JP2724760B2 - サスペション制御装置 - Google Patents

サスペション制御装置

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JP2724760B2
JP2724760B2 JP27757589A JP27757589A JP2724760B2 JP 2724760 B2 JP2724760 B2 JP 2724760B2 JP 27757589 A JP27757589 A JP 27757589A JP 27757589 A JP27757589 A JP 27757589A JP 2724760 B2 JP2724760 B2 JP 2724760B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明はサスペンション制御装置に関し、詳しくは減
衰力の設定を可変し得るショックアブソーバを備え、車
両の走行状態に基づいてショックアブソーバの減衰力の
発生パターンを制御し、乗り心地と操縦安定性とを改善
しようとするサスペンション制御装置に関する。
[従来の技術] この種のサスペンション制御装置として、ショックア
ブソーバの減衰力の変化率を検出し、この変化率が所定
以上となったとき、即ち路面の凹凸やブレーキ操作等に
基づいて減衰力が急変するとき、ショックアブソーバの
減衰力の発生パターンを小さな値の側に速やかに切り換
えて、ショックアブソーバの制御の応答性を高めたもの
が知られている。更に、減衰力の設定の切り換えを判断
する減衰力変化率の調整用基準値の大きさを、車速等の
車両の運転状態に基づいて変更し、乗り心地を一層改善
しようとするサスペンション制御装置も提案されている
(例えば、特開昭64−67407号公報)。
[発明が解決しようとする課題] かかるサスペンション制御装置は、路面状態の変化に
減衰力のパターンを素早く追従させて乗り心地を良好に
保つ優れたものであるが、平坦路あるいは悪路が所定期
間以上継続するような場合、乗り心地や操縦安定性が必
ずしも充分でないという問題があった。これは、例えば
平坦路を継続して走行していると、ショックアブソーバ
は減衰力の大きな状態に維持されているためサスペンシ
ョンが硬く(ハードで)、路面の小さな凹凸がかえって
目立つことがあるからである。反対に悪路を継続して走
行していると、ショックアブソーバが減衰力の小さな状
態に維持され続ける結果、接地性が犠牲になり、運転フ
ィーリングを損なうことも考えられる。
また、こうした乗り心地や操縦安定性を向上する要求
は、特に高速走行時に強く要求される。
本発明のサスペンション制御装置は上記課題を解決
し、平坦路や悪路が継続する場合の乗り心地と操縦安定
性とを改善することを目的とし、特に高速走行時には素
早く路面の状態に応じた制御を実行することを目的とす
る。
発明の構成 かかる目的を達成する本発明の構成について以下説明
する。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明のサスペンション制御装置は、第1図に例示す
るように、 車両のサスペンションSに設けられ、減衰力の発生パ
ターンを設定し得るショックアブソーバM1と、 該ショックアブソーバM1の減衰力の変化率を検出する
減衰力変化率検出手段M2と、 該検出された減衰力の変化率と減衰力の調整用基準値
との大小関係に基づいて、前記ショックアブソーバM1の
減衰力の設定を変更する減衰力制御手段M3と を備えたサスペンション制御装置において、 前記減衰力制御手段M3による減衰力の前記設定の変更
の状況に基づいて、車両の走行する路面の状態を、所定
期間経過に渡って検出する路面状態検出手段M4と、 前記所定期間が経過する毎に、前記路面状態検出手段
M4によって検出された路面の状態に基づいて平坦路又は
悪路が継続しているか否かを判断し、平坦路が継続して
いると判断されたときは前記調整用基準値を頻度偏差の
量に応じて小さな値に補正し、悪路が継続していると判
断されたときは前記調整用基準値を頻度偏差の量に応じ
て大きな値に補正する減衰力調整補正手段M5と、 車速を検出する車速検出手段M6と、 前記車速検出手段M6が検出する車速が所定以上の高速
走行時には、前記路面状態検出手段が路面の状態を検出
する前記所定期間を短くすることによって前記減衰力調
整補正手段による補正の時期を早める補正タイミング早
め手段M7と を備えたことを特徴とする。
[作用] 上記構成を有する本発明のサスペンション制御装置
は、車両のサスペンションSに設けられたショックアブ
ソーバM1の減衰力の変化率を減衰力変化率検出手段M2に
より検出し、この減衰力の変化率と減衰力の調整用基準
値との大小関係に基づいて、減衰力制御手段M3により、
ショックアブソーバM1の減衰力の設定を変更する技術を
前提としており、更に次の作用を果たす。
路面状態検出手段M4は、減衰力制御手段M3による減衰
力の設定の変更の状況、例えば数段階に減衰力パターン
を切り換える構成においてその切換頻度や切り換えの周
期などに基づいて、車両が走行する路面の状態を、所定
期間に渡って検出する。こうして検出された路面の状態
に基づいて、平坦路が継続していると判断されたとき
は、減衰力調整補正手段M5が、調整用基準値を小さな値
に補正する。一方、悪路が継続していると判断されたと
きは、減衰力調整補正手段M5が、調整用基準値を大きな
値に補正する。
かかる補正により、例えば極めて平坦な路面が所定期
間以上継続する場合には、ショックアブソーバの減衰力
の発生パターンは、調整用基準値が小さな値に補正され
た分だけ、減衰力の大きな設定から小さな側に切り換わ
り易くなる。また、悪路を継続して走行する場合には、
減衰力の小さな設定から大きな側に補正され、減衰力が
小さめの状態に切り換わり難くなる。この結果、減衰力
の発生パターンの偏りは速やかに補正され、衝撃吸収性
・接地性のバランスに優れたサスペンション特性とな
る。
また、請求項2に記載した後に、請求項1記載のサス
ペンション制御装置において、前記減衰力制御手段が無
段階に減衰力の設定を変更し得る手段として構成される
と共に、前記減衰力調整補正手段として、前記検出され
た路面の状態に基づいて、平坦路が継続していると判断
されたときは前記減衰力制御手段により設定される減衰
力を、より低めの状態に補正し、悪路が継続していると
判断されたときは前記減衰力制御手段により設定される
減衰力を、より高めの状態に補正する減衰力調整補正手
段を備えたことを特徴とするサスペンション制御装置に
よっても上記目的を達成することができる。
この請求項2記載のサスペンション制御装置によれ
ば、平坦路が連続するときは、減衰力が低めに補正され
るので、小さな路面凹凸による衝撃を吸収することがで
き、逆に、悪路が連続するときは減衰力が高めに補正さ
れるので接地性を向上させることができる点で、請求項
1記載の発明と全く同様である。
しかも、所定以上の高速走行時には、補正タイミング
早め手段M7が、路面状態検出手段M4による路面状態の検
出期間を短くし、減衰力調整補正手段M5による補正タイ
ミングを早める。従って、高速走行時には、減衰力調整
補正手段M5が早いタイミングで路面の状態を判断し、減
衰力の補正を実行する。この結果、高速走行時には、上
述の調整用基準値又は減衰力の補正が速やかに実行さ
れ、乗り心地や操縦安定性が素早く改善される。
[実施例] 以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする
ために、以下本発明のサスペンション制御装置の好適な
実施例について説明する。
第2図は第1実施例のサスペンション制御装置1全体
の構成を表わす概略構成図であり、第3図(A)はショ
ックアブソーバを一部破断した断面図であり、第3図
(B)はショックアブソーバの要部拡大断面図である。
第2図に示すように、本実施例のサスペンション制御
装置1は、減衰力を2段階に変更可能なショックアブソ
ーバ2FL,2FR,2RL,2RR(以下、総てを呼称するときは2F
L,FR,RL,RRと略記する。他の部材も同様に記載する)
と、これら各ショックアブソーバに接続されその減衰力
を制御する電子制御装置4とから構成されている。各シ
ョックアブソーバ2FL,FR,RL,RRは、夫々、左右前後輪5F
L,FR,RL,RRのサスペンションロワーアーム6FL,FR,RL,RR
と車体7との間に、コイルスプリング8FL,FR,RL,RRと共
に併設されている。
ショックアブソーバ2FL,FR,RL,RRは、後述するよう
に、ショックアブソーバ2FL,FR,RL,RRに作用する力を検
出するピエゾ荷重センサと、ショックアブソーバ2FL,F
R,RL,RRの減衰力の発生パターンの設定を切り換えるピ
エゾアクチュエータとを各々一組ずつ内蔵している。
次に、上記各ショックアブソーバ2FL,FR,RL,RRの構造
を説明するが、上記各ショックアブソーバ2FL,FR,RL,RR
の構造は総て同一であるため、ここでは左前輪5FL側の
ショックアブソーバ2FLを例にとり説明する。また、以
下の説明では、各車輪に設けられた各部材の符号には、
必要に応じて、左前輪5FL,右前輪5FR,左後輪5RL,右後輪
5RRに対応する添え字FL,FR,RL,RRを付けるものとし、各
輪に関して差異がない場合には、添え字を省略するもの
とする。
ショックアブソーバ2は、第3図(A)に示すよう
に、シリンダ11側の下端にて車軸側部材11aを介してサ
スペンションロワーアーム6に固定され、一方、シリン
ダ11に貫挿されたロッド13の上端にて、ベアリング7a及
び防振ゴム7bを介して車体7にコイルスプリング8と共
に固定されている。
シリンダ11内部には、ロッド13の下端に連接された内
部シリンダ15,連結部材16および筒状部材17と、シリン
ダ11内周面にそって摺動自在なメインピストン18とが、
配設されている。ショックアブソーバ2のロッド13に連
結された内部シリンダ15には、ピエゾ荷重センサ25とピ
エゾアクチュエータ27とが収納されている。
メインピストン18は、筒状部材17に外嵌されており、
シリンダ11に嵌合する外周にはシール材19が介装されて
いる。従って、シリンダ11内は、このメインピストン18
により第1の液室21と第2の液室23とに区画されてい
る。筒状部材17の先端にはバックアップ部材28が螺合さ
れており、筒状部材17との間に、メインピストン18と共
に、スペーサ29とリーフバルブ30を筒状部材17側に、リ
ーフバルブ31とカラー32をバックアップ部材28側に、そ
れぞれ押圧・固定している。また、リーフバルブ31とバ
ックアップ部材28との間には、メインバルブ34とばね35
が介装されており、リーフバルブ31をメインピストン18
方向に付勢している。
これらリーフバルブ30,31は、メインピストン18が停
止している状態では、メインピストン18に設けられた伸
び側及び縮み側通路18a,18bを、各々片側で閉塞してお
り、メインピストン18が矢印AもしくはB方向に移動す
るのに伴って片側に開く。従って、両液室21,23に充填
された作動油は、メインピストン18の移動に伴って、両
通路18a,18bのいずれかを通って、両液室21,23間を移動
する。このように両液室21,23間の作動油の移動が両通
路18a,18bに限られている状態では、ロッド13の動きに
対して発生する減衰力は大きく、サスペンショの特性は
ハードとなる。
内部シリンダ15の内部に収納されたピエゾ荷重センサ
25及びピエゾアクチュエータ27は、第3図(A),
(B)に示すように、圧電セラミックスの薄板を電極を
挟んで積層した電歪素子積層体である。ピエゾ荷重セン
サ25の各電歪素子は、ショックアブソーバ2に作用する
力、即ち減衰力によって分極する。従って、ピエゾ荷重
センサ25の出力を所定インピーダンスの回路により電圧
信号として取り出せば、減衰力の変化率を検出すること
ができる。
ピエゾアクチュエータ27は、高電圧が印加されると応
答性良く伸縮する電歪素子を積層してその伸縮量を大き
くしたものであり、直接にはピストン36を駆動する。ピ
ストン36が第3図(B)矢印B方向に移動されると、油
密室33内の作動油を介してプランジャ37及びH字状の断
面を有するスプール41も同方向に移動される。こうして
第3図(B)に示す位置(原点位置)にあるスプール41
が図中B方向に移動すると、第1の液室21につながる副
流路16cと第2の液室23につながるブッシュ39の副流路3
9bとが連通されることになる。この副流路39bは、更に
プレートバルブ45に設けられた油穴45aを介して筒状部
材17内の流路17aと連通されているので、スプール41が
矢印B方向に移動すると、結果的に、第1の液室21と第
2の液室23との間を流動する作動油流量が増加する。つ
まり、ショックアブソーバ2は、ピエゾアクチュエータ
27が高電圧印加により伸張すると、その減衰力特性を減
衰力大(ハード)の状態から減衰力小(ソフト)側に切
り換え、電荷が放電されて収縮すると減衰力特性を減衰
力大(ハード)の状態に復帰させる。
尚、メインピストン18の下面に設けられたリーフバル
ブ31の移動量は、バネ35により、リーフバルブ30と較べ
て規制されている。また、プレートバルブ45には、油穴
45aより大径の油穴45bが、油穴45aより外側に設けられ
ており、プレートバルブ45がばね46の付勢力に抗してブ
ッシュ39方向に移動すると、作動油は、油穴45bを通っ
て移動可能となる。従って、スプール41の位置の如何を
問わず、メインピストン18が矢印B方向に移動する場合
の作動油流量は、メインピストン18が矢印A方向に移動
する場合より大きくなる。即ち、メインピストン18の移
動方向によって減衰力を変え、ショックアブソーバとし
ての特性を一層良好なものとしているのである。また、
油密室33と第1の液室21との間には作動油補給路38がチ
ェック弁38aと共に設けられており、油密室33内の作動
油流量を一定に保っている。
次に、上記したショックアブソーバ2の減衰力の発生
パターンを切換制御する電子制御装置4について、第4
図の用いて説明する。
この電子制御装置4には、車両の走行状態を検出する
ためのセンサとして、各ショックアブソーバ2のピエゾ
荷重センサ25の他、図示しないステアリングの操舵角を
検出するステアリングセンサ50と、車両の走行速度を検
出する車速センサ51と、図示しない変速機のシフト位置
を検出するシフト位置センサ52と、図示しないブレーキ
ペダルが踏まれたときに信号を発すストップランプスイ
ッチ53等が接続されている。
これら検出信号等に基づき上述したピエゾアクチュエ
ータ27に制御信号を出力する電子制御装置4は、周知の
CPU61,ROM62,RAM64を中心に算術論理演算回路として構
成され、これらとコモンバス65を介して相互に接続され
た入力部67及び出力部68により外部との入出力を行な
う。
電子制御装置4には、このほかピエゾ荷重センサ25の
接続された減衰力変化率検出回路70、ステアリングセン
サ50および車速センサ51の接続された波形整形回路73、
ピエゾアクチュエータ27に接続される高電圧印加回路7
5、イグニッションスイッチ76を介してバッテリ77から
電源の供給を受けピエゾアクチュエータ駆動用の駆動電
圧を出力するいわゆるスイッチングレギュレータ型の高
電圧電源回路79、バッテリ77の電圧を変化して電子制御
装置4の作動電圧(5v)を発生する定電圧電源回路80等
が備えられている。シフト位置センサ52,ストップラン
プスイッチ53,減衰力変化率検出回路70,波形整形回路73
は入力部67に、一方、高電圧印加回路75,高電圧電源回
路79は出力部68にそれぞれ接続されている。
減衰力変化率検出回路70は各ピエゾ荷重センサ25FL,F
R,RL,RRに対応して設けられた4個の検出回路からな
り、おのおのの検出回路は、路面からショックアブソー
バ2が受ける作用力に応じてピエゾ荷重センサ25を含む
回路から出力される電圧信号を、ショックアブソーバ2
の減衰力変化率VとしてCPU61に出力するよう構成され
ている。また、波形整形回路73は、ステアリングセンサ
50や車速センサ51からの検出信号を、CPU61における処
理に適した信号に波形整形して出力する回路である。従
って、CPU61は、この減衰力変化率検出回路70と波形整
形回路73とからの出力信号、更には自己の処理結果等に
基づき、路面状態や車両の走行状態等を判定することが
できる。CPU61はかかる判定に基づいて各車輪に対応し
て設けられた高電圧印加回路75に制御信号を出力する。
この高電圧印加回路75は、高電圧電源回路79から出力
される+500ボルトもしくは−100ボルトの電圧を、CPU6
1からの制御信号に応じて、ピエゾアクチュエータ27に
印加する回路である。従って、この減衰力切換信号によ
って、ピエゾアクチュエータ27が伸張(+500ボルト印
加時)もしくは収縮(−100ボルト印加時)し、作動油
流量が切り換えられて、ショックアブソーバ2の減衰力
特性がソフトもしくはハードに切り換えられる。即ち、
各ショックアブソーバ2の減衰力特性は、高電圧を印加
してピエゾアクチュエータ27を伸張させたときには、既
述したスプール41(第3図(B))により、ショックア
ブソーバ2内の第1の液室21と第2の液室23との間を流
動する作動油の流量が増加するため減衰力の小さな状態
となり、負の電圧により電荷を放電させてピエゾアクチ
ュエータ27を収縮させたときには、作動油流量が減少す
るため減衰力の大きな状態となるのである。
次に、上記した構成を備える本実施例のサスペンショ
ン制御装置1が行なう減衰力制御について、第5図,第
6図,第7図のフローチャートに基づき説明する。各図
に示した各ルーチンは、割込処理により一定時間毎に各
々繰り返し実行される。尚、これらの処理は、各車輪の
各ショックアブソーバ2FL,FR,RL,RRについて各々実行さ
れるものであるが、各車輪についての処理に変わりはな
いので、特に区別せずに説明する。各ルーチンの処理内
容は次の通りである。
減衰力パターン切換制御ルーチン(第5図) 減衰力の変化率Vに基づいてピエゾアクチュエータ27
を切り換え、減衰力を大きな状態もしくは小さな状態に
設定する。
頻度検出割込ルーチン(第6図) 所定時間内に減衰力の変化率が、学習用基準値VrefG
を越える回数を、頻度Nとして検出する。
切換基準値学習ルーチン(第7図) 減衰力の切り換えに用いる切換基準値Vrefを切換頻度
Nの大小に基づいて学習する。
以上の頻度検出割込ルーチンと切換基準値学習ルーチ
ンとは、時間計測用変数C、頻度Nを互いに参照し合っ
て切換基準値Vrefを学習し、学習された切換基準値Vref
を用いて、減衰力パターン切換制御ルーチンが、減衰力
の切換制御を実行する。各ルーチンの詳細について、減
衰力パターン切換制御ルーチン(第5図)から順に説明
する。
このルーチンを開始すると、まず、入力部67を介して
減衰力変化率検出回路70から、各ショックアブソーバ2
の減衰力の変化率Vを読み込む処理を行ない(ステップ
100)、この減衰力変化率Vが、切換基準値学習ルーチ
ン(第7図)で学習された切換基準値Vrefより大きいか
否かの判断を行なう(ステップ110)。減衰力変化率V
が切換基準値Vrefより小さい場合には、サスペンション
の特性がソフトに設定されていることを示すフラグFHS
が値1か否かの判断を行ない(ステップ120)、フラグ
FHSが値1でない場合、即ちソフトに設定されていない
場合には、サスペンションをハードに制御して(ステッ
プ130)、本ルーチンを一旦終了する。尚、ステップ130
の処理は、ショックアブソーバ2の減衰力の設定がソフ
トからハードに切り換えられた直後には、出力部68から
の制御信号により高電圧印加回路75から−100ボルトと
ピエゾアクチュエータ27に印加してこれを縮小し、既に
ピエゾアクチュエータ27が縮んだ状態であればそのまま
に保持することによりなされる。
一方、減衰力変化率Vが切換基準値Vrefより大きくな
った場合には(ステップ110)、タイマをスタートする
処理、即ちタイマ変数Tを値0にリセットする処理を行
ない(ステップ140)、更にサスペンションの特性をソ
フトに設定するとして、フラグFHSに値1をセットする
処理を行なう(ステップ150)。その後、高電圧印加回
路75から+500ボルトの高電圧をピエゾアクチュエータ2
7に印加して、ショックアブソーバ2の減衰力を小さい
状態に切換・制御し(ステップ160)、本ルーチンを終
了する。
こうしてショックアブソーバ2の減衰力を小さい状態
に切り換えた後、減衰力変化率Vが切換基準値Vrefを上
回っていれば、上述したタイマのスタートと減衰力を小
さな状態にする制御とを繰り返すが、減衰力変化率Vが
切換基準値Vref以下となったときには、フラグFHSの値
をチェックした後(ステップ120)、タイマ変数Tが予
め設定された参照値Tsを越えているか否かの判断を行な
う(ステップ170)。参照値Tsは、ショックアブソーバ
2が一旦減衰力の小さな状態に切り換えられた後、一定
時間その状態を継続するために設定された値である。従
って、タイマ変数Tが参照値Ts以下であれば、この変数
Tを値1だけインクリメントした上で(ステップ18
0)、そのままショックアブソーバ2の減衰力を小さな
状態に制御する処理を継続する(ステップ160)。従っ
て、サスペンションはソフトに維持される。
こうして減衰力変化率Vが一旦切換基準値Vref以下と
なった後、所定時間(参照値Tsに相当する時間)経過す
るまで減衰力変化率Vが切換基準値Vrefを上回ることが
なければ、ステップ170での判断は「YES」となるから、
次にフラグFHSを値0にリセットして(ステップ19
0)、ショックアブソーバ2の減衰力を大きな状態に制
御する(ステップ130)。
従って、本ルーチンが繰り返し実行されると、各車輪
のショックアブソーバ2の減衰力は、減衰力変化率Vが
切換基準値Vrefを上回ると直ちに小さい状態に設定さ
れ、減衰力変化率Vが基準値Vref以下となってから少な
くとも参照値Tsに対応した時間はそのままの状態に保持
される。その後、減衰力変化率Vが切換基準値Vref以下
となったまま所定時間が経過すると、再び減衰力の大き
な状態に制御される。
次に、この減衰力切換制御ルーチン(第5図)で参照
する減衰力切換の切換基準値Vrefを決定するために、減
衰力変化率の変化頻度Nを検出するルーチン(第6図)
について説明する。この割込ルーチンが起動されると、
まずこのルーチンの実行回数をカウントする変数Cを値
1だけインクリメントする処理が行なわれ(ステップ20
0)、次に現在のサスペンションの設定がハードかソフ
トかの判定が行なわれる(ステップ210)。ショックア
ブソーバ2の減衰力パターンは、第5図に示した減衰力
パターン切換制御ルーチンにより制御されており、フラ
グFHSの値を参照して、現在のパターンがソフトと判定
されれば、現在の切換基準値Vrefに値0.8×0.5を乗じて
(ステップ212)、一方、ハードと判定されれば、現在
の切換基準値Vrefに値0.8を乗じて(ステップ214)、各
々学習用基準値VrefGを算出する。
こうして学習用基準値VrefGを求めた後、現在の減衰
力変化率Vが学習用基準値VrefGより大きいか否かの判
定を行なう(ステップ220)。減衰力変化率Vが学習用
基準値VrefG以下であれば、フラグFFを値0にリセット
して(ステップ230)、一旦本ルーチンを終了する。
一方、減衰力変化率Vが学習用基準値VrefGを上回っ
ていると判断された場合には、フラグFFの値をチェック
し(ステップ240)、フラグFFが値0、即ち減衰力変化
率Vが学習用基準値VrefGを越えた直後には、頻度Nを
値1だけインクリメントし(ステップ250)、フラグFF
に値1をセットして(ステップ260)、本ルーチンを一
旦終了する。従って、このフラグFFは、減衰力変化率V
が学習用基準値VrefGを越えた状態になっていることを
示すことになり、その間は、頻度Nがインクリメントさ
れることはない(ステップ240)。換言すれば、減衰力
変化率Vが学習用基準値VrefG越えたと新たに判断され
たときに限って、頻度Nがインクリメントされるのであ
る。
以上説明した頻度検出割込ルーチンを繰り返し実行す
ることにより、切換基準値Vrefに基づいて学習用基準値
VrefGを更新する処理と、減衰力変化率Vがこの学習用
基準値VrefGを上回る頻度Nを検出する処理とがなされ
ることになる。
かかる処理に用いられる切換基準値Vrefの学習ルーチ
ンについて、次に説明する。第7図に示すように、切換
基準値学習ルーチンが起動されると、まず、入力部67を
介してストップランプスイッチ53,ステアリングセンサ5
0,車速センサ51等から走行状態を読み込む処理を行ない
(ステップ300)、その走行状態に基づいて、アンチダ
イブやアンチロール等の制御を実行すべきか否かの判断
を行なう(ステップ310)。ブレーキを踏んだ場合や急
ハンドルを切った場合等は、アンタダイブ等の処理等を
行なうとして、これらの処理に備えて切換基準値Vrefを
切り換える処理を行ない(ステップ315)、そのまま本
ルーチンを終了する。
一方、車両の走行状態からアンチダイブ処理等を必要
としないと判断された場合には、車両が加速中或は減速
中であるか否かを判断する(ステップ317)。加速・減
速の判断は、車速の変化率やアクセル操作或はブレーキ
操作の状況等によりなされる。車両が加速中或は減速中
であると判断された場合には、頻度検出割込ルーチンに
て積算された頻度N及び変数Cをクリアして処理を終了
する(ステップ318)。これは、加速或は減速といった
過渡的な条件下では、路面状態の判断が困難であるか
ら、切換基準値Vrefの学習を実行しないための処理であ
る。
車両が加速中或は減速中でないと判断された場合に
は、車速に応じて設定される判定期間iを関数f0(Sp)
に基づいて更新する(ステップ319)。判定期間iは、
切換基準値Vrefの学習を実行すべきタイミングを判断す
るための期間を表すものである。また、関数f0(Sp)
は、第8図に示すように、高速走行時には判定期間iが
短くなるように、車速Spに応じて判定期間iを数段階に
設定するものである。
次に、頻度検出割り込みルーチン(第6図)の実行回
数を表す変数Cが、判定期間iに等しくなったか否かの
判断を行なう(ステップ320)。頻度検出割込ルーチン
の実行回数が少なく(C<i)、切換基準値Vrefの学習
を実行するタイミングに至っていないと判断された場合
には、「RTN」に抜けて本ルーチンを一旦終了する。
頻度検出割込ルーチンがi回実行される度に、ステッ
プ320での判断は「YES」となり、ステップ330以下の処
理へ進んで切換基準値Vrefの学習処理が行われる。な
お、上述のように、車両が高速であるほど判定期間iが
短くなり、早いタイミングで切換基準値Vrefの学習処理
が実行される。
ステップ320が「YES」となると、まず、変数Cをリセ
ットし(ステップ330)、車速Spに基づいて、基準ベー
ス値Vbaseを算出する(ステップ350)。基準ベース値Vb
aseは、切換基準値Vrefの大きさを車速Spに応じた値と
するためのものであり、第9図に示すように、車速Spの
関数f1(Sp)として決定される。
次に、頻度検出割込ルーチン(第6図)でカウントさ
れた頻度Nと予め設定された頻度基準値Nrefとの頻度偏
差ΔNを求める処理を行ない(ステップ360)、この頻
度偏差ΔNが値0より大きいか否かの判断を行なう(ス
テップ370)。頻度偏差ΔNが値0より大きければ、補
正値ΔVを値βだインクリメントし(ステップ380)、
一方、頻度偏差ΔNが値0以下であれば、補正値ΔVを
値βだけデクリメントして(ステップ390)、この補正
値ΔVを基準ベース値Vbaseに加えることで、切換基準
値Vrefを算出する処理を行なう(ステップ400)。この
結果、車速Spに応じたインターバルで切換基準値Vrefが
書き換えられる。なお、この処理において学習した補正
値ΔVは保存され、継続して用いられる。
ステップ400の実行後、以降の頻度検出に備えて頻度
Nを値0にリセットし(ステップ410)、本ルーチンを
終了する。
第5図ないし第7図のフローチャートに示した処理を
実行することにより、車両の各ショックアブソーバ2の
減衰力の発生パターン、延いてはサスペンションの硬さ
は次のように制御される。
[I] 平坦路を継続して走行している場合の制御の様
子を第10図(A)に例示する。図示するように、平坦路
を走行している場合には、減衰力変化率Vもさほど大き
くなく、ショックアブソーバ2の減衰力は大きな状態に
制御されている。このとき、学習基準値VrefGは切換基
準値Vrefの80%の値として演算されており(第6図ステ
ップ214)、所定期間(判定期間iに対応する期間)に
減衰力変化率Vが切換基準値Vrefを上回る頻度Nは小さ
な値となる。従って、切換基準値Vrefは値βずつ小さな
値に学習される(第7図ステップ390)。この結果、減
衰力変化率Vが切換基準値Vrefを越えやすくなり、平坦
路走行中の小さな凹凸等で減衰力は小さな状態に切り換
えられる(第10図(A)時刻t1,t2)。こうして切換基
準値Vrefの値が小さくされると、学習基準値VrefGも小
さな値となり、所定期間に減衰力変化率Vが学習基準値
VrefGを上回る頻度は大きくなる。この結果、切換基準
値Vrefは+βだけ大きな値に更新され、かかる処理を繰
り返すうちに、切換基準値Vrefは切換頻度が適正となる
値に学習されることになる。
従って、車両が平坦路を走行して減衰力変化率Vが比
較的小さくサスペンションがハードに維持される傾向に
ある場合でも、頻度Nの検出、切換基準値Vrefの更新、
学習基準値VrefGの学習が行なわれることにより、切換
基準値Vrefが漸減されてショックアブソーバ2は減衰力
の小さな状態に、即ちサスペンションの特性はソフトに
切り換えられ易くなるのである。この結果、平坦路走行
が継続する場合に従来気になった路面の小さな凹凸に好
適に対処でき、乗り心地が格段に向上することになる。
[II] 一方、悪路を継続して走行している場合には、
第10図(B)に例示するように、減衰力変化率Vは大き
く変化し、サスペンション特性はソフトに制御される。
このとき、学習基準値VrefGは切換基準値Vrefの40%の
値として演算されており(第7図ステップ212)、所定
期間(判定期間iに対応する期間)に減衰力変化率Vが
切換基準値Vrefを上回る頻度Nは大きな値となる。従っ
て、切換基準値Vrefは値βずつ大きな値に学習される
(第8図ステップ380)。この結果、減衰力変化率Vが
切換基準値Vrefを越えにくくなり、悪路走行中であって
も減衰力特性はハードに切り換えられる(第10図(B)
時刻t11,t12)。こうして切換基準値Vrefの値が大きく
なると、学習基準値VrefGも大きな値となり、所定期間
に減衰力変化率Vが学習基準値VrefGを上回る頻度は小
さくなる。この結果、切換基準値Vrefは−βだけ小さな
値に更新され、かかる処理が繰り返されることにより、
切換基準値Vrefは適正な値に学習される。
従って、車両が悪路を走行して減衰力変化率Vが比較
的大きくサスペンションがソフトに維持される傾向にあ
る場合でも、頻度Nの検出、切換基準値Vrefの更新、学
習基準値VrefGの学習が行なわれることにより、切換基
準値Vrefが漸増されてショックアブソーバ2の減衰力特
性は大きな状態に、即ちサスペンション特性はハードに
切り換えられ易くなるのである。この結果、悪路走行が
継続する場合に従来気になった接地性の不十分さ、いわ
ゆる足回りの腰のなさに好適に対処でき、操縦安定性が
格段に向上することになる。
[III] さらに、路面状態が一定の平坦路を走行中に
車速Spが低速から高速に変化した場合の切換基準値Vref
の変更の様子を第11図に例示する。図示するように、低
速走行時(時刻t21〜t22)には、比較的長い時間間隔
(iL)で切換基準値Vrefの学習が実行され、この路面に
対する適正な値(値Vref1と値Vref2の平均的な値)に維
持される。
運転者がアクセルを踏み込んで車両が加速状態に入る
(時刻t22〜t23)。加速状態においては、切換基準値Vr
efは変更されず、加速に入る直前の値が維持される(ス
テップ317,318)。
加速状態が終わって高速走行に入ると(時刻t23
〜)、減衰力変化率Vは、低速時に比較して時間間隔の
短い細かな振動状態となる。これは、車両が一定期間内
に走行する距離が大きくなるため、一定期間内に路面の
凹凸を捉える回数が増加するためである。これに対し
て、判定期間iは、高速時に対応する小さな判定期間iH
に変更されているから、高速走行時には短い時間間隔で
切換基準値Vrefの学習が実行されることになり、切換基
準値Vrefは、この路面に対する適正な値Vref1と値Vref2
の平均的な値に維持される(時刻t23〜)。
この様に、高速時には判定期間iを小さな判定期間iH
に変更することによって、路面状態に対する適正な切換
基準値Vrefにてサスペンション制御を実行することがで
きる。悪路走行についても、同様である。
以上説明したように、本実施例のサスペンション制御
装置1によれば、平坦路を継続して走行する場合に小さ
な振動を吸収し、悪路を継続して走行する場合に接地性
を向上し、車両の乗り心地と操縦安定性とを両立させる
ことができる。
また、平坦路或は悪路が継続しているか否かの判断を
行うタイミングは判定期間iにて決定され、この判定期
間iは高速時には小さな値とされるから、車両が高速走
行をしている際には、早いタイミングで最適な切換基準
値Vrefを学習することができる。
また、判定期間iは車速に応じて数段階に設定してあ
るから、車両がどの速度範囲で走行していても、的確に
路面の状態を判定することができる。この結果、本実施
例のサスペンション制御装置1は、走行速度に関係な
く、常に路面の状態に対応する最適な切換基準値Vrefに
基づいたサスペンション制御を実行することができる。
従って、運転者は、常に安定した制御感覚で車両を運転
することができる。
さらに、車両が加速中或は減速中においては、切換基
準値Vrefの学習を中断するから、路面状態の判定が不正
確となることを防止できる。この結果、過渡的な運転状
態が終了した時点での切換基準値Vrefが適正な値から大
きく外れるといったことがなく、定常運転に移行した後
の制御において、スムーズにしかも素早く最適な切換基
準値Vrefの学習へと移行できる。
次に、加速中或は減速中の様な過渡的な状態において
も最適な制御を実行できる第2実施例について簡単に説
明する。
この実施例は、上述した第1実施例と装置構成を同じ
くし、第7図に示した切換基準値学習ルーチンのステッ
プ317〜320の処理に代えて、第12図に示すように、アン
チダイブ等の処理が必要ない場合には(ステップ31
0)、前回の制御の後に車両が走行した距離を表す積算
距離Dが基準距離D0と等しくなったか否かを判断し(ス
テップ325)、積算距離Dが基準距離D0と一致する毎に
以下の切換基準値学習処理を実行するものである。な
お、積算距離Dは、他のルーチンにおいて、例えば車速
Spを積分する等の手法により積算されており、ステップ
325が肯定判断されるとクリアされ(ステップ327)、再
び値0から積算が開始される。また、基準距離D0は、一
定値として固定されている。
この結果、第2実施例によれば、第1実施例の効果に
加えて、路面の状態に応じた切換基準値Vrefの学習は、
車両が一定距離走行する毎に実行され、車速に関係な
く、常に的確な値に維持される。また、走行距離を基準
に切換基準値Vrefの学習を実行するから、加速中や減速
中の様な過渡的な状態においても、最適な制御を実行す
ることができる。
なお、第1実施例において、判定期間iを段階的では
なく車速Spの増加と共に直線的に減少するものとし、こ
の傾きを所定にとれば、一定距離毎に切換基準値Vrefの
学習を繰り返し実行する処理としてこの第2実施例と同
様の作用・効果を得ることができる。
さらに、第1実施例を変更した第3実施例を説明す
る。
第3実施例は、例えば平坦路走行中において、低速走
行時には気にならない程度の極めて小さな凹凸であって
も、高速走行時にはこれが気になることから、高速走行
時のサスペンション制御の応答性を高めて的確にサスペ
ンション特性をソフトに変更し得る装置を提供せんとす
るものである。
この実施例においては、路面状態の判定に用いる一つ
の基準である目標頻度Nrefを、第13図に示すように、基
準Spに対応して関数f2(Sp)にて与え、高速時には目標
頻度Nrefとして小さな値を与えるものである。この実施
例においては、第7図のステップ360の前に、車速Spに
応じてこの関数f2(Sp)により目標頻度Nrefを求める処
理を追加するものである(第14図;ステップ355)。
従って、高速走行時には切換基準値Vrefの学習間隔が
短くなるだけでなく、路面の状態を判定する基準となる
目標頻度Nrefが小さくなる。この結果、高速走行の際に
は、サスペンション特性はハードに制御され易くなり、
操縦安定性のよい運転感覚を得ることができる。しか
も、切換基準値Vrefの学習間隔が短いことから、路面に
対して適正な切換基準値Vrefを応答性よく得ることがで
きる。従って、応答性がよく適正で安定感のある運転感
覚を実現することができる。
また、第3実施例によれば、高速時の路面判定精度を
向上するとう作用・効果も得ることができる。
頻度検出割込ルーチン(第6図)は一定時間毎に実行
されるため、同一の路面状態であっても、車速に対応し
て減速力変化率Vの検出値に若干の差が生じる。即ち、
高速走行時には路面の凹凸を促え難くなり、検出精度が
粗くなり、頻度Nが小さな値として検出されやすくな
る。しかし、目標頻度Nrefを小さな値とすることによ
り、この現象に的確に対応することができ、低速走行時
と同様或はそれ以上の判定精度により、平坦路或は悪路
が連続しているか否かの判断を精度よく実行することが
できる。
なお、この第3実施例において、第2実施例のよう
に、一定距離走行する毎に切換基準値Vrefの学習を実行
する制御とすることもできる。また、目標頻度Nrefは車
輪フロントFとリアRとで設定を変えて、サスペンショ
ンの形式や重量分担等を考慮することもできる。
この様に、各実施例のいずれによっても、高速時に遅
れることなく切変基準値Vrefの学習を実行でき、応答性
のよいサスペンション制御を実行することができる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定されるものではなく、例えば頻
度Nに基づいて切換基準値Vrefを増減する代わりに減衰
力変化率Vが減衰力基準値Vrefを上回っている時間によ
り切換基準値Vrefを更新する構成、同じくサスペンショ
ンがソフトに切り替えられている時間により切換基準値
Vrefを更新する構成、学習基準値VrefGを減衰力特性が
ソフトかハードかに応じて別々の値として計算する代わ
りに頻度基準値Nrefをソフト用とハード用の2種類持つ
構成、あるいは頻度基準値Nrefを前後左右の各車輪5FL,
FR,RL,RR毎に相違した値とした構成、さらに第2実施例
における基準距離D0を高速になる程漸減させて高速時の
応答性を一層向上させる構成など、本発明の要旨を逸脱
しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは
勿論である。
発明の効果 以上詳述したように、本発明のサスペンション制御装
置によれば、平坦路もしくは悪路の何れかの状態が継続
すると、減衰力調整補正手段による所定の補正がなされ
るから、平坦路走行が継続する場合に従来気になった路
面の小さな凹凸に好適に対処でき、乗り心地が格段に向
上すると共に、悪路走行が継続する場合に従来気になっ
た接地性の不十分さ、いわゆる足回りの腰のなさに好適
に対処でき、操縦安定性が格段に向上して運転フィーリ
ングが良好に保たれるという極めて優れた効果を奏す
る。しかも、かかる制御を、減衰力に関与するパラメー
タの変更の頻度と目標頻度との偏差の大きさに応じて行
なうから、本発明のサスペンション制御装置によれば、
平坦路および悪路走行時の車両の乗り心地と操縦安定性
とを、応答性良く両立させることができる。
加えて、高速走行時にも路面の判定が遅れることがな
く、常に応答性のよい制御を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を例示するブロック図、第
2図は本発明の一実施例としてのサスペンション制御装
置の全体構成を表す概略構成図、第3図(A)はショッ
クアブソーバ2の構造を示す部分断面図、第3図(B)
はショックアブソーバ2の要部拡大断面図、第4図は本
実施例の電子制御装置4の構成を表わすブロック図、第
5図は減衰力パターン切換制御ルーチンを示すフローチ
ャート、第6図は頻度検出割込ルーチンを示すフローチ
ャート、第7図は切換基準値学習ルーチンを示すフロー
チャート、第8図は車速Spと路面学習判定を行う期間i
との関係を示すグラフ、第9図は車速Spと基準ベース値
Vbaseとの関係を示すグラフ、第10図(A)は平坦路を
走行している場合の制御の様子を示すグラフ、第10図
(B)は悪路を走行している場合の制御の様子を示すグ
ラフ、第11図は低速走行から高速走行への車速が変化す
る場合の平坦路における切換基準値Vrefの学習状況を示
すグラフ、第12図は第2実施例の切換基準値学習ルーチ
ンの要部を示すフローチャート、第13図は第3実施例に
おける車速Spと目標頻度Nrefとの関係を示すグラフ、第
14図はその切換基準値学習ルーチンの要部を示すフロー
チャートである。 2FL,FR,RL,RR……ショックアブソーバ 4……電子制御装置 25FL,FR,RL,RR……ピエゾ荷重センサ 27FL,FR,RL,RR……ピエゾアクチュエータ 51……車速センサ 70……減衰力変化率検出回路 75……高電圧印加回路、79……高電圧電源回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 芳道 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 松永 栄樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 川田 裕之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 深見 彰 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 鈴木 豊 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両のサスペンションに設けられ、減衰力
    の発生パターンを設定し得るショックアブソーバと、 該ショックアブソーバの減衰力の変化率を検出する減衰
    力変化率検出手段と、 該検出された減衰力の変化率と減衰力の調整用基準値と
    の大小関係に基づいて、前記ショックアブソーバの減衰
    力の設定を変更する減衰力制御手段と を備えたサスペンション制御装置において、 前記減衰力制御手段による減衰力の前記設定の変更の状
    況に基づいて、車両の走行する路面の状態を、所定期間
    経過に渡って検出する路面状態検出手段と、 前記所定期間が経過する毎に、前記路面状態検出手段に
    よって検出された路面の状態に基づいて平坦路又は悪路
    が継続しているか否かを判断し、平坦路が継続している
    と判断されたときは前記調整用基準値を頻度偏差の量に
    応じて小さな値に補正し、悪路が継続していると判断さ
    れたときは前記調整用基準値を頻度偏差の量に応じて大
    きな値に補正する減衰力調整補正手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 前記車速検出手段が検出する車速が所定以上の高速走行
    時には、前記路面状態検出手段が路面の状態を検出する
    前記所定期間を短くすることによって前記減衰力調整補
    正手段による補正の時期を早める補正タイミング早め手
    段と を備えたことを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のサスペンション制御装置に
    おいて、前記減衰力制御手段が無段階に減衰力の設定を
    変更し得る手段として構成されると共に、 前記減衰力調整補正手段として、前記検出された路面の
    状態に基づいて平坦路又は悪路が継続しているか否かを
    判断し、平坦路が継続していると判断されたときは前記
    減衰力制御手段により設定される減衰力を、より低めの
    状態に補正し、悪路が継続していると判断されたときは
    前記減衰力制御手段により設定される減衰力を、より高
    めの状態に補正する減衰力調整補正手段を備えたことを
    特徴とするサスペンション制御装置。
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