JP2765103B2 - 圧電アクチュエータの駆動装置 - Google Patents

圧電アクチュエータの駆動装置

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JP2765103B2
JP2765103B2 JP1263460A JP26346089A JP2765103B2 JP 2765103 B2 JP2765103 B2 JP 2765103B2 JP 1263460 A JP1263460 A JP 1263460A JP 26346089 A JP26346089 A JP 26346089A JP 2765103 B2 JP2765103 B2 JP 2765103B2
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松永  栄樹
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、印加された電圧に応じて伸縮する圧電体を
積層してなる圧電アクチュエータの駆動装置に関する。
〔従来の技術〕
従来から、圧電体は印加された電圧に対して極めて応
答性よく伸縮を起こすため、圧電体を用いた各種のアク
チュエータが提案されている。
例えば特開昭61-85210号公報には、圧電アクチュエー
タを用いて車両用ショックアブソーバの減衰力を制御
し、乗り心地と操縦性とを改善することが提案されてい
る。すなわち、車両用ショックアブソーバ内に圧電アク
チュエータを配設し、この圧電アクチュエータを伸縮さ
せることによりピストンによって区分けされた第1及び
第2油室の連通路の通路面積を変化させる。これによ
り、上記連通路を流れる作動油流量を制御することが可
能となり、ショックアブソーバの減衰力を制御すること
ができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ここで、圧電体はヒステリシスを有しているために、
圧電アクチュエータに数百Vの正電圧を印加して伸長さ
せた後、単にその印加電圧を零Vとするだけでは、圧電
アクチュエータは元の長さまで伸縮せず、伸縮量が小さ
くなってしまう。そこで、伸長時に数百Vの正電圧を印
加するとともに、収縮時にも圧電体の分極が反転しない
程度の負電圧(−100V程度)を印加することによって圧
電アクチュエータの伸縮量を大きくできることが知られ
ている。
しかしながら、上記のように正負の電圧を印加して圧
電アクチュエータを伸縮させる方式では、常に+数百V
又は−100V程度の電圧が圧電アクチュエータ、車両ハー
ネス等に印加されることになるので、このような高電圧
に対して何らかの安全対策を施すことが必要になる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、圧
電アクチュエータを一旦収縮させた後は圧電アクチュエ
ータの印加電圧を零とし、かつ印加電圧が零とならない
ときには以後の制御を禁止することによって安全性の向
上した圧電アクチュエータの駆動装置を提供することを
目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、第1図に示すように本発
明による圧電アクチュエータ駆動装置は、 印加された電圧によって伸縮する圧電体を積層してな
る圧電アクチュエータM1と、 前記圧電アクチュエータを伸長させる第1の高電圧及
び前記圧電アクチュエータを収縮させる第2の高電圧を
発生する高電圧発生手段M2と、 外部からの指令信号に応じて、前記高電圧発生手段が
発生する第1及び第2の高電圧を前記圧電アクチュエー
タに印加する印加手段M3と、 前記印加手段に対して前記圧電アクチュエータを伸縮
させる指令信号を出力するとともに、前記圧電アクチュ
エータを収縮させる指令信号は出力開始から所定時間経
過した後に停止する指令信号出力手段M4と、 前記圧電アクチュエータを収縮させる第2の高電圧の
印加が停止されたとき、前記圧電アクチュエータに蓄積
された電荷を放電させる第1の放電手段M5と、 前記放電手段によって前記圧電アクチュエータから電
荷が放電されたとき、この放電が正常に実行されたか否
かを検出する検出手段M6と、 前記検出手段によって放電が正常に実行されなかった
ことが検出されたとき、前記高電圧発生手段によって発
生された第1及び第2の高電圧の前記印加手段への供給
を禁止する禁止手段M7と、 前記禁止手段と連動して、前記圧電アクチュエータに
蓄積された電荷を放電する第2の放電手段M8とを備え
る。
〔作用〕
上記のように構成された圧電アクチュエータ駆動装置
においては、圧電アクチュエータの収縮時に第2の高電
圧を所定時間印加した後、第1の放電手段によって圧電
アクチュエータに蓄積された電荷が放電される。すなわ
ち、圧電アクチュエータの収縮後は印加電圧が零となる
ので、圧電アクチュエータの伸縮量を確保しつつ、高電
圧印加に伴う種々の不具合を解消し、安全性を向上させ
ることができる。
さらに、圧電アクチュエータに蓄積された電荷の放電
が正常に実行されない、つまり圧電アクチュエータの印
加電圧が零にならない場合には、印加手段への高電圧の
供給を禁止するとともに圧電アクチュエータから強制的
に電荷が放電される。これにより、上記作用と相まって
安全性をさらに向上させることができる。
〔実施例〕
次に、本発明の一実施例としての圧電アクチュエータ
の駆動装置について、図面に基づき説明する。この圧電
アクチュエータの駆動装置は、圧電体を内蔵した減衰力
可変型のショックアブソーバの減衰力を調整する減衰力
制御装置に用いられているものである。
第2図はこの減衰力制御装置全体の構成を表わす概略
構成図であり、第3図(A)はショックアブソーバを一
部破断した全体構成図であり、第3図(B)はショック
アブソーバの要部拡大断面図である。
第2図に示すように、本実施例の車両用減衰力制御装
置1は、減衰力可変型ショックアブソーバ(以下、単に
ショックアブソーバという)2FL,2FR,2RL,2RR、及びこ
れら各ショックアブソーバと接続されその減衰力を制御
する電子制御装置4を備えている。
ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRは、後述するよ
うに、ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRに作用する
減衰力を検出するピエゾ荷重センサと、ショックアブソ
ーバ2FL,2FR,2RL,2RRの減衰力を切り換えるピエゾアク
チュエータと各々一組ずつ内蔵している。
また各ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRは、夫
々、左右前後輪5FL,5FR,5RL,5RRのサスペンションロワ
ーアーム6FL,6FR,6RL,6RRと車体7との間に、コイルス
プリング8FL,8FR,8RL,8RRと共に併設されている。
次に、上記各ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRの
構造を説明する。尚上記各ショックアブソーバ2FL,2FR,
2RL,2RRの構造は全て同一であるため、ここでは左前輪5
FL側のショックアブソーバ2FLを例にとり説明する。
又、以下の説明では、各部材に付した符号の添え字(F
L,FR,RL,RR)を必要に応じて省略することにする。
ショックアブソーバ2は、第3図(a)に示すよう
に、シリンダ11側の下端にて車軸側部材11aを介してサ
スペンションロワーアーム6に固定され、一方、シリン
ダ11に貫挿されたロッド13の上端にて、ベアリング7a及
び防振ゴム7bを介して車体7にコイルスプリング8と共
に固定されている。
シリンダ11内部には、ロッド13の下端に連接された内
部シリンダ15,連結部材16,筒状部材17と、シリンダ11内
周面にそって摺動自在なメインピストン18とが、配設さ
れている。
筒状部材17にナット19によってネジ止めされたメイン
ピストン18は、シリンダ11内を第1の液室21と第2の液
室23とに区画し、両液室21,23の間における作動油流量
を、伸び側及び縮み側固定オリフィス18a,18bにより規
制し、ショックアブソーバ2の通常の減衰特性を減衰力
大の状態(ハード)とする。
そして、第3図(a),(b)に示すように、内部シ
リンダ15に圧電セラミックスの薄板を電極を挟んで積層
した電歪素子積層体であるピエゾ荷重センサ25及びピエ
ゾアクチュエータ27を内蔵し、ショックアブソーバ2に
作用する減衰力の大きさを検出すると共に、ピストン31
を駆動し、油密室33内の作動油を介してプランジャ37及
びH字状の断面を有するスプール41を移動させる。
こうして第3図(b)に示す位置(原点位置)にある
スプール41が図中B方向に移動すると、第1の液室21に
つながる副流路16cと第2の液室23につながるブッシュ3
9の副流路39b及び筒状部材17内の流路17aとが連通され
ることとなり、第1の液室21と第2の液室23との間を流
動する作動油流量が増加する。つまり、ショックアブソ
ーバ2は、ピエゾアクチュエータ27が高電圧印加により
伸長すると、その減衰特性を減衰力大(ハード)の状態
から減衰力小に(ソフト)側に切換え、電荷が放電され
て収縮すると減衰特性を減衰力大(ハード)の状態に復
帰させる。
尚、油密室33内の作動油油量を一定に保つよう、油密
室33と第1の液室21との間に作動油補給路38がチェック
弁38aとともに設けられている。
また、スプール41の隔壁41aには油路41dが、スプール
41の環状溝40には油路41dの径より大きな径の下部連通
孔41eが開けられている。
ショックアブソーバ2は副流路39bに引続く末端空間3
9cに摺動自在なプレートバルブ45を備えており、シリン
ダ11内におけるメインピストン18の摺動速度が、このプ
レートバルブ45に形成した油穴45aと大径の油圧45bとを
通貨する作動油の流動方向に応じて調整されている。
次に、上記したショックアブソーバ2の減衰力を切換
制御する電子制御装置4について、第4図を用いて説明
する。
この電子制御装置4には、車両の走行状態を検出する
ためのセンサとして、図示しないステアリングの操舵角
を検出するステアリングセンサ50と、車両の走行速度を
検出する車速センサ51と、エンジンの回転を変速して出
力する図示しない変速機のニュートラル位置を検出する
ニュートラルスイッチ52と、図示しないブレーキペダル
が踏まれたときに信号を発するストップランブスイッチ
53とが接続されており、上記各センサ,スイッチの検出
信号は電子制御装置4に入力される。
これら検出信号や各ショックアブソーバ2のピエゾ荷
重センサ25の検出信号等に基づき上述したピエゾアクチ
ュエータ27に制御信号を出力する電子制御装置4は、CP
U4a,ROM4b,RAM4cを中心に論理演算回路として構成さ
れ、これらとコモンバス4dを介して相互に接続された入
力部4e及び出力部4fにより外部との入出力を行う。
電子制御装置4には、このほかピエゾ荷重センサ25の
接続された減衰力検出回路55,ステアリングセンサ50,車
速センサ51,ニュートラルスイッチ52,ストップランブス
イッチ53の接続された波形整形回路56,異常報知用出力
回路58,図示しないバッテリに接続された高電圧電源回
路60,ピエゾアクチュエータ27に接続される高電圧印加
回路61,ピエゾアクチュエータ27を充電する充電電流及
びピエゾアクチュエータ27から放電される放電電流をそ
れぞれ検出する充電電流検出回路66及び放電電流検出回
路63,高電圧電源回路60と2次側で接続された急速放電
回路62等が備えられている。そして、減衰力検出回路5
5,波形整形回路56,A/D変換器59,充電電流検出回路66,放
電電流検出回路63は入力部4に、出力回路58,高電圧電
源回路60の高電圧電源制御回路60a,高電圧印加回路61,
急速放電回路62の急速放電制御回路62aは出力部4fにそ
れぞれ接続されている。又、A/D変換器59には、高電圧
電源回路60の電流検出用の抵抗器60b、この高電圧電源
回路60の2次側配線及び1次側配線が接続されている。
従って、CPU4aは、バッテリ電圧VB,高電圧電源回路60の
トランス60cにおける1次側電流i1及び2次側電圧V500,
V−100を、A/D変換器59を介して読み込み、又、異常報
知用のランプ57へその点灯用電流を通電する出力回路58
に制御信号を出力して、上記ランプ57を点灯制御する。
減衰力検出回路55は各ピエゾ荷重センサ25FL,25FR,25
RL,25RRに対応して設けられた4個の検出回路からな
り、おのおのの検出回路は、路面からショックアブソー
バ2が受ける作用力に応じてピエゾ荷重センサ25に流れ
る電流を、ショックアブソーバ2の減衰力及び減衰力変
化率に換算してCPU4aに出力するよう構成されている。
従って、CPU4aは、この減衰力検出回路55とステアリン
グセンサ50等の検出信号をCPU4aにおける処理に適した
信号に波形整形して出力する波形整形回路56とからの出
力信号に基づき、路面状態や車両の走行状態等を判定
し、その結果に応じてショックアブソーバ2の減衰特性
を切り換えるべく、対応する高電圧印加回路61に制御信
号を出力する。
高電圧電源回路60は、トランス60cの1次側コイルに
流れる電流を図示しない発振器からの出力信号に基づき
周期的に遮断して、トランス60cの2次側コイルに高電
圧を発生させるものであり、トランス60cの1次側コイ
ルと抵抗器60bとの間に直列に接続された電界効果トラ
ンジスタ(以下、FBTという)60dの周期的なオン・オフ
制御及びCPU4aからの制御信号に基づいてオン・オフ制
御を実行する高電圧電源制御回路60a、2次側電流を半
波整形するダイオード60e,60f,2次側コイルと並列に接
続されその電荷を平滑・蓄電するコンデンサ60g,60h等
から構成されている。従って、CPU4aは、高電圧電源制
御回路60aに制御信号を出力して、高電圧電源回路60に
おける昇圧の実行可否を司る。尚、2次側コイルの中間
タップはアース接地されている。
この高電圧電源回路60から高電圧の供給を受ける高電
圧印加回路61、及び放電電流検出回路63,充電電流放電
回路66の回路図を第5図に示す。
第5図において、高電圧印加回路61は高電圧電源回路
60の出力する高電圧をCPU4aからの制御信号(減衰力切
り換え信号)に応じて印加してピエゾアクチュエータ27
を駆動させ、減衰力切り換え信号に応じたショックアブ
ソーバ2の減衰力切り換えを実行するように構成されて
いる。すなわち、第6図(a),(c)に示すようにCP
U4aから減衰力切り換え信号として+500V印加指令信号
が入力されたときには、トランジスタ61aが導通し、こ
のトランジスタ61aと抵抗68を介して+500Vの高電圧が
印加されピエゾアクチュエータ27が伸長する。このと
き、充電電流検出回路66は、ピエゾアクチュエータ27に
直列に接続された抵抗67の両端電位から充電電流を検出
してCPU4aに出力する。すなわち、充電電流検出回路66
は、第5図に示すように抵抗66b,66cとオペアンプ66dと
によって構成される同相増幅回路を備え、この同相増幅
回路によって抵抗67の両端に発生した電圧を増幅する。
そして、コンパレータ66eにてこの増幅された電圧と基
準電圧VTH2とを大小比較し、増幅された電圧が基準電
圧VTH2よりも大きいときHiレベルの信号を出力する。
ここで基準電圧VTH2は、同相増幅回路によって増幅さ
れた電圧が所定の時間範囲内において基準電圧VTH2よ
りも大きくなったとき、充電が正常に行なわれたことを
検出できるように設定されている。つまり、充電電流検
出回路66からHiレベルの信号が出力されない或いは出力
される時間が非常に短いとき、ピエゾアクチュエータ27
には充分な電荷が蓄積されておらず、充電系路に断線等
の不良が生じたと判断する。また、充電電流検出回路66
からHiレベルの信号が出力され続けた場合は充電系路に
短絡等の不良が生じてピエゾアクチュエータ27に+500V
の高電圧が常時供給されていると判断する。なお、抵抗
66aは過電流を制限するための保護抵抗である。
また、第6図(b),(c)に示すようにCPU4aから
減衰力切り換え信号として−100V印加指令信号が高電圧
印加回路61に入力されたとき、トランジスタ61bが導通
し、このトランジスタ61bと抵抗68とを介して−100Vの
負電圧が印加され、ピエゾアクチュエータ27が収縮す
る。そして、CPU4aはピエゾアクチュエータ27が収縮を
完了する所定時間トランジスタ61bを導通させた後、+5
00V印加指令信号及び−100V印加指令信号を共にLoレベ
ルにしてトランジスタ61a,61bの導通を遮断する。ここ
で、ピエゾアクチュエータ27に−100Vの負電圧が印加さ
れているとき及び、−100Vの負電圧の印加により蓄積さ
れた電荷が放電されているとき、ピエゾアクチュエータ
27に並列に接続された抵抗69の両端には負電圧が発生す
る。放電電流検出回路63は、この抵抗69の両端に発生し
た負電圧を抵抗63a,63bとオペアンプ63aよりなる反転増
幅回路によって反転増幅し、負電圧を正電圧に変換す
る。この変換された正電圧がコンパレータ63dにて基準
電圧VTH1と大小比較され、変換された正電圧が基準電
圧VTH1よりも大きいとき放電電流検出回路66からHiレ
ベルの信号が出力される。ここで基準電圧VTH1はピエ
ゾアクチュエータ27から電荷が放電されているとき、放
電電流検出回路63からHiレベルの信号が出力されるよう
に設定されている。
また、CPU4aによってトランジスタ61a,61bの導通が共
に遮断されたとき、−100Vの負電圧の印加によってピエ
ゾアクチュエータに蓄積された電荷は、ダイオード65,
抵抗69を介して放電され、ピエゾアクチュエータ27の両
端電圧は零Vとなる。
各ショックアブソーバ2の減衰力特性は、+500Vの高
電圧を印加してピエゾアクチュエータ27を伸張させたと
きには、既述したスプール41(第3図)により、ショッ
クアブソーバ2内の第1の液室21と第2の液室23と間を
流動する作動油の流量が増加するため減衰力小(ソフ
ト)となり、−100Vの負電圧により電荷を放電させてピ
エゾアクチュエータ27を収縮させたときには、作動油流
量が減少するため減衰力大(ハード)となる。
高電圧電源回路60の2次側に接続された急速放電回路
62は、各ピエゾアクチュエータ27に蓄電されている電荷
を急速且つ強制的に放電するよう構成されたものであ
り、トランス60cの2次側コイルの両出力間に並列に接
続されたFET62b及び抵抗器62cと、CPU4aからの制御信号
に基づいてこのFET62bのオン・オフ制御を実行する急速
放電制御回路62aとを備えている。従って、CPU4aは、急
速放電制御回路62aに制御信号を出力して、FET62bをオ
ン状態とし、トランス60cの2次側を短絡させ各ピエゾ
アクチュエータ27に蓄電されている電荷を、ダイオード
64或いはダイオード65と抵抗器62cとを介して急速且つ
強制的に放電することができる。
次に、上記した構成を備える本実施例の車両用減衰力
制御装置1が行う減衰力制御について、第6図のフロー
チャートに基づき説明する。
第6図は、図示しないイグニッションスイッチがオン
されてからオフされるまでに、電子制御装置4で繰り返
し実行される減衰力制御ルーチンを表わしている。
第6図において、まず、減衰力制御ルーチンでは、イ
グニッションスイッチがオンとされたときにのみ実施す
る初期処理、即ち、CPU4aの内部レジスタのクリア、後
述される処理にて使用されるカウンタCH,C500,C−100,N
OPNのクリアさらに後述する処理にてセットされるフラ
グFNG,Fsのリセット等を行う。
その後、高電圧電源回路60における昇圧が完了しピエ
ゾアクチュエータ27を駆動するに足る状態にあるか否か
を、イグニッションスイッチがオンされてからの経過時
間等によって判断し(ステップ110)、昇圧完了まで待
機する。
昇圧完了を判断した場合には、続いて図示しない別の
ルーチンにて判定した高電圧電源回路60の異常の有無に
ついて確認する(ステップ120)。ステップ120において
高電圧電源回路60が正常であることを確認した場合に
は、アクチュエータ駆動系異常フラグFNGのセット状態
を確認する(ステップ130)。イグニッションスイッチ
がオンされてから最初の処理においては、このフラグF
NGは、値0にリセットされているので、制御減衰力演算
ルーチン(ステップ140)を実行する。
制御減衰力演算ルーチンの処理内容の概要を説明する
と、ステアリングセンサ50,車速センサ51等からの検出
信号に基づき走行状態(操舵角θ,車速S等)を、減衰
力検出回路55からの検出信号に基づき路面状態に判断
し、その結果に応じて減衰力をハードに制御するか、ソ
フトに制御するかを判定するものである。
次に、ステップ140における判定結果を判別し(ステ
ップ150)、減衰力をハードに制御する場合には、ハー
ドカウンタCHをインクリメントする(ステップ160)。
続いて減衰力がソフトに制御された後は、常に値1がセ
ットされ続けるソフト駆動フラグFSの状態を確認する
(ステップ170)。イグニッションスイッチがオンされ
てから最初の処理においては、このフラッグは値0にリ
セットされているので、まだソフト駆動が一度も行なわ
れていないと判断して、ステップ280に進み、500V印加
指令信号及び−100V印加指令信号ともにLoレベルの信号
を出力し、減衰力をハードに制御する。その後、放電電
流検出回路63からの出力信号を判定し(ステップ290),
Loレベルの信号を検出した時には、処理を一旦終了す
る。一方、Hiレベルの信号を検出した時には、アクチュ
エータ駆動回路系に何らかの異常(−100Vの負電圧を印
加するトランジスタ61bのショート等)が発生したと判
断し、アクチュエータ系異常フラグFNGを1にセットし
(ステップ430)、さらに異常時の処理として高電圧電
源回路60における昇圧の禁止及び急速放電制御回路62a
によって高電圧電源系の急速放電を実行し、さらに500V
印加指令信号及び−100V印加指令信号をともにLoレベル
にし、出力回路58によるウォーニングランプ点灯を行っ
た後(ステップ440)、処理を一旦終了する。すなわ
ち、ピエゾアクチュエータ27に+500Vの高電圧が印加さ
れて減衰力がソフトに制御される以前に、ステップ170,
280,290によって予めアクチュエータ駆動回路系に異常
が生じていないかどうかを確認しているのである。
次に、制御減衰力演算ルーチン(140)の判定結果に
基づき減衰力をソフトに制御する場合には、まず放電電
流検出カウンタC−100及びハードカウンタCHをクリア
し、ソフト駆動フラグFsを1にセットする(ステップ38
0)。続いて、500V印加指令信号をHiレベル、−100V印
加指令信号をLoレベルとして、ピエゾアクチュエータ27
に+500Vを印加し、減衰力をソフトに制御する(ステッ
プ390)。このとき充電電流検出回路66から出力される
信号のレベルを判別し(ステップ400),出力信号がHi
レベルの場合には充電電流検出カウンタC500をインクリ
メントする(ステップ400,410)。この充電電流検出カ
ウンタC500の値と基準上限値T500Hとを大小比較して
(ステップ420),充電電流検出カウンタC500の示す値
が基準上限値T500H以上となった場合はアクチュエータ
駆動回路系の異常(例えばトランジスタ61aショート
等)が発生して+500Vの電圧が印加され続けていると判
断し、異常時処理(ステップ430,440)を行う。一方、
充電電流検出カウンタC500が基準上限値T500H未満の場
合には、処理を一旦終了する。
ステップ140における制御減衰力演算の結果、ステッ
プ150において減衰力をソフトからハードに切り換える
と判断した場合にはハードカウンタCHをインクリメント
する(ステップ160)。そして、ステップ170の判定にお
いてソフト駆動フラグFSはすでにステップ380にて値1
にセットされているため、ステップ180に進み、ハード
カウンタCHの値を放電基準値TH1と大小比較する。この
ステップ180の大小比較の判定において、ハードカウン
タCHの値はまだ1であるため、ステップ190に進みハー
ドカウンタCHの値が1かどうかを判定する。ハードカウ
ンタCHの値が1の場合には充電電流検出カウンタC500の
値と基準下限値T500Lとを大小比較し(ステップ200)、
基準下限値T500L未満の場合には+500V印加時に充電電
流が検出されなかったと判断し、ステップ210に進んで
アクチュエータオープンカウンタNOPNをインクリメン
トする。
そして、このアクチュエータオープンカウンタNOPN
の値と基準値KOPNとを大小比較し(ステップ220)、こ
の判定結果においてアクチュエータオープンカウンタN
OPNが基準値KOPN以上の場合はピエゾアクチュエータ27
に+500Vの電圧を印加して減衰力をソフトに制御したと
きに、充電電流の検出されない状態がKOPN回発生した
ということであり、このときにはアクチュエータ駆動回
路系のオープン故障と判断して異常時処理を行う(ステ
ップ430,400)。一方、アクチュエータオープンカウン
タンNOPNが基準値KOPN未満の場合はハード制御を続け
るため、ステップ240にて充電電流検出カウンタC500を
クリアする。すなわち、減衰力がソフトからハードに切
換えられるタイミングをハードカウンタCHの値から判別
し(ステップ190)、このタイミングにてピエゾアクチ
ュエータ27が正常に充電されていたのかを判定してい
る。そして充電が正常に行なわれなかった回数が基準値
KOPN以上となったとき、その後の減衰力制御を禁止す
るのである。
尚、ステップ200にて充電電流検出カウンタC500が基
準下限値T500L以上の場合には+500V印加時に充電電流
は正常であったため、アクチュエータオープンカウンタ
NOPNをクリアした後、充電電流検出カウンタC500をク
リアする(ステップ230,240)。そして、減衰力をソフ
トからハードに切り換えるために+500V印加指令信号を
Loレベル、−100V印加指令信号をHiレベルとして出力
し、ピエゾアクチュエータ27に−100Vを印加する(ステ
ップ250)。このとき放電電流検出回路63から出力され
る信号がHiレベルの時には放電電流検出カウンタC−10
0をインクリメントし、また放電電流検出回路63から出
力される信号がLoレベルのときには、放電電流検出カウ
ンタC−100の値を変化させずに(ステップ260,270)処
理を一旦終了する。
ステップ180において、ハードカウンタCHの値が基準
値TH1未満かつ1よりも大きい間は、ステップ250以降
の処理を行う。一方、ピエゾアクチュエータ27への−10
0Vの印加が基準値TH1以上行われるとステップ180の判
定の結果ステップ320に進み、+500V印加指令信号及び
−100V印加指令信号ともにLoレベルの信号を出力する。
これによりピエゾアクチュエータ27から−100V印加によ
って蓄積された電荷を放電させ減衰力をハードの状態に
保持する。次に、ハードカウンタCHが基準値TH1に等し
い時、すなわち−100Vの電圧の印加が終了した時には、
放電電流検出カウンタC−100の値と基準値T−100とを
大小比較し(ステップ330,340)、基準値T−100未満の
時には、−100V印加時に放電電流が検出されなかったと
いうことであり、アクチュエータ駆動回路系の異常(例
えば−100Vを印加するトランジスタ61bのオープン故障
等)と判断し、異常時処理を行なう(ステップ430,44
0)。なお、ハードカウンタCHが基準値TH1を超える場
合には、ステップ340は実施されない。続いて放電電流
検出回路63から出力される信号のレベルが判定され(ス
テップ350)、この出力信号がHiレベルの場合には放電
電流検出カウンタC−100をインクリメントする(ステ
ップ360)。この放電電流検出カウンタC−100が基準値
To以上となった場合には(ステップ370)、抵抗69によ
って検出される放電電流が流れ続けているということで
あり、アクチュエータ駆動回路系の異常(例えば−100V
を印加するトランジスタ61bのショート等)と判断し、
異常時処理を行なう(ステップ430,440)。また、放電
電流検出カウンタC−100が基準値To未満の場合には、
処理を一旦終了する。
尚、ステップ120,130において高電圧電源異常、アク
チュエータ駆動回路系異常と判定した場合には、ステッ
プ440にて異常時処理を行った後、一旦処理を終了す
る。
次に、放電電流検出回路及び充電電流検出回路の他の
実施例を第8図に示す。第8図において放電電流検出回
路は、放電電流をオペアンプ70dの出力端子より抵抗70
a,69及びダイオード65を介して供給する。オペアンプ70
dの同相入力端子は抵抗70bを介して接地さているため、
オペアンプ70dの出力端子には放電電流に抵抗値70aを乗
じた電圧が発生し、放電電流を検出できる。尚、ダイオ
ード70cはピエゾアクチュエータ27に−100Vが印加され
た状態でイグニッションスイッチがオフされた場合に、
電源供給の停止によりオペアンプ70dの増幅動作が停止
したとき、反転入力端子に負の電圧が印加されてオペア
ンプ70dが破壊されることを防止するとともに、この際
ピエゾアクチュエータ27に蓄積された負の電荷を放電さ
せる系路を形成するものである。
充電電流検出回路は、検出抵抗67の抵抗値を予め定め
た値に設定することにより、増幅回路を省略している。
更に、放電電流検出回路と充電電流検出回路は放電電
流検出レベルと充電電流検出レベルを同レベルに設定し
ダイオード70e,70g,抵抗70hにてOR回路を形成すること
により判定回路をコンパレータ70j回路にて兼用してい
る。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、圧電アクチュエ
ータを一旦収縮させた後は圧電アクチュエータの印加電
圧を零とし、かつ印加電圧が零とならないときには以後
の制御を禁止しているので、圧電アクチュエータ駆動装
置において優れた安全性を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成の概要を示すブロック図、第2図
は本発明を減衰力制御装置に用いた場合における減衰力
制御装置の全体構成を表す全体構成図、第3図(a)は
その減衰力制御装置のショックアブソーバの構造を示す
部分断面図、第3図(b)はショックアブソーバの要部
拡大断面図、第4図は本実施例の電子制御装置の構成を
表すブロック図、第5図は電子制御装置の高電圧印加回
路、充電電流検出回路、及び放電電流検出回路の構成を
示す回路図、第6図(a),(b),(c)は減衰力制
御状態を説明するタイムチャート、第7図は電子制御装
置が実行する制御の流れを示すフローチャート、第8図
は充電電流検出回路及び放電電流検出回路の他の実施例
の構成を示す回路図である。 4……電子制御装置,27……ピエゾアクチュエータ,60…
…高電圧電源回路,61……高電圧印加回路,62……急速放
電回路,63……放電電流検出回路,66……充電電流検出回
路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 隈部 肇 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 平野 吉男 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 鈴木 豊 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−202177(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02N 2/00 - 2/18

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印加された電圧によって伸縮する圧電体を
    積層してなる圧電アクチュエータと、 前記圧電アクチュエータを伸長させる第1の高電圧及び
    前記圧電アクチュエータを収縮させる第2の高電圧を発
    生する高電圧発生手段と、 外部からの指令信号に応じて、前記高電圧発生手段が発
    生する第1及び第2の高電圧を前記圧電アクチュエータ
    に印加する印加手段と、 前記印加手段に対して前記圧電アクチュエータを伸縮さ
    せる指令信号を出力するとともに、前記圧電アクチュエ
    ータを収縮させる指令信号は出力開始から所定時間経過
    した後に停止する指令信号出力手段と、 前記圧電アクチュエータを収縮させる第2の高電圧の印
    加が停止されたとき、前記圧電アクチュエータに蓄積さ
    れた電荷を放電させる第1の放電手段と、 前記放電手段によって前記圧電アクチュエータから電荷
    が放電されたとき、この放電が正常に実行されたか否か
    を検出する検出手段と、 前記検出手段によって放電が正常に実行されなかったこ
    とが検出されたとき、前記高電圧発生手段によって発生
    された第1及び第2の高電圧の前記印加手段への供給を
    禁止する禁止手段と、 前記禁止手段と連動して、前記圧電アクチュエータに蓄
    積された電荷を放電する第2の放電手段とを備えること
    を特徴とする圧電アクチュエータの駆動装置。
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