JP2596625B2 - 群管理エレベータの呼び登録装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は一般の健常者が利用する一般用乗かご、健常
者および身障者が利用する兼用乗かごを有する群管理エ
レベータの呼び登録装置に係り、特に乗かごの運行サー
ビスの向上を図るのに好適な群管理エレベータの呼び登
録装置に関する。

［従来の技術］ 従来、例えば特開昭58−22276号公報に示されるよう
に、一般の健常者が利用する一般用乗かご、健常者およ
び身障者が利用する兼用乗かごを有する群管理エレベー
タに備えられるとともに、各階床に併設され第１の呼び
指令を出力する第１の呼び釦と第２の呼び指令を出力す
る第２の呼び釦とを含み、上記の第１の呼び指令に応じ
て一般用乗かごおよび兼用乗かごのいずれか一方の呼び
登録を選択的に行ない、上記の第２の呼び指令に応じて
兼用乗かごの呼び登録を行なう群管理エレベータの呼び
登録装置が提案されている。

この従来の群管理エレベータの呼び登録装置では、例
えば車椅子を使用する身障者などが階床で第２の呼び釦
を操作するとき、第２の呼び指令に応じて兼用乗かごの
呼び登録を行ない、兼用乗かごを上記の階床に呼び寄せ
るようになつている。また、一般の健常者が階床で第１
の呼び釦を操作するとき、第１の呼び指令に応じて一般
用乗かごおよび兼用乗かごのいずれか一方の呼び登録を
選択的に行ない、一般用乗かごおよび兼用乗かごのうち
で第１の呼び指令に対応する最適なものを上記の階床に
呼び寄せる。すなわち、一般の健常者および身障者が２
つの呼び釦の一方を操作することによつて、それぞれの
利用者に対応する適切な乗かごの運行サービスを提供す
るようになつている。

［発明が解決しようとする課題］ ところで、上述した従来の群管理エレベータの呼び登
録装置にあつては、必ずしも身障者のみが第２の呼び釦
を操作するとは限らず、例えば一般の健常者が第１の呼
び釦ばかりか第２の呼び釦も操作することがある。この
ような場合に、第１の呼び指令に応じて一般用乗かごの
呼び登録、第２の指令に応じて兼用乗かごの呼び登録が
それぞれ行なわれると、２台の乗かごが同一の階床に重
複して呼び寄せられるという問題があつた。その結果、
上記の階床に到着した２台の内の一方は利用されないの
で、乗かごの運行時間に無駄な部分が生じて他の階床か
ら出力される呼び指令への対応が遅れ、すなわち乗かご
の運行サービスが低下するという不都合を生じていた。

本発明はこのような従来技術における実情に鑑みてな
されたもので、その目的は、同一の階床で第１の呼び釦
および第２の呼び釦をともに操作する場合であつても、
２台の乗かごが重複して同一の階床に呼び寄せられるの
を防止できる群管理エレベータの呼び登録装置を提供す
ることにある。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するために本発明は、一般の健常者が
利用する一般用乗かご、健常者および身障者が利用する
兼用乗かごを有する群管理エレベータに備えられるとと
もに、各階床にそれぞれ併設され第１の呼び指令を出力
する第１の呼び釦と第２の呼び指令を出力する第２の呼
び和とを含み、上記第１の呼び指令に応じて上記一般用
乗かごおよび兼用乗かごのいずれか一方の呼び登録を選
択的に行ない、上記第２の呼び指令に応じて上記兼用乗
かごの呼び登録を行なう群管理エレベータの呼び登録装
置において、同一の階床で上記第１の呼び釦および第２
の呼び釦が操作されるとき、第１の呼び指令による呼び
登録および第２の呼び指令による呼び登録のいずれか一
方に応じて他方を阻止する阻止手段と、この阻止手段の
動作開始から予め定められる時間後に阻止状態を解除す
る解除手段とを設けた構成にしてある。

［作用］ 本発明は上記のように構成したので、例えば同一の階
床でまず第１の呼び釦が操作され、次いで第２の呼び釦
が操作されるとき、阻止手段によつて第１の呼び指令に
よる呼び登録に応じて第２の呼び指令による呼び登録を
阻止し、第１の呼び指令のみに基づいて乗かごを上記の
階床に呼び寄せる。同様に、第２の呼び釦が操作され、
次いで第１の呼び釦が操作されるとき、阻止手段によつ
て第１の呼び指令による呼び登録に応じて第２の呼び指
令による呼び登録を阻止し、第２の呼び登録のみに基づ
いて乗かごを上記の階床に呼び寄せる。これによつて、
２台の乗かごが重複して同一の階床に呼び寄せられるこ
とを防止できる。そして、上記の阻止手段の動作開始か
ら予め定められる時間後に、解除手段によつて上述した
阻止手段の阻止状態を解除し、すなわち、阻止されてい
た方の呼び登録が可能な状態に復帰させることができ
る。

［実施例］ 以下、本発明の群管理エレベータの呼び登録装置の実
施例を図に基づいて説明する。

第１図は本発明の群管理エレベータの呼び登録装置の
一実施例を説明する電気回路図である。

本実施例の呼び登録装置が備えられる群管理エレベー
タは、図示を省略したが一般の健常者が利用する一般用
乗かご、健常者および身障者が利用する兼用乗かごを有
している。

そして、本実施例の呼び登録装置は、第１図に示すよ
うに、各階床（図示せず）にそれぞれ併設され第１の呼
び指令を出力する第１の呼び釦１および第２の呼び指令
を出力する第２の呼び釦２と、電源P,Nと、第１の呼び
釦１に接続される常閉接点6bと、常閉接点6bに接続され
る第１の呼び登録リレー３と、呼び登録リレー３に接続
され、一般用乗かごおよび兼用乗かごのいずれか一方が
階床に到着したことを検出して呼び登録リレー３をリセ
ツトする到着検出回路４と、第１の呼び釦１と並列に接
続され、呼び登録リレー３の自己保持を行なう常開接点
3a₁と、電源Ｐに常開接点3a₂を介して接続される第１の
呼び登録表示灯５と、上記の第２の呼び釦２に接続され
る常閉接点3bと、常閉接点3bに接続される第２の呼び登
録リレー６と、呼び登録リレー６に接続され、兼用乗か
ごが階床に到着したときに開路する常閉接点7bと、第２
の呼び釦２と並列に接続され、呼び登録リレー６の自己
保持を行なう常開接点6a₁と、電源Ｐに常開接点6a₂を介
して接続される第２の呼び登録表示灯８と、電源Ｐに常
開接点3a₃，6a₃のそれぞれを介して接続され、予め定め
られる時間後に付勢するタイマ９と、電源Ｐに常開接点
3aを介して接続され、一般用乗かごおよび兼用乗かごの
うちで最も速く階床に到着可能なものを割り当てる第１
の割当て回路10と、電源Ｐに常開接点6a₄を介して接続
され、兼用乗かごを割り当てる第２の割当て回路11と、
それぞれ常閉接点6b,3bと並列に接続され、上記のタイ
マ９の付勢に応じて閉じる常開接点9a₁，9a₂とからなつ
ている。

なお、上述した呼び登録リレー3,6、常閉接点3b,6bに
よつて、同一の階床で第１の呼び釦１および第２の呼び
釦２がともに操作されるとき、第１の呼び指令による呼
び登録および第２の呼び指令による呼び登録のいずれか
一方に応じて他方を阻止する阻止手段を構成し、また、
上述したタイマ９、常開接点9a₁，9a₂によつて、阻止手
段の動作開始から予め定められる時間後に阻止状態を解
除する解除手段を構成している。

この実施例にあつては、例えば一般用乗かごおよび兼
用乗かごのいずれか一方を呼び寄せるため、第１の呼び
釦１を操作した場合、第１の呼び釦１−常閉接点6b−第
１の呼び登録リレー３−到着検出回路４の回路が閉成さ
れ、呼び登録リレー３が付勢して常開接点3a₁，3a₂，3a
₃，3a₄がそれぞれ閉じ、常閉接点3bが開く。上記の常開
接点3a₁の閉路により呼び登録リレー３が付勢状態に自
己保持され、常開接点3a₂の閉路により第１の呼び登録
表示灯５が点灯し、常開接点3a₃の閉路によりタイマ９
がカウント動作を開始し、常開接点3a₄の閉路により第
１の割当て回路10が作動する。この第１の割当て回路10
は、一般用乗かごおよび兼用乗かごのうちで最も速く階
床に到着可能なものを割り当てるので、割り当てられた
乗かごが階床に呼び寄せられる。次いて、乗かごの到着
を到着検出回路４により検出し、呼び登録リレー３をリ
セツトする。上述したタイマ９は、呼び登録リレー３の
動作開始から予め定められる時間後に付勢して常開接点
9a₁，9a₂を閉じる。

そして、上述した呼び登録リレー３の動作開始から予
め定められる時間内に第２の呼び釦２も操作されると
き、常閉接点3bが開路状態にあるとともに、タイマ９は
付勢していないので常開接点9a₂も開いており、すなわ
ち第２の呼び釦２の操作にもかかわらず、第２の呼び登
録リレー６の作動が阻止される。その後、予め定められ
る時間が経過してから、タイマ９の付勢に伴い常開接点
9a₂が閉じて、常閉接点3bを含む阻止手段により呼び登
録リレー６の作動を阻止する状態を解除するようになつ
ている。

また同様に、兼用乗かごを呼び寄せるため、第２の呼
び釦を操作した場合、第２の呼び釦２−常閉接点3b−第
２の呼び登録リレー６−常閉接点7bの回路が閉成され、
呼び登録リレー６が付勢して常開接点6a₁，6a₂，6a₄が
それぞれ閉じ、常閉接点6bが開く。上記の常開接点6a₁
の閉路により呼び登録リレー６が付勢状態に自己保持さ
れ、常開接点6a₂の閉路により第２の呼び登録表示灯８
が点灯し、常閉接点6a₃の閉路によりタイマ９がカウン
ト動作を開始し、常開接点6a₄の閉路により第２の割当
て回路11が作動する。この第２の割当て回路11は、兼用
乗かごを割り当てるので、割り当てられた兼用乗かごが
階床に呼び寄せられ、兼用乗かごの到着により常閉接点
7bが開く。上述したタイマ９は、呼び登録リレー６の動
作開始から予め定められる時間後に付勢して常開接点9a
₁、9a₂を閉じる。

この場合にあつても、上述した第２の呼び登録リレー
６の動作開始から予め定められる時間内に第１の呼び釦
１も操作されるとき、常閉接点6bが開路状態にあるとと
もに、タイマ９は付勢していないので常開接点9a₁も開
いており、すなわち第１の呼び釦１の操作にもかかわら
ず、第１の呼び登録リレー３の作動が阻止される。その
後、予め定められる時間が経過してから、タイマ９の付
勢に伴い常開接点9a₁が閉じて、常閉接点６のｂを含む
阻止手段により呼び登録リレー３の作動を阻止する状態
を解除するようになつている。

このように構成した実施例では、同一の階床で第１の
呼び釦１および第２の呼び釦２をともに操作する場合で
あつても、２台の乗かごが重複して同一の階床に呼び寄
せられるのを防止することができる。

［発明の効果］ 本発明は以上のように構成したので、同一の階床で第
１の呼び釦および第２の呼び釦をともに操作する場合で
あつても、２台の乗かごを重複して同一の階床に呼び寄
せられることを防止でき、したがつて、乗かごの運行時
間に無駄な部分が生じて他の階床から出力される呼び指
令への対応が遅れることがなく、従来のものと比べて、
乗かごの運行サービスの向上を図ることができるという
効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の群管理エレベータの呼び登録装置の一
実施例を説明する電気回路図である。 １……第１の呼び釦、２……第２の呼び釦、３……第１
の呼び登録リレー、3b……常閉接点、６……第２の呼び
登録リレー、6b……常閉接点、９……タイマ、9a₁，9a₂
……常開接点、10……第１の割当て回路、11……第２の
割当て回路。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一般の健常者が利用する一般用乗かご、健
   常者および身障者が利用する兼用乗かごを有する群管理
   エレベータに備えられるとともに、各階床にそれぞれ併
   設され第１の呼び指令を出力する第１の呼び釦と第２の
   呼び指令を出力する第２の呼び釦とを含み、上記第１の
   呼び指令に応じて上記一般用乗かごおよび兼用乗かごの
   いずれか一方の呼び登録を選択的に行ない、上記第２の
   呼び指令に応じて上記兼用乗かごの呼び登録を行なう群
   管理エレベータの呼び登録装置において、同一の階床で
   上記第１の呼び釦および第２の呼び釦が操作されると
   き、第１の呼び指令による呼び登録および第２の呼び指
   令による呼び登録のいずれか一方に応じて他方を阻止す
   る阻止手段と、この阻止手段の動作開始から予め定めら
   れる時間後に阻止状態を解除する解除手段とを設けたこ
   とを特徴とする群管理エレベータの呼び登録装置。