JP2701057B2 - 弾性材料製全周流型水中モータポンプ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、外胴内にモータを設置し、ポンプ吐出液を
モータと外胴との間に形成された環状通路を経て外部へ
吐出させると共に、該吐出液でモータ外皮全周を冷却さ
せるようにした全周流型水中モータポンプに関し、ピッ
ト（溜め）からの排水用可搬型ポンプ等として用いて好
適のものである。

〔従来の技術〕

従来のこの種の全周流型モータポンプは、第５図に示
すように、モータ１と、羽根車２を内蔵したポンプケー
シング３とが一体に結合されたモータポンプ本体が、外
胴（ポンプ外胴）４によって囲繞され、該外胴４の上端
は、吐出口５を有する蓋板4aと一体化され、また下端に
は、ストレーナ６を兼ねた底板が取付けられていた。図
中、７はモータヘッドカバー、８は衝撃緩和用保護弾性
体リングである。

ポンプ運転時、ストレーナ６を経て吸込まれた揚液
は、ポンプケーシング３内部で羽根車２によって昇圧さ
れて外胴４内へ吐出され、モータ１の外皮を冷却しなが
ら、該外胴４上端の蓋板4aに設けられた吐出口５を経て
外部へ吐出されるようになっている。

また第６図は、他の従来例を示す断面図であって、薄
い金属板等からなる外胴４は、剛性材料からなるモータ
ヘッドカバー７と、芯金3aで補強された弾性体からなる
ポンプケーシング３との間に、挟持するようにして取付
けられており、該外胴４の上下両端部とモータヘッドカ
バー７又はポンプケーシング３とは、弾性体のシール部
材（ブーツ）101を介して挾み込まれ、該部における漏
れを防いでいる。

またこのものにおいて、弾性体からなるポンプケーシ
ング３の上面は、剛性体からなる中間ケーシング９によ
って蓋され、ボルト102によって締結されている。また
上記中間ケーシング９は、モータ１の下面にボルト103
によって締結されており、該ボルト103の頭103aは、中
間ケーシング９の下面に形成された座ぐり（凹部）9a内
に埋没されている。図中、２は羽根車、3bはポンプケー
シング３の底部に形成されたストレーナを兼ねた流体通
路、3cはポンプケーシング吐出口、５はポンプ吐出口で
ある。

〔発明が解決しようとする課題〕

上記した従来の全周流型水中モータポンプ（第５図、
第６図）は、ポンプケーシング３と外胴４とが別構造と
なっており、且つ軽量化のために該外胴４は薄い鉄板等
で構成されていた。

ところが、（ｉ）可搬時などの衝撃等の外力による変
形を防止しなければならず、そのため余り薄く出来な
い。しかし現実的には、軽量化が優先するので薄くな
り、そのため外力に弱いという問題点があった。

また、（ii）ポンプケーシング３と外胴４とが別部品
で構成されているため、構造的にも複雑になり、材質の
比重量と相俟って重くなるという問題点があった。

また、（iii）薄い板金の外胴４の上端部とモータヘ
ッドカバー７の下端部とを、弾性体からなる溝付きシー
ル部材（ブーツ）101を介してシールしたもの（第６
図）では、主に軸方向に弾性体の溝付きシール部材101
を押しつぶすことによりシール効果を得ることができ
る。

ところが、このような溝付きシール部材（ブーツ）10
1を、外胴を弾性体で構成したポンプに適用すると、第
７図（ａ）のようになるが、該弾性体外胴104に内圧が
かかると、第７図（ｂ）〜（ｄ）に示すように、半径方
向及び軸方向に変形する。そのため、シール性能が劣化
し、或いは零になる。また、第８図（ａ）に示すよう
に、上記弾性体シール部材を省略して弾性体外胴104を
直接モータヘッドカバー７の下端部に当接させた場合
も、内圧がかかった場合、同図（ｂ）に示すように、両
者の当接部に隙間が生じてシール性能が劣化するという
問題点が生じる。

また、（iv）芯金3aで補強された弾性体製のポンプケ
ーシング３の上面を、剛性体製の中間ケーシング９によ
って蓋するようにした従来例（第６図）においては、こ
れらの両者はボルト102によって締結されているが、該
弾性体製ポンプケーシング３の底部に、ポンプ台105を
取付けるようにしたものでは、第９図（ａ）に示すよう
に、弾性体製ポンプケーシング３の上面及び下面を剛性
体製中間ケーシング９と同ポンプ台105とによって挟み
込み、弾性体製ポンプケーシング３の締め代を規定する
スペーサ106を介して、下方から通しボルト102aによっ
て締結されることになる。

ところが、この場合、部品点数が多くなり、しかも中
間ケーシング９、ポンプケーシング３及びポンプ台105
の位置合せが困難であるという問題点が生じる。

また、第９図（ｂ）に示すように、中間ケーシング９
とポンプ台105との間に弾性体製ポンプケーシングの締
め代を規定するスペーサ106を介し、予め中間ケーシン
グ９に植込んだボルト102bを通して下からナット102dで
締結する場合には、中間ケーシング９、ポンプケーシン
グ３及びポンプ台105の位置合せは容易となるが、部品
点数が上記した同図（ａ）の場合よりも更に多くなると
いう問題点が生じる。

また、第９図（ｃ）に示すように、弾性体製ポンプケ
ーシング３の締め代を規定する特殊両ねじボルト102cを
予め中間ケーシング９に植込んでおき、ポンプケーシン
グ３、ポンプ台105を通して下からナット102dで締結す
る場合にも、部品点数は少なく、位置合せも容易である
が、市販性のない特殊なボルト102cを使用しなければな
らないという問題点が生じる。

また、（ｖ）弾性体製のポンプケーシング３の上面を
剛性体製の中間ケーシング９によって蓋するようにした
従来例（第６図）においては、中間ケーシング９をモー
タ１の下面に締結するボルト103の頭103aを、該中間ケ
ーシング９の下面に設けられた座ぐり（凹部）9a内にか
くれるように位置させている（埋没させている）ため、
該中間ケーシング９は強度的にそれだけ厚さが要求され
るばかりでなく、該ボルトのねじ回し作業が困難である
という問題点があった。

本発明は、（ｉ）外力を弾性体の変形で吸収させるよ
うにした全周流型水中モータポンプを提供することを目
的とし、 更に、（ii）構造を単純化すると共に、外力を弾性体
の変形で吸収させるようにし、且つ軽量化を可能とした
全周流型水中モータポンプを提供することを目的とし、 更に（iii）弾性体製外胴の外端部と剛性部材との接
合部を、外胴が内圧や外圧により変形してもシール性能
を保持するようにした全周流型水中モータポンプを提供
することを目的とし、 更に、（iv）弾性体外胴と一体の同材質のポンプケー
シング部と、中間ケーシング及びポンプ台の三者を締結
するために、部品点数が少なく且つ位置合わせを容易に
した締結手段を備えた全周流型水中モータポンプを提供
することを目的としている。

更に（ｖ）モータ下面とボルトによって締結される中
間ケーシングの厚みを薄くすると共にボルトのねじ回し
作業を容易にした全周流型水中モータポンプを提供する
ことを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために、本発明は、 （ｉ）ポンプケーシングと、圧力流体の通路をモータの
外面との間に形成する外胴とを一体化してゴム弾性体で
構成し、該ゴム弾性体の軸方向の上部及び下部をモータ
ヘッドカバーや底板等の剛性体の部材でそれぞれ押さえ
るようにし、円周方向の変形を自由にしたことを特徴と
しており、また、 （ii）ゴム弾性体製外胴の上端部と、該外胴上部を押さ
える剛性体部材の下端部とを，一方を環状の突条部と
し、他方を該突条部と嵌合する環状の溝部に形成したこ
とを特徴としており、また、 （iii）ゴム弾性体製外胴と一体化して構成された同材
質のポンプケーシングの上面を蓋する剛性体製中間ケー
シングの下面に、上記ポンプケーシング部を貫通して延
び適宜下部を細くした脚部を一体にして設け、該脚部の
ねじ部と螺合するボルトによって、ポンプケーシングの
下面に当接されるポンプ台と中間ケーシングとでポンプ
ケーシング部を挟持したことを特徴としており、また、 （iv）ゴム弾性体製外胴と一体化して構成された同材質
のポンプケーシングの上面を蓋する剛性体製中間ケーシ
ングをモータ下面に締結するボルトの頭を、該中間ケー
シングの下面に当接するゴム弾性体製外胴部に形成され
た凹部（座ぐり）に埋没させたことを特徴としている。

〔作 用〕

本発明は上記のように構成されているので、床面等に
底置きして運転したとき、弾性体材料で構成された外胴
の下部側を押えている底板等の剛性体部材と、その上部
に位置するポンプケーシングとの隙間より液体を吸込
み、ポンプケーシングの吸込口より内部に入って羽根車
により昇圧され、該ポンプケーシングの吐出口より、ポ
ンプケーシングと一体化された弾性体製外胴とモータと
の間の環状空間へ吐出され、該モータの全周に沿って流
れ、ここでモータ外皮を冷却しながら、該外胴の上部を
押えているモータヘッドカバー等の剛性体部材の吐出口
より、適宜接続された吐出導管を経て所定の場所へ吐出
されるポンプ作用は、従来のもの（第５図、第６図）と
変わりはない。

しかし、本発明では、（ｉ）外胴が弾性体で形成さ
れ、上部側及び下部側がそれぞれ剛性部材で押えられて
いるので、該外胴は、円周方向へ自由に変形でき、従っ
て、可搬時などに受ける衝撃等の外力を弾性体の変形で
吸収される。

また、（ii）ポンプケーシングと外胴とが弾性体で一
体化して構成され、且つ該弾性体の上下両部が剛性体部
材で押えられているので、該外胴は円周方向へ自由に変
形でき、従って、可搬時等に受ける衝撃等による外力を
も吸収することができる。

また、ポンプケーシングの下面にストレーナを一体に
形成した場合、運転時、該ストレーナを経てポンプケー
シング内へ液体が吸込まれる。

また、（iii）弾性体製外胴の上端部と、該外胴上部
を押える剛性体部材の下端部とを、一方を環状の突条部
とし、他方の該突条部と嵌合する環状の溝部に形成して
いるので、弾性体製外胴が内圧や外圧で変形しても、外
胴上端部と剛性体部材の下端部の環状突条部と同溝部と
の嵌合状態が維持され、シール性能が保持される。

また、（iv）剛性体製中間ケーシングの下面に適宜下
部を細くした脚部を一体にして設けているので、該脚部
のねじ部と螺合するボルトによって弾性体製外胴と一体
のポンプケーシングを中間ケーシングとポンプ台とで締
結するとき、少ない部品点数で芯合せが容易に行われ
る。

また、（ｖ）剛性体製中間ケーシングをモータ下面に
締結するボルトの頭を、該中間ケーシング下面に当接す
る弾性体製外胴又はポンプケーシング部に形成された凹
部に埋没させるように位置させているので、強度的に過
剰に厚肉の中間ケーシングは不要となり、中間ケーシン
グを軽量化できる。またボルトのねじ回し作業も、中間
ケーシングの外側で容易に行える。

〔実施例〕

次に、本発明の実施例を図面と共に説明する。

第１図は、本発明の第１実施例を示す全周流型水中モ
ータポンプの縦断面図である。

図において、ポンプケーシング部11aと外胴11bとは一
体化され、ゴム等の弾性体11で構成され、ポンプケーシ
ング部11aの上面は、外力に対して変形しにくい剛性体
からなる中間ケーシング12によって蓋されており、内部
に羽根車13が内蔵されている。

上記弾性体からなるポンプケーシング部11aの下部面
には、液体が吸込まれる流体通路14を隔てて、外力に対
して変形しにくい剛性体からなる底板15が当接され（押
えられ）、通しボルト16aによって、中間ケーシング12
と底板（ポンプ台）15とでポンプケーシング部11aを挾
むようにして締付けられている。また上記流体通路14の
外周部には、ストレーナ用突起17が間隔を置いて複数
個、ポンプケーシング部11aの下面に一体化して設けら
れている。

上記ポンプケーシング部11aと一体化され弾性体から
なる外胴部11bの上部は、ポンプ吐出口18を有する外力
に対して変形しにくい剛性体からなるモータヘッドカバ
ー19によって押えられている。図中、20は外胴部11bと
モータ外面間の環状通路、21はポンプケーシング吸込
口、22はケーシング吐出口、23はケーブル接続部であ
る。

次に、作用について説明する。

ポンプ運転時、流体は、矢印ａに示すように、ポンプ
ケーシング部11aの下部面と底板15との間に形成された
通路14を経て、ポンプケーシング吸込口21よりケーシン
グ内つまりポンプ室へ流入する。この際、流体に含まれ
る異物は、ストレーナ用突起17により取り除かれる。

ポンプケーシング部11a内に流入した流体は、羽根車1
3で昇圧され、ケーシング吐出口22から吐出され、モー
タ外周と外胴部11bに囲まれた環状通路20を通る間にモ
ータ外皮を冷却しながら、ポンプ吐出口18から外部へ吐
出される。

また、ポンプケーシング部11aと外胴部11bとが弾性体
で一体化して構成され、且つ該弾性体の上下両部が剛性
体部材で押えられているので、該外胴部11bは円周方向
へ自由に変形でき、従って、可搬時等に受ける衝撃等に
よる外力が有効に吸収される。またこれに伴い、内部構
造部品がプラスチック等の軽量材を薄肉で使用できるの
で、弾性体材料の比重量が金属材料に比して軽いことと
相俟って、重量が軽減される。

第２図は、本発明の第２実施例を示す全周流型水中モ
ータポンプの縦断面図であり、図中、第１図に記載した
符号と同一の符号は同一ないし同類部分を示すものとす
る。

この実施例では、ポンプケーシング部11aと外胴11bと
は一体化されて、ゴム等の弾性体11で構成され、ポンプ
ケーシング部11aの上面は、中間ケーシング12によって
蓋されており、内部に羽根車13が内蔵されている点で第
１実施例と変りはない。

しかし、上記弾性体からなるポンプケーシング部11a
の下部面には、液体が吸込まれる流体通路14を隔てて、
剛性体からなる底板（ポンプ台）15が当接され（押えら
れ）、中間ケーシング12の下面には、上記ポンプケーシ
ング部11aを貫通して延び且つ下部になる程細く形成さ
れた脚部12aが一体にして設けられ、該脚部12aの内側ね
じ部と螺合するボルト16によって、中間ケーシング12と
底板15とでポンプケーシング部11aを挟むようにして締
結されている。

また、弾性の外胴11bの上端部11cには環状の溝部が形
成され、モータヘッドカバー19の下端部19aの突条部に
嵌まり込むように嵌入されている。

また、上記のようにしてポンプケーシング11aに締結
された中間ケーシング12は、ボルト25によってモータ１
の下面に締結され、該ボルト25の頭25aは、該中間ケー
シング12と当接している弾性外胴11部に形成された座ぐ
り（凹部）11dの内部に埋没されている。

また、上記流体通路14の外周部には、ストレーナ用補
強リブ17が間隔を置いて複数個、ポンプケーシング部11
aの下面に一体化して設けられており、上記底板15と一
体のリング状体15aの下方より、ゴムのような弾性体か
らなるリング状ストレーナ26を、弾性に抗して円形に拡
げるようにして挿入し、これらのストレーナ用補強リブ
17の外面に当接するようにして当該ストレーナ26が嵌着
されている。なお、当該ストレーナ26は、取付け使用前
の自由（フリー）な状態において周りの長さを取付け時
とほぼ同一にした扁平状をなした弾性リング状体からな
り、相対向する長辺部に多数の孔を開口して構成されて
いる。図中、20は外胴部11bとモータ外面間の環状通
路、21はポンプケーシング部吸込口、22はケーシング吐
出口である。

この実施例によれば、ポンプ運転時、矢印ａに示すよ
うに、ポンプケーシング部11aの下部面と底板15との間
に形成された通路14を経て、ポンプケーシング吸込口21
よりケーシング内つまりポンプ室へ流入した流体は、羽
根車13で昇圧され、ケーシング吐出口22から吐出され、
モータ外胴と外胴部11bに囲まれた環状通路20を通る間
にモータ外皮を冷却しながら、ポンプ吐出口18から外部
へ吐出されるが、上記のように圧力流体が内圧として作
用する外胴部11bは、第３図（ａ）に示すポンプ停止時
の状態（このときは、軸方向の締め付けにより図の点
でシールされている。）から、同図（ｂ）に示すように
外方へ膨らむ。しかし、該外胴の上端部11cの環状溝部
とモータヘッドカバー（剛性体）19の下端突部とは、図
の及び点の２個所で密接しているので、シール作用
は保持されている。

なお、外胴部11bとモータヘッドカバー19の下端部19a
との係合は、第４図に示すように、外胴部11bを突条部
に形成し、モータヘッドカバー19の下端を溝部に形成す
ることも可能であり、この場合も、同様のシール効果が
得られる。

また、中間ケーシングの下面に下部を細く形成した脚
部12aを一体に設けているので、該脚部12aの内側ねじ部
と螺合するボルト16によって、ポンプケーシング部11a
を中間ケーシング12と底板（ポンプ台）15とで締結する
とき、芯合せが容易に行われ、且つ部品点数が少くて済
む。

また、中間ケーシング12をモータ１の下面に締結する
ボルト25の頭25aを、該中間ケーシング12と当接する弾
性外胴部に形成した座ぐり11dの内部に埋没させるよう
にしているので、中間ケーシング12を薄肉に形成するこ
とができるばかりでなく、該ボルト25のねじ回し作業が
容易である。

上記した実施例において、一体化されたポンプケーシ
ング11aと外胴11bを構成する弾性体11の上部及び下部
を、それぞれモータヘッドカバー19及び底板15によって
押えた構造について説明したが、上記の構造に限らない
ことは勿論であり、また、ポンプケーシング11aの下面
に一体に形成されるストレーナ用突起17の断面形状や配
列間隔等についても、使用条件等に応じて種々設計変更
が可能であることはいうまでもない。また、弾性体材料
は、ゴム以外のものでもよい。

〔発明の効果〕

本発明は、以上説明したように構成されているので、
次のような効果が奏される。

（ｉ）外胴を弾性体で構成し、上部側と下部側をそれぞ
れ剛性部材で押えるようにしたことにより、該外胴は円
周方向へ自由に変形することができ、従って、可搬時な
どに受ける衝撃等による外力を吸収して、外力に強くな
り、取扱いも容易になる。

（ii）ポンプケーシングと外胴とを弾性体で一体的に構
成したことにより、部品点数が少なくなり、従って構造
が極めて単純化され、組立・分解が容易となる。

（iii）外力を最も受け易い部分の殆んどが弾性体で構
成されているので、内部構造部品を、プラスチック等の
軽量材を薄肉で使用することが可能となり、従って、弾
性体材料の比重量が金属材料に比べて軽いことと相俟っ
て、重量を極めて軽くすることができる。

（iv）ポンプ運転時、液体の通るポンプケーシング部及
び外胴部を弾性体で構成しているので、排水中の砂に対
して耐摩性が向上する。

（ｖ）ポンプケーシング部及び外胴部が一体的に弾性体
で構成されているので、これらの両部と圧力部分の部材
との接合取付面のシール構造を簡単にすることができ
る。

（vi）弾性体からなるポンプケーシングの下面にストレ
ーナを一体化して構成することが可能となるので、生産
性を更に向上させることができる。

（vii）弾性体製外胴の上端部と、該外胴上部を押える
剛性体部材の下端部とを、一方を環状の突条部とし、他
方の該突条部と嵌合する環状の溝部に形成したことによ
り、弾性体製外胴が内圧や外圧により変形しても、シー
ル性能は保持される。

（viii）中間ケーシングの下面にポンプケーシング部を
貫通して延びる脚部を一体にして設けたことにより、中
間ケーシング、ポンプケーシング（外胴）、ポンプ台の
三者を締結する部品点数は少なくなり、組立て時の位置
合せも容易になる。

（ix）中間ケーシングをモータの下面に締結するボルト
の頭を、該中間ケーシングの下面に当接する弾性体外胴
部に形成された凹部（座ぐり）内に収めるようにしたこ
とにより、該中間ケーシングを薄肉に形成することが可
能になるばかりでなく、該ボルトのねじ回し作業が容易
になる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本発明の第１実施例及び第２実施例
をそれぞれ示す全周流型水中モータポンプの縦断面図、
第３図（ａ）（ｂ）及び第４図（ａ）（ｂ）は異なった
実施例を示す要部の作用説明図、第５図及び第６図は異
なった従来例を示す全周流型水中モータポンプの縦断面
図、第７図（ａ）ないし（ｄ）及び第８図（ａ）（ｂ）
は異なった要部の作用説明図、第９図（ａ）ないし
（ｃ）は異なった要部断面図である。 11……弾性体、11a……ポンプケーシング部、11b……外
胴部、11c……上端部、11d……凹部（座ぐり）、12……
中間ケーシング、12a……脚部、13……羽根車、14……
通路、15……底板（ポンプ台）、16……ボルト、16a…
…通しボルト、17……ストレーナ用突起、18……ポンプ
吐出口、19……モータヘッドカバー、19a……下端部、2
0……環状通路、21……ポンプケーシング吸込口、22…
…ケーシング吐出口、25……ボルト、25a……ボルト
頭、26……ストレーナ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 前田 毅 東京都大田区羽田旭町11番１号 株式会 社荏原製作所内 (72)発明者 三宅 良男 東京都大田区羽田旭町11番１号 株式会 社荏原製作所内 (56)参考文献 実開 昭60−32587（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−2601（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭52−92408（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−126192（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭59−182694（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭57−6793（ＪＰ，Ｙ２)

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】全周流型水中モータポンプにおいて、ポン
   プケーシングと、圧力流体の通路をモータの外面との間
   に形成する外胴とを一体化してゴム弾性体で構成し、該
   ゴム弾性体の軸方向の上部側及び下部側を剛性体の部材
   でそれぞれ押さえるようにしたことを特徴とする弾性材
   料製全周流型水中モータポンプ。
2. 【請求項２】ゴム弾性体で構成され外胴と一体化された
   ポンプケーシング下面に、ストレーナーを一体に成形し
   たことを特徴とする請求項１記載の弾性材料製全周流型
   水中モータポンプ。
3. 【請求項３】ゴム弾性体で構成された外胴の上端部と、
   該外胴上部を押さえる剛性体部材の下端部とを、一方の
   環状の突条部とし、他方の該突条部と嵌合する環状の溝
   部に形成したことを特徴とする請求項１記載の弾性材料
   製全周流型水中モータポンプ。
4. 【請求項４】ゴム弾性体からなる外胴と一体化して構成
   された同材質のポンプケーシングの上面を、剛性体から
   なる中間ケーシングで蓋し、該中間ケーシングの下面
   に、上記ポンプケーシング部を貫通して延びる脚部を一
   体にして設け、該脚部のねじ部と螺合するボルトによっ
   て、ポンプケーシング部の下面に当接されるポンプ台と
   上記中間ケーシングとでポンプケーシング部を挟持する
   ようにしたことを特徴とする請求項１記載の弾性材料製
   全周流型水中モータポンプ。
5. 【請求項５】ゴム弾性体からなる外胴と一体化して構成
   された同材質のポンプケーシングの上面を剛性体からな
   る中間ケーシングで蓋し、該中間ケーシングをモータの
   下面に締結するボルトの頭を、該中間ケーシングの下面
   に当接するゴム弾性体外胴部に形成された凹部にかくれ
   るように位置させたことを特徴とする請求項１記載の弾
   性材料製全周流型水中モータポンプ。