JP2002372072A - スプラインを有する円環状部材及び自動変速機 - Google Patents

スプラインを有する円環状部材及び自動変速機

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JP2002372072A
JP2002372072A JP2001180580A JP2001180580A JP2002372072A JP 2002372072 A JP2002372072 A JP 2002372072A JP 2001180580 A JP2001180580 A JP 2001180580A JP 2001180580 A JP2001180580 A JP 2001180580A JP 2002372072 A JP2002372072 A JP 2002372072A
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spline
annular member
automatic transmission
ridge
reinforcing surface
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Application number
JP2001180580A
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English (en)
Inventor
Kenji Sakugi
研二 柵木
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Aisin AW Co Ltd
Original Assignee
Aisin AW Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重量,大きさを増大させることなく剛性を確
保することができ,軽量・コンパクトで高剛性のスプラ
インを有する円環状部材及びこれを用いた自動変速機を
提供すること。 【解決手段】 円環状の側面部10に,内側に突出した
山部21と山部21の間に形成された谷部22とを交互
に配したスプライン歯2を有する円環状部材1におい
て,スプライン歯2の開口端部29には,山部21を変
形させて内方から外方に向かって形成された補強面3を
有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,各種機械の部品として用いられ
るスプラインを有する円環状部材に関する。
【0002】
【従来技術】たとえば,車両用の自動変速機などの機械
においては,円環状の側面部に,内側に突出した山部と
該山部の間に形成された谷部とを交互に配したスプライ
ンを有する円環状部材が多数用いられている。これらの
スプラインを有する円環状部材は,回転部材として用い
られるため,高回転となった場合でも高い剛性が得られ
るように設計されることが望まれる。従来のスプライン
を有する円環状部材においては,その剛性を向上させる
ために,スプラインの板厚を厚くする方法等が取られて
きた。
【0003】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来の厚
肉化等の対策は,上記円環状部材の部品重量や大きさが
増大してしまい,近年の軽量コンパクト化の要求を満足
することができない。
【0004】本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので,重量,大きさを増大させることなく剛性を
確保することができ,軽量・コンパクトで高剛性のスプ
ラインを有する円環状部材及びこれを用いた自動変速機
を提供しようとするものである。
【0005】
【課題の解決手段】第1の発明は,円環状の側面部に,
内側に突出した山部と該山部の間に形成された谷部とを
交互に配したスプラインを有する円環状部材において,
上記スプラインの開口端部には,上記山部を変形させて
内方から外方に向かって形成された補強面を有している
ことを特徴とするスプラインを有する円環状部材にある
(請求項1)。
【0006】本発明の円環状部材は,上記スプラインの
開口端部に上記補強面を有している。この補強面は,上
記のごとく,スプラインを構成する上記山部を変形さ
せ,内側から外側に向かって形成された面である。その
ため,上記山部の両側に位置する谷部に続く面は,変形
に対する応力の方向に位置する上記補強面によりつなが
れた状態となり,円周方向への変形が規制される。それ
故,スプラインの剛性が大幅に向上し,上記円環状部材
に回転が加えられてスプラインを拡径する方向に遠心力
が付与された際においても,その拡径を抑制することが
できる。
【0007】また,上記補強面は,円環状部材のスプラ
インの開口端部に設ける。そのため,回転時に最も広が
りやすい開口端部を上記補強面により直接的に剛性アッ
プしているので,効率よく変形抑制効果を得ることがで
きる。
【0008】このように,本発明においては,上記スプ
ラインの開口端部に上記補強面を形成することによっ
て,形状面から円環状部材の剛性を向上させることがで
きる。そのため,スプラインの厚肉化などの重量を増加
させるような対策をとる必要がない。それ故,軽量・コ
ンパクトで高剛性のスプラインを有する円環状部材を得
ることができる。
【0009】第2の発明は,円環状の側面部に,内側に
突出した山部と該山部の間に形成された谷部とを交互に
配したスプラインを有する円環状部材において,上記ス
プラインの開口端部には,上記山部を上記谷部に近づく
ように変形させてなる円筒状変形部を有していることを
特徴とするスプラインを有する円環状部材にある(請求
項5)。
【0010】本発明の円環状部材は,上記スプラインの
開口端部に上記円筒状変形部を有している。この円筒状
変形部は,スプラインを構成する上記山部を,内側から
外側に向かっ変形させて,谷部に近づくように設けた部
分である。この円筒状変形部の存在によっても,上記円
環状部材に回転が加えられてスプラインを拡径する方向
に遠心力が付与された際において,その拡径を抑制する
ことができる。
【0011】すなわち,遠心力が作用すると,上記スプ
ラインの山部に応力が集中し拡径しようとするが,開口
端部に上記円筒状変形部が形成されていることにより,
上記開口端部には上記円筒状変形部と谷部とを連ねてな
る円筒状の部分が形成されるので,上記遠心力による応
力が集中せずに分散される。そのため,従来と同様の遠
心力が作用した際においても,その拡径を抑制すること
ができる。
【0012】このように,本発明においては,上記スプ
ラインの開口端部に上記円筒状変形部を形成することに
よって,形状面から円環状部材の剛性を向上させること
ができる。そのため,スプラインの厚肉化などの重量を
増加させるような対策をとる必要がない。それ故,軽量
・コンパクトで高剛性のスプラインを有する円環状部材
を得ることができる。
【0013】第3の発明は,摩擦板を内周側に有するク
ラッチドラムと摩擦板を外周側に有するクラッチハブと
を組み合わせなるクラッチを有する自動変速機におい
て,上記クラッチハブは,円環状の側面部に,内側に突
出した山部と該山部の間に形成された谷部とを交互に配
したスプラインを有し,該スプラインの開口端部には,
上記山部を変形させて内方から外方に向かって形成され
た補強面を有していることを特徴とする自動変速機にあ
る(請求項8)。
【0014】本発明の自動変速機は,そのクラッチの構
成部品である上記クラッチハブが上記補強面を有してい
る。この補強面は,上記のごとく,スプラインを構成す
る上記山部を変形させ,内側から外側に向かって形成さ
れた面である。そのため,上記山部の両側に位置する谷
部へ続く面は,変形に対する応力の方向に位置する上記
補強面によりつながれた状態となり,円周方向への変形
が規制される。それ故,スプラインの剛性が大幅に向上
し,上記クラッチハブに回転が加えられてスプラインを
拡径する方向に遠心力が付与された際に,その拡径を抑
制することができる。
【0015】そして,上記クラッチハブの剛性向上によ
って回転時の変形抑制効果が得られることによって,自
動変速機の信頼性及び安定性を向上させることができ
る。さらには,クラッチハブの軽量・コンパクト化,ひ
いては自動変速機の軽量・コンパクト化を図ることがで
きる。
【0016】第4の発明は,摩擦板を内周側に有するク
ラッチドラムと摩擦板を外周側に有するクラッチハブと
を組み合わせなるクラッチを有する自動変速機におい
て,上記クラッチハブは,円環状の側面部に,内側に突
出した山部と該山部の間に形成された谷部とを交互に配
したスプラインを有し,該スプラインの開口端部には,
上記山部を上記谷部に近づくように変形させてなる円筒
状変形部を有していることを特徴とする自動変速機にあ
る(請求項11)。
【0017】本発明の自動変速機は,そのクラッチの構
成部品である上記クラッチハブが上記円筒状変形部を有
している。この補強面は,上記のごとく,スプラインを
構成する上記山部を内側から外側に向かって変形させ,
谷部に近づくように設けた部分である。この円筒状変形
部の存在によって,上記のごとく,遠心力が作用した際
の応力集中を抑制し,応力の分散を図ることができる。
そして,従来と同様の遠心力が作用した際においても,
その拡径を抑制することができる。
【0018】それ故,本発明においても,上記クラッチ
ハブの剛性向上によって回転時の変形抑制効果が得られ
ることによって,自動変速機の信頼性及び安定性を向上
させることができ,さらには,クラッチハブの軽量・コ
ンパクト化,ひいては自動変速機の軽量・コンパクト化
を図ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】第1の発明(請求項1)におい
て,上記補強面の形成方法としては,上記山部を形成し
た後,これを変形させる種々の塑性加工方法を適用する
ことができる。特に,上記補強面は,上記山部を半抜き
加工することにより形成されていることが好ましい(請
求項2)。
【0020】ここで,上記半抜き加工は,ハーフブラン
キング(half blanking)とも呼ばれる加工方法であっ
て,打ち抜き加工においてパンチの進行やクリアランス
を調整することにより,打ち抜き完了前の状態に止める
ことにより,加工材にパンチと同じ形状の剪断断層線を
作る加工をいう。
【0021】そして,この半抜き加工を,上記山部に対
して内方から外方に向けて施すことにより,内方から外
方に向けて延びる半抜き加工部分が形成される。この半
抜き加工部分が上記補強面となり,外方に突出するよう
押し出され部分が上記第2発明の円筒状変形部となる。
すなわち,上記半抜き加工を採用することによって,上
記補強面だけでなく,円筒状変形部も同時に得ることが
できる。
【0022】また,半抜き加工を採用することにより,
上記補強面を上記円環状部材の軸方向と直角方向,すな
わち径方向に設けることができる。そのため,上記補強
面又は円筒状変形部を軸方向において狭い幅で形成する
ことができ,上記スプラインの有効範囲を犠牲にする領
域を少なくすることができる。
【0023】また,上記補強面の形状が,上記のごとく
軸方向と直角方向となることにより,補強効果を高める
効果も得ることができる。そしてまた,上記のごとく補
強面だけでなく円筒状変形部をも得ることができるの
で,両者の変形抑制効果によってさらにスプラインの変
形を抑制することができる。
【0024】また,上記補強面は,上記山部を張り出し
加工することにより形成することもできる(請求項
3)。この場合には,上記山部が内方から外方へ傾斜し
た状態で変形した張り出し部分よりなる補強面を形成す
ることができ,これによってもスプラインの変形抑制を
図ることができる。また,この場合にも上記円筒状変形
部を同時に形成することができ,さらにスプラインの変
形を抑制することができる。
【0025】また,上記スプラインを有する円環状部材
は,自動変速機用のクラッチハブであることが好ましい
(請求項4)。この場合には,自動変速機の性能向上・
軽量化等を図ることができる。
【0026】第2の発明(請求項5)においては,上記
円筒状変形部は,上記山部を半抜き加工することにより
形成されていることが好ましい(請求項6)。この場合
には,上述したごとく,第1の発明における上記補強面
を上記円筒状変形部の形成と同時に得ることができる。
それ故,上記円筒状変形部による変形抑制効果に加え
て,上記補強面による変形抑制効果も得ることができ,
さらにスプラインの変形を抑えることができる。
【0027】また,上円筒状変形部は,上記山部を張り
出し加工することにより形成することもできる(請求項
7)。この場合においても,上述した第1の発明におけ
る上記補強面を上記円筒状変形部の形成と同時に得るこ
とができ,さらにスプラインの変形を抑えることができ
る。
【0028】第3の発明(請求項8)においても,上記
と同様に,上記補強面は,上記山部を半抜き加工するこ
とにより形成されていることが好ましい(請求項9)。
また,上記と同様に,上記補強面は,上記山部を張り出
し加工することにより形成することもできる(請求項1
0)。
【0029】さらに,第4の発明(請求項11)におい
ても,上記と同様に,上記円筒状変形部は,上記山部を
半抜き加工することにより形成されていることが好まし
い(請求項12)。また,上記と同様に,上記円筒状変
形部は,上記山部を張り出し加工することにより形成す
ることもできる(請求項13)。
【0030】
【実施例】(実施例1)本発明の実施例に係るスプライ
ンを有する円環状部材につき,図1〜図3を用いて説明
する。本例の円環状部材1は,図1に示すごとく,円環
状の側面部10に,内側に突出した山部21と該山部2
1の間に形成された谷部22とを交互に配したスプライ
ンであるスプライン歯2を有する。上記スプライン歯2
の開口端部29には,上記山部21を変形させて内方か
ら外方に向かって形成された補強面3,及び上記山部2
1を内方から外方に向かって変形させることにより,谷
部に近づくように変形してなる円筒状変形部219を有
している。
【0031】以下,これを詳説する。本例の円環状部材
1は,自動変速機用のクラッチハブであり,図1に示す
ごとく,中央に貫通穴を有する円盤状の底板部19と,
該底板部19から立設した断面真円状のプレーン部18
と,スプライン歯2を設けた側面部10を有している。
スプライン歯2は,同図に示すごとく,山部21と谷部
22と,これらの間に位置する縦板部23とを組み合わ
せたような形状(台形形状)を呈している。
【0032】そして,上記スプライン歯2の開口端部2
9には,上記補強面3及び円筒状変形部219を,山部
21を半抜き加工することにより形成してある。このク
ラッチハブ1を製造するに当たっては,鋼板を用いてプ
レス加工により円筒形状に成形すると共に上記スプライ
ン歯2を形成する。ついで,プレス加工により,上記補
強面3及び円筒状変形部219を設ける。
【0033】本例では,図2に示すごとく,上記山部2
1の外周面211に当接するダイス81と,山部21の
内周面212に当接するパンチ82とを用いて行う。こ
こで,本例では,ダイス81とパンチ82との間のクリ
アランスC1を,半抜き加工が可能なように,切断する
場合よりも十分に広く,かつ山部21の厚みよりも小さ
い寸法とした。
【0034】図3に示すごとく,パンチ82を前進させ
ることにより,半抜き加工が行われ,上記山部21の内
周端から外周へ向けて延びる上記補強面3が形成され
る。そしてこの補強面3は,図1に示すごとく,山部2
1と,その両側の縦板部23と,上記パンチ82により
押しつぶされた山部の変形部である円筒状変形部219
とに,それぞれ切断されることなく繋がった状態で,内
方から外方に向かって形成される。このような成形加工
を,すべての山部21に対して行うことにより,開口端
部29において円周状に上記補強面3と円筒状変形部2
19とが配置される。そして,上記円筒状変形部219
と谷部22を連ねることにより,概略円筒形状となる部
分(円筒状部分)が形成される。
【0035】このようにして得られたクラッチハブ1
は,上記スプライン歯2の山部21に上記補強面3を有
しているので,回転時における変形を抑制することがで
きる。すなわち,上記補強面3は,上記のごとく半抜き
加工により形成されている。そして,上記半抜き加工部
分によって,山部21,押し潰された円筒状変形部21
9,山部21と谷部22との間の縦板部23を繋いだ状
態で形成されている。そのため,遠心力等が付与されて
も上記縦板部23同士の間隔は上記補強面3によって保
持され,遠心力による拡径の応力に対し,補強面3が応
力を受けるので,その変位が抑制される。すなわち,上
記スプライン歯2の剛性は,上記補強面3の存在によっ
て大幅に向上する。それ故,クラッチハブ1を回転させ
た場合に,遠心力により側面部のスプライン歯2が外方
に広がるよう変形することを抑制することができる。
【0036】さらに,上記円筒状変形部219は,上記
のごとく半抜き加工により形成され,その円筒状変形部
219と谷部22との連なりによって上記円筒状部材が
開口端部に形成されている。そのため,遠心力等が付与
されても,開口端部においては上記円筒状部材全体が応
力を受け,偏った部分への応力の集中が抑制され,その
変位が抑制される。すなわち,上記スプライン歯2の剛
性は,上記円筒状変形部219が形成されることにより
大幅に向上する。それ故,クラッチハブ1を回転させた
場合に,遠心力により側面部のスプライン歯2が外方に
広がるよう変形することを抑制することができる。
【0037】またクラッチハブ1においては,上記のご
とく,側面部10における軸方向の一端側の開口部15
近傍に補強面3と円筒状変形部219を設けた。そのた
め,クラッチハブ1が回転した際に最も変形しやすい開
口部15近傍を上記補強面3と円筒状変形部219によ
って効率よく剛性アップすることができる。それ故,変
形抑制効果を高めることができる。
【0038】このように,本例のクラッチハブ1におい
ては,上記構成の補強面3又は円筒状変形部219を設
けることによって形状的にスプライン歯2の剛性を向上
させることができる。そのため,スプライン歯2の厚肉
化などの重量を増加させるような対策をとる必要がな
い。それ故,軽量・コンパクトで高剛性のスプライン歯
2を有するクラッチハブ1を得ることができる。
【0039】(実施例2)本例は,図4〜図6に示すご
とく,実施例1における半抜き加工により形成に代え
て,張り出し加工により形成した補強面3と円筒状変形
部219を有する円環状部材(クラッチハブ)1の例で
ある。本例のクラッチハブ1における補強面3と円筒状
変形部219を成形するに当たっては,図5に示すごと
く,実施例1と同様に,山部21の外周面211に当接
するダイス81と,山部21の内周面212に当接する
パンチ82とを用いて行う。ここで,本例では,ダイス
81とパンチ82との間のクリアランスを実施例1と異
なる条件とする。すなわち,同図に示すごとく,ダイス
81とパンチ82とのクリアランスC2を,半抜き加工
の場合よりも十分に広く,山部21の厚さよりも十分に
広い寸法とした。
【0040】これにより,図6に示すごとく,パンチ8
2を前進させた場合には,クリアランスC2が十分に大
きいので,いわゆる張り出し加工がなされる。そしてそ
のため,本例の補強面3は,クラッチハブ1の軸方向と
直角ではなく,徐々に外方に広がるテーパ状に形成され
る。円筒状変形部219は,張り出し加工の際に押し出
されることにより形成される。
【0041】この場合においても,補強面3及び円筒状
変形部219は,山部21と,その両側の縦板部23
と,上記パンチ82により押しつぶされた円筒状変形部
219とに,それぞれ切断されることなく繋がった状態
で,内方から外方に向かって形成される。そのため,こ
の補強面3又は円筒状変形部219の存在によって,実
施例1と同様に,クラッチハブ1の剛性向上,軽量・コ
ンパクト化を図ることができる。そして,張り出し加工
により成形のため,加工材に剪断部分を形成せずに上記
補強面3と円筒状変形部219を形成できるので,より
クラッチハブ1の剛性を向上させることができる。
【0042】(実施例3)本例は,実施例1のクラッチ
ハブ1における底板部19周辺の形状を若干変更したク
ラッチハブを適用した自動変速機7の例である。本例の
自動変速機7は,図8に示すごとく,自動車用の自動変
速機であって,図示しない入力軸の回転を出力軸に伝達
するための複数のギアセットと,摩擦板51が,該摩擦
板21に設けられた外歯がクラッチドラム61の内周側
に設けられたスプライン歯に嵌合することで,クラッチ
ドラム61の内周側に配置され,摩擦板52が,該摩擦
板52に設けられた内歯がクラッチハブ1の外周側に設
けられたスプライン歯2に嵌合することでクラッチハブ
1の外周側に配置され,両摩擦板51,52が互いに係
合することにより入力軸の回転を複数のギアセットに伝
達するクラッチ60とを有する。
【0043】本例のクラッチハブ1は,図7に示すごと
く,円環状の側面部10に,内側に突出した山部21と
山部21の間に形成された谷部22とを交互に配したス
プラインを有し,該スプラインの開口端部29には,上
記山部21を変形させて内方から外方に向かって形成さ
れた補強面3及び円筒状変形部219を有している。ま
た,上記補強面3は,実施例1と同様の半抜き加工によ
り形成されており,山部21と,その両側の縦板部23
と,上記パンチ82(図3)により押しつぶされた山部
の変形部219とに,それぞれ切断されることなく繋が
った状態で,内方から外方に向かって形成される。その
ため,上記のごとく,この補強面3又は円筒状変形部2
19の存在によって,クラッチハブ1は高剛性で軽量・
コンパクト化を実現したものとなっている。
【0044】自動変速機7では,このような構成のクラ
ッチハブ1を使用しているので,信頼性及び安定性の向
上,さらには,自動変速機7全体の軽量・コンパクト化
を図ることができる。
【0045】すなわち,クラッチハブ1が高速で回転す
る場合,遠心力などによりクラッチハブ1の開口端部2
9部分が外方に広がってしまうおそれがある。その場
合,上述したごとくクラッチハブ1のスプライン歯2に
おける各部の厚みを厚くすることで剛性を向上させる対
応策があるが,これは自動変速機7のコンパクト化や軽
量化を損なうおそれがある。これに対し,本発明の上記
クラッチハブ1を適用することにより,上記のごとく厚
みを厚くすることなく形状面から剛性を向上させて高速
回転に対応することができる。
【0046】また,他の既存の自動変速機に本発明の上
記補強面又は円筒状変形部を有するクラッチハブを適用
することにより,クラッチハブのコンパクト化・軽量化
を図ることができ,ひいては自動変速機全体の軽量・コ
ンパクト化を図ることができる。また,本発明のスプラ
インを有する円環状部材は,クラッチドラムとして適用
することもでき,この場合にも同様に,クラッチドラム
のコンパクト化,軽量化を図ることができる。
【0047】さらに,上記のごとくクラッチハブ1の開
口端部29において径方向の外側に変形させた部分21
9を設けることにより,クラッチドラム,ピストン,プ
レート,クラッチハブを含めたクラッチを構成する部材
をユニット化することが容易となり,それ故自動変速機
の組立て工数の低減をも図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,クラッチハブの形状を示す
一部切欠き斜視図。
【図2】実施例1における,補強面を形成する加工条件
を示す説明図。
【図3】実施例1における,補強面の形成直後の状態を
示す説明図。
【図4】実施例2における,クラッチドラムの形状を示
す一部切欠き斜視図。
【図5】実施例2における,補強面を形成する加工条件
を示す説明図。
【図6】実施例2における,補強面の形成直後の状態を
示す説明図。
【図7】実施例3における,クラッチドラムの形状を示
す一部切欠き斜視図。
【図8】実施例3における,自動変速機の構造を示す一
部切欠き断面図。
【符号の説明】
1...スプラインを有する円環状部材(クラッチハ
ブ), 10...側面部, 2...スプライン, 21...山部, 22...谷部, 23...縦板部, 3...補強面, 5...自動変速機,

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円環状の側面部に,内側に突出した山部
    と該山部の間に形成された谷部とを交互に配したスプラ
    インを有する円環状部材において,上記スプラインの開
    口端部には,上記山部を変形させて内方から外方に向か
    って形成された補強面を有していることを特徴とするス
    プラインを有する円環状部材。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記補強面は,上記
    山部を半抜き加工することにより形成されていることを
    特徴とするスプラインを有する円環状部材。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記補強面は,上記
    山部を張り出し加工することにより形成されていること
    を特徴とするスプラインを有する円環状部材。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記スプラインを有する円環状部材は,自動変速機用の
    クラッチハブであることを特徴とするスプラインを有す
    る円環状部材。
  5. 【請求項5】 円環状の側面部に,内側に突出した山部
    と該山部の間に形成された谷部とを交互に配したスプラ
    インを有する円環状部材において,上記スプラインの開
    口端部には,上記山部を上記谷部に近づくように変形さ
    せてなる円筒状変形部を有していることを特徴とするス
    プラインを有する円環状部材。
  6. 【請求項6】 請求項5において,上記円筒状変形部
    は,上記山部を半抜き加工することにより形成されてい
    ることを特徴とするスプラインを有する円環状部材。
  7. 【請求項7】 請求項5において,上円筒状変形部は,
    上記山部を張り出し加工することにより形成されている
    ことを特徴とするスプラインを有する円環状部材。
  8. 【請求項8】 摩擦板を内周側に有するクラッチドラム
    と摩擦板を外周側に有するクラッチハブとを組み合わせ
    なるクラッチを有する自動変速機において,上記クラッ
    チハブは,円環状の側面部に,内側に突出した山部と該
    山部の間に形成された谷部とを交互に配したスプライン
    を有し,該スプラインの開口端部には,上記山部を変形
    させて内方から外方に向かって形成された補強面を有し
    ていることを特徴とする自動変速機。
  9. 【請求項9】 請求項8において,上記補強面は,上記
    山部を半抜き加工することにより形成されていることを
    特徴とする自動変速機。
  10. 【請求項10】 請求項8において,上記補強面は,上
    記山部を張り出し加工することにより形成されているこ
    とを特徴とする自動変速機。
  11. 【請求項11】 摩擦板を内周側に有するクラッチドラ
    ムと摩擦板を外周側に有するクラッチハブとを組み合わ
    せなるクラッチを有する自動変速機において,上記クラ
    ッチハブは,円環状の側面部に,内側に突出した山部と
    該山部の間に形成された谷部とを交互に配したスプライ
    ンを有し,該スプラインの開口端部には,上記山部を上
    記谷部に近づくように変形させてなる円筒状変形部を有
    していることを特徴とするスプラインを有していること
    を特徴とする自動変速機。
  12. 【請求項12】 請求項11において,上記円筒状変形
    部は,上記山部を半抜き加工することにより形成されて
    いることを特徴とする自動変速機。
  13. 【請求項13】 請求項11において,上記補強面は,
    上記山部を張り出し加工することにより形成されている
    ことを特徴とする自動変速機。
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