JP2673589B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 [産業上の利用分野] 本発明はサスペンション制御装置に関し、詳しくは路
面状態変化に基づく車両の振動変数を検出し、ショック
アブソーバの減衰力特性を変更して車体振動を抑制する
サスペンション制御装置に関する。
[従来の技術] 車両の「あおり」、即ち周期が1秒程度と比較的長
く、車酔い等の原因になる車両の振動を防止する装置と
しては、例えば特開昭62−80111号公報記載のサスペン
ション制御装置がある。このサスペンション制御装置
は、車高変化を監視して車両のあおりを検出し、あおり
を検出した場合はショックアブソーバの減衰力発生パタ
ーンの設定を高減衰力側にしてサスペンションをハード
にすることにより、あおりを防止するというものであっ
た。車高変化からあおりを検出するには、車高変化の周
波数がばね上共振周波数の近傍周波数(周波数1.0[H
z]前後)であり、車高変化の大きさが予め設定したし
きい値を上回ったときに、車両にあおりが発生している
と判断するという構成がとられていた。
[発明が解決しようとする課題] ところが、従来の構成ではすでに発生したあおりを検
出してそれに対処することになるので、あおりを未然に
検出して防止することはできなかった。また、次のよう
な走行速度に関わる問題もあった。例えば高速走行時に
は低速走行時に比べて運転者があおりの挙動に敏感にな
る傾向があり、低速走行時には気にならない小さなあお
りであっても、高速走行時には大きく感ずることがあ
る。従って、車高変化のしきい値を低速走行時を基準に
設定した場合には、高速走行時にあおり防止が有効に働
かないという官能評価がでてしまう。かといって、しき
い値を高速走行時に基準にして設定したのでは、低速走
行時には気にならない小さなあおりでもいちいちサスペ
ンションをハードに切り換えるので、あおり防止が働き
すぎるという評価がでてしまう。
本発明のサスペンション制御装置は上記課題を解決
し、あおりの発生を未然に、しかも車速に応じて適切に
防止することを目的としている。
発明の構成 かかる目的を達成する本発明の構成について以下説明
する。
[課題を解決するための手段] 本発明のサスペンション制御装置は、第1図に例示す
るように、 路面状態変化に基づく車両の振動変化を検出し、ショ
ックアブソーバM2の減衰力特性を変更して車体振動を抑
制するサスペンション制御装置において、 車両走行中、前記ショックアブソーバM2に発生する減
衰力の変化率を検出する変化率検出手段M1と、 該変化率検出手段M1の検出信号にフィルタ処理と積分
処理とを施してばね上共振周波数の近傍周波数のばね上
共振成分信号として出力するばね上共振成分信号出力手
段M3と、 前記車両の車速を検出する車速検出手段M4と、 該車速が高くなるに従って前記ばね上共振成分信号の
大きさの許容範囲を狭くする許容範囲演算手段M5と、 前記ばね上共振成分信号が前記許容範囲を外れる場合
に、前記ショックアブソーバの減衰力の程度を高めにす
る高減衰力維持手段M6と、 を備えることを特徴とする。
[作用] 上記構成を有する本発明のサスペンション制御装置に
おいては、変化率検出手段M1が、車両走行中、ショック
アブソーバM2に発生する減衰力の変化率を検出し、ばね
上共振成分信号出力手段M3は、変化率検出手段M1の検出
信号にフィルタ処理と積分処理とを施して、ばね上共振
周波数の近傍周波数のばね上共振成分信号として出力す
る。このばね上共振成分信号は、ばね上共振周波数近傍
での大きな車高変化である車両のあおりの発生の前兆を
判断できる信号であり、高減衰力維持手段M6に入力され
る。
一方、車速検出手段M4は車速を検出し、許容範囲演算
手段M5は、この車速が高くなるに従って、ばね上共振成
分信号の大きさの許容範囲を狭くする。高減衰力維持手
段M6は、ばね上共振成分信号出力手段M3から入力される
ばね上共振成分信号が許容範囲を外れる場合に、ショッ
クアブソーバM2の発生する減衰力を高めにし、あおり防
止を図る。なお、減衰力の程度を高めにするとは、減衰
力の程度を低め側から高めに変化させる場合と、既に減
衰力が高めにされている際に高めのまま維持する場合と
がある。
[実施例] 以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにする
ために、以下本発明のサスペンション制御装置の好適な
実施例について説明する。
第2図はこのサスペンション制御装置1全体の構成を
表わす概略構成図であり、第3図(A)はショックアブ
ソーバを一部破断した断面図であり、第3図(B)はシ
ョックアブソーバの要部拡大断面図である。
第2図に示すように、本実施例のサスペンション制御
装置1は、減衰力を2段階に変更可能なショックアブソ
ーバ(以下,単にショックアブソーバという)2FL,2FR,
2RL,2RRと、これら各ショックアブソーバに接続されそ
の減衰力を制御する電子制御装置4とから構成されてい
る。各ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRは、夫々、
左右前後輪5FL,5FR,5RL,5RRのサスペンションロワーア
ーム6FL,6FR,6RL,6RRと車体7との間に、コイルスプリ
ング8FL,8FR,8RL,8RRと共に併設されている。
ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRは、後述するよ
うに、ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRに作用する
力を検出するピエゾ荷重センサと、ショックアブソーバ
2FL,2FR,2RL,2RRにおいてストロークに対する減衰力の
発生パターンの設定を切り換えるピエゾアクチュエータ
とを各々一組ずつ内蔵している。
次に、上記各ショックアブソーバ2FL,2FR,2RL,2RRの
構造を説明するが、上記各ショックアブソーバ2FL,2FR,
2RL,2RRの構造は総て同一であるため、ここでは左前輪5
FL側のショックアブソーバ2FLを例にとり説明する。ま
た、以下の説明では、各車輪に設けられた各部材の符号
には、必要に応じて、左前輪5FL,右前輪5FR,左後輪5RL,
右後輪5RRに対応する添え字FL,FR,RL,RRを付けるものと
し、各輪に関して差異がない場合には、添え字を省略す
るものとする。
ショックアブソーバ2は、第3図(A)に示すよう
に、シリンダ11側の下端にて車軸側部材11aを介してサ
スペンションロワーアーム6(第2図)に固定され、一
方、シリンダ11に貫挿されたロッド13の上端にて、ベア
リング7a及び防振ゴム7bを介して車体7にコイルスプリ
ング8と共に固定されている。
シリンダ11内部には、ロッド13の下端に連接された内
部シリンダ15、連結部材16および筒状部材17と、シリン
ダ11内周面にそって摺動自在なメインピストン18とが配
設されている。ショックアブソーバ2のロッド13に連結
された内部シリンダ15には、ピエゾ荷重センサ25とピエ
ゾアクチュエータ27とが収納されている。
メインピストン18は、筒状部材17に外嵌されており、
シリンダ11に嵌合する外周にはシール材19が介装されて
いる。従って、シリンダ11内は、このメインピストン18
により第1の液室21と第2の液室23とに区画されてい
る。第3図(B)に示すように筒状部材17の先端にはバ
ックアップ部材28が螺合されており、筒状部材17との間
に、メインピストン18と共に、スペーサ29とリーフバル
ブ30を筒状部材17側に、リーフバルブ31とカラー32をバ
ックアップ部材28側に、それぞれ押圧・固定している。
また、リーフバルブ31とバックアップ部材28との間に
は、メインバルブ34とばね35が介装されており、リーフ
バルブ31をメインピストン18方向に付勢している。
これらリーフバルブ30,31は、メインピストン18が停
止している状態では、メインピストン18に設けられた伸
び側及び縮み側通路18a,18bを、各々片側で閉塞してお
り、メインピストン18が矢印AもしくはB方向に移動す
るのに伴って片側に開く。従って、両液室21,23に充填
された作動油は、メインピストン18の移動に伴って、両
通路18a,18bのいずれかを通って、両液室21,23間を移動
する。このように両液室21,23間の作動油の移動が両通
路18a,18bに限られている状態では、ロッド13の動きに
対して発生する減衰力は大きく、サスペンションの特性
はハードとなる。
内部シリンダ15の内部に収納されピエゾ荷重センサ25
及びピエゾアクチュエータ27は、第3図(A),(B)
に示すように、圧電セラミックスの薄板を電極を挟んで
積層した電歪素子積層体である。ピエゾ荷重センサ25の
各電歪素子は、ショックアブソーバ2に作用する力、即
ち減衰力によって分極する。従って、ピエゾ荷重センサ
25の出力を所定インピーダンスの回路により電圧信号と
して取り出せば、減衰力の変化率を検出することができ
る。
ピエゾアクチュエータ27は、高電圧が印加されると応
答性良く伸縮する電歪素子を積層してその伸縮量を大き
くしたものであり、直接にはピストン36を駆動する。ピ
ストン36が第3図(B)矢印B方向に移動されると、油
密室33内の作動油を介してプランジャ37及びH字状の断
面を有するスプール41も同方向に移動される。こうして
第3図(B)に示す位置(原点位置)にあるスプール41
が図中B方向に移動すると、第1の液室21につながる副
流路16cと第2の液室23につながるブッシュ39の副流路3
9bとが連通されることになる。この副流路39bは、更に
プレートバルブ45に設けられた油穴45aを介して筒状部
材17内の流路17aとが連通されているので、スプール41
が矢印B方向に移動すると、結果的に、第1の液室21と
第2の液室23との間を流動する作動油流量が増加する。
つまり、ショックアブソーバ2は、ピエゾアクチュエー
タ27が高電圧印加により伸張すると、その減衰力特性を
減衰力大(ハード)の状態から減衰力小(ソフト)側に
切り換え、電荷が放電されて収縮すると減衰力特性を減
衰力大(ハード)の状態に復帰させる。
尚、メインピストン18の下面に設けられたリーフバル
ブ31の移動量は、バネ35により、リーフバルブ30と較べ
て規制されている。また、プレートバルブ45には、油穴
45aより大径の油穴45bが、油穴45aより外側に設けられ
ており、プレートバルブ45がばね46の付勢力に抗してブ
ッシュ39方向に移動すると、作動油は、油穴45bを通っ
て移動可能となる。従って、スプール41の位置の如何を
問わず、メインピストン18が矢印B方向に移動する場合
の作動油流量は、メインピストン18が矢印A方向に移動
する場合より大きくなる。即ち、メインピストン18の移
動方向(伸び側と縮み側)によって減衰力を変え、ショ
ックアブソーバとしての特性を一層良好なものとしてい
るのである。また、油密室33と第1の液室21との間には
作動油補給路38がチェック弁38aと共に設けられてお
り、油密室33内の作動油流量を一定に保っている。
次に、上記したショックアブソーバ2の減衰力の発生
パターンを切換制御する電子制御装置4について、第4
図を用いて説明する。
この電子制御装置4には、車両の走行状態を検出する
ためのセンサとして、各ショックアブソーバ2のピエゾ
荷重センサ25の他、図示しないステアリングの操舵角を
検出するステアリングセンサ50と、車両の走行速度を検
出する車速センサ51と、図示しない変速機のシフト位置
を検出するシフト位置センサ52と、図示しないブレーキ
ペダルが踏まれたときに信号を発するストップランプス
イッチ53等が接続されている。
これら検出信号等に基づき上述したピエゾアクチュエ
ータ27に制御信号を出力する電子制御装置4は、周知の
CPU4a,ROM4b,RAM4cを中心に算術論理演算回路として構
成され、これらとコモンバス4dを介して相互に接続され
た入力部4e及び出力部4fにより外部との入出力を行な
う。
電子制御装置4には、このほかピエゾ荷重センサ25が
接続された減衰力検出回路54、減衰力検出回路54が接続
されたバンドパスタフィルタとしてのローパスフィルタ
55およびハイパスフィルタ56、ステアリングセンサ50お
よび車速センサ51が接続された波形整形回路57、ピエゾ
アクチュエータ27に接続される高電圧印加回路58、イグ
ニッショスイッチ63を介してバッテリ61から電源の供給
を受けピエゾアクチュエータ駆動用の駆動電圧を出力す
るいわゆるスイッチングレギュレータ型の高電圧電源回
路62、バッテリ61の電圧を変圧して電子制御装置4の作
動電圧(5v)を発生する定電圧電源回路64等が備えられ
ている。上記構成のうち、減衰力検出回路54、ハイパス
フィルタ56、波形整形回路57、シフト位置センサ52、ス
トップランプスイッチ53は入力部4eに、一方、高電圧印
加回路58、高電圧電源回路62は出力部4fにそれぞれ接続
されている。
減衰力回路54は各ピエゾ荷重センサ25FL,25FR,25RL,2
5RRに対応して設けられた4個の検出回路からなり、各
々の検出回路は、路面よりショックアブソーバ2が受け
る作用力に応じてピエゾ荷重センサ25を含む回路から出
力される電圧信号を減衰力変化率検出信号としてCPU4a
に出力すると共に、この電圧信号を積分した信号を減衰
力検出信号としてCPU4aやローパスフィルタ55に出力す
るよう構成されている。バンドパスフィルタとしてのロ
ーパスフィルタ55およびハイパスフィルタ56を通過した
成分はCPU4aに出力される。
尚、減衰力検出回路54が出力する減衰力検出信号のう
ち、ローパスフィルタ55に出力されるのは、実施例では
左右後輪5RL,5RRのショックアブソーバ2RL,2RRの減衰力
検出信号である。
実施例のローパスフィルタ55は周波数約1.3[Hz]以
下の周波数の信号を通過するものである。一方、ハイパ
スフィルタ56は周波数約1.0[Hz]以上の周波数の信号
を通過するものである。従って、減衰力検出回路54から
出力された減衰力検出信号がローパスフィルタ55および
ハイパスフィルタ56を通過すると、減衰力検出信号の成
分のうち、周波数1.0[Hz]以上周波数1.3[Hz]以下の
ばね上共振周波数の近傍周波数の信号であるばね上共振
成分信号が抽出される。こうして得られるばね上共振成
分信号の一例を、第5図のグラフに示す。
電子制御装置4のCPU4aは、以上説明した各種検出信
号、例えば減衰力検出回路54が出力する減衰力変化率検
出信号および減衰力検出信号、ローパスフィルタ55およ
びパイパスフィルタ56を通過したばね上共振成分信号、
車速センサ51等の検出信号をCPU4aにおける処理に適し
た信号に波形整形として出力する波形整形回路57からの
出力信号と、さらに自己の処理結果等に基づいて、路面
状態や車両の走行状等を判定することができる。CPU4a
はかかる判定に基づいて、各車輪に対応して設けられた
高電圧印加回路58に制御信号を出力する。
高電圧印加回路58は、高電圧電源回路62から出力され
る+500ボルトもしくは−100ボルトの電圧を、CPU4aか
らの制御信号に応じて、ピエゾアクチュエータ27に印加
する回路である。従って、この減衰力切換信号によっ
て、ピエゾアクチュエータ27が伸張(+500ボルト印加
時)もしくは収縮(−100ボルト印加時)し、作動油流
量が切り換えられて、ショックアブソーバ2の減衰力特
性がソフトもしくはハードに切り換えらえる。即ち、各
ショックアブソーバ2の減衰力特性は、高電圧を印加し
てピエゾアクチュエータ27を伸張させたときには、既述
したスプール41(第3図(B))により、ショックアブ
ソーバ2内の第1の液室21と第2の液室23との間を流動
する作動油の流量が増加するため減衰力の小さな状態と
なり、負の電圧により電荷を防電されてピエゾアクチュ
エータ27を収縮させたときには、作動油流量が減少する
ため減衰力の大きな状態となるのである。
次に、上記した構成を備える本実施例のサスペンショ
ン制御装置1の電子制御装置4が行なう減衰力制御につ
いて、第6図,第7図のフローチャートに基づき説明す
る。各図に示した各ルーチンは、それぞれ定められた一
定の時間毎に割込処理により繰り返し実行される。各ル
ーチンの処理内容は次のとおりである。
減衰力制御ルーチン(第6図) 路面状態に応じてショックアブソーバ2の減衰力発生
パターンの高低の設定を切り換える減衰力制御を通常行
なう。あおり防止の開始条件が成立した場合には、路面
状態に基づいて通常行なう減衰力制御に優先して、4輪
総てのショックアブソーバ2の設定を高減衰力発生パタ
ーンに切り換え、サスペンションをハードにするあおり
防止を実行する。また、あおり防止の終了条件が成立し
た場合には、サスペンションをハードにするあおり防止
の実行を終了する。
あおり防止割込ルーチン(第7図) あおり発生の前兆を検出し、あおり防止実行の開始条
件が成立したか否かを車速に基づいて判断する。また、
あおり防止実行中は、あおり防止実行の終了条件が成立
したか否かを判断する。
尚、あおり防止割込ルーチン(第7図)は、実行例で
は左右後輪5RL,5RRのショックアブソーバ2RL,2RRに関し
て独立して行なわれる。
以下、各ルーチンの詳細について、減衰力制御ルーチ
ン(第6図)から説明する。
減衰力制御ルーチンを開始すると、まず、ハード優先
切換フラグHFが値1にセットされたか否かを判断処理
(ステップ100)を行なう。ハード優先切換フラグHFに
は、あおり防止割込ルーチン(第7図)においてあおり
防止実行の開始条件が成立した場合に、後述するステッ
プ130の処理で値1にセットされるフラグである。
ハード優先切換フラグHFが値1にセットされておら
ず、ステップ100で「YES」と判断された場合は、路面状
態に基づく通常の減衰力制御処理(ステップ110)を行
なう。減衰力制御処理の概要は、各種センサからの検出
信号に基づき走行状態(操舵角,車速等)を判断すると
共に、減衰力検出回路54からの減衰力変化率検出信号お
よび減衰力検出信号に基づいて路面状態を判断し、これ
ら判断の結果に応じてショックアブソーバ2の減衰力発
生パターンの高低の設定を切り換え、サスペンションを
ソフト又はハードにするというものである。一般的に言
えば路面の状態が悪ければソフトにし、路面が平坦であ
ればハードにする。
減衰力制御処理(ステップ110)の後には、このルー
チンを繰り返す度に、左右の車輪5RL,5RRに関し独立し
て行なうあおり防止割込ルーチン(第7図)において、
各々のあおり防止開始フラグSF R,SF Lのうち一方でも
値1にセットされたか否かの判断処理(ステップ120)
を行なう。あおり防止開始フラグSF R,SF Lは、各あお
り防止割込ルーチンにおいて、あおり防止実行の開始条
件が成立した場合に値1にセットされる。上記フラグの
うち一方のフラグでもセットされたと判断すれば、上述
のハード優先切換フラグHFを値1にセットする処理(ス
テップ130)を行なって、本ルーチンを一旦終了する。
以上の処理に対して、ステップ100でハード優先切換
フラグHFが値1にセットされており、「NO」と判断した
場合は、あおり防上実行処理(ステップ140)を行な
う。あおり防止実行処理では、上記の路面状態に基づく
通常の減衰力制御処理(ステップ(110)の結果に優先
して、4輪総てのショックアブソーバ2を高減衰力発生
パターンに設定する処理を行ない、サスペンションがソ
フトであればハードに切り換え、ハードであればハード
のまま維持する。
あおり防止実行処理(ステップ140)の後には、ルー
チンを繰り返す度に、左右の車輪5RL,5RRに関し独立に
して行なうあおり防止割込ルーチンにおいて各終了フラ
グEF R,EF Lの両方ともが値1にセットされたか否かの
判断処理(ステップ150)を行なう。両方の終了フラグE
F R,EF Lが値1にセットされたと判断した場合は、あお
り発生のおそれが解消されたと判断し、上述のハード優
先切換フラグHFを値0にリセットする処理(ステップ16
0)を行ない、本処理を一旦終了する。こうしてハード
優先切換フラグHFが値0にリセットされると、次回のル
ーチンの実行では、ステップ110の路面状態に基づく通
常の減衰力制御処理を行ない、路面の状態が悪ければサ
スペンションをソフトにし、路面の状態が平坦であれば
ハードにするといった制御を実現する。
次に、かかる減衰力制御ルーチンで参照されるあおり
防止の開始フラグSF R,SF Lおよび終了フラグEF R,EF L
を決定するあおり防止割込ルーチンを、第7図(A),
(B)のフローチャートに基づいて説明する。尚、あお
り防止割込ルーチンは左右の車輪5RL,5RRに関し独立し
て行なわれるが、各車輪についての処理に変わりはない
ので、特に区別せずに説明する。
この割込ルーチンを開始すると、第7図(A)に示す
ように、まず、ばね上共振成分信号を構成する減衰力デ
ータPと、車速センサ51からの車速データWとを読み込
む処理(ステップ200)を行なう。
次に、ハード優先切換フラグHFが値1にセットされて
いるか否かの判断を行なう(ステップ210)。ハード優
先切換フラグHFが値1にセットされておらず、「NO」と
判断した場合は、ステップ220以降に示すあおり防止実
行の開始条件を判定する処理を実行する。一方、ステッ
プ210でハード優先切換フラグHFが値1にセットされて
おり、「YES」と判断した場合は、第7図(B)に示す
あおり防止実行の終了条件を判定する処理に移行する。
第7図(A)に示す開始条件の判定処理の大略は、ス
テップ200で更新される減衰力データPおよび車速デー
タSを監視して、減衰力データPが車速データSに基づ
いて算出されるしきい値の範囲を外れる場合に、あおり
防止実行の開始条件が満たされたと判断し、あおり防止
開始フラグSFをセットするというものである。
開始条件の判定処理では、まず、ショックアブソーバ
2の減衰力発生パターンの設定が低減衰力か高減衰力か
を判断し(ステップ220)、判断した設定に応じて、車
速データSからしきい値+SL1,−SL2を算出する処理
(ステップ230,240)を行なう。実施例ではしきい値+S
L1,−SL2(第5図参照)は、ショックアブソーバ2の設
定毎に車速データSPの関数f1(SP),g1(SP),f2(S
P),g2(SP)として決められている。第8図にしきい値
+SL1,−SL2と車速データSPとの関係について例示す
る。縦軸はしきい値+SL1,−SL2の絶対値、横軸は車速
データSPの大きさを示す。図示するように、実施例のし
きい値+SL1,−SL2は、その絶対値が車速データSPが大
きくなるにつれて小さくなるように設定されている。
尚、ショックアブソーバ2の伸び側に関するしきい値+
SL1の絶対値は、縮み側に関するしきい値−SL2の絶対値
よりも相対的に大きな値に設定されている。これは伸び
側の減衰力の絶対値が、縮み側の減衰力の絶対値よりも
相対的に大きいことを補償するためである。また、関数
f2(SP),g2(SP)によって演算される高減衰力用のし
きい値の絶対値は、関数f1(SP),g1(SP)によって演
算される低減衰力用のしきい値の絶対値より相対的に大
きくなるように決められている。これは同じ路面であっ
ても車両走行中に発生する減衰力のレベルが高減衰力の
設定では低減衰力の設定よりも高くなることを補償する
ためである。
こうしてショックアブソーバ2の設定に応じて車速デ
ータSPからしきい値+SL1,−SL2を算出すると、次に、
ステップ200で読み込んだ減衰力データPがしきい値+S
L1,−SL2の範囲を外れているか否かを判断する処理(ス
テップ250)を行なう。
ステップ250において、減衰力データPがしきい値+S
L1,−SL2の範囲内に収まっており、「NO」と判断した場
合は、あおり発生の前兆はないと判断して、後述する開
始条件の判定期間△Tstを計時するカウンタCstをクリア
し(ステップ260)、あおり防止開始フラグSFをリセッ
トして(ステップ270)、本処理を一旦終了する。
一方、ステップ250において、減衰力データPがしき
い値+SL1,−SL2の範囲を外れており、「YES」と判断し
た場合は、あおり発生の前兆を捉えている可能性がある
と判断して、次に、開始条件の判定期間△Tsを計時する
カウンタCstをインクリメントし(ステップ280)、イン
クリメントしたカウンタCstが判定値Vs以上か否か、即
ちカウンタCstのインクリメントが繰り返されて判定期
間△Tsの計時が完了し、判定期間△Tsの間、継続して減
衰力データPがしきい値+SL1,−SL2の範囲を外れたか
否かを判断する処理(ステップ290)を行なう。
例えば、第5図のグラフに示すサスペンションが当初
ソフトに設定されている例では、時刻t1以降に減衰力が
継続してしきい値SL1以上になり、時刻t1以降に実行さ
れるあおり防止割込ルーチンでは処理を繰り返す毎に、
減衰力データPがステップ250でしきい値+SL1以上と連
続して判断する。従って、カウンタCstはリセットされ
ることなく、次々にステップ280でインクリメントさ
れ、判定値Vsまで増加する。この結果、時刻t2に判定期
間△Tsを満了し、判定期間△Tsの間、継続して減衰力デ
ータPがしきい値+SL1,−SL2の範囲を外れたことが確
かめられる。
この例のようにカウンタCstが増加して、ステップ290
において判定値Vs以上と判断した場合、即ち減衰力が判
定期間△Tsの間継続してしきい値の範囲を外れた場合
は、あおり発生の前兆を捉えたと判断し、あおり防止開
始フラグSFを値1にセットする処理(ステップ300)を
実行する。一方、カウンタCstが判定値Vs以下と判断し
た場合は、あおり発生の前兆を捉えていないと判断し
て、本処理を一旦終了する。
ステップ300であおり防止開始フラグSFを値1にセッ
トすると、既述したように減衰力制御ルーチン(第6
図)においてハード優先切換フラグHFが値1にセットさ
れ(ステップ130)、4輪総てのショックアブソーバ2
の減衰力の設定を高減衰力に切り換えるあおり防止実行
処理(ステップ140)が実行される。
以上説明した開始条件の判定処理によれば次のあおり
防止の制御が実現される。
減衰力変化率検出信号にフィルタ処理と積分処理を施
したばね上共振成分信号に相当する減衰力データPに基
づいて判断を行なうから、あおり発生の前兆を捉えるこ
とができ、あおりを未然に防止できる。
減衰力データPの大きさを判断するしきい値+SL1,−
SL2の範囲は車速が高くなるにつれて狭くなるから、低
速走行時にはあおり防止を行なわない小さなあおりで
も、高速走行時にはあおり防止を実行して、サスペンシ
ョンがソフトであればハードに切り換え、ハードであれ
ばハードを維持する。一方、低速走行時にはしきい値+
SL1,−SL2の範囲は、高速走行時に比べて広いから、気
にならない小さなあおりについてはあおり防止を実行し
ない。
なお、以上の開始条件の判断処理において、減衰力デ
ータPがしきい値+SL1,−SL2の範囲を判定期間△Tsの
間、継続して外れることをあおり発生の前兆の検出の要
件に加えたのは、例えばローパスフィルタ55の特性を補
うためである。ローパスフィルタ55は、その特性上、あ
おりと無関係な高周波数の成分を幾分通過するが、この
高周波成分はしきい値+SL1,−SL2を越えてもすぐ立ち
下がる。減衰力データPが判定期間△Tsの間、継続して
しきい値+SL1,−SL2の範囲を外れることを要件にすれ
ば、すぐに立ち下がる高い周波数成分による誤判定のお
それは除去される。また、判定期間△Tsを設けたのはサ
スペンションをハードに切り換える時期をわずかに遅延
させ、その時期を感覚的に最適にするためである。本実
施例装置のようにサスペンションの固さがソフトおよび
ハードの2段階に切り換わるものでは、車両にあおりが
発生する前にその前兆をとらえてソフトからハードに切
り換えると、運転者はハードになった理由が分からず、
違和感を生むおそれがあるからである。なお、このよう
な目的の判定期間△Tsは車両のあおりの周期に比較して
微小の時間である。
次に、第7図(B)の終了条件の判定処理について説
明する。
実施例の終了条件の判定処理は、減衰力データPを監
視して、あおり防止の実行を終了したとしても、あおり
発生のおそれのないことを示す条件が満たされたとき
に、あおり防止終了フラグEFをセットするというもので
ある。
この判定処理では、まず、減衰力データPがしきい値
+SL3,−SL4の範囲内(第5図参照)に収まっているか
否かの判断処理(ステップ310)を実行する。減衰力デ
ータPがしきい値+SL3,−SL4の範囲を外れており、ス
テップ310で「NO」と判断された場合は、あおり防止実
行を終了したのでは車両にあおりが発生するから、誤述
する終了条件の判定期間△Teを計時するカウンタCedを
クリアし(ステップ320)、あおり防止終了フラグEFを
リセットする処理(ステップ330)を行なって、本処理
を一旦終了する。
一方、減衰力データPがしきい値+SL3,−SL4の範囲
内に収まっており、ステップ310で「YES」と判断した場
合は、減衰力が小さい場合(第5図においては例えば時
刻t3以降,時刻t5以降)であって、終了条件を満足する
可能性があるからその判定期間△Teを計時するカウンタ
Cedをインクリメントし(ステップ340)、インクリメン
トしたカウンタCedが判定値Ve以上か否か、即ちカウン
タCedのインクリメントにより終了の判定期間△Teの計
時が完了したか否かを判断する処理(ステップ350)を
行なう。
カウンタCedは、あおり防止割込ルーチンを繰り返す
毎に、減衰力データPがしきい値+SL3,−SL4で区切ら
れた範囲内に収まっていると連続して判断された場合
(ステップ310)に、次々にインクリメント(ステップ3
40)され、判定値Veまで増加する。例えば、第5図に示
す時刻t3以降に行なわれる処理では減衰力データPがし
きい値の範囲内に収まっているから、カウンタCedは連
続して増加するが、時刻t4に減衰力データPがその範囲
を外れるため、リセットされ(ステップ320)、判定値V
eまで増加しない。こうした場合には、カウンタCedは判
定値Ve未満と判断され(ステップ350)、あおり防止実
行を終了したのではあおり発生のおそれがあると判断し
て、終了フラグEFのリセット処理(ステップ330)の実
行の後、一旦処理を終了する。減衰力制御ルーチン(第
6図)では、引続きあおり防止実行処理(ステップ14
0)を実行する。
一方、第5図に示す時刻t5以降に行なわれる処理では
減衰力データPspがしきい値+SL3,−SL4の範囲内に継続
して収まっているから、カウンタCedが判定値Veまで増
加する。従って、カウンタCedが判定値Veまで増加した
時刻t6には、カウンタCedが判定値Ve以上と判断され
(ステップ350)、あおり防止を終了してもあおり発生
のおそれがないと判断して、終了フラグEFをセットする
処理(ステップ360)を実行する。
以上のようにして左右後輪5RL,5RRに関して独立して
行なわれるあおり防止割込ルーチンにおいて、その両ル
ーチンの防止終了フラグEFがセットされると、既述した
ように減衰力制御ルーチン(第6図)においてハード優
先切換フラグHFがリセット(ステップ160)される。以
降、減衰力制御ルーチンでは、通常の路面状態に基づく
減衰力制御処理(ステップ110)を行ない、路面の状態
が悪ければサスペンションをソフトにし、路面が平坦で
あればハードにする。第5図の例では時刻t6における終
了条件の判定期間△Teの満了によりサスペンションがソ
フトにされる。
尚、終了条件の判定期間△Teは、減衰力データPがし
きい値+SL3,−SL4の範囲に収まっていることを保証す
るものであり、ばね上共振周波数近傍の振動の周期より
も長い期間に設定される。また、判定期間△Teはあおり
防止の最低実行期間を規定するものであり、あおり防止
の効果が有効に得られる期間に設定される。
以上説明したように実施例のサスペンション制御装置
によれば、減衰力変化率検出信号にフィルタ処理と積分
処理とを施したばね上共振成分信号に相当する減衰力デ
ータPに基づいて判断を行なうから、あおり発生の前兆
を捉えることができ、あおりを未然に防止できる。しか
も、車速データSPが大きくなるに従って開始条件のしき
い値+SL1,−SL2の範囲を狭くするから、車速が高くな
るにつれて小さなあおりでも防止できるようになり、あ
おりを好適に防止できるという優れた効果を奏する。し
たがって、低速走行時には気にならない小さなあおりで
も高速走行時にはあおり防止を実行し、一方、低速走行
時には、気にならない小さなあおりについてはあおり防
止を行わず、無用にサスペンションをハードにしないと
いった優れた乗り心地を確保することができる。
また、実施例ではしきい地+SL1,−SL2をショックア
ブソーバ2の減衰力発生パターンの高低の設定の相違に
応じて、車速データSPの関数f1(SP),g1(SP),f2(S
P).g2(SP)により算出するもので、上記ショックアブ
ソーバ2の設定の相違を補償するあおり防止開始条件の
判定が可能になる。
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこ
うした実施例に何等限定れるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得
ることは勿論である。例えば、あおり防止の開始条件に
おいて用いるしきい値+SL1,−SL2の範囲と車速との関
係は、実施例のように車速が高くなるにつれて直線的に
狭くなる構成以外にも、実験などにより、実際の走行状
態により適合した種々の関係に定めてよい。また、しき
い値+SL1,−SL2を車速に応じて決定する構成に、さら
に開始条件の判定期間△Tsを車速に応じて決定する構
成、例えば判定期間△Tsを車速が高くなるにつれて短縮
する構成を加えてもよい。これによれば、一層車速に適
合したあおり防止が可能になる。また、終了条件の判定
処理においては、例えば車速が高くなるにつれてしきい
値+SL3,−SL4の範囲を狭くしたり、判定期間△Teを長
くする構成にしてもよい。この構成によれば、車速が変
化した場合のあおり防止実行期間の最短期間の補償や、
車速に応じたあおり防止実行期間の変更等が可能とな
り、走行状態に最適なあおり防止の効果を得ることがで
きる。また、あおり防止割込ルーチンは左右後輪につい
て行なう以外にも、4個の車輪のうちいずれか2個の車
輪、いずれか3個の車輪、或は4個総てについて行なっ
てもよい。4個の車輪のうちいずれかひとつについて行
なってもよい。この場合は電子制御装置4が行なう処理
を簡素化することができる。ショックアブソーバ2の減
衰力発生パターンの設定は3段階以上であってもよい。
無段階に設定できるものでもよい。尚、実施例では、終
了条件のしきい値+SL3,−SL4の絶対値は、それぞれ開
始条件のしきい値+SL1,−SL2のしきい値よりも大きく
設定されているが、車両の振動特性等によっては、前者
が後者と同じ場合があるなど両値には種々の関係が考え
られる。
発明の効果 以上詳述したように、本発明のサスペンション制御装
置によれば、車両走行中、ショックアブソーバに発生す
る減衰力の変化率を検出し、その検出信号にフィルタ処
理と積分処理とを施した、ばね上共振成分信号に基づい
て判断を行い、そのばね上共振成分信号の大きさが許容
範囲を外れた場合にあおり防止を実行するから、あおり
発生の前兆を捉えてあおりを未然に防止できる。しか
も、車速が高くなると許容範囲が狭くなるから、低速走
行時にはあおり防止が働きすぎることはなく、また小さ
なあおりでも大きく感じられる高速走行時には、そうし
た小さなあおりに対してもあおり防止を実行するという
ように、車速に応じてあおりを好適に防止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の基本的構成を例示するブロック図、第
2図は本発明一実施例としてのサスペンション制御装置
の全体構成を表わす概略構成図、第3図(A)はそのシ
ョックアブソーバの構造を示す部分断面図、第3図
(B)はショックアブソーバの要部拡大断面図、第4図
は本実施例の電子制御装置の構成を表わすブロック図、
第5図はローパスフィルタ55およびハイパスフィルタ56
を通過した減衰力検出信号の例を示すグラフ、第6図は
減衰力制御ルーチンを示すフローチャート、第7図はあ
おり防止割込ルーチンを示すフローチャート、第8図は
しきい値と車速の関係を例示するグラフである。 2FL,2FR,2RL,2RR……減衰力可変型ショックアブソーバ 4……電子制御装置 25FL,25FR,25RL,25RR……ピエゾ荷重センサ 27FL,27FR,27RL,27RR……ピエゾアクチュエータ 54……減衰力検出回路 55……ローパスフィルタ 56……ハイパスフィルタ 58……高電圧印加回路 62……高電圧電源回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 芳道 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 松永 栄樹 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 川田 裕之 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 深見 彰 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 鈴木 豊 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−208212(JP,A) 特開 昭60−183211(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】路面状態変化に基づく車両の振動変化を検
    出し、ショックアブソーバの減衰力特性を変更して車体
    振動を抑制するサスペンション制御装置において、 車両走行中、前記ショックアブソーバに発生する減衰力
    の変化率を検出する変化率検出手段と、 該変化率検出手段の検出信号にフィルタ処理と積分処理
    とを施してばね上共振周波数の近傍周波数のばね上共振
    成分信号として出力するばね上共振成分信号出力手段
    と、 前記車両の車速を検出する車速検出手段と、 該車速が高くなるに従って前記ばね上共振成分信号の大
    きさの許容範囲を狭くする許容範囲演算手段と、 前記ばね上共振成分信号が前記許容範囲を外れる場合
    に、前記ショックアブソーバの減衰力の程度を高めにす
    る高減衰力維持手段と、 を備えることを特徴とするサスペンション制御装置。
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