JP2698890B2 - 折畳式の段ボール製パッキン - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、例えば、ビデオテープ
レコーダーやマイクロコンピュータ等を段ボール箱に収
めて梱包する時に、此等の梱包物品の両端部を嵌め込ま
せて緩衝支持する為の、従来の発泡スチロール製パッキ
ンに代わる役割を果す、折畳式の段ボール製パッキンに
関する。

【０００２】

【従来の技術】上記発泡スチロール製パッキンは、梱包
物品の端部を嵌合させる凹部を設けた、直方体ブロック
状に発泡成形されている。又、別のパッキンとして、任
意の形状に裁断した段ボール片を幾枚か貼り合わせて、
所望の形状のブロック状体に纏めたパッキンも使われ来
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然し乍ら、発泡スチロ
ールは有限な天然資源である石油を原料として作られる
ので、１回の輸送目的を果たせばそのまま廃棄されてし
まう梱包資材としての使用は極力避けることが望まし
い。又、益々深刻化しつつある都市ゴミの処分対策の観
点からしても、発泡スチロールは嵩張って輸送コストが
嵩み、埋め立てにも適さず、燃やせば高温を発して焼却
炉を傷める等といった少なからぬ問題を抱えているの
で、これに代わる何等かの代替品の出現が望まれてい
た。一方、段ボール片を貼り合わせたものは、再生産が
可能な木材から作られ、古紙の再生も容易であり、廃棄
処分の問題も発泡スチロールに比べて遥かに少ないので
好ましいが、段ボールの裁断・積層作業に多くの労力を
要しコスト的に不利である上に、緩衝機能も不十分であ
った。そこで、本発明の目的は、段ボールを素材とし
て、能率的に安価に作れ、緩衝機能も従来の発泡スチロ
ール製パッキンや段ボール片の積層ブロック体に比べて
優れ、然も、保管・輸送峙にはコンパクトに折り畳め
る、折畳式の段ボール製パッキンを提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する為
の本発明による折畳式の段ボール製パッキンは、所定の
複数箇所に折り目や切れ目等を設けた一枚の段ボール１
０１，１０２を折り目に沿って折曲させるだけで、梱包
物品を嵌め込ませる方形の嵌合用凹部Ｓを備えた略直方
体状の外形を有するパッキン２０１，２０２が折り上が
る様にしたものであって、前記嵌合用凹部Ｓは、その周
壁を中空二重壁１〜４で囲まれ、且つ、その底面は前記
段ボールの折曲時に切起状に形成させた支持片５により
受支持される構成とした。そして、段ボールは１０１，
１０２は、パッキン２０１，２０２の裏面となる裏面片
６を主部とし、該裏面片６の四辺には、横断面コ字状を
した前記中空二重壁１〜４を折曲形成させる平行折り目
Ｘ，Ｙを設けた二重壁形成片７〜１０を、夫々対向する
主折り目Ａ，Ａ及びＢ，Ｂを介して連設し、前記二重壁
形成片７及び８には、前記底面を二枚重ね状に形成させ
る底面片１１Ａ及び１１Ｂを折り目Ｃ及びＤを介して夫
々連設すると共に、前記中空二重壁３，４を補強する帯
状補強片１２形成させる切れ目Ｉを設け、前記対向する
主折り目Ａ，Ａ間に跨がらせて、前記支持片５を切起状
に形成させる複数の切起用切れ目Ｅ，Ｆ及び主折り目Ａ
に対して４５度の角度で交わる傾斜部分を有する切起用
折り目Ｇ，Ｈを設け、前記二重壁形成片９，１０には、
前記中空二重壁４，５を補強する補強片１７を折り目Ｕ
を介して連設し、前記パッキン２０１，２０２の折上状
態を固定させる為に、前記二重壁形成片９，１０には前
記各切れ目Ｉに夫々挿嵌させる挿嵌片１８ａ，１９ａを
設けた形態にするとよい。又、直方体状のパッキン２０
１，２０２を構成する各壁面には、任意の長さの筋状襞
Ｚを、衝撃力が及ぼされる方向に対して交叉方向に設け
るとよい。更に、中空二重壁１〜４の内空部を小物物品
の収容部とし、その収容の有無を確認する窓部２０を該
中空二重壁に設け、嵌合用凹部Ｓの周壁面には、梱包物
品の突起部を避けたり受支持する為の切欠や刳抜孔を設
けるとよい。

【０００５】

【作用】保管・輸送時には、嵩張らない様に一枚の段ボ
ール１０１，１０２に展開されているパッキン２０１，
２０２を、パッキンの形状に折り上げるには、先ず、段
ボール１０１の左右の両側部分を持って、図２の様に両
主折り目Ａ，Ａを一旦下向きに折り曲げて、各支持片５
を起立させ易い様に折り癖を付ける。又、二重壁形成片
７，８と底面片１１Ａ，１１Ｂとの境の折り目Ｃ，Ｄ、
及び各帯状補強片１２の折り目Ｋが夫々上向きに折曲す
る様に折り癖を付ける。次いで、図３に示した様に段ボ
ール１０１の左右（図１で）の二重壁形成片７，８を互
いに内向きにコ字状に折曲させつつ、折り目Ｃ，Ｄを上
向きに直角に折曲させて行くと、段ボール１０１は横断
面凹形の樋状に折曲される。この折曲操作中に、両外壁
面７ａ，８ａが対向状に接近し乍ら直立されて行くに連
れて、各支持片５はその両端を二重壁形成片７，８間で
圧迫されるので、各切起用折れＧ，Ｈは容易に上向きに
折曲されて起立し、複数枚の支持片５のうち真ん中寄り
の支持片５は底面片１１Ａ，１１Ｂを下側から受け支え
る。又、両外側の支持片５は、夫々、中空二重壁３，４
の内側壁の一部を構成する。続いて、二重壁形成片７，
８に連接した夫々の補強片１７を内向きに直角に折曲さ
せて、上記樋状の解放端面を塞ぐ様に宛てがう。最後
に、図４に示した様に上下の二重壁形成片９，１０を内
向きにコ字形に折曲させ乍ら、その狭部１８，１９の両
側の挿嵌片１８ａ，１９ａを、二重壁形成片７，８に設
けた各切れ目Ｉに夫々挿し込めば、梱包物品を嵌合させ
る嵌合用凹部Ｓを備えたパッキン２０１が、極めて簡単
・迅速、且つ確実に折り上がる。そして、パッキン２０
１，２０２に過大な衝撃力が及ぼされた場合には、筋状
襞Ｚを設けた壁面が弾力的に撓んで、この過大な衝撃力
を有効に減衰させてくれる。

【０００６】

【実施例】以下に、図１〜図８を参照し乍ら本発明の一
実施例を説明する。図５にその外観を示した略直方体状
をしたパッキン２０１には、その一面（図では上面）に
梱包物品３００を嵌め込ませる嵌合用凹部Ｓを設けてい
る。この嵌合用凹部Ｓの四周は、良好な緩衝性を備える
中空二重壁１〜４で囲まれており、嵌合用凹部Ｓの底面
は、中程の２箇所を後述する支持片５によって緩衝的に
受支持されている。そして、保管・輸送中のパッキン２
０１は、嵩張らない様に図１に示した一枚の段ボール１
０１に展間されている。段ボール１０１には、所要の複
数箇所に折り目や切れ目等を設けているので、それらの
形状・配置に就いて以下に詳述する。

【０００７】段ボール１０１の略真ん中の矩形領域は、
パッキン２０１の裏面を構成する裏面片６となる。裏面
片６の左右（図１中で、以下同様）両辺には、縦断面を
コ字状に折曲させる平行折り目Ｘが設けられて、前記の
中空二重壁１，２を折曲形成させる二重壁形成片７，８
を、夫々主折り目Ａ，Ａを介して連設している。又、裏
面片６の上下両辺には、縦断面をコ字状に折曲させる平
行折り目Ｙが設けられて、前記の中空二重壁３，４折曲
形成させる二重壁形成片９，１０を、夫々主折り目Ｂ，
Ｂを介して連設している。更に、二重壁形成片７，８の
縁端には、嵌合用凹部Ｓの底面を二枚重ね状に形成させ
る底面片１１Ａ及び１１Ｂを、折り目Ｃ及びＤを介して
連設している。

【０００８】裏面片６には、底面片１１Ａ，１１Ｂを下
側から受支えると共に、中空二重壁３，４の内側壁の下
方部分を構成させる為の支持片５を、切起状に起立形成
させる為に、両主折り目Ａ，Ａ間に跨がらせて、複数の
切起用切れ目Ｅ，Ｆ及び４５度の傾斜部分を有する切起
用折り目Ｇ，Ｈを設けている。この場合、３組の切起用
切れ目及び切起用折り目を、水平向きに、上下に互いに
隣接させて設けている。切起用切れ目Ｅは偏平なＨ字形
に形成されており、両主折り目Ａ，Ａの両外側に位置す
るＨ字の両脚の両末端からは、両主折り目Ａに向けて互
いに隔たる方向に４５度の傾斜を以て伸びる切起用折り
目Ｇを、計１２箇所に設けている。そして、各切起用折
り目Ｇが両主折り目Ａ，Ａと夫々交わる計８箇所の交点
ａ（図１参照）のうち、水平方向に互いに対向する最上
部と最下部との各１組の交点ａ，ａ間を結んで夫々切起
用折り目Ｈ，Ｈを設け、又、中間部の各１組の交点ａ，
ａ間は夫々切起用切れ目Ｆ，Ｆで結んでいる。各切起用
折り目Ｇ，Ｈの裏側には半切線を設けて、支持片５を起
立させ易い様にしている。

【０００９】此等の切起用切れ目及び切起用折り目を設
けたことによって、互いに隣り合う切起用切れ目Ｅと切
起用折り目Ｈ（Ｇ）との間、及び互いに隣り合う切起用
切れ目Ｅと切起用切れ目Ｆ（Ｇ）と間には、夫々台形を
した計１６枚の支持片５が形成される。そのうち、真ん
中寄りの４枚の支持片５の上側（切起状に起立された時
の）には、嵌合用凹部Ｓを構成する四周の壁面と底面と
を夫々当接させる凹入切欠ｂを設けている。更に、凹入
切欠ｂの底部及び残余の２枚の支持片５の上側には、梱
包物品の表面に形成された突起部との干渉を避けるか、
又は受支える為の切欠ｃを設けている。

【００１０】二重壁形成片７及び底面片１ＪＡの上下両
縁端近くには、中空二重壁３，４を夫々補強する帯状補
強片１２，１２を形成させる為に、切れ目Ｉ，Ｉを、外
側の平行折り目Ｘから伸びて底面片１１Ａの中程に達す
る様に、縁端と平行状に設けている。帯状補強片１２の
中程と末端には、嵌合用凹部Ｓの深さに等しい間隔を隔
てて、主折り目Ａと平行状に折り目Ｊ，Ｋを設けてい
る。そして、二重壁形成片８にも、二重壁形成片７と同
様な帯状補強片１２，１２を設けている。各帯状補強片
１２は、パッキン２０１を折り上げる時に、その折り目
Ｊを下向きに、折り目Ｋを上向きに夫々直角に折曲させ
ることにより下向きのＬ字形に折り曲げられる。そし
て、上記折上時に、底面片１１Ｂ側の帯状補強片１２と
底面片１１Ａの両隅角部とが互いに干渉するのを避ける
為に、この両隅角部には切れ目Ｌと折り目Ｍを夫々設け
て、折曲片１３を形成させている。又、底面片１１Ａの
縁辺部には、梱包物品の外形に対応した切欠１４、突部
１５を設け、底面片１１Ａの一箇所に刳抜孔１６を設け
ている。

【００１１】二重壁形成片８にはＺ字形の切れ目Ｎと直
線状の切れ目Ｏとを幾分の距離を隔てて設けてあり、パ
ッキン２０１を折り上げると、嵌合用凹部Ｓの周壁に梱
包部分の突起部を嵌合させる凹みが形成される様にして
いる。

【００１２】二重壁形成片７及び８には、主折り目Ａと
内側の平行折り目Ｘとに挟まれてパッキン２０１の一方
の対向外壁となる外壁面７ａ，８ａ部分の上下両端に、
折り目Ｕを介して矩形状の補強片１７を夫々連設してい
る。計４筒所の補強片１７のうち、下側の２つ補強片１
７には、側端に小折曲片１７ａを夫々折り目Ｖを介して
連設している。

【００１３】更に、二重壁形成片７及び８には、各二条
の平行折り目Ｘ，Ｘ間に狭まれて中空二重壁１及び２の
頂面７ｂ及び８ｂとなる部分の中央部に、筋状襞Ｚを、
平行折り目Ｘと平行させて夫々々設けている。この場
合、筋状襞Ｚは、主折り目Ａ，Ｂやその他の折り目を設
ける場合と同じ様に、周知のプレス加工法によって形成
させている。この筋状襞Ｚは、中空二重壁１，２に側方
から過大な衝撃力が及ぼされた場合に、上記頂面７ａ，
８ａを弾力的に撓ませて衝撃を吸収する役割を果すもの
である。

【００１４】二重壁形成片９及び１０には、平行折り目
Ｙの外側の部分、つまり、嵌合用凹部Ｓの一方の対向側
壁を構成する部分の長さを、この嵌合用凹部Ｓの幅寸法
に合わせて狭めている。この狭部１８，１９の夫々の両
側端には、二重壁形成片７，８に設けた切り目Ｉに挿し
込む為の挿嵌片１８ａ，１９ａを設けている。

【００１５】次に、上記構成の作用を、パッキン２０１
の使用状態を例示した図６も参照し乍ら説明する。図１
の様に平坦に展開して保管されている一枚の段ボール１
０１からパッキン２０１を折り上げるには、先ず、段ボ
ール１０１の左右の両側部分を持って、図２の様に両主
折り目Ａ，Ａを一旦下向きに折り曲げて、各支持片５を
起立させ易い様に折り癖を付ける。又、二重壁形成片
７，８と底面片１１Ａ，１１Ｂとの境の折り目Ｃ，Ｄ、
及び各帯状補強片１２の折り目Ｋが夫々上向きに折曲す
る様に折り癖を付ける。

【００１６】次いで、図３に示した様に段ボール１０１
の左右（図１で）の二重壁形成片７，８を互いに内向き
にコ字状に折曲させつつ、折り目Ｃ，Ｄを上向きに直角
に折曲させて行くと、段ボール１０１は横断面凹形の樋
状に折曲される。この折曲操作中に、両外壁面７ａ，８
ａが対向状に接近し乍ら直立されて行くのに連れて、各
支持片５はその両端を両外壁面７ａ、８ａ間で圧迫され
るので、裏面側に半切線を設けた各切起田折れＧ，Ｈは
容易に上向きに折曲されて、各支持片５は、裏面片６上
に自ずから起立される。

【００１７】この状態で、裏面片６の上下（図１中で）
の支持片５は、図３に示した様に中空二重壁３，４の内
側壁の下方部分を構成し、此等両支持片５の間の４枚の
支持片５は、隣接する各２枚づつの支持片５が互いに重
なり合って起立して２枚重ね状態となり、底面片１１
Ａ，１１Ｂの２箇所を下側からしっかり受け支える態勢
が整う。

【００１８】続いて、外壁面７ａ，８ａの両側端に連接
した夫々の補強片１７を内向きに直角に折曲させて、上
記樋状曲部分の両側の解放端面を塞ぐ様に宛てがう。こ
の時、小折曲片１７ａは水平向きに折曲させて、中空二
重壁３，４の頂面を受支える様にする。

【００１９】そして、最後に、図４に示した様に二重壁
形成片９，１０を内向きにコ字形に折曲させ乍ら、その
狭部１８，１９の両側の挿嵌片１８ａ，１９ａを、二重
壁形成片７，８に設けた各切れ目Ｉに夫々挿し込めば、
パッキン２０１は、上記の如き長々しい折上操作の説明
とは異なって、極めて簡単・迅速、且つ確実に折り上が
る。

【００２０】図６は、この様にして折り上げた２個のパ
ッキン２０１を使って、精密電気機器等の直方体形をし
た梱包物品３００を、段ボール箱４００で梱包する場合
を示している。夫々のパッキン２０１は、その嵌合用凹
部Ｓを、梱包物品３００の両側端部に嵌め込み、この状
態で梱包物品３００を段ボール箱４００内に収めれば、
梱包作業は極めて簡単・迅速に、且つ確実に終えること
が出来る。

【００２１】この梱包状態に於いて、梱包物品３００は
その両側端部分の上下・前後の四周面を、中空二重壁１
〜４に包囲された状態になり、又、両側端面には、支持
片５によってバックアップされた２枚重ねの底面片１１
Ａ，１１Ｂが宛てがわれる。その為、パッキン２０１の
構成素材である段ボール特有の良好な緩衝作用と相俟っ
て、梱包物品３００は、従来の発泡スチロール製パッキ
ンを使用した場合に比べて勝るとも劣らない緩衝状態で
段ボール箱４００内に保持される。

【００２２】そして、長細い直方体形をしたパッキン２
０１の長手方向の中空二重壁１，２は、幅方向の中空二
重壁３，４に比べて、十分な強化構造を備えていないう
えにスパンがより長いので、荷重支持機能乃至は緩衝機
能が劣っている。然し、この中空二重壁１，２の頂面７
ｂ，８ｂに図７に示した様に筋状襞Ｚを設けあるので、
この中空二重壁１，２に側方から過大な衝繋力が及ぼさ
た場合には、この頂壁面７ｂ，８ｂが図８に示した様に
弾力的に撓んで、過大な衝撃力を有効に減衰させてくれ
る。尚、頂面７ａ，８ａと、支持片５の頂端との間に設
けた隙間は、その幅を適宜に変えれば中空二重壁１，２
の耐荷重性を変えられので、これによって、筋状襞Ｚの
緩衝機能を制御することも出来る。この様にして、パッ
キン２０１は、その全体的な緩衝性能が一層向上され
る。

【００２３】図９及び図１０は、本発明の他の実施例を
示している。この実施例のパッキン２０２が、上記実施
例のパッキン２０１と相異する主な点は、中空二重壁１
〜４のうち、この実施例では中空二重壁４を、梱包物品
の付属部品等を収容する収容部として活用した処にあ
る。その為、この収容部に小物物品を収めて有るか否か
を、外から簡単に確認出来る様に、二重壁形成片１０に
は円形の窓部２０を設けている。又、梱包物品に形成さ
れた突起部の形状や位置の相異に対応させて、二重壁形
成片８に設ける切れ目の形状や位置も相異さけている。
更に、二重壁形成片９にも同じ目的で切れ目を設けてい
る。更に、二重壁形成片７，８の前記小折曲片１３は省
いて、パッキン２０２の折上操作の邪魔にならない様に
している。尤も、この小折曲片１３はパッキン２０２の
構造強度を高めるのに寄与している。

【００２４】尚、上記各構成に於いて、筋状襞Ｚは、直
線状に限らず、ジグザグ状や波打状に設けたり、適宜の
間隔を隔てて複数条設けてもよい。そして、その形成箇
所も頂面７ａ．８ａに限らず、例えば支持片５等の様に
衝撃力の方向に平行した壁面であれば、衝撃力の方向と
交わる方向に筋状襞Ｚを設けることによって、その緩衝
作用が有効に発揮される。又、パッキン２０１，２０２
の各部の寸法は、勿論梱包物品の形状に対応させて任意
に設定すれよい。そして、梱包物品の全体を、パッキン
の嵌合用凹部Ｓ内に嵌め込む様な使い方をしてもよい。

【００２５】

【発明の効果】以上の説明によって明らかな様に、本発
明による折畳式の段ボール製パッキンは、従来の発泡ス
チロール製パッキンに比べて、以下に列挙した如き実用
上の様々な優れた効果を奏する。 （ａ） １枚の段ボールに、折り目を設けたり打抜加工
を施すだけで作れるので、より安価に提供出来る。 （ｂ） 平坦に展開したコンパクトな形態で保管・輸送
出来るので、保管・輸送費が大幅に節減される。 （ｃ） 石油資源の浪費節減に寄与する。 （ｄ） 発泡スチロールの大量廃棄に伴なって生ずる、
ゴミ処理問題を解消出来る。 （ｅ） そして、パッキンを構成する壁面に、衝撃力が
加わる方向と交わる方向に筋状襞を設けただけで、加工
費の上昇を伴うことなく、パッキンの緩衝性能を顕著に
高めることが出来る。又、従来の段ボール片を重ね合わ
せて作られた緩衝体に比べて、格段に緩衝性が優れてい
る上に、遥かに能率的に安価に作れる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す、パッキンを一枚の段
ボールに展開した状態の平面図である。

【図２】同上、段ボールをパッキンの形態に折り上げ始
めた状態を示す斜視図である。

【図３】同上、折り上げ途中に支持片５が略起立した状
態を示す斜視図である。

【図４】同上、パッキンが略折り上がった状態を示す斜
視図である。

【図５】同上、折り上がったパッキンの斜視図である。

【図６】同上、段ボール箱に収容した梱包物品を、２個
のパッキンを使って緩衝保持した状態を示す縦断面図で
ある。

【図７】同上、筋状襞Ｚの作用を説明した、パッキンに
衝撃力が加わる前の状態の部分拡大縦断面図である。

【図８】同上、筋状襞Ｚの作用を説明した、パッキンに
衝撃力が加わった状態の部分拡大縦断面図である。

【図９】本発明の他の実施例を示す、図１相当図であ
る。

【図１０】同上、図５相当図である。

【符号の説明】

１０１，１０２ 段ボール ２０２，２０２ パッキン ３００ 梱包物品 ４００ 段ボール箱 １〜４ 中空二重壁 ５ 支持片 ６ 裏面片 ７〜１０ 二重壁形成片 ７ａ，８ａ 外壁面 ７ｂ，８ｂ 頂面 １１Ａ，１１Ｂ 底面片 １２ 帯状補強片 １３ 小折曲片 １４ 切欠 １５ 突部 １６ 刳抜孔 １７ 補強片 １７ａ 小補強片 １８，１９ 狭部 １８ａ，１９ａ 挿嵌片 ２０ 窓部 Ｓ 嵌合用凹部 Ｚ 筋状襞 Ａ，Ｂ 主折り目 Ｃ，Ｄ 折り目 Ｅ，Ｆ 切起用切れ目 Ｇ，Ｈ 切起用折り目 Ｉ，Ｎ，Ｏ，Ｌ 切れ目 Ｊ，Ｋ，Ｍ，Ｕ 折り目 Ｘ，Ｙ 平行折り目 ａ 交点 ｂ 凹入切欠 ｃ 切欠

Claims (5)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 所定の複数箇所に折り目や切れ目を設け
   た一枚の段ボール１０１，１０２を折り目に沿って折曲
   させるだけで、梱包物品を嵌め込ませる方形の嵌合用凹
   部Ｓを備えた略直方体状の外形を有するパッキン２０
   １，２０２が折り上がる様にしたものであって、 前記嵌合用凹部Ｓは、その周壁を中空二重壁１〜４で囲
   まれ、且つ、その底面は前記段ボールの折曲時に切起状
   に形成させた支持片５により受支持されていることを特
   徴とする折畳式の段ボール製パッキン。
2. 【請求項２】 段ボールは１０１，１０２は、パッキン
   ２０１，２０２の裏面となる裏面片６を主部とし、 該裏面片６の四辺には、横断面コ字状をした中空二重壁
   １〜４を折曲形成させる平行折り目Ｘ，Ｙを設けた二重
   壁形成片７〜１０を、夫々対向する主折り目Ａ，Ａ及び
   Ｂ，Ｂを介して連設し、 二重壁形成片７及び８には、底面を二枚重ね状に形成さ
   せる底面片１１Ａ及び１１Ｂを折り目Ｃ及びＤを介して
   夫々連設すると共に、中空二重壁３，４を補強する帯状
   補強片１２を形成させる切れ目Ｉを設け、 対向する主折り目Ａ，Ａ間に跨がらせて、支持片５を切
   起状に形成させる複数の切起用切れ目Ｅ，Ｆ及び前記主
   折り目Λに対して４５度で交わる傾斜部分を有する切起
   用折り目Ｇ，Ｈを設け、 二重壁形成片９，１０には、中空二重壁４，５を補強す
   る補強片１７を折り目Ｕを介して連設し、 パッキン２０１，２０２の折上状態を固定させる為に、
   二重壁形成片９，１０には各切れ目Ｉに夫々挿嵌させる
   挿嵌片１８ａ，１９ａを設けた形態を備えることを特徴
   とする請求項１記載の折畳式の段ボール製パッキン。
3. 【請求項３】 直方体状のパッキン２０１，２０２を構
   成する各壁面には、任意の長さの筋状襞Ｚを、衝撃力が
   及ぼされる方向に対して交叉方向に設けたことを特徴と
   する請求項１又は２記載の折畳式の段ボール製パッキ
   ン。
4. 【請求項４】 中空二重壁１〜４の内空部を小物物品の
   収容部とし、その収容の有無を確認する窓部２０を、該
   中空二重壁に設けたことを特徴とする請求項１乃至３の
   いずれかに記載の折畳式の段ボール製パッキン。
5. 【請求項５】嵌合用凹部Ｓの周壁面には、梱包物品の突
   起部を避けたり受支持する為の切欠や刳抜孔を設けたこ
   とを特徴とする請求項１項乃至４のいずれかに記載の折
   畳式の段ボール製パッキン。