JP2651442B2 - 遺伝子発現を調節するポリヌクレオチド構築物 - Google Patents

遺伝子発現を調節するポリヌクレオチド構築物

Info

Publication number
JP2651442B2
JP2651442B2 JP59221117A JP22111784A JP2651442B2 JP 2651442 B2 JP2651442 B2 JP 2651442B2 JP 59221117 A JP59221117 A JP 59221117A JP 22111784 A JP22111784 A JP 22111784A JP 2651442 B2 JP2651442 B2 JP 2651442B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gene
sequence
rna
mic
stem
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP59221117A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS60232092A (ja
Inventor
正順 井上
猛 水野
チヨウ メイーイン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RISAACHI FUAUNDEESHON OBU SUTEETO UNIV OBU NYUUYOOKU ZA
Original Assignee
RISAACHI FUAUNDEESHON OBU SUTEETO UNIV OBU NYUUYOOKU ZA
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=27067361&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2651442(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by RISAACHI FUAUNDEESHON OBU SUTEETO UNIV OBU NYUUYOOKU ZA filed Critical RISAACHI FUAUNDEESHON OBU SUTEETO UNIV OBU NYUUYOOKU ZA
Publication of JPS60232092A publication Critical patent/JPS60232092A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2651442B2 publication Critical patent/JP2651442B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/113Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07HSUGARS; DERIVATIVES THEREOF; NUCLEOSIDES; NUCLEOTIDES; NUCLEIC ACIDS
    • C07H21/00Compounds containing two or more mononucleotide units having separate phosphate or polyphosphate groups linked by saccharide radicals of nucleoside groups, e.g. nucleic acids
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/11Antisense
    • C12N2310/111Antisense spanning the whole gene, or a large part of it

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
(発明の概要) 細胞物質もしくは生物体の遺伝物質の遺伝子発現は、
該生物体の遺伝物質のmRNAと対になりそしてそれと結合
することの出来る一つのRNAへの転写を行なうDNAもしく
は他の遺伝物質を細胞物質もしくは生物体の遺伝物質の
中へもしくはそれと共に取り入れることによって調節さ
れもしくは阻害される。一つの遺伝子の遺伝子発現もし
くは調節は該遺伝子の発現を調節もしくは阻害するため
に、該遺伝子に関して反対側の方向において一つのロモ
ーターの後に挿入されるかもしくは位置される該遺伝子
の一つのDNA断片もしくは複製を発現することによって
調節される。 (発明の背景) 細胞物質もしくは生物体の遺伝物質の遺伝子発現の調
節もしくは調節は科学者の特別な注目を集めそして特種
な状況の下において、組換えDNAおよびその他の手法が
用いられるようになった。例えば、1983年4月23日に刊
行されたPCT特許出願WO83/01451においては、生物体の
一つの生物学的成分に対するコードを行なうメッセンジ
ャーリボヌクレイックアシッド(mRNA)の一部と実質的
に対をなす塩基配列を有し、望ましくはホスホトリエス
テル型のオリゴヌクレオチドを用いる一つの手法が開示
されている。このオリゴヌクレオチドは生物体の中へ導
入され、そして該オリゴヌクレオチドと該メッセンジャ
ーリボヌクレオチドとが対をなす性質のために、該二つ
の成分は適当な条件下において該メッセンジャーリボヌ
クレオチドによってコードされている生物体の該生物学
的成分の合成を調節もしくは阻害するためにハイブリダ
イズされる。もし該生物学的成分が該生物体の生活力に
対して極めて重要なものであれば、該オリゴヌクレオチ
ドは抗生物質として作用することが出来るであろう。こ
れに関連する生物体における遺伝子発現の調節のための
手法はCell、第34巻、第683頁(1983年9月)に掲載さ
れている論文の中に記述されている。上記刊行物の開示
はこの中に取り入れられ、この開示の部分をなすもので
ある。上記したようにある遺伝子の発現は転写の水準に
調節されることが出来るいうことが知られている。転写
の調節は蛋白質因子によってネガチブ(抑制化)にもポ
ジチブ(活性化)にも行われる。ある特定の蛋白質因子
が特定のmRNAの翻訳を調節することもまた知られてい
る。また上記したように、RNAは特定の遺伝子の発現を
調節することが明らかになり、そして高浸透圧モル濃度
の培地における大腸菌の培養にもとづいて、外層膜蛋白
質(OmpF蛋白質)に対する遺伝子の発現を阻害する174
個の塩基からなる小さいRNA転写が生成されると云うこ
とが報告されている。Proc Jap.Acad.第59巻、第335〜3
38頁(1983)、「大腸菌K12の中の小さなRNA転写(micR
NA)による遺伝子発現の調節」を参照。小さいRNA転写
(mioRNA、即ち対になるRNAを妨害するmRNA)によるOmp
F蛋白質保護の阻害はシャイン−ダルガノ(Shine−Dalg
arno)配列および開始コドンを含む約80個の塩基の領域
にわたって該micRNAと該ompF mRNAとの間にハイブリッ
ドが形成されることによるものと思われる。小さい対に
なるRNAによる同様な調節はまたTn10トランスポサーゼ
に対して記述されている。Cell、第34巻、第683〜691頁
(1983年)「IS10互換の翻訳調節」を参照。しかしなが
らこの場合、トランスポサーゼに対する遺伝子とmicRNA
に対立する遺伝子は例えば該転写の5′−末端が対にな
るハイブリッドを形成することが出来るようにDNAの同
じセグメントを離れた反対側の方向に転写される。該ハ
イブリッドは該トランスポサーゼmRNAの翻訳を阻害する
ものと考えられている。しかしながら、トランスポサー
ゼ位置は該ompF遺伝子と該micRNA遺伝子(micF)とが完
全に切り離されており、そして各々大腸菌染色体上の21
および47分に地図がかゝれるompFの位置と対照である。 (発明が解決しようとする課題) 本発明の目的は、生物体を組み立てている遺伝物質の
遺伝子発現の調節のために有用な手段を提供することに
ある。 本発明の他の目的は、該生物体を組み立てている遺伝
物質の遺伝子発現に関して特殊な性質を有する形質転換
された生物体を提供することにある。 本発明の更に他の目的は、DNAもしくは該DNAを含むプ
ラスミドがその中へ導入されている該遺伝物質の該mRNA
と相補的でありそして結合もしくはハイブリダイズする
ことの出来る一つのRNAを転写する該DNAを含むプラスミ
ドのようなDNAもしくは他の遺伝物質を提供することに
ある。 本発明の目的をより具体的に述べると、本発明は、遺
伝子を有する細胞内に存在するときに、該遺伝子によっ
て生産されるRNA転写物の少なくとも一部に相補的なポ
リヌクレオチド配列を生産し、該遺伝子によって生産さ
れる該RNA転写物に相補的な該ポリヌクレオチド配列
が、該遺伝子の機能を調節する、非天然のポリヌクレオ
チド構成物を提供することにある。 また、本発明は、遺伝子を有する細胞内に存在すると
きに、該遺伝子の機能を調節するリボヌクレオチド配列
を生産し、該構成物は、プロモーターセグメントおよび
DNAセグメントを有し、該DNAセグメントの転写によっ
て、該遺伝子から生産されるRNA転写物の少なくとも一
部に相補的な該リボヌクレオチド配列を生産する、非天
然のポリヌクレオチド構成物を提供することにある。 本発明のこれらおよび他の目的が如何に達成されるか
は付随する開示からみて、そしてそれに添付される図面
を参照して明らかになるであろう。 (発明の要約) 本発明の実施による細胞物質もしくは生物体の遺伝子
発現は、該生物体もしくは細胞物質の該遺伝子物質のmR
NAと対になりそして結合もしくはハイブリダイズするこ
との出来る一つのRNAへの転写を行なうDNAもしくは他の
遺伝物質を細胞物質もしくは生物体の遺伝物質の中へも
しくはそれと共に取り入れることによって調節、阻害、
および(または)調節される。該mRNAとの結合もしくは
ハイブリダイズにもとづいてmRNAの翻訳は、例えば該mR
NAによってコードされる蛋白質物質のような生成物が生
成されないと云う結果によって妨げられる。例えば蛋白
質のようなmRNA翻訳生成物が生物体もしくは細胞物質の
成長にとって極めて重要な場合において、このように形
質転換され改変された生物体もしくは細胞物質は少なく
とも無能になる。 本発明の実施により遺伝子の発現を調節するために設
計された一つのmicシステムが組み立てられた。更に詳
しく述べれば、本発明の実施により大腸菌の中のいかな
る特定の遺伝子の発現を調節するための人工micシステ
ムを組み立てることが出来る。 更に本発明の実施により一つの遺伝子に対する一つの
micRNAシステムが該遺伝子からのDNA小断片を一つのプ
ロモーターの後で反対側の方位の中へ挿入することによ
って組み立てられる。このようなシステムはいかなる遺
伝子の発現を明確に調節するためのこれまでには知られ
ていない方法を提供する。更に詳しく述べれば、特に大
腸菌において具体化されるのであるが、一つの誘導可能
なプロモーターの調節下において該micDNA断片を挿入す
ることによって、不可欠な大腸菌遺伝子の発現が調節さ
れることが出来る。それ故に本発明の実施により、この
ようにして作り出された誘導される致死は必須とされる
遺伝子の研究において有効な道具であろう。 これ以後、本発明の実施により、人工micシステムの
組み立てと数種の大腸菌遺伝子を用いるその機能の実証
が記述される。本発明による該micシステムは、特定の
原核遺伝子の発現を調節するための有効な方法である。
したがって本発明は真核細胞における生物学的に重要な
遺伝子の同様な調節を成し遂げるための基礎を提供す
る。例えば、該micシステムは腫瘍遺伝子およびウィル
ス遺伝子のような有害な遺伝子の発現を妨害するため
に、そして有害なもしくは無害な他のいかなる遺伝子の
発現に実質的に影響を与えるために用いられることが出
来る。 本発明の実施は、イースト,ウィルスを含む原核およ
び真核細胞もしくは微生物の両方に適用されることが出
来、そして一般的には、発現される遺伝物質を含む生物
体に適用されることが出来る。 したがって、遺伝子発現によって立証されるように、
遺伝弛観点から本発明の実施においては、新しい生物体
が容易に生成される。更に、本発明の実施は、正常に作
用することもしくはその中へ特殊な性質を与える能力を
なくし、もしくは不可能にされたこのような生物体を作
るために、生物体等を組み立てている遺伝子の遺伝子発
現を改変するための有力な道具または手段を提供する。
本発明の実施において用いられる該DNA物質は、例えば
真核生物体の核の中に直接導入することにより、または
原核生物体の場合では本発明の特殊なDNAを含むプラス
ミドもしくは適当なベクターを介して処理もしくは影響
されるべき生物体の中へ取り入れられることが出来る。 (詳細な説明) 本発明の実施の更なる背景を介して、大腸菌の大きい
外層膜蛋白質OmpFおよびOmpCに対する遺伝子の発現は浸
透圧により調節されることが判明した。該ompC位置は高
浸透圧モル濃度の条件下において二方向性に転写される
ことが見出され、そして約170個の塩基の上流の転写RNA
がOmpF蛋白質の生成を阻害することが見出された。この
RNA(micRNA)はリボゾーム結合場所と前OmpF蛋白質の
最初の9個のアミノ酸残基のコードを行なう領域を含む
該ompF mRNAの5′−末端領域と対になる長い鎖を有す
る。かくして、micRNAはそれとハイブリダイズすること
によってompF mRNAの翻訳を阻害することが提案されて
いる。この新規なメカニズムは、OmpFとOmpC蛋白質の全
量が大腸菌中においていつも一定であると云う観察の説
明をすることが出来る。 大腸菌の大きい外層膜蛋白質OmpFおよびOmpCは小さい
親水性の分子に対する受動的な拡散孔として機能する不
可欠な蛋白質である。これらマトリックスリン蛋白質は
各々大腸菌染色体上21および47分に地図がかかれる構造
遺伝子ompFおよびompCによってコード化される。バクテ
リア外層膜:生物発生と機能(井上,エム(Inouy,M)
による編集)第255〜291頁中のリーブス,ピー.(Reev
es,P.)(ジョン ワィリーアンドサンズ(Joun Wiley
and sons),ニューヨーク,1979)を参照。これら遺伝
子の発現は培地の浸透圧モル濃度によって調節される。
両方の蛋白質の厳密な補償生成が存在し、培地の浸透圧
モル濃度が増大するとOmpF蛋白質の生成が減少し、一方
OmpC蛋白質の生成は増大し、その結果OmpFプラスOmpC蛋
白質の総量は一定である。該ompFおよびompC遺伝子のこ
の浸透圧調節は74分に地図かかかれる他の結合されてい
ない位置,ompBによって調節される。ホール,エム.エ
ヌ.(Hall,M.N.)およびシルハビー,テー,ジェー.
(Silhavy,T.J.),J.Mol.Biol.第146巻第23〜43頁(198
1年)、およびホール,エム.エヌ.(Hall,M.N.)およ
びシルハビー,テー,ジェー.(Silhavy,T.J.),J.Mo
l.Biol.第151巻〜第1〜15頁(1981年)を参照。該ompB
位置はompRおよびenvZと呼ばれる二つの遺伝子を含んで
いる。両方の遺伝子のDNA配列は決定され、そしてこれ
ら遺伝子生成物は特徴づけが行われている。ブルツェ
ル,イー.テー.(Wurtzel,E.T.)等,J.Bicl.Chem.第2
57巻,第13685〜1391頁(1982年)および水野,テー(M
izno,T)等,J.Biol.Chem.第257頁,第13692〜13698頁
(1982年)を参照。該EnvZ蛋白質は一つの浸透圧センサ
ーとしての役割をし、そして培地からの信号を該OmpR蛋
白質へ伝える膜受容体蛋白質と考えられている。該OmpR
蛋白質はそれから該ompFおよびompC遺伝子の発現に対す
るポジティブな調節体としての役割をする。該ompFおよ
びompC遺伝子は配列決定され、そして広範囲な相同性が
それらのコードしている領域において見出されるが、一
方これらのプロモーターの領域においては非常に僅かな
相同性しか存在しない。本発明による相補的なRNAを妨
害するmRNA(micRNA)と呼ばれるRNAの新しい種類によ
って仲介される遺伝子発現の新規なメカニズムが発現さ
れ明らかにされたのは該ompC遺伝子の特徴づけの過程に
おいてである。MicRNAは一つの独立した転写単位(該mi
cF遺伝子)から生成される。この遺伝子は該ompC遺伝子
の上流に直接に位置づけられるが、反対側の方向に転写
される。該174−塩基micRNAはそれとハイブリダイズす
ることによって該ompF mRNAの翻訳を妨害するmicRNAの
生成はompC mRNAの生成に比例すると考えられるので、
この調節メカニズムはOmpFとOmpCの蛋白質の総量を一定
に維持するに極めて効果的な方法であると思われる。 OmpF発現を抑制する一つのDNA断片 該ompCプロモーターを特徴づけしている間に、該ompC
プロモーターの上流に位置づけられている約300bpの一
つのDNA断片は、OmpF+細胞がこのDNA断片を有している
多重コピープラスミドによって形質転換される時に、Om
pF蛋白質の生成を完全に阻害することが判明した。この
実験のためにプラスミドpMY150が原ompCクローンからpM
Y111のHpa I部位をHba I部位に変換し次いで第1図の第
1図a中に記載されるように1.1kb Sal I断片を除去す
ることによって組み立てられた。水野,テー.(Mizun
o,T.)等、J.Biol.Chem.第258頁,第6932〜6940(198
2)を参照。 第1図においては、該ompC遺伝子のサブクローンの構
造と該ompCプロモーター領域を担持している種々のプラ
スミドの構造が示されている。 (a)ompC遺伝子のサブクローン化の図式表示。pBR322
中の2.7Kb大腸菌染色体DNAを担持しているプラスミドpM
Y111は先に記述された。該プラスミドDNAの1μgはHpa
Iによって分解され、そしてXba Iリンカー(CTCTAGAG,
150p mole)の存在下で再結合された。かくして、約40
0bp Hap I断片が除去され、そして唯一のXba I部位が
新らしく作られた(pMY100)。プラスミドpMY100(DNA
の1μg)は更にSal Iで分解されそして1.1kb Sal I
断片(pMY150)を除去するために再結合された。種々の
サイズのompCプロモーター断片を得るために、プラスミ
ドpMY150は唯一のBgl II部位の開裂の後Ba131ヌクレア
ーゼによって分解され(第1図bを参照)、続いて該プ
ラスミドはXba Iリンカーの存在下に再結合された。こ
のようにして組み立てられたプラスミドpCX28は第1図
bに示されるように約300−bp Xba I−Xba I断片を担
持するクローンの一つである。 (b)完全なompC遺伝子を担持するプラスミドpMY150の
単純化された制限地図。pBR322中の1.8Kb Hind III−S
al I断片(箱に入れられている領域)は5′−および
3′−非コード領域のみならず完全なompCコード領域を
も含んでいる。該ompC遺伝子の転写は矢印に示される方
向に進行する。二方向矢印はプラスミドpCX28に対する
削除されたおよその領域(約600bp)を示している。 (c)ampCプロモーターおよびその上流領域から誘導さ
れたDNA断片に対する種々のβ−ガラクトシダーゼ(lac
Z)遺伝子融合;プラスミドI、507−bp Xba I−Rsa I
断片はpMY150から単離され(一つのRsa I部位はATGコド
ンの丁度下流に存在する)、そしてlacZ遺伝子を担持し
ているプラスミドpIN IIIから誘導されるプラスミドpIC
IIIのXba I−Sma I部位の間に挿入された。該結合の
間、一つのHind IIIリンカーがRsa IとSma I結合部位の
間に挿入された。該Xba I−Hind III断片はこのように
して組み立てられたプラスミドから単離されそしてプラ
スミドpKM005の中へ再挿入されて右側に示されている枠
の中のlacZ遺伝子融合を生じた。プラスミドpIC IIIとp
KM005の特色は先に記述された。約430−bp Msp I−Bam
H I断片を担持しているプラスミドIIとIVはクローンI
から単離され(一つのBamH I部位はプラスミドIの中の
β−ガラクトシダーゼコード配列に対するATGコドンの
丁度下流に存在する)、そしてS1ヌクレアーゼで処理さ
れてブラントエンドを生成した。両端にXba Iリンカー
を添加した後、このようにして得られたXba I−Xba I断
片は可能な二つの方向においてプラスミドpKM005のXba
I部位に挿入された。プラスミドIIIとV、約300bp Xba
I−Xba I断片はプラスミドpCX28から単離され(第1図
a)そして二つの可能な方向においてプラスミドpKM005
のXba I部位に挿入された。これらプラスミド(I−
V)はlacZ欠損株SB4288(F-recA thi−1 relA mal
24 spc12 supE−50 proB lac)の中へ形質転換さ
れ、そしてこれらのβ−ガラクトシダーゼ活性はマッコ
ンキープレート(Difco)上で試験された。結果はLacZ+
もしくはLacZ-として示される。OmpF蛋白質の発現を阻
害するこれらクローンの能力はまたMicF+もしくはMicF-
として示されてる。 得られたプラスミドpMY150(第1図b)はompC遺伝子
の完全なコード領域とompCプロモーターとompC mRNAの
5′−末端非翻訳領域をコード化しているDNAとを含ん
でいる上流配列の約500bpを含んでいる。種々のサイズ
のompCプロモーター断片を得るために、pMY150が唯一の
Bgl II部位でBal31ヌクレアーゼによって分解され、次
いでXba Iリンカーが添加された。この方法で組み立て
られたプラスミドはSal I部位から最も遠いXba I部位の
位置のために種々なサイズを有するXba I断片を担持し
ている。種々なXba I断片がそれに続いて一つのプロモ
ーター断片がその特殊Xba I部位の右側の方向へ挿入さ
れる時のみlac遺伝子を発現することが出来る一つのプ
ロモータークローン化ベクター、pKM005へと移された。
これらの実験は該ompC遺伝子の転写は上流Xba I部位
(原Hpa I部位)から390から440bp下流の間に位置する
部位で開始することを明らかにした。驚ろおくべきこと
には、これらpKM005誘導体によって軽質転換された、た
った300bpの最短Xba I断片、CX28のクローン(pCX28か
らのサブクローン化、第1図aおよびb)を含む大腸菌
はOmpF蛋白質を生成するF+ompC+)の中で生成される
が、一方該CX28断片のクローンを担持している同じ細胞
はCmpF蛋白質を生成することが出来なかった。同様な効
果が例えば第1図c中のプラスミドIのようなより長い
断片のクローンを有している細胞で観察された。このク
ローンにおいて、該lacZ遺伝子はompC遺伝子の開始コド
ンの後に直接に融合され、その結果このプラスミドを担
持している細胞のLacZ+発現型を生じた。しかしながら8
7bpのXba I−Msp I断片がプラスミドIから除去された
時、得られたプラスミド(第1図c中のプラスミドII)
を担持している該細胞はOmpF蛋白質を生成することが出
来た。該ompF遺伝子の上流領域を含む430bpの長さの同
様なDNA断片はOmpFおよびOmpCの両方の蛋白質の生成を
妨害しなかったことは注目されるべきである。 CX28とompF遺伝子との間のDNA配列相同 上記の結果は、該ompCプロモーターの上流に位置する
約300bpの長さのDNAの拡がりはompF発現を妨げることが
出来ることを示す。このDNA断片(CX28)の機能を解明
するために、この領域のDNA配列が決定された。 該プロモーター領域と該ompC遺伝子の上流とのヌクレ
オチド配列を第2図に示す。pMY111もしくはpMY150から
調製された制限酵素処理したDNA断片は〔α−32P〕dNTP
およびDNAポリメラーゼI大断片(クレナウ断片)を用
いて板野等の方法、ネイチャー(Nature)、第280巻、2
88〜294頁(1979年)、によってこれらの3′−末端に
ラベルされた。別々に末端ラベルされたDNA断片は第2
の制限酵素によって分解することにより得られた。DNA
断片は7M尿素中20%,10%および6%ポリアクリルアミ
トゲルを用いてマキサム(Maxam)およびギルバート(G
ilbert)の方法:Methods in Enzymology 第65巻、第49
9〜560頁(1981年)、によって測定された。該ompC遺伝
子の開始コドンのみならずRNAポリメラーゼ認識部位
(−35領域)およびompCとmicFプロモーターに対するプ
リブノーボックス(−10領域)もまた箱に囲われてい
る。転写開始部位はompCおよびmicF遺伝子に対して地図
を作成するSlヌクレアーゼによって決定される。 第2図は該ompC遺伝子のXba I部位(もとはHpa I)か
ら開始コドン、ATG、までの500bpのDNA配列を示す。残
基88のDNA配列下流は先に測定された。残基99から180ま
での配列(第2図)はシャイン−ダルガノ(Shine−Dal
garno)配列、開始コドン、および前OmpF蛋白質(+印
が付けられた塩基は該ompF配列と相同である)の最初の
9個アミノ酸残基に対するコドンとを含むompF mRNAの
5′−末端領域と70%相同性を有していることが判明し
た。上記結果を説明するための考えられ得るモデルでは
300−bp CX28断片(第1図c)がompC遺伝子の領域下
流の方へ向けられ、その結果この領域からのRNA転写は
該ompF mRNAと対をなす配列を有する転写単位を含む。
このようにして該二個のRNA間のハイブリダイズによりO
mpF蛋白質の生成を妨害する。 新らしい転写単位の存在 該CX28断片がompC遺伝子とは反対側の方向に配置され
ている1つの独立した転写単位を含むかどうかを決定す
るために、該lacZ遺伝子がCX28断片の中で二個の異なっ
た部位で融合された、プラスミドVにおいて、該CX28断
片はプラスミドIIIに関して反対の方向に挿入された
(第1図c)。このクローンはβ−ガラクトシダーゼ
(lacZ-)を生成しないけれども、OmpF蛋白質の生成の
抑制においてまだ完全に活性であった。融合結合がMsp
I部位のヌクレオチド88にシフトされる時(第2図、ま
だ第1図cを参照)、新しく組み立てられたクローン
(プラスミドIV)はβ−ガラクトシダーゼを生成するこ
とが出来た。しかしながら、このプラスミドはもはやOm
pF蛋白質の生成を抑制することが出来なかった。 このプラスミドはlacZとCX28配列(残基300から500、
第2図)の上流で付加DNA(約200bp)を含んでいるけれ
ども、これはプラスミドVがOmpF蛋白質生成の抑制にお
いて完全に活性であるので、CX28断片の機能に影響しな
い。これらの結果は、該ompC遺伝子プロモーターから独
立している該CX28断片の中の転写単位が存在すること、
および該CX28断片と該ompC遺伝子が互いに相違する方向
に転写されることを示している。プラスミドIVがβ−ガ
ラクトシダーゼを生成することが出来そしてプラスミド
IVがそれを生成しないと云う事実は、該CX28転写単位が
残基1および88の間で終わることを示唆している(第1
図c)。事実、非常に安定した幹およびループ構造がオ
リゴ−Tが後に続くヌクレオチド70と92との間に形成さ
れ得る(第2図中文字aを付した矢印)。この構造は原
核細胞の中のp−因子非依存性転写終結部位の特性であ
る。この構造に対するΔG値はサルサー,ダブリュー.
(Salser,W.),コールドスプリングハーバーシンポジ
ウム,Quant.Biol.第13巻第985〜1002頁(1977年)、に
よって−12.5Kcalであることが計算された。 該CX28転写に対する開始部位はSl−ヌクレアーゼマッ
ピングによってヌクレオチド237に位置される(第2
図)。この結果は該CX28 DNA断片が転写されて174ヌク
レオチドの転写を生成することを示すものである。この
ことは更にノーザーンブロットハイブリダイゼーション
によって証明された。プラスミドIII(第1図c)を担
持する細胞から抽出されたRNA調製物において、一つのR
NA種が該CX28断片とハイブリダイズすることが明らかに
観察され、そしてそれは5S RNAより若干遅い速度で移
行する。調節細胞において、同じRNAの少量のみが検出
された。該RNA(CX28 RNA)のサイズはゲル上で約6Sで
あると見積もられ、それは配列(174塩基)から見積も
られるサイズと非常に良く一致する。 CX28 RNAの機能 前に指摘したように、該CX28 DNA断片はompF遺伝子
の一部分と広範囲にわたる相同性を有している。かくし
て、CX28 RNAの部分は該ompF mRNAと対をなしてお
り、そして第3図に示されるようにompF RNAと非常に
安定したハイブリッドを形成することが出来る。このハ
イブリッド形成に対するΔG値は−55.5Kcalであると計
算された。リボゾーム結合のためのシャイン−ダルガノ
(Shine−Delgarno)配列とコード領域からの28個の塩
基を含んでいるompF mRNAの5′−末端非翻訳領域の44
個の塩基は、ハイブリッド形成に関与している。このハ
イブリッド構造はCX28 RNAの二個の安定した幹および
ループ構造(一つは3′−末端p−非依存性転写終了シ
グナル(ループa)に対し、もう1つは5′−末端(ル
ープb)に位置する)、によってサンドイッチされてい
る。ループaとbに対するΔG値は各々−12.5および−
4.5Kcalであると計算された。 図面の第3図を参照すると、そこにはmicFとcmpF mR
NAとの間のハイブリッド形成が示されている。MicF RN
Aの配列は第2図において残基237から64までの配列と一
致している。該ompF mRNA配列は井之口、ケイ.(Inok
uchi K.)等、Nucleic Acid Res.第10巻、第6957〜69
68頁(1982年)、から引用された。第二次構造a、bお
よびcに対するΔG値は各々−12.5,−4.5および+2.9K
calであると計算された。第3図には他のループ(ルー
プc)が示されている。しかしながらこのループはその
ΔG値(+2.9Kcal)のために形成されそうにもない。
ハイブリッドの形成はompF mRNAの翻訳を妨げるように
思われる。このことは何故にCX28 DNA断片を担持して
いるクローンがOmpF蛋白質の生成を抑制するかを説明す
るものであろう。かくしてCX28 RNAはompFに対するmRN
A−interiferng complementary RNA(ompFに対するmicR
NA)と称され、そして該遺伝子はmicFと称される。ルー
プaがmicF遺伝子をlacZ遺伝子と融合することによって
削除される時、該MicF機能は消滅される(プラスミドI
V.第1図c)と云うことは注目されるべきである。この
ことはmicF RNAの安定性のためであるが、さもなけれ
ばMicF機能に対するループaの要求のためであろう。 該micF遺伝子がompC遺伝子のようにompB遺伝子座の支
配下にあるかどうかを調べることは興味あることのよう
に思われる。参考は第1表に作られている。 ompBミュータント細胞における種々なプロモーター−la
cZ遺伝子融合クローンのβ−ガラクトシダーゼ活性。 β−ガラクトシダーゼ活性(U) 種々のompBミュータント細胞、MC4100(F-lacV169,ar
aD139,rspL,thiA,tibB,relA:ワイルドタイプ)、MH1160
〔MC4100からのompB101(ompR1)ミュータント〕MH760
〔MC4100からのampB427(ompR2)ミュータント〕、MH14
61〔MC4100からのtpoll(envZ)ミュータント〕が種々
のプロモーター−lacZ遺伝子融合クローンによって形質
転換された。細胞は37℃で1.2のクレット(Klett)単位
で栄養スープの10ml中で培養された。該培地の100μl
はミラー,エイチ・ジェー.(Miller,H.J.)の方法、E
xperments of Molecular Genetics〔ミラー,エイチ.
ジェー.(Miller,H.J.)編集〕,コールドスプリング
ハーバーラボラトリー、ニューヨーク(1972年)第352
〜355頁、によって、β−ガラクトシダーゼ活性測定の
ために用いられた。プラスミドpK004はpK005から誘導さ
れ、そしてpKM004はlacZ遺伝子に融合されているlpp
(外層膜リポ蛋白質に対する遺伝子)を含んでいる。プ
ラスミドIとIVは第1図cに記載されている。プラスミ
ドpOmpF P−AlはompFプロモーターの支配下においてl
acZ遺伝子を含んでいる。 第1表に示されるように、micF支配下のlacZ遺伝子
(第1図c中プラスミドIV)はompCプロモーター支配下
のlacZ遺伝子(第1図c中のプラスミドI)と同様な方
法でβ−ガラクトシダーゼを生成する。β−ガラクトシ
ダーゼの高活性がワイルドタイプとenvZ-細胞の両方で
見出されたが、ompR1-およびompR2-ミュータントでは低
い活性しか観察されなかった。一方、ompFプロモーター
の支配下のlacZ遺伝子はompR1-細胞においては発現され
なかった。さらにコントロールとして用いられたリポ蛋
白質プロモーターの支配下のlacZ遺伝子はすべての細胞
において発現された。これらの結果は該mic F遺伝子
が該ompC遺伝子と同様な方法においてompB遺伝子座によ
って調節されると云うことを示す。該ompFプロモーター
の支配下のlacZ遺伝子がenvZ-1(Ompc+ OmpF-)細胞の
中に構成的に発現されていると云うことに注目すること
は興味のあることである。このことはこのenvZ-細胞のO
mpF-発現型がmicRNAによるompF mRNAの翻訳を阻害して
いるためであることを暗示する。 micFおよびompC遺伝子のプロモーター micFおよびompC遺伝子の両方がompB遺伝子座によって
調節されているように見えるので、これら遺伝子のプロ
モーターは配列相同性を有するべきである。相同性に対
する調査のために、ompC遺伝子に対する転写開始部位は
S1−ヌクレアーゼマッピングによってまず決定された。
主な転写開始はT残基の410および411位置で起る(第2
図、また第4図を参照)。 第4図においては、micFとompC遺伝子の間の相同配列
が示されている。ヌクレオチドの数は第2図のものと一
致する。箱の中の配列は二つの遺伝子の間の相同配列を
示す。二つの配列間の棒は同一の塩基を示す。矢印は転
写開始部位を示す。−10と−35の領域はアンダーライン
されている。 かくして、micFとompC遺伝子に対する−10の領域はAA
TAAT(第2図のヌクレオチド250から245)およびGAGAAT
(第2図のヌクレオチド400から405)として各々割り当
てられ(第4図)、その両者はコンセンサス配列TATAAT
と良好な相同性を示す。micFとompC遺伝子に対するRNA
ポリメラーゼ認識部位(−35領域)はまたTAAGCAおよび
TTGGATとして各々割り当てられ(第4図)、その両者は
コンセンサス配列、TTGACAと55%相同性を示す。しかし
ながら、63bpのmicFプロモーター(ヌクレオチド300か
ら238)とompCプロモーター(第2図のヌクレオチド301
〜409)との間には重要な配列相同性が見出されない。
一方、相同配列は第4図に示されるように両方の転写の
5′−末端領域において見出される。44個の塩基から離
れた28個が相同であり(64%相同性)、そしてこれらの
領域は多分OmpR蛋白質によって認識される部位である。
これらの配列と相同である一つの配列はまたompF mRNA
の5′−末端非翻訳領域において見出されることに注目
することは興味あることである。micF遺伝子とompC遺伝
子とを精製されたOmpR蛋白質によって結合する実験が現
在進められている。 上記のように、大腸菌中の遺伝子発現の調節は転写の
レベルで一般に支配される。ある遺伝子の発現はこれら
に特異的なリプレッサーによって抑制され、これらに特
異的なインデューサーによって活性化される。例えばcA
MP受容体蛋白質およびOmpR蛋白質のようなポジティブな
蛋白質因子はまた転写のレベルで遺伝子発現を調節する
ことが知られている。他の転写調節機構はアテニュエー
ションであり、他の化合物の種々のアミノ酸の生合成に
関与する機能の発現を調節することにおいて重要な役割
を果している。コルター,アール.(Kolter,R.)およ
びヤノフスキー,シー.(Yanofsky,C.)、Ann.Rev.Gen
et.第16巻第113〜134頁(1982年)を参照。 加うるに、ある種の蛋白質は翻訳のレベルで遺伝子発
現を調節することが示された。その結果はここに翻訳開
始領域と相補的なRNA因子による翻訳のレベルでバクテ
リアの遺伝子発現の調節を示す。micRNAによって仲介さ
れるこの新規な調節機構は第5図に示されている。 第5図はmicF RNAの役割の可能なモデルを示すもの
である。OmpR蛋白質は低浸透圧モル濃度下においてompF
遺伝子と結合し、そしてOmpF蛋白質の生成を促進する。
高浸透圧モル濃度下においては、OmpR蛋白質はmicFおよ
びompC遺伝子の両方に結合する。かくして生成されたmi
cF RNAはompF mRNAとハイブリダイズしてその翻訳を
制止する。MicRNAが翻訳のレベルでompF遺伝子の発現を
抑制する可能性はありえないとされてきた。しかしなが
ら、該ompFプロモーターと融合されるlacZ遺伝子はenvZ
-細胞(OmpF+ OmpF-:第1図)の中に発現されたのでこ
のことは殆んどありそうにないことになる。この場合
は、lacZ発現は恐らくクローンから転写されたlacZ mR
NAがmicRNAと安定したハイブリッドを形成することが出
来ないためであろう。更にもしmicRNAがompF遺伝子の無
意味な鎖と結合することが出来るならば、結合がRNAポ
リメラーゼにもっと接近し得るompF遺伝子を作るであろ
うから、遺伝子発現を妨げるよりはむしろ活性化させる
ことの方がよりありそうなことである。 micRNAによる調節は他の蛋白質生成を妨げることなく
して特異的な蛋白質の生成を妨げるのに非常に効果的な
方法であるように思われる。現在、micRNAとompCとの間
の相対比率は知られていない(第1表のβ−ガラクトシ
ダーゼ活性は、プロモーター領域が同じ様相で挿入され
なかったので(第1図cを参照)、それらの正確なプロ
モーター活性を当然反映してはいない)。 しかしながら、micRNAとompCが対等に生成されると仮
定することは理由のあることである。それ故に、OmpC蛋
白質が生成される時、micRNAが同様な方法で生成され
る。MicRNAはそれからOmpF蛋白質を比例的に妨害して、
その結果OmpCプラスOmpF蛋白質の総量は一定になる。 リボゾーム結合部位と開始コドンへのmicRNAの結合は
特定のmRNAの翻訳を妨げるために非常に効果的な方法で
ある。同様なメカニズムがバクテリオファージT7のミュ
ータント中の翻訳の妨害を説明するために提供されてい
る。ミュータントmRNAの3′−末端の配列はそれ自身の
リボゾーム結合部位とハイブリダイズして翻訳を妨げる
ことを暗示した。斎藤,エイチ.(Saito,H)およびリ
チャードソン,シー.シー.(Richardson,C.C.)、Cel
l 第27巻、第533〜542頁(1981年)を参照。micRNA調
節システムが大腸菌において、そして真核細胞を含む他
の生物体において一般的な調節現象であろうことは理由
のあることと思われる。一つの蛋白質の形成を非常に急
速に停止すること、もしくは一つの蛋白質の比率を他の
もので調節することは特に好ましいメカニズムである。
RNA種は種々の細胞活性の調節において付加的な役割を
有するであろう。事実、小さいRNA種はある種のプラス
ミドのDNA複製の調節を行なうことが示されている。 付随する開示において、本発明の実施によって遺伝子
発現を調節するための有力な道具と手法が提供される。
本発明の実施例による遺伝子発現は、その生来の遺伝子
物質のみを所有するかまたは生来の遺伝物質の欠失もし
くは外来遺伝物質、即ち、該生物体もしくは細胞物質の
遺伝物質とを伴なう転写にもとづいて該生物体もしくは
細胞物質の遺伝物質によって生成される一つのmRNAと相
補的でありそして(または)それとハイブリダイズする
ことが出来、その結果該RNAの発現もしくは翻訳が阻害
もしくは妨害されるオリゴヌクレオチドもしくはポリリ
ボヌクレオチドRNAを生成するDNAの付加によって遺伝的
に改変せられた一つの生物体もしくは細胞物質の遺伝物
質に取り入れるかもしくはそれと結合することによって
調節される。 本発明の実施による生物体もしくは細胞物質の遺伝子
発現の調節は、形質転換された生物体もしくは細胞物質
の中で行われ、それにおいては、該生物体もしくは細胞
物質の遺伝物質を伴なって該生物体もしくは細胞物質の
遺伝物質を伴なう転写にもとづいて該生物体もしくは細
胞物質の遺伝物質によって生成された一つのmRNAと相補
的かもしくはそれと結合もしくはハイブリダイズするこ
とが出来、その結果該mRNAの発現もしくは翻訳が阻害も
しくは妨害せられる一つのオリゴヌクレオチドもしくは
ポリリボヌクレオチドRNAを生成するDNAをその中に取り
入れるかもしくはそれと結合する。 本発明の実施において、DNA物質もしくは分子を含む
形質転換された生物体もしくは細胞物質における転写に
もとづいて該生物体もしくは細胞物質の遺伝物質によっ
て生成されるmRNAと相補的であり、そして(または)そ
れと結合もしくはハイブリダイズすることの出来るオリ
ゴヌクレオチドもしくはポリリボヌクレオチドを生成す
るところのDNA物質もしくは分子は、該生物体の遺伝子
物質に取り込まれもしくは結合され、その結果該生物体
もしくは細胞物質を該DNA物質もしくはその分子自体と
直接に形質転換させることによって、もしくは一つのプ
ラスミドもしくはウィルスもしくはウィルスベクターの
中に該DNA物質を取り込みそれから生物体もしくは細胞
物質を該プラスミドおよび(または)ウィルスベクター
で形質転換することによって形質転換される。該DNA物
質もしくは分子は該生物体もしくは細胞物質の遺伝物質
を含む核の中に直接挿入されるであろう。該生物体もし
くは細胞物質の形質転換をもたらす該DNA物質もしくは
分子は、該生物体を特徴づける遺伝子または染色体DNA
との関連において該生物体もしくは細胞物質の細胞質も
しくは流動性内容物の中へ生物体の膜を通して挿入され
るであろう。簡便さと実際上のために望ましいことであ
るが、該DNA物質もしくは分子を該生物体もしくは細胞
物質、例えば該生物体の核もしくは細胞質の中に挿入し
て形質転換させるためにマイクロインジェクションが用
いられる。それは該DNA物質もしくは分子を該生物体も
しくは細胞物質の遺伝物質に取り込まれるかそれと結合
して該生物体もしくは細胞物質を取り囲む膜を通して該
DNA物質もしくは分子を移すことによって形質転換させ
るために通常便利なものである。 人工Mic遺伝子の組み立て 該mic遺伝子はOmpF蛋白質の生成を妨げる一つの174−
塩基RNAを生成する。この小さなRNAは二つの幹およびル
ープ構造(一つは3′−末端、もう一つは5′−末端)
を有する。これらの構造は該micRNAの機能に対する重要
な役割を果たすものと考えられるので、一つの誘導性の
発現ベクターにクローン化される大きい外層リポプロテ
ィンに対する遺伝子を用いる人工micシステムの組み立
てにこれらの特徴を用いることが試みられた。中村等
「大腸菌のリポプロティン遺伝子を用いた多方面の発現
クローン化媒介物の構造」EMBO.J.第1巻,第771〜775
頁(1982年)を参照。pINベクターはリポ蛋白質プロモ
ーターのlacpo下流を有する高発現ベクターであり、か
くして一つの挿入された遺伝子の高レベルの誘導可能な
発現が出来るようになる。pINプロモーターはlpp遺伝子
において、lppmRNAのシャイン−ダルガノ(Shine−Dalg
arno)配列の直接上流の特殊Xba I部位に融合された。
得られたプラスミドはpYM140として示された。PYM140の
中のlpp遺伝子の発現がイソプロピル−β−D−チオガ
ラクトシド(IPTG)、一つのlac誘導体によって誘導さ
れる時、lpp遺伝子から誘導されるRNA転写は可能な幹お
よびループ構造(5′−末端)を有する。唯一のXba I
部位の直接上流はその3′−末端でのもう一つの安定し
た幹およびループ構造である。後者のループはlpp遺伝
子のp−非依存性転写終結シグナルから誘導される。一
般的なmicクローン化ベクター,pJDC402の組み立ては、
第6図に示されるように二つのループの間のpMHO44中の
DNA断片を除去することによって達成される。終結部位
の直接上流のRsa I部位は、pMY140の部分的分解に続い
てEcoR Iリンカーを挿入することによってEcoR I部位に
移された。得られたプラスミド,pMHO44はEcoR Iで部分
的に分解され、続いてXba Iで完全に分解された。線状D
NA断片の一本鎖線部分はDNAポリメラーゼI(大きい断
片)によって充たされ、それからT4DNAリガーゼで処理
されて、その結果Xba IとRsa I部位の間に断片を有しな
いプラスミド、pJDC402が形成された。この方法の結果
として、EocR IとXba Iの両部位が結合点で再生産され
た。かくして唯一のXba I部位はいかなるDNA断片に対す
る挿入部位としての役割を果たし、そして人工mic遺伝
子からのRNA転写は該micRNAと似た構造を有するRNAを生
成する。挿入されるDNAから誘導される部分は二つのル
ープ構造(その一つは5′そしてもう一つは3′−末
端)によってサンドイッチされる。 以下に第6図Aおよび第6図Bのより詳細な説明を行
なう。pJDC402の組み立てにかかる第6図Aに示される
ように制限部位は下記の通りに示される。X,Xba I:P,Pv
u II;E,EcoR I.lpppおよびlacpoは各々リポ蛋白質プロ
モーターおよびラクトースプロモーターオペレーターで
ある。Amprはアンピシリン耐性遺伝子である。交差平行
線はリポ蛋白質プロモーターを表わす。黒丸はラクトー
スプロモーターオペレーターを表わす。斜線はリポ蛋白
質シグナル配列を表わし、そして黒棒はリポ蛋白質の成
熟部分に対するコード領域を表わす。白丸はlpp遺伝子
から誘導される転写終結領域を表わす。白枠はリポ蛋白
質mRNAの5′非翻訳領域を表わす。 mic(lpp)pJDC412の組み立てにかゝる第6図Bにお
いて、白矢印はプロモーターを表わす。該Pvu II部位は
Xba Iリンカー(TCTAGAG)を挿入することによってXba
I部位に変換される。この断片はpJDC412を形成する逆向
き方向においてpJDC402の唯一のYba I部位の中に挿入さ
れた。Aおよびbは各々lppとlacプロモーターの位置で
開始するmic(lpp)RNAを示す。 mic(lpp)遺伝子の組み立て このmicクローン化ベクター,pJDC402を用いて、mic
(lpp)遺伝子の誘導にもとづくリポ蛋白質の合成を阻
害するために大腸菌のlpp遺伝子に対するmicシステムを
作ることがまず第一に試みられた。この目的のために、
リボゾーム結合のためのシャイン−ダルガノ(Shine−D
algarno)配列を含むDNA断片とプロリポ蛋白質の最初の
数個のアミノ酸残基に対するコード領域を先づ単離する
ことが必要である。これを行なうために、プロリポ蛋白
質シグナルペプチドのコード領域の直後のPvu II部位は
この位置にXba Iリンカーを挿入することによってXba I
部位に移された。得られたプラスミドはそれからXba I
で分解され、そして112−bp Xba I−Xba I(元来Pvu I
I−Xba I)断片は精製された。シャイン−ダルガノ(Sh
ine−Dalgarno)配列とプロリポ蛋白質のアミノ基末端
からの最初の29個のアミノ残基に対するコード領域を取
り囲むこの断片が精製された。この断片はそれから正常
lpp遺伝子から反対の方向でpJDC402唯一のXba I部位の
中へ挿入された。得られたプラスミドはpJDC412として
示され、IPTGでの誘導にもとづいてmic(lpp)RNA,lppm
RNAと対になる一つのRNA転写を生成することが出来る。 該mic発現ベクター,pJDC402のもう一つの重要な特徴
はlppプロモーターの直接上流のHinf I部位と転写終結
部位の直接下流のもう一つのHinf I部位とを含むことで
あることが指摘されるべきである。これら二つのHinf I
部位はベクターの唯一のPvu II部位の中に挿入されるこ
とが出来る完全なmic転写単位を含むDNA断片を除去する
ために用いられることが出来る。このようにして、完全
なmic遺伝子は単一プラスミド中に複製されることが出
来る。二つの同一なmic遺伝子を含むプラスミドが、単
一のmic遺伝子を含むプラスミドに比べて2倍のmicRNA
を生成すると云うことが予想される。このプラスミドは
二つのmic(lpp)遺伝子を含んで組み立てられpJDC422
として示された。 mic遺伝子の発現 人工mic(lpp)RNAの効果を試験するために、mic(lp
p)RNAの2mMIPTGによる誘発の1時間後に細胞は〔35S〕
メチオニンで1分間パルスラベルされた。ベクター,pJD
C402を有している該細胞は放射線写真の濃度測定走査お
よび標準化によって定量されたのであるが、誘導体、IP
TGの不存在下もしくは存在下のいづれにおいても同量の
リポ蛋白質を生成する。リポ蛋白質の生成はIPTGの不存
在下でpJDC412を担持している細胞の場合の約2倍、そ
してIPTGの存在下では約16倍減少した。IPTGの不存在下
でのリポ蛋白質合成の減少は、mic(lpp)遺伝子の不完
全な抑制のためであると考えられる。mic(lpp)遺伝子
が複製されたpJDC422を担持する細胞の場合では、リポ
蛋白質生成がIPTG不存在下では4倍、IPTG存在下では31
倍減少される。これらの結果は、人工mic(lpp)RNAの
生成がリポ蛋白質生成を阻害していること、そして該阻
害が生成されるmic(lpp)RNAの量と比例することを明
らかに示している。該mic(lcc)RNAは特異的にリポ蛋
白質の生成を妨害していること、およびそれはOmpC蛋白
質を除いては他のいかなる蛋白質の生成をも妨害しない
ことは注目されるべきである。該mic(lpp)遺伝子の誘
導がOmpCプラスOmpF蛋白質の生成を減少すると云う事実
は、以下に検討されるようにlppとompC遺伝子との間の
通常ではない相同性のためであることが判明した。 mic阻害が惹起されるいくつかのメカニズムがある。
一つのメカニズムは、該micRNAはリボゾームがmRNAと結
合することを阻止することである。その他の可能なメカ
ニズムは、mRNAの不安定化、転写の早過ぎる終結または
転写の開始の阻害のために起こるmRNAのアテニュエーシ
ョンを含む。該micRNAの阻害効果が単にアテニュエーシ
ョンもしくは転写開始のレベルであったならば、該mic
効果は該リポ蛋白質mRNAの機能の半減期は12分であると
云う事実のために、幾分かは延ばされることが予期せら
れるであろう。それ故に、IPTGによる誘導の後の種々な
時点においてpJDC412を有しているパルスラベルされた
大腸菌JA221/F′lac Iqによるmic(lpp)RNAの誘導にも
とづいて、いかに迅速にリポ蛋白質生成が阻害されるか
が測定された。リポ蛋白質生成はIPTG添加後5分以内で
最大16倍にまで阻害された。この結果は、リポ蛋白質生
成の阻害が最初はmic(lpp)RNAのlppmRNAに対する結合
のためであり、該結合は結果としてlppmRNAの翻訳の阻
害および(または)mRNAの不安定化を惹き起すことを示
している。 mic(lpp)PNFの存在下での1ppmRNA生成 該micF遺伝子の発現が実質的に該ompF mRNAの量を減
少させるので、該mic(lpp)RNAがまた該lppmRNAのレベ
ルに影響するかどうかを試験することは興味のあること
のように思われる。この目的のために、該mic(lpp)遺
伝子をIPTGで誘導した1時間後に全細胞RNAが単離され
た。該RNA調製物はホルムアルデヒドアガロースゲル中
での電気泳動に続いてニトロセルロースペーパー上への
移行を行なった後に分析された。該ペーパーはそれから
該mic(lpp)RNAもしくは該lppmRNAに対して特異的な一
つのプローブによってハイブリダイズされた。該ompA
mRNAに対して特異的な一つのプローブもまた内部コント
ロールとして用いられた。IPTGの不存在下もしくは不存
在下において、pJDC402がもはやlppmRNAの生成にいかな
る相違も示さない。これらの実験のための該プローブを
作るために用いられた二重らせん構造のプライマーはla
cオペロンの一部を含むと云う事実のために、該プロー
ブは、例えばJDC412からのmic(lpp)RNAおよびpJDC402
の短い無意味な転写のようなlacプロモーターを含むい
かなる転写ともハイブリタイズする。PJDC412を有する
細胞はIPTGの不存在下では該lppmRNAの減少された量を
含み、IPTGの存在下ではlppmRNAの大巾に減少された量
を含む。PJDC412を宿している細胞中のIPTGの不存在下
および存在下において該mic(lpp)RNAの生成が示され
た。それ故に、IPTGの不存在下においても、該mic(lp
p)RNAの可成りの量が生成され、そしてそれは以前に観
察されたリポ蛋白質生成の結果と一致している。該mic
(lpp)RNAの誘導によってlppmRNAが消滅すると云う事
実は、該micRNAの作用のメカニズムが単に翻訳のレベル
にとどまらないことを示している。試験はことなったサ
イズの二つのmic(lpp)RNAが存在することを示した。
これら転写のサイズは281から197個の塩基であると決定
され、そしてそれはリポ蛋白質プロモーター(大きい方
のRNA)での開始およびlacプロモーター(小さい方のRN
A)で開始する転写と一致する。 mic(ompC)遺伝子によるOmpC生成の阻害 人工的に組み立てられるmic(ompC)遺伝子によってO
mpC合成の殆んど完全な阻害を達成することがまた可能
であった。二つのmic(ompC)遺伝子を担持する第1次
構造(pAM320)は該ompC mRNAのリーダー領域の20個の
ヌクレオチドおよびコード領域の100個のヌクレオチド
と対になる一つのRNA分子のもとになる。このことはomp
C構造遺伝子中の唯一のBgl II部位およびATG開始コドン
の上流の20個のヌクレオチドをXba I部位に移すことに
よって達成された。得られた128−bp Xba I断片はそれ
から該OmpC遺伝子とは逆の方向のpJDC402の中へ挿入さ
れ、そして該mic(ompC)遺伝子の第2コピーは、pJDC4
22へ組み立てに対して記述されたと同様な方法で導かれ
た。得られたプラスミド(pAM320)は第1のものと反対
側の方向に挿入される第2mic(cmpC)遺伝子を有する。
第2mic遺伝子の配位を逆にすることはプラスミドの発現
もしくは安定性を変化させなかった。第2次構造pAM32
1,はmicRNAとompC mRNAとの間の相補性を拡大して、pA
M320の場合よりも長いリーダー配列、20個の代りに72個
のヌクレオチドのリーダー領域を含むように設定された
ものである。このプラスミドは、Xba I部位に移されたM
nl I部位にompC開始コドンの上述72個のヌクレオチドbp
が位置させられたことを除いては、pAM320に対して記述
されたと同様に組み立てられた。 micクローンベクターpJDC402,pAM320およびpAM321を
有している大腸菌JA221/F′lac Iqから単離された外層
膜蛋白質のクマーシー ブリリアント ブルー(Commas
sie Brilliant Blue)染色ゲルパターンが得られた。IP
TGの添加の効果が、β−ガラクトシダーゼの出現によっ
て明らかにみられた。pAM320からのmic(ompC)RNAの誘
導はpJDC402と比較して、OmpC生成における実質的な減
少(約5倍)を惹起こした。PAM321からの長い方のmic
(ompC)RNAの誘導はOmpCの合成をよりドラマチックに
減少した(pJDC402と比較して約20倍)。OmpC生成はそ
れらがIPTGでの1時間誘導の後1分でパルス−ラベルさ
れた時、pAM321を有する細胞において殆ど検出されなか
った。同様な実験においてOmpC合成は、pAM320を有する
細胞中のmic(ompC)遺伝子がIPTGで誘導された時約7
倍減少した。OmpC発現の著しい減少はまたmic(ompC)
遺伝子の単一コピーを含むプラスミドが誘導された時観
察された。また長い方のmic(ompC)遺伝子はより大き
な効果を有していた。pAM320によるmic−媒介阻害の増
大された効率は該micRNA機能の効果がmRNAの5′−末端
と対になる拡がりと関連していることを示すであろう。 上記の該mic(ompC)RNAのいずれかの合成がOmpC合成
のみならずリポ蛋白質合成の減少をも惹起することに注
目することは興味あることであった。リポ蛋白質生成に
おける該mic(ompC)RNAのこの阻害効果は、第7図に示
されるようにlppmRNA配列とompC mRNAとの間の予期せ
ざる相同性によるものであると思われる。この特徴は、
何故pAM320とpAM321がリポ蛋白質生成に対するmic効果
を働かせているかを説明するものである。このような説
明は、pJDC412とpJDC422からのmic(lpp)RNAの誘導がO
mpC蛋白質の合成を減少する筈であることを予言し、そ
してこのことはその場合であることが見出された。 第7図において、lppmRNA(最上線)とompC mRNA
(最下線)との間の相同領域が示されている。棒は同一
の塩基を含んでいる。両方のmic(ompC)RNAはこの相同
領域を横断してハイブリダイズする能力を有する。該シ
ャイン−ダルガノ(Shine−Dalgarno)配列(S.D)とAU
G開始コドンは箱で囲われる。 mic(ompA)RNAによるOmpA生成の阻害 いかなる成分がmicRNAの効果に寄与するかを測定する
努力において、いくつかのmic遺伝子が該ompA遺伝子か
ら組み立てられた。該ompA mRNAのリーダー領域とコー
ド領域が広範囲にわたって特徴づけられていたので、該
ompA遺伝子はこのことのために選択された。5個のDNA
断片(第8図のIからVを参照)は、mic(ompA)RNAの
生成を促進する方向でpJDC402のXba I部位の中へ個別的
にクローン化された。結果として得られた断片I−Vを
含むmic(ompA)プラスミドは、各々pAM301,pAM307,pAM
313,pAM314およびpAM318として示された。各々のプラス
ミドは記述されたmic(ompA)遺伝子の唯一のコピーを
含む。 第8図において、最上線は大腸菌ompA遺伝子の構造を
示す。矢印はプロモーターを表わし、白色棒は該ompA
mRNAの5′−リーダー領域をコード化する領域を表わ
す。斜線を付した棒および影を付けた棒は各々シグナル
配列と成熟したOmpA蛋白質とをコード化するompA遺伝子
の部分を表わす。制限断片I(Hph I−Hpa I)は、mic
(lpp)に関する第6図において略図がかゝれているよ
うに、こゝに記されたところから反対側の方向において
pJDC402のXba I部位の中に挿入されて(第6図Aを参
照)、プラスミドpAM301を作る。他のmic(ompA)プラ
スミドは同様に、断片II,pAM307;断片III,pAM313;断片I
V,pAM314:断片V,pAM318から組み立てられた。シャイン
−ダルガノ(Shine−Dalgarno)配列(SD),ATG開始コ
ドン(ATG,および関連する制限部位の位置が示されてい
る。 該mic(ompA)プラスミドの各々を含む大腸菌JA221/
F′lac Iqは、IPTGによる1時間前に前処理を行なうか
または行なうことなくして〔35S〕−メチオニンで1分
間パルス−ラベルされた。これらの培地から単離された
外層膜蛋白質の電気泳動パターンが得られた。放射線写
真は5個のmic(ompA)遺伝子の各々がOmpA合成を阻害
することが出来ることを明らかにした。該mic(ompA)
遺伝子は先に述べられたmic(lpp)およびmic(ompC)
遺伝子よりも小さい効果を有するものと思われるが、こ
の問題はmic(ompA)遺伝子投与量の増加によって妨げ
られる。翻訳開始部位を取り囲む該ompA mRNAの258個
の塩基領域(第8図の断片I)と相補的な一つのmRNAを
コード化しているプラスミドpAM301は、約45%までOmpA
合成を阻害することが判明した。約51%までの同様な阻
害がpAM307によって得られた。このプラスミドはompA構
造遺伝子と一致するいかなるDNA配列をも含んでいない
断片II(第8図を参照)を含む。pAM307による阻害は以
前に述べられたmic(ompC)実験がmRNAの5′−リーダ
ー領域との増大された相補性がmicRNA−媒介阻害におい
てより効果を有することを示したので驚くにはあたらな
い。一方、45個の前−OmpAを介して4個のアミノ酸残基
に対するコード領域にわたる断片III(第8図を参照)
によって被覆されているompA構造遺伝子の部分とのみ対
になる一つのmicRNAを生成するpAM313はまた約54%まで
OmpA合成を阻害することが効果的に出来、このことは機
能を果すために蛋白質合成に対する開始部位および(ま
たは)ターゲットmRNAの5′−リーダー領域とハイブリ
ダイズする必要がないことを示している。このことはま
たmic(lpp)遺伝子を用いることが確認された。lppmRN
Aのコード領域とのみ対をなす二つのmic(lpp)RNAはま
たリポ蛋白質生成を阻害することが判明した。アミノ酸
残基3から29、およびプロリポ蛋白質の43から63の各々
に対してコードを行なうlpp構造遺伝子断片から組み立
てられたpJDC413とpJDC414におけるmic(lpp)遺伝子の
効果が観察された。しかしながらpJDC413とpJDC414の両
方がリポ蛋白質合成のたった2倍の阻害しか示さず、こ
のことは翻訳開始部位を被覆している一つのDNA断片
(それは16倍阻害を惹起する)が該mic(lpp)遺伝子の
場合により効果を有することを示している。 断片IV(第8図を参照)は該ompA、mRNAの5′−リー
ダー領域とのみ対をなす1つのmicRNAの効果を試験する
ために選択された。結果として組み立てられたpAM314
は、AUG開始コドンの上流60個の塩基が位置するompA m
RNAリーダー領域の68−塩基区域と対になる1つのmicRN
Aを合成する。pAM314はたった約18%までしかOmpA合成
を阻害する非常に弱いmic効果を示す。断片IIとIV(第
8図を参照)の間のmic効果における重要な相違はリボ
ゾーム、即ちシャイン−ダルガノ(Shine−Dalgarno)
配列および(または)コード領域と相互作用するmRNAの
領域の範囲での相補相互作用が絶対的に必要とはされな
いながらも、効果的なmic機能のために非常に重要であ
ることを明白にしている。断片IからVのmic(ompA)
遺伝子を短縮することはその能率にもたらす影響が少な
く、各々48%減少に比して45%であることに注目するこ
とはまた興味のあることである。 上記に検討したよりもより効果的にOmpA合成を阻害し
得る一つのプラスミドを組み立てるために、プラスミド
が2つ以上のmic(ompA)遺伝子を含んで組み立てられ
た。これらのプラスミド、pAM307とその誘導体pAM319お
よびpAM315とが比較せられた。前記のうちの後の2つの
プラスミドは各々pAM307中にmic(ompA)遺伝子の2つ
および3つのコピーを含んでいる。pAM307は約47%まで
OmpA合成を阻害したのであるが、pAM315とpAM319は各々
69%までOmpA合成を阻害した。 上に提出された結果は明らかに本発明の人工micシス
テムと手法とが目的とする1つの遺伝子の発現を明確に
調節するために用いることが出来ることをはっきり示し
ている。特に、ある特定の遺伝子に対する誘導性のmic
システムは、ある遺伝子の機能を研究するために新規で
かつ非常に効果的な方法である。もし該遺伝子が不可欠
のものであれば、条件付きの致死率は温度感受性突然変
異と幾分か同様にmicシステムの誘導にもとづいて達成
せられるであろう。しかしながら該micシステムが特定
の蛋白質それ自体の合成を阻害する一方では、温度感受
性突然変異はその合成を妨害することなくして蛋白質の
機能のみを妨害すると云うことは注目されるべきであ
る。 本発明から、下記のことが明らかになった。 (a)1つの特定のmRNAと対になる1つのRNA転写(mic
RNA)の生成はそのmRNAの発現を阻害する。 (b)1つのmicRNAの生成は該micRNAと相補性を分け合
うこれらの遺伝子のみについての発現を妨害する。 (c)該micRNA生成の誘導はmRNAの半減期よりもずっと
速く特定の遺伝子の発現を妨害する。 (d)該micRNAはまた人工的に組み立てられたmic(lp
p)遺伝子が本発明の中で発現される時のみならず、天
然のmicF遺伝子が発現される時にも見出されるように、
細胞中の特定のmRNAの量を減少する。 (e)遺伝子投与量によって明らかな影響がある。micR
NAがより多く生成される程、ターゲット遺伝子の発現が
より効果的に妨害される。 本発明の実施において、リボゾームと相互作用を行な
うことが知られているmRNAの領域と対になるmicRNAが最
とも効果を有するものと思われる。1つの例としてlpp
遺伝子を用いると、シャイン−ダルガノ(Shine−Dalga
rno)配列およびlppmRNAの翻訳開始部位にハイブリダイ
ズ出来る1つのmic(lpp)RNAはそれが出来ないものよ
りもより能率的にリポ蛋白質合成を阻害するものと思わ
れる。しかしながらompA遺伝子、シャイン−ダルガノ
(Shine−Dalgarno)配列と翻訳開始部位の両者と対に
なるmicRNAに対しては、まさしくシャイン−ダルガノ
(Shine−Dalgarno)配列もしくは構造遺伝子のみが等
しく効果的であった。 例えばompCおよびlppのようないくらかの遺伝子に対
して、翻訳開始部位を取り囲む遺伝子の領域は特定の配
列を含まず、そしてmicRNA誘導は2つ以上の蛋白質の生
成を阻害する結果となる。これらの場合において、遺伝
子の他の領域はmic遺伝子を組み立てるために用いられ
るであろう。micRNAの長さはもう1つの考慮に入れられ
るべき変化因子である。長い方のmic(ompC)RNAはOmpC
生成の阻害において短かい方のmic(ompC)RNAよりも4
倍効果を有した。該mic(ompC)RNAによるリポ蛋白質発
現の阻害は、リポ蛋白質mRNAと対になる2つのmic(omp
C)RNAの領域が同じであると云う事実にも拘らず、長い
方のmic(ompC)RNAの領域によっては殆んど影響されな
かったことは注目されるべきである。このことはより高
い特性が長い方のmicRNAを用いることによって達成され
ることを示している。該mic(ompC)遺伝子と対比し
て、長さはOmpA生成のmic(ompA)RNA媒介阻害に対して
の重要な因子であるとは思われなかった。加うるに、該
micRNAの第2次構造はmicRNA機能においてある重要な役
割を果している可能性が大である。 micRNAが特定の遺伝子の発現を阻害するために機能す
るであろういくつかのメカニズムが存在する。該micRNA
が最初に該mRNAと結合することによって作用し、それに
よって先に提示されたようにリボゾームとの相互作用を
妨害すると云うことは最ともありそうに思われる。この
仮説は該mic(lpp)RNAがもし転写がlpp mRNAの半減期
のみにもとづいて影響されると仮定した場合よりもずっ
と速くリポ蛋白質の生成を阻害したと云う事実によって
支持される。micRNAがリポ蛋白質mRNAの量の減少をいか
に惹き起こすかにてついて、この減少を説明するために
考えられ得るモデルは、リボゾームがmRNA全域を横切っ
ていない時に該mRNAがより安定していないと云うことで
ある。mRNAレベルにおいてこの減少を説明するための他
の可能なモデルは、micRNAとmRNAとの間の相補ハイブリ
ッド形成が、mRNAの転写の早過ぎる終結もしくは不安定
化を惹き起すと云うことである。それに代えて、該micR
NAは直接転写の開始を阻害するか、もしくはColEl複製
における小さい相補RNA種の機能に対して記述されたと
同様な方法でmRNA伸長の中断を惹き起こす。富沢(Tomi
zawa)等、ColElプライマー形成におけるRNA第2次構造
の重要性、Cell 第31巻、第575〜583頁(1982年)を参
照。 本発明のmicシステムはその応用においては、真核細
胞のみならず原核細胞において、例えば薬剤耐性遺伝
子、腫瘍遺伝子、およびファージもしくはウィルス遺伝
子のような種々の有毒あるいは有害な遺伝子の発現およ
びその他の遺伝子の発現を永久的に、もしくは誘導に際
して妨害するために大きな可能性を有する。
【実施例】
ここに記述されるような本発明と実施の開発と表示に
おいて、下記の材料と方法が用いられた。 細胞と培地 大腸菌JA221(hsdr,leuB6,lacY.thi.recA.△trpE5)
F′(lac Iq,proAB,lacZYA)がすべての実験において
用いられた。特に記述されていない場合には、この細胞
はグルコール0.4%,チアミン2μg/ml,ロイシンとトリ
プトファンの各々の40μg/mu,およびアンピシリン50μg
/mlを補充されたM9培地〔ジェー.エイチ.ミラー(J.
H.Miller),Experiments in Molecular Genetics、コー
ルドスプリングハーバーラボラトリー(Cold Spring Ha
rbor Laboratory)、コールドスプリングハーバー(Col
d Spring Harbor)、ニューヨーク(New York)1972
年〕の中で培養された。 材料 制限酵素はベセスダ リサーチ ラボラトリー(Beth
esda Research Laboratories)またはニューイングラン
ド バイオラボラトリー(New England BioLabs)のい
ずれかから購入された。4DNAリガーゼと大腸菌DNAポリ
メラーゼI(大きい断片)はベセスダ リサーチ ラボ
ラトリー(Bethesda Research Laboratories)から購入
された。すべての酵素は製造者によって提供された指示
によって用いた。Vba Iリンカー(CTCTAGAG)はニュー
イングランドバイオラボラトリー(New England BioLab
s)から購入した。 DNA操作 プラスミドPJDC402,pJDC412,およびpJDC422はこゝお
よび第8図に記載されたように組み立てられた。プラス
ミドpJDC413とpJDC414は、pJDC413に対するプロリポ蛋
白質の3から29個のアミノ酸残基をコード化しているIp
p遺伝子,およびpJDC414に対するプロリポ蛋白質の43か
ら63個のアミノ酸残基をコード化している58−bp Alu
I断片から80−bp Alu I断片を単離することによって組
み立てられた。該断片は先づXba Iで分解せられ、次い
でDNAポリメラーゼI(大きい断片)によって処理され
るpJDC402の中へ結びつけられているブラントエンドで
あった。 mio(ompC)組み立てのために適当なompC断片の単離
は、ompCプロモーターと構造遺伝子との間の適当な特定
の制限部位がないためにサブクローン化ステップを含ん
でいた。プラスミド,pMY150,を含み、断片(pDR001とpD
R002の各々)を含む471−bp Xba I−Mn II ompCプロ
モーターのいずれかを欠き、しかしその場所にXba I部
位を含むompCの2つの誘導体が単離された。これらプラ
スミドの各々の中の特定のBgl II部位はDNAポリメラー
ゼI(大きい断片)による処理と合成Xba Iリンカーに
よる結び付けによってXba I部位に移された。Xba I分解
に続いて、pDR001からの123−bp Xba I断片とpDR002か
らの175−bp Xba I断片とが個々に単離され、そしてpJ
DC402のXba I部位の中へクローン化されて、pAM308とpA
M309の各々を作成した。pAM320はpAM308のpvu IIの中へ
クローン化されているpAM308から単離されたmic(omp
C)遺伝子を被覆しているHinf Iを含んでいる。pAM321
は同様にpAM309から組み立てられて2つのmic(ompC)
遺伝子を含んでいる。 mic(ompA)プラスミドpAM301,pAM307,pAM313,pAM31
4,およびpAM318は、mic(lpp)とmic(ompC)遺伝子の
組み立てと類似した方法で述べられてたようにして組み
立てられた。pAM319を組み立てるために、mic(ompA)
遺伝子を含むHinf I断片はpAM307から単離され、そして
pAM307のPvu II部位の中へ再び挿入された。pAM315は、
それがpAM307のPru IIの中へ挿入されている2つのHinf
Iを含んでいることを除いては、pAM319と同様な方法で
組み立てられた。 外層膜蛋白質生成の分析 適当なプラスミドを担持する大腸菌JA211/F′lacIq
クレット−サマーソン(Klett−Summerson)比色計が30
を示す点まで培養され、その時点においてIPTGは2mMの
最終濃度になるよう添加された。更に1時間の培養の後
(約2倍の時間)、〔35S〕−メチオニンの50μCi〔ア
マーシャム(Amersham),1000Ci/mモル〕が1mlの培地に
添加された。該混合物はそれから1分間振盪しつつ処置
され、この時点でラベル化は1mlの氷冷停止溶液(1%
ホルムアルデヒドと1mg/mlメチオニンを含んでいる20mM
燐酸ソーダ〔pH7.1〕)の添加によって終結された。細
胞は10mM燐酸ソーダ(pH7.1)によって1度洗浄され、
同じバッファーの1ml中に懸濁され、そしてカップホー
ンアダプター付きのヒートシステム超音波発振器モデル
W−220Eによって3分間(30秒パルスで超音波破壊され
た。破壊されなかった細胞は外層膜を採集するに先立っ
て低速遠心分離によって除去された。細胞質膜は0.5%
ソジウムラウロイルサルコシネートの存在下で室温で30
分の処置の間に可溶化され、そして外層膜フラクション
は105,000Xgで2時間の遠心分離によって沈澱させた。 リポ蛋白質とOmpAはトリス−SDSポリアクリルアミト
ゲル電気泳動(SDS−PAGE)によって分析した。OmpC生
成を分析するために、尿素−SDSポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(尿素−SDS−PAGE)が用いられた。蛋白質
は試料バッファー中に溶解され、そして該溶液はゲル塗
布に先立って8分間沸騰ウォータバスで処置された。乾
燥ゲルの放射線写真は島津濃度計によって直接走査され
た。目的とするバンドの相対量を測定するために、目的
物のピークの面積の1つの影響を受けていない蛋白質の
ピークに対する比率が各々の試料に対して測定された。 RNA分析 細胞を培養しそして〔3H〕−ウリシンでラベルされ、
それから細胞の増殖を氷上で培地を5分間以内に急速に
冷却することによって停止した。該細胞は8000rpm,5分
間の遠心分離によって集められた。RNAは下記の方法を
用いて単離された。該細胞を1分間激しくボーテックス
して熱細胞溶解溶液(10mMトリス−HCl〔pH8.0〕,1mM
EDTA,350mM NaCl,2%SDSおよび7M尿素)の中へ急速に
再分散した。該混合液は直ちにフェノール:クロロホル
ム(1:1)で2回、クロロホルム単独で2回抽出され
た。1/10容量の3M酢酸ソーダ(pH5.2)が該混合液に添
加され、そして3容量のエタノールが該RNAを沈澱させ
るために添加された。該沈澱物はそれからTEバッファー
(10mMトリス−HCl〔pH7.5〕,1mM EDTA)中に溶解され
た。ゲル電気泳動のために、各々のレーンに、等しいカ
ウントが負荷された。該RNAは6%ホルムアルデヒドを
含む1.5%アガロースゲル上で分離された。ランニング
バッファーは20mM MOPS(3−〔N−モルホリノ〕プロ
パンスルホン酸〔シグマ(Sigma)〕),5mM酢酸ソーダ
および1mM EDTA,pH7.0であった。 RNAはニトロセルロースペーパーに移された。mic(lp
p)RNAとlpp mRNAに対して特異的M13ハイブリダイズプ
ローブは第1図bに示される112−bp Xba I断片を適当
な方向においてM13mp9の中へクローン化することによっ
て個々に組み立てられた。ompA mRNAに対して特異的な
プローブは、1245−bp Xba I−EcoR I断片(元来はEco
RV−PSTI断片)をM13mp10の中へ挿入することによって
組み立てられ、そして該プローブはラベルされた。
【図面の簡単な説明】
第1図は1つのサブクローンまたは1つの遺伝子および
そのプロモーター領域を担持している種々なプラスミド
を記述する。 第2図はプロモーター領域のヌクレオチド配列と1つの
遺伝子、正確にはompC遺伝子の上流とを記述する。 第3図は本発明の実施によるある種のRNA間のハイブリ
ッド形成を示す。 第4図はある種の遺伝子、正確にはmicFとompC遺伝子間
の相同配列を示す。 第5図はRNA、正確には本発明において有用でそして本
発明の実施によるmicFRNAの役割に対する可能なモデル
を示す。 第6図はmicベクターpJDC402とmic(lpp)の組み立てを
示す。 第7図はompC mRNAとlppmRNAとの間を相同を示す。 第8図はmic(ompA)遺伝子を組み立てるために用いら
れる断片を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 メイーイン チヨウ アメリカ合衆国 11727 ニユーヨーク, コラム,ホーキンズ ロード イースト 668 (56)参考文献 国際公開83/1451(WO,A1)

Claims (34)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遺伝子を有する細胞内に存在するときにポ
    リヌクレオチド配列を生産するセグメントを有する非天
    然のポリヌクレオチド構成物であって、該セグメントは (a)転写プロモーター配列; (b)転写終結配列;および、その間に、 (c)ポリヌクレオチドコード配列; を有し、該構成物は該遺伝子から生産されるRNA転写物
    の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチド配列を生
    産し、そして、該相補的なポリヌクレオチド配列は該遺
    伝子の機能を調節する、非天然のポリヌクレオチド構成
    物。
  2. 【請求項2】前記ポリヌクレオチドコード配列がDNAで
    ある、特許請求の範囲第1項に記載の構成物。
  3. 【請求項3】前記相補的なポリヌクレオチド配列がリボ
    ヌクレオチド配列である、特許請求の範囲第2項に記載
    の構成物。
  4. 【請求項4】前記構成物が、細胞の核の染色体遺伝物質
    に取り込まれ、あるいは結合されている特許請求の範囲
    第1項に記載の構成物。
  5. 【請求項5】前記DNAセグメントが、前記細胞の遺伝子
    のセグメントを含有し、該遺伝子のセグメントは該転写
    プロモーター配列および該転写終結配列に対して逆向き
    に挿入されており、これによって該逆向きの遺伝子セグ
    メントが該遺伝子の機能を調節するDNAセグメントであ
    る、特許請求の範囲第3項に記載の構成物。
  6. 【請求項6】前記プロモーターが、誘導プロモーターで
    ある特許請求の範囲第1項、第2項または第5項に記載
    の構成物。
  7. 【請求項7】前記リボヌクレオチド配列が、少なくとも
    ひとつのステムおよびループ構造を有する特許請求の範
    囲第3項または第5項に記載の構成物。
  8. 【請求項8】前記ステムおよびループ構造が、リボヌク
    レオチド配列の5′末端に存在する特許請求の範囲第7
    項に記載の構成物。
  9. 【請求項9】前記ステムおよびループ構造が、リボヌク
    レオチド配列の3′末端に存在する特許請求の範囲第7
    項に記載の構成物。
  10. 【請求項10】前記ステムおよびループ構造が、リボヌ
    クレオチド配列の3′および5′末端に位置する特許請
    求の範囲第7項に記載の構成物。
  11. 【請求項11】前記リボヌクレオチド配列のステムおよ
    びループ構造が、負のデルタGの形態を有する特許請求
    の範囲第7項に記載の構成物。
  12. 【請求項12】前記リボヌクレオチド配列のステムおよ
    びループ構造が、少なくとも−4.5Kcal/molの負のデル
    タGの形態を有する特許請求の範囲第11項に記載の構成
    物。
  13. 【請求項13】前記リボヌクレオチド配列のステムおよ
    びループ構造が、tRNA、mRNA、5SRNA、rRNA、hnRNA、ウ
    イロイドRNA、およびウイルスゲノムRNAからなる群から
    選択されるRNA配列から選択される、特許請求の範囲第
    7項に記載の構成物。
  14. 【請求項14】前記構成物が、遺伝子を有する細胞中に
    導入され、前記相補的な配列あるいは転写産物が該遺伝
    子の機能を調節する、特許請求の範囲第1項から第13項
    いずれかの項に記載の構成物。
  15. 【請求項15】前記遺伝子が腫瘍遺伝子である特許請求
    の範囲第14項に記載の構成物。
  16. 【請求項16】前記遺伝子がウイルス遺伝子である特許
    請求の範囲第14項に記載の構成物。
  17. 【請求項17】前記遺伝子がタンパク質をコードする特
    許請求の範囲第14項に記載の構成物。
  18. 【請求項18】遺伝子を有する細胞内に存在するときに
    ポリヌクレオチド配列を生産するセグメントを有する非
    天然のポリヌクレオチド構成物がその中に包含されたベ
    クターであって、該セグメントは (a)転写プロモーター配列; (b)転写終結配列;および、その間に、 (c)ポリヌクレオチドコード配列; を有し、該構成物は該遺伝子から生産されるRNA転写物
    の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチド配列を生
    産し、そして、該相補的なポリヌクレオチド配列は該遺
    伝子の機能を調節する、ベクター。
  19. 【請求項19】前記ポリヌクレオチドコード配列がDNA
    である、特許請求の範囲第18項に記載のベクター。
  20. 【請求項20】前記相補的なポリヌクレオチド配列がリ
    ボヌクレオチド配列である、特許請求の範囲第19項に記
    載のベクター。
  21. 【請求項21】前記構成物が、細胞の核の染色体遺伝物
    質に取り込まれ、あるいは結合されている特許請求の範
    囲第18項に記載のベクター。
  22. 【請求項22】前記DNAセグメントが、前記細胞の遺伝
    子のセグメントを含有し、該遺伝子のセグメントは該転
    写プロモーター配列および該転写終結配列に対して逆向
    きに挿入されており、これによって該逆向きの遺伝子セ
    グメントが該遺伝子の機能を調節するDNAセグメントで
    ある、特許請求の範囲第20項に記載のベクター。
  23. 【請求項23】前記プロモーターが、誘導プロモーター
    である特許請求の範囲第18項、第19項記または第22項に
    記載のベクター。
  24. 【請求項24】前記リボヌクレオチド配列が、少なくと
    もひとつのステムおよびループ構造を有する特許請求の
    範囲第20項または第22項に記載のベクター。
  25. 【請求項25】前記ステムおよびループ構造が、リボヌ
    クレオチド配列の5′末端に存在する特許請求の範囲第
    24項に記載のベクター。
  26. 【請求項26】前記ステムおよびループ構造が、リボヌ
    クレオチド配列の3′末端に存在する特許請求の範囲第
    24項に記載のベクター。
  27. 【請求項27】前記ステムおよびループ構造が、リボヌ
    クレオチド配列の3′および5′末端に位置する特許請
    求の範囲第24項に記載のベクター。
  28. 【請求項28】前記リボヌクレオチド配列のステムおよ
    びループ構造が、負のデルタGの形態を有する特許請求
    の範囲第24項に記載のベクター。
  29. 【請求項29】前記リボヌクレオチド配列のステムおよ
    びループ構造が、少なくとも−4.5Kcal/molの負のデル
    タGの形態を有する特許請求の範囲第28項に記載のベク
    ター。
  30. 【請求項30】前記リボヌクレオチド配列のステムおよ
    びループ構造が、tRNA,mRNA、5SRNA、rRNA、hnRNA、ウ
    イロイドRNA、およびウイルスゲノムRNAからなる群から
    選択されるRNA配列から選択される、特許請求の範囲第2
    4項に記載のベクター。
  31. 【請求項31】前記遺伝子が腫瘍遺伝子である特許請求
    の範囲第30項に記載のベクター。
  32. 【請求項32】前記遺伝子がウイルス遺伝子である特許
    請求の範囲第30項に記載のベクター。
  33. 【請求項33】前記ベクターがプラスミドである特許請
    求の範囲第18項から32項いずれかの項に記載のべクタ
    ー。
  34. 【請求項34】前記ベクターがウイルスベクターである
    特許請求の範囲第18項から32項いずれかの項に記載のベ
    クター。
JP59221117A 1983-10-20 1984-10-20 遺伝子発現を調節するポリヌクレオチド構築物 Expired - Fee Related JP2651442B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US54352883A 1983-10-20 1983-10-20
US58528284A 1984-03-01 1984-03-01
US585282 1984-03-01
US543528 1984-03-01

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8152740A Division JP2694924B2 (ja) 1983-10-20 1996-06-13 遺伝子発現を調節する方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS60232092A JPS60232092A (ja) 1985-11-18
JP2651442B2 true JP2651442B2 (ja) 1997-09-10

Family

ID=27067361

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP59221117A Expired - Fee Related JP2651442B2 (ja) 1983-10-20 1984-10-20 遺伝子発現を調節するポリヌクレオチド構築物
JP8152740A Expired - Lifetime JP2694924B2 (ja) 1983-10-20 1996-06-13 遺伝子発現を調節する方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8152740A Expired - Lifetime JP2694924B2 (ja) 1983-10-20 1996-06-13 遺伝子発現を調節する方法

Country Status (5)

Country Link
EP (2) EP0140308B2 (ja)
JP (2) JP2651442B2 (ja)
AT (1) ATE198350T1 (ja)
CA (1) CA1341091C (ja)
DE (2) DE3486053T3 (ja)

Families Citing this family (60)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4751181A (en) * 1984-12-31 1988-06-14 Duke University Methods and compositions useful in the diagnosis and treatment of autoimmune diseases
US5580716A (en) * 1985-03-21 1996-12-03 Stephen A. Johnston Parasite-derived resistance
ATE202139T1 (de) * 1985-03-21 2001-06-15 Johnston Stephen Ph D Von parasit gewonnener widerstand
US6617496B1 (en) 1985-10-16 2003-09-09 Monsanto Company Effecting virus resistance in plants through the use of negative strand RNAs
US5107065A (en) * 1986-03-28 1992-04-21 Calgene, Inc. Anti-sense regulation of gene expression in plant cells
US5453566A (en) * 1986-03-28 1995-09-26 Calgene, Inc. Antisense regulation of gene expression in plant/cells
US5276019A (en) * 1987-03-25 1994-01-04 The United States Of America As Represented By The Department Of Health And Human Services Inhibitors for replication of retroviruses and for the expression of oncogene products
CA2105595A1 (en) * 1992-09-23 1994-03-24 Ramaswamy Narayanan Antisense polynucleotides
FR2730637B1 (fr) 1995-02-17 1997-03-28 Rhone Poulenc Rorer Sa Composition pharmaceutique contenant des acides nucleiques, et ses utilisations
WO1998014567A2 (en) * 1996-10-01 1998-04-09 Advanced Research & Technology Institute Methods and compositions for inhibiting bacterial growth
EP0837142A1 (en) * 1996-10-15 1998-04-22 Smithkline Beecham Corporation Method for determining gene essentiality in a pathogen
US6139817A (en) * 1996-10-15 2000-10-31 Smithkline Beecham Corporation Method for determining gene essentiality in a pathogen
CA2270153A1 (en) * 1996-11-06 1998-05-14 Smithkline Beecham Corporation Methods for identifying genes essential to the growth of an organism
US7008776B1 (en) 1996-12-06 2006-03-07 Aventis Pharmaceuticals Inc. Compositions and methods for effecting the levels of high density lipoprotein (HDL) cholesterol and apolipoprotein AI very low density lipoprotein (VLDL) cholesterol and low density lipoprotein (LDL) cholesterol
US6884430B1 (en) 1997-02-10 2005-04-26 Aventis Pharma S.A. Formulation of stabilized cationic transfection agent(s) /nucleic acid particles
US6483009B1 (en) 1997-02-21 2002-11-19 Danisco A/S Antisense intron inhibition of starch branching enzyme expression
CA2254785A1 (en) * 1997-03-10 1998-09-17 Japan Tobacco Inc. Antisense base sequences
US6586661B1 (en) 1997-06-12 2003-07-01 North Carolina State University Regulation of quinolate phosphoribosyl transferase expression by transformation with a tobacco quinolate phosphoribosyl transferase nucleic acid
DE69826124T3 (de) 1997-06-30 2007-10-11 Institut Gustave Roussy Verabreichung der nukleinsäure in den quergestreiften muskel
WO1999035241A1 (en) 1998-01-08 1999-07-15 Aventis Pharmaceuticals Products Inc. Transgenic rabbit that expresses a functional human lipoprotein (a)
CZ295108B6 (cs) 1998-03-20 2005-05-18 Benitec Australia Ltd Syntetický gen obsahující dispergovanou nebo cizorodou deoxyribonukleovou molekulu a genový konstrukt obsahující tento syntetický gen
AUPP249298A0 (en) 1998-03-20 1998-04-23 Ag-Gene Australia Limited Synthetic genes and genetic constructs comprising same I
US20040214330A1 (en) 1999-04-07 2004-10-28 Waterhouse Peter Michael Methods and means for obtaining modified phenotypes
US8598332B1 (en) 1998-04-08 2013-12-03 Bayer Cropscience N.V. Methods and means for obtaining modified phenotypes
ATE507299T1 (de) 1998-04-08 2011-05-15 Commw Scient Ind Res Org Verfahren und mittel zum erhalt von veränderten phänotypen
US7148400B1 (en) 1999-04-20 2006-12-12 Bayer Bioscience N.V. Methods and means for delivering inhibitory RNA to plants and applications thereof
US6423885B1 (en) 1999-08-13 2002-07-23 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organization (Csiro) Methods for obtaining modified phenotypes in plant cells
FR2799472B1 (fr) 1999-10-07 2004-07-16 Aventis Pharma Sa Preparation d'adenovirus recombinants et de banques adenovirales
GB0018307D0 (en) 2000-07-26 2000-09-13 Aventis Pharm Prod Inc Polypeptides
KR100811571B1 (ko) 2000-03-31 2008-03-10 아벤티스 파마슈티칼스 인크. 핵 인자 κB 유도 인자
CA2416289C (en) 2000-07-21 2012-12-04 Essentia Biosystems, Inc. Multi-component biological transport systems
US7192771B2 (en) 2000-08-30 2007-03-20 North Carolina State University Plant promoter sequence
AU1480402A (en) 2000-11-09 2002-05-21 Commw Scient Ind Res Org Barley with reduced SSII activity and starch containing products with a reduced amylopectin content
IL159213A0 (en) 2001-06-08 2004-06-01 Vector Tobacco Ltd Modifying nicotine and nitrosamine levels in tobacco
US7491506B2 (en) 2001-06-21 2009-02-17 The Regents Of The University Of California Inhibition of B-cell maturation and antibody production
FR2829136B1 (fr) 2001-08-29 2006-11-17 Aventis Pharma Sa Derives lipidiques d'aminoglycosides
EP1479985B1 (en) 2002-01-17 2017-06-14 Alfa Laval Corporate AB Submerged evaporator comprising a plate heat exchanger and a cylindric casing where the plate heat exchanger is arranged
AU2003209814B2 (en) 2002-03-14 2008-12-04 Commonwealth Scientific & Industrial Research Organisation Modified gene-silencing RNA and uses thereof
DE10212892A1 (de) 2002-03-20 2003-10-09 Basf Plant Science Gmbh Konstrukte und Verfahren zur Regulation der Genexpression
US7812221B2 (en) 2003-06-30 2010-10-12 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organization Wheat with altered branching enzyme activity and starch and starch containing products derived therefrom
WO2005033275A2 (en) 2003-09-29 2005-04-14 The Regents Of The University Of California Methods for altering hematopoietic progenitor cell adhesion, differentiation, and migration
US7129042B2 (en) 2003-11-03 2006-10-31 Diagnostic Hybrids, Inc. Compositions and methods for detecting severe acute respiratory syndrome coronavirus
JP5638736B2 (ja) 2004-12-30 2014-12-10 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オーガナイゼーション 腸の健康を改善する方法および手段
FR2881143B1 (fr) 2005-01-27 2010-12-17 Librophyt Systeme de production de terpenoides dans les plantes
WO2007092471A2 (en) 2006-02-03 2007-08-16 The Regents Of The University Of California Methods for inhibition of lymphangiogenesis and tumor metastasis
EP2436769B1 (en) 2006-06-07 2015-04-01 Yissum Research Development Company of the Hebrew University of Jerusalem Ltd. Plant expression constructs and methods of utilizing same
MY151438A (en) 2006-07-28 2014-05-30 Sanofi Aventis Compositions and method for treatment of tumors
JP2011507506A (ja) 2007-12-21 2011-03-10 ケイヘーネ・エヌ・ブイ トリコーム特異的なプロモーター
EP2100962A1 (en) 2008-03-12 2009-09-16 Biogemma Plants having improved resistance to pathogens
US8790664B2 (en) 2008-09-05 2014-07-29 Institut National De La Sante Et De La Recherche Medicale (Inserm) Multimodular assembly useful for intracellular delivery
EP2249160A1 (en) 2009-04-27 2010-11-10 Centre National de la Recherche Scientifique VDAC3-S as a cell marker
CN102459615B (zh) 2009-06-08 2017-05-03 纽海姆有限公司 耐旱植物
WO2011147968A1 (en) 2010-05-28 2011-12-01 Nunhems B.V. Plants with increased fruit size
EP2525224A1 (en) 2011-05-19 2012-11-21 Centre National de la Recherche Scientifique VDAC1-S as a cell marker
FR2986803A1 (fr) 2012-02-13 2013-08-16 Apex Biosolutions Cytomegalovirus humain oncogenique
MX2015014666A (es) 2013-04-17 2016-03-01 Pfizer Derivados de n-piperidin-3-ilbenzamida para tratar enfermedades cardiovasculares.
WO2016075314A1 (fr) 2014-11-13 2016-05-19 Institut National De La Recherche Agronomique Identification de facteurs de transcription de yarrowia lipolytica affectant la production de proteines
FR3028527A1 (fr) 2014-11-13 2016-05-20 Pivert Identification de facteurs de transcription de yarrowia lipolytica
WO2017039452A1 (en) 2015-09-04 2017-03-09 Keygene N.V. Diplospory gene
FR3081169B1 (fr) 2018-05-15 2020-06-19 Messenger Biopharma Substitution de la coiffe des arn messagers par deux sequences d'arn introduites a leur extremite 5'

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS581451Y2 (ja) * 1979-11-13 1983-01-11 浜野 純一 自動充填機における袋供給送り装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE3486053T2 (de) 1993-05-19
DE3486479D1 (de) 2001-02-01
ATE198350T1 (de) 2001-01-15
DE3486053T3 (de) 2004-01-08
EP0467349A1 (en) 1992-01-22
DE3486479T2 (de) 2001-09-20
EP0140308A2 (en) 1985-05-08
EP0140308A3 (en) 1987-05-27
EP0140308B2 (en) 2001-10-17
JP2694924B2 (ja) 1997-12-24
EP0140308B1 (en) 1993-01-27
DE3486053D1 (de) 1993-03-11
JPS60232092A (ja) 1985-11-18
EP0467349B1 (en) 2000-12-27
CA1341091C (en) 2000-09-05
JPH09135686A (ja) 1997-05-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2651442B2 (ja) 遺伝子発現を調節するポリヌクレオチド構築物
US5272065A (en) Regulation of gene expression by employing translational inhibition of MRNA utilizing interfering complementary MRNA
US5190931A (en) Regulation of gene expression by employing translational inhibition of MRNA utilizing interfering complementary MRNA
US5208149A (en) Nucleic acid constructs containing stable stem and loop structures
JP4321877B2 (ja) トランス―スプライスにより生成される治療用分子
KR102072013B1 (ko) 암호화된 치료 단백질의 발현을 증가시키기 위한 히스톤 스템-루프 및 폴리(a) 서열 또는 폴리아데닐화 신호를 포함하거나 암호화하는 핵산
Miki et al. Construction of a plasmid vector for the regulatable high level expression of eukaryotic genes in Escherichia coli: an application to overproduction of chicken lysozyme
WO2008140126A1 (ja) 1本鎖環状rnaおよびその製造方法
US5591601A (en) DNA polymerase gene expression system utilizing an RNA polymerase co-delivered with the gene expression vector system
JP3330930B2 (ja) Rnaの機能を阻害するための遺伝子単位
JP2022523794A (ja) 環状ポリリボヌクレオチド及びその医薬組成物
AU2003284323A2 (en) Double-stranded RNA structures and constructs, and methods for generating and using the same
WO2004035765A2 (en) Double-stranded rna structures and constructs, and methods for generating and using the same
WO2004011624A2 (en) Double stranded rna structures and constructs, and methods for generating and using the same
KR100356581B1 (ko) 플라스미드의안정화
Lin et al. Cloning and expression of T4 DNA polymerase.
Petersen The functional stability of the lacZ transcript is sensitive towards sequence alterations immediately downstream of the ribosome binding site
Avedissian et al. Regulation of the Caulobacter crescentus dnaKJ operon
Okamoto et al. Evidence in vivo for autogenous control of the cyclic AMP receptor protein gene (crp) in Escherichia coli by divergent RNA
WO2021155171A1 (en) Delivery of compositions comprising circular polyribonucleotides
Webster et al. Bacteriophage T4 regA protein binds to the Shine-Dalgarno region of gene 44 mRNA
WO2023031856A1 (en) Compositions and methods for rna affinity purification
JP5017118B2 (ja) 組換えタンパク質をインビボ生産するための、非常に豊富な転写産物の標的化トランススプライシング
WO2004007715A1 (ja) 標的核酸への変異の導入方法
TW202322826A (zh) 用於純化多核糖核苷酸之組成物及方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees