JP2695429B2 - みぞ付きブレーキバンドの製造方法 - Google Patents

みぞ付きブレーキバンドの製造方法

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JP2695429B2
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昌吉 亀井
宗男 水田
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ジャトコ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、みぞ付きブレーキバンドの製造方法に関す
るものである。
(ロ) 従来の技術 自動変速機などに用いられるバンドブレーキ装置のブ
レーキバンドには、ライニングの潤滑性を向上するため
にライニングにみぞを設ける。例えば、ブレーキバンド
の幅方向中央部に円周方向のみぞを設けると、このみぞ
内に常に油が保持されることになるので、ライニング中
央部側から油が供給されてライニングが十分に潤滑され
る。このようなみぞを設ける従来の方法として、3つの
方法が知られている。すなわち、1つの方法は、あらか
じめ分割したライニングを帯状金属部材に張り付け、ラ
イニングを張り付けてない部分によってみぞを形成する
ようにしたものである。もう1つの方法は、帯状金属部
材に平坦なライニングを張り付けた後、みぞの部分を切
削加工する方法である。さらに、第3の方法は、みぞ付
け治具を用いてライニングにプレス加工によりみぞを形
成するようにしたものである。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 しかしながら、ライニングを分割して張り付けるる方
法の場合には、張り付け作業が面倒であり、また張り付
け時のライニング位置ずれによってみぞ寸法が変化する
という問題がある。また、ライニングを張り付けた後切
削加工する方法には、帯状金属部材が薄く柔軟性に富ん
だものの場合には専用の加工設備及び治工具が必要とな
り、またライニングの加工部にバリが発生するのでこれ
を除去する作業が必要となるという問題がある。さら
に、みぞ付け治具を用いてプレス成形によりみぞを形成
する場合には、プレス成形装置が必要になるので、ブレ
ーキバンドの製作コストを低減することは困難であると
いう問題がある。本発明はこのよな課題を解決すること
を目的としている。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、ライニングを部分的に圧縮し押しつぶして
みぞを形成することにより、上記課題を解決する。すな
わち、本発明によるみぞ付きブレーキバンドの製造方法
は、両端側にそれぞれブラケットを有するブレーキバン
ドとなるものであって、該ブレーキバンドの裏金となる
帯状金属部材に平坦なライニングを張付け、次いでこれ
を、ブレーキバンドに付与するみぞの位置及び形状に対
応した凸形状部を備えた断面円形のみぞ付け治具の外周
に巻き掛け、両ブラケットを互いの間隔が縮小するよう
に引っ張って、ブレーキバンドに、通常の使用時におけ
る締結力よりも更に大きい所定の締付力を作用させるこ
とにより、ライニングにみぞを形成する。
なお、帯状金属部材のライニング張付面側に、ライニ
ングに付与するみぞの位置及び形状に対応した凹状部を
あらかじめ設けておくこともできる。
(ホ) 作用 外周に凸形状部を有するみぞ付け治具にブレーキバン
ドを巻き付けて加圧力を作用することにより、ライニン
グの凸形状部に押し付けられた部分が強く圧縮され、こ
の部分にみぞが形成される。従って、ライニングの張り
付け作業は簡単化され、またライニングを切削加工する
ことに伴う問題も発生しない。なお、十分深いみぞを形
成する場合には、あらかじめ帯状金属部材に凹部を設け
ておけばよい。
(ヘ) 実施例 (第1実施例) まず、第1図に示すように、両端部にブラケット12及
び14を取付けた帯状金属部材10の内周側の面にライニン
グ16を張り付ける。ライニング16は平坦なものであり、
みぞなどは設けられていない。次いで、第2図に示すよ
うに、ブレーキバンドをみぞ付け治具18の外周に巻き付
ける。みぞ付け治具18は第3図に示すように円柱状のも
のであり、これの外周に円周方向の凸形状部20及び軸方
向の凸形状部22及び24が設けられている。次いで、みぞ
付け治具18に巻き付けたブレーキバンドのブラケット12
及び14に通常の使用時における締結力よりも更に大きい
締結力Fを作用する。これによりライニング16が凸形状
部20、22及び24に押し付けられ、この部分だけが圧縮さ
れる。こうすることによって凸形状部20、22及び24に対
応する部分のライニングが塑性変形し、第4図に示すよ
うなみぞ30、32及び34が形成される。
(第2実施例) 上述の第1実施例によって、ライニング16にみぞを設
けることができるが、みぞの深さとしてはライニングの
圧縮可能量しか得ることができない。このため、より深
いみぞが必要な場合には、この第2実施例に示す方法を
採用する。すなわち、第5図に示すように、帯状金属部
材10にあらかじめ凹部40、42及び44を設けておく。この
凹部40、42及び44はライニングに形成されるみぞに対応
する位置に設けられており、また形状もみぞの形状に対
応している。この第5図に示す帯状金属部材10にライニ
ングを張り付け、以下第1実施例と同様にみぞ付け治具
18に巻き付けることによりみぞを形成する。これにより
治具の凸形状部20、22及び24から押圧力を受けるライニ
ングは圧縮されると共に帯状金属部材10の凹部40、42及
び44内に押し込まれる。これによりライニングにみぞが
形成される。帯状金属部材10に設けた凹部40、42及び44
の深さだけライニングが変形するので、十分な深さのみ
ぞを得ることができる。
(ト) 発明の効果 以上説明してきたように、本発明によると、凸形状部
を有するみぞ付け治具の外周にブレーキバンドを巻き付
けることによりライニングにみぞを設けるようにしたの
で、分割したライニングを張り付ける場合と比較して張
り付け作業が容易化され、またみぞの精度も向上する。
また、張り付けたライニングを切削加工して除去する場
合と比較して加工作業が容易化され、またバリが発生す
ることもなくなる。さらに、みぞ付け治具を用いてプレ
ス成形によりみぞを形成する場合と比較して、プレス成
形装置を用いる必要がないので、ブレーキバンドの製作
コストを従来よりも安くすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はみぞ付け前の状態のブレーキバンドを示す図、
第2図はブレーキバンドをみぞ付け治具の外周に配置し
た状態を示す図、第3図はみぞ付け治具を示す図、第4
図はライニングに設けられたみぞを示す図、第5図は第
2実施例を示す図である。 10……帯状金属部材、12、14……ブラケット、16……ラ
イニング、18……みぞ付け治具、20、22、24……凸形状
部、30、32、34……みぞ。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】両端側にそれぞれブラケットを有するブレ
    ーキバンドとなるものであって、該ブレーキバンドの裏
    金となる帯状金属部材に平坦なライニングを張付け、次
    いでこれを、ブレーキバンドに付与するみぞの位置及び
    形状に対応した凸形状部を備えた断面円形のみぞ付け治
    具の外周に巻き掛け、両ブラケットを互いの間隔が縮小
    するように引っ張って、ブレーキバンドに、通常の使用
    時における締結力よりも更に大きい所定の締付力を作用
    させることにより、ライニングにみぞを形成することを
    特徴とするみぞ付きブレーキバンドの製造方法。
  2. 【請求項2】帯状金属部材のライニング張付面側に、ラ
    イニングに付与するみぞの位置及び形状に対応した凹状
    部をあらかじめ設けておく請求項1記載のみぞ付きブレ
    ーキバンドの製造方法。
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JPS619638U (ja) * 1984-06-22 1986-01-21 ジャトコ株式会社 バンドブレ−キ
JPS62209235A (ja) * 1986-03-10 1987-09-14 Sumitomo Electric Ind Ltd デイスクブレ−キパツドの製造方法

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