JPH09106090A - 光導電性要素及びその製造方法 - Google Patents

光導電性要素及びその製造方法

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JPH09106090A
JPH09106090A JP8230412A JP23041296A JPH09106090A JP H09106090 A JPH09106090 A JP H09106090A JP 8230412 A JP8230412 A JP 8230412A JP 23041296 A JP23041296 A JP 23041296A JP H09106090 A JPH09106090 A JP H09106090A
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layer
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pat
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JP8230412A
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English (en)
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Douglas E Bugner
イー.バッグナー ダグラス
Paul D Vandervalk
ディー.バンダーバルク ポール
Marie B Oregan
ビー.オレガン マリー
Hal E Wright
イー.ライト ハル
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G5/00Recording members for original recording by exposure, e.g. to light, to heat, to electrons; Manufacture thereof; Selection of materials therefor
    • G03G5/14Inert intermediate or cover layers for charge-receiving layers
    • G03G5/142Inert intermediate layers

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水性媒体から容易に塗布できかつ正電荷の注
入をよく阻止できる電気的バリア層を有する光導電性要
素を提供する。 【解決手段】 導電性支持体及び化学線に露光した場合
に正電荷キャリヤを発生することができる光導電性材料
を含んで成る光導電性要素であって、前記支持体及び前
記光導電性材料の間に位置する、前記導電性支持体由来
の正電荷キャリヤの注入を阻止する、ポリエステルアイ
オノマーを含む電気的バリア層を有する光導電性要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真に関す
る。具体的には、本発明は、電荷バリア層を有する新規
な光導電性要素に関する。さらに、この新規な光導電性
要素の製造方法にも関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子写真複写機及びプリンター
に有用な光導電性要素は、暗所で絶縁するが、化学線に
対する露光時に導電性となる光導電性層を有する導電性
支持体から構成される。画像を形成するためには、この
要素の表面を暗所で静電気で均一に帯電させ、そして化
学線のパターンに対して露光する。照射を受けた光導電
性層の領域では、その表面に移動して表面電荷を散逸さ
せる移動性電荷キャリヤを発生する。これにより非照射
領域に静電潜像として知られている電荷パターンを残
す。この潜像を、それが形成される面かもしくは転写さ
れる別の面のいずれかで、微小分割された帯電トナー粒
子を有する液体もしくは乾燥現像剤を適用して現像する
ことができる。
【0003】光導電性要素は、単一もしくは複数の作用
層を含んで成ることができる。複数の作用層を有するも
の(マルチアクティブ要素ともいう)は、少なくとも一
層の電荷発生層及び少なくとも一層のn型もしくはp型
電荷輸送層を有する。化学線の下で、電荷発生層は、移
動性電荷キャリヤを発生し、そして電荷輸送層がその電
荷キャリヤが要素の表面に移動するのを助け、その表面
で一定の静電荷を放散し静電潜像を形成する。
【0004】光導電性要素では電荷バリア層も有用であ
り、導電性層と電荷発生層との間に形成して導電性層か
らの望ましくない電荷キャリヤの注入を阻止する。光導
電性要素のバリア層に用いられる種々のポリマー類が知
られている。例えば、Hungの米国特許第5,128,2
26号明細書には、n型電荷輸送層及びバリア層を有す
る光導電性要素が記載されており、バリア層は特定のビ
ニルコポリマーから成っている。Steklenski等の米国特
許第4,082,551号明細書には、電気的バリアと
して硝酸セルロースを含む二層系を開示するTrevoyの米
国特許第3,428,451号明細書が引用されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、既知のバリア
層材料は、特に、p型電荷輸送層を有する要素と一緒に
用いると、ある種の欠点を有する。特に、既知のバリア
層材料は、光導電性要素の導電性層からの正電荷(「正
孔」ともいう)の注入を十分に阻止しない。さらに、バ
リア層材料として提案されているある種のポリマーは、
光導電性要素の層としてコートするのが困難であるか、
もしくは有機溶剤を必要とする。従って、負に帯電し、
p型光導電物質を有し、そして水性媒体から容易に塗布
できかつ正電荷の注入をよく阻止できる電気的バリア層
を有する光導電性要素の要求が存在する。本発明はその
ような要求に適合する新規な光導電性要素を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の光導電性要素
は、導電性支持体及び化学線に露光した場合に正電荷キ
ャリヤを発生することができる光導電性材料を含んで成
り、前記要素は、前記支持体及び前記光導電性材料の間
に位置する前記導電性支持体由来の正電荷キャリヤの注
入を阻止する電気的バリア層を有し、前記バリア層はポ
リエステルアイオノマーを含んで成る。
【0007】好ましい態様では、バリア層は、導電性支
持体を被覆するポリエステルアイオノマーの水性分散体
から形成される。本発明の方法は、導電性支持体上に、
バリア層としてポリエステルアイオノマーの水性分散体
を塗布すること、前記バリア層上に電荷発生層を塗布す
ること、そして前記電荷発生層上にp型電荷輸送層を塗
布することを含んで成る。
【0008】
【発明の実施の形態】図面に具体的に示すように、本発
明の光導電性要素10は、ポリマーフィルム支持体11
を含んで成る。この支持体上に電気導電性層12を塗布
する。この導電性層上にポリエステルアイオノマーを含
んで成るバリア層13を塗布し、このバリア層は、前記
導電性層由来の正電荷(正孔)の注入を阻止する。この
バリア層上に電荷発生層14を塗布し、電荷発生層上に
p型電荷輸送層15を塗布する。p型電荷輸送層は、光
導電性要素10の表面16上の負電荷を消滅させるため
に、層14で発生した正電荷キャリヤを輸送することが
できる。
【0009】前記光導電性要素の電荷発生層及び電荷輸
送層を、その上に真空蒸着されたニッケルのような導電
性層12で被覆されている図面中の支持体11のよう
な、それ自体が電気的に導電性である支持体材料もしく
は、不導電性基体を含んで成る支持体材料のいずれかを
意味する「導電性支持体」上に塗布する。この支持体
は、例えば、シート、ドラム、もしくはエンドレスベル
トのような適切な形状で作ることができる。
【0010】「導電性支持体」の例には、紙(20%を
超える相対湿度で);アルミニウム−紙積層体;アルミ
ニウム箔、亜鉛箔等の金属箔;アルミニウム、銅、亜
鉛、真鍮等の金属板もしくはドラム、及び亜鉛メッキ板
もしくはドラム;、紙もしくは酢酸セルロース、ポリエ
チレンテレフタレートポリスチレン等のような通常の写
真フィルムベースにコートされた、銀、クロム、ニッケ
ル、アルミニウム等の蒸着金属層が含まれる。クロム、
ニッケル等の導電材料を、それと共に調製される電子写
真要素をその一方の側から露光可能にするのに十分な薄
い層で、透明フィルム支持体上に真空蒸着することがで
きる。特に有用な導電性支持体を、ポリエチレンテレフ
タレートのような支持体材料を、樹脂中に分散した半導
体を含有する導電性層で被覆することによって調製する
ことができる。そのような導電性層(電気的バリア層を
有するもの及び有しないもの)が、Trevoyの、米国特許
第3,245,833号(1966年4 月12日発行)明細書
に記載されている。他の有用な導電性層には、少なくと
も一種の無機酸化物及び約30〜約70重量%の少なく
とも一種の導電性金属の完全混合物から本質的に成る組
成物が含まれる[例えば、Rasch の米国特許第3,88
0,657号(1975年4 月29日発行)明細書に記載され
ている真空蒸着されたサーメット導電性層]。同様に、
適合する導電性コーティングを、無水マレイン酸カルボ
キシエステルラクトン及び酢酸ビニルポリマーのナトリ
ウム塩から調製することができる。そのような種類の導
電層及びその調製方法並びに用途は、Minsk の、米国特
許第3,007,901号(1961年11月7 日発行)及び
Sterman 等の、米国特許第3,262,807号(1966
年7 月26日発行)各明細書に記載されている。
【0011】用語「ポリエステルアイオノマー」は、ポ
リマーを水分散性にするのに十分な数のイオン性部分を
含有するポリエステルをいう。導電性支持体由来の正孔
の注入を阻止し、それによって画像欠陥もしくは複写欠
陥を著しく減少させる本発明の光導電性層のバリア層を
構成するポリマーを、広くポリエステルアイオノマーと
して定義することができる。これらのポリエステル類
を、一種以上のジカルボン酸又はアンヒドライド類、ジ
エステル類もしくは二価酢酸ハロゲン化物のようなそれ
らの官能的等価物を一種以上のジオール類と溶融相重縮
合技法で反応させて調製する。水分散性に必要なイオン
性部分を、ジカルボン酸中もしくはジオール反応物中、
又はその両方に含んでもよい。ポリエステルアイオノマ
ーの調製手順は、米国特許第3,018,272号、同
3,563,942号、同3,734,874号、同
3,779,993号、同3,929,489号、同
4,307,174号各明細書に記載されている。
【0012】本発明のバリア層に用いるポリエステルア
イオノマーは、第一ジカルボン酸;イオン性スルフェー
ト基に結合した芳香核を有する第二ジカルボン酸;及び
脂肪族脂環式、もしくはアラルキルジオール化合物、又
はそれらの混合物、の重合反応生成物を含んで成る。第
二ジカルボン酸は、第一及び第二ジカルボン酸の総モル
数の約1〜40モル%から成る。
【0013】第一ジカルボン酸又はそのアンヒドライ
ド、ジエステル、もしくは二価酸ハロゲン化物官能等価
物を次式で表すことができる:
【0014】
【化1】
【0015】(式中、R1 は、芳香族基もしくは脂肪族
基であるか、又は芳香族基及び脂肪族基の両方を含
む)。そのような酸の例には、イソフタル酸、5−t−
ブチルイソフタル酸、1,1,3−トリメチル−3−4
−(4−カルボキシルフェニル)−5−インダンカルボ
ン酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、もしくはそれらの混合物が含まれる。また、前記第
一の酸は、次式: HOOC−(CH2n −COOH (式中、nは、2〜12である)の脂肪族二価酸、例え
ば、コハク酸、アジピン酸等となることができる。好ま
しくは第一ジカルボン酸は、芳香族酸もしくはそれらの
官能的等価物であり、最も好ましくは、イソフタル酸で
ある。
【0016】第二ジカルボン酸は、スルホン酸基又はそ
の金属塩もしくはアンモニウム塩であるイオン性部分を
含有する水分散性芳香族酸である。それらの例には、ス
ルホテレフタル酸、スルホナフタレンジカルボン酸、ス
ルホフタル酸、スルホイソフタル酸、及び5−(4−ス
ルホフェノキシ)イソフタル酸、又はそれらと官能的に
等価のアンヒドライド、ジエステル、もしくは二価酸ハ
ロゲン化物の、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩
もしくはアンモニウム塩が含まれる。最も好ましくは、
第二ジカルボン酸は、5−スルホイソフタル酸もしくは
ジメチル5−スルホイソフタレートの可溶性塩を含む。
本発明のバリア層として用いるポリエステルアイオノマ
ーのイオン性ジカルボン酸反復単位は、ジカルボン酸の
総モル数の、約1〜約40モル%、好ましくは約5〜2
5モル%からなる。
【0017】適切なジオール類は次式で表される: HO−R2 −OH (式中、R2 は、脂肪族、脂環式、もしくはアラルキル
である)。有用なジオール化合物の例には、次のものが
含まれる:エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−プ
ロパンジオール、4,4’−イソプロピリデン−ビスフ
ェノキシジエタノール、4,4’−インダンイリデン−
ビスフェノキシジエタノール、4,4’−フルオレンイ
リデン−ビスフェノキシジエタノール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、2,2’−ジメチル−1,3−
プロパンジオール、p−キシリレンジオール、及び一般
式:
【0018】
【化2】
【0019】(式中、nは、2〜10である)を有する
グリコール類。ジエチレングリコール、1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール、及びそれらの混合物が特に好ま
しい。前記ポリエステルアイオノマーは、約60℃以
下、好ましくは約25℃〜60℃のガラス転移温度(T
g )を有する。N. F. Mott及びE. A. Davis の、「Eloc
tronic Processes in Non-Crystalline Material」, Ox
ford University Press,Belfast, 1971, 192 頁に記載
されている示差走査熱量計もしくは示差走査熱分析のよ
うな技法によって、Tg 値を決定することができる。本
発明の光導電性要素のバリア層用に好ましいポリエステ
ルアイオノマーには、EASTMAN AQ(商標)(Eastman Ch
emical Company, Kingsport, Tennessee、製のポリマー
類)が含まれる。これらのポリマー類は、有機溶剤、、
界面活性剤、もしくはアミン類の補助無しで水に直接分
散する比較的高分子量(Mn は、約14,000〜1
6,000)の非晶質ポリエステルである。
【0020】この水分散性は、イオン性置換基、例え
ば、ポリマー中のソジオスルホ部分(SO3 - Na+
の存在に大部分起因している。一般的に、ポリマー分子
は5〜8個のソジオスルホ置換基を有する。これらのポ
リマーの特性及び用途は、Eastman Chemical Companyの
公開No.GN−389B(1990年5 月)に記載されて
いる。特に好ましいものは、ポリ[1,4−シクロヘキ
シレンジメチレン−コ−2,2’−オキシジエチレン
(46/54)イソフタレート−コ−5−ソジオスルホ
−1,3−ベンゼンジカルボキシレート(82/1
8)](EASTMAN AQ(商標)55ポリマー、Tg 55℃、
Eastman Chemical Co.製);ポリ[1,4−シクロヘキ
シレンジメチレン−コ−2,2’−オキシジエチレン
(22/78)イソフタレート−コ−5−ソジオスルホ
−1,3−ベンゼンジカルボキシレート(89/1
1)](EASTMAN AQ(商標)38ポリマー、Tg 38℃、
Eastman Chemical Co.製);及びポリ[2,2−オキシ
ジエチレンイソフタレート−コ−5−ソジオスルホ−
1,3−ベンゼンジカルボキシレート(89/11)]
(EASTMAN AQ(商標)29ポリマー、Tg 29℃、Eastma
n Chemical Co.製)である。
【0021】そのような好ましいポリマーにおいて、モ
ノマーのモル比は、実質的に変わることができ、それで
も良好な結果を与える。一般的に、そのような特に好ま
しいポリマーを、ポリ[1,4−シクロヘキシレンジメ
チレン−コ−2,2’−オキシジエチレン(x/100
−x)イソフタレート−コ−5−ソジオスルホ−1,3
−ベンゼンジカルボキシレート(100−y/y)]
(ここで、xは0から70モル%であり、yは5〜40
モル%である)として定義することができる。その比、
xが0から40モル%であり、yが5〜25モル%であ
る場合に、最良の結果が得られる。
【0022】本発明の光導電性要素のバリア層用に特に
適した別のポリエステルアイオノマーが、米国特許第
4,903,039号及び同4,903,040号明細
書に記載されている。マロン酸塩及びイミノビス−スル
ホニルベンゾエートモノマー類を含む他のポリエステル
類は、米国特許第4,903,041号明細書に記載さ
れている。
【0023】例えば、ナイフコーティング、スプレーコ
ーティング、スワール(swirl )コーティング、押出ホ
ッパーコーティング等の技法を用いて、前記ポリエステ
ルアイオノマーの水性分散体を導電性支持体上にコーテ
ィングすることによって、このバリア層組成物を適用す
ることができる。導電性支持体に適用後、コーティング
を空気乾燥してもよい。記載したポリエステルアイオノ
マーの重要な利点は、そのイオン性部分がポリマーを水
分散性にし、バリア層を形成するためにそれを水性分散
体としてコート可能にすることである。しかし、必要な
らば、ポリエステルアイオノマーを有機溶剤の溶液もし
くは分散体としてコートできることも理解すべきであ
る。
【0024】光導電性電荷発生層をそのバリア層上に適
用する。好ましくは、この電荷発生層は、米国特許第
4,471,039号明細書に記載される、ポリマーバ
インダーもしくは真空昇華された顔料に分散された光導
電性物質(即ち、光導電剤)、又は米国特許第4,17
5,960号明細書に記載される凝集層を含んで成る。
この層は広範囲にわたって変わる厚さをもつことがで
き、典型的な厚さは、約0.05〜約6μmの範囲であ
る。当業者が認めるように、層厚が増すにつれて、入射
放射線のより大きな割合を層によって吸収するが、画像
形成にその後寄与しない電荷キャリヤを捕獲する可能性
も増加する。従って、そのような層の最適な厚みは、こ
れらの競合する効果間のバランスの構成要素となること
ができる。
【0025】電荷発生層では、多種多様の有機及び無機
材料を用いることができる。無機材料には、例えば、酸
化亜鉛、酸化鉛及びセレンが含まれる。有機材料には、
種々の粒状有機顔料材料及びメタロ有機及びポリマー有
機光導電性物質を含む多種多様の可溶性有機化合物が含
まれる。代表的な光導電性材料の一部は、例えば、リサ
ーチディスクロージャー、109 巻、1973年5 月、61頁、
IV(A) 章、タイトル「Electrophotograph Element 」に
掲載されている。この電荷発生層に使用するのに適した
有機光導電性物質の例には、米国特許第4,727,1
39号明細書に記載されるようなブロモインジウムフタ
ロシアニン顔料等のフタロシアニン顔料;米国特許第
4,701,396号明細書に記載されるようなチタニ
ルフタロシアニン顔料;米国特許第4,175,960
号明細書に記載されるような凝集物;もしくは米国特許
第4,719,163号明細書に記載されるようなペリ
レン化合物が含まれる。
【0026】多種多様の色素もしくは分光増感化合物、
例えば、米国特許第3,250,615号明細書に記載
されるような、ピリリウム、ビスピリリウム、チアピリ
リウム、及びセレナピリリウム色素塩等の種々のピリリ
ウム塩類;7,12−ジオキソ−13−ジベンゾ(a,
h)フルオレン等のフルオレン類;米国特許第2,61
0,120号明細書に記載される種類の芳香族ニトロ化
合物;米国特許第2,670,284号明細書に記載さ
れるようなアントロン類;米国特許第2,670,28
6号明細書に記載されるようなキノン類;米国特許第
2,670,287号明細書に記載されるもののような
ベンゾフェノン類;米国特許第3,732,301号明
細書に記載されるもののようなチアゾール類を用いるこ
とができる。また、シアニン(カルボシアニン及びメロ
シアニンを含む)、ジアリールメタン、チアジン、アジ
ン、オキサジン、キサンテン、フタレイン、アクリジ
ン、アゾ、アントラキノン色素、及びそれらの混合物等
の種々の別の色素も用いることができる。
【0027】溶液のコーティング組成物から、光導電性
物質、もしくは光導電性物質の混合物を通常塗布して、
本発明で提供するタイプのバリア層上の要素に電荷発生
層を形成する。また、溶解固体として光導電層には、バ
インダーポリマー及び必要に応じて添加剤が一般的に存
在する。一般的に、そのような組成物を溶剤もしくは溶
剤混合物と一緒に前記成分を配合して調製することがで
きる。
【0028】バインダーポリマーとして、種々の疎水性
有機ポリマー類を用いることができる。好ましくは、こ
れらのポリマー類は、有機溶剤に溶解性であり、固体状
で絶縁耐力及び絶縁性を有する。適切なポリマー類に
は、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー;ポリビ
ニルトルエン−スチレンコポリマー;シリコーン樹脂;
スチレンアルキド樹脂;シリコーン−アルキド樹脂;大
豆−アルキド樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデ
ン;塩化ビニリデン−アクリロニトリルコポリマー;ポ
リ酢酸ビニル;酢酸ビニル−塩化ビニルコポリマー;ポ
リビニルアセタール(例えば、ポリビニルブチラー
ル);ポリアクリル酸及びメタクリル酸エステル(例え
ば、ポリメチルメタクリレート、ポリn−ブチルメタク
リレート、ポリイソブチルメタクリレート等);ポリス
チレン;硝化ポリスチレン;ポリメチルスチレン;イソ
ブチレンポリマー;ポリエステル(例えば、ポリ[エチ
レン−コ−アルキレン−ビス(アルキレン−オキシアリ
ール)フェニレンジカルボキシレート]);フェノール
ホルムアルデヒド樹脂;ケトン樹脂;ポリアミド;ポリ
カーボネート;ポリ[エチレン−コ−イソプロピリデン
−2,2−ビス(エチレン−オキシフェニレン)テレフ
タレート];ビニルハロアリーレート及び酢酸ビニルの
コポリマー(例えば、ポリ(ビニル−m−ブロモベンゾ
エート−コ−酢酸ビニル);塩素化ポリオレフィン類
(例えば、塩素化されたポリエチレン)、等が含まれ
る。好ましいポリマーは、ポリカーボネート類及びポリ
エステル類である。
【0029】米国特許第4,127,412号明細書に
教示するような1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミ
ノフェニル)シクロヘキサン;トリ−p−トリルアミン
等のような一種以上の正孔供与剤も加えることができ
る。均展材(leveler )のような塗布助剤、界面活性
剤、架橋剤、着色剤、可塑剤等も加えることができる。
コーティング組成物に存在する各添加剤の量は、所望さ
れる成果及びユーザーの選択によって変わることができ
る。
【0030】バリア層組成物をコーティングする場合に
記載したようなの技法を用いて、前記組成物をバリア層
上にコーティングすることによって、この光導電性電荷
発生層組成物を適用することができる。コーティング後
に、電荷発生層組成物を空気乾燥してもよい。電荷輸送
層は、電荷発生層に生成した正電荷キャリヤを輸送する
ことができる、有機もしくは無機のいずれの材料も含ん
で成ることができる。正電荷(正孔)及び負電荷(電
子)の両方を輸送する既知の材料が存在するが、多くの
電荷輸送材料は、正電荷もしくは負電荷のいずれかを受
け入れ、そして輸送する。正電荷キャリヤの電導に選択
性を示す輸送材料は、p型輸送材料と呼ばれるが、負電
荷の電導に選択性を示す輸送材料は、n型輸送材料と呼
ばれる。
【0031】種々のp型有機電荷輸送材料を、本発明に
従う電荷輸送層に用いることができる。正電荷キャリヤ
を輸送することができる種々の有機光導電性材料のいず
れも用いることができる。代表的なp型有機光導電性材
料には次のものが含まれる: 1.カルバゾール、N−エチルカルバゾール、N−イソ
プロピルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール、ハ
ロゲン化カルバゾール、種々のポリマーカルバゾール材
料(例えば、ポリビニルカルバゾール、ハロゲン化ポリ
ビニルカルバゾール)等を含むカルバゾール材料。
【0032】2.モノアリールアミン類、ジアリールア
ミン類、トリアリールアミン類、並びにポリマーアリー
ルアミン類を含むアリールアミン含有材料。特定のアリ
ールアミン有機光導電物質の一部には、Klupfel 等の米
国特許第3,180,730号明細書(1965年4 月27日
発行)に図示されている非ポリマーのトリフェニルアミ
ン類;Fox の米国特許第3,240,597号明細書
(1966年3 月15日発行)に記載されているポリマートリ
アリールアミン類;Brantly 等の米国特許第3,56
7,450号明細書(1971年3 月2 日発行)に記載され
ている、少なくとも一つの水素含有基をもつビニルラジ
カルもしくはビニレンラジカルによって置換されている
少なくとも一つのアリールラジカルを有するトリアリー
ルアミン類;Brantly 等の米国特許第3,658,52
0号明細書(1972年4 月25日発行)に記載されている、
少なくとも一つのアリールラジカルが活性水素含有基に
よって置換されているトリアリールアミン類;及びトリ
トリルアミンが含まれる。特に好ましいものは、3,
3’−(4−p−トリルアミノフェニル)−1−フェニ
ルプロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノ
フェニル)シクロヘキサン、及びトリトリルアミンであ
る。
【0033】3.Noe 等の米国特許第3,274,00
0号明細書(1966年9 月20日発行)、Wilsonの米国特許
第3,542,547号明細書(1970年11月24日発
行)、及びRule等の米国特許第3,615,402号明
細書(1971年10月26日発行)、に記載されているタイプ
のポリアリールアルカン材料。好ましいポリアリールア
ルカン光導電性物質を次式によって表すことができる:
【0034】
【化3】
【0035】(式中、D及びGは、同じでも異なってい
てもよく、アリール基を表し、そしてJ及びEは、同じ
でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、もし
くはアリール基を表すが、D、E及びGの少なくとも一
つはアミノ置換基を有する)。電荷輸送材料として用い
ることができる特に有用なポリアリールアルカン光導電
性物質は、J及びEが、水素原子、アリール基、もしく
はアルキル基を表し、そしてD及びGが、それらの置換
基として次式:
【0036】
【化4】
【0037】(式中、Rは、フェニルのような非置換の
アリール基もしくはトリル基のようなアルキル置換され
たアリールである)で表される基を有する置換されたア
リール基を表す上記式をもつポリアリールアルカンであ
る。特に好ましいものは、4,4’−ビス(ジエチルア
ミノ)テトラフェニルメタンである。これらの後者のポ
リアリールアルカン類に関する追加の情報は、Rule等の
米国特許第4,127,412号明細書(1978年11月28
日発行)記載されている。
【0038】4.強電子吸引基が無い芳香族的に不飽和
にされた複素環式物質を含む芳香族物質のような強ルイ
ス塩基物質。そのような芳香族ルイス塩基物質の一部に
は、テトラフェニルピレン、1−メチルピレン、ペリレ
ン、クリセン、アントラセン、テトラフェン、2−フェ
ニルナフタレン、アザピレン、フルオレン、フルオレノ
ン、1−エチルピレン、アセチルピレン、2,3−ベン
ゾクリセン、3,4−ベンゾピレン、1,4−ブロモピ
レン、フェニルインドール、ポリビニルカルバゾール、
ポリビニルピレン、ポリビニルテトラセン、ポリビニル
ペリレン、及びポリビニルテトラフェンが含まれる。
【0039】5.本発明に用いることができる他の有用
なp型電荷輸送材料は、リサーチディスクロージャー、
109 巻、1973年5 月、61-67 頁、IV(A)(2)〜(13)章(p
型光導電性物質)、に記載されている有機光導電性材料
のような電子写真プロセスに有用であるとして知られて
いる、pタイプ有機光導電性物質(メタロ有機物質を含
む)である。
【0040】また、本発明の実施に有用なものは、正孔
もしくは電子のいずれも輸送できるバイポーラ電荷輸送
材料であり、例えば、Bugner等の米国特許第5,37
4,604号明細書、第5欄、第17行目から第6欄、
第6行目に記載されている安定遊離基である。本発明の
好ましい態様は、分離した電荷発生層及び電荷輸送層を
有するマルチアクティブ光導電性要素からなり、そのよ
うな要素は、優れた写真スピード及び導電性支持体由来
の正電荷の移動を阻止するバリア層の使用に大部分由来
する利益を提供する。しかし、本発明は、導電性支持体
と光導電性層との間にポリエステルアイオノマーバリア
層を有する単層型光導電性要素もまた包含すると理解す
べきである。そのような単層要素に関しても、導電性支
持体からの正孔の注入が問題である。従って、本発明に
従うバリア層を有するものはそのような要素に貴重な改
善を与える。
【0041】本発明の新規な光導電性要素によって解決
されるか減じられる重要な問題は、この光導電性材料を
通る導電性支持体からの正電荷キャリヤの望ましくない
移動である。そのような移動もしくは電荷注入が起きる
と、光導電性要素の表面電荷が、その表面の未露光領域
(即ち、化学線に露光されていない暗領域)で散逸され
る。その結果、帯電したトナーがこの光導電性表面と接
触すると、背景領域において望ましく無い現像を起こ
す。
【0042】負に帯電した光導電性要素を正に帯電した
トナー粒子と接触させる静電写真複写像の場合では、未
露光領域でのブレークダウンもしくは放電が画像中に白
色のスポットとして出現する。一方、負に帯電した光導
電性要素を負に帯電したトナーと接触させる(いわゆ
る、「放電領域現像」)高速レーザープリンターもしく
はLEDプリンターでは、導電性支持体からの正電荷注
入によって起きる欠陥が、ドキュメントに黒いスポット
として目立つであろう。これはかなり重要な欠陥である
ので、本発明の光導電性要素は、負に帯電したトナーを
用いる負に帯電した光導電体の現像において多くの重要
な利点を提供する。
【0043】以下の例により、本発明をさらに具体的に
説明する。
【0044】
【実施例】例1 順に塗布した、導電性支持体、バリア層(BL)、電荷
発生層(CGL)、及び電荷輸送層(CTL)からなる
マルチアクティブ型光導電性フィルムを次のように調製
した:3.5重量%のポリ[1,4−シクロヘキシレン
ジメチレン−コ−2,2’−オキシジエチレン(46/
54)イソフタレート−コ−5−ソジオスルホ−1,3
−ベンゼンジカルボキシレート(82/18)](EAST
MAN AQ(商標)55S ポリマーから得られる水分散性ポリ
エステルアイオノマー)及び蒸留水に分散された0.1
2重量%のOlin 10Gコーティング界面活性剤から成るバ
リア層溶液を、乾燥被覆量0.22g/m2 (0.02
g/ft2 )で、ニッケル処理した102μm(4ミ
ル)厚のポリエチレンテレフタレートフィルム導電性支
持体上にコートした。
【0045】49.5重量%のポリカーボネート(Lexa
n TM)、2.5重量%のポリエチレン−コ−2,2’−
ジメチルプロピレンテレフタレート)、39.25重量
%の1,1−ビス−[4−(ジ−4−トリルアミノ)フ
ェニル]シクロヘキサン、0.75重量%のジフェニル
ビス−(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、6.4
重量%の4−(4−ジメチルアミノフェニル)−2,6
−ジフェニルチアピリリウムヘキサフルオロホスフェー
ト凝集化色素、1.6重量%の4−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−2−(4−エトキシフェニル)−6−フ
ェニルチアピリリウムフルオロボレート凝集化色素、及
び2.4重量%の凝集「シード」(前もって調製した当
該CGL混合物の乾燥したペースト)から成るCGL混
合物を、乾燥被覆量6.5g/m2 (0.6g/ft
2 )で、その上にコートした。
【0046】このCGL混合物を、ジクロロメタン及び
1,1,2−トリクロロエタンの70/30(wt/wt )
混合物中8.5重量%で調製した。DC510 コーティング
界面活性剤を、総CGL混合物の0.01重量%の濃度
で加えた。第三層のCTLを、乾燥被覆量13.6g/
2 (1.25g/ft2 )で、CGL上にコートし
た。このCTL混合物は、60重量%のポリ[4,4’
−(2−ノルボルンイリデン)ビスフェニレンテレフタ
レート−コ−アゼレート−(60/40)]、19.7
5重量%の1,1−ビス−[4−(ジ−4−トリルアミ
ノ)フェニル]−シクロヘキサン、19.5重量%のト
リ−(4−トリル)アミン、及び0.75重量%のジフ
ェニルビス−(4−ジエチルアミノフェニル)メタンか
ら成っていた。このCTL混合物を、ジクロロメタン及
び酢酸メチルの70/30(wt/wt )混合物中10重量
%で調製した。DC510 コーティング界面活性剤を、総C
TL混合物の0.024重量%の濃度で加えた。
【0047】例2 バリア層の乾燥被覆量が0.54g/m2 (0.05g
/ft2 )であった以外は、例1に記載したのと同じよ
うに光導電性要素を調製した。例3 バリア層の乾燥被覆量が1.09g/m2 (0.10g
/ft2 )であった以外は、例1に記載したのと同じよ
うに光導電性要素を調製した。
【0048】例4 乾燥被覆量0.22g/m2 (0.02g/ft2 )で
バリア層として、別のポリエステルアイオノマー、即
ち、ポリ[1,4−シクロヘキシレンジメチレン−コ−
2,2’−オキシジエチレン(23/77)イソフタレ
ート−コ−5−ソジオスルホ−1,3−ベンゼンジカル
ボキシレート(88/12)](実験用ポリマー、East
man Chemical Co.製)を用いた以外は、例1に記載した
のと同じように光導電性要素を調製した。
【0049】例5 バリア層の乾燥被覆量が0.54g/m2 (0.05g
/ft2 )であった以外は、例4に記載したのと同じよ
うに光導電性要素を調製した。例6 バリア層の乾燥被覆量が1.09g/m2 (0.10g
/ft2 )であった以外は、例4に記載したのと同じよ
うに光導電性要素を調製した。
【0050】比較例7 CGLの下にバリア層をコートしなかった以外は、例1
に記載したのと同じように光導電性要素を調製した。比較例8 バリア層として、メチルエチルケトンの6重量%溶液か
ら乾燥被覆量1.3g/m2 (0.12g/ft2 )で
硝酸セルロースをコートした以外は、例1に記載したの
と同じように光導電性要素を調製した。
【0051】テスト手順 ブレークダウンの最少化においてバリア層の有効性を確
認し、バリア層が有害な副作用を起こすかどうかを測定
するために、例1〜8を以下のテスト手順で評価した。センシトメトリー 電荷受容、光減衰、及び暗減衰について各サンプルをテ
ストした。最初に、各サンプルを約−500Vの開始電
圧(V0 )にコロナ帯電させた。そして、この帯電を暗
所で2秒間減衰させ、次に680nmで約2erg/c
2 /秒を20秒間露光して光減衰させた。暗減衰(D
D)を、開始2秒間の帯電減衰(V/秒)の速度として
表す。DDが低いほど望ましい。光減衰(PD)を、実
0 の80%にフィルムを放電するのに要する露光量
(erg/cm2 )として定義する。PDが低いほどよ
い。露光完了後にフィルムサンプル上に残った電圧は、
「足電圧(Vt )」として知られている。Vt が低いほ
ど望ましい。各例のセンシトメトリーデータを次の表I
に記載する。
【0052】ブレークダウン 各例1〜8由来の三種類の光導電性要素のサンプルを約
−500Vにコロナ帯電させ、そして各サンプルを、3
0秒間、IsoparTM G炭化水素液体に懸濁している負に帯
電した極微粒子のトナー粒子を含有する液体エレクトロ
スコピック現像剤中に漬けた。各サンプルを室温で2分
間、次に60℃で2分間空気乾燥した。そして、各サン
プルを24倍率で見て、5cm×5cm(2インチ×2
インチ)フィルムサンプル上の三つの別々の1mm2
囲を、各範囲毎に黒いスポットの数を数えてブレークダ
ウンを評価した。このようにして、例1〜8のそれぞれ
について、計9回(3サンプル×三つの1mm2 範囲/
サンプル)測定した。ブレークダウンスポットの総数を
9回の測定全体に渡って合計し、9で割って各サンプル
のブレークダウンスポット/mm2 の平均数を得た。ブ
レークダウンスポット数が少ないほど良い。各例のブレ
ークダウンデータを表Iに記載する。
【0053】電気的粒状度 例1〜8のそれぞれの表面電荷の均一性を、各フィルム
のサンプルを約−500Vにコロナ帯電させ、そして上
方約120mmの距離で実測した電圧の標準偏差(σ)
を測定して評価した。σ値が小さいほど、より均一な電
荷受容(即ち、より小さい電気的粒状度)を示す。各例
の電気的粒状度データを表Iに記載する。
【0054】
【表1】
【0055】表1のデータは、バリア層を有しない対照
例(比較例7)と比較すると、本発明の例1〜6(それ
ぞれ、薄いポリエステルアイオノマーバリア層を有す
る)が、センシトメトリーもしくは電気的粒状度を悪く
しないで、ブレークダウンスポットの発生を実質的に減
少することを示す。さらに、硝酸セルロースバリア層
(例8)は、本発明のバリア層よりも、光減衰が高くな
り、Vt が高くなりそして電気的粒状度が高くなる傾向
がある。別の一連のバリア層フィルムを同一条件下でコ
ートし、以下の別の方法で有用性を評価した。
【0056】例9 順に塗布した、導電性支持体、バリア層(BL)、電荷
発生層(CGL)、及び電荷輸送層(CTL)からなる
マルチアクティブ型光導電性フィルムを次の組成物及び
条件で調製した:5重量%のポリ[1,4−シクロヘキ
シレンジメチレン−コ−2,2’−オキシジエチレン
(22/78)イソフタレート−コ−5−ソジオスルホ
−1,3−ベンゼンジカルボキシレート(89/1
1)](EASTMAN Chemical Co.製AQ(商標)38ポリマー
から得られる水分散性ポリエステルアイオノマー)及び
蒸留水に分散された0.12重量%のOlin 10Gコーティ
ング界面活性剤から成るバリア層溶液を、乾燥被覆量
0.54g/m2 (0.05g/ft2 )で、ニッケル
処理した177μm(7ミル)のポリエチレンテレフタ
レート支持体上にコートした。49.5重量%のポリカ
ーボネート(Lexan TM)、2.5重量%のポリエチレン
−コ−2,2’−ジメチルプロピレンテレフタレー
ト)、39.25重量%の1,1−ビス−[4−(ジ−
4−トリルアミノ)フェニル]シクロヘキサン、0.7
5重量%のジフェニルビス−(4−ジエチルアミノフェ
ニル)メタン、6.4重量%の4−(4−ジメチルアミ
ノフェニル)−2,6−ジフェニルチアピリリウムヘキ
サフルオロホスフェート、1.6重量%の4−(4−ジ
メチルアミノフェニル)−2−(4−エトキシフェニ
ル)−6−フェニルチアピリリウムフルオロボレート凝
集化色素、及び2.4重量%の凝集「シード」(前もっ
て調製した当該CGL混合物の乾燥したペースト)から
成るCGL混合物を、乾燥被覆量6.6g/m2 (0.
61g/ft2 )で、その上にコートした。
【0057】このCGL混合物を、ジクロロメタン及び
1,1,2−トリクロロエタンの80/20(wt/wt )
混合物中8.5重量%で調製した。DC510 コーティング
界面活性剤を、総CGL混合物の0.01重量%の濃度
で加えた。第三層(CTL)を、乾燥被覆量13g/m
2 (1.2g/ft2 )で、CGL上にコートした。こ
のCTL混合物は、60重量%のポリ[4,4’−(2
−ノルボルンイリデン)ビスフェニレンテレフタレート
−コ−アゼレート−(60/40)]、19.75重量
%の1,1−ビス−[4−(ジ−4−トリルアミノ)フ
ェニル]−シクロヘキサン、19.5重量%のトリ−
(4−トリル)アミン、及び0.75重量%のジフェニ
ルビス−(4−ジエチルアミノフェニル)メタンから成
っていた。このCTL混合物を、ジクロロメタン及び酢
酸メチルの70/30(wt/wt )混合物中10重量%で
調製した。DC510 コーティング界面活性剤を、総CTL
混合物の0.024重量%の濃度で加えた。
【0058】例10 バリア層が、塗布助剤を含まない、45重量%のジクロ
ロメタン、45重量%の1,1,2−トリクロルエタン
及び10重量%のメタノールから成る溶剤系中の2、5
重量%のAQ(商標)38ポリマーから成っていた以外は、
例9に記載したのと同じように光導電性要素を調製し
た。
【0059】比較例11 CGLの下にバリア層をコートしなかった以外は、例9
に記載したのと同じように光導電性要素を調製した。テスト手順 バリア層がネガティブ様式でセンシトメトリーに影響を
与えるかどうかを測定し、同様にブレークダウンに関す
るバリア層の効果を確認するために、例9〜11を以下
のテスト手順で評価した。
【0060】センシトメトリー 電荷受容、暗減衰、及び光減衰について各サンプルをテ
ストした。最初に、各サンプルを約−500Vにコロナ
帯電させた。この帯電を暗所で1秒間減衰させ、次に1
60マイクロ秒キセノンフラッシュランプにより680
nmで露光して光減衰させた。暗減衰(DD)を、帯電
減衰(V/秒)の速度として表す。サンプルを開始電圧
(V0 )に帯電させた8秒後に、暗フィルム電圧を測定
し、光の当たらない状態に維持した。このフィルムの帯
電を無くし、−500Vに再帯電させて、光減衰を測定
する。光減衰(PD)を、V0 の80%にサンプルを放
電するのに要する露光量(erg/cm2 )として定義
する。露光完了後にフィルムサンプル上に残った電圧
は、「足電圧(Vt )」として知られている。PD及び
t が低いほど良い。例9〜11のそれぞれのセンシト
メトリーデータを次の表IIに記載する。
【0061】ブレークダウン 12.7cm/秒(5インチ/秒)の速度で、暗所で帯
電させたフィルムをV 0 から100Vオフセットのとこ
ろにバイアスをかけた現像部に送る装置上で、フィルム
サンプル(寸法22cm×17cm)を−600V(V
0 )にコロナ帯電させた。このサンプルは、12.7c
m/秒(5インチ/秒)の速度で現像ステーション上を
通過した。各サンプルを160倍率で検査して、サンプ
ル上の三つの別々の1mm2 範囲のブレークダウンスポ
ットの数を数えた。ブレークダウンスポットを合計し、
3で割って、1mm2 当たりのブレークダウンスポット
数を得た。
【0062】
【表2】
【0063】このデータは、バリア層を有しない対照例
(比較例11)と比較すると、本発明の例9及び10
(それぞれ、薄いポリエステルアイオノマーバリア層を
有する)が、センシトメトリーに影響を与えないことを
示す。これらの例のブレークダウンスポットを測定し
た。比較例11は、0.5スポット/mm2 を有した
が、表IIのデータからわかるように、バリア層フィル
ムはブレークダウンに対して優れた性能を示した。
【0064】本発明の好ましい態様を特に詳細に記載し
たが、本発明の精神および範囲内で種々の変更および改
造が可能であることは、理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光導電性層の一つの態様の断面図。
【符号の説明】
11…ポリマーフィルム支持体 12…導電層 13…バリア層 14…電荷発生層 15…電荷輸送層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マリー ビー.オレガン アメリカ合衆国,ニューヨーク 14607, ロチェスター,グランジャー プレイス 10 (72)発明者 ハル イー.ライト アメリカ合衆国,サウス カロライナ 29455,ジョーンズ アイランド,スパロ ーホーク ロード 230

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体及び化学線に露光した場合
    に正電荷キャリヤを発生することができる光導電性材料
    を含んで成る光導電性要素であって、 前記支持体及び前記光導電性材料の間に位置する、前記
    導電性支持体由来の正電荷キャリヤの注入を阻止する、
    ポリエステルアイオノマーを含む電気的バリア層を有す
    る光導電性要素。
  2. 【請求項2】 マルチアクティブ要素であって、前記バ
    リア層と接触する電荷発生層及び前記電荷発生層と接触
    するp型電荷輸送層を含んで成る請求項1に記載の要
    素。
  3. 【請求項3】 バリア層として導電性支持体上にポリエ
    ステルアイオノマーの水性分散体をコートすること、前
    記バリア層上に電荷発生層をコートすること、そして前
    記電荷発生層上にp型電荷輸送層をコートすることを含
    んで成る、その導電性支持体由来の正電荷キャリヤの注
    入に対する抵抗力を有する光導電性要素を調製する方
    法。
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