JP2702570B2 - 熱可逆性光記録媒体 - Google Patents

熱可逆性光記録媒体

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JP2702570B2
JP2702570B2 JP1308324A JP30832489A JP2702570B2 JP 2702570 B2 JP2702570 B2 JP 2702570B2 JP 1308324 A JP1308324 A JP 1308324A JP 30832489 A JP30832489 A JP 30832489A JP 2702570 B2 JP2702570 B2 JP 2702570B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、光吸収により生じた熱により可逆的に記
録及び消去を繰り返し行なうことが出来る熱可逆性光記
録媒体に関するものである。
(従来の技術) 熱可逆性光記録媒体は、熱履歴により当該記録媒体の
透明度(ここでは、可視光に対する透明度につき論じ
る。以下、同様)が変化する特性を有する。従って、熱
可逆性光記録媒体にレーザ光等を照射して熱を与える際
に、当該記録媒体の所定部分の熱履歴を他の部分とは異
ならせて両部分の透明度に差をつけることによって記録
等を行なわせることが出来る。
このような熱可逆性光記録媒体の記録層の構成材料
(以下、記録材料と略称する。)の従来例としては、例
えば特開昭55−154198号公報に開示されているものがあ
った。
この公報に開示の記録材料は、ポリエステルをはじめ
とするポリマーまたは樹脂から成るマトリクス材にベヘ
ン酸をはじめとする有機低分子物質を分散させて構成さ
れていた。
第3図は、この従来の記録材料の、温度に対する透明
度変化のヒステリシス曲線を、縦軸に透過率および横軸
に温度をとって示した図である。以下、第3図を参照し
て従来の記録材料の特性につき説明する。
先ず、この従来の記録材料は、室温(RT)付近におい
て、過去の熱履歴に応じて3図中の(A)の透過率(透
明状態)または(D)の透過率(不透明状態)のいずれ
かの特性を示す。
そして、この記録材料を、温度T0を越え温度T1まで熱
すると、(A)または(D)であった透過率は、(B)
に変化する。その後、これを室温まで冷却すると、いず
れの場合でも(B)であった透過率は(D)となり、こ
の記録材料は透明状態(D)に固定される。
これに対し、室温付近において透過率が(A)または
(D)であった記録材料を、T0およびT1を越え温度T2
上に熱すると、(A)または(D)であった透過率は
(B)を経て(C)に変化する。すなわち、透明状態
(D)よりやや透明度が低下した状態になる。その後、
これを室温まで冷却すると、いずれの場合であっても
(C)であった透過率は(A)となり、この記録材料は
不透明状態(A)に固定される。
上述の特性の具体例として、特開昭55−154198号公報
には、以下のような実施例が記載されている。
:芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジオールをベース
にした高分子直鎖コポリエステルと、ドコサン酸とを含
む記録材料は、72℃に加熱して冷却すると安定した透明
性を示した。これは、77℃以上の温度に再加熱すること
によってのみ不透明状態に戻すことができた。
:塩化ビニリデンおよびアクリロニトリロの共重合体
と、ドコサン酸と、流動性改善のためのフルオラッド潤
滑剤とを含む記録材料は、63℃にまで加熱して冷却する
と安定した透明性を示した。これは、74℃以上の温度に
再加熱することによってのみ不透明状態に戻すことがで
きた。
:塩化ビニルおよび酢酸ビニルの共重合体と、ドコサ
ノールとを含む記録材料は、68℃にまで加熱して冷却す
ると安定した透明性を示した。これは、70℃以上の温度
に再加熱することによってのみ不透明状態に戻すことが
できた。
:ポリエステルと、ドコサン酸とを含む記録材料は、
72℃にまで加熱して冷却すると安定した透明性を示す。
これは、77℃以上の温度に再加熱することによってのみ
不透明状態に戻すことができた。
また、特開昭57−82088号公報には、 (イ)…上記記録材料と同様な組成の記録材料中にレー
ザ光を吸収することで発熱するカーボンブラックを含ま
せて構成した熱可逆性光記録媒体、 (ロ)…レーザ光を吸収することで発熱するカーボンブ
ラックを含んで構成した発熱層と、該発熱層上に設けら
れ上述の記録材料と同様な組成を有する記録材料で構成
した記録層とを具える熱可逆性光記録媒体が夫々開示さ
れている。
さらに、この公報には、この熱可逆性光記録媒体を用
いての、白濁(不透明状態)記録法及び透明記録法の2
つの記録方法が述べられている。第3図と、第4図
(A)及び(B)とを参照して、これらの記録方法につ
き簡単に説明する。なお、第4図(A)は白濁記録法の
説明図、第4図(B)は透明記録法の説明図であり、い
ずれの図も熱可逆性光記録媒体の一部平面図及びその断
面図である。
…先ず、白濁記録法においては、最初、記録層は全面
透明状態とされる。透明状態でない場合は、この熱可逆
性光記録媒体が第3図中のT1〜T2の温度にされた後室温
まで冷却され記録層は透明状態にされる。その後、第4
図(A)に示すように、記録層11の記録をさせたい領域
11a(以下、記録領域11a。)に対応する発熱層13の部分
領域13aに、スポットの小さなレーザー光が、記録領域1
1aの温度が第2図中のT2以上の温度になるような条件で
照射される。この結果、記録領域11aのみが白濁状態
(不透明状態)になり記録が行なわれる。一方、この記
録を消去するには、上記白濁領域に対応する発熱層の部
分領域13aに、白濁領域形成時のスポットより大きなス
ポットでかつ白濁領域形成時より弱いエネルギーのレー
ザー光が照射され、即ち記録層11の白濁領域の温度が第
3図中のT1〜T2の温度になるような条件でレーザ光が照
射され、白濁領域が透明状態に戻される。なお、記録を
消去する際のレーザ光のスポットを記録時の場合より大
きくする理由は、白濁領域のみにレーザー光を再び照射
することが難しいためである。
…これに対し、透明記録法においては、最初記録層11
は全面不透明状態(白濁状態)とされる。白濁状態でな
い場合は、熱可逆性光記録媒体が第3図中のT2以上の温
度にされた後室温まで冷却され記録層は白濁状態とされ
る。その後、記録層11の記録領域11aに対応する発熱層
の部分領域13aに、スポットの小さなレーザー光が、記
録領域11aの温度が第3図中のT1〜T2間の温度になるよ
うな条件で照射される。この結果、記録領域11aのみが
透明状態になり記録が行なわれる。一方、この記録を消
去するには、記録層の透明領域に対応する発熱層の部分
領域に、透明領域形成時のスポットより大きなスポット
でかつ透明領域形成時より強いエネルギーのレーザー光
が照射され、即ち記録層の透明領域の温度が第3図中の
T2以上の温度になるような条件でレーザ光が照射され、
透明領域が白濁状態に戻される。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、従来の熱可逆性光記録媒体は、これを
T2以上の温度に熱しその後冷却すると白濁状態に、ま
た、T1〜T2間の温度に熱しその後冷却すると透明状態に
なる特性を有するものであったため、白濁記録法及び透
明記録法夫々において、以下に説明するような問題点を
有するものであった。
…白濁記録法において記録消去のために白濁領域(記
録領域)を透明化する際は、白濁領域のみにレーザー光
を再び照射することは非常に難しいため白濁領域を含む
それより大きなスポット径のレーザ光を照射していた。
この際、白濁領域周辺は透明状態であるので、透明状態
の部分のほうが透過光が多くなりこの結果この部分に対
応する発熱層部分は発熱しやすくなり、よって、白濁領
域に対応する部分より温度が高くなる。このため、記録
層の白濁領域の温度がT1〜T2になるようにレーザ光の照
射条件を設定すると白濁領域の周囲の領域の温度はT2
上になってしまい、記録領域(白濁領域)は透明状態に
戻せるがその反面周囲領域が白濁してしまう。また、白
濁領域の周囲の領域の温度がT2に至らないようにレーザ
光の照射条件を設定すると白濁領域の温度はT1まで至ら
ずこのため白濁領域を透明化することができない。この
ように、いずれにしても完全な消去は出来なかった。
…一方、透明記録法においては、記録時のレーザ光の
スポット径が小さい程記録密度が向上する。しかし、こ
のような微小スポットの透明領域を形成するには、感熱
層の非常に微小な領域の温度をT1〜T2の温度範囲、特開
昭55−154198号公報の記録材料の例で云えば上記のも
のにあっては(77−72)=5℃、のものにあっては11
℃、のものにあっては2℃、のものにあっては5℃
というように2〜10数℃程度の狭い温度範囲に設定しな
ければならず、このような温度制御は非常に難しいとい
う問題点があった。
また、従来の熱可逆性光記録媒体では、透明状態およ
び不透明状態それぞれの透過率比(コントラスト)があ
まり大きくないため、さらに改良が望まれていた。
この発明は、このような点に鑑みなされたものであ
り、従ってこの発明の目的は、透明状態にできる温度範
囲が従来のものより広く、また、透明・不透明のコント
ラストが従来のものより大きい熱可逆性光記録媒体を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) この目的の達成を図るため、この出願の第一発明によ
れば、マトリクス材及び有機低分子物質を含む記録層
と、光を吸収して発熱する発熱層とを具える熱可逆性光
記録媒体において、 マトリクス材をスチレン・ブタジエン共重合体とし、
有機低分子物質を飽和カルボン酸としたことを特徴とす
る。
また、この出願の第二発明によれば、マトリクス材、
有機低分子物質及び光を吸収し発熱する物質を含有して
成る熱可逆性光記録媒体において、 マトリクス材をスチレン・ブタジエン共重合体とし、
有機低分子物質を飽和カルボン酸としたことを特徴とす
る。
なお、第一及び第二発明の実施に当たり用い得る飽和
カルボン酸としては、これに限られるものではないが、
カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン
酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリ
ン酸等を挙げることが出来る。これらは炭素数が、10〜
24の飽和カルボン酸に相当する。
また、重量比で云って、マトリクス材1に対し飽和カ
ルボン酸を1より多く含ませると記録層の成膜が困難と
なり、1/20より少なくすると熱可逆性が小さくなるの
で、マトリクス材と、飽和カルボン酸との混合比は、1:
1〜20:1の範囲内とするのが好適である。
また、第一発明の熱可逆性光記録媒体は、スチレン・
ブタジエン共重合体及び飽和カルボン酸に加え、記録層
の膜質を向上させる物質、潤滑性を向上させる物質等の
他の物質を含むものであっても良い。また、第二発明の
熱可逆性光記録媒体も第一発明のものと同様に、当該記
録媒体の膜質を向上させる物質、潤滑性を向上させる物
質等の他の物質を含むものであっても良い。
また、第一発明の実施に当たって記録層を基板等に形
成する際、また、第二発明の実施に当たって熱可逆性光
記録媒体を基板等に形成する際、塗布液を調整する場合
がある。その際には、マトリクス材および飽和カルボン
酸を溶剤に溶かして塗布溶液を得るのが良い。そして、
この溶剤としては、これに限られるものではないが、テ
トラヒドロフラン、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、クロロホルム、四塩化炭素、エタノール、
トルエンおよびベンゼン等の中から選ばれた1種を用い
るかまたは2種以上を混合して用いるのが良い。また、
塗布溶液は、必要とあれば加熱して用いても良い。
(作用) このような構成によれば、第一及び第二発明の熱可逆
性光記録媒体夫々は、特定温度T3以上(但し、T3以上と
いってもマトリクス材の溶融点温度より低い温度であ
る)に加熱した後に冷却することにより最大透明度を示
し、T3より低い一定温度範囲内の温度(T1〜T2)で加熱
した後冷却することにより最小透明度を示す。従って、
透明状態を形成する温度範囲と、不透明状態を形成する
温度範囲とが、従来のものに比し逆転した熱可逆性光記
録媒体が得られる。
(実施例) 以下、図面を参照してこの発明の熱可逆性光記録媒体
の実施例につき説明する。なお、説明に用いる図はこの
発明を理解出来る程度に各構成成分の寸法、形状及び配
置関係を概略的に示してある。また、この実施例で述べ
る使用材料および数値的条件はこの発明の範囲内の単な
る一例にすぎず、従って、この発明がこれら使用材料お
よび数値的条件にのみ限定されるものでないことは理解
されたい。
熱可逆性光記録媒体の作製 まず、スチレン・ブタジエン共重合体としてこの実施
例では旭化成工業製のアスマー(商品名)を用意する。
また、飽和カルボン酸としてこの実施例ではステアリン
酸を用意する。また、光を吸収し発熱する物質としてこ
の実施例ではカーボンブラックを用意する。
次に、アスマー2重量部と、ステアリン酸1重量部と
を、20重量部のテトラヒドロフラン(以下、THFと略称
する)に溶解させて、実施例の記録層形成用の塗布溶液
を調整する。また、ポリビニルブチラール(セキスイ化
学工業(株)製エスレック(商品名))1重量部と、カ
ーボンブラック0.02重量部とを、10重量部のTHFに加え
て、実施例の発熱層形成用の塗布溶液を調整する。
一方、ステアリン酸を用いないこと以外は実施例と全
く同様にして、すなわち、アスマー2重量部を20重量の
THFに溶解させて、比較例1の記録層形成用の塗布溶液
を調整する。
また、アスマーの代わりに2重量部の塩化ビニル・酢
酸ビニル共重合体(ユニオン・カーバイト社(UCC)製
のVYHH)を用いたこと以外は実施例と全く同様にして比
較例2の記録層形成用の塗布溶液を調整する。
次に、スピン・コート法により、ポリメチルメタクリ
レート基板上に実施例の発熱層用の塗布溶液を所定の厚
さに塗布する。その後、この基板をTHFを除去出来る程
度の温度及び時間で乾燥する。これにより、発熱層を有
する基板が得られる。
次に、スピンコート法により、実施例、比較例1およ
び比較例2の記録層形成用の塗布溶液を、各塗布溶液毎
に別々に用意した上記発熱層付きポリメチルメタクリレ
ート基板の発熱層上に同じ厚みに塗布する。
次に、塗布の終了したこれら基板を90℃の温度で大気
雰囲気中でそれぞれ乾燥する。この乾燥時間は、溶剤で
あるTHFを除去できる時間とする。
このようにして、実施例、比較例1および比較例2の
熱可逆性光記録媒体(以下、試料と略称することもあ
る。)を形成する。第1図(A)は、これら試料を概略
的に示した断面図である。図中21は基板、23は発熱層、
25は光を吸収し発熱する物質、27は記録層である。
熱可逆性の測定 次に、実施例、比較例1および比較例2の各試料を直
接加熱しその際の温度変化に対する各試料の透明度変化
を測定する。
第2図は、実施例の試料の、温度に対する透明度変化
のヒステリシス曲線を、縦軸に透過率および横軸に温度
をとって示した図である。
第1図からも理解できるように、実施例の試料は、こ
れを70℃からアスマーの溶融点温度である120℃までの
範囲内の温度に熱した場合透明状態となり、これをその
まま室温(約25℃)まで冷却すると、透明状態に固定さ
れる。さらに、実施例の試料は、これを57〜68℃の範囲
内の温度に熱した場合不透明状態となり、これをそのま
ま室温まで冷却すると不透明状態に固定される。
また、この実施例の試料の透明状態と不透明状態との
透過率比(この場合波長550nmの光に対する透過率比)
で示したコントラストは、4.2であることがわかった。
一方、比較例1の試料は、形成後においてそもそも透
明であり、しかも、この試料の温度を20〜120℃の範囲
に亘って変化させても不透明状態にはならないことがわ
かった。すなわち、記録材料としての属性は示さないこ
とがわかった。
また、比較例2の試料の温度に対する透明度変化のヒ
ステリシス曲線は、第3図に示した従来の特性と同様な
ものであり、透明状態が得られる温度範囲は67〜70℃と
非常に狭いものであることがわかった。また、比較例2
の試料のコントラストは2.9であることがわかった。
従って、この発明の熱可逆性光記録媒体は、比較例2
のものに比し、透明状態にできる温度範囲が約17倍程度
と広く、また先に述べた特開昭55−154198号公報に開示
の従来の記録材料の最大の温度範囲である10数℃に比べ
ても約3倍程度も広くさらに、コントラストも比較例2
の試料に比し約1.5倍も改善されることがわかる。
光による記録、再生、消去 次に、実施例の熱可逆性光記録媒体の光による記録、
再生及び消去動作につき以下のように確認する。なお、
実施例の熱可逆性光記録媒体は、作製時は、白濁状態で
ある。従って、記録、再生、消去の各動作説明を、透明
記録法の例により行なう。しかし、この熱可逆性光記録
媒体は、白濁記録法で用いることも勿論出来る。なお、
光源としては、発振波長が820nmのAlGaAs半導体レーザ
を用いる。
<記録動作> 実施例の試料に対し記録層27(第1図(A)参照)の
上方から上記レーザの光を、レーザ出力を6mW、ビーム
径を10μm、レーザ照射時間を0.1msecとした条件で照
射したところ、発熱層23が第2図中のT3以上の温度に相
当する約100℃に加熱され、これと接する記録層27の部
分に直径10μmの透明部が形成出来た。この際、記録層
27の透明部周辺領域は、その温度が第2図中のT0以下で
あり、白濁状態のままであった。以上のことから、透明
のビットの記録が行なえることが確認出来た。
<再生動作> 上述のように記録を終えた実施例の試料に対し上記レ
ーザの光をレーザ出力を2mWに落しビーム径を5μmと
した条件で照射したところ、発熱による温度上昇は透明
部及び白濁部いずれにおいても第2図中のT0以下であ
り、透明度の変化は全く生じなかった。また、基板21
(第1図(A)参照)がこのレーザ光に対し透明(透過
率93%)なポリメチルメタクリレートであるため、レー
ザ光が試料の透明部に入射した場合は基板下に置かれた
受光部に達し読み取りが行なわれた。しかし、レーザ光
が試料の白濁部に入射した場合はレーザ光は試料により
吸収され受光部には達しない。この結果、透明部及び白
濁部間で異なる信号が得られるので、記録の読み取りす
なわち再生が可能であることが確認出来た。
<消去動作> 記録を終えた実施例の試料の透明部を含む領域に対し
上記レーザの光をレーザ出力を4mWとしビーム径を20μ
mとした条件で照射した。この結果、発熱層の透明部に
対応する部分の温度は第2図中のT1〜T2の間の温度(こ
の場合約65℃)となったが、レーザ照射を受けた領域の
透明部以外の発熱層部分は、白濁部を介してレーザ光を
受けるためレーザ光による発熱が有効に生じずその温度
は透明部下より低い然も第2図中のT0以下の温度(この
場合55℃)となった。従って、白濁部はそのままの状態
で透明部のみを白濁状態に戻すことが出来、記録の消去
が可能であることが確認出来た。
なお、この発明の熱可逆性光記録媒体は、以下に説明
するような変更及び変形を加えることが出来る。
上述の熱可逆性光記録媒体においては、記録層はそれ
自体が発熱する構成ではなく発熱層からの熱を受けて透
明度が変化するものであった。しかし、光を吸収し発熱
する物質を記録層中に分散させ発熱効率の向上を図るよ
うにしても良い。第1図(B)は、そのような熱可逆性
光記録媒体の構成を概略的に示した断面図である。記録
層27中にもカーボンブラック25を分散させてある。
また、第1図(A)または(B)を用いて説明した各
熱可逆性光記録媒体は、記録層と、発熱層とをそれぞれ
別々に有するものであった。しかし、記録層が発熱層を
も兼ねた熱可逆性光記録媒体であっても良い。第1図
(C)は、このような熱可逆性光記録媒体の構成即ち第
二発明の実施例の熱可逆性光記録媒体の構成を概略的に
示した断面図である。これによれば、基板21上に第一発
明に係る記録層27を具え、この記録層27中には光を吸収
し発熱するカーボンブラック25を含んでいる。この第二
発明の構成によっても第一発明と同様な効果を得ること
が出来る。
また、上述の実施例は、熱可逆性光記録媒体を基板を
具えるものとして説明した。しかし、設計によっては基
板を発熱層自体で構成したり、記録層自体で構成するよ
うにしても勿論良い。
また、発熱層及び記録層を具える熱可逆性光記録媒体
の場合の実施例では、基板側から順に発熱発熱層及び記
録層を具えていたが、設計によってはこの順番を変更し
ても良い。
(発明の効果) 上述した説明からも明らかなように、この出願の第一
及び第二発明の熱可逆性光記録媒体によれば、特定温度
T3以上(但し、T3以上といってもマトリクス材の溶融点
温度より低い温度である)に加熱した後に冷却すること
により最大透明度を示し、T3より低い一定温度範囲内の
温度(T1〜T2)で加熱した後冷却することにより最小透
明度を示すというように、従来に比し、透明状態を形成
する温度範囲と、不透明状態を形成する温度範囲とが逆
転した特性が得られる。
従って、 …例えば透明記録法により記録を行なう場合、従来の
熱可逆性光記録媒体では透明部形成のために当該媒体を
非常に狭い温度範囲(最大でも10数度の範囲)内の温度
に設定する必要があったが、本発明では発熱層の所望部
分の温度をT3以上(但しマトリクス材の溶融温度以下)
にしさえすれば良い。
…また、透明記録法において透明部の白濁化(記録消
去)を行なう場合、この発明の熱可逆性光記録媒体では
透明部に対応する発熱層部分の温度をT1〜T2の範囲(実
施例で云えば57〜68℃)の温度に制御する必要がある。
しかしこの際、透明部以外の発熱層部分は白濁部の下に
在るので透明部白濁化のためにレーザ光のスポットを透
明部面積より大きくしても、透明部以外の発熱層部分の
温度がT3以上になる心配はない。従って、消去において
は透明部の温度制御のみを配慮すれば良い。
…また、この発明の熱可逆性光記録媒体を白濁記録法
に適用した場合、白濁点の消去は発熱層全体をT3以上の
温度にするだけで行なえる。
このようにこの発明の熱可逆性光記録媒体は、記録法
の違いにかかわらず、記録、消去を従来のものに比し確
実にかつ容易に行なうことが出来る。
さらに従来のものに比しコントラストも改善されてい
るので、再生時の信頼性も高まる。
また、金属系材料を用いた熱光磁気記録媒体よりも安
価であり然も透明ビット不透明ビットの差が大きいので
再生信頼性も高い。
従って、この発明の熱可逆性光記録媒体は、コンピュ
ーターのファイル等特に書き替え可能な光記録媒体とし
て用いて好適である。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は、第一発明の熱可逆性光記録媒体を示す
断面図、 第1図(B)は、第一発明の他の実施例を示す図、 第1図(C)は、第二発明の実施例を示す図、 第2図は、この発明の熱可逆性光記録媒体のヒステリシ
ス曲線、 第3図は、従来の熱可逆性光記録媒体のヒステリシス曲
線、 第4図(A)は、熱可逆性光記録媒体における白濁記録
法の説明に供する図、 第4図(B)は、熱可逆性光記録媒体における透明記録
法の説明に供する図である。 11……記録層、11a……記録領域 13……発熱層、13a……発熱層の部分領域 21……基板、23……発熱層 25……光を吸収し発熱する物質 27……記録層。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】マトリクス材及び有機低分子物質を含む記
    録層と、光を吸収して発熱する発熱層とを具える熱可逆
    性光記録媒体において、 マトリクス材をスチレン・ブタジエン共重合体とし、有
    機低分子物質を飽和カルボン酸としたこと を特徴とする熱可逆性光記録媒体。
  2. 【請求項2】前記記録層中に、光を吸収し発熱する物質
    を含有させたことを特徴とする請求項1に記載の熱可逆
    性光記録媒体。
  3. 【請求項3】マトリクス材、有機低分子物質及び光を吸
    収し発熱する物質を含有して成る熱可逆性光記録媒体に
    おいて、 マトリクス材をスチレン・ブタジエン共重合体とし、有
    機低分子物質を飽和カルボン酸としたこと を特徴とする熱可逆性光記録媒体。
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