JPH11104752A - 打ち抜き成形方法 - Google Patents

打ち抜き成形方法

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JPH11104752A
JPH11104752A JP26713797A JP26713797A JPH11104752A JP H11104752 A JPH11104752 A JP H11104752A JP 26713797 A JP26713797 A JP 26713797A JP 26713797 A JP26713797 A JP 26713797A JP H11104752 A JPH11104752 A JP H11104752A
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Japan
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JP26713797A
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English (en)
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Masahiro Doi
雅宏 土肥
Toshizumi Tokunaga
利澄 徳永
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Mazda Motor Corp
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 母材の所定部分をその板厚方向に打ち抜いて
打ち抜き部を形成するに際して、打ち抜き部分の破面の
剪断面を大きくして打ち抜き部に取り付けられる相手材
に対する支持強度を高める。 【解決手段】 ワークWの所定部分Wpをその板厚方向
に打ち抜いて打ち抜き部を形成するに際し、先ず、上記
所定部分と母材との少なくとも境界部分に、その周囲部
分よりも所定値以上硬度が高い硬化層を形成し、その後
に、この硬化層に沿って打ち抜くことを特徴とし、ま
た、上記所定部分自体を板厚方向に圧縮して当該所定部
分を硬化させ、この所定部分と母材との境界に沿って打
ち抜くことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、母材の所定部分
をその板厚方向に打ち抜いて打ち抜き部を形成する打ち
抜き成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、図13にその要部を示す
ような、自動車等の車両の自動変速機の鋼製ドラム部材
50(例えば、ブレーキドラムあるいはクラッチドラ
ム)の円筒端末部54に、トルク伝達用の摩擦板(不図
示)を取り付けるための櫛歯部分56を成形するような
場合、例えば図14の工程フローチャートに示すような
冷間成形を用いる方法は公知である。しかしながら、こ
の方法では、冷間成形を一次成形(荒成形:工程S5)
と二次成形(仕上げ成形:工程S7)の2段階に分けて
行う必要があるなど、多数の工程(工程S1〜工程S
7)を経る必要があるので、生産性が低く、従って、製
造コストも高くなる。
【0003】また、図13の例では、櫛歯部分56は所
謂スプライン構造で、通常、ドラム部材50の内側と外
側とが遮断された閉構造となるので、その円筒本体部5
2にオイル孔52hを設けるだけでなく、櫛歯部56が
形成される円筒端末部54もオイル孔54hを設ける必
要がある。これらのオイル孔52h,54hは、通常、
成形工程を終えた後に、ドリル加工等により別途にあけ
られるので、生産効率が更に低くなる。
【0004】このため、上記従来の冷間成形による方法
に代えて、櫛歯部分を打ち抜き成形する方法が考えられ
ている。この方法によれば、鋼板素材をプレス加工でド
ラム形状に成形(図14の工程S1参照)した後、直ち
に打ち抜き成形を行うので、ドラム部材の製造工程を大
幅に簡略化することができる。また、櫛歯部分はドラム
部材の内側と外側とを貫通して打ち抜かれるので、上記
従来のスプライン構造のようにドラム部材の内側と外側
とが遮断された閉構造となることはなく、従って、ドラ
ム部材の円筒端末部にオイル孔をわざわざ設ける必要も
ない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
打ち抜き成形では、打ち抜かれた櫛歯部分の破面につい
て、ドラム部材の円周方向においてトルク伝達を行う摩
擦板を取り付けた際に、該摩擦板の取付部を支持する平
坦面が小さく、十分な支持強度を安定して得ることは難
しい。すなわち、櫛歯部分を打ち抜き成形した場合、そ
の打ち抜かれた櫛歯部分の破面には、図12に模式的に
示すように、脆性的に剪断された平滑な剪断面Asと延
性的に破断した不規則的な破断面Adとが現れる。この
うち、上記剪断面Asは、打ち抜き方向(図12におい
て矢印で示された方向)に沿って略真直して広がる略平
滑な破面を呈し、打ち抜き方向における上流側に位置す
る。一方、この打ち抜き方向における下流側に現れる上
記不規則的な破断面Adは、一般に、打ち抜き方向に対
して不規則的に外側に広がり、破面自体も不規則的な凹
凸を有している。
【0006】従って、櫛歯部分Wc'の破面のうち、こ
の櫛歯部分Wc'に取り付けられる相手材(摩擦板
9’)の支持に貢献するのは上記剪断面Asのみである
が、従来の打ち抜き成形では、この剪断面Asが小さ
く、例えば、母材W'の板厚に対して剪断面Asの板厚
方向の長さはその1/2にも満たない場合が多いのが、
実情であった。このため、摩擦板が担うべき伝達トルク
の大きさに比して、十分な支持強度を安定して得られな
いという問題があった。
【0007】この発明は、上記技術的課題に鑑みてなさ
れたもので、母材の所定部分をその板厚方向に打ち抜い
て打ち抜き部を形成するに際して、打ち抜き部分の破面
の剪断面を大きくして打ち抜き部に取り付けられる相手
材に対する支持強度を高めることを、基本的なを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本願の請求項
1に係る発明(以下、第1の発明という)は、母材の所定
部分をその板厚方向に打ち抜いて打ち抜き部を形成する
に際し、先ず、上記所定部分と母材との少なくとも境界
部分に、その周囲部分よりも所定値以上硬度が高い硬化
層を形成し、その後に、この硬化層と周囲部分との境界
に沿って上記所定部分を打ち抜くようにしたものであ
る。
【0009】また、本願の請求項2に係る発明(以下、
第2の発明という)は、上記第1の発明において、上記
所定部分を板厚方向に圧縮して該所定部分を硬化させ、
該所定部分と母材との境界に沿って打ち抜くことを特徴
としたものである。
【0010】更に、本願の請求項3に係る発明(以下、
第3の発明という)は、上記第1または第2の発明にお
いて、上記母材が自動変速機の鋼製のドラム部材であ
り、該ドラム部材にトルク伝達用部材を取り付けるため
の櫛歯部分の成形に適用されることを特徴としたもので
ある。
【0011】また、更に、本願の請求項4に係る発明
(以下、第4の発明という)は、上記第2または第3の発
明において、上記ドラム部材をその円筒部の軸線回りに
所定角度ずつ回転させて割り出しを行い、各割り出し位
置において、上記硬化層の形成と所定部分の打ち抜きと
を行うことを特徴としたものである。
【0012】また、更に、本願の請求項5に係る発明
(以下、第5の発明という)は、上記第1〜第4のいずれ
か一の発明において、上記打ち抜き部に所定の相手部材
を組み付ける際の組付方向から打ち抜くことを特徴とし
たものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、例
えば、自動車等の車両の自動変速機に組み込まれる鋼製
ドラム部材(例えばブレーキドラム)にトルク伝達用の
摩擦板を取り付けるための櫛歯部分を成形する場合を例
に取って、添付図面を参照しながら詳細に説明する。図
1は、本実施の形態に係る鋼製のドラム部材としてのブ
レーキドラム10の自動変速機内における組み込み状態
を示す縦断面説明図である。また、図2は、上記ブレー
キドラム10の部分断面を含む斜視図である。これらの
図に示すように、上記ブレーキドラム10は、ドラムの
円筒本体部12の端末部分に、外方へ若干量だけ張り出
す円筒端末部14が形成され、この円筒端末部14に摩
擦板9を取り付けるための所定幅の櫛歯部16が所定の
ピッチで設けられている。該櫛歯部16は、ブレーキド
ラム10の円筒端末部14を外側から内側にかけて(つ
まり、板厚方向に)貫通するように打ち抜いて形成され
ている。
【0014】上記円筒本体部12には、ブレーキドラム
10の内側と外側を連通させるオイル孔12hが円周方
向に沿って複数設けられている。尚、円筒端末部14に
ついては、上記櫛歯部16が、円筒端末部14の内側と
外側とを貫通するように打ち抜いて形成されているの
で、従来のスプライン構造のように内側と外側とが遮断
された閉構造となることはなく、従って、オイル孔は設
けられていない。上記摩擦板9は、相手側ドラム部材2
の内周側に固定された摩擦板6(ドライブプレート)と
組み合わされるもので、相手側ドラム部材2内のピスト
ン4が(図における右方へ)油圧駆動されてドライブプ
レート6を押圧することにより、該ドライブプレート6
がブレーキドラム10側の摩擦板(ドリブンプレート)
に圧着されて摩擦係合し、その摩擦力によってドラム部
材2,10間のトルク伝達が行われるようになってい
る。
【0015】本実施の形態では、上記ブレーキドラム1
0の所定部分をその板厚方向に打ち抜いて櫛歯部16を
形成するに際して、打ち抜き部分の破面における平滑な
剪断面の占める割合を大きくして櫛歯部16に取り付け
られる相手材である摩擦板9に対する支持強度を高める
ために、先ず、打ち抜かれるべき上記所定部分を板厚方
向に圧縮して該所定部分を硬化させ、これにより、該所
定部分をその周囲部分よりも所定値以上硬度が高い硬化
層とし、その後に、該所定部分と周囲の母材との境界に
沿って打ち抜くようにしている。以下、上記ブレーキド
ラム10の円筒端末部14の櫛歯部16の打ち抜き成形
方法について説明する。
【0016】まず、所定の鋼板素材をプレス加工してド
ラム状に成形し、櫛歯部16を設ける前のドラム素材を
形成する。本実施の形態では、上記鋼板素材として、例
えば板厚4mmのSPHE鋼板を用いた。図3及び図4
は、打ち抜かれるべき所定部分を板厚方向に圧縮する圧
縮工程を示している。また、図5及び図6は、その要部
を拡大して示したものである。これらの図に示すよう
に、この圧縮工程では、内側ベース21に固定された圧
縮用パンチ22と、外側ベース26に固定された圧縮用
ダイ27とが用いられる。
【0017】上記ドラム素材W(ワーク)は、円筒本体
部Waの内周側がワーク保持具29で保持された上で、
円筒端末部Wbの打ち抜かれるべき所定部分Wp(図5
及び図6において交差する斜線(クロスハッチング)で
表示)が上記圧縮用パンチ22と圧縮用ダイ27の間に
位置するように位置決めされる。そして、内側ベース2
1と外側ベース26とが相対的に接近するように、少な
くともいずれか一方のベースが駆動されることにより、
円筒端末部Wbの打ち抜かれるべき所定部分Wpが、圧
縮用ダイ27で受けられた状態で圧縮用パンチ22の突
出部22bにより所定の荷重で押圧され、この所定部分
Wpが加工硬化される。
【0018】本実施の形態では、この圧縮工程で、上記
円筒端末部Wbの打ち抜かれるべき所定部分Wpに対し
て例えば約2トンの圧縮荷重が加えられ、これにより、
上記所定部分Wpは、その周囲部分に比してビッカース
硬さ(Hv)で約80程度硬化した。上記ワークWは、
その円筒本体部Waの軸線回りに所定角度ずつ回転され
て割り出しが行われ、各割り出し位置において、上記所
定部分Wpが圧縮され、円周方向に沿って所定ピッチで
硬化層が形成される。
【0019】図7及び図8は、以上の圧縮工程で圧縮硬
化された所定部分Wpを板厚方向に打ち抜く打ち抜き工
程を示している。また、図9及び図10は、その要部を
拡大して示したものである。これらの図に示すように、
上記圧縮工程を終えた後、内側ベース21に打ち抜き用
ダイ32が取り付けられ、外側ベース26には打ち抜き
用パンチ31が取り付けられる。上記打ち抜き用パンチ
31には、円筒端末部Wbの打ち抜かれるべき所定部分
Wpの幅に対応した幅寸法の突出部31cが設けられる
一方、上記打ち抜き用ダイ32には、この突出部31c
を挿入させ得るスリット部32hが形成されている。
【0020】そして、内側ベース21と外側ベース26
とが相対的に接近するように、少なくともいずれか一方
のベースが駆動されることにより、円筒端末部Wbの打
ち抜かれるべき所定部分Wpが、打ち抜き用ダイ32で
受けられた状態で打ち抜き用パンチ31の突出部31c
により所定の荷重で打ち抜かれ、この所定部分Wpが打
ち抜かれて櫛歯部Wcが形成される。このとき、上記所
定部分Wpは、ブレーキドラム10の円筒端末部Wbの
外側から内側に向かって、つまり、櫛歯部Wcに摩擦板
9を組み付ける際の組付方向から打ち抜かれる。本実施
の形態では、この打ち抜き工程で、上記円筒端末部Wb
の打ち抜かれるべき所定部分Wpは、例えば約6トンの
打ち抜き荷重が加えられて打ち抜かれる。このとき、上
記所定部分Wpは、圧縮工程で予め加工硬化されている
ので、この硬化層(所定部分Wp自体)とその周囲部分
との境界に沿って打ち抜かれることになる。
【0021】上記ワークWは、その円筒本体部Waの軸
線回りに所定角度ずつ回転されて割り出しが行われ、各
割り出し位置において、圧縮硬化された上記所定部分W
pが打ち抜かれ、円周方向に沿って所定ピッチで櫛歯部
Wcが形成されるようになっている。このように、ワー
クWをその円筒本体部Waの軸線回りに所定角度ずつ回
転させて割り出しを行い、各割り出し位置において、上
記硬化層の形成と所定部分Wpの打ち抜きとを行うの
で、ドラム状ワークWの円周方向に所定のピッチで正確
に櫛歯部分Wcを成形することができる。
【0022】以上、説明したように、本実施の形態によ
れば、ワークWの所定部分Wpをその板厚方向に打ち抜
いて打ち抜き部(櫛歯部Wc)を形成するに際し、先
ず、上記所定部分Wpを板厚方向に圧縮して該所定部分
Wpを硬化させ、その周囲部分よりも所定値以上硬度が
高い硬化層を形成し、その後に、該所定部分Wp(硬化
層)とその周囲部分との境界に沿って打ち抜くようにし
たので、上記所定値以上の硬度差を有する2層の境界に
沿って打ち抜かれることとなる。従って、打ち抜き部分
の破面には、図11に示すように、打ち抜き方向(図1
1において矢印で示された方向)に沿って略真直して広
がる略平滑な剪断面Asがより多く現れ、延性的に破断
した不規則な破断面Adはそれだけ小さくなる。すなわ
ち、打ち抜き部分の破面における剪断面Asの占める割
合をより大きくして、打ち抜き部に取り付けられる相手
材(摩擦板9)に対する支持強度を高めることができる
のである。
【0023】また、上記櫛歯部Wcに所定の相手部材
(摩擦板9)を組み付ける際の組付方向から打ち抜くよ
うにしたので、この組付方向における上流側に櫛歯部分
Wcの破面の剪断面Asが形成されることとなり、組付
作業がスムースに行えるとともに、剪断面Asのより多
くの部分(上記摩擦板9の取付部は当該剪断面Asより
も小さいので、剪断面Asの全面)を上記摩擦板9に対
する支持に貢献させることができ、より一層高い支持強
度を得ることができる。
【0024】尚、上記実施の形態では、打ち抜かれるべ
き所定部分Wp自体を圧縮して硬化層を形成したもので
あったが、この代わりに、打ち抜かれるべき所定部分と
母材との境界部分のみに、その周囲部分よりも所定値以
上硬度が高い硬化層を形成し、その後に、この硬化層と
周囲部分との境界に沿って上記所定部分を打ち抜くよう
にしても良い。この方法は、上記所定部分Wp自体を硬
化層とする方法が比較的小物の打ち抜き成形に適してい
るのに対して、もっとサイズの大きいワークの打ち抜き
成形に採用すれば効果的である。また、打ち抜かれるべ
き所定部分の周囲の母材側を硬化させ、この硬化層(母
材)との境界に沿って上記所定部分を打ち抜くようにし
ても良い。尚、硬化層の形成方法としては、圧縮による
加工硬化に限定されるものではなく、他の方法でも良い
ことは勿論である。
【0025】更に、上記実施の形態は、自動車等の車両
の自動変速機に組み込まれる鋼製ドラム部材であるブレ
ーキドラムにトルク伝達用の摩擦板を取り付けるための
櫛歯部分を成形する場合についてのものであったが、本
発明方法は、かかる場合に限定されるものではなく、母
材の所定部分をその板厚方向に打ち抜いて打ち抜き部を
形成する他の様々の場合に対し、有効に適用することが
できる。以上のように、本発明は、上記の実施態様に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であるこ
とは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、母材の所定
部分をその板厚方向に打ち抜いて打ち抜き部を形成する
に際し、先ず、上記所定部分と母材との少なくとも境界
部分に、その周囲部分よりも所定値以上硬度が高い硬化
層を形成し、その後に、この硬化層と周囲部分との境界
に沿って上記所定部分を打ち抜くようにしたので、上記
所定値以上の硬度差を有する2層の境界に沿って打ち抜
かれることとなり、打ち抜き部分の破面には、打ち抜き
方向に沿って略真直して広がる略平滑な剪断面がより多
く現れる。すなわち、打ち抜き部分の破面の剪断面をよ
り大きくして、打ち抜き部に取り付けられる相手材に対
する支持強度を高めることができる。
【0027】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、上記所定部分を板厚方向に圧縮して該所定部
分を硬化させ、該所定部分と母材との境界に沿って打ち
抜くようにしたので、硬化層を打ち抜き部分の両側の境
界2カ所に設ける必要はない。また、上記所定部分を板
厚方向に圧縮するという比較的簡単な予備工程を行って
打ち抜き成形を行うことにより、打ち抜き部の破面の剪
断面をより大きくすることができる。特に、母材が比較
的小物である場合の打ち抜き成形に対して、より効果的
に適用することができる。
【0028】更に、本願の第3の発明によれば、基本的
には、上記第1または第2の発明と同様の効果を奏する
ことができる。特に、上記母材が自動変速機の鋼製のド
ラム部材であり、該ドラム部材にトルク伝達用部材を取
り付けるための櫛歯部分の成形に適用されるので、上記
ドラム部材の打ち抜かれた櫛歯部分の破面の剪断面をよ
り大きくして、該櫛歯部分に取り付けられる相手材に対
する支持強度を高めることができる。
【0029】また、更に、本願の第4の発明によれば、
基本的には、上記第3の発明と同様の効果を奏すること
ができる。特に、上記ドラム部材をその円筒部の軸線回
りに所定角度ずつ回転させて割り出しを行い、各割り出
し位置において、上記硬化層の形成と所定部分の打ち抜
きとを行うので、上記ドラム部材の円周方向に所定のピ
ッチで正確に櫛歯部分を成形することができる。
【0030】また、更に、本願の第5の発明によれば、
基本的には、上記第1の発明と同様の効果を奏すること
ができる。特に、上記打ち抜き部に所定の相手部材を組
み付ける際の組付方向から打ち抜くようにしたので、こ
の組付方向における上流側に櫛歯部分の破面の剪断面が
形成されることとなり、組付作業がスムースに行えると
ともに、剪断面のより多くの部分(上記相手部材の取付
部が当該剪断面よりも小さくない限りは剪断面の全面)
を上記相手部材に対する支持に貢献させることができ、
より一層高い支持強度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係るブレーキドラムの
自動変速機内における組み込み状態を示す縦断面説明図
である。
【図2】 上記ブレーキドラムの櫛歯部分を示す部分断
面斜視図である。
【図3】 上記櫛歯部分の打ち抜き成形における圧縮工
程を示す平面説明図である。
【図4】 図3におけるY1−Y1線に沿った縦断面説
明図である。
【図5】 上記圧縮工程における要部を拡大して示す平
面説明図である。
【図6】 図5におけるY2−Y2線に沿った縦断面説
明図である。
【図7】 上記櫛歯部分の打ち抜き成形における打ち抜
き工程を示す平面説明図である。
【図8】 図7におけるY3−Y3線に沿った縦断面説
明図である。
【図9】 上記打ち抜き工程における要部を拡大して示
す平面説明図である。
【図10】 図9におけるY4−Y4線に沿った縦断面
説明図である。
【図11】 上記櫛歯部分を拡大して示す縦断面説明図
である。
【図12】 打ち抜き成形による従来例に係るドラム部
材の打ち抜かれた櫛歯部分を拡大して示す縦断面説明図
である。
【図13】 冷間成形による従来例に係るドラム部材の
要部を示す斜視図である。
【図14】 冷間成形による従来例に係るドラム部材の
櫛歯成形方法の一連の工程を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
9…摩擦板 10…ブレーキドラム 12…円筒本体部 16…櫛歯部 W…ワークW Wa…円筒本体部 Wc…打ち抜き部 Wp…ワークの所定部分

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材の所定部分をその板厚方向に打ち抜
    いて打ち抜き部を形成するに際し、先ず、上記所定部分
    と母材との少なくとも境界部分に、その周囲部分よりも
    所定値以上硬度が高い硬化層を形成し、その後に、この
    硬化層と周囲部分との境界に沿って上記所定部分を打ち
    抜くことを特徴とする打ち抜き成形方法。
  2. 【請求項2】 上記所定部分を板厚方向に圧縮して該所
    定部分を硬化させ、該所定部分と母材との境界に沿って
    打ち抜くことを特徴とする請求項1記載の打ち抜き成形
    方法。
  3. 【請求項3】 上記母材が自動変速機の鋼製のドラム部
    材であり、該ドラム部材にトルク伝達用部材を取り付け
    るための櫛歯部分の成形に適用されることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の打ち抜き成形方法。
  4. 【請求項4】 上記ドラム部材をその円筒部の軸線回り
    に所定角度ずつ回転させて割り出しを行い、各割り出し
    位置において、上記硬化層の形成と所定部分の打ち抜き
    とを行うことを特徴とする請求項3記載の打ち抜き成形
    方法。
  5. 【請求項5】 上記打ち抜き部に所定の相手部材を組み
    付ける際の組付方向から打ち抜くことを特徴とする請求
    項1〜請求項4のいずれか一に記載の打ち抜き成形方
    法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013519556A (ja) * 2010-02-12 2013-05-30 ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー 断熱打ち抜き加工による高強度部品を製作するための方法

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JP2013519556A (ja) * 2010-02-12 2013-05-30 ジョンソン・コントロールズ・ゲー・エム・ベー・ハー 断熱打ち抜き加工による高強度部品を製作するための方法

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