JP2708933B2 - 群管理エレベータの呼び登録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は一般の健常者が利用する一般用乗かご、健常
者および身障者が利用する兼用乗かごとを有する群管理
エレベータの呼び登録装置に係り、特に乗かごの運行サ
ービスの向上を図るのに好適な群管理エレベータの呼び
登録装置に関する。

〔従来の技術〕

従来、例えば特開昭58-22276号公報に示されるよう
に、一般の健常者が利用する一般用乗かご、健常者およ
び身障者が利用する兼用乗かごを有する群管理エレベー
タに備えられるとともに、各階床に併設され第１の呼び
指令を出力する第１の呼び釦と第２の呼び指令を出力す
る第２の呼び釦とを含み、上記の第１の呼び指令に応じ
て一般用乗かごおよび兼用乗かごのいずれか一方の呼び
登録を選択的に行い、上記の第２の呼び指令に応じて兼
用乗かごの呼び登録を行う群管理エレベータの呼び登録
装置が提案されている。

この従来の群管理エレベータの呼び登録装置では、例
えば車椅子を使用する身障者などが階床で第２の呼び釦
を操作するとき、第２の呼び指令に応じて兼用乗かごの
呼び登録を行い、兼用乗かごを上記の階床に呼び寄せる
ようになつている。また、一般の健常者が階床で第１の
呼び釦を操作するとき、第１の呼び指令に応じて一般用
乗かごおよび兼用乗かごのいずれか一方の呼び登録を選
択的に行い、一般用乗かごおよび兼用乗かごのうちで上
記の第１の呼び指令に対応する最適なものを上記の階床
に呼び寄せる。すなわち、一般の健常者および身障者が
２つの呼び釦の一方を操作することによつて、それぞれ
の利用者に対応する適切な乗かごの運行サービスを提供
するようになつている。

〔発明が解決しようとする課題〕

ところで、上述した従来の群管理エレベータの呼び登
録装置にあつては、必ずしも身障者のみが第２の呼び釦
を操作するとは限らず、例えば一般の健常者が第１の呼
び釦ばかりか第２の呼び釦も操作することがある。この
ような場合に、第１の呼び指令に応じて一般用乗かごの
呼び登録、第２の呼び指令に応じて兼用乗かごの呼び登
録がそれぞれ行われると、２台の乗かごが同一の階床に
重複して呼び寄せられるという問題があつた。その結
果、上記の階床に到着した２台のうちの一方は利用され
ないので、乗かごの運行時間に無駄な部分が生じて他の
階床から出力される呼び指令への対応が遅れ、すなわち
乗かごの運行サービスが低下するという不都合を生じて
いた。

本発明はこのような従来技術における実情に鑑みてな
されたもので、その目的は、同一の階床で第１の呼び釦
および第２の呼び釦をともに操作する場合であつても、
２台の乗かごが重複して同一の階床に呼び寄せられるの
を防止することのできる群管理エレベータの呼び登録装
置を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

この目的を達成するために本発明は、一般の健常者が
利用する一般用乗かごと、健常者および身障者が利用す
る兼用乗かごとを有する群管理エレベータの各階床に、
第１の呼び指令を出力する第１の呼び釦、第２の呼び指
令を出力する第２の呼び釦を併設し、上記第１の呼び指
令に応じて上記一般用乗かごおよび兼用乗かごのいずれ
か一方の呼び登録を選択的に行い、上記第２の呼び指令
に応じて上記兼用乗かごの呼び登録を行う群管理エレベ
ータの呼び登録装置において、同一の階床で上記第１の
呼び釦および第２の呼び釦が操作されるとき、第１の呼
び指令および第２の呼び指令のうちの一方の呼び指令に
よる第１の呼び登録が行われた後に、この第１の呼び登
録を、他方の呼び指令による第２の呼び登録に応じて解
除する解除手段を設けた構成にしてある。

〔作用〕

本発明は上記のように構成したので、例えば同一階床
でまず第１の呼び釦が操作され、次いで第２の呼び釦が
操作される場合、第１の呼び指令による第１の呼び登録
が行われて、その後、第２の呼び指令による第２の呼び
登録が行われる。このとき、解除手段は第２の呼び登録
に応じて上記の第１の呼び登録を解除し、すなわち第２
の呼び指令のみに基づいて兼用乗かごの呼び登録を行
い、兼用乗かごを上記の階床に呼び寄せる。一方、まず
第２の呼び釦が操作され、次いで第１の呼び釦が操作さ
れる場合も、上述した場合と同様に、第１の呼び指令の
みに基づいて一般用乗かごおよび兼用乗かごのいずれか
一方の呼び登録を選択的に行い、上記の階床に呼び寄せ
る。

これによつて、同一の階床で第１の呼び釦および第２
の呼び釦をともに操作する場合であつても、２台の乗か
ごが重複して同一の階床に呼び寄せられるのを防止する
ことができる。

〔実施例〕

以下、本発明の群管理エレベータの呼び登録装置の実
施例を図に基づいて説明する。

第１図は本発明の群管理エレベータの呼び登録装置の
一実施例を説明する電気回路図である。

本実施例の呼び登録装置が備えられる群管理エレベー
タは、図示を省略したが一般の健常者が利用する一般用
乗かごと、健常者および身障者が利用する兼用乗かごと
を有しており、図示しない各階床には、第１の呼び指令
を出力する第１の呼び釦１と、第２の呼び指令を出力す
る第２の呼び釦２とが併設されている。なお、これらの
第１の呼び指令および第２の呼び指令は、互いに同一方
向への呼び指令である。

そして、本実施例の呼び登録装置は、第１図に示すよ
うに、電源Ｐ、Ｎと、第１の呼び釦１の操作に応じて乗
かごの呼び登録を行う第１の呼び登録回路1aと、第２の
呼び釦２の操作に応じて乗かごの呼び登録を行う第２の
呼び登録回路2aと、第１の呼び登録回路1aから出力され
る出力信号に応じて一般用乗かごおよび兼用乗かごのう
ちでも最も速く階床に到着可能なものを割り当てる第１
の割当て回路３と、第２の呼び登録回路2aから出力され
る出力信号に応じて兼用乗かごを割り当てる第２の割り
当て回路４と、第１の呼び登録回路10から出力される出
力信号に応じて点灯する第１の表示灯５と、第２の呼び
登録回路2aから出力される出力信号に応じて点灯する第
２の表示灯６とを有している。

上述した第１の呼び登録回路1aは、上記の第１の呼び
釦１と、この第１の呼び釦１に常閉接点7b₁を介して接
続される第１の呼び登録リレー８と、この呼び登録リレ
ー８に接続され、一般用乗かごおよび兼用乗かごのいず
れか一方が階床に到着したことを検出して呼び登録リレ
ー８をリセツトする到着検出回路９と、上記の常閉接点
7b₁と並列接続される常開接点10aと、第１の呼び登録リ
レー８の自己保持用の常開接点8a₁と、この常開接点8a₁
に接続される常閉接点7b₂と、この常閉接点7b₂に接続さ
れ、第１の呼び登録リレー８の付勢に伴い計数を開始
し、所定時間、例えば５〜６秒程度経過すると出力信号
を出力する第１のタイマ11とからなつている。なお、上
記の常閉接点7b₁の出力側、常開接点10aの出力側、およ
び常閉接点7b₂の出力側は互いに接続されている。

同様に、上述した第２の呼び登録回路2aは、上記の第
２の呼び釦２と、この第２の呼び釦２に常閉接点8b₁を
介して接続される第２の呼び登録リレー７と、この呼び
登録リレー７に接続され、兼用乗かごが開床に到着した
ことを検出するかご位置検出リレーの常閉接点12bと、
上記の常閉接点8b₁と並列接続される常開接点11aと、第
２の呼び登録リレー７の自己保持用の常開接点7a₁と、
この常開接点7a₁に接続される常閉接点8b₂と、この常閉
接点8b₂に接続され、第２の呼び登録リレー７の付勢に
伴い計数を開始し、所定時間、例えば５〜６秒程度経過
すると出力信号を出力する第２のタイマ10とからなつて
いる。なお、上記の常閉接点8b₁の出力側、常開接点11a
の出力側、および常閉接点8b₂の出力側は互いに接続さ
れている。

上述した第１の割当て回路３は、第１の呼び登録回路
1aから出力される出力信号に応じて、例えば公知の群管
理制御回路により乗かごの位置や積載量などの条件に基
づき階床での待ち時間が最少となるように乗かごを選定
するようになつており、上記の呼び登録リレー８の常開
接点8a₂に接続されている。同様に、第２の割当て回路
４は、上記の呼び登録リレー７の常開接点7a₂に接続さ
れている。

上述した第１の表示灯５は、第１の呼び登録リレー８
の常開接点8a₃に接続され、例えば第１の呼び釦１に内
蔵されている。同様に、第２の表示灯６は、第２の呼び
登録リレー７の常開接点7a₃に接続され、例えば第１の
呼び釦１に内蔵されている。なお、上述した第１の呼び
登録リレー７、８、その常閉接点8b、8b₂、第２の呼び
登録リレー、および、その常開接点7b₁、7b₂によつて、
同一の階床で第１の呼び釦１および第２の呼び釦２が操
作されるとき、第１の呼び指令および第２の呼び指令の
うちの一方の呼び指令による第１の呼び登録が行われた
後、この第１の呼び登録を他方の呼び指令による第２の
呼び登録に応じて解除する解除手段が構成されている。

この実施例にあつては、例えば一般の健常者が第１の
呼び釦１を操作した場合、第１の呼び釦１−常閉接点7b
₁−第１の呼び登録リレー８−到着検出回路９の回路が
閉成され、呼び登録リレー８が付勢して常開接点8a₁、8
a₂、8a₃が閉じ、常閉接点8b₁、8b₂が開く。上記の常開
接点8a₁の閉路により呼び登録リレー８が付勢状態に自
己保持され、同時に、常開接点8a₂の閉路により第１の
割当て回路３が作動し、常開接点3a₃の閉路により第１
の表示灯５が点灯する。上記の呼び登録リレー８の付勢
に伴い第１のタイマ11は、計数を開始して所定時間が経
過した後に出力信号を出力する。そして、第１の割当て
回路３は、一般用乗かごおよび兼用乗かごのうちで最も
速く階床に到着可能なものを割り当てるので、割り当て
られた乗かごが階床に呼び寄せられる。次いで、乗かご
の到着を到着検出回路９により検出し、第１の呼び登録
リレー８をリセツトするようになつている。

一方、上述した呼び登録リレー３の動作開始から所定
時間内に第２の呼び釦２も操作される場合、常閉接点8b
₁、8b₂が開路状態にあるとともに、タイマ11は計数を完
了していないので常開接点11aも開いており、すなわち
第２の呼び釦２の操作にもかかわらず、第２の呼び登録
リレー７の作動が阻止される。その後、所定時間が経過
すると、タイマ11の付勢に伴い常開接点11aが閉じて、
第２の呼び登録リレー７の作動を阻止する状態が解除さ
れる。このときに第２の呼び釦２を操作するか、あるい
は第２の呼び釦２を押し続けていた場合、第２の呼び釦
２−常開接点11a−第２の呼び登録リレー７−常閉接点1
2bの回路が閉成され、呼び登録リレー７が付勢して常開
接点7a₁、7a₂、7a₃が閉じ、常閉接点7b₁、7b₂が開く。
上記の常開接点7a₁の閉路により呼び登録リレー７が付
勢状態に自己保持され、同時に、常開接点7a₂の閉路に
より第２の割当て回路４が作動し、常開接点7a₃の閉路
により第２の表示灯６が点灯する。上記の呼び登録リレ
ー７の付勢に伴い第２のタイマ10は、計数を開始して所
定時間が経過した後に出力信号を出力する。そして、第
２の割当て回路４により割り当てられた兼用乗かごの階
床に呼び寄せられる。このとき、第２の呼び登録リレー
７の常閉接点7b₂の開路に伴い、常開接点8a₁による自己
保持状態が解除されて第１の登録リレー８が消勢され
る。次いで、この登録リレー８の常開接点8a₂、8a₃が開
いて、第１の割当て回路３の作動が中止され、第１の表
示灯５は消灯する。その後、上記の割当てられた兼用乗
かごが階床に呼び寄せられると、兼用乗かごの到着によ
り常閉接点12bが開いて第２の呼び登録リレー７が消勢
される。

また、第１の呼び登録リレー８が付勢されてない状態
で、例えば身障者が第２の呼び釦２を操作した場合、上
述したように第２の呼び登録リレー７の付勢に伴い、第
２の割当て回路４により兼用乗かごを割当てるととも
に、常閉接点7b₁、7b₂が開く。これらの常閉接点7b₁、7
b₂、および第２のタイマ10の常開接点10aが開いている
状態で、第１の呼び釦１を操作しても第１の呼び登録リ
レー８は付勢されない。その後、第２のタイマ10の計数
を完了すると、常閉接点10aが閉じて第１の呼び登録リ
レー８は付勢可能な状態となる。このとき、第１の呼び
釦１を操作するか、あるいは第１の呼び釦１を押し続け
ていた場合、第１の呼び釦１−常開接点10a−第１の呼
び登録リレー８−到着検出回路９の回路が閉成され、呼
び登録リレー８が付勢され、第１の割当て回路３が作動
して、第２の割当て回路４の作動が中止される。

このように構成した実施例では、同一の階床で第１の
呼び釦１および第２の呼び釦２をともに操作する場合で
あつても、２台の乗かごが重複して同一の階床に呼び寄
せられるのを防止することができる。また、上記のよう
に第１の呼び釦１および第２の呼び釦２がともに操作さ
れる場合、一方の呼び登録が行われてから所定時間内で
は他方の呼び登録が阻止されるので、これらの呼び登録
が過度に切り替えられて乗かごの到着が遅れることを防
止できる。

〔発明の効果〕

本発明は以上のように構成したので、同一の階床で第
１の呼び釦および第２の呼び釦をともに操作する場合で
あつても、２台の乗かごが重複して同一の階床に呼び寄
せられるのを防止でき、したがつて、乗かごの運行時間
に無駄な部分が生じて他の階床から出力される呼び指令
への対応が遅れることがなく、従来のものと比べて、乗
かごの運行サービスの向上を図ることができるという効
果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の群管理エレベータの呼び登録装置の一
実施例を説明する電気回路図である。 １……第１の呼び釦、２……第２の呼び釦、３……第１
の割当て回路、４……第２の割当て回路、７……第２の
呼び登録リレー、7b₁、7b₂……常閉接点、８……第１の
呼び登録リレー、8b₁、8b₂……常閉接点、10、11……タ
イマ、10a、11a……常開接点。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一般の健常者が利用する一般用乗かごと、
   健常者および身障者が利用する兼用乗かごとを有する群
   管理エレベータの各階床に、第１の呼び指令を出力する
   第１の呼び釦、第２の呼び指令を出力する第２の呼び釦
   を併設し、上記第１の呼び指令に応じて上記一般用乗か
   ごおよび兼用乗かごのいずれか一方の呼び登録を選択的
   に行い、上記第２の呼び指令に応じて上記兼用乗かごの
   呼び登録を行う群管理エレベータの呼び登録装置におい
   て、同一の階床で上記第１の呼び釦および第２の呼び釦
   が操作されるとき、第１の呼び指令および第２の呼び指
   令のうちの一方の呼び指令による第１の呼び登録が行わ
   れた後に、この第１の呼び登録を、他方の呼び指令によ
   る第２の呼び登録に応じて解除する解除手段を設けたこ
   とを特徴とする群管理エレベータの呼び登録装置。