JP2702846B2 - 圧延用ロール材 - Google Patents
圧延用ロール材Info
- Publication number
- JP2702846B2 JP2702846B2 JP4087307A JP8730792A JP2702846B2 JP 2702846 B2 JP2702846 B2 JP 2702846B2 JP 4087307 A JP4087307 A JP 4087307A JP 8730792 A JP8730792 A JP 8730792A JP 2702846 B2 JP2702846 B2 JP 2702846B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- rolling
- roll
- carbides
- roll material
- wear resistance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、ホットストリップミル
をはじめとした鉄鋼圧延用ロールに適用されるとくに圧
延荷重を軽減し、かつ耐摩耗性と耐き裂性を兼備した圧
延用ロール材に関するものである。
をはじめとした鉄鋼圧延用ロールに適用されるとくに圧
延荷重を軽減し、かつ耐摩耗性と耐き裂性を兼備した圧
延用ロール材に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来この種類のロール材としては、適度
の耐摩耗性と耐き裂性を有したＣ：２〜３.２％，Ｃ
ｒ：１２〜１８％，Ｎｉ，Ｍｏ各２％以下含有した高ク
ロム鋳鉄、あるいはＣ：３〜３.４％，Ｃｒ：０.４〜
１.５％，Ｎｉ：２〜５％，Ｍｏ：１％以下含有した高
合金グレン鋳鉄が広く使用されていた（鉄鋼基礎共同研
究会“鉄鋼材料の摩耗”P16参照）。
の耐摩耗性と耐き裂性を有したＣ：２〜３.２％，Ｃ
ｒ：１２〜１８％，Ｎｉ，Ｍｏ各２％以下含有した高ク
ロム鋳鉄、あるいはＣ：３〜３.４％，Ｃｒ：０.４〜
１.５％，Ｎｉ：２〜５％，Ｍｏ：１％以下含有した高
合金グレン鋳鉄が広く使用されていた（鉄鋼基礎共同研
究会“鉄鋼材料の摩耗”P16参照）。
【０００３】また、特開昭５８−８７２４９号公報にお
いてＣ：２.４〜３.５％，Ｖ：６.１〜１４％にＣｒ，
Ｍｏ，Ｗ，Ｃｏの各合金元素を含有したロール材が試み
られ耐摩耗性の向上が図られた。
いてＣ：２.４〜３.５％，Ｖ：６.１〜１４％にＣｒ，
Ｍｏ，Ｗ，Ｃｏの各合金元素を含有したロール材が試み
られ耐摩耗性の向上が図られた。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】圧延用ロールに要求さ
れる最も重要な具備特性に耐摩耗性と耐き裂性がある。
ロールの摩耗が少なければ圧延した鉄鋼製品の板厚精度
が向上するとともにロールの取換え頻度も少なくなり作
業能率が向上する。一方、耐き裂性が不足すると使用中
の熱および機械的負荷により割れが発生し、大きなトラ
ブルとなり、圧延作業が中断し、ひいては圧延設備をも
損傷させることになる。従って前記両具備特性を兼備す
ることが強く望まれている。
れる最も重要な具備特性に耐摩耗性と耐き裂性がある。
ロールの摩耗が少なければ圧延した鉄鋼製品の板厚精度
が向上するとともにロールの取換え頻度も少なくなり作
業能率が向上する。一方、耐き裂性が不足すると使用中
の熱および機械的負荷により割れが発生し、大きなトラ
ブルとなり、圧延作業が中断し、ひいては圧延設備をも
損傷させることになる。従って前記両具備特性を兼備す
ることが強く望まれている。
【０００５】この点、高クロム鋳鉄材や高合金グレン鋳
鉄材に比べ特開昭５８−８７２４９号（特公平２−１９
１８１号）公報に示されたロール材は晶出する炭化物が
硬く、かつ焼入れ後の硬度も高いため耐摩耗性が極めて
良好である。しかしながら、耐き裂性においては良好と
はいいがたい。
鉄材に比べ特開昭５８−８７２４９号（特公平２−１９
１８１号）公報に示されたロール材は晶出する炭化物が
硬く、かつ焼入れ後の硬度も高いため耐摩耗性が極めて
良好である。しかしながら、耐き裂性においては良好と
はいいがたい。
【０００６】さらに、圧延に供した場合圧延荷重が増大
する課題が生じた。いうまでもなく圧延荷重が増大すれ
ば設備的な制約による生産性を阻害するとともに、消費
電力も増加しコスト高となり経済性も悪化する。
する課題が生じた。いうまでもなく圧延荷重が増大すれ
ば設備的な制約による生産性を阻害するとともに、消費
電力も増加しコスト高となり経済性も悪化する。
【０００７】そこで本発明はとくに圧延荷重を低減し、
かつ良好な耐摩耗性と耐き裂性を兼備する高性能の圧延
用ロール材を提供せんとするものである。
かつ良好な耐摩耗性と耐き裂性を兼備する高性能の圧延
用ロール材を提供せんとするものである。
【０００８】前記の課題を解決するために、本発明は外
層部内周面と芯材外周面を連続鋳掛け法にて溶着して構
成した二層複合の圧延用ロール材において、外層部が、 Ｃ：１．０〜２．５％， Ｃｏ：５．０超〜１０．０％ Ｖ：３．０〜１０．０％， Ｃｒ：３．０％以上で さらにＭｏ，Ｗのおのおのが１．０％以上でかつその一
種類を３．０％以上含み、クロム当量＝Ｃｒ％＋０．７
５（Ｍｏ％＋Ｗ％）にて計算されるクロム当量が１２％
以下で、残部が実質的に鉄からなることを特徴とする。
層部内周面と芯材外周面を連続鋳掛け法にて溶着して構
成した二層複合の圧延用ロール材において、外層部が、 Ｃ：１．０〜２．５％， Ｃｏ：５．０超〜１０．０％ Ｖ：３．０〜１０．０％， Ｃｒ：３．０％以上で さらにＭｏ，Ｗのおのおのが１．０％以上でかつその一
種類を３．０％以上含み、クロム当量＝Ｃｒ％＋０．７
５（Ｍｏ％＋Ｗ％）にて計算されるクロム当量が１２％
以下で、残部が実質的に鉄からなることを特徴とする。
【０００９】
【作用】Ｃ含有量を前記範囲１.０〜２.５％に限定する
理由は次の通りである。すなわち、Ｃが下限値１.０％
未満では硬い炭化物の晶出が少なく耐摩耗性が著しく劣
化し、性能向上が望めなくなる。一方、上限値２.５％
を越えるときには、耐摩耗性は向上するが脆弱な炭化物
が増加し、圧延ロールの具備すべき耐き裂性の向上は達
成できない。
理由は次の通りである。すなわち、Ｃが下限値１.０％
未満では硬い炭化物の晶出が少なく耐摩耗性が著しく劣
化し、性能向上が望めなくなる。一方、上限値２.５％
を越えるときには、耐摩耗性は向上するが脆弱な炭化物
が増加し、圧延ロールの具備すべき耐き裂性の向上は達
成できない。
【００１０】Ｖ含有量は炭化物の中でも極めて硬いＭＣ
型のＶＣ炭化物を晶出するためＣとのバランスで選択さ
れる。特に本発明の材質の場合は、このＶＣ炭化物を利
用して耐摩耗性を向上させるものであるが、この炭化物
は溶湯より初晶の炭化物として直接晶出し、組織を制御
するため重要である。すなわち、Ｃ：１.０〜２.５％の
範囲では、Ｖが下限値の３％未満では、硬いＶＣ炭化物
が晶出せず、基地組織に固溶してしまう。一方、上限値
の１０％を超えると炭化物が増大し、耐き裂性を損な
う。
型のＶＣ炭化物を晶出するためＣとのバランスで選択さ
れる。特に本発明の材質の場合は、このＶＣ炭化物を利
用して耐摩耗性を向上させるものであるが、この炭化物
は溶湯より初晶の炭化物として直接晶出し、組織を制御
するため重要である。すなわち、Ｃ：１.０〜２.５％の
範囲では、Ｖが下限値の３％未満では、硬いＶＣ炭化物
が晶出せず、基地組織に固溶してしまう。一方、上限値
の１０％を超えると炭化物が増大し、耐き裂性を損な
う。
【００１１】Ｃｏを５％超〜１０％に限定した理由を述
べる。Ｃｏは大部分が基地に固溶しその強度を向上さ
せ、とくに高温で著しい効果を有する。さて、個々の炭
化物が遊離して晶出するＶＣ炭化物を有する場合、炭化
物自身の耐摩耗性は極めて高いが周囲の基地の耐摩耗性
が無いと、周囲が摩耗し炭化物のみが残存して突起しヤ
スリ状となりロールバイト（ロールと板の圧延接触部
分）内での摩擦係数を大きくし圧延荷重を増大する現象
が生じた。そこでＣｏを含有させ基地の硬さと強度を合
わせて向上し耐摩耗性をもたせ、この現象を解消した。
べる。Ｃｏは大部分が基地に固溶しその強度を向上さ
せ、とくに高温で著しい効果を有する。さて、個々の炭
化物が遊離して晶出するＶＣ炭化物を有する場合、炭化
物自身の耐摩耗性は極めて高いが周囲の基地の耐摩耗性
が無いと、周囲が摩耗し炭化物のみが残存して突起しヤ
スリ状となりロールバイト（ロールと板の圧延接触部
分）内での摩擦係数を大きくし圧延荷重を増大する現象
が生じた。そこでＣｏを含有させ基地の硬さと強度を合
わせて向上し耐摩耗性をもたせ、この現象を解消した。
【００１２】その効果を図１に示すが圧延荷重はＣｏ含
有量と相関が強く、とくに５％超において低減効果が顕
著である。なお、補強ロールとの接触においても同様で
補強ロールの摩耗を増加させていたが、このことにより
解消された。一方、Ｃｏは非常に高価なものであるた
め、コストとの関連で添加により実用的に顕著な効果を
見出せる上限値として１０％以下に限定した。
有量と相関が強く、とくに５％超において低減効果が顕
著である。なお、補強ロールとの接触においても同様で
補強ロールの摩耗を増加させていたが、このことにより
解消された。一方、Ｃｏは非常に高価なものであるた
め、コストとの関連で添加により実用的に顕著な効果を
見出せる上限値として１０％以下に限定した。
【００１３】さらに、主要な合金元素としてＣｒ，Ｍ
ｏ，Ｗもロール性能を向上させるのに有用である。いず
れもＣと結合しやすく、一部はＶとともにＭＣ炭化物を
形成し耐摩耗性を向上させるとともに基地にも固溶して
基地硬さおよび強度を向上させるものの、本発明のロー
ル材においては主に硬いＭ6Ｃ系の共晶炭化物を形成す
る。
ｏ，Ｗもロール性能を向上させるのに有用である。いず
れもＣと結合しやすく、一部はＶとともにＭＣ炭化物を
形成し耐摩耗性を向上させるとともに基地にも固溶して
基地硬さおよび強度を向上させるものの、本発明のロー
ル材においては主に硬いＭ6Ｃ系の共晶炭化物を形成す
る。
【００１４】しかしながら、Ｃｒを単独に添加した場合
はＭ7Ｃ3型の脆弱な網目状の炭化物が晶出するため、Ｍ
ｏ，Ｗのいずれか一種を３％以上含有することがＭ6Ｃ
炭化物を形成するためには不可欠である。また、耐き裂
性を確保するとともに前記Ｃｏ範囲において圧延荷重低
減効果を阻害させないため炭化物量を制限する必要があ
り炭化物量と強い相関がある前記クロム当量を１２％以
下とした。
はＭ7Ｃ3型の脆弱な網目状の炭化物が晶出するため、Ｍ
ｏ，Ｗのいずれか一種を３％以上含有することがＭ6Ｃ
炭化物を形成するためには不可欠である。また、耐き裂
性を確保するとともに前記Ｃｏ範囲において圧延荷重低
減効果を阻害させないため炭化物量を制限する必要があ
り炭化物量と強い相関がある前記クロム当量を１２％以
下とした。
【００１５】また、溶湯の脱酸等の理由で溶解技術上、
有用な元素であるＳｉならびにＭｎはそれぞれ０．５％
程度、さらにＰ，Ｓの不純物についても通常の鋳物に含
まれる０．０３％以下程度のものであれば含有されてい
ても差支えなく、これらは本発明の効果をなんら損なわ
しめるものではない。尚本発明ではＢは添加しないた
め、実質的に含有することがない。
有用な元素であるＳｉならびにＭｎはそれぞれ０．５％
程度、さらにＰ，Ｓの不純物についても通常の鋳物に含
まれる０．０３％以下程度のものであれば含有されてい
ても差支えなく、これらは本発明の効果をなんら損なわ
しめるものではない。尚本発明ではＢは添加しないた
め、実質的に含有することがない。
【００１６】
【実施例】本発明の実施例として、ホットストリップ仕
上げ圧延機用ワークロールを製造した。溶解は高周波誘
導炉で行い、鋳造は特公昭４４−４９０３号公報に開示
された連続鋳掛け法により行い芯材に鍛鋼（ＳＣＭ４４
０）を採用して複合ロールとした。熱処理は鋳造後、焼
鈍、焼入・焼戻しを施した。
上げ圧延機用ワークロールを製造した。溶解は高周波誘
導炉で行い、鋳造は特公昭４４−４９０３号公報に開示
された連続鋳掛け法により行い芯材に鍛鋼（ＳＣＭ４４
０）を採用して複合ロールとした。熱処理は鋳造後、焼
鈍、焼入・焼戻しを施した。
【００１７】表１に従来例と本発明の実施例との具体的
な製造品質および実機圧延での使用品質を示すが、本発
明の実施例は、使用中のトラブルにより生じたロールの
き裂も浅く、耐摩耗性も極めて良好で、かつ圧延荷重が
低減しロール性能が著しく向上したことは明らかであ
る。
な製造品質および実機圧延での使用品質を示すが、本発
明の実施例は、使用中のトラブルにより生じたロールの
き裂も浅く、耐摩耗性も極めて良好で、かつ圧延荷重が
低減しロール性能が著しく向上したことは明らかであ
る。
【００１８】
【表１】
【００１９】
【発明の効果】本発明を、鉄鋼圧延用ロールに適用する
ことにより、耐摩耗性と耐き裂性を著しく向上した高性
能ロールを安定的に供給することが可能となるとともに
圧延荷重も低減され、圧延製品の品質と圧延操業におけ
る生産性ならびに経済性が向上した。
ことにより、耐摩耗性と耐き裂性を著しく向上した高性
能ロールを安定的に供給することが可能となるとともに
圧延荷重も低減され、圧延製品の品質と圧延操業におけ
る生産性ならびに経済性が向上した。
図１は本発明で開示したロール材を使用した時の圧延荷
重を示す図面である。
重を示す図面である。
Claims (1)
- 【請求項１】外層部内周面と芯材外周面を連続鋳掛け法
にて溶着して構成した二層複合の圧延用ロール材におい
て、前記外層部が、 Ｃ ：１．０〜２．５％ Ｖ ：３．０〜１０．０％ Ｃｏ：５．０超〜１０．０％Ｃｒ：３．０％以上で さらにＭｏ、Ｗのおのおのが１．０％以上でかつその一
種類を３．０％以上含み、下記式で表されるクロム当量
が１２％以下で、残部は実質的に鉄からなることを特徴
とする圧延用ロール材。 クロム当量％＝Ｃｒ％＋０．７５（Ｍｏ％＋Ｗ％）
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4087307A JP2702846B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 圧延用ロール材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4087307A JP2702846B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 圧延用ロール材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05287435A JPH05287435A (ja) | 1993-11-02 |
| JP2702846B2 true JP2702846B2 (ja) | 1998-01-26 |
Family
ID=13911178
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4087307A Expired - Lifetime JP2702846B2 (ja) | 1992-04-08 | 1992-04-08 | 圧延用ロール材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2702846B2 (ja) |
Citations (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5380351A (en) * | 1976-12-27 | 1978-07-15 | Hitachi Metals Ltd | Preparation of roll for hot rolling |
| JPH02263390A (ja) * | 1990-01-26 | 1990-10-26 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体メモリ装置 |
| JPH03126838A (ja) * | 1989-10-09 | 1991-05-30 | Kubota Corp | 複合ロール |
| JPH03151855A (ja) * | 1989-11-07 | 1991-06-28 | Nippon Kentatsukii Furaido Chikin Kk | 食物繊維を含有するチキンナゲット |
| JPH04141553A (ja) * | 1990-10-01 | 1992-05-15 | Hitachi Metals Ltd | 熱間圧延用複合ロール |
| JPH051352A (ja) * | 1991-06-24 | 1993-01-08 | Kubota Corp | 複合ロールおよびその製造法 |
-
1992
- 1992-04-08 JP JP4087307A patent/JP2702846B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5380351A (en) * | 1976-12-27 | 1978-07-15 | Hitachi Metals Ltd | Preparation of roll for hot rolling |
| JPH03126838A (ja) * | 1989-10-09 | 1991-05-30 | Kubota Corp | 複合ロール |
| JPH03151855A (ja) * | 1989-11-07 | 1991-06-28 | Nippon Kentatsukii Furaido Chikin Kk | 食物繊維を含有するチキンナゲット |
| JPH02263390A (ja) * | 1990-01-26 | 1990-10-26 | Mitsubishi Electric Corp | 半導体メモリ装置 |
| JPH04141553A (ja) * | 1990-10-01 | 1992-05-15 | Hitachi Metals Ltd | 熱間圧延用複合ロール |
| JPH051352A (ja) * | 1991-06-24 | 1993-01-08 | Kubota Corp | 複合ロールおよびその製造法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05287435A (ja) | 1993-11-02 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 19960716 |
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