JP2681933B2 - 記録再生装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、光ディスクを用いた情報の記録再生装置に
関するもので、特に光ディスク上に情報信号が記録され
ているかいないかを検出する検出回路に関するものであ
る。 従来の技術 光ディスク上のトラックに情報信号がすでに記録され
ているか否かを検出する方法としては、記録された信号
のエンベロープを検出して行なわれていた。 第３図に従来のエンベロープ検出方法を示す。第３図
において、50は光ディスクであり51のモーターにより回
転させられる。52は光ヘッドであり、50の光ディスク上
のトラックに情報信号を記録，再生する。53はプリアン
プであり、52の光ヘッドで検出した情報信号を増幅す
る。54はエンベロープ検出器であり、プリアンプの出力
である情報信号のエンベロープを検出し、DCレベルに変
換する。55はコンパレータであり、54のエンベロープ検
出器の出力レベルを弁別し、光ディスク上のトラックに
情報信号が記録されている個所を再生した時には、56の
コンパレータの出力がHighレベルになり、記録されてい
ない個所を再生した時には、LOWレベルになるように構
成し、前記56の出力レベルにより、情報信号が記録され
ているか否かを検出していた。 発明が解決しようとする問題点 ところが、第４図の光ディスク57のトラック58に情報
信号を記録する際にはトラック58をセクター単位に分割
してセクター毎に記録していく。例えば、59のセクター
Ａと、61のセクターＣには情報信号がすでに記録されて
おり、60のセクターＢには情報信号が記録されていない
とする。一般に光ディスクのトラックから情報信号を再
生する場合に、隣接トラック間でクロストークが存在す
るため、60のセクターＢを再生し、第３図で示したよう
に情報信号が記録されているかいないかを検査した時
に、60のセクターＢに情報信号が記録されていないのに
かかわらず、すでに情報信号が記録されていると判定し
てしまう。 逆に、すでに情報信号が記録されていた場合でも、第
３図で示した55のコンパレータのスレショールドレベル
の設定が適切でない場合には、記録されていないと判定
してしまう。 このように、従来は情報信号が記録されているか否か
を判別する方法として、単に情報信号のエンベロープを
検出し、そのレベルのみで判定していたために誤動作を
起すことが多かった。 本発明はかかる従来の問題を解決して、情報信号が記
録されているか否かを正確に検出することのできる装置
を提供することを目的とする。 問題点を解決するための手段 記録可能型光ディスクの情報トラックに情報信号が記
録されているか否かを判定するために、情報トラックを
走査する際に、走査する光ビームをトラックの幅方向に
振動させ、これから再生された情報信号のエンベロープ
変化と、これを振動させるための信号との位相差あるい
は周波数差を検出することによって、再生された情報信
号のエンベロープが走査した情報トラックからの再生信
号によるか、あるいは隣接情報トラックからのクロスト
ーク信号かを判定するようにしたことを特徴とする。 作用 本発明によれば、記録された情報信号が、現在再生中
のトラックからの信号か、あるいは隣接したトラックか
らの信号かを判別することができ、前記した誤動作をな
くすることができるものである。 実施例 以下、第１図に本発明の原理図を示し説明する。 第１図において１（Ａ）〜１（Ｄ）図は光ディスク上の
情報トラックの模式図であり、１（Ｅ）〜１（Ｈ）図は
各々の場合におけるトラッキング方向の変位量とその時
の再生信号電圧を示している。Ａにおいて、情報トラッ
クａには信号が記録されており、情報トラックb,cには
信号が記録されていない。この時、情報トラックｂを光
ビームが走査し、かつトラックの幅方向にｄで示す変位
を与えると、その時の再生信号の振巾（エンベロープ）
はＥのｅで示すようにｄの変位と同相になる。 次にB,Fにおいて、情報トラックｂに信号が記録され
ている場合を考える。この場合は、Ｆに示す通り、情報
トラックｂの再生信号ｅの振巾はトラッキング方向の変
位量を示す正弦波状の信号ｄの２倍の周波数を有する変
動を示す。 次にＣ図,G図において、情報トラックa,cに信号が記
録されている場合を考える。この場合、同様にｄで示す
変位を与え情報トラックｂを再生すると、両隣の情報ト
ラックに信号が記録されているため、再生信号のエンベ
ロープはほとんど変動を示さない。 さらにD,Hにおいて、情報トラックa,b,cに信号が記録さ
れている場合は、情報トラックｂの再生信号のエンベロ
ープは、Ｆで示したのと同じトラックの幅方向の変位と
同波数の２倍の周波数で変動する。 このように、情報信号が記録されているかどうかを検
査する時に、トラッキング方向に変位を起させる信号
（加振信号と呼ぶ）を加えてこれを行ない、加振信号と
再生信号のエンベロープを比較すれば、その再生信号が
走査中の情報トラックの再生信号か、隣接する情報トラ
ックからのクロストークであるかが判定でき、これによ
って情報トラックが記録済かどうかを正確に判定でき
る。 第２図に本発明の一実施例の具体例を示す。第２図に
おいて、１は光ディスクで２は情報トラックである。３
は光源、４は光源から放射される光束を平行光に変換す
るコリメータレンズ、５は８のビームスプリッタで経た
平行光を１の光ディスク上に焦点を結ばせる対物レンズ
で、６は５の対物レンズを光ディスクのトラック方向に
変位させるトラッキング駆動装置である。９は光検出器
で１の光ディスクの情報トラックから反射された反射光
を受光し電気信号に変換する。11は差動増巾器で、この
差動増巾器の出力には、２つ情報トラックのファーフィ
ールドトラッキング信号が得られる。12はイコライザで
13の加算器、14の駆動増巾器を経て６のトラッキング駆
動装置を駆動制御するトラッキングサーボ系が形成され
る。15は発振器でその出力は加算器13を経て６のトラッ
キング駆動装置により、５の対物レンズを１の光ディス
クのトラック方向に振動させる。16は加算増幅器であ
り、10の光検出器の出力を増巾し、２の情報トラックに
記録された情報信号を17のエンベロープ検波器に供給す
る。18はBPF（バンドパスフィルター）であり、15の発
振器の発振周波数およびその２倍の周波数成分を分離
し、19の２値化回路でパルス信号に変換する。20は弁別
器であり、15の発振器の出力信号の周波数と19の２値化
回路の出力周波数を比較し、19の２値化回路の出力信号
の周波数が、15の発振器の出力信号の周波数の２倍にな
った時に、ハイレベルの信号が出力される。21はゲート
回路で、17のエンベロープ検波器により、情報信号が検
出されると、22のコンパレータの出力がハイレベルとな
り、20の弁別器の出力が同じくハイレベルとなった時に
のみ、23の記録／未記録検出出力がハイレベルとなる。 次に、動作を説明すると、記録／未記録を判定するた
め判定すべき情報トラックに光ビームを走査させる。こ
のため、上記構成で説明した通り、トラッキングサーボ
ループが構成される。さらに15の発振器により、情報ト
ラック上を５の対物レンズで焦点を結ばされたビームス
ポットが微少な（±0.1μｍ程度）トラックの幅方向の
蛇行をしながら、目的の情報トラックを再生する。第１
図により、説明した通り、もし、目的の情報トラックに
すでに情報が記録されている場合は、その情報トラック
の再生信号のエンベロープには、15の発振器の発振出力
周波数の２倍の周波数成分が現われるので、この場合の
み、目的の情報トラックが記録済であることがわかる。
この場合、同時に22のコンパレータの出力もハイレベル
となるため、22のコンパレータの出力と20の弁別器の出
力の両方がハイレベルとなる時は、必ず、その情報トラ
ックは記録済であることが判別される。 前記弁別器としては、周波数差を検出するディスクリ
ミネータ、あるいは検出されたエンベロープ変動と、発
振器15の出力とその位相差を検出する位相比較器なども
利用できる。 また光ディスクの情報トラックは、セクター毎にアド
レス信号を設けて、分割して利用することがある。この
場合、アドレス信号は、情報トラックを不連続にするこ
とによって光ディスク上に記録されている。上記セクタ
ー毎に分割して情報が記録される場合、記録か未記録か
を判定する単位もセクター毎に行なう必要があるが、セ
クターを示すアドレス信号を再生する時は、前記第２図
で示した発振器15を不動作とした方が、アドレス信号の
読み取り精度が向上する。またセクター毎に記録か未記
録かを判定する必要上、前記発振器の発振出力周波数
は、情報トラックを分割しているセクター周波数により
十分大きいことが求められる。 また、前記発振器の発振周波数は、前記したトラッキ
ングサーボ系の帯域外に設定した方が、トラッキング方
向（トラックの幅方向）に対物レンズを振動させ易い。 発明の効果 以上のように、従来はエンベロープ検波器の検波レベ
ルを大きくするとクロストーク信号で誤動作し、また検
波レベルを小さくすると、記録済の情報トラックを誤っ
て未記録と判断してしまっていたが、本発明によれば、
情報トラックが記録済か未記録かを判定する場合、得ら
れる再生信号が現在、走査中の情報トラックの再生信号
か、あるいは、隣接の情報トラックからのクロストーク
かが検出できるため、エンベロープ検波器の検波レベル
を高感度に設定でき、かつ誤動作をなくすることができ
る。

【図面の簡単な説明】 第１図は、本発明の記録再生装置の原理を示す模式図と
波形図、第２図は、本発明の一実施例の記録再生装置の
ブロック図、第３図は従来例の記録再生装置のブロック
図、第４図はその原理を示す平面図、第５図はその動作
原理を示す模式図である。 a,b,c……情報トラック、●……情報信号が記録されて
いることを示す記号、ｄ……トラック方向の光ビームス
ポットの変位、ｅ……再生信号のエンベロープ、１……
光ディスク、２……情報トラック、５……対物レンズ、
16……加算増巾器、17……エンベロープ検波器、18……
BPF（バンドパスフィルタ）、19……２値化回路、20…
…弁別器、21……ゲート、22……コンパレータ、23……
記録／未記録検出出力。

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 １．記録可能型光ディスクの情報トラックに情報信号が
   記録されているか否かを判定すべく前記情報トラックを
   走査し、再生し検出した情報信号のエンベロープを検出
   し、前記エンベロープが存在するかどうかを示す第１の
   信号と、走査する光ビームをトラックの幅方向に振動さ
   せる手段と、再生された情報信号のエンベロープ変化
   と、前記振動させるための信号との位相差あるいは周波
   数差を検出する手段とを備え、光ビームを幅方向に振動
   させた時に、前記振動させる周波数の２倍の周波数を有
   する前記エンベロープ変化を検出したことを示す第２の
   信号とを有し、前記第１及び第２の信号の両方を用い
   て、前記両方の信号のいずれもが対象とするトラックに
   情報が記録されていると判別したときに限って、対象の
   トラックに情報信号が記録されていると判別することを
   特徴とする記録再生装置。 ２．前記光ビームを振動させる周波数を少なくとも光デ
   ィスクのセクター間隔の周波数より大きく設定した特許
   請求の範囲第１項記載の記録再生装置。