期間決定手段M6と を備える。
[作用] 上記構成を有する本発明のサスペンション制御装置
は、車両のサスペンションSに設けられたショックアブ
ソーバM1の減衰力の変化率を減衰力変化率検出手段M2に
より検出し、この減衰力の変化率と減衰力の調整用基準
値との大小関係に基づいて、減衰力制御手段M3により、
ショックアブソーバM1の減衰力の設定を変更する。変更
した減衰力の設定は、減衰力の変化率が復帰用基準値に
収まってもなお、減衰力切換保持手段M4により、所定の
保持期間だけ継続される。この保持期間の長さは、減衰
力の設定が変更された後、減衰力の変化率が復帰用基準
値となるまでの時間に基づいて決定する。
従って、本発明のサスペンション制御装置では、減衰
力変化がなかなか復帰用基準値に収まらない場合と、速
やかに復帰用基準に収まった場合とで、その後の保持期
間を長短変更することができ、路面の凹凸が激しい悪路
において減衰力の変更が頻繁に行なわれすぎたりしない
ように、逆に路面の凹凸が小さく単発であるような路面
においていつまでも減衰力の設定が変更されたままにな
らないようにしている。換言するならば、減衰力変化率
が復帰用基準値に収まるまでの時間の長短により、路面
状況を推定し、路面状況を反映した減衰力節御を実行し
ているのである。
尚、減衰力制御手段M3による減衰力設定の変更は、減
衰力の発生パターンを2段階以上に切り換えるタイプの
ショックアブソーバでは単にパターンを切り換えればよ
く、減衰力を無段階に制御可能なショックアブソーバM1
ではその減衰力を増減すればよい。また、こうした制御
は、各車輪毎に独立して行なっても良いし、前2輪,後
2輪で共通に行なったり、全車輪共通に行なってもよ
い。
[実施例] 以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする
ために、以下本発明のサスペンション制御装置の好適な
実施例について説明する。
第2図はこのサスペンション制御装置1全体の構成を
表わす概略構成図であり、第3図(A)はショックアブ
ソーバを一部破断した断面図であり、第3図(B)はシ
ョックアブソーバの要部拡大断面図である。
第2図に示すように、本実施例のサスペンション制御
装置1は、減衰力を2段階に変更可能なショックアブソ
ーバ2FL,2FR,2RL,2RRと、これら各ショックアブソーバ
に接続されその減衰力を制御する電子制御装置4とから
構成されている。各ショックアブソーバ2FL,2RL,2RL,2
RRは、夫々、左右前後輪5FL,5FR,5RL,5RRのサスペンシ
ョンロワーアーム6FL,6FR,6RL,6RRと車体7との間に、
コイルスプリング8FL,8FR,8RL,8RRと共に併設されてい
る。
ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRは、後述するよ
うに、ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRに作用する
力を検出するピエゾ荷重センサと、ショックアブソーバ
2FL,2FR,2RL,2RRにおける減衰力の発生パターンの設定
を切り換えるピエゾアクチュエータとを各々一組ずつ内
蔵している。
次に、上記各ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRの
構造が説明するが、上記各ショックアブソーバ2FL,2F
R,2RL,2RRの構造は総て同一であるため、ここで左前輪
5FL側のショックアブソーバ2FLを例にとり説明する。
また、以下の説明では、各車輪に設けられた各部材の符
号には、必要に応じて、左前輪5FL,右前輪5FR,左後
輪5RL,右後輪5RRに対応する添え字FL,FR,RL,RRを付
けるものとし、各輪に関して差異がない場合には、添え
字を省略するものとする。
ショックアブソーバ2は、第3図(A)に示すよう
に、シリンダ11側の下端にて車軸側部材11aを介してサ
スペンションロワーアーム6に固定され、一方、シリン
ダ11に貫挿されたロッド13の上端にて、ベアリング7a及
び防振ゴム7bを介して車体7にコイルスプリング8と共
に固定されている。
シリンダ11内部には、ロッド13の下端に連接された内
部シリンダ15,連結部材16および筒状部材17と、シリン
ダ11内周面にそって摺動自在なメインピストン18とが、
配設されている。ショックアブソーバ2のロッド13に連
結された内部シリンダ15には、ピエゾ荷重センサ25とピ
エゾアクチュエータ27とが収納されている。
メインピストン18は、筒状部材17に外嵌されており、
シリンダ11に嵌合する外周にはシール材19が介装されて
いる。従って、シリンダ11内には、このメインピストン
18により第1の液室21と第2の液室23とに区画されてい
る。筒状部材17の先端にはバックアップ部材28が螺合さ
れており、筒状部材17との間に、メインピストン18と共
に、スペーサ29とリーフバルブ30を筒状部材17側に、リ
ーフバルブ31とカラー32をバックアップ部材28側に、そ
れぞれ押圧・固定している。また、リーフバルブ31とバ
ックアップ部材28との間には、メインバルブ34とばね35
が介装されており、リーフバルブ31をメインピストン18
方向に付勢している。
これらリーフバルブ30,31は、メインピストン18が停
止している状態では、メインピストン18に設けられた伸
び側及び縮み側通路18a,18bを、各々片側で閉塞してお
り、メインピストン18が矢印AもしくはB方向に移動す
るのに伴ってお側に開く。従って、両液室21,23に充填
された作動油は、メインピストン18の移動に伴って、両
通路18a,18bのいずれかを通って、両液室21,23間を移動
する。このように両液室21,23間の作動油の移動が両通
路18a,18bに限られている状態では、ロッド13の動きに
対して発生する減衰力は大きく、サスペションの特性は
ハードとなる。
内部シリンダ15の内部に収納されたピエゾ荷重センサ
25及びピエゾアクチュエータ27は、第3図(A),
(B)に示すように、圧電セラミックスの薄板を電極を
挟んで積層した電歪素子積層体である。ピエゾ荷重セン
サ25の各電歪素子は、ショックアブソーバ2に作用する
力、即ち減衰力によって分極する。従って、ピエゾ荷重
センサ25の出力を所定インピーダンスの回路により電圧
信号として取り出せば、減衰力の変化率を検出すること
ができる。
ピエゾアクチュエータ27は、高電圧が印加されると応
答性良く伸縮する電歪素子を積層してその伸縮量を大き
くしたものであり、直接にはピストン36を駆動する。ピ
ストン36が第3図(B)矢印B方向に移動されると、油
密室33内の作動油を介してプランジャ37及びH字状の断
面を有するスプール41も同方向に移動される。こうして
第3図(B)に示す位置(原点位置)にあるスプール41
が図中B方向に移動すると、第1の液室21につながる福
流路16cと第2の液室23につながるブッシュ39の副流路3
9bとが連通されることになる。この副流路39bは、更に
プレートバルブ45に設けられた油穴45aを介して筒状部
材17内の流路17aとが連通されているので、スプール41
が矢印B方向に移動すると、結果的に、第1の液室21と
第2の液室23との間を流動する作動油流量が増加する。
つまり、ショックアブソーバ2は、ピエゾアクチュエー
タ27が高電圧印加により伸張すると、その減衰力特性を
減衰力大(ハード)の状態から減衰力小(ソフト)側に
切り換え、電荷が放電されて収縮すると減衰力特性とを
減衰力大(ハード)の状態に復帰させる。
尚、メインピストン18の下面に設けられたリーフバル
ブ31の移動量は、バネ35により、リーフバルバ30と較べ
て規制されている。また、プレートバルブ45には、油穴
45aより大径の油穴45bが、油穴45aより外側に設けられ
ており、プレートバルブ45がばね46の付勢力に抗してブ
ッシュ39が方向に移動すると、作動油は、油穴45bを通
って移動可能となる。従って、スプール41の位置の如何
を説わず、メインピストン18が矢印B方向に移動する場
合の作動油流量は、メインピストン18が矢印A方向に移
動する場合より大きくなる。即ち、メインピストン18の
移動方向によって減衰力を変え、ショックアブソーバと
しての特性を一層良好なものとしているのである。ま
た、油密室33と第1の液室21との間には作動油補給路38
がチェック弁38aと共に設けられており、油密室33内の
作動油流量を一定に保っている。
次に、上記したショックアブソーバ2の減衰力の発生
パターンを切換制御する電子制御装置4について、第4
図を用いて説明する。
この電子制御装置4には、車両の走行状態を検出する
ためのセンサとしては、各ショックアブソーバ2のピエ
ゾ荷重センサ25の他、図示しないステアリングの操舵角
を検出するステアリングセンサ50と、車両の走行速度を
検出する車速センサ51と、図示しない変速機のシフト位
置を検出するシフト位置センサ52と、図示しないブレー
キペダルが踏まれたときに信号を発するストップランプ
スイッチ53等が接続されている。
これら検出信号等に基づき上述したピエゾアクチュエ
ータ27に制御信号を出力する電子制御装置4は、周知の
CPU61,ROM62,RAM64をを中心に算術論理演算回路として
構成され、これらとコモンバス65を介して相互に接続さ
れた入力部67及び出力部68におり外部との入出力を行な
う。
電子制御装置4には、このほかピエゾ荷重センサ25の
接続された減衰力変化率検出回路70、ステアリングセン
サ50および車速センサ51の接続された波形整形回路73、
ピエゾアクチュエータ27に接続される高電圧印加回路7
5、イグニッションスイッチ76を介してバッテリ77から
電源の供給を受けピエゾアクチュエータ駆動用の駆動電
圧を出力するいわゆるスイッチングレギュレータ型の高
電圧電源回路79、バッテリ77の電圧を変圧して電子制御
装置4の作動電圧(5v)を発生する定電圧電源回路80等
が備えられている。シフト位置センサ52,ストップラン
プスイッチ53,減衰力変化率検出回路70,波形整形回路73
は入力部67に、一方、高電圧印加回路75,高電圧電源回
路79は出力部68にそれぞれ接続されている。
減衰力変化率検出回路70は各ピエゾ荷重センサ25FL,F
R,RL,RRに対応して設けられた4個の検出回路からな
り、おのおのの検出回路は、路面からショックアブソー
バ2が受ける作用力に応じてピエゾ荷重センサ25を含む
回路から出力される電圧信号Vを、ショックアブソーバ
2の減衰力変化率としてCPU61に出力するよう構成され
ている。また、波形整形回路73は、ステアリングセンサ
50や車速センサ51からの検出信号を、CPU61における処
理に適した信号に波形整形して出力する回路である。従
って、CPU61は、この減衰力変化率検出回路70と波形整
形回路73とからの出力信号、更に自己の処理結果等に基
づき、路面状態や車両の走行状態等を判定することがで
きる。CPU61はかかる判定に基づいて各車輪に対応して
設けらて高電圧印加回路75に制御信号を出力する。
この高電圧印加回路75は、高電圧電源回路79から出力
される+500ボルトもしくは−100ボルトの電圧を、CPU6
1からの制御信号に応じて、ピエゾアクチュエータ27に
印加する回路である。従って、この減衰力切換信号によ
って、ピエゾアクチュエータ27が伸張(+500ボルト印
加時)もしくは収縮(−100ボルト印加時)し、作動油
流量が切り変えられて、ショックアブソーバ2を減衰力
特性がソフトもくはハードに切り換えられる。即ち、各
ショックアブソーバ2の減衰力特性は、高電圧を印加し
てピエゾアクチュエータ27を伸張させたときには、既述
したスプール41(第3図(B))により、ショックアブ
ソーバ2内の第1の液室21と第2の液室23と間を流動す
る作動油の流量が増加するため減衰力の小さな状態とな
り、負の電圧により電荷と放電させてピエゾアクチュエ
ータ27を収縮させたときには、作動油流量が減少するた
め減衰力の大きな状態となるのである。尚、ピエゾアク
チュエータ27に蓄積された電荷が一旦放電されてしまえ
ば、負の電圧を取り除いても、ピエゾアクチュエータ27
は収縮した状態のままとなり、ショックアブソーバ2は
減衰力の大きな状態を維持する。
次に、上記した構成を備える本実施例のサスペンショ
ン制御装置1が行なう減衰力制御について、第5図のフ
ローチャートに基づき説明する。この減衰力制御割込処
理ルーチンは、電源投入時に初期化の処理(図示せず)
において、後述するフラグFSやFF等を値0にリセットし
た後、一定時間毎に繰り返し実行される。尚、これらの
処理は、各車輪の各ショックアブソーバ2FL,FR,RL,RR
について各々実行されるものであるが、各車輪について
の処理に変わりはないので、特に区別せずに説明する。
第5図に示した処理ルーチンを開始すると、まず、入
力部67を介して減衰力変化率検出回路70から、各ショッ
クアブソーバ2の減衰力の変化率Vを読み込む処理を行
ない(ステップ100)、この減衰力変化率Vが、切換基
準値Vrefより大きいか否かの判断を行なう(ステップ11
0)。本実施例では、減衰力の設定に関しハードとソフ
トの2値的な切換を行なうことから、減衰力の設定の変
更の基準となる調整用基準値を、「切換基準値」と呼
ぶ。この切換基準値Vrefは、予め定めた所定値でもよい
し、車速SPに応じた値として図示しない他のルーチンで
設定しても良いし、更には、ショックアブソーバ2の減
衰力設定の切換頻度等に基づいて学習されるものとして
もよい。
第6図は、減衰力変化率Vの一例を示すグラフである
が、図示時刻t1以前のように、減衰力変化率Vが切換基
準値Vrefより小さい場合には、サスペンションの特性が
ソフトに設定されていることを示すフラグFSが値1か否
かの判断を行ない(ステップ115)、フラグFSが値1で
ない場合には、サスペンションをハードに制御して(ス
テップ120)、本ルーチンを一旦終了する。尚、サスペ
ンションをハード制御するステップ120の処理は、ショ
ックアブソーバ2の減衰力の設定がソフトからハードに
切り変えられた直後には、出力部68からの制御信号によ
り高電圧印加回路75から−100ボルトをピエゾアクチュ
エータ27に印加してこれを縮小し、既にピエゾアクチュ
エータ27が縮んだ状態であればそのままに保持すること
によりなされる。
一方、第6図時刻t1に示すように、減衰力変化率Vが
切換基準値Vrefより大きくなった場合には(ステップ11
0)、減衰力変化率Vが切換基準値Vrefを上回った後で
あることを示すフラグFFが値0であるか否かを判断する
(ステップ130)。このフラグFFは、後述するステップ1
50で、即ちV>Vrefとなつた後には値1にセットされる
から、減衰力変化率Vが切換基準値Vrefを上回った直後
には、値0となっている。そこで、FF=0であると判断
されれば、タイマをスタートする処理、即ちタイマ変数
Taを値0にリセットする処理を行なう(ステップ14
0)。その後、フラグFFに値1をセットし(ステップ15
0)、更にサスペンションの特性をソフトに設定すると
して、フラグFSに値1をセットする処理を(ステップ16
0)。
次に、タイマ計時をソフトウェアにより行なうため
に、タイマ変数Taを値1だけミンクリメンし(ステップ
170)、その後、高電圧印加回路75から+500ボルトの高
電圧をピエゾアクチュエータ27に印加して、ショックア
ブソーバ2の減衰力を小さな状態に切換・制御し(ステ
ップ180)、本ルーチンを終了する。
こうしてショックアブソーバ2の減衰力を小さい状態
に切り変えた後、減衰力Vが切換基準値Vrefを上回って
いれば、上述したタイマの計時(ステップ170、Ta←Ta
+1)と減衰力を小さい状態にする制御(ステップ18
0)とを繰り換す。やがて、第6図時刻t2に示すよう
に、減衰力変化率Vが切換基準値Vref以下となると、ス
テップ110での判断は「NO」となり、フラグFSの値をチ
ェツクした後(ステップ115)、フラグFFが今度は値1
であるか否かの判断を行なう(ステップ190)。フラグF
Fは、減衰力変化率Vが切換基準値Vrefを上回った後で
値1に設定されるフラグなので、FF=1であれば、ステ
ップ110,115の判断と併せて、今度は、減衰力変化率V
が切換基準値Vrefを下回った後と判断できる。従って、
この場合にのみ、ステップ200以下において、一旦ソフ
トにしたショックアブソーバ2の設定を、V≦Vrefとな
つた時点(第6図時刻52)から、どれだけの時間継続す
るかを設定する処理を行う。即ち、タイマ用の変数Taが
予め設定された参照値Trefを越えているか否かの判断を
行ない(ステップ200)、変数Taが参照値Trefを起えて
いれば、減衰力の設定をソフトに維持する継続時間に対
応した変数Tbに値Tb longをセットした、(ステップ21
0)、一方参照値Tref以下であれば、変数Tbに、値Tblon
gより小さい値Tb strtをセットする処理を行なう(ステ
ップ215)。
参照値Trefは、減衰力変化率Vが切換基準値Vrefを越
えている時間(Ta)の大小を判別するために予め設定さ
れた値であり、この時間(Ta)が大きければ、第7図
(A)に示すように、減衰力を小さな状態に維持する継
続時間(Tb)も大きくするのである。尚、この継続時間
(Tb)は、第7図(A)に示すように、車速SPによらず
一定としても良いし、第7図(B)に示すように、車速
SPが高くなるに従って小さな値となるように定めてもの
よい。
こうして、継続時間に対応した変装Tbに、所定値Tb l
ong,Tb shrtのいずれか一方をセットした(ステップ21
0,215)後、減衰力変化率Vが切換基準値Vref以下とな
ったことから、フラグFFを値Oにリセットする(ステッ
プ220)。更に、変数Tbを値1だけデククリメントする
処理を行い(ステップ230)、本ルーチンを一旦終了す
る。
第6図に示した例では、時刻t2以降、減衰力変化率V
が切換基準値Vrefを上回ることはない。従って、時刻t2
以降では、処理ステップ190に至り、フラグFFが値1で
あるか否かの判断を繰り返す。フラグFFは、減衰力変化
率Vが切換基準値Vref以下となった直後リセットされて
いる(ステップ220)ので、判断は「NO」となり、次に
変数Tbが値0以下となったか否かの判断を行なう(ステ
ップ240)。変数Tbは、このルーチンが1回実行される
度に値1だけデクリメントされる(ステップ230)か
ら、変数Tbに対応した時間が経過するまで、ステップ24
0での判断は「NO」となる。第6図に示す時刻t2後、こ
のルーチンが所定回数実行されて、時刻3において変数
Tbが0となる(ステップ240)、フラグFSを値に10リセ
ットし(ステップ260)、ショックアブソーバ2の減衰
力の設定をハードに制御する(ステップ120)。即ち、
出力部68からの制御信号により高電圧印加回路75から−
100ボルトをピエゾアクチュエータ27に印加してこれを
縮小するのである。その後、「RTN」に抜けて本ルーチ
ンを終了する。尚、第6図で示す期間Tm(時刻t3からt4
まで)は、ショックアブソーバ2の減衰力の設定を、シ
ョックアブソーバ2に作用する減衰力の推定値が零とな
る時点で、ソフトからハードに切り換える場合に必要と
する時間である。所定の継続時間(Tb)の経過後(時刻
t3)、減衰力の設定を直ちにハードとしても良いが、減
衰力が零となるのに要する時間を推定してその時間Tm経
過後に切り換えれば、サスペンションの特性の切換をよ
りスムーズに行なうことができる。
以上の説明した減衰力制御のルーチンが繰り返し実行
されると、各車輪のショックアブソーバ2の減衰力は、
減衰力変化率Vが切換基準値Vrefを上回ると直ちに小さ
い状態に設定され(第6図時点t1)、減衰力変化率Vが
切換基準値Vref以下となってからは、減衰力変化率Vが
切換基準値Vref以上であつた時間(Ta)の長短により定
められる時間(Tb)だけ、減衰力の設定をそのままの状
態に保持する(第6図時刻t2からt3)。この時間の経過
後、ショックアブソーバは、再び減衰力の大きな状態に
制御される。
従って、本実施例のサスペンション制御装置1は、減
衰力変化率Vという極めて応答性の高い信号を用い、車
両の各ショックアブソーバ2の減衰力の発生パターン
を、路面の状態に応じて適切な状態に、速やかに制御す
ることができる。即ち、 [I] 平坦路を走行している場合であれば、減衰力変
化率Vか切換基準Vrefを越えたとしても、V>Vrefであ
る時間(Ta)は短く、ショックアブソーバ2を減衰力特
性の小さな状態に保持しておく時間(Tb)も短く設定さ
れる。従って、平坦な路面で小さな段差等を越えた場合
などでは、短時間の内に減衰力の設定はハードに復帰
し、乗り心地は良好に保たれる。この結果、減衰力の設
定が不必要に長時間ソフトに維持されて、接地性が損な
われるということはない。
[II] 一方、悪路を継続して走行している場合には、
減衰力変化率Vは大きく変化し、減衰力変化率Vが切換
基準値Vrefを越えている時間(Ta)も長くなる。従っ
て、サスペンション特性を一旦ソフトに制御すると、V
≦Vrefとなった後もソフトのままに維持する時間(Tb)
は長くなり、減衰力の切換頻度が無用に高くなることが
ない。この結果、車両運転上の違和感が生じることはな
く、またショックアブソーバ2の耐久性も向上する。
このように、本実施例のサスペンション制御装置1に
よれば、減衰力変化率という応答性の優れた信号を利用
してサスペンションの特性を応答性良く制御しつつ、平
坦路走行時の小さな段差の乗越し等の場合と悪路走行時
の場合とで、減衰力を小さな状態に維持する時間を最初
に切り換え、車両の乗り心地と操縦安定性とを両立させ
ることができる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、例えば所
定時間以内に減衰力変化率Vが切換基準値Vrefを越えた
頻度に応じた継続時間(Tb)を定める構成や、減衰力変
化率Vのピーク値に基づいて継続時間(Tb)を定める構
成、あるいは減衰力の設定をソフトからハードに切り換
えた後のハードの継続時間の設定に適用した構成など、
本発栄の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様
で実施し得ることは勿論である。
発明の効果 以上詳述したように、本発明のサスペンション制御装
置によれば、減衰力の設定を切り換えた後の減衰力の設
定の保持期間を、減衰力の変化率の収束の仕方に応じて
長短調整することができるので、一旦切り換えた減衰力
の設定車両の走行状態(例えば路面の状態や車速等)に
応じた期間継続することができるという極めて優れた効
果を奏する。従って、例えば平坦路で小さな段差を乗り
越えたような場合には、減衰力の設定は短期間にハード
に戻りやすく、一方、悪路走行時には減衰力の設定は継
続してソフトに維持されやすくなる。この結果、不必要
に長期間減衰力の設定をソフトに維持して接地性等を損
なったり、減衰力の設定を頻繁に切り換えて運転車に違
和感を抱かせることがない。加えて、装置の耐久性にと
っても利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を例示するブロック図、第
2図は本発明の一実施例としてのサスペンション制御装
置の全体構成を表わす概略構成図、第3図(A)はショ
ックアブソーバ2の構造を示す部分断面図、第3図
(B)はショックアブソーバ2の要部拡大断面図、第4
図は本実施例の電子制御装置4の構成を表わすブロック
図、第5図は減衰力パターン切換制御ルーチンを示すフ
ローチヤート、第6図は減衰力の設定の切換の一例を示
すグラフ、第7図(A),(B)は車速と継続時間(T
b)との関係を示すグラフ、である。 1……サスペンション制御装置 2FL,FR,RL,RR……ショックアブソーバ 4……電子制御装置 25FL,FR,RL,RR……ピエゾ荷重センサ 27FL,FR,RL,RR……ピエゾアクチュエータ 51……車速センサ 70……減衰力変化率検出回路 75……高電圧印加回路、79……高電圧電源回路

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のサスペンションに設けられ、減衰力
    の発生パターンを設定し得るショックアブソーバと、 該ショックアブソーバの減衰力の変化率を検出する減衰
    力変化率検出手段と、 該検出された減衰力の変化率と減衰力の調整用基準値と
    の大小関係に基づいて、前記ショックアブソーバの減衰
    力の設定を変更する減衰力制御手段と、 該減衰力制御手段によって減衰力の設定が変更された
    後、減衰力の変化率が所定の復帰用基準値に収まつてか
    らさらに所定の保持期間だけ、前記減衰力の設定変更状
    態を継続する減衰力切換保持手段と、 前記減衰力制御手段によって減衰力の設定が変更された
    後、減衰力の変化率が復帰用基準値となるまでの時間を
    計測する計時手段と、 該計測された時間の長短に基づいて、前記保持期間の長
    さを決定する保持期間決定手段と を備えたサスペンション制御装置。
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JPH01202512A (ja) * 1988-02-08 1989-08-15 Nippon Denso Co Ltd ショックアブソーバの減衰力検出装置
JPH01208212A (ja) * 1988-02-13 1989-08-22 Nippon Denso Co Ltd ショックアブソーバの減衰力制御装置

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