JP2703576B2 - 光デイスク装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、光デイスク装置の読み出し回路に係り、特
に、書込み時のデータ品質を保証するために用いて好適
な読み出し回路を備えた光デイスク装置に関する。

［従来の技術］ 書き込み，読み出し可能な光デイスク装置において
は、書き込み時のレンズ設定、あるいは、光学系及びデ
イスクのゴミ等による汚れの状態を検出するために、光
デイスクからの反射光の光量を検出することが行われて
いる。

このような光デイスク装置に関する従来技術として、
例えば、特開昭61-13450号公報等に記載された技術が知
られている。

この種従来技術は、光デイスクからの反射光の光量を
デイテクタ（光電変換器）で検出し、その検出信号を増
幅した出力電圧を、予め定められた一定レベルの電圧と
比較し、前記出力電圧が一定値以下、すなわち、反射光
の光量が一定値以下となつた場合、装置使用者に対して
検出情報を出力するものである。

このため、前記従来技術は、光電変換器と、直流アン
プと、比較器とにより構成される。そして、光デイスク
からの反射光は、デイテクタ（光電変換器）により電流
に変換され、直流アンプにより増幅され、反射光の光量
に対応した電圧として出力される。この出力は、比較器
により予め定められた一定レベルの信号と比較され、出
力信号がこの一定レベルの信号より小さい場合に、装置
使用者に対して検知情報が出力される。

［発明が解決しようとする課題］ 一般に、光デイスクからの反射光の検出信号レベル
は、光学系，光デイスク等に付着するゴミ等によつて低
下する。また、前記従来技術の構成においては、光デイ
スクの光反射率、デイテクタの光検出感度、直流アンプ
のゲイン等のバラツキが大きいことについて配慮されて
いない。

従つて、前記従来技術は、前述のバラツキがある場合
にも、書き込みデータを保証できるようにするために、
前記反射光の検出信号レベルをかなり高く設定する必要
があり、場合によつては、必要のない過剰な高品質をも
たらすという問題点を有している。

本発明の目的は、前記従来技術の問題点を解決し、過
剰な記録品質をもたらすことなく、かつ、光デイスクの
光反射率、デイテクタの光検出感度、直流アンプのゲイ
ン等にバラツキがある場合にも、これらのバラツキによ
る影響を受けることなく、適正な記録品質を持つた記録
を行うことを可能とした光デイスク装置を提供すること
にある。

［課題を解決するための手段］ 本発明によれば、前記目的は、デイスク面に予め設け
られたセクタマーク等の長い穴と長い未記録部からの反
射光の振幅の大きさを保持しておき、この保持されてい
る信号とデータ部からの反射信号の振幅とを比較し、デ
ータ部からの反射信号の大きさが、前記保持されている
信号より小さいことを示す検出信号により、書き込み時
のデータの記録品質を保証するようにすることにより達
成される。

［作用］ セクタマーク等からの反射光の振幅の大きさは、電圧
信号に変換され、キヤパシタに充電することにより保持
される。データ部からの反射光の振幅は、同様に電圧信
号に変換され、前述のキヤパシタに保持されている電圧
信号と比較される。この比較結果に基づいて、常に一定
以上のデータ部からの反射光の振幅が得られるように、
記録品質を保証することが可能となる。

［実施例］ 以下、本発明による光デイスク装置の一実施例を図面
により詳細に説明する。

第１図は本発明による光デイスク装置の読み出し回路
の一実施例の構成を説明するブロツク図、第２図はその
動作を説明するタイミングチヤート、第３図は光デイス
ク上の振幅ホールド電圧を発生させるために利用される
記録マークを説明する図である。第１図において、１は
デイテクタ、２はアナログ回路、5,6,13はコンパレー
タ、９はオペアンプ、11はアナログスイツチ、15はリト
リガラブルフリツプフロツプ、24,27は電圧源である。

本発明による読み出し回路の一実施例は、第１図に示
すように、光デイスクからの反射光を検出するデイテク
タ１と、該デイテクタ１からの検出電流を電圧信号に変
換して差動出力するアナログ回路２と、光デイスク上の
長いマークと長い未記録部とによる記録マーク部からの
反射信号の振幅値をホールド電圧としてコンデンサ23に
保持させる、コンパレータ5,6、オペアンプ９及びアナ
ログスイツチ11による回路と、光デイスク上のデータ部
からの反射信号の振幅値と前記ホールド電圧とを比較
し、データ部からの反射信号による振幅値がホールド電
圧より小さい場合に検出信号を出力するコンパレータ13
及びリトリガラブルフリツプフロツプ15による回路とに
より構成される。

前述したホールド電圧を発生させる光デイスク上の記
録マーク部は、第３図に示すように、長い穴と、長い未
記録部をそれぞれ交互に複数個備えて構成されており、
情報記録部の前に、予めスタンパ等により形成したもの
であつてよく、通常は、追記型光デイスクの場合、各デ
ータブロツクの区切りの示すセンタマークを利用するこ
とができる。また、この記録部は、光デイスク上の各ト
ラツクに専用の領域を設けて形成するようにしてもよ
い。

次に、第２図に示すタイミングチヤートを用いて、第
１図に示す本発明の一実施例の動作を説明する。第２図
の各波形は、それぞれに付与されている符号が第１図に
おける符号と対応するものであり、第１図におけるその
部分の信号の波形をしている。

いま、第１図に示すデイテクタ１が、第３図に説明し
たような長い穴と長い未記録部とによる光デイスクの記
録マーク部からの反射光の検出を開始したものとする。
デイテクタ１は、電圧源24により駆動され、光デイスク
からの反射光を検出して、反射光の大きさに比例した電
流信号を出力する。アナログ回路２は、この信号を電流
−電圧変換し、増幅した後、180度位相の異なる差動の
電圧信号として出力する。なお、前述のデイテクタ１及
びアナログ回路２は、通常用いられているデータ検出用
のものを兼用してよい。

差動的に出力されるアナログ回路２の出力は、時定数
の長いカツプリングコンデンサ20,21を通り、信号3,4と
なつて、コンパレータ5,6に印加されると共に、時定数
の短いカツプリングコンデンサ22を通り、信号18となつ
て、コンパレータ13に印加される。コンデンサ20,21
は、デイテクタ１により検出される、光デイスク上の長
い穴と長い未記録部からの反射光の変化量に対応する信
号を充分に通過させることができる程度に大きい容量に
設定され、また、コンデンサ22は、データ部の周波数帯
域より低い周波数の信号を除去できる程度に小さい容量
に設定されている。電圧源27は、前述した信号3,4,18の
動作点を決定する電圧として利用される。

コンパレータ５は、その出力である振幅ホールド電圧
が、信号３のピーク値に達していないことを検出して、
定電流回路を作動させ、コンデンサ26のチヤージ電流を
流す。これにより、コンデンサ26は、信号３のピーク値
に達した振幅ホールド電圧７にまで充電され、これを保
持する。コンパレータ６も前述したコンパレータ５と同
様に動作し、コンデンサ25に、信号４のピーク値に達し
た振幅ホールド電圧８を保持させる。これらの振幅ホー
ルド電圧7,8は、直流電圧成分を含むが、加算されて直
流成分が除去され、光デイスク上の長い穴及び長い未記
録部から成る記録マーク部からの反射光の振幅に相当す
る振幅ホールド電圧10となり、アナログスイツチ11を介
してコンデンサ23に与えられて保持される。アナログス
イツチ11は、デイテクタ１が前述した光デイスクの記録
領域を読み出しているときにのみ、信号16によりON状態
に制御される。従つて、前述振幅ホールド電圧10は、ア
ナログスイツチ11がオン状態にある間に、コンデンサ23
に移され、その後、アナログスイツチ11がオフ状態にな
つた後は、コンデンサ23により、振幅ホールド電圧12と
して保持されることになる。この振幅ホールド電圧12
は、振幅ホールド電圧10がオペアンプ９により反転され
たものであるので、負方向の電圧を有したものとなる。
また、コンデンサ23は、振幅ホールド電圧12を長時間保
持する必要があり、その間、振幅ホールド電圧12が安定
であるように充分大きな容量を有している。

前述のようにして得られた振幅ホールド電圧12は、コ
ンパレータ13に与えられ、光デイスク上の情報記録部
が、デイテクタ１及びアナログ回路２により読み取られ
たとき、情報記録部からの反射光の振幅の大きさが所定
値以上あるか否かを検出する基準信号として用いられ
る。

光デイスクの情報記録部からの反射光の検出信号は、
すでに説明した信号18として得られ、コンパレータ13に
入力されている。コンパレータ13は、この信号18と前述
の負方向の電圧を有する信号12とを比較し、信号18が信
号12より小さいとき、すなわち、信号18の絶対値が信号
12の絶対値より大きいとき、その出力信号14をハイレベ
ルとする。リトリガラブルフリツプフロツプ15は、品質
保証すべき光デイスクの情報記録部のデータ領域を示す
信号17と、前記コンパレータ13の出力信号14のハイレベ
ル信号とにより、ハイレベル信号19を出力し、これを保
持する。すなわち、リトリガラブルフリツプフロツプ15
は、信号17がハイレベルとされた後、信号14がハイレベ
ルとなつたときセツトされ、ハイレベル信号を出力し、
一定時間の間、コンパレータ13からハイレベル信号が与
えられない場合、その出力信号19をローレベルとして、
光デイスクのデータ領域に対する読み出し信号が所定の
レベル以下になつたことを示す。前述したホールド電圧
12の設定は、光デイスク上の記録マーク部の読み出しの
都度行われ、その値が更新され、その後の記録マーク部
からの信号レベルとの比較が行われる。

前述の信号19のローレベルへの変化は、記録品質保証
のための警告信号として利用され、例えば、特開昭62-1
73674号公報に記載されたように、そのデータを交替エ
リアに書き直しさせたり、この信号19にドライバとLED
を接続して警告ランプを点灯してユーザに知らせ、ユー
ザあるいは保守員に光ヘッドの清掃を行わせ、レーザの
光量チエツクを行わせる等の指示のために利用される。
また、装置異常として、書き込み動作を停止させること
も可能である。さらに、この信号19を利用することによ
り、特開昭62-143276号公報に記載されているように、
光デイスククリーナを働かせ、光デイスクの清掃を行わ
せるようにすることも可能である。

前述した本発明の実施例によれば、信号19を警告信号
として利用することにより、過剰なデータの記録品質を
要求させることなく、光デイスク上のデータ品質を保証
することができる。

なお、ホールド電圧を生成するために用いる光デイス
ク上の領域は、すでに説明したように、センタマークを
利用することが可能である他、第３図により説明したよ
うに、情報記録部の前に、あるいは、各トラツク上の専
用の領域に設けた長い穴と長い未記録部分とにより記録
マーク部を設けて利用することができるが、ホールド電
圧を生成するために用いる光デイスク上の領域を、セク
タマークを利用せずに、専用に形成する場合、長い穴と
長い未記録部分の長さを大きく設定することができ、第
１図による実施例における信号３及び信号４のピーク位
置の信号を時間長を長くすることができるので、振幅ホ
ールド電圧7,8のホールド精度をよくすることができ
る。

［発明の効果］ 以上説明したように、本発明によれば、光デイスクに
対する書き込み時のパワー不足、ヘッドへのゴミの付
着、媒体欠陥等により、光デイスク上に不完全な穴があ
けられた場合、デイテクタで検出されるその部分からの
反射光量の変化が少なくなるので、予め完全に空けられ
た長い穴と長い未記録部分での反射光量の変化分と比較
すれば、容易に不完全な穴を検出することができる。

また、本発明によれば、完全な穴に対しても、不完全
な穴に対しても、光デイスクの反射率、読み出し用光ビ
ームのスポツト径、デイテクタ感度のバラツキが同じよ
うに作用するので、これらのバラツキを無視できること
になり、高精度で不良な記録を検出することができ、こ
れにより、光デイスク上に高品質のデータを書き込む制
御を行うことが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による光デイスク装置の読み出し回路の
一実施例の構成を説明するブロツク図、第２図はその動
作を説明するタイミングチヤート、第３図は光デイスク
上の振幅ホールド電圧を発生させるために利用される記
録マークを説明する図である。 １……デイテクタ、２……アナログ回路、5,6,13……コ
ンパレータ、９……オペアンプ、11……アナログスイツ
チ、15……リトリガラブルフリツプフロツプ、24,27…
…電圧源。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】光を用いてデータの記録再生を行う光ディ
   スク装置において、データが記録される情報記録部と予
   め設けられた長い穴及び長い未記録部により形成される
   記録マーク部とを有する記録媒体を用い、前記記録マー
   ク部の長い穴と長い未記録部とからの反射光の差を前記
   記録マーク部からの反射光の振幅値として検出、保持
   し、かつ、前記情報記録部からの反射光の振幅を検出
   し、この振幅の検出値が前記保持された振幅値に達して
   いるか否かを示す検知出力を発することを特徴とする光
   ディスク装置。