JP2710688B2 - 4―ブロモ―3―ヒドロキシ酪酸エステル誘導体の製造法 - Google Patents

4―ブロモ―3―ヒドロキシ酪酸エステル誘導体の製造法

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JP2710688B2 JP2271608A JP27160890A JP2710688B2 JP 2710688 B2 JP2710688 B2 JP 2710688B2 JP 2271608 A JP2271608 A JP 2271608A JP 27160890 A JP27160890 A JP 27160890A JP 2710688 B2 JP2710688 B2 JP 2710688B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、医薬品を合成するための中間体として有用
な化合物である4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステ
ル誘導体、とりわけ光学活性な4−ブロモ−3−ヒドロ
キシ酪酸エステル誘導体の製造法に関する。
[従来の技術] 光学活性な4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステル
誘導体の製造法としては、下記の方法が知られている。
(1) 4−ブロモ−3−ケト酪酸エステルを、パン酵
母により不斉水素化し、(S)−4−ブロモ−3−ヒド
ロキシ酪酸エステルを製造する方法[テトラヘドロン・
レターズ(Tetrahedron Letters,第26巻第1号 101-10
4(1985)]。
(2) ルテニウム−光学活性ホスフィン錯体を触媒と
して、4−ブロモ−3−ケト酪酸エステルを不斉水素化
し、光学活性な4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステ
ルを製造する方法(特開平1-211551号公報)。
(3) アスコルビン酸を過酸化水素により酸化してL
−スレオニン酸カルシウム塩とし、これを臭化水素酢酸
溶液及びアルコールと反応させ、さらにパラジウム炭素
で還元することにより、(R)−4−ブロモ−3−ヒド
ロキシ酪酸エステルを製造する方法[アフタ・ケミカ・
スカンジナビカ(Acta Chem.Scand.B37,341-344(198
3)]。
[発明が解決しようとする課題] 前記従来方法のうち、方法(1)では、得られる4−
ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの光学純度が十分
でなく、また絶対配置も特定のものに限られ、鏡像体の
合成は困難である。方法(2)では、得られる4−ブロ
モ−3−ヒドロキシ酪酸エステルの光学純度も未だ十分
ではないと共に、還元を高温高圧下で行なわなければな
らない。方法(3)では、高い光学純度の4−ブロモ−
3−ヒドロキシ酪酸エステルを得ることはできるが、ブ
ロム化した後、更に還元しなければならないので、効率
的な方法とは言いがたい。
このように、いずれの方法も、得られる4−ブロモ−
3−ヒドロキシ酪酸エステルの光学純度が不十分であっ
たり、工業的製法としてはその経済性及び操作性に劣っ
たりするので、種々解決すべき課題を有している。
[課題を解決するための手段] 本発明者らはかかる実情に鑑み、経済性に優れ、簡便
且つ効率的な4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステル
誘導体、とりわけ光学活性な4−ブロモ−3−ヒドロキ
シ酪酸エステル誘導体の工業的製法を確立すべく鋭意検
討した結果、安価に得られる光学活性な3,4−ジヒドロ
キシ酪酸誘導体または3−ヒドロキシブチロラクトン誘
導体をブロム化剤及びアルコールと反応させることによ
り高い光学純度の4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エス
テル誘導体を効率的に製造できることを見いだし、本発
明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、式(I): [式中、R1は、水素またはt−ブチルジメチルシリル
基、R2は水素または炭素数1〜5の低級アルキル基を
表す。] で示される3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体を臭化水素試
剤をブロム化剤とし、 R3OH [式中、R3はR2が水素の場合炭素数1〜5の低級アル
キル基で、R2が炭素数1〜5の低級アルキル基を表す
場合は、R2と同じ低級アルキル基を表す。] で示されるアルコールと反応させることを特徴とする、
式(II): [式中、R3は前記と同じ。] で示される4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステル誘
導体の製造法、および 式(III): [式中、R1は水素またはt−ブチルジメチルシリル基
を表す。] で示される3−ヒドロキシブチロラクトン誘導体を臭化
水素試剤をブロム化剤とし、 R4OH [式中、R4は炭素数1〜5の低級アルキル基を表
す。] で示されるアルコールと反応させることを特徴とする、
式(II′): [式中、R4は前記と同じ。] で示される4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステル誘
導体の製造法に存する。
本発明で用いる出発物質である3,4−ジヒドロキシ酪
酸誘導体(I)または3−ヒドロキシブチロラクトン誘
導体(III)としては、R1が水素原子またはt−ブチル
ジメチルシリル基であり、R2が水素原子または炭素数
1〜5の低級アルキル基(たとえば、メチル、エチル、
プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチルまた
はイソブチル)であるものが挙げられる。これらは3−
クロル−1,2−プロパンジオールまたはリンゴ酸から安
価に合成できる[特開平2-42050号公報、ケミストリー
・レターズ(Chemistry Letters),1389-1392(198
4)]。また、光学活性な3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体
または3−ヒドロキシブチロラクトン誘導体も、光学活
性な3−クロル−1,2−プロパンジオールまたは光学活
性なリンゴ酸から同様に安価に合成できる。
3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体(I)または3−ヒド
ロキシブチロラクトン誘導体(III)から得られる4−
ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステル誘導体(II)また
は(II′)としては、R3、R4が炭素数1〜5の低級ア
ルキル基(たとえば、メチル、エチル、プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、t−ブチルまたはイソブチル)
であるものが挙げられる。
この反応においては、ブロム化剤として臭化水素試
剤、例えば臭化水素酢酸溶液、臭化水素酸/硫酸または
臭化ナトリウム/硫酸等を出発物質に対して1〜10当量
の量で用いることができる。4−ブロモ−3−ヒドロキ
シ酪酸エステル誘導体(II)を高収率で得るためには臭
化水素酢酸溶液を用いることが好ましい。
R3OHまたはR4OHで表されるアルコールとしては、炭素
数1〜5の低級アルコール、たとえばメタノール、エタ
ノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブ
タノール、t−ブタノールもしくはイソブタノールなど
が用いられ、アルコールは、出発物質当たり1〜30当量
の量で用いられ、それぞれ対応するエステル(II)又は
(II′)を製造することができる。
本発明の方法での反応温度は20〜100℃の範囲が適当
である。温度が高いほど、出発物質の3,4−ジヒドロキ
シ酪酸誘導体(I)または3−ヒドロキシブチロラクト
ン誘導体(III)の消失は速いものの、副生物が増加す
る傾向があり、4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステ
ル誘導体(II)又は(II′)を高収率で得るためには20
〜40℃で原料がほぼ消失する迄、2〜40時間、撹拌しな
がら反応を行うことが好ましい。単離・精製は反応液か
ら溶媒や未反応出発物質を減圧留去し、残渣を酢酸エチ
ルと水とに分配した後、有機層を残圧留去することによ
って行うことができ、主に4−ブロモ−3−ヒドロキシ
酪酸エステル誘導体を含む油状物質が得られる。更に精
製するには、通常のカラムクロマトグラフィー及び蒸留
などを用いればよい。しかし、反応及び単離・精製の操
作は、必ずしもこれらの方法に限られず、種々の方法を
用いることができる。
また光学活性な3,4−ヒドロキシ酪酸誘導体または3
−ヒドロキシブチロラクトン誘導体を出発物質として用
いる事により、それぞれ対応する光学活性な4−ブロモ
−3−ヒドロキシ酪酸エステル誘導体を合成することが
できる。
[作用及び効果] 本発明によれば、経済的且つ効率的に4−ブロモ−3
−ヒドロキシ酪酸エステル誘導体、とりわけ光学活性な
4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステル誘導体を製造
できる。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する
が、もとより本発明はこれらに限定されるものではな
い。
実施例1 (S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルの製造 (S)−3,4−ジヒドロキシ酪酸メチル7.8gを30%臭
化水素酢酸溶液54.6mlに溶解し、室温で24時間撹拌し
た。得られた溶液にメタノール109mlを加え、24時間撹
拌した。反応液を減圧濃縮してオレンジ色の油状物に
し、残渣を酢酸エチルと水との間に分配し、炭酸ナトリ
ウム溶液を加えて水層のpHを7に調整した後、有機層を
分液し、水層を更に酢酸エチルで抽出した。有機層を合
わせて無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧濃縮して
粗(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルをオ
レンジ色の油状物として得た。得られた粗製油状物を蒸
留することにより(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ
酪酸メチル14gを油状物として得た(沸点79-81℃/1mmH
g)。
▲[α]20 D▼=−10.84°(c=1、MeOH)1 H−NMR(90MHz,CDCl3):δ=2.66(d,2H,J=6Hz)、
3.31(s,0H)、3.42(d,2H,J=5Hz)、3.71(s,0H)、
4.12-4.38(m,1H)。
IR(CCl4溶液):3540、2950、1730、1440、1200、118
0、1040cm-1
実施例2 (S)−4−ブロモ−3−ジヒドロキシ酪酸メチルの製
造 (S)−3,4−ジヒドロキシ酪酸メチル0.5gを30%臭
化水素酢酸溶液3.5mlに溶解し、室温で24時間撹拌し
た。得られた溶液にメタノール12.5mlを加え、24時間撹
拌した。反応液を減圧濃縮してオレンジ色の油状物に
し、これを再びメタノール5mlに溶解し、2時間還流し
た後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチルと水との間に分
配し、有機層を水で洗浄し、ついで無水硫酸ナトリウム
上で乾燥し、減圧濃縮して粗(S)−4−ブロモ−3−
ヒドロキシ酪酸メチルをオレンジ色の油状物として得
た。得られた粗製油状物をシリカゲルクロマトグラフィ
ーにかけ、ヘキサン:酢酸エチル(=4:1)で溶出して
精製することにより(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキ
シ酪酸メチル0.54gを油状物として得た。
物性値は実施例1と一致した。
実施例3 (S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルの製造 (S)−3−ヒドロキシブチロラクトン0.5gを30%臭
化水素酢酸溶液3.5mlに溶解し、室温で24時間撹拌し
た。得られた溶液にメタノール12.5mlを加え、24時間撹
拌した。反応液を減圧濃縮してオレンジ色の油状物に
し、残渣を酢酸エチルと水との間に分配し、炭酸ナトリ
ウム溶液を加えて水層のpHを7に調整した後、有機層を
分液し、水層を更に酢酸エチルで抽出した。有機層を合
わせて無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧濃縮して
粗(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルをオ
レンジ色の油状物として得た。得られた粗製油状物を蒸
留することにより(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ
酪酸メチル0.72gを油状物として得た(沸点79-81℃/1mm
Hg)。
物性値は実施例1と一致した。
実施例4 (S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルの製造 (S)−3,4−ジヒドロキシ酪酸メチル0.5gを30%臭
化水素酢酸溶液3.5mlに溶解し、室温で24時間撹拌し
た。得られた溶液にメタノール12.5mlを加え、24時間撹
拌した。反応液を減圧濃縮してオレンジ色の油状物に
し、残渣を酢酸エチルと水との間に分配し、炭酸ナトリ
ウム溶液を加えて水層のpHを7に調整した後、有機層を
分液し、水層を更に酢酸エチルで抽出した。有機層を合
わせて無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧濃縮して
粗(S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルをオ
レンジ色の油状物として得た。得られた粗製油状物を蒸
留することにより (S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチル0.656g
を油状物として得た 物性値は実施例1と一致した。
実施例5 (S)−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルの製造 (S)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−
ヒドロキシ酪酸メチル0.5gを30%臭化水素酢酸溶液3.5m
lに溶解し、室温で24時間撹拌した。得られた溶液にメ
タノール12.5mlを加え、24時間撹拌した。反応液を減圧
濃縮してオレンジ色の油状物にし、残渣を酢酸エチルと
水との間に分配し、炭酸ナトリウム溶液を加えて水層の
pHを7に調整した後、有機層を分液し、水層を更に酢酸
エチルで抽出した。有機層を合わせて無水硫酸ナトリウ
ム上で乾燥させ、減圧濃縮して粗(S)−4−ブロモ−
3−ヒドロキシ酪酸メチルをオレンジ色の油状物として
得た。得られた粗製油状物を蒸留することにより(S)
−4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチル0.32gを油状
物として得た 物性値は実施例1と一致した。
参考例1 (S)−リンゴ酸ジメチルの製造 (S)−リンゴ酸150gを、予めアセチルクロライド50
mlをメタノール1に加えて調製した3%塩酸メタノー
ル溶液に溶解し、室温で24時間撹拌した。反応液を減圧
濃縮し、残渣を蒸留する事により、(S)−リンゴ酸ジ
メチル113gを無色の油状物として得た(沸点120-125°/
15mmHg)。
▲[α]20 D▼=−9.1°(c=2.2、EtOH)1 H−NMR(90MHz,CDCl3):δ=2.68(d,2H,J=5Hz)、
3.60(s,3H)、3.69(s,3H)、3.78(s,1H,OH)、4.37
(t,1H,J=5Hz)。
参考例2 (S)−3,4−ジヒドロキシ酪酸メチルの製造 (S)−リンゴ酸ジメチル19.4gを、無水テトラヒド
ロフラン(THF)250mlに溶解し、ボランジメチルスルフ
ィド12.2mlを加え、混合物を20℃で30分撹拌した。次に
水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)0.2gを加え、さらに3
0分撹拌後、無水メタノール77mlを加えた。溶媒等を減
圧留去することにより粗(S)−3,4−ジヒドロキシ酪
酸メチルを油状物として得た。得られた粗製油状物をシ
リカゲルクロマトグラフィーにかけ酢酸エチルで溶出し
て精製することにより(S)−3,4−ジヒドロキシ酪酸
メチル14gを油状物として得た。
▲[α]20 D▼=−25.0°(c=3.12,MeOH)1 H−NMR(90MHz,CDCl3):δ=2.53(d,2H,J=6Hz)、
3.0-3.9(m,4H)、3.7(s,3H)、3.97-4.27(m,1H)。
参考例3 (S)−O−アセチルリンゴ酸無水物の製造 (S)−リンゴ酸13.4gをアセチルクロライド50mlに
溶解し、40℃で2時間撹拌した。過剰のアセチルクロラ
イド及び生成した酢酸を減圧留去することにより(S)
−O−アセチルリンゴ酸無水物16.17gを無色の油状物と
して得た。
▲[α]20 D▼=−26.0°(c=5.11,CHCl31 H−NMR(90MHz,CDCl3):δ=2.22(s,3H)、3.06(d
d,1H,J=19.7Hz)、3.41(dd,1H,J=19.9Hz)、5.6(d
d,1H,J=7.9Hz)。
参考例4 (S)−O−アセチルリンゴ酸−1メチルエステルの製
造 (S)−O−アセチルリンゴ酸無水物12.64gをメタノ
ール160mlに溶解し、室温で12時間撹拌した。メタノー
ルを減圧留去することにより粗(S)−O−アセチルリ
ンゴ酸−1メチルエステル15.55gを無色の油状物として
得た。
▲[α]20 D▼=−27.9°(c=9.25,MeOH)1 H−NMR(90MHz,CDCl3):δ=2.1(s,3H)、2.9(d,2
H,J=6Hz)、3.7(s,3H)、5.45(t,1H,J=6Hz)。
参考例5 (S)−3−ヒドロキシブチロラクトンの製造 水素化ホウ素ナトリウム10.6gをt−ブタノール142.5
mlに加えて、還流し、そこへ(S)−O−アセチルリン
ゴ酸−1メチルエステル13.3gをt−ブタノール56.7ml
及びメタノール11.3mlに溶かした溶液を1.5時間かけて
滴下した。その後、さらに2時間還流した。予めアセチ
ルクロライド25.5mlをメタノール170mlに加えて調製し
た塩酸メタノール溶液を反応液にゆっくりと加えて酸性
とした後、溶媒等を留去した。残渣に酢酸エチルを加え
て濾過し、濾液を減圧濃縮することにより粗(S)−3
−ヒドロキシブチロラクトン8.6gを油状物として得た。
得られた粗製油状物をシリカゲルクロマトグラフィーに
かけヘキサン:酢酸エチル(=1:1)で溶出して精製す
ることにより(S)−3−ヒドロキシブチロラクトン5.
1gを油状物として得た。
▲[α]20 D▼=−81°(c=1.97,EtOH)1 H−NMR(90MHz,CDCl3):δ=2.54(m,1H)、2.78(d
d,1H,J=18Hz,J=6Hz)、4.2-4.7(m,4H)。
参考例6 (S)−3−ヒドロキシブチロラクトンの製造 シアン化ナトリウム(NaCN)6.18g、水酸化ナトリウ
ム8.59gを水100ml溶解した後、得られた水溶液に0℃で
R−3−クロル−1,2−プロパンジオール11.1gの水25ml
溶液をゆっくり滴下し、80℃で15時間撹拌した。反応
後、反応液を0℃に冷却しながら6N塩酸でpH1以下と
し、揮発物を留去した後、メタノールを加え、析出した
固体を濾去した。濾液からメタノールを留去することに
より得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにか
けてヘキサン:アセトン(=1:1)で溶出して精製する
ことにより(S)−3−ヒドロキシブチロラクトン4.5g
を油状物として得た。
物性値は参考例5と同じであった。
参考例7 (S)−3,4−ジヒドロキシ酪酸の製造 NaCN12.36g、NaOH17.17gを水200mlに溶解した後、0
℃でR−3−クロル−1,2−プロパンジオール22.2gの水
50ml溶液をゆっくり滴下し、80℃で15時間撹拌した。反
応後、反応液を0℃に冷却しながら6N塩酸でpH2.5と
し、揮発物を留去した後、メタノールを加え、析出した
固体を濾過した。濾液からメタノールを留去して得た残
渣をシリカゲルクロマトグラフィ(ヘキサン:アセトン
=1:1)で精製することにより(S)−3,4−ジヒドロキ
シ酪酸15.8gを油状物として得た。
▲[α]20 D▼=−27.9°(c=0.96,MeOH)1 H−NMR(90MHz,CDCl3,CD3OD):δ=2.47-2.63(m,2
H)、3.6(d,2H,J=5Hz)、3.97-4.3(m,1H)、4.77-5.
32(m,3H)。
IR(neat):3300、2900、1710、1390、1180、1030c
m-1
参考例8 (S)−2−(t−ブチルジメチルシロキシ)コハク酸
ジメチルの製造 L−リンゴ酸ジメチル7gとジメチルホルムアミド35ml
からなる溶液に室温でイミダゾール6.1gを加え、5分間
撹拌した後、t−ブチルジメチルシリルクロリドの50%
塩化メチレン溶液16.1gを10分かけて加え、室温で15時
間撹拌した。反応液に水100mlを加え、10分撹拌した
後、塩化メチレン100mlで3回抽出し、硫酸ナトリウム
で乾燥後、溶媒と副生するt−ブチルジメチルシラノー
ルを減圧留去した。得られた残渣をシリカゲルクロマト
グラフィ(ヘキサン:アセトン=5:1)で精製すること
により、(S)−2−(t−ブチルジメチルシロキシ)
コハク酸ジメチル11.7gを得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=0.08(s,3H)、0.17(s,3
H)、0.88(s,9H)、2.67-2.87(m,2H)、3.66(s,3
H)、3.73(s,3H)、4.55-7.67(m,1H)。
IR(neat):2975、1750、1445、1180、840cm-1
参考例9 (S)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−ヒ
ドロキシ酪酸メチルの製造 (S)−2−(t−ブチルジメチルシロキシ)コハク
酸ジメチル0.83gとメタノール8.3mlからなる溶液に−10
℃でNaBH40.22gを加え、−10℃で更に2.5時間撹拌し
た。反応液に0℃で5%NH4Cl水溶液30mlを加えた後、6
N塩酸を加えて中和した。塩化メチレン50mlで2回抽出
した後、硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して
得た残渣をシリカゲルのカラムクロマトグラフィ(ヘキ
サン:アセトン=5:1)で精製することにより、液状の
(S)−3−(t−ブチルジメチルシロキシ)−4−ヒ
ドロキシ酪酸メチル0.58gを得た。1 H−NMR(CDCl3):δ=0.1(s,3H)、0.12(s,3H)、
2.0-2.27(m,1H)、2.6(d,2H,J=6Hz)、3.5-3.82(m,
2H)、3.72(s,3H)、4.1-4.45(m,1H)。
IR(neat):3460、2950、1740、1260、1110、840、780c
m-1
▲[α]20 D▼=−38.95°(c=2.11,MeOH)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 Tetrahedrou Lette rs,Vol.28,No.16(1987), P.1781−2. 日本化学会編「新実験化学講座(第14 巻)有機化合物の合成と反応I](昭和 52年11月20日発行)丸善、P.361

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(I): [式中、R1は、水素またはt−ブチルジメチルシリル
    基、R2は水素または炭素数1〜5の低級アルキル基を
    表す。] で示される3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体を臭化水素試
    剤をブロム化剤として R3OH [式中、R3はR2が水素の場合炭素数1〜5の低級アル
    キル基で、R2が炭素数1〜5の低級アルキル基の場合
    2と同じ低級アルキル基を表す。] で示されるアルコールと反応させることを特徴とする、
    式(II): [式中、R3は前記と同じ。] で示される4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステル誘
    導体の製造法。
  2. 【請求項2】出発物質として光学活性な(R)または
    (S)−3,4−ジヒドロキシ酪酸誘導体を用いて、対応
    する光学活性な(R)または(S)−4−ブロモ−3−
    ヒドロキシ酪酸エステル誘導体を合成する請求項1記載
    の製造法。
  3. 【請求項3】臭化水素試剤として臭化水素酢酸溶液、臭
    化水素酸/濃硫酸または臭化ナトリウム/濃硫酸を用い
    る請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】R3OHで表されるアルコールがメタノール、
    エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
    −ブタノール、t−ブタノールまたはイソブタノールで
    ある請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
  5. 【請求項5】(S)−3,4−ジヒドロキシ酪酸メチルを
    臭化水素酢酸溶液及びメタノールと反応させ(S)−4
    −ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルを合成する請求項
    1〜4のいずれかに記載の製造法。
  6. 【請求項6】式(III): [式中、R1は水素またはt−ブチルジメチルシリル基
    を表す。] で示される3−ヒドロキシブチロラクトン誘導体を臭化
    水素試剤をブロム化剤として R4OH [式中、R4は炭素数1〜5の低級アルキル基を表
    す。] で示されるアルコールと反応させることを特徴とする、
    式(II′): [式中、R4は前記と同じ。] で示される4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸エステル誘
    導体の製造法。
  7. 【請求項7】出発物質として光学活性な(R)または
    (S)−3−ヒドロキシブチロラクトン誘導体を用い
    て、対応する光学活性な(R)または(S)−4−ブロ
    モ−3−ヒドロキシ酪酸エステル誘導体を合成する請求
    項6記載の製造法。
  8. 【請求項8】臭化水素試剤として臭化水素酢酸溶液、臭
    化水素酸/濃硫酸または臭化ナトリウム/濃硫酸を用い
    る請求項6記載の製造法。
  9. 【請求項9】R4OHで表されるアルコールがメタノール、
    エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n
    −ブタノール、t−ブタノールまたはイソブタノールで
    ある請求項6〜8のいずれかに記載の製造法。
  10. 【請求項10】(S)−3−ヒドロキシブチロラクトン
    を臭化水素酢酸溶液及びメタノールと反応させ(S)−
    4−ブロモ−3−ヒドロキシ酪酸メチルを合成する請求
    項6〜9のいずれかに記載の製造法。
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