JP2705937B2 - 芳香族誘導体およびその製造法 - Google Patents
芳香族誘導体およびその製造法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野>
本発明は医薬品として有用な芳香族誘導体に関する。
さらに詳しくは、アラキドン酸カスケード代謝産物に起
因する疾患を治療するための作用を有する芳香族誘導体
及びその製造法に関する。 <従来技術> アラキドン酸は生体内においてリポキシゲナーゼの作
用により、種々のロイコトリエン(LT)類に変換され
る。これらのロイコトリエン類は種々の生理活性を有
し、例えばLTB4は白血球の化学走性活性,浸潤,凝集,
脱顆粒,スーパーオキシドアニオン産生,血管内皮への
粘着亢進等に関与し、LTC4やLTD4は回腸,呼吸器系の平
滑筋収縮,皮膚血管収縮,血管透過性亢進,降圧などの
生理活性を示す(The Leukotrienes,A Biological Coun
cil Symposium,P.J.Piper,Raven Pres(New York))。
現在、これらの種々の生理活性を示すロイコトリエン類
は気管支喘息,鼻アレルギー,眼炎症,アトピー性皮膚
炎などのアレルギー性疾患や、浮腫,虚血性疾患,高血
圧症,虚血性脳障害等の循環器系疾患の原因となること
が知られている。一方、乾癬の病変中にLTB4が多量にみ
られることも最近の研究で明らかになっているが、LTB4
が直接乾癬の原因になっているか否かは明白ではない。 従って、リポキシゲナーゼと一般炎症に関与するシク
ロオキシゲナーゼの両方を阻害することが上記したアレ
ルギー性疾患や循環器系疾患または乾癬等およびそれに
関連する炎症の治療に有効であると考えられる。 <発明の目的> 本発明者らは、リポキシゲナーゼおよびシクロオキシ
ゲナーゼにより産生されるケミカルメディエーターの生
合成を阻害する物質に関して鋭意研究した結果、本発明
における芳香族誘導体がかかる目的を達成し得ることを
見出し本発明に到達したものであり、本発明の目的はか
かる芳香族誘導体およびその製造法を提供することにあ
る。 <発明の構成及び効果> 本発明では下記式[I] で表わされる芳香族誘導体および下記式[II] で表わされる化合物と下記式[III] で表わされる化合物とを塩基存在下において反応せし
め、次いで必要に応じて加水分解反応,還元反応,脱保
護反応に付すことを特徴とする下記式[I−a] で表わされる芳香族誘導体の製造法または下記式[IV][式中、R11,R21は上記定義に同じである。]で表わさ
れる化合物と下記式[V] Z−CH2−B″−(CH2)n−X′Y′ …[V] で表わされる化合物とを塩基性化合物存在下反応せし
め、次いで必要に応じて加水分解反応,還元反応および
/または保護反応に付すことを特徴とする下記式[I−
b] で表わされる芳香族化合物の製造法に関する。 上記式[I]で表わされる芳香族化合物において、R1
またはR2は同一もしくは異なり、水素原子,水酸基,ハ
ロゲン原子,OR3(R3はC1〜C10の炭化水素基)を表わす
が、好ましくは水素原子,OR3であり、OR3としてはメト
キシ基が好ましい。A−Bとしては、下記式群 −CH2−S−,−S−CH2−, から選ばれる同一もしくは異なる2この結合単位からな
るものが好ましいものとして挙げられる。さらにA−B
としては、ナフタレン環に結合する部分としての[−CH
=CH−または−S−CH2−]と、(CH2)nに結合する部
分としての とを組み合わせてなるものを特に好ましいものとして挙
げることができる。 さらに、X−YのうちXが であり、YがC1〜C5のアルキル基を有するアリール基,
−CH2−CH=CH−Ar(Arはフェニル基もしくは少くとも
1つのC1〜C5のアルキルまたはアルコキシ基で置換され
ているフェニル基を表わす。)であるもの、またXが であり、YがC1〜C5のアルキル基,少なくとも1個のC1
〜C5のアルコキシ基を置換されていてもよいフェニル基
で置換されたC2〜C5のアルケニル基,または少くとも1
このC1〜C5のアルコキシ基で置換されていてもよいフェ
ニル基であるもの、またXが酸素原子であり、Yが水素
原子であるものも参考例として挙げられる。 上記で定義したC1〜C5のアルキル基としては、例えば
メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,イソブチ
ル,t−ブチルなどのアルキル基などが挙げられる。 また上記で定義したC1〜C5のアルコキシ基の例として
はたとえばメトキシ,エトキシまたはブトキシ基等を挙
げることができる。 上記式[I]において置換したフェニル基を含みかつ
その置換基がカルボキシル基またはアルコキシカルボニ
ル基である場合にはその配向性はオルト,パラが好まし
い。またX−YがCOOHであるとき、適当な無機または有
機の塩基とから生成される非毒性塩であることもでき
る。かかる塩基としては次のようなものを挙げることが
できる。すなわち、無機塩基としては、例えば、ナトリ
ウム,カリウム,カルシウム,マグネシウムなどのアル
カリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物,炭酸
塩,重炭酸塩などが挙げられる。また有機塩基としては
例えば、メチルアミン,ジメチルアミン,トリメチルア
ミン,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミ
ンなどの第1級,第2級もしくは第3級アルキルアミン
類;エタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタ
ノールアミンなどの第1級,第2級もしくは第3級アル
カノールアミン類;エチレンジアミン,ヘキサメチレン
ジアミンなどのジアミン類;ピロリジン,ピペリジン,
モリホリン,ピペラジン,N−メチルモルホリン,ピリジ
ンなどの環状飽和もしくは不飽和アミン類などが挙げら
れる。 上記式[I−a]で表わされる化合物は塩基性化合物
存在下上記式[II]で表わされる化合物と上記式[II
I]で表わされる化合物とを反応せしめ、次いで必要に
応じて加水分解反応,還元反応,脱保護反応に付すこと
により得られる。 上記式[II]の化合物と上記式[III]の化合物との
反応は、[II]で表わされるホスホネート化合物と[II
I]で表わされるアルデヒド化合物の混合物に塩基、例
えばNaH,NaNH2,LiN(i−Pr)2,CH3ONaなどを加える、
いわゆるウイッテイッヒ反応をすることにより行われ
る。この際、反応に用いられる溶媒としては、例えばベ
ンゼン,テトラヒドロフラン(THF),ジクリム,ジメ
チルホルムアミド(DMF),ジメチルスルホキサイド(D
MSO)などが用いられる。 ホスホネート化合物[II]に対しては、塩基は0.1〜1
0倍当量、好ましくは0.9〜1.4倍当量、アルデヒド化合
物[III]は0.1〜10倍当量、好ましくは0.9〜1.4倍当量
用いればよい。反応温度は0℃〜150℃の範囲で行わ
れ、好ましくは10℃〜80℃である。反応時間は化合物に
より異なるが10分〜24時間程度である。反応終了後、抽
出やカラムクロマトグラフィー等の通常の後処理により
前記芳香族誘導体が得られる。 かかる芳香族誘導体は次いで必要に応じて加水分解反
応,還元反応,脱保護反応に付すことができる。 すなわち、式[III]における−X′Y′がエステル
基またはアシルオキシ基であるときには加水分解反応に
付すことができる。かかる加水分解反応はそれ自体公知
の方法、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなど
の塩基性化合物の存在下に加水分解する方法が採用さ
れ、かくして相当するカルボン酸体やアルコール体が得
られる。 −X′Y′がエステル基のときには還元反応に付すこ
とができる。かかる還元反応はそれ自体公知の方法、即
ちLiAlH4等の還元剤で還元する方法が採用され、かくし
て相当するアルコール体が得られる。 また、式[II]におけるR11,R21がアルキルオキシ基
を表わすときはそれ自体公知の方法(即ち、Protective
Groups in Organic Synthesis,T.W.Green,A Willy−In
ter Science Publication,John Willy & Sons,New Yor
k p88〜p92等記載の公知の方法)によって相当するアル
コール体に変換される。 目的物の単離精製は通常の方法すなわち抽出,クロマ
トグラフィー,再結晶等の手段により行うことができ
る。芳香族誘導体の非毒性塩は塩生成反応によって得ら
れ、かかる塩生成反応は適当な溶媒中で、上記した方法
で得られるカルボン酸と、前述した如き塩基例えばアル
カリ金属の水酸化物あるいは炭酸塩,水酸化アンモニウ
ム,炭酸アンモニウム,アンモニアあるいはアミン等を
反応させて得られる。 上記式[I−b]で表わされる本発明の芳香族誘導体
は上記式[IV]で表わされる化合物と上記式[V]で表
わされる化合物とを塩基性化合物存在下反応せしめ、次
いで必要に応じて加水分解反応,還元反応,脱保護反応
に付すことにより製造される。 上記式[IV]の化合物と上記式[V]の化合物との反
応は、[IV]を塩基性化合物、例えばNaH,CH3ONaなどの
化合物によりアニオン化することにより行うことができ
る。この際反応に用いられる溶媒としては、例えばテト
ラヒドロフラン(THF),ジメチルホルムアミド,ジエ
チルエーテル,ジオキサンなどが用いられる。上記式
[V]においてZがアシルオキシ基であり、Bが−CH=
CH−である時にはパラジウム(O)触媒が必要であり、
パラジウム(O)触媒としては、例えばTetrahedron Vo
l.42,No.16,pp.4361 to 4401,1986;Accounts of Chemic
al Research Vol.13,No.11,pp385 to 393,1980;および
“Organic Synthesis with Palladium Compounds"J.Tsu
ji,Springer−Verlag(1980)記載の種々のパラジウム
錯体を用いることが可能である。好ましくはテトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O),ビス
[ビス(1,2−ジフェニルホスフィノ)−エタン]パラ
ジウム(O),ビス[ビス(1,3−ジフェニルホスフィ
ン)−プロパン]パラジウム(O)を用いるが、これに
限定されるものではない。 チオール化合物[IV]に対して塩基は0.5〜10倍当
量、化学量論的には1モル当量が好ましく用いられる。
上記式[V]で表わされる化合物はチオール化合物に対
して0.1〜5倍当量、好ましくは0.7〜1.5倍当量が好ま
しく用いられる。パラジウム触媒を用いる場合にはチオ
ール類に対して0.001〜1当量、好ましくは0.01〜0.2当
量である。反応温度は−30℃から200℃、好ましくは0
℃〜100℃であり、反応時間は10分から100時間であり、
好ましくは1時間から24時間である。 反応終了後、上記の如き通常の後処理により芳香族誘
導体が得られる。かかる芳香族誘導体は次いで必要に応
じて加水分解反応,還元反応,脱保護反応に付すことが
でき、目的とする芳香族誘導体に導くことができる。得
られた化合物がカルボン酸であるときはさらにその非毒
性塩に導くことができる。かかる交換反応は前述したも
のと同様の方法によって行うことができる。また、上記
式[I−a]または[I−b]で表わされる化合物のう
ち、X′Y″が−COOHである場合には、このものをエス
テル化またはアミド化し、またX′Y″が−OHであると
きにはエステル化反応を行い上記式[I]で表わされる
相当する化合物に公知の手法により導くことができる。 かかる芳香族化合物の具体例としては、例えば以下の
化合物が例示される。 (1)8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メ
タノ−7E−オクテン−1−オール (2)(1)の3,4−ジメトキシ桂皮酸エステル (3)8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メ
タノ−7E−オクテン酸の3,4−ジメトキシシンナミル
アルコールエステル (4)8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メ
タノ−7E−オクテン酸のアントラニル酸アミド (5)8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メ
タノ−7E−オクテン酸のp−アミノ安息香酸アミド (6)(4)のメチルエステル (7)(5)のメチルエステル (8)(4)のナトリウム塩 (9)(5)のナトリウム塩 (10)(4)のカリウム塩 (11)(5)のカリウム塩 (12)4−(3−(2−ナフチル)−2E−プロペニル
チオ)ブタン酸 (13)8−(2−ナフチル)−5E,7E−オクタジエン
酸 (14)4−(5−(2−ナフチルビニル)−2−チオフ
ェン)ブタン酸 (15)7−(2−ナフチルチオ)−5E−ヘプテン酸 (16)7−(2−ナフチルチオ)−5,6−トランス−5,6
−メタノヘプタン酸 (17)4−(5−(2−ナフチルチオメチル)−2−チ
オフェン)ブタン酸 (18)8−(6−メトキシ−2−ナフチル)−5,6−ト
ランス−5,6−メタノ−7E−オクテン酸 (19)4−(3−(6−メトキシ−2−ナフチル)−2
E−プロペニルチオ)ブタン酸 (20)8−(6−メトキシ−2−ナフチル)−5E,7E
−オクタジエン酸 (21)4−(5−(6−メトキシ−2−ナフチルビニ
ル)−2−チオフェン)ブタン酸 (22)8−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチル)−5,6−
トランス−5,6−メタノ−7E−オクテン酸 (23)4−(3−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチル)
−2E−プロペニルチオ)ブタン酸 (24)8−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチル)−5E,
7E−オクタジエン酸 (25)4−(5−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルビ
ニル)−2−チオフェン)ブタン酸 (26)7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)−
5E−ヘプテン酸 (27)7−(2−ナフチルチオ)−5,6−トランス−5,6
−メタノヘプタン酸 (28)(12)〜(27)のメチルエステル (29)(12)〜(27)のナトリウム塩 (30)(12)〜(27)のカリウム塩 (31)(12)〜(27)の3,4−ジメトキシシンナミルア
ルコールエステル (32)(12)〜(27)のアントラニル酸メチルアミド (33)(12)〜(27)のp−アミノ安息香酸メチルアミ
ド かくして得られた本発明における芳香族誘導体は、リ
ポキシゲナーゼに対する阻害活性を示し、抗SRS−A活
性を有することが見い出された。 従って本発明化合物は気管支喘息,鼻アレルギー,ア
レルギー性眼炎症,アトピー性皮膚炎などのアレルギー
性疾患や浮腫,虚血性疾患,高血圧症,虚血性脳障害等
の循環器系疾患あるいは乾癬等の疾病の治療または予
防,ウイルス性の疾病の治療あたは予防に有用である。 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。 参考例1 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン−1−オールの合成 カルボン酸(1)208mg(0.74mmol)のエーテル溶液5
mlを0℃下LAH57mg(1.5mmol)の5mlエーテルサスペン
ジョン撹拌下滴下し、室温にて一夜撹拌した。Na2SO4水
を加えてデカンテーションで有機層をとり、乾燥,濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:A
cOEt=1:1)に供しアルコール(2)191mg(97%)を得
た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz) 0.5〜1.8(m,10H),3.5(m,2H), 5.7(dd,1H,J=16.0,8.0Hz), 6.45(d,1H=16.0Hz), 7.0〜7.7(m,7H) 実施例1 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン酸のアントラニル酸メチルアミドの合成 カルボン酸(1)200mg(0.71mmol)の4mlメタノール
フリー塩化メチレン溶液としアントラニル酸メチル108m
g(0.71mmol)の塩化メチレン(1ml溶液)加え、0℃に
冷却してDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)149mg
(0.72mmol)を加えた。1.5時間0℃で撹拌し、次いで
4.5時間室温で撹拌した。さらにアントラニル酸メチル1
08mgとDCC300mg(1.4mmol)を加え、2日間撹拌した。
水で反応を終結させ、酢酸エチルにて抽出した。硫酸水
素カリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウム上で有機層を乾燥し、溶媒を留去したの
ちシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢
酸エチル=8:1)に供し、酸アミド体(3)90mg(31
%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz) 0.6〜2.2(m,8H),2.2〜2.6(m,2H), 3.8(s,3H),5.7(dd,1H,J=16.0,8.0Hz), 6.45(d,1H,J=16.0Hz), 6.8〜7.7(m,10H), 7.8(dd,1H,J=8.0,2.0), 8.55(dd,1H,J=8.0,1.0) IR(cm-1,neat) 3300,3280,3000,2950,1700(Shoulder), 1685,1640,1610,1585,1525,1450, 1310,1260,1240 実施例2 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン酸のp−アミノ安息香酸メチルアミドの
合成 カルボン酸(1)100mg(0.36mmol)の乾燥メタノー
ルフリー塩化メチレン(2ml)溶液をN2気化−20℃に冷
却した。ここにトリエチルアミン53μ(0.38mmol)と
ピバロイルクロリド40μ(0.37mmol)を加え、−20℃
にて1時間撹拌した。ここにp−アミノ安息香酸メチル
54mg(0.36mmol)の2ml dry塩化メチレン溶液を加え、
−20℃で30分、室温で18時間撹拌した。水で反応を終結
させ、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaHCO3,KHSO4,N
aCl水で洗浄し、乾燥後濃縮した。次いでシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:
1)に供し、酸アミド体(4)110mg(75%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz) 0.6〜2.2(m,8H),2.2〜2.6(m,2H), 3.75(s,3H),5.7(dd,1H,J=16.0,8.0Hz), 6.55(d,1H,16.0Hz), 7.0〜7.9(m,11H) 実施例3 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン酸のp−アミノ安息香酸アミドの合成 アミドエステル(4)40mg(0.097mmol)をメタノー
ル(1ml),THF(3ml)溶液とし、0℃に冷却して4N LiO
H2mlを加えた。そのまま5時間撹拌し、次いで4℃で2
日半放置した。塩酸で酸性したのち酢酸エチルで2回抽
出し、有機層をNaCl水で洗浄し、乾燥後濃縮してカルボ
ン酸(5)38mg(quant)を得た。 NMR(δppm,重アセトン,重MeOH,60MHz) 0.6〜2.6(m,2H), 5.7(dd,1H,J=16.0,8.0), 6.55(d,1H,16.0Hz), 7.0〜8.0(m,11H) 参考例2 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン酸の3,4−ジメトキシシンナミルアルコ
ールエステルの合成 カルボン酸(1)51mg(0.18mmol)の2mlメタノール
フリー乾燥塩化メチレン溶液に3,4−ジメトキシシンナ
ミルアルコール50mg(0.26mmol)の4ml塩化メチレンを
加え、次いでジメチルアミノピリジン(以下DAP)2.5mg
(0.02mmol),DCC64mg(0.3mmol)を加えて室温にて一
夜撹拌した。水を加えて反応を終結させ、酢酸エチルに
て抽出した。有機層をKHSO4水,NaCl水で洗浄後、乾燥,
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=5:1)に供し、エステル(6)81mg(9
8%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz): 0.5〜2.1(m,8H),2.1〜2.6(m,2H), 3.75(s,3H), 4.65(d,2H,J=5.0Hz), 5.7(dd,1H,J=16.0,8.0Hz), 5.95(d,t,1H,J=16.0,5.0Hz), 6.4(d,J=16Hz,1H), 6.45(d,1H,J=16.0Hz), 6.5〜6.8(3H,m),7.0〜7.7(m,7H) IR(cm-1,neat) 3000,2950,1735,1700,1650,1600, 1515,1460,1420,1240 参考例3 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン−1−オールの3,4−ジメトキシシンナ
ミックアシドエステルの合成 アルコール体(2)57mg(0.21mmol)と3,4−ジメト
キシけい皮酸44mg(0.21mmol)のメタノールフリー乾燥
塩化メチレン(4ml)溶液にDMAP2.5mg(0.02mmol)を加
え0℃に冷却した。DCC62mg(0.3mmol)を加えて0℃で
1.5時間、次いで室温で16時間撹拌した。さらに3,4−ジ
メトキシけい皮酸60mg(0.29mmol)とDCC60mgを加え、
さらに一夜室温で撹拌した。水で反応を終結させ、酢酸
エチルにて抽出した。次いで有機層をKHSO4水,NaCl水で
洗浄し、乾燥後濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に供し、エステ
ル体(7)76mg(78%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz) 0.5〜1.8(m,10H),3.85(s,6H),4.1(m,2H), 5.7(dd,1H,J=16.0Hz,8.0Hz), 6.15(d,1H,16.0Hz), 6.4(d,1H,J=16.0Hz),6.5〜7.1(m,3H), 7.1〜7.8(m,8H) IR(cm-1,neat) 2950,2850,1735,1700,1630,1600, 1510,1460 実施例4 4−(3−(2−ナフチル)−2E−プロペニルチオ)
ブタン酸メチルの合成 2−ナフチルメチルホスホン酸ジメチル160mg(0.64m
mol)の2ml dry THF溶液に0℃にて0.2MLDA(リチウム
ジイソプロピルアミドTHF溶液)3.2ml(0.64mmol)を加
え、5分後に6−ホルミル−5−チアヘキサン酸メチル
113mg(0.64mmol)のTHF(2ml)溶液を加え、rtにして
1日撹拌した。NH4Cl水を加えて反応を終結させ、酢酸
エチルにて抽出した。有機層をNaCl水で洗浄し、乾燥濃
縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル=4:1)に供し、生成物37mg(8)(19%)
を得た。 NMR(δppm,CDCl3)60MHz 1.6〜2.6(m,6H),3.2(d,2H,J=6.0Hz), 3.6(s,3H),6.0(1H,dt,J=16.0Hz,6.0Hz), 6.45(d,1H,J=16.0Hz), 7.0〜7.7(m,7H) IR(cm-1,neat) 2950,1735,1600,1505,1430,1360 実施例5 4−(5−(2−ナフチオビニル)−2−チオフェン)
ブタン酸メチルの合成 2−ナフチルホスホン酸ジメチル250mg(1mmol)とメ
チル−4−(5−ホルミル−2−チエニル)ブタノエー
ト212mg(1mmol)の2ml DMF溶液にCH3ONa(28%MeOH)2
12mgの1ml DMF溶液を加え、1時間撹拌した。NH4Clで反
応を終結させ、酢酸エチルで抽出した。粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=7:1)に供し、成績体220mg(68%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3) 1.8〜2.5(m,4H),2.5〜2.9(m,2H), 3.55(s,3H),6.4〜7.7(m,11H) 実施例6 8−(2−ナフチル)−5E,7E−オクタジエン酸メチル
の合成 2−ナフチルメチルホスホン酸ジメチル160mg(0.64m
mol)の2ml dry THF溶液に0℃にて0.2MLDA(THF)3.2m
l(0.64mmol)を加え、5分後に6−ホルミル−5E−
ヘキサン酸メチル100mg(0.64mmol)のTHF(2ml)溶液
を加え、rtにして1日撹拌した。NH4Cl水を加えて反応
を終結させ、酢酸エチルにて抽出した。有機層をNaCl水
で洗浄し、乾燥濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に供し、生成物73m
g(10)(41%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3) 1.5〜2.5(m,6H),3.55(s,3H), 5.4〜6.8(m,4H),7.0〜7.8(m,7H), 実施例7 8−(2−6−メトキシナフチル))−5,6−トランス
−5,6−メタノ−7E−オクテン酸メチルの合成 2−(6−メトキシナフチル)メチルホスホン酸ジメ
チル80mg(0.29mmol)および6−ホルミル−5,6−トラ
ンス−5,6−メタノメキサン酸メチル50mg(0.29mmol)
のDMF溶液(500μ)に室温にてCH3ONa(28%MeOH)58
mg(0.3mmol)のDMF溶液(200μ)を加えて6時間撹
拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を終結さ
せ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水で洗浄後飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。
溶媒を減圧下濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)に供
し、成績体37mg(11)(42%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3) 0.4〜1.0(m,3H),1.0〜2.0(m,5H), 2.0〜2.4(m,3H),3.55(s,3H), 3.8(s,3H),5.7(dd,1H,J=15Hz,8Hz), 6.4(d,1H,J=15Hz),6.8〜7.6(m,6H) 実施例8 7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)−5,6−ト
ランス−5,6−メタノ−ヘキサン酸メチルの合成 窒素気流下6,7−ジメトキシ−2−メルカプトナフタ
レン71.2mg(0.32mmol)のDMF(4ml)溶液にNaH(60%i
n oil)15mg(0.37mmol)を加え氷冷下撹拌した。ここ
に7−ブロモ−5,6−トランス−5,6−メタノヘキサン酸
メチル76mg(0.32mmol)のDMF(4ml)溶液を加え、室温
にて2時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、
水層を酢酸エチルで抽出した。有機層は飽和食塩水で洗
浄後無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮した。得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=10:1〜7:1)に供し、目的物であ
る7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)−5,6−
トランス−5,6−メタノ−ヘキサン酸メチル72.8mg(1
2)(60%)を得た。 1H−NMR(δppm,CDCl3) 0.2〜1.0(m,4H),1.1〜1.4(m,2H), 1.4〜1.9(m,2H),2.32(t,J=7Hz,2H), 2.94(d,J=7Hz,2H),3.64(s,3H), 3.98(s,6H),7.0〜7.6(m,5H) 13C−NMR(δppm,CDCl3) 12.9,18.2,19.4,24.7,33.1,33.7, 39.6,51.3,55.8,105.8,106.2,126.3, 126.6,126.7,127.4,129.5,131.9, 149.3,149.8,173.8 参考例4 7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)−5E−ヘ
キセン酸メチルの合成 6,7−ジメトキシ−2−メルカプトナフタレン500mg
(2.27mmol)のTHF(10ml),DMF(7ml)溶液にN2気下Na
H(60%in oil)100mg(2.5mmol)を加え、室温にて10
分間撹拌する。このものをあらかじめつくっておいた7
−アセトキシ−5−ヘキセン酸メチル450mg(2.27mmo
l)と(Ph3P)4Pd 141mg(0.11mmol)の10ml THF溶液に
N2気下加え、70℃にて20分間撹拌した。反応後NH2Cl水
で反応を終結させ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を
飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧下留去した。得られた
油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=7:1→4:1)に供し、回収チオール90mg
(18%),7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)
−5−ヘキセン酸メチル260mg(32%)及びその混合物
(不純物含む)320mg(13)(39%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3) 1.45〜1.8(m,2H),1.9〜2.3(m,4H), 3.5〜3.7(m,2H),3.6(s,3H), 4.0(s,6H),5.4〜5.6(m,2H), 7.05(s,1H),7.1(s,1H), 7.33(dd,1H,J=9Hz,2Hz), 7.63(d,1H,J=9Hz),7.66(s,1H) 実施例9 ウサギ虹彩におけるLTB4産生抑制効果 正常家兎の虹彩を摘出し、37℃でコントロール用のタ
イロード液1cc及び一定濃度の薬剤を含むタイロード液1
ccにつけ5分後タイロード液をSEP−packに通し、HPLC
にてロイコトリエンを含む部分を分離し、ラジオイムノ
アッセイにてLTB4量を測定した。結果を表1に示す。
(n=3) 実施例10 人血におけるLTB4産生抑制効果 人の全血(whole blood)にCalcium ionophore10-5M
を加え、薬剤を添加してLTB4の生成に対する効果を検討
した。方法はGresele,P.,Arnout,J.,Coene,M.C.,Deckmy
n,H.,and Vermylen,J.:Leukotriene B4 production by
stimulated whole blood:Comperative studies with is
olated polymorphonuclear cells,Biochem.Biophys.Re
s.Commun.137:334:342,1986.に従って行った。結果を表
2に示す。実施例11 Lipopoly saccharide from E.Coliによる眼内炎に対す
る薬剤の効果 1) 点眼液の調整 化合物(3)点眼液は3.8mg/0.1mlエタノールに0.9ml
ゴマ油を入れ、0.38%点眼薬とした。化合物(7)点眼
液は5.3mg/0.1mlエタノールを70〜80℃で熱して溶解し
0.9mlゴマ油を入れ、0.53%点眼液とした。(いずれもp
H6.8) 2) エンドトキシン眼内炎に対する点眼液の効果 体重1.5〜2.0Kgの白色雄家兎の片眼に実験前、6時
間,4時間,1時間に化合物(3),化合物(4)点眼薬を
点入、片目にコントロールの点眼薬(0.1mlエタノール
+0.9mlゴマ油)を同様に点眼した。 家兎の硝子体にLipopoly saccharide from E.coli(S
igma)5μg/50μ生理食塩水を注入する。20時間後に
房水を採取し、前房水中の蛋白量をBio−Rad Assayにて
測定し、前房水中の白血球をNeubauer chamberにて計測
した。前房水中のLTB4を前述の如くHPLCとRIAにて測定
した。 結果は表3に示した。
さらに詳しくは、アラキドン酸カスケード代謝産物に起
因する疾患を治療するための作用を有する芳香族誘導体
及びその製造法に関する。 <従来技術> アラキドン酸は生体内においてリポキシゲナーゼの作
用により、種々のロイコトリエン(LT)類に変換され
る。これらのロイコトリエン類は種々の生理活性を有
し、例えばLTB4は白血球の化学走性活性,浸潤,凝集,
脱顆粒,スーパーオキシドアニオン産生,血管内皮への
粘着亢進等に関与し、LTC4やLTD4は回腸,呼吸器系の平
滑筋収縮,皮膚血管収縮,血管透過性亢進,降圧などの
生理活性を示す(The Leukotrienes,A Biological Coun
cil Symposium,P.J.Piper,Raven Pres(New York))。
現在、これらの種々の生理活性を示すロイコトリエン類
は気管支喘息,鼻アレルギー,眼炎症,アトピー性皮膚
炎などのアレルギー性疾患や、浮腫,虚血性疾患,高血
圧症,虚血性脳障害等の循環器系疾患の原因となること
が知られている。一方、乾癬の病変中にLTB4が多量にみ
られることも最近の研究で明らかになっているが、LTB4
が直接乾癬の原因になっているか否かは明白ではない。 従って、リポキシゲナーゼと一般炎症に関与するシク
ロオキシゲナーゼの両方を阻害することが上記したアレ
ルギー性疾患や循環器系疾患または乾癬等およびそれに
関連する炎症の治療に有効であると考えられる。 <発明の目的> 本発明者らは、リポキシゲナーゼおよびシクロオキシ
ゲナーゼにより産生されるケミカルメディエーターの生
合成を阻害する物質に関して鋭意研究した結果、本発明
における芳香族誘導体がかかる目的を達成し得ることを
見出し本発明に到達したものであり、本発明の目的はか
かる芳香族誘導体およびその製造法を提供することにあ
る。 <発明の構成及び効果> 本発明では下記式[I] で表わされる芳香族誘導体および下記式[II] で表わされる化合物と下記式[III] で表わされる化合物とを塩基存在下において反応せし
め、次いで必要に応じて加水分解反応,還元反応,脱保
護反応に付すことを特徴とする下記式[I−a] で表わされる芳香族誘導体の製造法または下記式[IV][式中、R11,R21は上記定義に同じである。]で表わさ
れる化合物と下記式[V] Z−CH2−B″−(CH2)n−X′Y′ …[V] で表わされる化合物とを塩基性化合物存在下反応せし
め、次いで必要に応じて加水分解反応,還元反応および
/または保護反応に付すことを特徴とする下記式[I−
b] で表わされる芳香族化合物の製造法に関する。 上記式[I]で表わされる芳香族化合物において、R1
またはR2は同一もしくは異なり、水素原子,水酸基,ハ
ロゲン原子,OR3(R3はC1〜C10の炭化水素基)を表わす
が、好ましくは水素原子,OR3であり、OR3としてはメト
キシ基が好ましい。A−Bとしては、下記式群 −CH2−S−,−S−CH2−, から選ばれる同一もしくは異なる2この結合単位からな
るものが好ましいものとして挙げられる。さらにA−B
としては、ナフタレン環に結合する部分としての[−CH
=CH−または−S−CH2−]と、(CH2)nに結合する部
分としての とを組み合わせてなるものを特に好ましいものとして挙
げることができる。 さらに、X−YのうちXが であり、YがC1〜C5のアルキル基を有するアリール基,
−CH2−CH=CH−Ar(Arはフェニル基もしくは少くとも
1つのC1〜C5のアルキルまたはアルコキシ基で置換され
ているフェニル基を表わす。)であるもの、またXが であり、YがC1〜C5のアルキル基,少なくとも1個のC1
〜C5のアルコキシ基を置換されていてもよいフェニル基
で置換されたC2〜C5のアルケニル基,または少くとも1
このC1〜C5のアルコキシ基で置換されていてもよいフェ
ニル基であるもの、またXが酸素原子であり、Yが水素
原子であるものも参考例として挙げられる。 上記で定義したC1〜C5のアルキル基としては、例えば
メチル,エチル,プロピル,イソプロピル,イソブチ
ル,t−ブチルなどのアルキル基などが挙げられる。 また上記で定義したC1〜C5のアルコキシ基の例として
はたとえばメトキシ,エトキシまたはブトキシ基等を挙
げることができる。 上記式[I]において置換したフェニル基を含みかつ
その置換基がカルボキシル基またはアルコキシカルボニ
ル基である場合にはその配向性はオルト,パラが好まし
い。またX−YがCOOHであるとき、適当な無機または有
機の塩基とから生成される非毒性塩であることもでき
る。かかる塩基としては次のようなものを挙げることが
できる。すなわち、無機塩基としては、例えば、ナトリ
ウム,カリウム,カルシウム,マグネシウムなどのアル
カリ金属もしくはアルカリ土類金属の水酸化物,炭酸
塩,重炭酸塩などが挙げられる。また有機塩基としては
例えば、メチルアミン,ジメチルアミン,トリメチルア
ミン,エチルアミン,ジエチルアミン,トリエチルアミ
ンなどの第1級,第2級もしくは第3級アルキルアミン
類;エタノールアミン,ジエタノールアミン,トリエタ
ノールアミンなどの第1級,第2級もしくは第3級アル
カノールアミン類;エチレンジアミン,ヘキサメチレン
ジアミンなどのジアミン類;ピロリジン,ピペリジン,
モリホリン,ピペラジン,N−メチルモルホリン,ピリジ
ンなどの環状飽和もしくは不飽和アミン類などが挙げら
れる。 上記式[I−a]で表わされる化合物は塩基性化合物
存在下上記式[II]で表わされる化合物と上記式[II
I]で表わされる化合物とを反応せしめ、次いで必要に
応じて加水分解反応,還元反応,脱保護反応に付すこと
により得られる。 上記式[II]の化合物と上記式[III]の化合物との
反応は、[II]で表わされるホスホネート化合物と[II
I]で表わされるアルデヒド化合物の混合物に塩基、例
えばNaH,NaNH2,LiN(i−Pr)2,CH3ONaなどを加える、
いわゆるウイッテイッヒ反応をすることにより行われ
る。この際、反応に用いられる溶媒としては、例えばベ
ンゼン,テトラヒドロフラン(THF),ジクリム,ジメ
チルホルムアミド(DMF),ジメチルスルホキサイド(D
MSO)などが用いられる。 ホスホネート化合物[II]に対しては、塩基は0.1〜1
0倍当量、好ましくは0.9〜1.4倍当量、アルデヒド化合
物[III]は0.1〜10倍当量、好ましくは0.9〜1.4倍当量
用いればよい。反応温度は0℃〜150℃の範囲で行わ
れ、好ましくは10℃〜80℃である。反応時間は化合物に
より異なるが10分〜24時間程度である。反応終了後、抽
出やカラムクロマトグラフィー等の通常の後処理により
前記芳香族誘導体が得られる。 かかる芳香族誘導体は次いで必要に応じて加水分解反
応,還元反応,脱保護反応に付すことができる。 すなわち、式[III]における−X′Y′がエステル
基またはアシルオキシ基であるときには加水分解反応に
付すことができる。かかる加水分解反応はそれ自体公知
の方法、例えば水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなど
の塩基性化合物の存在下に加水分解する方法が採用さ
れ、かくして相当するカルボン酸体やアルコール体が得
られる。 −X′Y′がエステル基のときには還元反応に付すこ
とができる。かかる還元反応はそれ自体公知の方法、即
ちLiAlH4等の還元剤で還元する方法が採用され、かくし
て相当するアルコール体が得られる。 また、式[II]におけるR11,R21がアルキルオキシ基
を表わすときはそれ自体公知の方法(即ち、Protective
Groups in Organic Synthesis,T.W.Green,A Willy−In
ter Science Publication,John Willy & Sons,New Yor
k p88〜p92等記載の公知の方法)によって相当するアル
コール体に変換される。 目的物の単離精製は通常の方法すなわち抽出,クロマ
トグラフィー,再結晶等の手段により行うことができ
る。芳香族誘導体の非毒性塩は塩生成反応によって得ら
れ、かかる塩生成反応は適当な溶媒中で、上記した方法
で得られるカルボン酸と、前述した如き塩基例えばアル
カリ金属の水酸化物あるいは炭酸塩,水酸化アンモニウ
ム,炭酸アンモニウム,アンモニアあるいはアミン等を
反応させて得られる。 上記式[I−b]で表わされる本発明の芳香族誘導体
は上記式[IV]で表わされる化合物と上記式[V]で表
わされる化合物とを塩基性化合物存在下反応せしめ、次
いで必要に応じて加水分解反応,還元反応,脱保護反応
に付すことにより製造される。 上記式[IV]の化合物と上記式[V]の化合物との反
応は、[IV]を塩基性化合物、例えばNaH,CH3ONaなどの
化合物によりアニオン化することにより行うことができ
る。この際反応に用いられる溶媒としては、例えばテト
ラヒドロフラン(THF),ジメチルホルムアミド,ジエ
チルエーテル,ジオキサンなどが用いられる。上記式
[V]においてZがアシルオキシ基であり、Bが−CH=
CH−である時にはパラジウム(O)触媒が必要であり、
パラジウム(O)触媒としては、例えばTetrahedron Vo
l.42,No.16,pp.4361 to 4401,1986;Accounts of Chemic
al Research Vol.13,No.11,pp385 to 393,1980;および
“Organic Synthesis with Palladium Compounds"J.Tsu
ji,Springer−Verlag(1980)記載の種々のパラジウム
錯体を用いることが可能である。好ましくはテトラキス
(トリフェニルホスフィン)パラジウム(O),ビス
[ビス(1,2−ジフェニルホスフィノ)−エタン]パラ
ジウム(O),ビス[ビス(1,3−ジフェニルホスフィ
ン)−プロパン]パラジウム(O)を用いるが、これに
限定されるものではない。 チオール化合物[IV]に対して塩基は0.5〜10倍当
量、化学量論的には1モル当量が好ましく用いられる。
上記式[V]で表わされる化合物はチオール化合物に対
して0.1〜5倍当量、好ましくは0.7〜1.5倍当量が好ま
しく用いられる。パラジウム触媒を用いる場合にはチオ
ール類に対して0.001〜1当量、好ましくは0.01〜0.2当
量である。反応温度は−30℃から200℃、好ましくは0
℃〜100℃であり、反応時間は10分から100時間であり、
好ましくは1時間から24時間である。 反応終了後、上記の如き通常の後処理により芳香族誘
導体が得られる。かかる芳香族誘導体は次いで必要に応
じて加水分解反応,還元反応,脱保護反応に付すことが
でき、目的とする芳香族誘導体に導くことができる。得
られた化合物がカルボン酸であるときはさらにその非毒
性塩に導くことができる。かかる交換反応は前述したも
のと同様の方法によって行うことができる。また、上記
式[I−a]または[I−b]で表わされる化合物のう
ち、X′Y″が−COOHである場合には、このものをエス
テル化またはアミド化し、またX′Y″が−OHであると
きにはエステル化反応を行い上記式[I]で表わされる
相当する化合物に公知の手法により導くことができる。 かかる芳香族化合物の具体例としては、例えば以下の
化合物が例示される。 (1)8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メ
タノ−7E−オクテン−1−オール (2)(1)の3,4−ジメトキシ桂皮酸エステル (3)8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メ
タノ−7E−オクテン酸の3,4−ジメトキシシンナミル
アルコールエステル (4)8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メ
タノ−7E−オクテン酸のアントラニル酸アミド (5)8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メ
タノ−7E−オクテン酸のp−アミノ安息香酸アミド (6)(4)のメチルエステル (7)(5)のメチルエステル (8)(4)のナトリウム塩 (9)(5)のナトリウム塩 (10)(4)のカリウム塩 (11)(5)のカリウム塩 (12)4−(3−(2−ナフチル)−2E−プロペニル
チオ)ブタン酸 (13)8−(2−ナフチル)−5E,7E−オクタジエン
酸 (14)4−(5−(2−ナフチルビニル)−2−チオフ
ェン)ブタン酸 (15)7−(2−ナフチルチオ)−5E−ヘプテン酸 (16)7−(2−ナフチルチオ)−5,6−トランス−5,6
−メタノヘプタン酸 (17)4−(5−(2−ナフチルチオメチル)−2−チ
オフェン)ブタン酸 (18)8−(6−メトキシ−2−ナフチル)−5,6−ト
ランス−5,6−メタノ−7E−オクテン酸 (19)4−(3−(6−メトキシ−2−ナフチル)−2
E−プロペニルチオ)ブタン酸 (20)8−(6−メトキシ−2−ナフチル)−5E,7E
−オクタジエン酸 (21)4−(5−(6−メトキシ−2−ナフチルビニ
ル)−2−チオフェン)ブタン酸 (22)8−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチル)−5,6−
トランス−5,6−メタノ−7E−オクテン酸 (23)4−(3−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチル)
−2E−プロペニルチオ)ブタン酸 (24)8−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチル)−5E,
7E−オクタジエン酸 (25)4−(5−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルビ
ニル)−2−チオフェン)ブタン酸 (26)7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)−
5E−ヘプテン酸 (27)7−(2−ナフチルチオ)−5,6−トランス−5,6
−メタノヘプタン酸 (28)(12)〜(27)のメチルエステル (29)(12)〜(27)のナトリウム塩 (30)(12)〜(27)のカリウム塩 (31)(12)〜(27)の3,4−ジメトキシシンナミルア
ルコールエステル (32)(12)〜(27)のアントラニル酸メチルアミド (33)(12)〜(27)のp−アミノ安息香酸メチルアミ
ド かくして得られた本発明における芳香族誘導体は、リ
ポキシゲナーゼに対する阻害活性を示し、抗SRS−A活
性を有することが見い出された。 従って本発明化合物は気管支喘息,鼻アレルギー,ア
レルギー性眼炎症,アトピー性皮膚炎などのアレルギー
性疾患や浮腫,虚血性疾患,高血圧症,虚血性脳障害等
の循環器系疾患あるいは乾癬等の疾病の治療または予
防,ウイルス性の疾病の治療あたは予防に有用である。 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明する。 参考例1 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン−1−オールの合成 カルボン酸(1)208mg(0.74mmol)のエーテル溶液5
mlを0℃下LAH57mg(1.5mmol)の5mlエーテルサスペン
ジョン撹拌下滴下し、室温にて一夜撹拌した。Na2SO4水
を加えてデカンテーションで有機層をとり、乾燥,濃縮
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:A
cOEt=1:1)に供しアルコール(2)191mg(97%)を得
た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz) 0.5〜1.8(m,10H),3.5(m,2H), 5.7(dd,1H,J=16.0,8.0Hz), 6.45(d,1H=16.0Hz), 7.0〜7.7(m,7H) 実施例1 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン酸のアントラニル酸メチルアミドの合成 カルボン酸(1)200mg(0.71mmol)の4mlメタノール
フリー塩化メチレン溶液としアントラニル酸メチル108m
g(0.71mmol)の塩化メチレン(1ml溶液)加え、0℃に
冷却してDCC(ジシクロヘキシルカルボジイミド)149mg
(0.72mmol)を加えた。1.5時間0℃で撹拌し、次いで
4.5時間室温で撹拌した。さらにアントラニル酸メチル1
08mgとDCC300mg(1.4mmol)を加え、2日間撹拌した。
水で反応を終結させ、酢酸エチルにて抽出した。硫酸水
素カリウム水溶液、次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウム上で有機層を乾燥し、溶媒を留去したの
ちシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢
酸エチル=8:1)に供し、酸アミド体(3)90mg(31
%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz) 0.6〜2.2(m,8H),2.2〜2.6(m,2H), 3.8(s,3H),5.7(dd,1H,J=16.0,8.0Hz), 6.45(d,1H,J=16.0Hz), 6.8〜7.7(m,10H), 7.8(dd,1H,J=8.0,2.0), 8.55(dd,1H,J=8.0,1.0) IR(cm-1,neat) 3300,3280,3000,2950,1700(Shoulder), 1685,1640,1610,1585,1525,1450, 1310,1260,1240 実施例2 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン酸のp−アミノ安息香酸メチルアミドの
合成 カルボン酸(1)100mg(0.36mmol)の乾燥メタノー
ルフリー塩化メチレン(2ml)溶液をN2気化−20℃に冷
却した。ここにトリエチルアミン53μ(0.38mmol)と
ピバロイルクロリド40μ(0.37mmol)を加え、−20℃
にて1時間撹拌した。ここにp−アミノ安息香酸メチル
54mg(0.36mmol)の2ml dry塩化メチレン溶液を加え、
−20℃で30分、室温で18時間撹拌した。水で反応を終結
させ、酢酸エチルで抽出した。有機層をNaHCO3,KHSO4,N
aCl水で洗浄し、乾燥後濃縮した。次いでシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:
1)に供し、酸アミド体(4)110mg(75%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz) 0.6〜2.2(m,8H),2.2〜2.6(m,2H), 3.75(s,3H),5.7(dd,1H,J=16.0,8.0Hz), 6.55(d,1H,16.0Hz), 7.0〜7.9(m,11H) 実施例3 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン酸のp−アミノ安息香酸アミドの合成 アミドエステル(4)40mg(0.097mmol)をメタノー
ル(1ml),THF(3ml)溶液とし、0℃に冷却して4N LiO
H2mlを加えた。そのまま5時間撹拌し、次いで4℃で2
日半放置した。塩酸で酸性したのち酢酸エチルで2回抽
出し、有機層をNaCl水で洗浄し、乾燥後濃縮してカルボ
ン酸(5)38mg(quant)を得た。 NMR(δppm,重アセトン,重MeOH,60MHz) 0.6〜2.6(m,2H), 5.7(dd,1H,J=16.0,8.0), 6.55(d,1H,16.0Hz), 7.0〜8.0(m,11H) 参考例2 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン酸の3,4−ジメトキシシンナミルアルコ
ールエステルの合成 カルボン酸(1)51mg(0.18mmol)の2mlメタノール
フリー乾燥塩化メチレン溶液に3,4−ジメトキシシンナ
ミルアルコール50mg(0.26mmol)の4ml塩化メチレンを
加え、次いでジメチルアミノピリジン(以下DAP)2.5mg
(0.02mmol),DCC64mg(0.3mmol)を加えて室温にて一
夜撹拌した。水を加えて反応を終結させ、酢酸エチルに
て抽出した。有機層をKHSO4水,NaCl水で洗浄後、乾燥,
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=5:1)に供し、エステル(6)81mg(9
8%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz): 0.5〜2.1(m,8H),2.1〜2.6(m,2H), 3.75(s,3H), 4.65(d,2H,J=5.0Hz), 5.7(dd,1H,J=16.0,8.0Hz), 5.95(d,t,1H,J=16.0,5.0Hz), 6.4(d,J=16Hz,1H), 6.45(d,1H,J=16.0Hz), 6.5〜6.8(3H,m),7.0〜7.7(m,7H) IR(cm-1,neat) 3000,2950,1735,1700,1650,1600, 1515,1460,1420,1240 参考例3 8−(2−ナフチル)−5,6−トランス−5,6−メタノ−
7E−オクテン−1−オールの3,4−ジメトキシシンナ
ミックアシドエステルの合成 アルコール体(2)57mg(0.21mmol)と3,4−ジメト
キシけい皮酸44mg(0.21mmol)のメタノールフリー乾燥
塩化メチレン(4ml)溶液にDMAP2.5mg(0.02mmol)を加
え0℃に冷却した。DCC62mg(0.3mmol)を加えて0℃で
1.5時間、次いで室温で16時間撹拌した。さらに3,4−ジ
メトキシけい皮酸60mg(0.29mmol)とDCC60mgを加え、
さらに一夜室温で撹拌した。水で反応を終結させ、酢酸
エチルにて抽出した。次いで有機層をKHSO4水,NaCl水で
洗浄し、乾燥後濃縮してシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(ヘキサン:酢酸エチル=5:1)に供し、エステ
ル体(7)76mg(78%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3,60MHz) 0.5〜1.8(m,10H),3.85(s,6H),4.1(m,2H), 5.7(dd,1H,J=16.0Hz,8.0Hz), 6.15(d,1H,16.0Hz), 6.4(d,1H,J=16.0Hz),6.5〜7.1(m,3H), 7.1〜7.8(m,8H) IR(cm-1,neat) 2950,2850,1735,1700,1630,1600, 1510,1460 実施例4 4−(3−(2−ナフチル)−2E−プロペニルチオ)
ブタン酸メチルの合成 2−ナフチルメチルホスホン酸ジメチル160mg(0.64m
mol)の2ml dry THF溶液に0℃にて0.2MLDA(リチウム
ジイソプロピルアミドTHF溶液)3.2ml(0.64mmol)を加
え、5分後に6−ホルミル−5−チアヘキサン酸メチル
113mg(0.64mmol)のTHF(2ml)溶液を加え、rtにして
1日撹拌した。NH4Cl水を加えて反応を終結させ、酢酸
エチルにて抽出した。有機層をNaCl水で洗浄し、乾燥濃
縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:
酢酸エチル=4:1)に供し、生成物37mg(8)(19%)
を得た。 NMR(δppm,CDCl3)60MHz 1.6〜2.6(m,6H),3.2(d,2H,J=6.0Hz), 3.6(s,3H),6.0(1H,dt,J=16.0Hz,6.0Hz), 6.45(d,1H,J=16.0Hz), 7.0〜7.7(m,7H) IR(cm-1,neat) 2950,1735,1600,1505,1430,1360 実施例5 4−(5−(2−ナフチオビニル)−2−チオフェン)
ブタン酸メチルの合成 2−ナフチルホスホン酸ジメチル250mg(1mmol)とメ
チル−4−(5−ホルミル−2−チエニル)ブタノエー
ト212mg(1mmol)の2ml DMF溶液にCH3ONa(28%MeOH)2
12mgの1ml DMF溶液を加え、1時間撹拌した。NH4Clで反
応を終結させ、酢酸エチルで抽出した。粗生成物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=7:1)に供し、成績体220mg(68%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3) 1.8〜2.5(m,4H),2.5〜2.9(m,2H), 3.55(s,3H),6.4〜7.7(m,11H) 実施例6 8−(2−ナフチル)−5E,7E−オクタジエン酸メチル
の合成 2−ナフチルメチルホスホン酸ジメチル160mg(0.64m
mol)の2ml dry THF溶液に0℃にて0.2MLDA(THF)3.2m
l(0.64mmol)を加え、5分後に6−ホルミル−5E−
ヘキサン酸メチル100mg(0.64mmol)のTHF(2ml)溶液
を加え、rtにして1日撹拌した。NH4Cl水を加えて反応
を終結させ、酢酸エチルにて抽出した。有機層をNaCl水
で洗浄し、乾燥濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)に供し、生成物73m
g(10)(41%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3) 1.5〜2.5(m,6H),3.55(s,3H), 5.4〜6.8(m,4H),7.0〜7.8(m,7H), 実施例7 8−(2−6−メトキシナフチル))−5,6−トランス
−5,6−メタノ−7E−オクテン酸メチルの合成 2−(6−メトキシナフチル)メチルホスホン酸ジメ
チル80mg(0.29mmol)および6−ホルミル−5,6−トラ
ンス−5,6−メタノメキサン酸メチル50mg(0.29mmol)
のDMF溶液(500μ)に室温にてCH3ONa(28%MeOH)58
mg(0.3mmol)のDMF溶液(200μ)を加えて6時間撹
拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液で反応を終結さ
せ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を水で洗浄後飽和
食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウム上で乾燥した。
溶媒を減圧下濃縮し、粗生成物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)に供
し、成績体37mg(11)(42%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3) 0.4〜1.0(m,3H),1.0〜2.0(m,5H), 2.0〜2.4(m,3H),3.55(s,3H), 3.8(s,3H),5.7(dd,1H,J=15Hz,8Hz), 6.4(d,1H,J=15Hz),6.8〜7.6(m,6H) 実施例8 7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)−5,6−ト
ランス−5,6−メタノ−ヘキサン酸メチルの合成 窒素気流下6,7−ジメトキシ−2−メルカプトナフタ
レン71.2mg(0.32mmol)のDMF(4ml)溶液にNaH(60%i
n oil)15mg(0.37mmol)を加え氷冷下撹拌した。ここ
に7−ブロモ−5,6−トランス−5,6−メタノヘキサン酸
メチル76mg(0.32mmol)のDMF(4ml)溶液を加え、室温
にて2時間撹拌した。反応液に酢酸エチルと水を加え、
水層を酢酸エチルで抽出した。有機層は飽和食塩水で洗
浄後無水硫酸マグネシウム上で乾燥し、濃縮した。得ら
れた油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢
酸エチル:ヘキサン=10:1〜7:1)に供し、目的物であ
る7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)−5,6−
トランス−5,6−メタノ−ヘキサン酸メチル72.8mg(1
2)(60%)を得た。 1H−NMR(δppm,CDCl3) 0.2〜1.0(m,4H),1.1〜1.4(m,2H), 1.4〜1.9(m,2H),2.32(t,J=7Hz,2H), 2.94(d,J=7Hz,2H),3.64(s,3H), 3.98(s,6H),7.0〜7.6(m,5H) 13C−NMR(δppm,CDCl3) 12.9,18.2,19.4,24.7,33.1,33.7, 39.6,51.3,55.8,105.8,106.2,126.3, 126.6,126.7,127.4,129.5,131.9, 149.3,149.8,173.8 参考例4 7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)−5E−ヘ
キセン酸メチルの合成 6,7−ジメトキシ−2−メルカプトナフタレン500mg
(2.27mmol)のTHF(10ml),DMF(7ml)溶液にN2気下Na
H(60%in oil)100mg(2.5mmol)を加え、室温にて10
分間撹拌する。このものをあらかじめつくっておいた7
−アセトキシ−5−ヘキセン酸メチル450mg(2.27mmo
l)と(Ph3P)4Pd 141mg(0.11mmol)の10ml THF溶液に
N2気下加え、70℃にて20分間撹拌した。反応後NH2Cl水
で反応を終結させ、酢酸エチルにて抽出した。有機層を
飽和食塩水で洗浄し、溶媒を減圧下留去した。得られた
油状物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=7:1→4:1)に供し、回収チオール90mg
(18%),7−(6,7−ジメトキシ−2−ナフチルチオ)
−5−ヘキセン酸メチル260mg(32%)及びその混合物
(不純物含む)320mg(13)(39%)を得た。 NMR(δppm,CDCl3) 1.45〜1.8(m,2H),1.9〜2.3(m,4H), 3.5〜3.7(m,2H),3.6(s,3H), 4.0(s,6H),5.4〜5.6(m,2H), 7.05(s,1H),7.1(s,1H), 7.33(dd,1H,J=9Hz,2Hz), 7.63(d,1H,J=9Hz),7.66(s,1H) 実施例9 ウサギ虹彩におけるLTB4産生抑制効果 正常家兎の虹彩を摘出し、37℃でコントロール用のタ
イロード液1cc及び一定濃度の薬剤を含むタイロード液1
ccにつけ5分後タイロード液をSEP−packに通し、HPLC
にてロイコトリエンを含む部分を分離し、ラジオイムノ
アッセイにてLTB4量を測定した。結果を表1に示す。
(n=3) 実施例10 人血におけるLTB4産生抑制効果 人の全血(whole blood)にCalcium ionophore10-5M
を加え、薬剤を添加してLTB4の生成に対する効果を検討
した。方法はGresele,P.,Arnout,J.,Coene,M.C.,Deckmy
n,H.,and Vermylen,J.:Leukotriene B4 production by
stimulated whole blood:Comperative studies with is
olated polymorphonuclear cells,Biochem.Biophys.Re
s.Commun.137:334:342,1986.に従って行った。結果を表
2に示す。実施例11 Lipopoly saccharide from E.Coliによる眼内炎に対す
る薬剤の効果 1) 点眼液の調整 化合物(3)点眼液は3.8mg/0.1mlエタノールに0.9ml
ゴマ油を入れ、0.38%点眼薬とした。化合物(7)点眼
液は5.3mg/0.1mlエタノールを70〜80℃で熱して溶解し
0.9mlゴマ油を入れ、0.53%点眼液とした。(いずれもp
H6.8) 2) エンドトキシン眼内炎に対する点眼液の効果 体重1.5〜2.0Kgの白色雄家兎の片眼に実験前、6時
間,4時間,1時間に化合物(3),化合物(4)点眼薬を
点入、片目にコントロールの点眼薬(0.1mlエタノール
+0.9mlゴマ油)を同様に点眼した。 家兎の硝子体にLipopoly saccharide from E.coli(S
igma)5μg/50μ生理食塩水を注入する。20時間後に
房水を採取し、前房水中の蛋白量をBio−Rad Assayにて
測定し、前房水中の白血球をNeubauer chamberにて計測
した。前房水中のLTB4を前述の如くHPLCとRIAにて測定
した。 結果は表3に示した。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.下記式[I] で表わされる芳香族誘導体。 2.R1、R2が同一もしくは異なり、水素原子またはメト
キシ基である特許請求の範囲第1項記載の芳香族誘導
体。 3.Aが−CH=CH−または−S−CH2−である特許請求
の範囲第1項または第2項記載の芳香族誘導体。 4.Bが−CH=CH、−CH2−S−、または のいずれかである特許請求の範囲第1項または第2項記
載の芳香族誘導体。 5.X−YのうちXが であり、X−YのうちYが−COOR(ただしRは水素原子
またはC1〜C5のアルキル基)で置換されていてもよいフ
ェニル基である特許請求の範囲第1項〜第4項いずれか
1項記載の芳香族誘導体。 6.下記式[II] で表わされる化合物と下記式[III]で表わされる化合物とを塩基存在下において反応せし
め、次いでさらに加水分解反応、還元反応および/また
は脱保護反応に付すか、または付さない下記式[I−
a] で表わされる芳香族誘導体の製造法。 7.下記式[IV] [式中、R11、R21は上記定義に同じである。] で表わされる化合物と下記式[V] で表わされる化合物とを塩基性化合物存在下において反
応せしめ、次いでさらに加水分解反応、還元反応および
/または脱保護反応に付すか、または付さない下記式
[I−b] で表わされる芳香族誘導体の製造法。 8.B″が−CH=CH−であり、Zがアシルオキシ基であ
り、反応触媒としてPd(O)を用いる特許請求の範囲第
7項記載の芳香族誘導体の製造法。
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---|---|---|---|
JP31899087A JP2705937B2 (ja) | 1986-12-26 | 1987-12-18 | 芳香族誘導体およびその製造法 |
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---|---|---|---|
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JP30851986 | 1986-12-26 | ||
JP31899087A JP2705937B2 (ja) | 1986-12-26 | 1987-12-18 | 芳香族誘導体およびその製造法 |
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---|---|
JPS63270634A JPS63270634A (ja) | 1988-11-08 |
JP2705937B2 true JP2705937B2 (ja) | 1998-01-28 |
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ID=26565577
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JP31899087A Expired - Lifetime JP2705937B2 (ja) | 1986-12-26 | 1987-12-18 | 芳香族誘導体およびその製造法 |
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JPH02120237A (ja) * | 1988-10-28 | 1990-05-08 | Dowa Mining Co Ltd | 保磁力温度依存性の小さい高密度記録用フェライト粉末 |
JPH02120236A (ja) * | 1988-10-28 | 1990-05-08 | Dowa Mining Co Ltd | 高密度記録用フェライト粉 |
DE69014798T2 (de) * | 1989-03-30 | 1995-04-27 | Teijin Ltd | Thionaphthalen-derivate, verfahren zur herstellung und antiallergisches mittel daraus. |
ES2138206T3 (es) * | 1994-05-31 | 2000-01-01 | Teijin Ltd | Derivados de naftaleno. |
-
1987
- 1987-12-18 JP JP31899087A patent/JP2705937B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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