JP2708532B2 - 多活性電子写真要素 - Google Patents

多活性電子写真要素

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、多活性電子写真要素、即ち、電荷発生層と
電荷輸送層を含有する要素に関する。より詳細には、本
発明は、再使用ができ且つ電荷輸送層にトリアリールア
ミン電荷輸送物質を含有する要素に関する。
〔従来の技術〕
電子写真において、強度が通常不均一である静電界パ
ターンを包含する像(静電潜像とも呼ばれる)が、少な
くとも光伝導層及び伝導性基板を包含する電子写真要素
の絶縁表面に形成される。静電潜像は、通常、絶縁表面
上に予め形成した均一強度の静電界の部分の強度の像様
輻射線散逸により形成される。一般的に、その後、静電
潜像を電子写真現像液と接触させることにより静電潜像
をトナー像とする。必要に応じて、潜像を現像前に他の
表面に移動させてもよい。
潜像の形成において、最初は均一である静電界を像様
輻射線で散逸するのは、電子・正孔対の生成によりなさ
れる。この電子・正孔対は、電子写真要素に含有されて
いる物質(しばしば、電荷発生又は光伝導物質とも称す
る)により像様化学線照射に対応して発生する。最初均
一である静電界の極性及び電子写真要素に含有されてい
る物質の種類により異なるが、発生した電荷、即ち、正
孔又は電子の一部分が、要素の露光部分における帯電し
た絶縁表面の方向に移動することにより、初期界の像様
散逸が生じる。その結果、静電潜像を構成する不均一界
が残存する。
このような要素には、発生した電荷が像様露光部分に
おける反対に帯電した表面野方向に移動するのを容易に
する物質を含有されていて、像様界散逸を生じる。この
ような物質は、しばしば、電荷輸送物質と呼ばれる。
周知の電荷輸送物質の一つとしては、トリアリールア
ミンを包含するものが挙げられる。ここで、「トリアリ
ールアミン」とは、一般的に理解されているのと同様
に、芳香族環又は環系に、少なくとも3個の単結合によ
り直接結合している少なくとも1個の窒素原子を含有す
る化学化合物を意味する。芳香族環又は環系は、無置換
でもよいし、又は更にいくつの置換基にでも且つどんな
置換基にでも結合していてもよい。このようなトリアリ
ールアミンは、電子写真の技術分野では、電荷発生物質
により発生する電荷を受入且つ輸送することができるこ
とがよく知られている。種々の公知の電子写真要素のう
ち、一般的に多活性要素と呼ばれるもの(しばしば、多
層又は多活性層要素と呼ばれることもある)がある。多
活性要素は、少なくとも2つの活性層を含有し、そのう
ちの少なくとも一層が化学線に照射すると電荷を発生す
ることができる電荷発生層〔以下、「CGL」(charge−g
eneration layer)とも称する〕であり、少なくとも一
層が電荷発生層により発生した電荷を受入且つ輸送する
ことのできる電荷輸送層〔以下、「CTL」(charge−tra
nsport layer)とも称する〕であることからこのように
呼ばれる。このような要素は、一般的に、少なくとも導
電層、CGL及びCTLを包含している。CGL又はCTLのいずれ
かは、導電層及びCGL又はCTの残ったものの両方に電気
的に接触した状態にある。又、CGLは少なくとも1種の
電荷発生物質(光伝導体)を包含し、CTLは少なくとも
1種の電荷輸送物質を含有し、且つこれらの層の一方又
は両方が更に膜形成高分子バインダーを包含しているこ
とは言うまでもない。
公知の多活性電子写真要素のうち、再使用ができ、且
つ電磁スペクトルの可視及び/又は赤外領域内の像様露
光輻射線に対して感度のよいように特に設計されたもの
がある。再使用可能要素は、許容できないほどの性質の
変化を生じることなく、複数の(好ましくは多数の)サ
イクルで均一帯電、像様露光、静電潜像若しくはトナー
像の現像及び/又は移動並びに残存電荷の消去を行うこ
とにより実用的に利用することができる。感可視及び/
又は赤外線要素は、可視及び/又は赤外線に照射したと
きに電荷を発生する電荷発生物質を含有するものであ
る。当該技術分野においては、このような要素は多数知
られている。
例えば、可視光線に対して感度を示すように構成した
再使用可能多活性電子写真要素の幾つかが米国特許第4,
578,334号及び第4,719,163号に記載されており、一方、
赤外線に対して感度を示すように構成した再使用可能多
活性電子写真要素の幾つかが米国特許第4,666,802号及
び第4,701,396号に記載されている。
可視光線又は赤外線に対して感度を示す公知の再使用
可能多活性電子写真要素にも、CTLにトリアリールアミ
ン電荷輸送物質が用いられている。これらの要素におい
ては、トリアリールアミンは、CTLを形成する膜形成高
分子バインダーに分散又は溶解している。このような要
素は、例えば、上記した特許に記載されている。これら
の特許には、CTL用の膜形成バインダーとしての利用を
有する数多くのポリマーが教示されている。このように
記載されている数多くのポリマーの中には、ポリ〔2,2
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンカーボネー
ト〕(一般的に「ビスフェノールAカーボネート」とし
て知られている)等のポリカーボネート並びに4,4′−
(2−ノルボルニリデン)ジフェノールとテレフタール
及びアゼライン酸との縮合から生成するようなポリエス
テルがある。上記した成分を含有する要素は、意図する
機能をかなりよく発揮し、上記した4つの米国特許に記
載されている要素の場合には、他の公知の要素に対して
ある種の非常に重要な利点がある。しかしながら、本発
明者等は、このような要素には、いくつかの重要な欠点
があることを見出した。例えば、CTLがビスフェノール
Aポリカーボネートにトリアリールアミンを包含するも
のであるときには、重大な欠点が生じる。この問題は、
CTLが偶然に紫外線(即ち、例えば、一般的に室内蛍光
灯により放出される輻射線のかなりの部分を占める約40
0nm未満の波長の輻射線)に当たったときに生じること
がある。このことは、例えば、電子写真要素を複写機に
組み込み、複写機の内部部品のメイテナンス又は修理中
に一般的な室内照明に当たるときに生じることがある。
UVカブリとしばしば呼ばれるこの問題は、この要素を紫
外線に偶然に当たった後に通常のサイクルの電子写真操
作に附す時間に、電子写真要素内の残留電位の増大とし
て現れる。
例えば、通常のサイクルの操作では、このような要素
は、最初は約−500ボルトの電位まで均一に帯電され、
次に、通常の像様化学可視又は赤外露光照射線への最大
暴露の部分で約−100ボルトの電位まで放電して、意図
する静電潜像を形成しなければならない。しかしなが
ら、電子写真要素が偶然紫外線に暴露した場合に、通常
の電子写真操作中に残留電荷を消去する通常の方法では
消去できない残留電位の上昇を生じる。例えば、約500
サイクルの操作の後、消去不可能残留電位は、−200〜
−300ボルトにも達することがあり、この要素は所望の
−100ボルトまで放電することができない。その結果、
複写されている最初の像において、ハイライト、即ち、
像濃度がない部分に相当する最大像様露光部分に偽像を
生じる。実際に、この要素は、500サイクルの操作を行
っただけで再使用ができなくなった。
このUVカブリの機構は現在のところ理解されていない
が、本発明者等は、この問題は、紫外線の吸収により誘
発されるトリアリールアミン電荷輸送物質が化学変化す
るために生じるものと考えた。このことは、紫外線照射
後、CTLに色の変化が認められることによって支持され
る。このUVカブリの問題は、防止するか又は最少限に抑
えることが望ましい。
一方、本発明者等は、電子写真要素が、トリアリール
アミンが4,4′−(2−ノルボルニリデン)ジフェノー
ルとテレフタール及びアゼライン酸との縮合から生成さ
れるようなポリエステルのバインダーフィルムに含有さ
れているCTLを包含する場合には、UVカブリの問題は生
じないことを見出した。本発明者等は、このことは、ビ
スフェノールAポリカーボネートよりもポリエステルが
より多くの紫外線を吸収することにより、紫外線の一部
分がUVカブリの問題を生じる化学変化を引き起こすに十
分でかなりの量のトリアリールアミンにより吸収される
のを防止し、及び/又はポリエステル若しくはポリエス
テルとトリアリールアミンとのある種の錯体がUVにより
引き起こされる化学変化の発生を抑制若しくは防止する
ためであると考えた。
本発明者等は、CTLバインダーとしてこのようなポリ
エステルを有する要素には、残念ながら他の欠点がある
ことを見出した。即ち、このような要素は、CTLバイン
ダーとしてビスフェノールAポリカーボネートを利用す
る要素よりも、可視又は赤外化学線に対する感度がかな
り低い(低速度と呼ばれることがある)。例えば、ある
場合には、このようなポリエステルがCTLバインダーで
あるときには、ビスフェノールAポリカーボネートがCT
Lバインダーであるときと比較して、−500ボルトから−
100ボルトまで初期均一静電界を放電(100ボルトスピー
ドと呼ばれることがある)するのに必要とする化学線へ
の露光量は、約55%多い。このことは、高速複写機の観
点から見て非常に大きな差である。即ち、CTLバインダ
ーとしてポリカーボネートを用いて複写機は同時に5回
の露光ができるのに対して、上記した特定のポリエステ
ルCTLバインダーを有する複写機は露光は3回である。
従って、このスピードに関するポリカーボネートの利点
を維持することが望ましいことは無論である。
〔発明により解決すべき課題〕
本発明は、ポリカーボネートCTLバインダーにトリア
リールアミンを用いた要素のUVカブリの問題を防止又は
最少限に抑えるとともに、同時に、ポリエステルCTLバ
インダーを用いた要素に固有のスピード損失を防止又は
最少限に抑える。再使用可能な感可視及び/又は赤外線
写真要素を提供する際に伴う問題を解決することを目的
とする。
〔課題を解決するための手段〕
特定のポリカーボネートと特定のポリエステルを包含
するバインダーの特定の重量比の混合物からCTLを生成
すると、意外にも、ポリエステルCTLバインダーのスピ
ード損失が最少限に抑えられるとともに、同時に、ポリ
カーボネートCTLバインダーに関するUVカブリの問題も
最少限に抑えられることが判明した。
従って、本発明によれば、トリアリールアミン電荷輸
送物質を含有する電荷輸送層を包含する多活性電子写真
要素において、前記電荷輸送層がポリ〔2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンカーボネート〕を包含
するポリカーボネートと、4,4′−(2−ノルボルニリ
デン)ジフェノール及びテレフタル酸及びアゼライン酸
から生成されるポリエステルとのバインダー混合物を包
含するとともに、前記ポリエステルに対するポリカーボ
ネートの重量比が9:1〜3:7の範囲であることを特徴とす
る多活性電子写真要素が提供される。
本発明は、可視及び/又は赤外線に感度を示すように
構成し且つ高分子CTLにトリアリールアミン電荷輸送物
質を含有する、再使用可能な多活性電子写真要素に関す
る。この種の要素、それらの製造及び使用については、
電子写真の技術分野においてよく知られているので、こ
のような要素、それらの製造及び使用については、再説
明の必要がなく、ここでは説明を行わない。このような
要素、それらの製造及び使用については、例えば、米国
特許第3,041,166号、第3,165,405号、第3,394,001号、
第3,679,405号、第3,725,058号、4,578,334号、第4,66
6,802号、第4,702,396号及び第4,719,163号に記載され
ている。このような周知の要素と本発明の要素の間の唯
一の差異は、CTLに特定のバインダーの特定の混合物を
使用することにある。
ポリカーボネート:ポリエステルの重量比が、上記し
たように9:1〜3:7の範囲内にあるとき、本発明の目的は
十分に達成されるが、ポリエステルが2つのバインダー
の混合物の20〜40%を占める場合には、ポリエステルの
UVカブリ防止の特徴の実質的に全てとポリカーボネート
のスピード上の利点のほとんど全てが維持されることが
判明した。
ポリエステルを生成する際に使用するアゼライン酸に
対するテレフタル酸の比は、本発明の有益な効果につい
ては重要であるとは思われない。
本発明は、トリアリールアミンがCTLにおいて電荷輸
送物質として役立つときに適用できる。
又、本発明の多活性電子写真要素が、再使用可能な多
活性電子写真要素に有効であることが知られている、一
般的に、例えば、下塗り層、オーバーコート層、バリヤ
ー層、遮蔽層、均展材、界面活性剤、可塑剤、増感剤及
び放出剤等の任意の更なる層及び成分のいずれをも含有
することができることは言うまでもない。
〔実施例〕
以下、実施例により、本発明の電子写真要素を更にい
くつか説明するとともに、それらの特性及び性能を本発
明の範囲外の要素と比較する。
実施例 1 本発明の電子写真要素を次のようにして製造した。
厚さ178μmのポリ(エチレンテレフタレート)フィ
ルムとその上に真空蒸着した導電性ニッケル薄層を包含
する導電性支持体を使用した。
ポリ(アクリロニトリル−co−ビニリデンクロリド)
(モル比17:83)4.8gをメチルエチルケトン1.2kgに溶解
した溶液を導電性支持体のニッケル表面に塗布して接着
層を形成後、乾燥した。乾燥後の被覆面積は21.5mg/m2
であった。
電荷発生物質であるN,N′−ビス(2−フェネチル)
ペリレン−3,4,9,10−ビス(ジカルボキシミド)を、抵
抗加熱タンタルルツボから温度約181℃、圧力1.14x10-3
Pa及びルツボ−基板距離25cmの条件で、接着層上に電荷
発生層を被覆面積380mg/m2で真空蒸着した。
電荷輸送層を製造するために、暗室で、溶媒であるジ
クロロメタン606.8gに、電荷輸送物質として4,4′−ビ
ス(ジエチルアミノ)テトラフェニルメタン0.19g、ト
リアリールアミン電荷輸送物質のとして1,1−ビス〔4
−(ジ−4−トリルアミン)フェニル〕−3−フェニル
プロパン30.0gを分散し、この溶媒に、ポリ〔2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパンカーボネート〕
〔米国モーベイケミカル社(Mobay Chemical Co.)によ
りマクロロン(Makrolon)5705(商品名)として販売さ
れているビスフェノールAポリカーボネート〕30.24g、
4,4′−(2−ノルボルニリデン)ジフェノールとテレ
フタル酸−アゼライン酸(モル比40:60)(ポリカーボ
ネート:ポリエステル重量比7:3となる量)とのポリエ
ステル12.96g、第三ポリマーであるポリ(エチレン−co
−ネオペンチレンテレフタレート)(モル比55:45)
(接着促進剤として役立つ)1.8g及び米国のダウコーニ
ング社によりDC510(商品名)として販売されているシ
ロキサン界面活性剤0.19gを添加した。この混合物を24
時間撹拌して溶媒にポリマーを溶解後、電荷発生層上に
塗布して乾燥し、乾燥被覆面積23.7g/m2(厚さ約22μ
m)の電荷輸送層を形成した。
得られた電子写真要素を、一般的な室内蛍光灯(一般
的にかなりの量の紫外線出力を有する)に照度753ルク
スで15分間当てることにより、紫外線への外来露光をシ
ュミレートした。
次に、電子写真要素を、まず均一に要素を−500ボル
トに帯電させ、最初のサイクルにおいて要素を−100ボ
ルトまで放電させるのに十分な量の可視光線をCTLを介
して要素に照射(像露光のシュミレーション)し、その
後、要素を過剰の可視光線に当てて残存電荷を消去する
ことからなる操作を500サイクル行った。電荷を−500ボ
ルトから−100ボルトに減少するのに要する可視光線へ
の像露光量は、最初の操作サイクル中3.6エルグ/cm2
しかなかった。500サイクルの操作後、過剰照射による
消去後の要素に残存している残留電位は約−40ボルトで
しかなかった。
このことから、要素は、速度が非常に早く且つUVカブ
リが非常に少ないことが分かる。
ポリエステルを生成するテレフタル酸:アゼライン酸
のモル比が60:40又は80:20のときにも同様な結果が得ら
れる。
又、CTL中のトリアリールアミン電荷輸送物質がトリ
−トリルアミン又は1,1−ビス(4−ジ−p−トリルア
ミノフェニル)シクロヘキサンであるときも同様な結果
が得られる。
実施例2〜7及び比較例(対照A〜D) 本発明の相乗効果を更に説明するために、本発明の範
囲内の更なる実施例2〜7の電子写真要素及び本発明の
範囲外の比較例A〜Dの対照要素を、製造し試験した。
これらの全ての実施例の要素は、ポリエステルに対す
るポリカーボネートの重量比を各実施例ごとに相違させ
た(重量比を計算する際、接着促進剤としてCTLに含有
せしめた少量の第三ポリマーは無視した)意外は、実施
例1と全く同様の方法で製造及び試験した。結果を表1
に示す。
表1に示す結果から、ポリカーボネート:ポリエステ
ル比が90:10以下のときには、UVカブリの問題が十分に
小さくなり、その結果、要素を−500ボルトから−100ボ
ルトに放電する工程を包含する操作において十分に再使
用可能(500サイクル後残留電位が−100ボルト未満のま
まである)の状態にあること、即ち、ポリエステルがバ
インダー混合物の10重量%しか占めていないときでも、
ポリエステルのUVカブリ防止性の大部分が発揮されるこ
とが分かる。
又、表1の結果から、ポリカーボネート:ポリエステ
ル比が30:70以上のときには、スピード損失が十分に小
さくなり、その結果、要素を−500ボルトから−100ボル
トに放電する工程を包含する操作において露光量は比較
的低くてすむ、即ち、ポリカーボネートがバインダー混
合物の30重量%しか占めていないときでも、ポリカーボ
ネートのスピード上の利点が保たれることが分かる。
更に、表1の結果から、ポリカーボネート:ポリエス
テル比が9:1〜3:7の範囲外である対照要素の場合には、
UVカブリが許容できないほど大きいか又はスピード損失
が非常に大きいことが分かる。
〔発明の効果〕
驚くべきことに、本発明の電子写真要素では、ポリカ
ーボネートがバインダー混合物の主要部分を占めていな
い場合でも、CTLにおいてポリカーボネートバインダー
のみを有するもののスピード上の利点の大部分が提供さ
れ、且つポリエステルバインダーがバインダー混合物の
主要部分を占めていない場合でも、CTLにおいてポリエ
ステルバインダーのみを有するもののUVカブリ防止特性
の大部分が提供される。従って、この効果は相乗的であ
る。
又、この相乗効果は、上記で定義した特定のバインダ
ーに特徴的なものである。ビスフェノールAポリカーボ
ネートを単にポリエステルと組み合わせただけでは、必
ずしも好ましい効果が得られない。例えば、ビスフェノ
ールAポリカーボネートを、代わりに異種のポリエステ
ル、例えば、ポリ(エチレン−co−ネオペンチレンテレ
フタレート)又はビスフェノールAとアゼライン酸から
生成したポリエステル若しくはエチレングリコールと1,
1,3−トリメチル−3−(4−カルボキシフェニル)−
5−インダンカルボン酸から生成したポリエステルと、
上記で定義した範囲内の重量比で組み合わせても、UVカ
ブリの問題を十分防止しないばかりでなく十分なスピー
ドの維持もできなかった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ジョセフ アンソニー パフリスコ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14534, ピッツフォード,ウエスト ブルームフ ィールド ロード 433 (56)参考文献 特開 昭62−212660(JP,A) 特開 昭50−151152(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トリアリールアミン電荷輸送物質を含有す
    る電荷輸送層を包含する多活性電子写真要素において、
    前記電荷輸送層がポリ〔2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
    ェニル)プロパンカーボネート〕を包含するポリカーボ
    ネートと、4,4′−(2−ノルボルニリデン)ジフェノ
    ール及びテレフタル酸及びアゼライン酸から生成される
    ポリエステルとのバインダー混合物を包含するととも
    に、前記ポリエステルに対するポリカーボネートの重量
    比が9:1〜3:7の範囲であることを特徴とする多活性電子
    写真要素。
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