JP2694924B2 - 遺伝子発現を調節する方法 - Google Patents

遺伝子発現を調節する方法

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】細胞物質もしくは生物体の遺
伝物質の遺伝子発現は、該生物体の遺伝物質のmRNA
と対になりそしてそれと結合することの出来る一つのR
NAへの転写を行なうDNAもしくは他の遺伝物質を細
胞物質もしくは生物体の遺伝物質の中へもしくはそれと
共に取り入れることによって調節されもしくは阻害され
る。一つの遺伝子の遺伝子発現もしくは調節は該遺伝子
の発現を調節もしくは阻害するために該遺伝子に関して
反対側の方向において一つのプロモーターの後に挿入さ
れるかもしくは位置される該遺伝子の一つのDNA断片
もしくは複製を発現することによって調節される。 【0002】 【従来の技術】細胞物質もしくは生物体の遺伝物質の遺
伝子発現の調節もしくは調節は科学者の特別な注目を集
めそして特種な状況の下において、組換えDNAおよび
その他の手法が用いられるようになった。例えば、19
83年4月23日に刊行されたPCT特許出願WO83
/01451においては、生物体の一つの生物学的成分
に対するコードを行なうメッセンジャーリボヌクレイッ
クアシッド(mRNA)の一部と実質的に対をなす塩基
配列を有し、望ましくはホスホトリエステル型のオリゴ
ヌクレオチドを用いる一つの手法が開示されている。こ
のオリゴヌクレオチドは生物体の中へ導入され、そして
該オリゴヌクレオチドと該メッセンジャーリボヌクレオ
チドとが対をなす性質のために、該二つの成分は適当な
条件下において該メッセンジャーリボヌクレオチドによ
ってコードされている生物体の該生物学的成分の合成を
調節もしくは阻害するためにハイブリダイズされる。も
し該生物学的成分が該生物体の生活力に対して極めて重
要なものであれば、該オリゴヌクレオチドは抗生物質と
して作用することが出来るであろう。これに関連する生
物体における遺伝子発現の調節のための手法はCel
l、第34巻、第683頁(1983年9月)に掲載さ
れている論文の中に記述されている。上記刊行物の開示
はこの中に取り入れられ、この開示の部分をなすもので
ある。上記したようにある遺伝子の発現は転写の水準に
調節されることが出来るということが知られている。転
写の調節は蛋白質因子によってネガチブ(抑制化)にも
ポジチブ(活性化)にも行われる。ある特定の蛋白質因
子が特定のmRNAの翻訳を調節することもまた知られ
ている。また上記したように、RNAは特定の遺伝子の
発現を調節することが明らかになり、そして高浸透圧モ
ル濃度の培地における大腸菌の培養にもとづいて、外層
膜蛋白質(OmpF蛋白質)に対する遺伝子の発現を阻
害する174個の塩基からなる小さいRNA転写が生成
されると云うことが報告されている。Proc Ja
p.Acad.第59巻、第335〜338頁(198
3年)、「大腸菌K12の中の小さなRNA転写(mi
cRNA)による遺伝子発現の調節」を参照。小さいR
NA転写(micRNA、即ち対になるRNAを妨害す
るmRNA)によるOmpF蛋白質保護の阻害はシャイ
ン−ダルガノ(Shine-Dalgarno)配列および開始コドン
を含む約80個の塩基の領域にわたって該micRNA
と該ompF mRNAとの間にハイブリッドが形成さ
れることによるものと思われる。小さい対になるRNA
による同様な調節はまたTn10トランスポサーゼに対
して記述されている。Cell、第34巻、第683〜
691頁(1983年)「IS10互換の翻訳調節」を
参照。しかしながらこの場合、トランスポサーゼに対す
る遺伝子とmicRNAに対立する遺伝子は例えば該転
写の5'−末端が対になるハイブリッドを形成すること
が出来るようにDNAの同じセグメントを離れた反対側
の方向に転写される。該ハイブリッドは該トランスポサ
ーゼmRNAの翻訳を阻害するものと考えられている。
しかしながら、トランスポサーゼ位置は該ompF遺伝
子と該micRNA遺伝子(micF)とが完全に切り
離されており、そして各々大腸菌染色体上の21および
47分に地図がかゝれるompFの位置と対照である。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、生物
体を組み立てている遺伝物質の遺伝子発現の調節のため
に有用な手法を提供することにある。 【0004】本発明の他の目的は、該生物体を組み立て
ている遺伝物質の遺伝子発現に関して特殊な性質を有す
る形質転換された生物体を提供することにある。 【0005】本発明の更に他の目的は、DNAもしくは
該DNAを含むプラスミドがその中へ導入されている該
遺伝物質の該mRNAと相補的でありそして結合もしく
はハイブリダイズすることの出来る一つのRNAを転写
する該DNAを含むプラスミドのようなDNAもしくは
他の遺伝物質を提供することにある。 【0006】本発明の目的をより具体的に述べると、本
発明は、遺伝子を有する細胞内に存在するときに、該遺
伝子によって生産されるRNA転写物の少なくとも一部
に相補的なポリヌクレオチド配列を生産し、該遺伝子に
よって生産される該RNA転写物に相補的な該ポリヌク
レオチド配列が、該遺伝子の機能を調節する、非天然の
ポリヌクレオチド構成物を提供することにある。 【0007】また、本発明は、遺伝子を有する細胞内に
存在するときに、該遺伝子の機能を調節するリボヌクレ
オチド配列を生産し、該構成物は、プロモーターセグメ
ントおよびDNAセグメントを有し、該DNAセグメン
トの転写によって、該遺伝子から生産されるRNA転写
物の少なくとも一部に相補的な該リボヌクレオチド配列
を生産する、非天然のポリヌクレオチド構成物を提供す
ることにある。 【0008】本発明のこれらおよび他の目的が如何に達
成されるかは付随する開示からみて、そしてそれに添付
される図面を参照して明らかになるであろう。 【0009】 【課題を解決するための手段】本発明の実施による細胞
物質もしくは生物体の遺伝子発現は、該生物体もしくは
細胞物質の該遺伝物質のmRNAと対になりそして結合
もしくはハイブリダイズすることの出来る一つのRNA
への転写を行なうDNAもしくは他の遺伝物質を細胞物
質もしくは生物体の遺伝物質の中へもしくはそれと共に
取り入れることによって調節、阻害、および(または)
調節される。該mRNAとの結合もしくはハイブリダイ
ズにもとづいてmRNAの翻訳は、例えば該mRNAに
よってコードされる蛋白質物質のような生成物が生成さ
れないと云う結果によって妨げられる。例えば蛋白質の
ようなmRNA翻訳生成物が生物体もしくは細胞物質の
成長にとって極めて重要な場合において、このように形
質転換され改変された生物体もしくは細胞物質は少なく
とも無能になる。 【0010】本発明の実施により遺伝子の発現を調節す
るために設計された一つのmicシステムが組み立てら
れた。更に詳しく述べれば、本発明の実施により大腸菌
の中のいかなる特定の遺伝子の発現を調節するための人
工micシステムを組み立てることが出来る。 【0011】更に本発明の実施により一つの遺伝子に対
する一つのmicRNAシステムが該遺伝子からのDN
A小断片を一つのプロモーターの後で反対側の方位の中
へ挿入することによって組み立てられる。このようなシ
ステムはいかなる遺伝子の発現を明確に調節するための
これまでには知られていない方法を提供する。更に詳し
く述べれば、特に大腸菌において具体化されるのである
が、一つの誘導可能なプロモーターの調節下において該
micDNA断片を挿入することによって、不可欠な大
腸菌遺伝子の発現が調節されることが出来る。それ故に
本発明の実施により、このようにして作り出された誘導
される致死は必須とされる遺伝子の研究において有効な
道具であろう。 【0012】これ以後に、本発明の実施により、人工m
icシステムの組み立てと数種の大腸菌遺伝子を用いる
その機能の実証が記述される。本発明による該micシ
ステムは、特定の原核遺伝子の発現を調節するための有
効な方法である。したがって本発明は真核細胞における
生物学的に重要な遺伝子の同様な調節を成し遂げるため
の基礎を提供する。例えば、該micシステムは腫瘍遺
伝子およびウィルス遺伝子のような有害な遺伝子の発現
を妨害するために、そして有害なもしくは無害な他のい
かなる遺伝子の発現に実質的に影響を与えるために用い
られることが出来る。 【0013】本発明の実施は、イースト,ウィルスを含
む原核および真核細胞もしくは微生物の両方に適用され
ることが出来、そして一般的には、発現される遺伝物質
を含む生物体に適用されることが出来る。 【0014】したがって、遺伝子発現によって立証され
るように、遺伝的観点から本発明の実施においては、新
しい生物体が容易に生成される。更に、本発明の実施
は、正常に作用することもしくはその中へ特殊な性質を
与える能力をなくし、もしくは不可能にされたこのよう
な生物体を作るために、生物体等を組み立てている遺伝
物質の遺伝子発現を改変するための有力な道具または手
段を提供する。本発明の実施において用いられる該DN
A物質は、例えば真核生物体の核の中に直接導入するこ
とにより、または原核生物体の場合では本発明の特殊な
DNAを含むプラスミドもしくは適当なベクターを介し
て処理もしくは影響されるべき生物体の中へ取り入れら
れることが出来る。 【0015】 【発明の実施の形態】本発明の実施の更なる背景を介し
て、大腸菌の大きい外層膜蛋白質OmpFおよびOmp
Cに対する遺伝子の発現は浸透圧により調節されること
が判明した。該ompC位置は高浸透圧モル濃度の条件
下において二方向性に転写されることが見出され、そし
て約170個の塩基の上流の転写RNAがOmpF蛋白
質の生成を阻害することが見出された。このRNA(m
icRNA)はリボゾーム結合場所と前OmpF蛋白質
の最初の9個のアミノ酸残基のコードを行なう領域を含
む該ompF mRNAの5'−末端領域と対になる長
い鎖を有する。かくして、micRNAはそれとハイブ
リダイズすることによってompF mRNAの翻訳を
阻害することが提案されている。この新規なメカニズム
は、OmpFとOmpC蛋白質の全量が大腸菌中におい
ていつも一定であると云う観察の説明をすることが出来
る。 【0016】大腸菌の大きい外層膜蛋白質OmpFおよ
びOmpCは小さい親水性の分子に対する受動的な拡散
孔として機能する不可欠な蛋白質である。これらマトリ
ックスリン蛋白質は各々大腸菌染色体上21および47
分に地図がかかれる構造遺伝子ompFおよびompC
によってコード化される。バクテリア外層膜:生物発生
と機能(井上,エム(Inouye, M)による編集)第25
5〜291頁中のリーブス,ピー.(Reeves, P.)(ジ
ョン ワィリーアンドサンズ(Joun Wiley andSons),
ニューヨーク,1979)を参照。これら遺伝子の発現
は培地の浸透圧モル濃度によって調節される。両方の蛋
白質の厳密な補償生成が存在し、培地の浸透圧モル濃度
が増大するとOmpF蛋白質の生成が減少し、一方Om
pC蛋白質の生成は増大し、その結果OmpFプラスO
mpC蛋白質の総量は一定である。該ompFおよびo
mpC遺伝子のこの浸透圧調節は74分に地図がかかれ
る他の結合されていない位置,ompBによって調節さ
れる。ホール,エム.エヌ.(Hall, M .N.)およびシル
ハビー,テー.ジェー.(Silhavy, T. J.),J.Mo
l.Biol. 第146巻第23〜43頁(1981
年)、およびホール,エム.エヌ.(Hall, M. N.)およ
びシルハビー,テー.ジェー.(Silhavy,T. J.),J.
Mol.Biol.第151巻第1〜15頁(1981
年)を参照。該ompB位置はompRおよびenvZ
と呼ばれる二つの遺伝子を含んでいる。両方の遺伝子の
DNA配列は決定され、そしてこれら遺伝子生成物は特
徴づけが行われている。ブルツェル,イー.テー.(Wur
tzel, E. T.)等,J.Biol.Chem.第257
巻,第13685〜1391頁(1982年)および水
野,テー(Mizuno, T)等,J.Biol.Chem.
第257巻,第13692〜13698頁(1982
年)を参照。該EnvZ蛋白質は一つの浸透圧センサー
としての役割をし、そして培地からの信号を該OmpR
蛋白質へ伝える膜受容体蛋白質と考えられている。該O
mpR蛋白質はそれから該ompFおよびompC遺伝
子の発現に対するポジティブな調節体としての役割をす
る。該ompFおよびompC遺伝子は配列決定され、
そして広範囲な相同性がそれらのコードしている領域に
おいて見出されるが、一方これらのプロモーターの領域
においては非常に僅かな相同性しか存在しない。本発明
による相補的なRNAを妨害するmRNA(micRN
A)と呼ばれるRNAの新しい種類によって仲介される
遺伝子発現の新規な調節メカニズムが発見され明らかに
されたのは該ompC遺伝子の特徴づけの過程において
である。MicRNAは一つの独立した転写単位(該m
icF遺伝子)から生成される。この遺伝子は該omp
C遺伝子の上流に直接に位置づけられるが、反対側の方
向に転写される。該174−塩基micRNAはそれと
ハイブリダイズすることによって該ompF mRNA
の翻訳を妨害する。micRNAの生成はompC m
RNAの生成に比例すると考えられるので、この調節メ
カニズムはOmpFとOmpC蛋白質の総量を一定に維
持するに極めて効果的な方法であると思われる。ompF発現を抑制する一つのDNA断片 該ompCプロモーターを特徴づけしている間に、該o
mpCプロモーターの上流に位置づけられている約30
0bpの一つのDNA断片は、OmpF+細胞がこのD
NA断片を有している多重コピープラスミドによって形
質転換される時に、OmpF蛋白質の生成を完全に阻害
することが判明した。この実験のためにプラスミドpM
Y150が原ompCクローンからpMY111のHp
aI部位をHbaI部位に変換し次いで第1図の第1図
a中に記載されるように1.1kb SalI断片を除
去することによって組み立てられた。水野,テー.(Mi
zuno, T.)等、J.Biol.Chem.、第258
巻、第6932〜6940(1982)を参照。 【0017】第1図においては、該ompC遺伝子のサ
ブクローンの構造と該ompCプロモーター領域を担持
している種々のプラスミドの構造が示されている。 【0018】(a)ompC遺伝子のサブクローン化の
図式表示。pBR322中の2.7Kb大腸菌染色体D
NAを担持しているプラスミドpMY111は先に記述
された。該プラスミドDNAの1μgはHpaIによっ
て分解され、そしてXbaIリンカー(CTCTAGA
G,150p mole)の存在下で再結合された。か
くして、約400bp HapI断片が除去され、そし
て唯一のXbaI部位が新らしく作られた(pMY10
0)。プラスミドpMY100(DNAの1μg)は更
にSalIで分解されそして1.1kb SalI断片
(pMY150)を除去するために再結合された。種々
のサイズのompCプロモーター断片を得るために、プ
ラスミドpMY150は唯一のBglII部位の開裂の
後Bal31ヌクレアーゼによって分解され(第1図b
を参照)、続いて該プラスミドはXbaIリンカーの存
在下に再結合された。このようにして組み立てられたプ
ラスミドpCX28は第1図bに示されるように約30
0−bp XbaI−XbaI断片を担持するクローン
の一つである。 【0019】(b)完全なompC遺伝子を担持するプ
ラスミドpMY150の単純化された制限地図。pBR
322中の1.8Kb HindIII−SalI断片
(箱に入れられている領域)は5'−および3'−非コー
ド領域のみならず完全なompCコード領域をも含んで
いる。該ompC遺伝子の転写は矢印に示される方向に
進行する。二方向矢印はプラスミドpCX28に対する
削除されたおよその領域(約600bp)を示してい
る。 【0020】(c)ampCプロモーターおよびその上
流領域から誘導されたDNA断片に対する種々のβ−ガ
ラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子融合:プラスミド
I、507−bp XbaI−RsaI断片はpMY1
50から単離され(一つのRsaI部位はATGコドン
の丁度下流に存在する)、そしてlacZ遺伝子を担持
しているプラスミドpINIIIから誘導されるプラス
ミドpICIIIのXbaI−SmaI部位の間に挿入
された。該結合の間、一つのHindIIIリンカーが
RsaIとSmaI結合部位の間に挿入された。該Xb
aI−HindIII断片はこのようにして組み立てら
れたプラスミドから単離されそしてプラスミドpKM0
05の中へ再挿入されて右側に示されている枠の中のl
acZ遺伝子融合を生じた。プラスミドpICIIIと
pKM005の特色は先に記述された。約430−bp
MspI−BamHI断片を担持しているプラスミド
IIとIVはクローンIから単離され(一つのBamH
I部位はプラスミドIの中のβ−ガラクトシダーゼコー
ド配列に対するATGコドンの丁度下流に存在する)、
そしてS1ヌクレアーゼで処理されてブラントエンドを
生成した。両端にXbaIリンカーを添加した後、この
ようにして得られたXbaI−XbaI断片は可能な二
つの方向においてプラスミドpKM005のXbaI部
位に挿入された。プラスミドIIIとV、約300bp
XbaI−XbaI断片はプラスミドpCX28から
単離され(第1図a)そして二つの可能な方向において
プラスミドpKM005のXbaI部位に挿入された。
これらプラスミド(I−V)はlacZ欠損株SB42
88(F-recA thi−1 relA mal2
4spc12 supE−50 proB lac)の
中へ形質転換され、そしてこれらのβ−ガラクトシダー
ゼ活性はマッコンキープレート(Difco)上で試験され
た。結果はLacZ+もしくはLacZ-として示され
る。OmpF蛋白質の発現を阻害するこれらクローンの
能力はまたMicF+もしくはMicF-として示されて
る。 【0021】得られたプラスミドpMY150(第1図
b)はompC遺伝子の完全なコード領域とompCプ
ロモーターとompC mRNAの5'−末端非翻訳領
域をコード化しているDNAとを含んでいる上流配列の
約500bpを含んでいる。種々のサイズのompCプ
ロモーター断片を得るために、pMY150が唯一のB
glII部位でBal31ヌクレアーゼによって分解さ
れ、次いでXbaIリンカーが添加された。この方法で
組み立てられたプラスミドはSalI部位から最も遠い
XbaI部位の位置のために種々なサイズを有するXb
aI断片を担持している。種々なXbaI断片がそれに
続いて一つのプロモーター断片がその特殊XbaI部位
の右側の方向へ挿入される時のみlacZ遺伝子を発現
することが出来る一つのプロモーター−クローン化ベク
ター、pKM005へと移された。これらの実験は該o
mpC遺伝子の転写は上流XbaI部位(原HpaI部
位)から390から440bp下流の間に位置する部位
で開始することを明らかにした。驚ろくべきことには、
これらpKM005誘導体によって形質転換された、た
った300bpの最短XbaI断片、CX28のクロー
ン(pCX28からのサブクローン化、第1図aおよび
b)を含む大腸菌はOmpF蛋白質を生成する活性を失
なっていた。OmpF蛋白質は明らかに宿主細胞(om
pB+ ompF+ ompC+)の中で生成されるが、
一方該CX28断片のクローンを担持している同じ細胞
はOmpF蛋白質を生成することが出来なかった。同様
な効果が例えば第1図c中のプラスミドIのようなより
長い断片のクローンを有している細胞で観察された。こ
のクローンにおいて、該lacZ遺伝子はompC遺伝
子の開始コドンの後に直接に融合され、その結果このプ
ラスミドを担持している細胞のLacZ+発現型を生じ
た。しかしながら87bpのXbaI−MspI断片が
プラスミドIから除去された時、得られたプラスミド
(第1図c中のプラスミドII)を担持している該細胞
はOmpF蛋白質を生成することが出来た。該ompF
遺伝子の上流領域を含む430bpの長さの同様なDN
A断片はOmpFおよびOmpCの両方の蛋白質の生成
を妨害しなかったことは注目されるべきである。 【0022】CX28とompF遺伝子との間のDNA
配列相同 上記の結果は、該ompCプロモーターの上流に位置す
る約300bpの長さのDNAの拡がりはompF発現
を妨げることが出来ることを示す。このDNA断片(C
X28)の機能を解明するために、この領域のDNA配
列が決定された。 【0023】該プロモーター領域と該ompC遺伝子の
上流とのヌクレオチド配列を第2図に示す。pMY11
1もしくはpMY150から調製された制限酵素処理し
たDNA断片は〔α−32P〕dNTPおよびDNAポリ
メラーゼI大断片(クレナウ断片)を用いて坂野等の方
法、ネイチャー(Nature)、第280巻、第288〜2
94頁(1979年)、によってこれらの3'−末端に
ラベルされた。別々に末端ラベルされたDNA断片は第
2の制限酵素によって分解することにより得られた。D
NA配列は7M尿素中20%,10%および6%ポリア
クリルアミトゲルを用いてマキサム(Maxam)およびギ
ルバート(Gilbert)の方法:Methods inEnzymology
第65巻、第499〜560頁(1981年)、によっ
て測定された。該ompC遺伝子の開始コドンのみなら
ずRNAポリメラーゼ認識部位(−35領域)およびo
mpCとmicFプロモーターに対するプリブノーボッ
クス(−10領域)もまた箱に囲われている。転写開始
部位はompCおよびmicF遺伝子に対して地図を作
成するSlヌクレアーゼによって決定される。 第2図は該ompC遺伝子のXbaI部位(もとはHp
aI)から開始コドン、ATG、までの500bpのD
NA配列を示す。残基88のDNA配列下流は先に測定
された。残基99から180までの配列(第2図)はシ
ャイン−ダルガノ(Shine-Dalgarno)配列、開始コド
ン、および前OmpF蛋白質(+印が付けられた塩基は
該ompF配列と相同である)の最初の9個のアミノ酸
残基に対するコドンとを含むompF mRNAの5'
−末端領域と70%相同性を有していることが判明し
た。上記結果を説明するための考えられ得るモデルでは
300−bp CX28断片(第1図c)がompC遺
伝子の領域下流の方へ向けられ、その結果この領域から
のRNA転写は該ompF mRNAと対をなす配列を
有する転写単位を含む。このようにして該二個のRNA
間のハイブリダイズによりOmpF蛋白質の生成を妨害
する。 【0024】新らしい転写単位の存在 該CX28断片がompC遺伝子とは反対側の方向に配
置されている1つの独立した転写単位を含むかどうかを
決定するために、該lacZ遺伝子がCX28断片の中
で二個の異なった部位で融合された、プラスミドVにお
いて、該CX28断片はプラスミドIIIに関して反対
の方向に挿入された(第1図c)。このクローンはβ−
ガラクトシダーゼ(lacZ-)を生成しないけれど
も、OmpF蛋白質の生成の抑制においていまだ完全に
活性であった。融合結合がMspI部位のヌクレオチド
88にシフトされる時(第2図、まだ第1図cを参
照)、新しく組み立てられたクローン(プラスミドI
V)はβ−ガラクトシダーゼを生成することが出来た。
しかしながら、このプラスミドはもはやOmpF蛋白質
の生成を抑制することが出来なかった。 【0025】このプラスミドはlacZとCX28配列
(残基300から500、第2図)の上流で付加DNA
(約200bp)を含んでいるけれども、これはプラス
ミドVがOmpF蛋白質生成の抑制において完全に活性
であるので、CX28断片の機能に影響しない。これら
の結果は、該ompC遺伝子プロモーターから独立して
いる該CX28断片の中の転写単位が存在すること、お
よび該CX28断片と該ompC遺伝子が互いに相違す
る方向に転写されることを示している。プラスミドIV
がβ−ガラクトシダーゼを生成することが出来そしてプ
ラスミドIVがそれを生成しないと云う事実は、該CX
28転写単位が残基1および88の間で終わることを示
唆している(第1図c)。事実、非常に安定した幹およ
びループ構造がオリゴ−Tが後に続くヌクレオチド70
と92との間に形成され得る(第2図中文字aを付した
矢印)。この構造は原核細胞の中のp−因子非依存性転
写終結部位の特性である。この構造に対する△G値はサ
ルサー,ダブリュー.(Salser, W.),コールドスプリ
ングハーバーシンポジウム,Quant.Biol.第
13巻第985〜1002頁(1977年)、によって
−12.5Kcalであることが計算された。 【0026】該CX28転写に対する開始部位はSl−
ヌクレアーゼマッピングによってヌクレオチド237に
位置される(第2図)。この結果は該CX28 DNA
断片が転写されて174ヌクレオチドの転写を生成する
ことを示すものである。このことは更にノーザーンブロ
ットハイブリダイゼーションによって証明された。プラ
スミドIII(第1図c)を担持する細胞から抽出され
たRNA調製物において、一つのRNA種が該CX28
断片とハイブリダイズすることが明らかに観察され、そ
してそれは5S RNAより若干遅い速度で移行する。
調節細胞において、同じRNAの少量のみが検出され
た。該RNA(CX28 RNA)のサイズはゲル上で
約6Sであると見積もられ、それは配列(174塩基)
から見積もられるサイズと非常に良く一致する。 【0027】CX28 RNAの機能 前に指摘したように、該CX28 DNA断片はomp
F遺伝子の一部分と広範囲にわたる相同性を有してい
る。かくして、CX28 RNAの部分は該ompF
mRNAと対をなしており、そして第3図に示されるよ
うにompF RNAと非常に安定したハイブリッドを
形成することが出来る。このハイブリッド形成に対する
△G値は−55.5Kcalであると計算された。リボ
ゾーム結合のためのシャイン−ダルガノ(Shine-Delgar
no)配列とコード領域からの28個の塩基を含んでいる
ompF mRNAの5'−末端非翻訳領域の44個の
塩基は、ハイブリッド形成に関与している。このハイブ
リッド構造はCX28 RNAの二個の安定した幹およ
びループ構造(一つは3'−末端p−非依存性転写終結
シグナル(ループa)に対し、もう1つは5'−末端
(ループb)に位置する)、によってサンドイッチされ
ている。ループaとbに対する△G値は各々−12.5
および−4.5Kcalであると計算された。 【0028】図面の第3図を参照すると、そこにはmi
cFとompF mRNAとの間のハイブリッド形成が
示されている。micF RNAの配列は第2図におい
て残基237から64までの配列と一致している。該o
mpF mRNA配列は井之口、ケイ.(Inokuchi
K.)等、Nucleic Acid Res.第10
巻、第6957〜6968頁(1982年)、から引用
された。第二次構造a、bおよびcに対する△G値は各
々−12.5,−4.5および+2.9Kcalである
と計算された。第3図には他のループ(ループc)が示
されている。しかしながらこのループはその△G値(+
2.9Kcal)のために形成されそうにもない。ハイ
ブリッドの形成はompF mRNAの翻訳を妨げるよ
うに思われる。このことは何故にCX28 DNA断片
を担持しているクローンがOmpF蛋白質の生成を抑制
するかを説明するものであろう。かくしてCX28 R
NAはompFに対するmRNA-interfering complem
entary RNA(ompFに対するmicRNA)と称
され、そして該遺伝子はmicFと称される。ループa
がmicF遺伝子をlacZ遺伝子と融合することによ
って削除される時、該MicF機能は消滅される(プラ
スミドIV.第1図c)と云うことは注目されるべきで
ある。このことはmicF RNAの安定性のためであ
るが、さもなければMicF機能に対するループaの要
求のためであろう。 【0029】該micF遺伝子がompC遺伝子のよう
にompB遺伝子座の支配下にあるかどうかを調べるこ
とは興味あることのように思われる。参考は第1表に作
られている。 【0030】 【表1】 【0031】種々のompBミュータント細胞、MC4
100(F-lacV169,araD139,rsp
L,thiA,tibB,relA:ワイルドタイ
プ)、MH1160〔MC4100からのompB10
1(ompR1)ミュータント〕MH760〔MC41
00からのampB427(ompR2)ミュータン
ト〕、MH1461〔MC4100からのtpoll
(envZ)ミュータント〕が種々のプロモーター−l
acZ遺伝子融合クローンによって形質転換された。細
胞は37℃で1.2のクレット(Klett)単位で栄養ス
ープの10ml中で培養された。該培地の100μlは
ミラー,エイチ・ジェー.(Miller, H. J.)の方法、E
xperiments of Molecular Genetics〔ミラー,エイチ.
ジェー.(Miller, H. J.)編集〕,コールドスプリン
グハーバーラボラトリー、ニューヨーク(1972年)
第352〜355頁、によってβ−ガラクトシダーゼ活
性測定のために用いられた。プラスミドpK004はp
KM005から誘導され、そしてpKM004はlac
Z遺伝子に融合されているlpp(外層膜リポ蛋白質に
対する遺伝子)を含んでいる。プラスミドIとIVは第
1図cに記載されている。プラスミドpOmpF P−
AlはompFプロモーターの支配下においてlacZ
遺伝子を含んでいる。 【0032】第1表に示されるように、micF支配下
のlacZ遺伝子(第1図c中プラスミドIV)はom
pCプロモーター支配下のlacZ遺伝子(第1図c中
のプラスミドI)と同様な方法でβ−ガラクトシダーゼ
を生成する。β−ガラクトシダーゼの高活性がワイルド
タイプとenvZ-細胞の両方で見出されたが、omp
R1-およびompR2-ミュータントでは低い活性しか
観察されなかった。一方、ompFプロモーターの支配
下のlacZ遺伝子はompR1-細胞においては発現
されなかった。さらにコントロールとして用いられたリ
ポ蛋白質プロモーターの支配下のlacZ遺伝子はすべ
ての細胞において発現された。これらの結果は該mic
F遺伝子が該ompC遺伝子と同様な方法においてo
mpB遺伝子座によって調節されると云うことを示す。
該ompFプロモーターの支配下のlacZ遺伝子がe
nvZ-1(Ompc+ OmpF-)細胞の中に構成的に
発現されていると云うことに注目することは興味のある
ことである。このことはこのenvZ-細胞のOmpF-
発現型がmicRNAによるompF mRNAの翻訳
を阻害しているためであることを暗示する。 【0033】micFおよびompC遺伝子のプロモー
ター micFおよびompC遺伝子の両方がompB遺伝子
座によって調節されているように見えるので、これら遺
伝子のプロモーターは配列相同性を有するべきである。
相同性に対する調査のために、ompC遺伝子に対する
転写開始部位はSl−ヌクレアーゼマッピングによって
まず決定された。主な転写開始はT残基の410および
411位置で起る(第2図、また第4図を参照)。 【0034】第4図においては、micFとompC遺
伝子の間の相同配列が示されている。ヌクレオチドの数
は第2図のものと一致する。箱の中の配列は二つの遺伝
子の間の相同配列を示す。二つの配列間の棒は同一の塩
基を示す。矢印は転写開始部位を示す。−10と−35
の領域はアンダーラインされている。 【0035】かくして、micFとompC遺伝子に対
する−10の領域はAATAAT(第2図のヌクレオチ
ド250から245)およびGAGAAT(第2図のヌ
クレオチド400から405)として各々割り当てられ
(第4図)、その両者はコンセンサス配列TATAAT
と良好な相同性を示す。micFとompC遺伝子に対
するRNAポリメラーゼ認識部位(−35領域)はまた
TAAGCAおよびTTGGATとして各々割り当てら
れ(第4図)、その両者はコンセンサス配列、TTGA
CAと55%相同性を示す。しかしながら、63bpの
micFプロモーター(ヌクレオチド300から23
8)とompCプロモーター(第2図のヌクレオチド3
01〜409)との間には重要な配列相同性が見出され
ない。一方、相同配列は第4図に示されるように両方の
転写の5'−末端領域において見出される。44個の塩
基から離れた28個が相同であり(64%相同性)、そ
してこれらの領域は多分OmpR蛋白質によって認識さ
れる部位である。これらの配列と相同である一つの配列
はまたompF mRNAの5'−末端非翻訳領域にお
いて見出されることに注目することは興味あることであ
る。micF遺伝子とompC遺伝子とを精製されたO
mpR蛋白質によって結合する実験が現在進められてい
る。 【0036】上記のように、大腸菌中の遺伝子発現の調
節は転写のレベルで一般に支配される。ある遺伝子の発
現はこれらに特異的なリプレッサーによって抑制され、
これらに特異的なインデューサーによって活性化され
る。例えばcAMP受容体蛋白質およびOmpR蛋白質
のようなポジティブな蛋白質因子はまた転写のレベルで
遺伝子発現を調節することが知られている。他の転写調
節機構はアテニュエーションであり、他の化合物の種々
のアミノ酸の生合成に関与する機能の発現を調節するこ
とにおいて重要な役割を果している。コルター,アー
ル.(Kolter, R.)およびヤノフスキー,シー.(Yano
fsky, C.)、Ann.Rev.Genet.第16巻第
113〜134頁(1982年)を参照。 【0037】加うるに、ある種の蛋白質は翻訳のレベル
で遺伝子発現を調節することが示された。その結果はこ
こに翻訳開始領域と相補的なRNA因子による翻訳のレ
ベルでバクテリアの遺伝子発現の調節を示す。micR
NAによって仲介されるこの新規な調節機構は第5図に
示されている。 【0038】第5図はmicF RNAの役割の可能な
モデルを示すものである。OmpR蛋白質は低浸透圧モ
ル濃度下においてompF遺伝子と結合し、そしてOm
pF蛋白質の生成を促進する。高浸透圧モル濃度下にお
いては、OmpR蛋白質はmicFおよびompC遺伝
子の両方に結合する。かくして生成されたmicFRN
AはompF mRNAとハイブリダイズしてその翻訳
を制止する。micRNAが翻訳のレベルでompF遺
伝子の発現を抑制する可能性はありえないとされてき
た。しかしながら、該ompFプロモーターと融合され
るlacZ遺伝子はenvZ-細胞(OmpC+ Omp
-:第1図)の中に発現されたのでこのことは殆んど
ありそうにないことになる。この場合は、lacZ発現
は恐らくクローンから転写されたlacZ mRNAが
micRNAと安定したハイブリッドを形成することが
出来ないためであろう。更にもしmicRNAがomp
F遺伝子の無意味な鎖と結合することが出来るならば、
結合がRNAポリメラーゼにもっと接近し得るompF
遺伝子を作るであろうから、遺伝子発現を妨げるよりは
むしろ活性化させることの方がよりありそうなことであ
る。 【0039】micRNAによる調節は他の蛋白質生成
を妨げることなくして特異的な蛋白質の生成を妨げるの
に非常に効果的な方法であるように思われる。現在、m
icRNAとompCとの間の相対的比率は知られてい
ない(第1表のβ−ガラクトシダーゼ活性は、プロモー
ター領域が同じ様相で挿入されなかったので(第1図c
を参照)、それらの正確なプロモーター活性を当然反映
してはいない)。 【0040】しかしながら、micRNAとompCが
対等に生成されると仮定することは理由のあることであ
る。それ故に、OmpC蛋白質が生成される時、mic
RNAが同様な方法で生成される。micRNAはそれ
からOmpF蛋白質を比例的に妨害して、その結果Om
pCプラスOmpF蛋白質の総量は一定になる。 【0041】リボゾーム結合部位と開始コドンヘのmi
cRNAの結合は特定のmRNAの翻訳を妨げるために
非常に効果的な方法である。同様なメカニズムがバクテ
リオアァージT7のミュータントの中の翻訳の妨害を説
明するために提供されている。ミュータントmRNAの
3'−末端の配列はそれ自身のリボゾーム結合部位とハ
イブリダイズして翻訳を妨げることを暗示した。斉藤,
エイチ.(Saito, H.)およびリチャードソン,シー.
シー.(Richardson, C. C.)、Cell 第27巻、
第533〜542頁(1981年)を参照。micRN
A調節システムが大腸菌において、そして真核細胞を含
む他の生物体において一般的な調節現象であろうことは
理由のあることと思われる。一つの蛋白質の形成を非常
に急速に停止すること、もしくは一つの蛋白質の比率を
他のもので調節することは特に好ましいメカニズムであ
る。RNA種は種々の細胞活性の調節において付加的な
役割を有するであろう。事実、小さいRNA種はある種
のプラスミドのDNA複製の調節を行なうことが示され
ている。 【0042】付随する開示において、本発明の実施によ
って遺伝子発現を調節するための有力な道具と手法が提
供される。本発明の実施による遺伝子発現は、その生来
の遺伝物質のみを所有するかまたは生来の遺伝物質の欠
失もしくは外来遺伝物質、即ち、該生物体もしくは細胞
物質の遺伝物質とを併なう転写にもとづいて該生物体も
しくは細胞物質の遺伝物質によって生成される一つのm
RNAと相補的でありそして(または)それとハイブリ
ダイズすることが出来、その結果該RNAの発現もしく
は翻訳が阻害もしくは妨害されるオリゴリボヌクレオチ
ドもしくはポリリボヌクレオチドRNAを生成するDN
Aの付加によって遺伝的に改変せられた一つの生物体も
しくは細胞物質の遺伝物質に取り入れるかもしくはそれ
と結合することによって調節される。 【0043】本発明の実施による生物体もしくは細胞物
質の遺伝子発現の調節は、形質転換された生物体もしく
は細胞物質の中で行われ、それにおいては、該生物体も
しくは細胞物質の遺伝物質を併なって該生物体もしくは
細胞物質の遺伝物質を併なう転写にもとづいて該生物体
もしくは細胞物質の遺伝物質によって生成された一つの
mRNAと相補的かもしくはそれと結合もしくはハイブ
リダイズすることが出来、その結果該mRNAの発現も
しくは翻訳が阻害もしくは妨害せられる一つのオリゴリ
ボヌクレオチドもしくはポリリボヌクレオチドRNAを
生成するDNAをその中に取り入れるかもしくはそれと
結合する。 【0044】本発明の実施において、DNA物質もしく
は分子を含む形質転換された生物体もしくは細胞物質に
おける転写にもとづいて該生物体もしくは細胞物質の遺
伝物質によって生成されるmRNAと相補的であり、そ
して(または)それと結合もしくはハイブリダイズする
ことの出来るオリゴリボヌクレオチドもしくはポリリボ
ヌクレオチドを生成するところのDNA物質もしくは分
子は、該生物体の遺伝物質に取り込まれもしくは結合さ
れ、その結果該生物体もしくは細胞物質を該DNA物質
もしくはその分子自体と直接に形質転換させることによ
って、もしくは一つのプラスミドもしくはウィルスもし
くはウィルスベクターの中に該DNA物質を取り込みそ
れから該生物体もしくは細胞物質を該プラスミドおよび
(または)ウィルスベクターで形質転換することによっ
て形質転換される。該DNA物質もしくは分子は該生物
体もしくは細胞物質の遺伝物質を含む核の中に直接挿入
されるであろう。該生物体もしくは細胞物質の形質転換
をもたらす該DNA物質もしくは分子は、該生物体を特
徴づける遺伝子または染色体DNAとの関連において該
生物体もしくは細胞物質の細胞質もしくは流動性内容物
の中へ生物体の膜を通して挿入されるであろう。簡便さ
と実際上のために望ましいことであるが、該DNA物質
もしくは分子を該生物体もしくは細胞物質、例えば該生
物体の核もしくは細胞質の中に挿入して形質転換させる
ためにマイクロインジェクションが用いられる。それは
該DNA物質もしくは分子を該生物体もしくは細胞物質
の遺伝物質に取り込まれるかそれと結合して該生物体も
しくは細胞物質を取り囲む膜を通して該DNA物質もし
くは分子を移すことによって形質転換させるために通常
便利なものである。 【0045】人工Mic遺伝子の組み立て 該mic遺伝子はOmpF蛋白質の生成を妨げる一つの
174−塩基RNAを生成する。この小さなRNAは二
つの幹およびループ構造(一つは3'−末端、もう一つ
は5'−末端)を有する。これらの構造は該micRN
Aの機能に対する重要な役割を果たすものと考えられる
ので、一つの誘導性の発現ベクターにクローン化される
大きい外層膜リポプロティンに対する遺伝子を用いる人
工micシステムの組み立てにこれらの特徴を用いるこ
とが試みられた。中村等「大腸菌のリポプロティン遺伝
子を用いた多方面の発現クローン化媒介物の構造」EM
BO.J.第1巻,第771〜775頁(1982年)
を参照。pINベクターはリポ蛋白質プロモーターのl
acpo下流を有する高発現ベクターであり、かくして一
つの挿入された遺伝子の高レベルの誘導可能な発現が出
来るようになる。pINプロモーターはlpp遺伝子に
おいて、lppmRNAのシャイン−ダルガノ(Shine-
Dalgarno)配列の直接上流の特殊XbaI部位に融合さ
れた。得られたプラスミドはpYM140として示され
た。pYM140の中のlpp遺伝子の発現がイソプロ
ピル−β−D−チオガラクトシド(IPTG)、一つの
lac誘導体によって誘導される時、lpp遺伝子から
誘導されるRNA転写は可能な幹およびループ構造
(5'−末端に)を有する。唯一のXbaI部位の直接
上流はその3'−末端でのもう一つの安定した幹および
ループ構造である。後者のループはlpp遺伝子のp−
非依存性転写終結シグナルから誘導される。一般的なm
icクローン化ベクター,pJDC402の組み立て
は、第6図に示されるように二つのループの間のpMH
O44中のDNA断片を除去することによって達成され
る。終結部位の直接上流のRsaI部位は、pYM14
0の部分的分解に続いてEcoRIリンカーを挿入する
ことによってEcoRI部位に移された。得られたプラ
スミド,pMHO44はEcoRIで部分的に分解さ
れ、続いてXbaIで完全に分解された。線状DNA断
片の一本鎖部分はDNAポリメラーゼI(大きい断片)
によって充たされ、それからT4DNAリガーゼで処理
されて、その結果XbaIとRsaI部位の間に断片を
有しないプラスミド,pJDC402が形成された。こ
の方法の結果として、EcoRIとXbaIの両部位が
結合点で再生産された。かくして唯一のXbaI部位は
いかなるDNA断片に対する挿入部位としての役割を果
たし、そして人工mic遺伝子からのRNA転写は該m
icRNAと似た構造を有するRNAを生成する。挿入
されるDNAから誘導される部分は二つのループ構造
(その一つは5'そしてもう一つは3'−末端)によって
サンドイッチされる。 【0046】以下に第6図および第7図のより詳細な説
明を行なう。pJDC402の組み立てにかかる第6図
に示されるように、制限部位は下記の通りに示される。
X,XbaI;P,PvuII;E,EcoRI.lp
pおよびlacpoは各々リポ蛋白質プロモーターおよ
びラクトースプロモーターオペレーターである。Amp
rはアンピシリン耐性遺伝子である。交差平行線はリポ
蛋白質プロモーターを表わす。黒丸はラクトースプロモ
ーターオペレーターを表わす。斜線はリポ蛋白質シグナ
ル配列を表わし、そして黒棒はリポ蛋白質の成熟部分に
対するコード領域を表わす。白丸はlpp遺伝子から誘
導される転写終結領域を表わす。白枠はリポ蛋白質mR
NAの5'非翻訳領域を表わす。 【0047】mic(lpp)pJDC412の組み立
てにかゝる第7図において、白矢印はプロモーターを表
わす。該PvuII部位はXbaIリンカー(TCTA
GAG)を挿入することによってXbaI部位に変換さ
れる。この断片はpJDC412を形成する逆向き方向
においてpJDC402の唯一のXbaI部位の中に挿
入された。aおよびbは各々lppとlacプロモータ
ーの位置で開始するmic(lpp)RNAを示す。 【0048】mic(lpp)遺伝子の組み立て このmicクローン化ベクター,pJDC402を用い
て、mic(lpp)遺伝子の誘導にもとづくリポ蛋白
質の合成を阻害するために大腸菌のlpp遺伝子に対す
るmicシステムを作ることがまず第一に試みられた。
この目的のために、リボゾーム結合のためのシャイン−
ダルガノ(Shine-Dalgarno)配列を含むDNA断片とプ
ロリポ蛋白質の最初の数個のアミノ酸残基に対するコー
ド領域を先づ単離することが必要である。これを行なう
ために、プロリポ蛋白質シグナルペプチドのコード領域
の直後のPvuII部位はこの位置にXbaIリンカー
を挿入することによってXbaI部位に移された。得ら
れたプラスミドはそれからXbaIで分解され、そして
112−bp XbaI−XbaI(元来PvuII−
XbaI)断片は精製された。シャイン−ダルガノ(Sh
ine-Dalgarno)配列とプロリポ蛋白質のアミノ基末端か
らの最初の29個のアミノ残基に対するコード領域を取
り囲むこの断片が精製された。この断片はそれから正常
lpp遺伝子から反対の方向でpJDC402唯一のX
baI部位の中へ挿入された。得られたプラスミドはp
JDC412として示され、IPTGでの誘導にもとづ
いてmic(lpp)RNA,lppmRNAと対にな
る一つのRNA転写を生成することが出来る。 【0049】該mic発現ベクター,pJDC402の
もう一つの重要な特徴はlppプロモーターの直接上流
のHinfI部位と転写終結部位の直接下流のもう一つ
のHinfI部位とを含むことであることが指摘される
べきである。これら二つのHinfI部位はベクターの
唯一のPvuII部位の中に挿入されることが出来る完
全なmic転写単位を含むDNA断片を除去するために
用いられることが出来る。このようにして、完全なmi
c遺伝子は単一プラスミド中に複製されることが出来
る。2つの同一なmic遺伝子を含むプラスミドが、単
一のmic遺伝子を含むプラスミドに比べて2倍のmi
cRNAを生成すると云うことが予想される。このプラ
スミドは二つのmic(lpp)遺伝子を含んで組み立
てられpJDC422として示された。 【0050】mic遺伝子の発現 人工mic(lpp)RNAの効果を試験するために、
mic(lpp)RNAの2mMIPTGによる誘発の
1時間後に細胞は〔35S〕−メチオニンで1分間パルス
ラベルされた。ベクター,pJDC402を有している
該細胞は放射線写真の濃度測定走査および標準化によっ
て定量されたのであるが、誘導体,IPTGの不存在下
もしくは存在下のいづれにおいても同量のリポ蛋白質を
生成する。リポ蛋白質の生成はIPTGの不存在下でp
JDC412を担持している細胞の場合の約2倍、そし
てIPTGの存在下では約16倍減少した。IPTGの
不存在下でのリポ蛋白質合成の減少は、mic(lp
p)遺伝子の不完全な抑制のためであると考えられる。
mic(lpp)遺伝子が複製されたpJDC422を
担持する細胞の場合では、リポ蛋白質生成がIPTG不
存在下では4倍、IPTG存在下では31倍減少され
る。これらの結果は、人工mic(lpp)RNAの生
成がリポ蛋白質生成を阻害していること、そして該阻害
が生成されるmic(lpp)RNAの量と比例するこ
とを明らかに示している。該mic(lpp)RNAは
特異的にリポ蛋白質の生成を妨害していること、および
それはOmpC蛋白質を除いては他のいかなる蛋白質の
生成をも妨害しないことは注目されるべきである。該m
ic(lpp)遺伝子の誘導がOmpCプラスOmpF
蛋白質の生成を減少すると云う事実は、以下に検討され
るようにlppとompC遺伝子との間の通常ではない
相同性のためであることが判明した。 【0051】mic阻害が惹起されるいくつかのメカニ
ズムがある。一つのメカニズムは、該micRNAはリ
ボゾームがmRNAと結合することを阻止することであ
る。その他の可能なメカニズムは、mRNAの不安定
化,転写の早過ぎる終結または転写の開始の阻害のため
に起こるmRNAのアテニュエーションを含む。該mi
cRNAの阻害効果が単にアテニュエーションもしくは
転写開始のレベルであったならば、該mic効果は該リ
ポ蛋白質mRNAの機能の半減期は12分であると云う
事実のために、幾分かは延ばされることが予期せられる
であろう。それ故に、IPTGによる誘導の後の種々な
時点においてpJDC412を有しているパルスラベル
された大腸菌JA221/F'lacIqによるmic
(lpp)RNAの誘導にもとづいて、いかに迅速にリ
ポ蛋白質生成が阻害されるかが測定された。リポ蛋白質
生成はIPTG添加後5分以内で最大16倍にまで阻害
された。この結果は、リポ蛋白質生成の阻害が最初はm
ic(lpp)RNAのlppmRNAに対する結合の
ためであり、該結合は結果としてlppmRNAの翻訳
の阻害および(または)mRNAの不安定化を惹き起す
ことを示している。 【0052】mic(lpp)RNAの存在下での1p
pmRNA生成 該micF遺伝子の発現が実質的に該ompF mRN
Aの量を減少させるので、該mic(lpp)RNAが
また該lppmRNAのレベルに影響するかどうかを試
験することは興味のあることのように思われる。この目
的のために、該mic(lpp)遺伝子をIPTGで誘
導した1時間後に全細胞RNAが単離された。該RNA
調製物はホルムアルデヒドアガロースゲル中での電気泳
動に続いてニトロセルロースペーパー上への移行を行な
った後に分析された。該ペーパーはそれから該mic
(lpp)RNAもしくは該lppmRNAに対して特
異的な一つのプローブによってハイブリダイズされた。
該ompA mRNAに対して特異的な一つのプローブ
もまた内部コントロールとして用いられた。IPTGの
不存在下もしくは存在下において、pJDC402がも
はやlppmRNAの生成にいかなる相違も示さない。
これらの実験のための該プローブを作るために用いられ
た二重らせん構造のプライマーはlacオペロンの一部
を含むと云う事実のために、該プローブは、例えばJD
C412からのmic(lpp)RNAおよびpJDC
402の短い無意味な転写のようなlacプロモーター
を含むいかなる転写ともハイブリダイズする。pJDC
412を有する細胞はIPTGの不存在下では該lpp
mRNAの減少された量を含み、IPTGの存在下では
lppmRNAの大巾に減少された量を含む。pJDC
412を宿している細胞中のIPTGの不存在および存
在下において該mic(lpp)RNAの生成が示され
た。それ故に、IPTGの不存在下においても、該mi
c(lpp)RNAの可成りの量が生成され、そしてそ
れは以前に観察されたリポ蛋白質生成の結果と一致して
いる。該mic(lpp)RNAの誘導によってlpp
mRNAが消滅すると云う事実は、該micRNAの作
用のメカニズムが単に翻訳のレベルにとどまらないこと
を示している。試験はことなったサイズの二つのmic
(lpp)RNAが存在することを示した。これら転写
のサイズは281から197個の塩基であると決定さ
れ、そしてそれはリポ蛋白質プロモーター(大きい方の
RNA)での開始およびlacプロモーター(小さい方
のRNA)で開始する転写と一致する。 【0053】mic(ompC)遺伝子によるOmpC
生成の阻害 人工的に組み立てられるmic(ompC)遺伝子によ
ってOmpC合成の殆んど完全な阻害を達成することが
また可能であった。二つのmic(ompC)遺伝子を
担持する第1次構造(pAM320)は該ompC m
RNAのリーダー領域の20個のヌクレオチドおよびコ
ード領域の100個のヌクレオチドと対になる一つのR
NA分子のもとになる。このことはompC構造遺伝子
中の唯一のBglII部位およびATG開始コドンの上
流の20個のヌクレオチドをXbaI部位に移すことに
よって達成された。得られた128−bp XbaI断
片はそれから該OmpC遺伝子とは逆の方向のpJDC
402の中へ挿入され、そして該mic(ompC)遺
伝子の第2コピーは、pJDC422組み立てに対して
記述されたと同様な方法で導かれた。得られたプラスミ
ド(pAM320)は第1のものと反対側の方向に挿入
される第2mic(ompC)遺伝子を有する。第2m
ic遺伝子の配位を逆にすることはプラスミドの発現も
しくは安定性を変化させなかった。第2次構造pAM3
21,はmicRNAとompC mRNAとの間の相
補性を拡大して、pAM320の場合よりも長いリーダ
ー配列、20個の代りに72個のヌクレオチドのリーダ
ー領域を含むように設計されたものである。このプラス
ミドは、XbaI部位に移されたMnlI部位にomp
C開始コドンの上流72個のヌクレオチドbpが位置せ
られたことを除いては、pAM320に対して記述され
たと同様に組み立てられた。 【0054】micクローンベクターpJDC402,
pAM320およびpAM321を有している大腸菌J
A221/F'lacIqから単離された外層膜蛋白質の
クマーシー ブリリアント ブルー(Commassie Brilli
ant B1ue)染色ゲルパターンが得られた。IPTGの添
加の効果が、β−ガラクトシダーゼの出現によって明ら
かにみられた。pAM320からのmic(ompC)
RNAの誘導はpJDC402と比較して、OmpC生
成における実質的な減少(約5倍)を惹起こした。pA
M321からの長い方のmic(ompC)RNAの誘
導はOmpCの合成をよりドラマチックに減少した(p
JDC402と比較して約20倍)。OmpC生成はそ
れらがIPTGでの1時間誘導の後1分でパルス−ラベ
ルされた時、pAM321を有する細胞において殆ど検
出されなかった。同様な実験においてOmpC合成は、
pAM320を有する細胞中のmic(ompC)遺伝
子がIPTGで誘導された時約7倍減少した。OmpC
発現の著しい減少はまたmic(ompC)遺伝子の単
一コピーを含むプラスミドが誘導された時観察された。
また長い方のmic(ompC)遺伝子はより大きな効
果を有していた。pAM320によるmic−媒介阻害
の増大された効率は該micRNA機能の効果がmRN
Aの5'−末端と対になる拡がりと関連していることを
示すであろう。 【0055】上記の該mic(ompC)RNAのいず
れかの合成がOmpC合成のみならずリポ蛋白質合成の
減少をも惹起すことに注目することは興味あることであ
った。リポ蛋白質生成における該mic(ompC)R
NAのこの阻害効果は、第8図に示されるようにlpp
mRNA配列とompC mRNAとの間の予期せざる
相同性によるものであると思われる。この特徴は、何故
pAM320とpAM321がリポ蛋白質生成に対する
mic効果を働かせているかを説明するものである。こ
のような説明は、pJDC412とpJDC422から
のmic(lpp)RNAの誘導がOmpC蛋白質の合
成を減少する筈であることを予言し、そしてこのことは
その場合であることが見出された。 【0056】第8図において、lppmRNA(最上
線)とompC mRNA(最下線)との間の相同領域
が示されている。棒は同一の塩基を結んでいる。両方の
mic(ompC)RNAはこの相同領域を横断してハ
イブリダイズする能力を有する。該シャイン−ダルガノ
(Shine-Dalgarno)配列(S.D)とAUG開始コドン
は箱で囲われる。 【0057】mic(ompA)RNAによるOmpA
生成の阻害 いかなる成分がmicRNAの効果に寄与するかを測定
する努力において、いくつかのmic遺伝子が該omp
A遺伝子から組み立てられた。該ompA mRNAの
リーダー領域とコード領域が広範囲にわたって特徴づけ
られていたので、該ompA遺伝子はこのことのために
選択された。5個のDNA断片(第9図のIからVを参
照)は、mic(ompA)RNAの生成を促進する方
向でpJDC402のXbaI部位の中へ個別的にクロ
ーン化された。結果として得られた断片I−Vを含むm
ic(ompA)プラスミドは、各々pAM301,p
AM307,pAM313,pAM314,およびpA
M318として示された。各々のプラスミドは記述され
たmic(ompA)遺伝子の唯一つのコピーを含む。 【0058】第9図において、最上線は大腸菌ompA
遺伝子の構造を示す。矢印はプロモーターを表わし、白
色棒は該ompA mRNAの5'−リーダー領域をコ
ード化する領域を表わす。斜線を付した棒および影を付
けた棒は各々シグナル配列と成熟したOmpA蛋白質と
をコード化するompA遺伝子の部分を表わす。制限断
片I(HphI−HpaI)は、mic(lpp)に関
する第7図において略図がかゝれているように、こゝに
記されたところから反対側の方向においてpJDC40
2のXbaI部位の中に挿入されて(第6図を参照)、
プラスミドpAM301を作る。他のmic(omp
A)プラスミドは同様に、断片II,pAM307;断
片III,pAM313;断片IV,pAM314:断
片V,pAM318から組み立てられた。シャイン−ダ
ルガノ(Shine-Dalgarno)配列(SD),ATG開始コ
ドン(ATG),および関連する制限部位の位置が示さ
れている。 【0059】該mic(ompA)プラスミドの各々を
含む大腸菌JA221/F'lacIqは、IPTGによ
る1時間前に前処理を行なうかまたは行なうことなくし
て〔35S〕−メチオニンで1分間パルス−ラベルされ
た。これらの培地から単離された外層膜蛋白質の電気泳
動パターンが得られた。放射線写真は5個のmic(o
mpA)遺伝子の各々がOmpA合成を阻害することが
出来ることを明らかにした。該mic(ompA)遺伝
子は先に述べられたmic(lpp)およびmic(o
mpC)遺伝子よりも小さい効果を有するものと思われ
るが、この問題はmic(ompA)遺伝子投与量の増
加によって妨げられる。翻訳開始部位を取り囲む該om
pA mRNAの258個の塩基領域(第9図の断片
I)と相補的な一つのmRNAをコード化しているプラ
スミドpAM301は、約45%までOmpA合成を阻
害することが判明した。約51%までの同様な阻害がp
AM307によって得られた。このプラスミドはomp
A構造遺伝子と一致するいかなるDNA配列をも含んで
いない断片II(第9図を参照)を含む。pAM307
による阻害は以前に述べられたmic(ompC)実験
がmRNAの5'−リーダー領域との増大された相補性
がmicRNA−媒介阻害においてより効果を有するこ
とを示したので驚くにはあたらない。一方、45個の前
−OmpAを介して4個のアミノ酸残基に対するコード
領域にわたる断片IlI(第9図を参照)によって被覆
されているompA構造遺伝子の部分とのみ対になる一
つのmicRNAを生成するpAM313はまた約54
%までOmpA合成を阻害することが効果的に出来、こ
のことは機能を果すために蛋白質合成に対する開始部位
および(または)ターゲットmRNAの5'−リーダー
領域とハイブリダイズする必要がないことを示してい
る。このことはまたmic(lpp)遺伝子を用いるこ
とが確認された。lppmRNAのコード領域とのみ対
をなす二つのmic(lpp)RNAはまたリポ蛋白質
生成を阻害することが判明した。アミノ酸残基3から2
9、およびプロリポ蛋白質の43から63の各々に対し
てコードを行なうlpp構造遺伝子断片から組み立てら
れたpJDC413とpJDC414におけるmic
(lpp)遺伝子の効果が観察された。しかしながらp
JDC413とpJDC414の両方がリポ蛋白質合成
のたった2倍の阻害しか示さず、このことは翻訳開始部
位を被覆している一つのDNA断片(それは16倍阻害
を惹起する)が該mic(lpp)遺伝子の場合により
効果を有することを示している。 【0060】断片IV(第9図を参照)は該ompA
mRNAの5'−リーダー領域とのみ対をなす1つのm
icRNAの効果を試験するために選択された。結果と
して組み立てられたpAM314は、AUG開始コドン
の上流60個の塩基が位置するompA mRNAリー
ダー領域の68−塩基区域と対になる1つのmicRN
Aを合成する。pAM314はたった約18%までしか
OmpA合成を阻害する非常に弱いmic効果を示す。
断片IIとIV(第9図を参照)の間のmic効果にお
ける重要な相違はリボゾーム、即ちシャイン−ダルガノ
(Shine-Dalgarno)配列および(または)コード領域と
相互作用するmRNAの領域の範囲での相補相互作用が
絶対的に必要とはされないながらも、効果的なmic機
能のために非常に重要であることを明白に示している。
断片IからVのmic(ompA)遺伝子を短縮するこ
とはその能率にもたらす影響が少なく、各々48%減少
に比して45%であることに注目することはまた興味の
あることである。 【0061】上記に検討したよりもより効果的にOmp
A合成を阻害し得る一つのプラスミドを組み立てるため
に、プラスミドが2つ以上のmic(ompA)遺伝子
を含んで組み立てられた。これらのプラスミド、pAM
307とその誘導体pAM319およびpAM315と
が比較せられた。前記のうちの後の2つのプラスミドは
各々pAM307中にmic(ompA)遺伝子の2つ
および3つのコピーを含んでいる。pAM307は約4
7%までOmpA合成を阻害したのであるが、pAM3
15とpAM319は各々69%までOmpA合成を阻
害した。 【0062】上に提出された結果は明らかに本発明の人
工micシステムと手法とが目的とする1つの遺伝子の
発現を明確に調節するために用いることが出来ることを
はっきり示している。特に、ある特定の遺伝子に対する
誘導性のmicシステムは、ある遺伝子の機能を研究す
るために新規でかつ非常に効果的な方法である。もし該
遺伝子が不可欠のものであれば、条件付きの致死率は温
度感受性突然変異と幾分か同様にmicシステムの誘導
にもとづいて達成せられるであろう。しかしなから該m
icシステムが特定の蛋白質それ自体の合成を妨害する
一方では、温度感受性突然変異はその合成を妨害するこ
となくして蛋白質の機能のみを妨害すると云うことは注
目されるべきである。 【0063】本発明から、下記のことが明らかになっ
た。 【0064】(a)1つの特定のmRNAと対になる1
つのRNA転写(micRNA)の生成はそのmRNA
の発現を阻害する。 【0065】(b)1つのmicRNAの生成は該mi
cRNAと相補性を分け合うこれらの遺伝子のみについ
ての発現を妨害する。 【0066】(c)該micRNA生成の誘導はmRN
Aの半減期よりもずっと速く特定の遺伝子の発現を妨害
する。 【0067】(d)該micRNAはまた人工的に組み
立てられたmic(lpp)遺伝子が本発明の中で発現
される時のみならず、天然のmicF遺伝子が発現され
る時にも見出されるように、細胞中の特定のmRNAの
量を減小する。 【0068】(e)遺伝子投与量によって明らかな影響
がある。micRNAがより多く生成される程、ターゲ
ット遺伝子の発現がより効果的に妨害される。 【0069】本発明の実施において、リボゾームと相互
作用を行なうことが知られているmRNAの領域と対に
なるmicRNAが最とも効果を有するものと思われ
る。1つの例としてlpp遺伝子を用いると、シャイン
−ダルガノ(Shine-Dalgarno)配列およびlppmRN
Aの翻訳開始部位にハイブリダイズ出来る1つのmic
(lpp)RNAはそれが出来ないものよりもより能率
的にリポ蛋白質合成を阻害するものと思われる。しかし
ながらompA遺伝子、シャイン−ダルガノ(Shine-Da
lgarno)配列と翻訳開始部位の両者と対になるmicR
NAに対しては、まさしくシャイン−ダルガノ(Shine-
Dalgarno)配列もしくは構造遺伝子のみが等しく効果的
であった。 【0070】例えばompCおよびlppのようないく
らかの遺伝子に対して、翻訳開始部位を取り囲む遺伝子
の領域は特定の配列を含まず、そしてmicRNA誘導
は2つ以上の蛋白質の生成を阻害する結果となる。これ
らの場合において、遺伝子の他の領域はmic遺伝子を
組み立てるために用いられるであろう。micRNAの
長さはもう1つの考慮に入れられるべき変化因子であ
る。長い方のmic(ompC)RNAはOmpC生成
の阻害において短かい方のmic(ompC)RNAよ
りも4倍効果を有した。該mic(ompC)RNAに
よるリポ蛋白質発現の阻害は、リポ蛋白質mRNAと対
になる2つのmic(ompC)RNAの領域が同じで
あると云う事実にも拘らず、長い方のmic(omp
C)RNAの領域によっては殆んど影響されなかったこ
とは注目されるべきである。このことはより高い特性が
長い方のmicRNAを用いることによって達成される
ことを示している。該mic(ompC)遺伝子と対比
して、長さはOmpA生成のmic(ompA)RNA
媒介阻害に対しての重要な因子であるとは思われなかっ
た。加うるに、該micRNAの第2次構造はmicR
NA機能においてある重要な役割を果している可能性が
大である。 【0071】micRNAが特定の遺伝子の発現を阻害
するために機能するであろういくつかのメカニズムが存
在する。該micRNAが最初に該mRNAと結合する
ことによって作用し、それによって先に提示されたよう
にリボゾームとの相互作用を妨害すると云うことは最と
もありそうに思われる。この仮説は該mic(lpp)
RNAがもし転写がlpp mRNAの半減期のみにも
とづいて影響されると仮定した場合よりもずっと速くリ
ポ蛋白質の生成を阻害したと云う事実によって支持され
る。micRNAがリポ蛋白質mRNAの量の減少をい
かに惹き起こすかにてついて、この減少を説明するため
に考えられ得るモデルは、リボゾームがmRNA全域を
横切っていない時に該mRNAがより安定していないと
云うことである。mRNAレベルにおいてのこの減少を
説明するための他の可能なモデルは、micRNAとm
RNAとの間の相補ハイブリッド形成が、mRNAの転
写の早過ぎる終結もしくは不安定化を惹き起すと云うこ
とである。それに代えて、該micRNAは直接転写の
開始を阻害するか、もしくはColEl複製における小
さい相補RNA種の機能に対して記述されたと同様な方
法でmRNA伸長の中断を惹き起こす。富沢(Tomizaw
a)等、ColElプライマー形成におけるRNA第2
次構造の重要性、Cell 第31巻、第575〜58
3頁(1982年)を参照。 【0072】本発明のmicシステムはその応用におい
ては、真核細胞のみならず原核細胞において、例えば薬
剤耐性遺伝子、腫瘍遺伝子、およびファージもしくはウ
ィルス遺伝子のような種々の有毒あるいは有害な遺伝子
の発現およびその他の遺伝子の発現を永久的に、もしく
は誘導に際して妨害するために大きな可能性を有する。 【0073】 【実施例】ここに記述されるような本発明の実施の開発
と表示において、下記の材料と方法が用いられた。 【0074】細胞と培地 大腸菌JA221(hsdr,leuB6,lacY,
thi,recA,△trpE5)F'(lacIq,p
roAB,lacZYA)がすべての実験において用い
られた。特に記述されていない場合には、この細胞はグ
ルコール0.4%,チアミン2μg/ml,ロイシンと
トリプトファンの各々の40μg/ml,およびアンピ
シリン50μg/mlを補充されたM9培地〔ジェー.
エイチ.ミラー(J. H. Miller)、Experiments in Mol
ecular Genetics、コールドスプリングハーバーラボラ
トリー(Cold Spring Harbor Laboratory)、コールド
スプリングハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨ
ーク(New York)1972年〕の中で培養された。 【0075】材料 制限酵素はベセスダ リサーチ ラボラトリー(Bethes
da Research Laboratories)またはニューイングランド
バイオラボラトリー(New England BioLabs)のいず
れかから購入された。T4DNAリガーゼと大腸菌DN
AポリメラーゼI(大きい断片)はベセスダ リサーチ
ラボラトリー(Bethesda Research Laboratories)か
ら購入された。すべての酵素は製造者によって提供され
た指示によって用いた。XbaIリンカー(CTCTA
GAG)はニューイングランドバイオラボラトリー(Ne
w England BioLabs)から購入した。 【0076】DNA操作 プラスミドPJDC402,pJDC412,およびp
JDC422はこゝおよび第9図に記載されたように組
み立てられた。プラスミドpJDC413とpJDC4
14は、pJDC413に対するプロリポ蛋白質の3か
ら29個のアミノ酸残基をコード化しているlpp遺伝
子,およびpJDC414に対するプロリポ蛋白質の4
3から63個のアミノ酸残基をコード化している58−
bp AluI断片から80−bp AluI断片を単
離することによって組み立てられた。該断片は先づXb
aIで分解せられ、次いでDNAポリメラーゼI(大き
い断片)によって処理されるpJDC402の中へ結び
つけられているブラントエンドであった。 【0077】mic(ompC)組み立てのために適当
なompC断片の単離は、ompCプロモーターと構造
遺伝子との間の適当な特定の制限部位がないためにサブ
クローン化ステップを含んでいた。プラスミド,pMY
l50,を含み、断片(pDR001とpDR002の
各々)を含む471−bp XbaI−MnII om
pCプロモーターのいずれかを欠き、しかしその場所に
XbaI部位を含むompCの2つの誘導体が単離され
た。これらプラスミドの各々の中の特定のBglII部
位はDNAポリメラーゼI(大きい断片)による処理と
合成XbaIリンカーによる結び付けによってXbaI
部位に移された。XbaI分解に続いて、pDR001
からの123−bp XbaI断片とpDR002から
の175−bp XbaI断片とが個々に単離され、そ
してpJDC402のXbaI部位の中ヘクローン化さ
れて、pAM308とpAM309の各々を作成した。
pAM320はpAM308のpvuIIの中ヘクロー
ン化されているpAM308から単離されたmic(o
mpC)遺伝子を被覆しているHinfIを含んでい
る。pAM321は同様にpAM309から組み立てら
れて2つのmic(ompC)遺伝子を含んでいる。 【0078】mic(ompA)プラスミドpAM30
1,pAM307,pAM313,pAM314,およ
びpAM318は、mic(lpp)とmic(omp
C)遺伝子の組み立てと類似した方法で述べられたよう
にして組み立てられた。pAM319を組み立てるため
に、mic(ompA)遺伝子を含むHinfI断片は
pAM307から単離され、そしてpAM307のPv
uII部位の中へ再び挿入された。pAM315は、そ
れがpAM307のPruIIの中へ挿入されている2
つのHinfIを含んでいることを除いては、pAM3
19と同様な方法で組み立てられた。 【0079】外層膜蛋白質生成の分析 適当なプラスミドを担持する大腸菌JA221/F'l
acIqがクレット−サマーソン(Klett-Summerson)比
色計が30を示す点まで培養され、その時点においてI
PTGは2mMの最終濃度になるよう添加された。更に
1時間の培養の後(約2倍の時間)、〔35S〕−メチオ
ニンの50μCi〔アマーシャム(Amersham),100
0Ci/mモル〕が1mlの培地に添加された。該混合
物はそれから1分間振盪しつつ処置され、この時点でラ
ベル化は1mlの氷冷停止溶液(1%ホルムアルデヒド
と1mg/mlメチオニンを含んでいる20mM燐酸ソ
ーダ〔pH7.1〕)の添加によって終結された。細胞
は10mM燐酸ソーダ(pH7.1)によって1度洗浄
され、同じバッファーの1ml中に懸濁され、そしてカ
ップホーンアダプター付きのヒートシステム超音波発振
器モデルW−220Eによって3分間(30秒パルス
で)超音波破壊された。破壊されなかった細胞は外層膜
を採集するに先立って低速遠心分離によって除去され
た。細胞質膜は0.5%ソジウムラウロイルサルコシネ
ートの存在下で室温で30分の処置の間に可溶化され、
そして外層膜フラクションは105,000Xgで2時
間の遠心分離によって沈澱させた。 【0080】リポ蛋白質とOmpAはトリス−SDSポ
リアクリルアミトゲル電気泳動(SDS−PAGE)に
よって分析した。OmpC生成を分析するために、尿素
−SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(尿素−SD
S−PAGE)が用いられた。蛋白質は試料バッファー
中に溶解され、そして該溶液はゲル塗布に先立って8分
間沸騰ウォータバス中で処置された。乾燥ゲルの放射線
写真は島津濃度計によって直接走査された。目的とする
バンドの相対量を測定するために、目的物のピークの面
積の1つの影響を受けていない蛋白質のピークに対する
比率が各々の試料に対して測定された。 【0081】RNA分析 細胞を培養しそして〔3H〕−ウリジンでラベルされ、
それから細胞の増殖を氷上で培地を5分間以内に急速に
冷却することによって停止した。該細胞は8000rp
m,5分間の遠心分離によって集められた。RNAは下
記の方法を用いて単離された。該細胞を1分間激しくボ
ーテックスして熱細胞溶解溶液(10mMトリス−HC
l〔pH8.0〕,1mM EDTA,350mM N
aCl,2% SDSおよび7M尿素)の中へ急速に再
分散した。該混合液は直ちにフェノール:クロロホルム
(1:1)で2回、クロロホルム単独で2回抽出され
た。1/10容量の3M酢酸ソーダ(pH5.2)が該
混合液に添加され、そして3容量のエタノールが該RN
Aを沈澱させるために添加された。該沈澱物はそれから
TEバッファー(10mMトリス−HCl〔pH7.
5〕,1mM EDTA)中に溶解された。ゲル電気泳
動のために、各々のレーンに、等しいカウントが負荷さ
れた。該RNAは6%ホルムアルデヒドを含む1.5%
アガロースゲル上で分離された。ランニングバッファー
は20mM MOPS(3−〔N−モルホリノ〕プロパ
ンスルホン酸〔シグマ(Sigma)〕),5mM酢酸ソー
ダおよび1mM EDTA,pH7.0であった。 【0082】RNAはニトロセルロースペーパーに移さ
れた。mic(lpp)RNAとlpp mRNAに対
して特異的M13ハイブリダイズプローブは第1図bに
示される112−bp XbaI断片を適当な方向にお
いてM13mp9の中ヘクローン化することによって個
々に組み立てられた。ompA mRNAに対して特異
的なプローブは、1245−bp XbaI−EcoR
I断片(元来はEcoRV−PSTI断片)をM13m
p10の中へ挿入することによって組み立てられ、そし
て該プローブはラベルされた。
【図面の簡単な説明】 【図1】 1つのサブクローンまたは1つの遺伝子およ
びそのプロモーター領域を担持している種々なプラスミ
ドを記述する図である。 【図2】 プロモーター領域のヌクレオチド配列と1つ
の遺伝子、正確にはompC遺伝子の上流とを記述する
図である。 【図3】 本発明の実施によるある種のRNA間のハイ
ブリッド形成を示す図である。 【図4】 ある種の遺伝子、正確にはmicFとomp
C遺伝子間の相同配列を示す図である。 【図5】 RNA、正確には本発明において有用でそし
て本発明の実施によるmicFRNAの役割に対する可
能なモデルを示す図である。 【図6】 micベクターpJDC402とmic(l
pp)の組み立てを示す図である。 【図7】 micベクターpJDC402とmic(l
pp)の組み立てを示す図である。 【図8】 ompC mRNAとlppmRNAとの間
の相同を示す図である。 【図9】 mic(ompA)遺伝子を組み立てるため
に用いられる断片を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12N 1/21 C12R 1:19) (72)発明者 水野 猛 東京都町田市成瀬2−11−3 ポプラケ 丘9−105 (72)発明者 メイ−イン チョウ アメリカ合衆国 11727 ニューヨーク, コラム,ホーキンズ ロード イースト 668 (56)参考文献 国際公開83/1451(WO,A) CELL,VOL.34 (1983−SE P) P.683−691

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.非天然のポリヌクレオチド構成物を有する細胞であ
    って、該構成物は、遺伝子を有する細胞に存在するとき
    にポリヌクレオチド配列を生産するセグメントを有し、
    該セグメントは転写プロモーターセグメントと該転写プ
    ロモーターにより転写されるDNAセグメントとを含有
    し、該DNAセグメントの転写によりポリヌクレオチド
    配列が生産され、そして、該生産されたポリヌクレオチ
    ド配列は、該遺伝子によって生産されるRNA転写物の
    少なくとも一部に相補的であり、そして、該ポリヌクレ
    オチド配列は該遺伝子の機能を調節する、細胞。 2.前記セグメントが (a)転写プロモーターセグメント; (b)転写終結セグメント;および、その間に、 (c)転写されたときに、前記遺伝子から生産されるRN
    A転写物の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチド
    配列を生産するDNAセグメント;を有する、請求項1
    に記載の細胞。 3.前記ポリヌクレオチド構成物がベクターに包含され
    ている、請求項1または2に記載の細胞。 4.前記ポリヌクレオチド配列がリボヌクレオチド配列
    である、請求項3に記載の細胞。 5.前記細胞が微生物である、請求項1ないし4いずれ
    かの項に記載の細胞。 6.前記微生物が細菌である、請求項5に記載の細胞。 7.前記細胞が大腸菌である、請求項6に記載の細胞。 8.細胞の中で遺伝子の機能を調節する方法であって、
    該方法は、 (a)遺伝子を有する細胞内に存在するときに、ポリヌク
    レオチド配列を生産するセグメントを有する非天然のポ
    リヌクレオチド構成物であって;該セグメントは転写プ
    ロモーターセグメントと該転写プロモーターによって転
    写されるDNAセグメントとを含有し、それによって、
    該ポリヌクレオチド配列が該遺伝子の機能を調節し得る
    非天然のポリヌクレオチド構成物を提供する工程;およ
    び、 (b)該構成物を該遺伝子を有する細胞に導入する工程;
    を有する方法。 9.前記セグメントが、 (a)転写プロモーターセグメント、 (b)転写終了セグメント、および、その間に、 (c)転写されたときに、前記遺伝子から生産されたRN
    A転写物に相補的なリボヌクレオチド配列を生産するD
    NAセグメントを有する請求項8に記載の方法。 10.前記ポリヌクレオチド構成物がベクターに包含さ
    れている、請求項8または9に記載の方法。 11.前記ポリヌクレオチド配列がリボヌクレオチド配
    列である、請求項10に記載の方法。 12.前記細胞が微生物である、請求項8ないし11い
    ずれかの項に記載の方法。 13.前記微生物が細菌である、請求項12に記載の方
    法。 14.前記細胞が大腸菌である、請求項8ないし13に
    記載の方法。
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