JP2022523794A - 環状ポリリボヌクレオチド及びその医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、概して、環状ポリリボヌクレオチドの医薬組成物及び調製並びにその使用に関する。

Description

相互参照
本出願は、2019年3月4日に出願された米国仮特許出願第62/813,666号、2019年3月28日に出願された米国仮特許出願第62/825,683号、2019年4月29日に出願された米国仮特許出願第62/840,174号、及び2020年1月29日に出願された米国仮特許出願第62/967,545号の利益を主張するものであり、これらの全内容が参照により援用される。
特定の環状ポリリボヌクレオチドは、健常人の組織及び細胞を含むヒト組織及び細胞中に遍在的に存在する。
本開示は、規定された又は減少した量の線状ポリリボヌクレオチド分子を有する環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬組成物又は製剤、及びそれに関連する方法を提供する。本発明者らは、環状ポリリボヌクレオチド医薬組成物又は製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子が、環状ポリリボヌクレオチド医薬組成物又は製剤から検出、監視及び/又は制御され、例えば、減少又は精製されるべきであることを見出した。
医薬製剤
一態様において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤は、規定の方法によって測定した際に所定の閾値未満のレベルの線状ポリリボヌクレオチド分子を含み、例えば、製剤は、医薬品放出規格(pharmaceutical release specification)を満たすレベルの線状ポリリボヌクレオチド分子を含み、例えば、製剤は、本明細書において以下に記載される規格(例えば、w/v規格又はw/w規格)を満たすレベルの線状ポリリボヌクレオチド分子を含む。ある場合において、規格は、規定の方法によって測定した際に検出限界未満のレベルであり得る。
別の態様において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤は、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、200g/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1mg/ml、1.5mg/ml、又は2mg/ml以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む。
別の態様において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤は、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.1%(w/w)、99.2%(w/w)、99.3%(w/w)、99.4%(w/w)、99.5%(w/w)、99.6%(w/w)、99.7%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、又は100%(w/w)の環状ポリリボヌクレオチド分子を含む。ある実施形態において、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.1%(w/w)、99.2%(w/w)、99.3%(w/w)、99.4%(w/w)、99.5%(w/w)、99.6%(w/w)、99.7%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、又は100%(w/w)が、環状ポリリボヌクレオチド分子である。ある実施形態において、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の少なくとも91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)又は99%(w/w)が、環状ポリリボヌクレオチド分子である。
別の態様において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤は、精製工程前の製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子のレベルと比較して、精製工程後(例えば、1つ又は複数の精製工程後)に、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、少なくとも70%(w/w)、少なくとも80%(w/w)、少なくとも90%(w/w)、又は少なくとも95%(w/w)だけ減少されるレベルの線状ポリリボヌクレオチド分子を有する。
別の態様において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤は、環状ポリリボヌクレオチド分子及び医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の5%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子を含む。ある実施形態において、医薬組成物は、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、3%(w/w)、2%(w/w)、1%(w/w)、又は0.5%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子を含む。ある実施形態において、医薬組成物は、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の2%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子を含む。
別の態様において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤は、環状ポリリボヌクレオチド分子及び製剤中の全リボヌクレオチド分子の0.5%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、又は10%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む。
上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤は、環状ポリリボヌクレオチド分子及び製剤中の全リボヌクレオチド分子の0.5%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、又は5%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む。
上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、発現産物をコードする配列、又は複数の配列、例えば、治療用タンパク質又は核酸をコードする例えば治療的発現産物を含む。上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、足場を含む配列、又は複数の配列(例えば、アプタマー配列)を含む。
上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子のレベルは、顕微鏡法、分光測色法、蛍光分析法、変性尿素ポリアクリルアミドゲル電気泳動イメージング、UV-Vis分光測色法、RNA電気泳動、RNAse H分析、UV分光学的若しくは蛍光検出器、光散乱技術、HPLCを含む分離の方法の使用を用いるか若しくは用いない表面プラズモン共鳴(SPR)、HPLCによるもの、分離前若しくは分離後の誘導体化方法の使用を用いるか若しくは用いないチップ若しくはゲルベースの電気泳動、線状ポリリボヌクレオチド分子の検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を使用する検出方法の使用、又は顕微鏡法、視覚法若しくは分光光度計を用いる方法、又はそれらの任意の組合せを含む任意の好適な方法によって測定され得る。
上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤はまた、精製工程前と比較して、線状ポリリボヌクレオチドを減少させるために、医薬製剤を、富化又は精製工程(又は複数の精製工程)に供したときに、対象への投与後に、免疫又は炎症反応の減少したレベルの1つ以上のマーカーを生じる。ある実施形態において、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーは、サイトカイン又は免疫原性関連遺伝子の発現である。ある実施形態において、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーは、RIG-I、MDA5、PKR、IFN-β、OAS、及びOASLからなる群から選択される遺伝子の発現である。
上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤はさらに、不純物、例えば、プロセス関連不純物又は生成物関連物質を実質的に含まない。ある実施形態において、プロセス関連不純物は、タンパク質(例えば、宿主細胞タンパク質などの細胞タンパク質)、デオキシリボ核酸(例えば、宿主細胞デオキシリボ核酸などの細胞デオキシリボ核酸)、モノデオキシリボヌクレオチド又はジデオキシリボヌクレオチド分子、酵素(例えば、ヌクレアーゼ又はリガーゼ)、試薬成分、ゲル成分、又はクロマトグラフィー材料を含む。ある実施形態において、不純物は、緩衝液試薬、リガーゼ、ヌクレアーゼ(例えば、エキソヌクレアーゼ又はエンドヌクレアーゼ)、RNase阻害剤、RNase R、デオキシリボヌクレオチド分子、アクリルアミドゲル破片、及びモノデオキシリボヌクレオチド分子から選択される。ある実施形態において、医薬製剤は、環状ポリリボヌクレオチド分子のミリグラム(mg)当たり、0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、又は500ng未満のタンパク質汚染のタンパク質汚染を含む。
上に列挙される各態様のある実施形態において、医薬製剤はさらに、医薬品不純物又は汚染物質を実質的に含まず、例えば、医薬製剤は、リムルス変形細胞溶解物試験によって測定した際に、10EU/kg未満のエンドトキシンを含むか、又はエンドトキシンを含まない。ある実施形態において、医薬製剤は、滅菌前に、100CFU/100ml未満又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含む。ある実施形態において、医薬製剤は、滅菌医薬製剤である。ある実施形態において、滅菌医薬製剤は、無菌状態で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援する。ある実施形態において、医薬製剤は、本出願の出願日の時点で公表されていた米国薬局方(the U.S.Pharmacopeia)chapter 71(USP<71>)の標準を満たす。ある実施形態において、医薬製剤は、本出願の出願日の時点で公表されていた米国薬局方(U.S.Pharmacopeia)chapter 85(USP<85>)の標準を満たす。
上に列挙される各態様のある実施形態において、製剤の線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物又は環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物のフラグメントを含む。上に列挙される各態様のある実施形態において、製剤の線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物(例えば、環状化前形態(pre-circularized version))を含む。ある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物又はそのフラグメント、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子非同等物又はそのフラグメント、又はそれらの組合せを含む。ある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物(例えば、環状化前形態)、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子非同等物、又はそれらの組合せを含む。上に列挙される各態様のある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子フラグメントは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、11000、12000、若しくはそれ以上のヌクレオチド長、又はそれらの間の任意のヌクレオチド数であるフラグメントである。
上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、疑似らせん構造を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、疑似二本鎖二次構造を含む。上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、少なくとも1つの発現配列の3’末端に、1つ以上の発現配列及びスタガー要素を含む。上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、1つ以上のアプタマー配列を含む。上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、内在性又は天然の環状ポリリボヌクレオチド配列をコードする配列を有する。
上に列挙される各態様のある実施形態において、医薬製剤は、最終的な環状ポリリボヌクレオチド薬剤製品の中間の医薬製剤である。ある実施形態において、医薬製剤は、原薬又は医薬品有効成分(API)である。ある実施形態において、医薬製剤は、対象に投与するための薬剤製品である。
上に列挙される各態様のある実施形態において、医薬製剤は、少なくとも0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、60μg/mL、70μg/mL、80μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、300μg/mL、500μg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、4mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、100mg/mL、200mg/mL、又は500mg/mLの環状ポリリボヌクレオチド分子の濃度を含む。
上に列挙される各態様のある実施形態において、医薬製剤は、DNAがゼロであるか、DNAを実質的に含まないか、又は1pg/ml、10pg/ml、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、又は1μg/mL以下のDNAを含む。ある実施形態において、DNAは、モノデオキシリボヌクレオチド、ジデオキシリボヌクレオチド分子、ポリデオキシリボヌクレオチド分子、又はそれらの任意の組合せを含む。ある実施形態において、医薬製剤は、分光光度計によって測定した際に、約1.6~2.3のA260/A280吸光度比を有する。ある実施形態において、医薬製剤のDNA濃度は、定量液体クロマトグラフィー-質量分析法(LC-MS)によってヌクレオシドを消化する酵素による全DNA消化後に測定され、ここで、DNAの含量が、LC-MSによって測定した際に、各塩基(すなわち、A、C、G、T)の標準曲線から逆算される。
上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子と比較した線状ポリリボヌクレオチド分子の量は、実施例2又は実施例3の方法を用いて決定される。ある実施形態において、医薬製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量は、実施例2の方法を用いて決定される。ある実施形態において、医薬製剤中の環状ポリリボヌクレオチド分子の量は、実施例3の方法を用いて決定される。
ポリリボヌクレオチドの医薬製剤を作製する方法
別の態様において、医薬組成物を作製する方法は、a)環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と、b)線状ポリリボヌクレオチド分子の量を減少させるように、製剤を処理する工程と、c)任意選択的に、処理工程の前、その間、及び/又はその後、製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と、d)製剤をさらに処理して、医薬用途のための医薬組成物を生成する工程とを含む。ある実施形態において、工程d)のさらなる処理は、i)DNA及び/又はタンパク質(例えば、宿主細胞タンパク質などの細胞タンパク質)及び/又はエンドトキシンを実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;ii)製剤中のDNA及び/又はタンパク質(例えば、宿主細胞タンパク質などの細胞タンパク質)及び/又はエンドトキシンの量を評価する工程と;iii)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;iv)任意選択的に、製剤を濃縮する工程とのうちの1つ以上を含む。
別の態様において、医薬品原薬(pharmaceutical drug substance)を作製する方法は、a)環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と、b)製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と、c)製剤が、製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準(例えば、医薬品放出基準、例えば、本明細書に記載される医薬品放出基準又は参照基準)を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を医薬品原薬として処理する工程とを含む。
別の態様において、医薬品原薬を作製する方法は、a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;b)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;c)製剤中に残っている線状ポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;d)製剤が、製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を医薬品原薬として処理する工程とを含む。
別の態様において、医薬品原薬を作製する方法は、a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;b)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;c)製剤中に残っている線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;d)製剤が、製剤中に存在する線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を医薬品原薬として処理する工程とを含む。
別の態様において、医薬品製品(pharmaceutical drug product)を作製する方法は、a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;b)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;c)製剤中の線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量を測定する工程と;d)製剤が、製剤中に存在する線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を医薬品製品として製剤化する工程と;e)それが、医薬品製品中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、医薬品製品にラベルを付け、出荷する工程とを含む。
別の態様において、医薬品製品を作製する方法は、a)環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と、b)それが、製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を医薬品製品として製剤化する工程と、c)医薬品製品のサンプル中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量を測定する工程と、d)それが、医薬品製品中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、医薬品製品を製剤化し、ラベルを付け、及び/又は出荷する工程とを含む。
別の態様において、医薬品製品を作製する方法は、a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;b)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;c)製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量を測定する工程と;d)製剤が、製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を医薬品製品として製剤化する工程と;e)それが、医薬品製品中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、医薬品製品にラベルを付け、出荷する工程とを含む。
別の態様において、医薬組成物を作製する方法は、a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;b)線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を得る工程と;c)製剤中に残っている線状ポリリボヌクレオチド分子を実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;d)任意選択的に、処理工程後に残っている製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;e)製剤をさらに処理して、医薬用途のための医薬組成物を生成する工程とを含む。ある実施形態において、本方法は、f)デオキシリボヌクレオチド分子を実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;g)製剤中のデオキシリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;h)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;i)製剤を濃縮する工程と;j)製剤中のデオキシリボヌクレオチド分子の量を、印刷又はデジタルメディアに記録する工程とのうちの1つ以上をさらに含む。ある実施形態において、本方法は、f)タンパク質汚染を実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;g)製剤中のタンパク質汚染の量を評価する工程と;h)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;及びi)製剤を濃縮する工程とをさらに含む。ある実施形態において、工程d)のさらなる処理は、f)エンドトキシンを実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;g)製剤中のエンドトキシンの量を評価する工程と;h)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;i)製剤を濃縮する工程とのうちの1つ以上を含む。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、環状化工程は、スプリントライゲーションによって行われる。上記の態様のそれぞれのある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を製剤化する工程は、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を、医薬品賦形剤と組み合わせることを含む。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、本方法は、製剤中のポリリボヌクレオチド分子(例えば、線状ポリリボヌクレオチド分子及び/又は環状ポリリボヌクレオチド分子)の量を、印刷又はデジタルメディアに、例えば、製剤の分析のための証明書に記録する工程をさらに含む。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、製剤化工程は、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を、医薬品賦形剤と組み合わせることを含む。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、参照基準は、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤についての医薬品放出規格である。例えば、参照基準は、以下のうちの1つ以上であり得る:(a)医薬製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量は、特定の量、例えば、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、1μg/ml、5μg/ml、10μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、200ug/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、50mg/ml、100mg/ml、200mg/ml、300mg/ml、400mg/ml、500mg/ml、600mg/ml、700mg/ml又は750mg/ml以下の線状ポリリボヌクレオチド分子であり;(b)医薬品製品又は医薬品原薬は、少なくとも特定の量、例えば、0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、60μg/mL、70μg/mL、80μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、300μg/mL、500μg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、100mg/mL、200mg/mL、500mg/mL、600mg/ml、700mg/ml、又は750mg/mlの環状ポリリボヌクレオチド分子の濃度を含み;又は(c)医薬品製品又は医薬品原薬は、少なくとも特定の量、例えば、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.1%(w/w)、99.2%(w/w)、99.3%(w/w)、99.4%(w/w)、99.5%(w/w)、99.6%(w/w)、99.7%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、又は100%(w/w)の環状ポリリボヌクレオチド分子を含む。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、製剤中に存在する線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、a)製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、20%、15%、10%、5%、2%、1%、若しくは0.5%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子;b)製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、若しくは0.1%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子;又はc)製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、20%、15%、10%、5%、2%、1%、若しくは0.5%(w/w)以下の組み合わされた線状及びニックポリリボヌクレオチド分子から選択される。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の少なくとも80%(w/w)は、環状ポリリボヌクレオチド分子である。上記の態様のそれぞれのある実施形態において、医薬組成物は、製剤中の全リボヌクレオチド分子の20%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む。上記の態様のそれぞれのある実施形態において、医薬組成物は、製剤中の全リボヌクレオチド分子の10%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、医薬製剤中の環状ポリリボヌクレオチド分子(例えば、全リボヌクレオチド分子に対する)は、顕微鏡法、分光測色法、蛍光分析法、変性尿素ポリアクリルアミドゲル電気泳動イメージング、UV-Vis分光測色法、RNA電気泳動、RNAse H分析、UV分光学的若しくは蛍光検出器、光散乱技術、HPLCを含む分離の方法の使用を用いるか若しくは用いない表面プラズモン共鳴(SPR)、HPLC、分離前若しくは分離後の誘導体化方法を用いた若しくは用いないチップ若しくはゲルベースの電気泳動、線状ポリリボヌクレオチド分子の検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を使用する検出方法の使用、又は顕微鏡法、視覚法若しくは分光光度計を用いる方法によって測定される。例えば、全リボヌクレオチド分子に対する環状ポリリボヌクレオチドの量は、実施例2又は実施例3の方法を用いて決定され得る。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、医薬品製品又は医薬品原薬はさらに、(a)リムルス変形細胞溶解物試験によって測定した際に、10EU/kg未満のエンドトキシンを含むか、又はエンドトキシンを含まず;(b)滅菌前に、100CFU/100ml未満又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含み;(c)滅菌薬剤製品又は滅菌原薬であり;(d)無菌状態で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援し;及び/又は(e)USP<71>又はUSP<85>の標準を満たす。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、少なくとも1つの発現配列の3’末端に、1つ以上の発現配列及びスタガー要素を含む。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、製剤は、製剤中に存在するDNA(例えば、宿主細胞DNAなどの細胞DNA)の量についての参照基準をさらに満たす。ある実施形態において、製剤中に存在するDNA分子の量についての参照基準は、特定の量以下の存在、例えば、DNA分子がゼロであるか、DNA分子を実質的に含まないか、又は1pg/ml、10pg/ml、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、若しくは500ng/ml、1μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、若しくは100μg/mL以下のDNA分子の存在である。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、製剤は、製剤中に存在するタンパク質汚染(例えば、宿主細胞タンパク質などの細胞タンパク質又はプロセス関連のタンパク質不純物、例えば、酵素)の量についての参照基準をさらに満たす。ある実施形態において、製剤中に存在するタンパク質汚染の量についての参照基準は、特定の量未満、例えば、環状ポリリボヌクレオチド分子のミリグラム(mg)当たり、0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、又は500ng未満のタンパク質汚染である。上記の態様のそれぞれのある実施形態において、タンパク質汚染は、酵素を含む。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、医薬品製品又は医薬品原薬は、分光光度計によって測定した際に約1.6~2.3のA260/A280吸光度比を含む。
上記の態様のそれぞれのある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物又は環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物のフラグメントを含む。上記の態様のそれぞれのある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物(例えば、環状化前形態)を含む。上記の態様のそれぞれのある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物又はそのフラグメント、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子非同等物又はそのフラグメント、又はそれらの組合せを含む。上記の態様のそれぞれのある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物(例えば、環状化前形態)、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子非同等物、又はそれらの組合せを含む。
上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、発現産物をコードする配列、又は複数の配列、例えば、治療用タンパク質又は核酸をコードする例えば治療的発現産物を含む。上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、足場を含む配列(例えば、アプタマー配列)を有する。上記の態様のそれぞれのある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、内在性又は天然の環状ポリリボヌクレオチド配列をコードする配列を有する。このような実施形態において、医薬製剤は、配列、例えば、発現産物をコードする参照配列に対して、少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、97%、99%、100%、又はそれらの間の任意のパーセンテージ)の配列同一性を有する配列を有する環状ポリリボヌクレオチド分子についての参照基準をさらに満たし得る。
使用の方法
別の態様において、環状ポリリボヌクレオチド分子を、対象の細胞又は組織、又は対象に送達する方法は、本明細書に記載される医薬製剤、本明細書に記載される医薬組成物、本明細書に記載される医薬品原薬、又は本明細書に記載される医薬品製品を、対象の細胞又は組織、又は対象に投与する工程を含み、ここで、環状ポリリボヌクレオチド分子は、細胞、組織、又は対象、例えば、投与工程の少なくとも3日後(例えば、少なくとも4、5、6、7、10、12、15、20、24日若しくはそれ以上、又はそれらの間の任意の日の後)に検出される。
別の態様において、環状ポリリボヌクレオチド分子を、対象の細胞又は組織、又は対象に送達する方法は、本明細書に記載される医薬製剤、本明細書に記載される医薬組成物、本明細書に記載される医薬品原薬、又は本明細書に記載される医薬品製品を、対象の細胞又は組織、又は対象に投与する工程を含み、ここで、環状ポリリボヌクレオチド又は環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物は、投与工程の少なくとも3日後に、細胞、組織、又は対象において検出される。
別の態様において、治療用製品を、それを必要とする対象の細胞又は組織、又は対象に送達する方法は、本明細書に記載される医薬製剤、本明細書に記載される医薬組成物、本明細書に記載される医薬品原薬、又は本明細書に記載される医薬品製品を、対象の細胞又は組織、又は対象に投与する工程を含む。各上記の態様のある実施形態において、組成物又は製剤の環状ポリリボヌクレオチド分子は、治療用製品を含む配列を有する環状ポリリボヌクレオチド分子を含み、環状ポリリボヌクレオチド分子から転写又は翻訳された治療用製品が、細胞、組織、又は対象において、例えば、投与工程の少なくとも3日後(例えば、少なくとも4、5、6、7、10、12、15、20、24日若しくはそれ以上、又はそれらの間の任意の日の後)に検出される。この態様のある実施形態において、組成物又は製剤の環状ポリリボヌクレオチド分子は、アプタマーを含む配列を有する環状ポリリボヌクレオチド分子を含み、環状ポリリボヌクレオチド分子は、細胞、組織、又は対象において、投与工程の少なくとも3日後(例えば、少なくとも4、5、6、7、10、12、15、20、24日若しくはそれ以上、又はそれらの間の任意の日の後)に検出される。この態様のある実施形態において、組成物又は製剤の環状ポリリボヌクレオチドは、内在性又は天然の環状ポリリボヌクレオチド分子配列を有する環状ポリリボヌクレオチド分子を含み、内在性又は天然の環状ポリリボヌクレオチド分子は、細胞、組織、又は対象において、投与工程の少なくとも3日後(例えば、少なくとも4、5、6、7、10、12、15、20、24日若しくはそれ以上、又はそれらの間の任意の日の後)に検出される。
別の態様において、非経口核酸送達系は、(i)本明細書に記載される医薬製剤、本明細書に記載される医薬組成物、本明細書に記載される医薬品原薬、又は本明細書に記載される医薬品製品、及び(ii)非経口で許容される希釈剤を含む。この態様のある実施形態において、医薬製剤、医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品は、任意の担体を含まない。
別の態様において、環状ポリリボヌクレオチドを送達する方法は、それを必要とする対象に、本明細書に記載される医薬製剤、本明細書に記載される医薬組成物、本明細書に記載される医薬品原薬、又は本明細書に記載される医薬品製品を非経口的に投与する工程を含む。この態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、対象における生物学的反応を引き起こす又は誘導するのに有効な量である。この態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、対象における細胞又は組織に対する生物学的影響を与えるのに有効な量である。この態様のある実施形態において、非経口投与は、静脈内に、筋肉内に、眼内に又は局所的に行われる。
別の態様において、環状ポリリボヌクレオチドを対象の細胞又は組織に送達する方法は、細胞又は組織に、本明細書に記載される医薬製剤、本明細書に記載される医薬組成物、本明細書に記載される医薬品原薬、又は本明細書に記載される医薬品製品を非経口的に投与する工程を含む。この態様のある実施形態において、非経口投与は、静脈内に、筋肉内に、眼内に又は局所的に行われる。
各上記の態様のある実施形態において、本方法は、投与工程前の、細胞、組織又は対象における環状ポリリボヌクレオチド分子又は環状ポリリボヌクレオチド分子から翻訳された産物の存在を評価する工程をさらに含む。各上記の態様のある実施形態において、本方法は、投与工程後(例えば、投与工程の24時間、48時間、72時間、4日、7日、14日若しくはそれ以上、又はそれらの間の任意の日の後)の、細胞、組織又は対象における環状ポリリボヌクレオチド分子又は環状ポリリボヌクレオチド分子から翻訳された産物の存在を評価する工程をさらに含む。上記の態様のそれぞれのある実施形態において、医薬製剤、医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品は、希釈剤(例えば、非経口で許容される希釈剤)を含み、任意の担体を含まない。
定義
本発明は、特定の実施形態に関して及び特定の図を参照して説明されるが、本発明は、それらに限定されず、特許請求の範囲のみによって限定される。これ以降に記載される用語は、一般に、特に示されない限り、それらの一般的な意味で理解されるべきである。
「によって得ることができる」、「によって生成可能である」などの用語は、請求項又は実施形態が化合物、組成物、生成物など自体を指す、すなわち、化合物、組成物、生成物などが、化合物、組成物、生成物などの製造について記載される方法によって得ることができるか又は生成可能であるが、化合物、組成物、生成物などが、記載される方法以外の方法によっても得られるか又は生成され得ることを示すのに使用される。「によって得られる」、「によって生成される」などの用語は、化合物、組成物、生成物が、記載される特定の方法によって得られるか又は生成されることを示す。「によって得ることができる」、「によって生成可能である」などの用語は、「によって得ることができる」、「によって生成可能である」などの好ましい実施形態として、「によって得られる」、「によって生成される」などの用語も開示することが理解されるべきである。
「処置、調節などのための化合物、組成物、生成物など」という表現は、処置、調節などの示される目的に好適な化合物、組成物、生成物など自体を指すことが理解されるべきである。「処置、調節などのための化合物、組成物、生成物など」という表現は、好ましい実施形態として、このような化合物、組成物、生成物などが処置、調節などに使用するためのものであることをさらに開示する。
「に使用するための化合物、組成物、生成物など」又は「のための薬剤、医薬組成物、獣医用組成物、診断用組成物などの製造における化合物、組成物、生成物などの使用」という表現は、このような化合物、組成物、生成物などが、ヒト又は動物の身体において実施され得る治療方法に使用されるものであることを示す。それらは、処置などの方法に関する実施形態及び請求項の均等な開示であると考えられる。実施形態又は請求項が、このように、「疾患に罹患している疑いのあるヒト又は動物を処置するのに使用するための化合物」を指す場合、これは、「疾患に罹患している疑いのあるヒト又は動物を処置するための薬剤の製造における化合物の使用」又は「疾患に罹患している疑いのあるヒト又は動物に化合物を投与することによる処置の方法」の開示であるとも考えられる。「処置、調節などのための化合物、組成物、生成物など」という表現は、処置、調節などの示される目的に好適な化合物、組成物、生成物など自体を指すことが理解されるべきである。
「医薬組成物」という用語は、医薬組成物内に含まれる環状ポリリボヌクレオチドが治療によるヒト又は動物の身体の処置のために使用され得ることも開示することが意図される。したがって、それは、「治療に使用するための環状ポリリボヌクレオチド」と同等であることが意図される。
本明細書に記載される、環状ポリリボヌクレオチド分子、このような環状ポリリボヌクレオチド分子を含む組成物、このような環状ポリリボヌクレオチドを作製及び使用する方法などは、環状RNA製剤における線状RNA分子の影響(例えば、実施例1~12)、及び(例えば、実施例13を参照)異なる要素、例えば複製要素、発現配列、スタガー要素及びエンクリプトゲン(例えば、実施例13を参照)又は例えば発現配列、スタガー要素及び調節要素(例えば、実施例34及び44を参照)を含む環状ポリリボヌクレオチドエフェクターの作製及び使用、並びにそれらの技術効果(例えば、実施例43及び44における線状同等物より増加した翻訳効率並びに実施例33及び実施例60における線状同等物より増加した半減期)を示す実施例に部分的に基づいている。これ以降の説明が、実施例において考えられる特定の発見及び組合せの様々な変形を想定していることは、特にこれらの実施例に基づいている。
本明細書において使用される際、「全リボヌクレオチド分子」という用語は、リボヌクレオチド分子の総質量を基準に測定した際に、線状ポリリボヌクレオチド分子、環状ポリリボヌクレオチド分子、モノマーリボヌクレオチド、他のポリリボヌクレオチド分子、そのフラグメント、及びその修飾形態を含む任意のリボヌクレオチド分子の総量を意味する。
本明細書において使用される際、「環状RNA(circ RNA)」又は「環状ポリリボヌクレオチド」又は「環状RNA(circular RNA)」又は「環状ポリリボヌクレオチド分子」という用語は、同義的に使用され、遊離末端を有さない(すなわち、遊離3’及び/又は5’末端がない)構造を有するポリリボヌクレオチド分子、例えば、共有結合又は非共有結合を介して環状又はエンドレス構造を形成するポリリボヌクレオチド分子を意味する。
本明細書において使用される際、「フラグメント」という用語は、ヌクレオチド分子より短い少なくとも1つのヌクレオチドである、ヌクレオチド分子の任意の部分を意味する。例えば、ヌクレオチド分子は、線状ポリリボヌクレオチド分子であり得、そのフラグメントは、線状ポリリボヌクレオチド分子の一部である、モノリボヌクレオチド又は任意の数の連続ポリリボヌクレオチドであり得る。別の例として、ヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子であり得、そのフラグメントは、環状ポリリボヌクレオチド分子の一部である、ポリリボヌクレオチド又は任意の数の連続ポリリボヌクレオチドであり得る。
本明細書において使用される際、「エンクリプトゲン」という用語は、免疫細胞による検出を低下させ、避け、且つ/若しくは回避し、及び/又は環状ポリリボヌクレオチドに対する免疫応答の誘導を低下させるのに役立つ環状ポリリボヌクレオチドの核酸配列又は構造を指し得る。
本明細書において使用される際、「発現配列」という用語は、産物、例えばペプチド若しくはポリペプチド又は調節核酸をコードする核酸配列である。ペプチド又はポリペプチドをコードする例示的な発現配列は、複数のヌクレオチド三つ組を含むことができ、これらは、それぞれアミノ酸をコードすることができ、「コドン」と呼ばれる。
本明細書において使用される際、「免疫タンパク質結合部位」という用語は、免疫タンパク質に結合するヌクレオチド配列である。ある実施形態において、免疫タンパク質結合部位は、外因性であるものとして環状ポリリボヌクレオチドをマスクするのに役立ち、例えば、免疫タンパク質結合部位は、環状ポリリボヌクレオチドが免疫タンパク質によって認識及び結合されることを防ぐタンパク質(例えば、競合阻害剤)によって結合され得、それにより環状ポリリボヌクレオチドに対する免疫応答を低下させるか又は回避する。本明細書において使用される際、「免疫タンパク質」という用語は、例えば、免疫原、例えば環状ポリリボヌクレオチドなどに対する免疫応答に関連する任意のタンパク質又はペプチドである。免疫タンパク質の非限定的な例としては、T細胞受容体(TCR)、抗体(免疫グロブリン)、主要組織適合性複合体(MHC)タンパク質、補体タンパク質及びRNA結合タンパク質が挙げられる。
本明細書において使用される際、「線状RNA」又は「線状ポリリボヌクレオチド」又は「線状ポリリボヌクレオチド分子」という用語は、同義的に使用され、5’及び3’末端を有するポリリボヌクレオチド分子を意味する。5’及び3’末端の一方又は両方は、遊離末端であっても、又は別の部分に結合されていてもよい。本明細書において使用される際、線状RNAは、環状化を生じておらず(例えば、環状化前である)、例えば、スプリントライゲーション、又は化学的、酵素的、リボザイム若しくはスプライシングに触媒される環状化方法によって、環状化のための出発材料として使用され得る。
本明細書において使用される際、「ニックRNA」又は「ニック線状ポリリボヌクレオチド」又は「ニック線状ポリリボヌクレオチド分子」という用語は、同義的に使用され、環状RNAの切断又は分解から生じる5’及び3’末端を有するポリリボヌクレオチド分子を意味する。
本明細書において使用される際、「非環状RNA」という用語は、全ニックRNA及び線状RNAを意味する。
本明細書において使用される際、「修飾リボヌクレオチド」という用語は、糖、核酸塩基又はヌクレオシド間結合に対する少なくとも1つの修飾を有するヌクレオチドである。
本明細書において使用される際、「疑似らせん構造」という語句は、環状ポリリボヌクレオチドの高次構造であり、ここで、環状ポリリボヌクレオチドの少なくとも一部がらせん構造に折り畳まれる。
本明細書において使用される際、「疑似二本鎖二次構造」という語句は、環状ポリリボヌクレオチドの高次構造であり、ここで、環状ポリリボヌクレオチドの少なくとも一部が内部二本鎖を形成する。
本明細書において使用される際、「調節要素」という用語は、環状ポリリボヌクレオチド内の発現配列の発現を調節する核酸配列などの部分である。
本明細書において使用される際、「反復ヌクレオチド配列」という用語は、DNA若しくはRNAのストレッチ内又はゲノム全体にわたる反復核酸配列である。ある実施形態において、反復ヌクレオチド配列は、ポリCA又はポリTG(UG)配列を含む。ある実施形態において、反復ヌクレオチド配列は、イントロンのAluファミリー中の反復される配列を含む。
本明細書において使用される際、「複製要素」という用語は、複製に有用であるか、又は環状ポリリボヌクレオチドの転写を開始させる配列及び/又はモチーフである。
本明細書において使用される際、「スタガー要素」という用語は、翻訳中のリボソームの休止を誘導するヌクレオチド配列などの部分である。ある実施形態において、スタガー要素は、強いαらせん傾向を有するアミノ酸の非保存配列、続いてコンセンサス配列-D(V/I)ExNPG P(ここで、x=任意のアミノ酸である)である。ある実施形態において、スタガー要素は、グリセロール、非核酸連結部分、化学修飾、修飾核酸又はそれらの任意の組合せなどの化学部分を含み得る。
本明細書において使用される際、「実質的に抵抗性」という用語は、対照と比較してエフェクターに少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%又は99%の抵抗性を有するものである。
本明細書において使用される際、「化学量論的翻訳」という用語は、環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された発現産物の実質的に同等の生成である。例えば、2つの発現配列を有する環状ポリリボヌクレオチドでは、環状ポリリボヌクレオチドの化学量論的翻訳は、2つの発現配列の発現産物が実質的に等しい量を有すること、例えば2つの発現配列間の量の差(例えば、モルの差)が約0又は1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%若しくは20%未満、又はそれらの間の任意のパーセンテージであり得ることを意味する。
本明細書において使用される際、「翻訳開始配列」という用語は、環状ポリリボヌクレオチド中の発現配列の翻訳を開始させる核酸配列である。
本明細書において使用される際、「終止要素」という用語は、環状ポリリボヌクレオチド中の発現配列の翻訳を停止させる核酸配列などの部分である。
本明細書において使用される際、「翻訳効率」という用語は、リボヌクレオチド転写産物からのタンパク質又はペプチド産生の速度又は量である。ある実施形態において、翻訳効率は、例えば、所与の翻訳系、例えばウサギ網状赤血球溶解物のようなインビトロ翻訳系において又は真核細胞若しくは原核細胞のようなインビボ翻訳系において、例えば所与の期間で、タンパク質又はペプチドをコードする所与の量の1転写産物当たりで生成されるタンパク質又はペプチドの量として表され得る。
本明細書において使用される際、「環状化効率」という用語は、得られる環状ポリリボヌクレオチドの、その非環状出発材料と比べた測定値である。
本明細書において使用される際、「免疫原性」という用語は、物質に対する免疫応答を誘導する可能性である。ある実施形態において、生物又はある種の免疫細胞の免疫系が免疫原性物質に曝されたとき、免疫応答が誘導され得る。「非免疫原性」という用語は、物質に対する検出可能な閾値を超える免疫応答の欠如又は非存在である。ある実施形態において、生物又はある種の免疫細胞の免疫系が非免疫原性物質に曝されたとき、免疫応答が検出されない。ある実施形態において、本明細書において提供される非免疫原性環状ポリリボヌクレオチドは、免疫原性アッセイによって測定される際に所定の閾値を超える免疫応答を誘導しない。例えば、免疫原性アッセイを用いて、環状ポリリボヌクレオチド又は炎症マーカーに対して誘起される抗体を測定する際、本明細書において提供される非免疫原性ポリリボヌクレオチドは、所定の閾値より低いレベルで抗体又はマーカーの産生をもたらし得る。所定の閾値は、例えば、対照参照によって誘起される抗体又はマーカーのレベルの1.5倍、2倍、3倍、4倍又は5倍以下であり得る。別の例として、免疫原性アッセイを用いて、環状ポリリボヌクレオチドに対する自然免疫応答を測定する際(炎症マーカーの測定など)、本明細書において提供される非免疫原性ポリリボヌクレオチドは、所定の閾値より低いレベルで自然免疫応答の発生をもたらし得る。所定の閾値は、例えば、対照参照に対する自然応答によって産生されるマーカーのレベルの1.5倍、2倍、3倍、4倍、又は5倍以下であり得る。
本明細書において使用される際、「不純物」という用語は、組成物、例えば、本明細書に記載される医薬組成物中に存在する不要な物質である。ある実施形態において、不純物は、プロセス関連不純物である。ある実施形態において、不純物は、最終組成物中の所望の生成物以外、例えば、本明細書に記載される有効薬剤成分、例えば、環状ポリリボヌクレオチド以外の生成物関連物質である。本明細書において使用される際、「プロセス関連不純物」という用語は、本明細書に記載される線状ポリリボヌクレオチド以外の、最終組成物、製剤、又は生成物中で所望されない、組成物、製剤、又は生成物を製造する際に使用されるか、存在するか、又は生成される物質である。ある実施形態において、プロセス関連不純物は、ポリリボヌクレオチドの合成又は環状化において使用される酵素である。本明細書において使用される際、「生成物関連物質」という用語は、組成物、製剤、若しくは生成物、又はそれらの任意の中間体の合成中に生成される物質又は副生成物である。ある実施形態において、生成物関連物質は、デオキシリボヌクレオチドフラグメントである。ある実施形態において、生成物関連物質は、デオキシリボヌクレオチドモノマーである。ある実施形態において、生成物関連物質は、本明細書に記載されるポリリボヌクレオチドの誘導体又はフラグメント、例えば、10、9、8、7、6、5、若しくは4つのリボ核酸、モノリボ核酸、ジリボ核酸、若しくはトリリボ核酸のフラグメントのうちの1つ以上である。
本明細書において使用される際、「を実質的に含まない」という用語は、生物学的、化学的、物理的、及び/又は薬理学的効果を誘発するのに必要なレベルより低い、組成物、製剤、若しくは生成物、又はそれらの任意の中間体中の成分のレベルである。ある実施形態において、成分のレベルが、微量で検出可能であるに過ぎないか、又はレベルが、質量分析法、UV-可視光、蛍光、光散乱、屈折率に基づく検出技術、又は検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を使用するものを用いて、分離前若しくは分離後の誘導体化方法を用いて又は用いずに、関連する検出技術(例えば、クロマトグラフィー(カラムを用いる、紙を用いる、ゲルを用いる、HPLCを用いる、UHPLCを用いるなど、又はIC、SEC、逆相、アニオン交換、混合モードなどによる)若しくは電気泳動(尿素PAGE、チップペース、ポリアクリルアミドゲル、RNA、キャピラリー、c-IEFなど)によって検出可能なレベルより低い場合、組成物、製剤、又は生成物は、成分を実質的に含まない。代わりに、組成物、製剤、又は生成物が、成分を実質的に含まないかどうかは、質量分析法、顕微鏡法、円偏光二色性(CD)分光法、UV若しくはUV-vis分光測色法、蛍光分析法(例えば、Qubit)、RNAse H分析、表面プラズモン共鳴(SPR)、又は検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を用いる方法)による分離技術の使用なしで決定され得る。
本明細書において使用される際、「線状同等物」という用語は、環状ポリリボヌクレオチドと同じか又は類似のヌクレオチド配列(例えば、100%、95%、90%、85%、80%、75%、又はそれらの間の任意のパーセンテージ配列類似性)を有し、且つ2つの遊離末端を有するポリリボヌクレオチド分子(及びそのフラグメント)(すなわち、環状化ポリリボヌクレオチドの非環状化形態(及びそのフラグメント))である。ある実施形態において、線状同等物(例えば、環状化前形態)は、環状ポリリボヌクレオチドと同じか又は類似のヌクレオチド配列(例えば、100%、95%、90%、85%、80%、75%、又はそれらの間の任意のパーセンテージ配列類似性)及び同じか又は類似の核酸修飾を有し、且つ2つの遊離末端を有するポリリボヌクレオチド分子(及びそのフラグメント)(すなわち、環状化ポリリボヌクレオチドの非環状化形態(及びそのフラグメント))である。ある実施形態において、線状同等物は、環状ポリリボヌクレオチドと同じか又は類似のヌクレオチド配列(例えば、100%、95%、90%、85%、80%、75%、又はそれらの間の任意のパーセンテージ配列類似性)及び異なる核酸修飾を有するか又は核酸修飾を有さず、且つ2つの遊離末端を有するポリリボヌクレオチド分子(及びそのフラグメント)(すなわち、環状化ポリリボヌクレオチドの非環状化形態(及びそのフラグメント))である。ある実施形態において、線状同等物であるポリリボヌクレオチド分子のフラグメントは、線状同等物ポリリボヌクレオチド分子より短い線状同等物ポリリボヌクレオチド分子の任意の部分である。ある実施形態において、線状同等物は、5’キャップをさらに含む。ある実施形態において、線状同等物は、ポリアデノシン尾部をさらに含む。ある実施形態において、線状同等物は、3’UTRをさらに含む。ある実施形態において、線状同等物は、5’UTRをさらに含む。
本明細書において使用される際、「アプタマー配列」という用語は、標的分子に特異的に結合する非天然、又は合成オリゴヌクレオチドである。典型的に、アプタマーは、20~500のヌクレオチドである。典型的に、アプタマーは、配列相同性より二次構造によってその標的に結合する。ある実施形態において、合成オリゴヌクレオチドは、標的分子に特異的に結合する天然のオリゴヌクレオチドと同じ配列を有し得る。
本明細書において使用される際、「担体」という用語は、環状ポリリボヌクレオチドの共有結合修飾によって、部分的に若しくは完全に封入剤によって、又はそれらの組合せで、細胞内への組成物(例えば、環状ポリリボヌクレオチド)の輸送又は送達を容易にする化合物、組成物、試薬、又は分子を意味する。担体の非限定的な例としては、炭水化物担体(例えば、無水物修飾フィトグリコーゲン若しくはグリコーゲン型材料)、ナノ粒子(例えば、環状ポリリボヌクレオチドを封入するか若しくはそれに共有結合されるナノ粒子)、リポソーム、フソソーム、エクスビボ分化された網状赤血球、エキソソーム、タンパク質担体(例えば、環状ポリリボヌクレオチドに共有結合されるタンパク質)、又はカチオン性担体(例えば、カチオン性リポポリマー若しくはトランスフェクション試薬)が挙げられる。
本明細書において使用される際、「ネイキッド送達(naked delivery)」という用語は、担体を用いず、且つ細胞への送達を助ける部分への共有結合修飾を有さない、細胞への送達のための製剤を意味する。ネイキッド送達製剤は、任意のトランスフェクション試薬、カチオン性担体、炭水化物担体、ナノ粒子担体、又はタンパク質担体を含まない。例えば、環状ポリリボヌクレオチドのネイキッド送達製剤は、共有結合修飾を有さない環状ポリリボヌクレオチドを含み、且つ担体を含まない製剤である。
「希釈剤」という用語は、本明細書に記載される組成物(例えば、環状ポリリボヌクレオチドを含む組成物)が希釈又は溶解され得る不活性溶媒を含むビヒクルを意味する。希釈剤は、RNA可溶化剤、緩衝液、等張剤、又はそれらの混合物であり得る。希釈剤は、液体希釈剤又は固体希釈剤であり得る。液体希釈剤の非限定的な例としては、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステル、及び1,3-ブタンジオールが挙げられる。固体希釈剤の非限定的な例としては、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウムラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、トウモロコシデンプン、又は粉砂糖が挙げられる。
本明細書において使用される際、「非経口で許容される希釈剤」という用語は、組成物(例えば、環状ポリリボヌクレオチドを含む組成物)の非経口投与に使用される希釈剤である。
参照による援用
本明細書に記載される全ての刊行物、特許及び特許出願は、それぞれの個々の刊行物、特許又は特許出願が具体的に及び個別に参照により援用されていることが示されているのと同程度に、参照により本明細書に援用される。
本発明の実施形態の以下の詳細な説明は、添付の図面と共に読んだときによりよく理解されるであろう。本発明を例示する目的のために、本明細書で例示される実施形態が図面に示される。しかしながら、本発明は、図面に示される実施形態の正確な構成及び手段に限定されないことが理解されるべきである。
環状及び線状RNAへのプローブの結合並びにその後のRNase HによるRNAの分解を示す。環状RNAは、複数のバンドとして検出される線状及びコンカテマーRNAと比較して、単一の切断された線状バンドとして検出される。分解が、非変性ポリアクリルアミドゲルにおいてサンプルを電気泳動し、RNase Hの添加を伴うか又は伴わない分解バンドを比較することによって検出された。 線状RNAバンド強度を線状RNA標準と比較することによる、非変性ポリアクリルアミドゲルにおいて定量された線状RNA含量を示す。 変性ポリアクリルアミドゲルの異なるバンドから抽出されたRNAの定量を示す。 非精製環状RNA製剤と比較した、BJ線維芽細胞内における、経時的な精製環状RNA製剤の持続性を示す。 異なる量の線状RNAを含有する環状RNA製剤と比較した、BJ線維芽細胞内における、経時的な精製環状RNA製剤の発現レベルを示す。 精製環状RNAが、マウスへの注入後により高い発現を有し、並びに投与の14日後にエクスビボで、肝臓中で測定した際により長い発現を示す。 6%の尿素PAGEゲルにおけるバンド強度を測定することによって計算した際の、精製の前及び後の線状RNAに対する環状RNAの比率のグラフを示す。バンドの定量は以下のとおりであった:精製前、RNA産物の42.6%が、環状RNAであり、RNA産物の57.4%が、線状RNA(非精製RNA)であり;精製後、RNA産物の50.4%が、環状RNAであり、RNA産物の49.6%が、線状RNA(精製環状RNA)であった。 84%の純度の環状RNA、71%の純度の環状RNA、及びビヒクルのみを用いた実験における、トランスフェクションの6、24、48、72、96及び120時間後の時点での細胞内のガウシアルシフェラーゼ活性を示す。 組み合わされた環状RNA及び線状同等物RNAの両方でトランスフェクトされた細胞と比較した、ゲル精製環状RNA製剤のみでトランスフェクトされた細胞を示す。環状RNAのみは、組み合わされた環状RNA及び線状同等物RNA製剤と比較して、用量依存的に増加した安定性を示した。 ゲル精製環状RNA製剤のみでトランスフェクトされた細胞が、組み合わされた環状RNA及び線状同等物RNAの両方でトランスフェクトされた細胞(用量依存的にこれらの自然免疫遺伝子の上方制御を示した)と比較して、RIG-I、MDA-5、OAS、及びIFN-Bなどの自然免疫遺伝子の最小の発現を示したことを示す。 イントロンを有し、GFPを発現する対照環状RNAの概略図を示す。 リボスイッチに対するリガンドの存在下又は非存在下における環状RNAからのGFPの発現を調節する合成リボスイッチ(赤色)を有する例示的な環状RNAの概略図を示す。 エンクリプトゲン(イントロン)を有する例示的な環状RNAからのマウスモデルにおけるインビボタンパク質発現を示す概略図である。 その構造情報についてドットブロット分析にかけられ得る、1つの二本鎖RNAセグメントを有する例示的な環状RNAの概略図を示す。 その構造情報についてSHAPE分析にかけられ得る、疑似らせん構造(HDVmin)を有する例示的な環状RNAの概略図を示す。 HDAg結合活性を示す、機能的疑似らせん構造(HDVmin)を有する例示的な環状RNAの概略図を示す。 例示的な自己複製可能な環状RNAの転写、自己切断及びライゲーションを示す概略図である。 有糸分裂中に保存され、娘細胞内で持続する例示的な環状RNAの概略図を示す。示されるBrdUパルスは、分割した細胞を標識するのに使用される。 様々な例示的な環状RNAのインビトロ生成を示す変性PAGEゲル画像である。 様々な例示的な環状RNAの環状化効率をまとめたグラフである。 その線状同等物と比較して、例示的な環状RNAの低下した分解感受性を示す変性PAGEゲル画像である。 例示的な精製プロセス後の例示的な環状RNAを示す変性PAGEゲル画像である。 IRES、キャップ、5’及び3’UTRを欠いた例示的な環状RNAによるFlagタンパク質(約15kDa)の発現を示すウエスタンブロット画像である。 例示的な環状RNAのローリングサークル型翻訳を示すウエスタンブロット画像である。 例示的なスタガー要素を用いた又は用いない様々な例示的な環状RNAからの別個のタンパク質又は連続した長鎖ペプチドの生成を示すウエスタンブロット画像を示す。 例示的なスタガー要素又は終止要素(終止コドン)を用いた様々な例示的な環状RNA間のタンパク質発現の比較を示すウエスタンブロット画像である。 2つの例示的な環状RNAから翻訳されたタンパク質産物のウエスタンブロット分析からのシグナル強度をまとめたグラフである。 ビヒクル対照と比較した、例示的な環状RNA及びその線状同等物の翻訳産物のルシフェラーゼ活性をまとめたグラフである。 線状RNAと比較した、例示的な環状RNAの半減期を試験する時間経過実験における異なる収集時点におけるRNA量をまとめたグラフである。 図30Aは、線状及び環状RNAの両方を捕捉したプライマーを用いた細胞への送達の24時間後の線状及び環状RNAレベルのqRT-PCR分析を示すグラフである。 図30Bは、環状RNAに対して特異的なプライマーを用いた線状及び環状RNAレベルのqRT-PCR分析を示すグラフである。 EGFタンパク質及びβ-チューブリンローディングコントロールについて調べられた環状RNA及び線状RNAからの細胞溶解物のブロットを示す画像である。 環状RNA又は線状RNAでトランスフェクトされた293T細胞からの免疫関連遺伝子のqRT-PCR分析を示すグラフである。 ローリングサークル型翻訳によって環状RNAから発現されたタンパク質のルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 環状RNA又は線状RNAから発現されたタンパク質のルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 ローリングサークル型翻訳によって線状RNA又は環状RNAから発現されたタンパク質のルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 IRES翻訳開始によって環状RNAから発現されたタンパク質のルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 IRES開始及びローリングサークル型翻訳によって環状RNAから発現されたタンパク質のルシフェラーゼ活性を示すグラフである。 環状RNA又は線状RNAからの発現産物のタンパク質ブロットを示す画像である。 スタガー要素を用いた環状RNA又は線状RNAからの発現産物のタンパク質ブロットを示す画像である。 例示的な環状RNAの疑似二本鎖構造を有する予測構造を示す。 例示的な環状RNAの疑似らせん構造を有する予測構造を示す。 例示的な環状RNAの反復配列と連結された疑似らせん構造を有する予測構造を示す。 例示的な環状RNAのRNAse Hによる分解が、コンカテマーRNAではなく環状RNAと一致する核酸分解産物を生成したという実験データを示す。 様々なRNA長さの形成のために生成された様々な長さのDNAの電気泳動画像を示す。 様々な長さの環状結合に対するRNAse R処理及びqPCR分析を用いてRNAの環状化を確認した実験データを示す。 miRNA結合部位を有する例示的な環状RNAの生成を示す。 自己スプライシングによる例示的な環状RNAの生成を示す。 タンパク質結合部位を有する例示的な環状RNAの生成を示す。 線状対照と比較して、分割細胞内の環状RNAのより高い安定性を示す実験データを示す。 複数の発現配列を有する例示的な環状RNAからのタンパク質発現及び複数の発現配列を有する例示的な環状RNAのローリングサークル型翻訳を示す実験データを示す。 線状対照と比較して、例示的な環状RNAのトランスフェクトされた細胞に対する減少した毒性を示す実験データを示す。 例示的な環状RNAがストレス条件下で線状RNAと比較してより高いレベルで翻訳されたことを示す。 リボスイッチを有する環状RNAの生成を示す。 図54A、図54B、および図54Cは、修飾環状RNAが細胞内で翻訳されたことを示す。 図54A、図54B、および図54Cは、修飾環状RNAが細胞内で翻訳されたことを示す。 図55A、図55B、および図55Cは、修飾環状RNAが、トランスフェクトされた細胞内のMDA5、OAS及びIFN-β発現によって評価した際、細胞に対する非修飾環状RNAと比較して低下した免疫原性を有することを示す。 マウスへの注入後、環状RNAが、注入の3、4及び7日後の時点でマウスの肝臓における線状RNAより高いレベルで検出されたことを示す。 図57Aおよび図57Cは、マウスへのガウシアルシフェラーゼを発現する環状RNA又は線状RNAの注入後、ガウシアルシフェラーゼ活性が環状RNAの投与の1、2、7、11、16及び23日後の時点で血漿中において検出された一方、その活性が修飾線状RNAの投与の1及び2日後の時点でのみ血漿中において検出されたことを示す。 RNAの注入後、線状RNAではなく環状RNAがRNAの投与の16日後の時点で肝臓及び脾臓中で検出されたことを示す。 RNAの注入後、環状RNAではなく線状RNAが、RIG-I、MDA-5、IFN-B及びOASによって評価した際、免疫原性を示したことを示す。
本発明は、概して、環状ポリリボヌクレオチド医薬組成物及び調製並びにその使用に関する。
ある態様において、本明細書に記載される本発明は、減少した、制御された、又は特定のレベルの線状RNAを有する、環状RNA組成物、製剤、並びに環状RNA組成物及び製剤、特に、医薬環状RNA組成物及び製剤を使用及び作製する方法を含む。本明細書、例えば、実施例1~12に記載されるように、環状RNA製剤中の線状RNAの存在は、例えば、環状RNAの発現レベル、持続性、半減期、及び/若しくは安定性;及び/又は製剤に対する免疫応答に影響を与え得る。
表1は、詳細な説明の内容の簡単な概説を提供することが意図され、これは、決して排他的又は限定的なものではない。詳細な説明の特定の態様が、表1の詳細な説明の概説において反映されていない場合がある。
Figure 2022523794000002
Figure 2022523794000003
環状ポリリボヌクレオチド
ある実施形態において、環状RNAは、発現産物、例えば、治療用発現産物をコードする、配列、又は複数の配列を有し、例えば、環状RNAは、治療用タンパク質又は核酸をコードする。ある実施形態において、環状RNAは、アプタマーを含む、配列、又は複数の配列を有する。ある実施形態において、環状RNAは、内在性又は天然の環状ポリリボヌクレオチド配列に対して、少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、97%、99%、100%又はそれらの間の任意のパーセンテージ)の配列同一性を有する配列をコードする配列を有する。ある実施形態において、環状RNA及び製剤は、哺乳動物、例えば、ヒトにおける好ましくない免疫応答を引き起こさない。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも、その線状同等物、例えば、線状発現配列、又は線状ポリリボヌクレオチドのものの半減期を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、その線状同等物のものより長い半減期を有する。ある実施形態において、半減期は、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、若しくはそれ以上、又はそれらの間の任意のパーセンテージだけ長い。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも約1時間~約30日間、又は少なくとも約2時間、6時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間、60日間、若しくはそれ以上又はそれらの間の任意の時間にわたって細胞内で半減期又は持続性を有する。特定の実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、約10分間以下~約7日間、又は約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、4日間、5日間、6日間、7日間以下、又はそれらの間の任意の時間にわたって細胞内で半減期又は持続性を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞が分割している間、細胞内で半減期又は持続性を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、分割後の細胞内で半減期又は持続性を有する。特定の実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、約10分間超~約30日間、又は少なくとも約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間、60日間、若しくはそれ以上又はそれらの間の任意の時間にわたって、分割している細胞内で半減期又は持続性を有する。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞機能を、例えば一時的に又は長期間調節する。特定の実施形態において、少なくとも約1時間~約30日間、又は少なくとも約2時間、6時間、12時間、18時間、24時間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、16日間、17日間、18日間、19日間、20日間、21日間、22日間、23日間、24日間、25日間、26日間、27日間、28日間、29日間、30日間、60日間、若しくはそれ以上又はそれらの間の任意の時間にわたって持続する、調節などの細胞機能は、安定して変化される。特定の実施形態において、例えば、約30分間以下~約7日間、又は約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、13時間、14時間、15時間、16時間、17時間、18時間、19時間、20時間、21時間、22時間、24時間、36時間、48時間、60時間、72時間、4日間、5日間、6日間、7日間以下、又はそれらの間の任意の時間にわたって持続する、調節などの細胞機能は、一時的に変化される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも約20ヌクレオチド、少なくとも約30ヌクレオチド、少なくとも約40ヌクレオチド、少なくとも約50ヌクレオチド、少なくとも約75ヌクレオチド、少なくとも約100ヌクレオチド、少なくとも約200ヌクレオチド、少なくとも約300ヌクレオチド、少なくとも約400ヌクレオチド、少なくとも約500ヌクレオチド、少なくとも約1,000ヌクレオチド、少なくとも約2,000ヌクレオチド、少なくとも約5,000ヌクレオチド、少なくとも約6,000ヌクレオチド、少なくとも約7,000ヌクレオチド、少なくとも約8,000ヌクレオチド、少なくとも約9,000ヌクレオチド、少なくとも約10,000ヌクレオチド、少なくとも約12,000ヌクレオチド、少なくとも約14,000ヌクレオチド、少なくとも約15,000ヌクレオチド、少なくとも約16,000ヌクレオチド、少なくとも約17,000ヌクレオチド、少なくとも約18,000ヌクレオチド、少なくとも約19,000ヌクレオチド、又は少なくとも約20,000ヌクレオチドである。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、リボソームのための結合部位に対応するのに十分なサイズのものであり得る。当業者は、環状ポリリボヌクレオチドの最大サイズが、環状ポリリボヌクレオチドを生成し、且つ/又は環状ポリリボヌクレオチドを使用する技術的制約の範囲内である程度の大きさであり得ることを理解することができる。理論によって制約されるものではないが、RNAの複数のセグメントが、DNA並びにRNAの「列」を生成するようにアニールされたそれらの5’及び3’遊離末端(それらは、最終的に、1つの5’遊離末端及び1つの3’遊離末端のみが残るときに環状化され得る)から生成され得ることが可能である。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの最大サイズは、RNAをパッケージングし、標的に送達する能力によって制限され得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドのサイズは、有用なポリペプチドをコードするのに十分な長さであり、したがって、少なくとも20,000ヌクレオチド、少なくとも15,000ヌクレオチド、少なくとも10,000ヌクレオチド、少なくとも7,500ヌクレオチド、又は少なくとも5,000ヌクレオチド、少なくとも4,000ヌクレオチド、少なくとも3,000ヌクレオチド、少なくとも2,000ヌクレオチド、少なくとも1,000ヌクレオチド、少なくとも500ヌクレオチド、少なくとも400ヌクレオチド、少なくとも300ヌクレオチド、少なくとも200ヌクレオチド、少なくとも100ヌクレオチドの長さが有用であり得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、本明細書の他の箇所に記載される1つ以上の要素を含む。ある実施形態において、要素は、スペーサー配列又はリンカーによって互いに隔てられ得る。ある実施形態において、要素は、1リボヌクレオチド、2ヌクレオチド、約5ヌクレオチド、約10ヌクレオチド、約15ヌクレオチド、約20ヌクレオチド、約30ヌクレオチド、約40ヌクレオチド、約50ヌクレオチド、約60ヌクレオチド、約80ヌクレオチド、約100ヌクレオチド、約150ヌクレオチド、約200ヌクレオチド、約250ヌクレオチド、約300ヌクレオチド、約400ヌクレオチド、約500ヌクレオチド、約600ヌクレオチド、約700ヌクレオチド、約800ヌクレオチド、約900ヌクレオチド、約1000ヌクレオチド、最大で約1kb、少なくとも約1000ヌクレオチド、それらの間のヌクレオチドの任意の量だけ互いに隔てられ得る。ある実施形態において、1つ以上の要素は、例えば、スペーサー要素を欠いて、互いに連続している。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド中の1つ以上の要素は、立体配座柔軟性がある。ある実施形態において、立体配座柔軟性は、配列が二次構造を実質的に含まないことによる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、本明細書に記載される1つ以上の所望の機能又は特性に対応する、例えば、リボソームのための結合部位、例えば、翻訳、例えば、ローリングサークル型翻訳に対応する二次又は三次構造を含む。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、特定の配列特性を含む。例えば、環状ポリリボヌクレオチドは、特定のヌクレオチド組成物を含み得る。あるこのような実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上のプリンリッチ領域(アデニン又はグアノシン)を含み得る。あるこのような実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上のプリンリッチ領域(アデニン又はグアノシン)を含み得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上のAUリッチ領域又は要素(ARE)を含み得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上のアデニンリッチ領域を含み得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、本明細書の他の箇所に記載される1つ以上の反復要素を含み得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、本明細書の他の箇所に記載される1つ以上の修飾を含む。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上の発現配列を含み、インビボで対象の細胞内における持続的発現のために構成される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、後の時点での細胞内における1つ以上の発現配列の発現が前の時点と等しいか又はそれより多いように構成される。このような実施形態において、1つ以上の発現配列の発現は、比較的安定したレベルに維持され得るか、又は時間と共に増加し得る。発現配列の発現は、長期間にわたって比較的に安定的であり得る。例えば、ある場合において、少なくとも7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、23日又はそれ以上の期間にわたる細胞内における1つ以上の発現配列の発現は、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%減少しない。ある場合において、ある場合において、細胞内における1つ以上の発現配列の発現は、少なくとも7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、23日又はそれ以上にわたって、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、又は5%を超えて変化しないレベルに維持される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、哺乳動物、例えばヒトにおいて非免疫原性である。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、水産養殖動物(魚、カニ、エビ、カキなど)に由来する細胞、哺乳動物細胞、例えばペット若しくは動物園の動物(ネコ、イヌ、トカゲ、鳥類、ライオン、トラ及びクマなど)に由来する細胞、家畜若しくは使役動物(ウマ、ウシ、ブタ、ニワトリなど)に由来する細胞、ヒト細胞、培養細胞、初代細胞若しくは細胞株、幹細胞、前駆細胞、分化した細胞、生殖細胞、癌細胞(例えば、腫瘍形成性、転移性)、非腫瘍形成性細胞(正常細胞)、胎児細胞、胚細胞、成体細胞、有糸分裂細胞、非有糸分裂細胞又はそれらの任意の組合せにおいて複製することが可能であるか又は複製する。ある実施形態において、本発明は、本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドを含む細胞を含み、ここで、細胞は、水産養殖動物(魚、カニ、エビ、カキなど)に由来する細胞、哺乳動物細胞、例えばペット若しくは動物園の動物(ネコ、イヌ、トカゲ、鳥類、ライオン、トラ及びクマなど)に由来する細胞、家畜若しくは使役動物(ウマ、ウシ、ブタ、ニワトリなど)に由来する細胞、ヒト細胞、培養細胞、初代細胞若しくは細胞株、幹細胞、前駆細胞、分化した細胞、生殖細胞、癌細胞(例えば、腫瘍形成性、転移性)、非腫瘍形成性細胞(正常細胞)、胎児細胞、胚細胞、成体細胞、有糸分裂細胞、非有糸分裂細胞又はそれらの任意の組合せである。ある実施形態において、細胞は、環状ポリリボヌクレオチドを含むように改変される。
環状RNAを作製する方法
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの作製は、非天然であり、組み換え技術(以下に記載される方法;例えば、DNAプラスミドを用いてインビトロで得られる)又は化学合成を用いて生成され得るデオキシリボ核酸配列の作製を含む。ある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチドの環状化は、スプリントライゲーションによって行われる。
RNA環を生成するのに使用されるDNA分子が、天然の元の核酸配列のDNA配列、その修飾形態、又は自然界で通常見られない合成ポリペプチド(例えば、キメラ分子又は融合タンパク質)をコードするDNA配列を含み得ることは、本発明の範囲内である。DNA及びRNA分子は、限定はされないが、部位特異的突然変異誘発、突然変異を誘発するための核酸分子の化学的処理、核酸フラグメントの制限酵素切断、核酸フラグメントのライゲーション、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅及び/又は核酸配列の選択された領域の突然変異誘発、オリゴヌクレオチド混合物の合成及び核酸分子の混合物を「構築する」ための混合物群のライゲーション並びにそれらの組合せなど、古典的な突然変異誘発技術及び組み換え技術を含む様々な技術を用いて修飾され得る。
環状ポリリボヌクレオチドは、限定はされないが、化学合成及び酵素的合成を含む任意の利用可能な技術に従って調製され得る。ある実施形態において、線状一次構築物又は線状mRNAは、環状化又はコンカテマー化されて、本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドを生成し得る。環化又はコンカテマー化の機構は、限定はされないが、化学的、酵素的、スプリントライゲーション、又はリボザイム触媒方法などの方法によって行われ得る。新たに形成される5’-/3’-結合は、分子内結合又は分子間結合であり得る。
本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドを作製する方法は、例えば、Khudyakov & Fields,Artificial DNA:Methods and Applications,CRC Press(2002);Zhao,Synthetic Biology:Tools and Applications,(First Edition),Academic Press(2013);及びEgli & Herdewijn,Chemistry and Biology of Artificial Nucleic Acids,(First Edition),Wiley-VCH(2012)に記載されている。
環状ポリリボヌクレオチドを合成する様々な方法は、当該技術分野でも記載されている(例えば、それぞれの内容全体が参照により本明細書に援用される米国特許第6210931号明細書、米国特許第5773244号明細書、米国特許第5766903号明細書、米国特許第5712128号明細書、米国特許第5426180号明細書、米国特許出願公開第20100137407号明細書、国際公開第1992001813号パンフレット;国際公開第2016197121号パンフレット;国際公開第2010084371号パンフレットを参照されたい)。
例えば、本明細書に記載される実施例13(以下を参照)には、医薬環状RNA製剤を作製及び特性評価する方法が記載されている。
線状及び環状RNAの検出
本発明者らは、医薬環状RNA製剤中の線状RNAの存在が、予想外の且つ時には望ましくない影響を与え得ることを見出した。したがって、本発明は、特に、環状RNAが、線状RNAと比べて富化され、分離され、及び/又は精製された医薬組成物及び製剤;線状RNAが監視され、評価され及び/又は制御され得る方法(例えば、環状RNA製剤を製造する方法);並びにこのような医薬組成物及び製剤を用いて、例えば、治療用エフェクター又は足場などのエフェクター(例えば、アプタマー配列)を、細胞、組織又は対象に送達する方法を特徴とする。ある実施形態において、環状RNA製剤は、閾値レベル以下の線状RNAを有し、例えば、環状RNA製剤は、線状RNAより富化され、線状RNAを減少させるように精製される。
一般に、医薬製剤中の要素の検出及び定量は、対象とする成分(例えば、環状RNA、線状RNA、フラグメント、不純物など)又は類似の材料(例えば、環状RNAのための標準として環状RNA構造と同じ配列の線状RNA構造を用いて)のいずれかである参照標準の使用を含み、又は内部標準又は試験サンプルからのシグナルの使用を含む。ある実施形態において、標準は、材料の工程の又は相対的な量についての検出器からの応答を確立するために使用される(応答係数)。ある実施形態において、応答係数は、1つ又は複数の濃度で標準から決定される(例えば、線状回帰分析を用いて)。ある実施形態において、次に、応答係数は、その成分によるシグナルから対象とする材料の量を決定するのに使用される。ある実施形態において、応答係数は、1の値であり、又は1の値を有すると仮定される。
ある実施形態において、医薬組成物中の環状RNAに対する線状RNAの検出及び定量は、環状ポリリボヌクレオチドの線状形態との比較を用いて決定される。ある実施形態において、医薬組成物中の全リボヌクレオチドの質量は、環状ポリリボヌクレオチドの線状形態を用いて生成される標準曲線を用いて、及び1の応答係数を仮定して、決定される。ある実施形態において、医薬製剤中の環状ポリリボヌクレオチドのw/wパーセンテージは、医薬製剤中の環状ポリリボヌクレオチドのバンド強度との、複数の既知の量の環状ポリリボヌクレオチドの線状形態のバンド強度によって生成される標準曲線の比較によって決定される。ある実施形態において、バンドは、ゲルベース電気泳動中に生成され、バンド強度は、ゲル撮影装置(例えば、E-gel Imager)によって測定される。例えば、環状ポリリボヌクレオチドと比較した線状ポリリボヌクレオチドの量は、実施例2及び/又は実施例3の方法を用いて決定され得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤は、本明細書に記載されるように評価した際に、閾値量(例えば、ここで、閾値量は、環状ポリリボヌクレオチド製剤についての参照基準、例えば、医薬品放出規格である)未満の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む。
ある実施形態において、医薬組成物中の全RNAに対するニックRNAの検出及び定量は、環状RNAを含む製剤のゲル抽出後に、シーケンシングによって決定される。ある実施形態において、医薬組成物中の線状RNAに対するニックRNAの検出及び定量は、環状RNAを含む製剤のゲル抽出後に、シーケンシングによって決定される。例えば、全RNAと比較したニックポリリボヌクレオチドの量は、実施例5の方法を用いて決定され得る。例えば、線状RNAと比較したニックポリリボヌクレオチドの量は、実施例5の方法を用いて決定され得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤は、本明細書に記載されるように評価した際に、閾値量(例えば、ここで、閾値量は、環状ポリリボヌクレオチド製剤についての参照基準、例えば、医薬品放出規格である)未満のニックRNA、線状RNA、又は組み合わされた線状及びニックRNAを含む。例えば、製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、30%、20%、15%、10%、1%、0.5%、若しくは0.1%以下の線状ポリリボヌクレオチド分子、又はそれらの間の任意のパーセンテージである。ある実施形態において、製剤中に存在するニックポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、30%、20%、15%、10%、1%、0.5%、若しくは0.1%以下、又はそれらの間の任意のパーセンテージの、ニックポリリボヌクレオチド分子である。ある実施形態において、製剤中に存在する線状及びニックポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、40%、30%、20%、15%、10%、1%、0.5%、若しくは0.1%以下、又はそれらの間の任意のパーセンテージの、組み合わされた線状ポリリボヌクレオチド及びニックポリリボヌクレオチド分子である。
ある実施形態において、標準は、サンプルと同じ条件下で実験される。例えば、標準は、サンプルと同じタイプのゲル、同じ緩衝液、及び曝露で実験される。さらなる実施形態において、標準は、サンプルと並行して実験される。ある実施形態において、要素の定量は、平均の結果を得るために、本発明の製剤からの複数のサンプル中で繰り返される(例えば、2回又はトリプリケートで)。ある実施形態において、線状RNAの定量は、パラレルキャピラリー(parallel capillary)電気泳動(例えば、フラグメント分析装置又はUV検出を用いた分析的HPLCを用いて)を用いて測定される。
環状RNAの精製
環状ポリリボヌクレオチドは、不要な物質(不要な(例えば、線状)RNA、酵素、DNAなど)から分離、富化、又は精製され得る。ある実施形態において、不要な物質は、環状ポリリボヌクレオチドを作製及び/又は製造するプロセス中に存在するか、又はそれから生じる。本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドは、医薬製剤、医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品における製剤化の前に、富化及び/又は精製され得る。本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドは、医薬製剤、医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品における製剤化の後、富化及び/又は精製され得る。
ある実施形態において、環状RNAは、望ましくない要素、例えば、線状RNA、若しくはニックRNA、並びに認識される不純物、例えば、遊離リボ核酸(例えば、モノリボ核酸、ジリボ核酸、若しくはトリリボ核酸)、DNA(例えば、宿主細胞DNAなどの細胞DNA)、細胞又はプロセス関連タンパク質不純物(例えば、細胞若しくはプロセス関連不純物)などを除去するために、生成中又は生成後に精製され得る。ある実施形態において、不純物は、プロセス関連不純物である。ある実施形態において、プロセス関連不純物は、タンパク質(例えば、細胞タンパク質)、核酸(例えば、細胞核酸)、緩衝液又は緩衝液試薬、酵素、培地/試薬成分(例えば、培地、培地添加剤、遷移金属、若しくはビタミン)、分取用(preparatory)若しくは分析用ゲル成分(例えば、アクリルアミド破片)、DNA、又はクロマトグラフィー材料である。緩衝液試薬は、MgCl、DTT、ATP、SDS、Na、グリコーゲン、トリス-HCL、又はEtOHであり得る。緩衝液試薬としては、限定はされないが、アセテート、トリス、重炭酸塩、ホスフェート、クエン酸、ラクテート、又はTEAが挙げられる。酵素は、リガーゼであり得る。リガーゼは、T4 RNAリガーゼ 2であり得る。ある実施形態において、不純物は、緩衝液試薬、培地/試薬成分、塩、リガーゼ、ヌクレアーゼ、RNase阻害剤、RNase R、線状ポリリボヌクレオチド分子、デオキシリボヌクレオチド分子、アクリルアミド破片、又はモノヌクレオチド分子である。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、当該技術分野において一般的に使用される任意の公知の方法によって富化又は精製され得る。非限定的な精製方法の例としては、カラムクロマトグラフィー、ゲル排除、サイズ排除などが挙げられる。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、例えば、実施例3に記載されるように、ゲル精製、例えば、UREAゲル分離によって精製される。例えば、環状RNAは、変性PAGEにおいて分解され得、環状RNAに対応するバンドが、切除され得、環状RNAは、公知の方法を用いてバンドから溶離され得る。次に、溶離された環状RNAは、分析され得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、クロマトグラフィー、例えば、疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC)、ミックスモードクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、例えば、逆相イオン対クロマトグラフィー(IP-RP)、イオン交換クロマトグラフィー(IE)、アフィニティークロマトグラフィー(AC)、及びサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、並びにそれらの任意の組合せによって精製される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、線状RNA又は不純物からそれを分離するために、環状ポリリボヌクレオチドの構造的特徴を用いることによって精製される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、実施例9に記載されるものなどの構造的特徴(例えば、遊離末端の欠如)を用いることによって精製される。例えば、環状RNAは、線状RNA同等物又はそのフラグメントのポリアデニル化を用いて、同じヌクレオチド配列を含有する環状RNA及び線状RNA同等物の混合プールを含む製剤から富化される。線状RNA同等物又はそのフラグメントの3’末端が、ポリ(A)ポリメラーゼを用いてポリアデニル化されて、3’ポリアデニン尾部の付加をもたらし得る。ある実施形態において、3’ポリアデニン尾部は、アフィニティーカラムなどのカラムを用いて、線状RNA及びそのフラグメントのプルダウンを可能にして、環状RNAを富化する。ポリ(A)ポリメラーゼはまた、ビオチン化N6-ATP類似体などの修飾アデニンを組み込むことができる。3’ポリアデニン尾部へのビオチン化N6-ATP類似体のこの付加が、ビオチン-ストレプトアビジン結合システムなどのシステムにおける線状RNA及びそのフラグメントのプルダウンを可能にする。対照的に、環状化RNAは、3’末端を有さないため、ポリ(A)ポリメラーゼによってポリアデニル化されず、コンジュゲーションのためのポリアデニル化された尾部を有さず、プルダウンの際に捕捉されない。したがって、環状RNAは、プルダウン後に製剤中で富化される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、線状RNAの構造的特徴(例えば、遊離末端の存在)を用いることによって精製される。例えば、環状RNAは、線状RNA同等物のポリアデニル化を用いて、同じヌクレオチド配列を含有する環状RNA及び線状RNA同等物の混合プールを含む製剤から富化される。エキソヌクレアーゼは、線状RNAを加水分解するために、混合プールに加えられ得る。ある実施形態において、エキソヌクレアーゼは、3’エキソヌクレアーゼ又は5’エキソヌクレアーゼであり得る。ある実施形態において、3’エキソヌクレアーゼ及び5’エキソヌクレアーゼが使用され得る。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、質量基準で少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、又は100%(w/w)の純度である。純度は、質量分析法、UV-可視光、蛍光、光散乱、屈折率に基づく検出技術、又は検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を使用するものを用いて、分離前若しくは分離後の誘導体化方法を用いて又は用いずに、限定はされないが、クロマトグラフィー(カラムを用いる、紙を用いる、ゲルを用いる、HPLCを用いる、UHPLCを用いるなど、又はIC、SEC、逆相、アニオン交換、混合モードなどによる)又は電気泳動(尿素PAGE、チップペース、ポリアクリルアミドゲル、RNA、キャピラリー、c-IEFなど)などの分離技術の使用などの、当業者に公知のいくつかの分析技術のいずれか1つによって測定され得る。代わりに、純度は、質量分析法、顕微鏡法、円偏光二色性(CD)分光法、UV又はUV-vis分光測色法、蛍光分析法(例えば、Qubit)、RNAse H分析、表面プラズモン共鳴(SPR)、又は検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を用いる方法による分離技術の使用なしで決定され得る。
ある実施形態において、純度は、生物学的試験方法(例えば、細胞ベース又は受容体ベースの試験)によって測定され得る。ある実施形態において、本明細書に記載される製剤中のリボヌクレオチドの総質量の少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)又は100%(w/w)が、環状ポリリボヌクレオチド分子に含まれる。パーセントは、質量分析法、UV-visible、蛍光、光散乱、屈折率に基づく検出技術、又は検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を使用するものを用いて、分離前若しくは分離後の誘導体化方法を用いて又は用いずに、限定はされないが、クロマトグラフィー(カラムを用いる、紙を用いる、ゲルを用いる、HPLCを用いる、UHPLCを用いるなど、又はIC、SEC、逆相、アニオン交換、混合モードなどによる)又は電気泳動(尿素PAGE、チップペース、ポリアクリルアミドゲル、RNA、キャピラリー、c-IEFなど)などの分離技術の使用などの、当業者に公知のいくつかの分析技術のいずれか1つによって測定され得る。代わりに、純度は、質量分析法、顕微鏡法、円偏光二色性(CD)分光法、UV又はUV-vis分光測色法、蛍光分析法(例えば、Qubit)、RNAse H分析、表面プラズモン共鳴(SPR)、又は検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を用いる方法による分離技術の使用なしで決定され得る。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、少なくとも0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、60μg/mL、70μg/mL、80μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、300μg/mL、500μg/mL、1000μg/mL、5000μg/mL、10,000μg/mL、100,000μg/mL、200mg/mL、300mg/mL、400mg/mL、500mg/mL、600mg/mL、650mg/mL、700mg/mL、又は750mg/mLの環状ポリリボヌクレオチド濃度を有する。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、モノヌクレオチドを実質的に含まないか、又は1pg/ml、10pg/ml、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、1000μg/mL、5000μg/mL、10,000μg/mL、若しくは100,000μg/mL以下のモノヌクレオチド含量を有する。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、検出限界から1pg/ml、10pg/ml、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、1000μg/mL、5000μg/mL、10,000μg/mL、又は100,000μg/mLまでのモノヌクレオチド含量を有する。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、質量基準で全ヌクレオチドの0.1%(w/w)、0.2%(w/w)、0.3%(w/w)、0.4%(w/w)、0.5%(w/w)、0.6%(w/w)、0.7%(w/w)、0.8%(w/w)、0.9%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)、30%(w/w)以下、又はそれらの間の任意のパーセンテージのモノヌクレオチド含量を有し、ここで、全ヌクレオチド含量は、デオキシリボヌクレオチド分子及びリボヌクレオチド分子の総質量である。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、200g/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、5mg/mL、10mg/mL、50mg/mL、100mg/mL、200mg/mL、300mg/mL、400mg/mL、500mg/mL、600mg/mL、650mg/mL、700mg/mL、又は750mg/mL以下の線状RNA含量、例えば、線状RNA同等物又はRNAフラグメントを有する。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、検出限界から1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、200g/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、5mg/ml、10mg/ml、50mg/ml、100mg/ml、200mg/ml、300mg/ml、400mg/ml、500mg/ml、600mg/ml、650mg/ml、700mg/ml、又は750mg/mlまでの線状RNA含量、例えば、線状RNA同等物又はRNAフラグメントを有する。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、10%(w/w)、9.9%(w/w)、9.8%(w/w)、9.7%(w/w)、9.6%(w/w)、9.5%(w/w)、9.4%(w/w)、9.3%(w/w)、9.2%(w/w)、9.1%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、3%(w/w)、2%(w/w)、1%(w/w)、0.5%(w/w)、若しくは0.1%(w/w)以下、又はそれらの間のパーセンテージのニックRNA含量を有する。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、ゼロ程度のニックRNA含量を有するか、又はニックRNAを実質的に含まない。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、30%(w/w)、25%(w/w)、20%(w/w)、15%(w/w)、10%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、3%(w/w)、2%(w/w)、1%(w/w)、0.5%(w/w)、若しくは0.1%(w/w)以下、又はそれらの間のパーセンテージの組み合わされた線状RNA及びニックRNA含量を有する。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、ゼロ程度の組み合わされたニックRNA及び線状RNA含量を有するか、又はニック及び線状RNAを実質的に含まない。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、質量分析法、UV分光学的若しくは蛍光検出器、光散乱技術、HPLCを含む分離の方法の使用を用いるか若しくは用いない表面プラズモン共鳴(SPR)、HPLCによるもの、分離前若しくは分離後の誘導体化方法を用いた若しくは用いないチップ若しくはゲルベースの電気泳動、銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を使用する検出方法、又は顕微鏡法、視覚法若しくは分光光度計を用いる方法などの分析方法の検出限界以下の、線状RNA含量、例えば、線状RNA同等物又はRNAフラグメントを有する。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、例えば、実施例2中の方法によって測定した際に、0.1%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)、30%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)以下の線状RNAを有する。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤の線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状同等物又はそのフラグメントを含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤の線状ポリリボヌクレオチド分子は、線状同等物(例えば、環状化前形態)を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤の線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチドに対する非同等物又はそのフラグメントを含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤の線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチドに対する非同等物を含む。ある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチドの同等物と、環状ポリリボヌクレオチドの非同等物又はそのフラグメントとの組合せを含む。ある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチドの同等物と、環状ポリリボヌクレオチドの非同等物との組合せを含む。ある実施形態において、線状ポリリボヌクレオチド分子フラグメントは、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、1000、2000、3000、4000、5000、6000、7000、8000、9000、10000、11000、12000、若しくはそれ以上のヌクレオチド長、又はそれらの間の任意のヌクレオチド数であるフラグメントである。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、例えば、分光光度計によって測定した際に、約1.6~約2.3のA260/A280吸光度比を有する。ある実施形態において、A260/A280吸光度比は、約1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、又はそれらの間の任意の数である。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチドの生成における中間体)は、例えば、分光光度計によって測定した際に、約1.8を超えるA260/A280吸光度比を有する。ある実施形態において、A260/A280吸光度比は、約1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、又はそれ以上である。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、不純物を実質的に含まない。様々な実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドを含む組成物中の少なくとも1つの不純物のレベルは、不純物を除去するための精製又は処理前の組成物のものと比較して、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、少なくとも70%(w/w)、少なくとも80%(w/w)、少なくとも90%(w/w)、又は少なくとも95%(w/w)減少される。ある実施形態において、少なくとも1つのプロセス関連不純物のレベルは、不純物を除去するための精製又は処理前の組成物のものと比較して、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、少なくとも70%(w/w)、少なくとも80%(w/w)、少なくとも90%(w/w)、又は少なくとも95%(w/w)減少される。ある実施形態において、少なくとも1つの生成物関連物質のレベルは、不純物を除去するための精製又は処理前の組成物のものと比較して、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、少なくとも70%(w/w)、少なくとも80%(w/w)、少なくとも90%(w/w)、又は少なくとも95%(w/w)減少される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)はさらに、プロセス関連不純物を実質的に含まない。ある実施形態において、プロセス関連不純物は、タンパク質(例えば、宿主細胞タンパク質などの細胞タンパク質)、デオキシリボ核酸(例えば、宿主細胞デオキシリボ核酸などの細胞デオキシリボ核酸)、モノデオキシリボヌクレオチド又はジデオキシリボヌクレオチド分子、酵素(例えば、エンドヌクレアーゼ若しくはエキソヌクレアーゼなどのヌクレアーゼ、又はリガーゼ)、試薬成分、ゲル成分、又はクロマトグラフィー材料を含む。ある実施形態において、不純物は、緩衝液試薬、リガーゼ、ヌクレアーゼ、RNase阻害剤、RNase R、デオキシリボヌクレオチド分子、アクリルアミドゲル破片、及びモノデオキシリボヌクレオチド分子から選択される。ある実施形態において、医薬製剤は、環状ポリリボヌクレオチド分子のミリグラム(mg)当たり、0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、又は500ng未満のタンパク質汚染のタンパク質(例えば、宿主細胞タンパク質などの細胞タンパク質)汚染を含む。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、DNA含量、例えば、鋳型DNA又は細胞DNA(例えば、宿主細胞DNA)を実質的に含まないか、ゼロ程度のDNA含量を有するか、又は1pg/ml、10pg/ml、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、1000μg/mL、5000μg/mL、10,000μg/mL、又は100,000μg/mL以下のDNA含量を有する。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、DNA含量を実質的に含まないか、ゼロ程度のDNA含量を有するか、又は質量基準で全ヌクレオチドの0.001%(w/w)、0.01%(w/w)、0.1%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)、30%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)以下のDNA含量を有し、ここで、全ヌクレオチド分子は、デオキシリボヌクレオチド含量及びリボヌクレオチド分子の総質量である。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、DNA含量を実質的に含まないか、ゼロ程度のDNA含量を有するか、又は定量液体クロマトグラフィー-質量分析法(LC-MS)によってヌクレオシドを消化する酵素による全DNA消化後に測定した際に質量基準で全ヌクレオチドの0.001%(w/w)、0.01%(w/w)、0.1%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、3%(w/w)、4%(w/w)、5%(w/w)、6%(w/w)、7%(w/w)、8%(w/w)、9%(w/w)、10%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)、30%(w/w)、35%(w/w)、40%(w/w)、45%(w/w)、50%(w/w)以下のDNA含量を有し、ここで、DNAの含量が、LC-MSによって測定した際に、各塩基(すなわち、A、C、G、T)の標準曲線から逆算される。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、又は500ng/ml以下のタンパク質(例えば,細胞タンパク質(CP)、例えば、酵素、生成関連タンパク質、例えば、担体タンパク質)汚染を有する。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチドの生成における中間体)は、検出限界から0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、又は500ng/mlまでのタンパク質(例えば、細胞タンパク質(CP)、例えば、酵素などの生成関連タンパク質)汚染を有する。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、環状ポリリボヌクレオチドのミリグラム(mg)当たり、0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、又は500ng未満のタンパク質(例えば、細胞タンパク質(CP)、例えば、酵素などの生成関連タンパク質)汚染を有する。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチドの生成における中間体)は、環状ポリリボヌクレオチドのミリグラム(mg)当たり、検出のレベルから0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、又は500ngまでのタンパク質(例えば、細胞タンパク質(CP)、例えば、酵素などの生成関連タンパク質)汚染を有する。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、例えば、リムルス変形細胞溶解物(LAL)試験によって測定した際に、低いレベルのエンドトキシンを有するか、又はエンドトキシンを実質的に含まない。ある実施形態において、医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチドの生成における中間体は、リムルス変形細胞溶解物試験によって測定した際に、20EU/kg(重量)、10EU/kg、5EU/kg、1EU/kg未満のエンドトキシンを含むか、又はエンドトキシンを含まない。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド組成物は、低いレベルのヌクレアーゼ若しくはリガーゼを有するか、又はヌクレアーゼ若しくはリガーゼを含まない。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、約50%(w/w)、45%(w/w)、40%(w/w)、35%(w/w)、30%(w/w)、25%(w/w)、20%(w/w)、19%(w/w)、18%(w/w)、17%(w/w)、16%(w/w)、15%(w/w)、14%(w/w)、13%(w/w)、12%(w/w)、11%(w/w)、10%(w/w)、9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、3%(w/w)、2%(w/w)、1%(w/w)以下の少なくとも1つの酵素、例えば、ポリメラーゼ、例えば、RNAポリメラーゼを含む。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、滅菌されているか、又は微生物を実質的に含まず、例えば、組成物又は製剤は、無菌状態下で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援し、組成物又は製剤は、USP<71>の標準を満たし、及び/又は組成物又は製剤は、USP<85>の標準を満たす。ある実施形態において、医薬製剤は、滅菌前に、100CFU/100ml、50CFU/100ml、40CFU/100ml、30CFU/100ml、200CFU/100ml、10CFU/100ml、又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含む。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤はさらに、カラムクロマトグラフィー又はpH/バイアル不活性化などの、不純物を除去するための当該技術分野において公知の技術を用いて精製され得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤は、環状ポリリボヌクレオチド製剤が、精製工程前と比較して、精製工程(又は複数の精製工程)に供されたとき、対象への投与後に免疫又は炎症反応の減少したレベルの1つ以上のマーカーを生成する。精製は、本明細書に記載されるように、例えば、実施例1~8にあるように行われ得る。ある実施形態において、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーは、サイトカイン又は免疫応答関連遺伝子である。ある実施形態において、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーは、RIG-I、MDA5、PKR、IFN-β、OAS、及びOASLなどの遺伝子の発現である。
一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド製剤(例えば、環状ポリリボヌクレオチド医薬製剤又は組成物又は環状ポリリボヌクレオチド製剤の生成における中間体)は、例えば、実施例3に記載されるアッセイによって測定した際に、発現産物、例えば、タンパク質、例えば、インビトロ翻訳活性を発現する。
医薬組成物
本発明は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と組み合わせた組成物を含む。医薬組成物は、1つ以上のさらなる活性物質、例えば治療的及び/又は予防的に活性な物質を任意選択的に含み得る。医薬組成物は、本明細書に記載される組成物(例えば、米国食品医薬品局(the United States Food and Drug Administration)(FDA)によって承認され、不活性成分データベース(Inactive Ingredient Database)に列挙される不活性成分のいずれか1つなどの、環状ポリリボヌクレオチドを含む組成物)のためのビヒクル又は媒体として働く不活性物質を任意選択的に含み得る。本発明の医薬組成物は、滅菌されており且つ/又はパイロジェンフリーであり得る。医薬品の製剤化及び/又は製造における概論は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy 21st ed.,Lippincott Williams & Wilkins,2005(参照により本明細書に援用される)に見られる。不活性物質の非限定的な例としては、溶媒、水性溶媒、非水性溶媒、分散媒、希釈剤、分散体、懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤、乳化剤、保存料、ポリマー、ペプチド、タンパク質、細胞、ヒアルロニダーゼ、分散剤、造粒剤、崩壊剤、結合剤、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝生理食塩水(PBS))、滑沢剤、油、及びそれらの混合物が挙げられる。
本明細書において提供される医薬組成物の説明は、主に、ヒトへの投与に好適な医薬組成物に関するが、このような組成物は、一般に、任意の他の動物、例えば、非ヒト動物、例えば非ヒト哺乳動物への投与に好適であることが当業者によって理解されるであろう。組成物を様々な動物への投与に好適にするための、ヒトへの投与に好適な医薬組成物の変更は、十分に理解されており、通常の技能を有する獣医薬理学者は、あったとしても通常の実験のみでこのような変更を設計及び/又は行うことができる。医薬組成物の投与が想定される対象としては、限定はされないが、ヒト及び/又は他の霊長類;ウシ、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウス、及び/又はラットなどの商業的に関連する哺乳動物を含む哺乳動物;及び/又は家禽、ニワトリ、カモ、ガチョウ、及び/又はシチメンチョウなどの商業的に関連する鳥類が挙げられる。
本明細書に記載される医薬組成物の製剤は、薬理学の技術分野において公知であるか又は今後開発される任意の方法によって調製され得る。一般に、このような調製方法は、有効成分を賦形剤及び/又は1つ以上の他の補助成分と組み合わせて、次に必要に応じて及び/又は望ましい場合、生成物を分割、成形及び/又は包装する工程を含む。
医薬環状RNA製剤を製造する方法
本明細書に開示される医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品を製造するための方法は、線状RNA及び/又はニックRNAを減少させるように、環状ポリリボヌクレオチドの製剤を処理する工程と、残っている線状RNA及び/又はニックRNAの量を評価する工程と、製剤をさらに処理して、医薬用途のための医薬組成物、原薬、又は薬剤製品を生成する工程とを含み得る。
本明細書に開示される医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品を製造するための方法は、環状ポリリボヌクレオチドの製剤を提供する工程と、線状RNA及び/又はニックRNAの量について製剤を評価する工程と、評価が、線状RNA及び/又はニックRNAについて所定の参照基準、例えば医薬品放出規格を満たす場合、製剤を処理して、医薬用途のための医薬組成物、原薬、又は薬剤製品を生成する工程とを含み得る。
本明細書に開示される医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品を試験するための方法は、環状ポリリボヌクレオチドの製剤を提供する工程と、線状RNAの量について製剤を評価する工程と、評価が、線状RNAについて所定の参照基準、例えば医薬品放出規格を満たすかどうかを決定する工程とを含み得る。
本明細書に開示される医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品を試験するための方法は、環状ポリリボヌクレオチドの製剤を提供する工程と、ニックRNAの量について製剤を評価する工程と、評価が、ニックRNAについて所定の参照基準、例えば医薬品放出規格を満たすかどうかを決定する工程とを含み得る。
例えば、製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、200g/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1mg/ml、1.5mg/ml、又は2mg/ml以下の線状ポリリボヌクレオチド分子の存在である。
例えば、製剤中に存在する環状ポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、99%(w/w)、99.1%(w/w)、99.2%(w/w)、99.3%(w/w)、99.4%(w/w)、99.5%(w/w)、99.6%(w/w)、99.7%(w/w)、99.8%(w/w)、99.9%(w/w)、又は100%(w/w)の分子である。
例えば、製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の0.5%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、5%(w/w)、10%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)、30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子である。
例えば、製剤中に存在するニックポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の0.5%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、5%(w/w)、10%(w/w)、又は15%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子である。
例えば、製剤中に存在する組み合わされたニック及び線状ポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子0.5%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、5%(w/w)、10%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)、30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)以下の組み合わされたニック及び線状ポリリボヌクレオチド分子である。ある実施形態において、医薬製剤は、最終的な環状ポリリボヌクレオチド薬剤製品の中間の医薬製剤である。ある実施形態において、医薬製剤は、原薬又は医薬品有効成分(API)である。ある実施形態において、医薬製剤は、対象に投与するための薬剤製品である。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、(線状RNAの減少の前、その間又はその後)、DNA、タンパク質汚染(例えば、宿主細胞タンパク質などの細胞タンパク質又はタンパク質プロセス不純物)、エンドトキシン、モノヌクレオチド分子、及び/又はプロセス関連不純物を実質的に除去するようにさらに処理される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、例えば、それが、線状RNAレベルについて規格を満たす場合、医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、医薬品賦形剤は、pHを制御するための無機若しくは有機緩衝液、糖、アミノ酸又は環状ポリリボヌクレオチド安定性のための任意の他の材料、塩化ナトリウム若しくは張度を調整するための任意の他の材料、又は非イオン性界面活性剤などの界面活性剤を含む。ある実施形態において、医薬品賦形剤は、単糖、二糖(例えば、スクロース、ラクトース、若しくはトレハロース)、三糖、多糖、アミノ糖(例えば、メグルミン)、多価アルコール、塩(例えば、炭酸水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、若しくは塩化ナトリウム)、ステアリン酸マグネシウム、アミノ酸(例えば、ヒスチジン又はアルギニン)、界面活性剤(例えば、グリセロール又はポリソルベート80)、キレート剤(例えば、EDTA)、カンファースルホン酸、又はリオプロテクタント(lyoprotectant)(例えば、シクロデキストリン)を含む。ある実施形態において、医薬品賦形剤は、クエン酸緩衝液を含む。ある実施形態において、医薬品賦形剤は、供与体メチル基S-アデノシルメチオニン(SAM)を含む。ある実施形態において、医薬品賦形剤は、α-テルピネオール;α-トコフェロール;酢酸α-トコフェロール;α-トコフェロール;1,2,6-ヘキサントリオール;1,2-ジミリストイル-Sn-グリセロ-3-(ホスホ-S-);1-グリセロール;1,2-ジミリストイル-Sn-グリセロ-3-;ホスホコリン、1,2-ジオレオイル-Sn-グリセロ-3-ホスホコリン;1,2-ジパルミトイル-Sn-グリセロ-3-(ホスホ-);Rac-(1-グリセロール);1,2-ジステアロイル-Sn-グリセロ-3-(ホスホ-Rac-);1,2-ジステアロイル-Sn-グリセロ-3-ホスホコリン;1-O-トリルビグアニド;2-エチル-1,6-ヘキサンジオール;酢酸;氷酢酸;無水酢酸;アセトン;アセトン重亜硫酸ナトリウム;アセチル化ラノリンアルコール;アセチル化モノグリセリド;アセチルシステイン;アセチルトリプトファン、DL-;アクリレートコポリマー;アクリル酸-イソオクチルアクリレートコポリマー;アクリル系接着剤788;活性炭;Adcote 72A103;アジピン酸;Aerotex Resin 3730;アラニン(注入);凝集アルブミン;コロイド状アルブミン;ヒトアルブミン;アルコール;無水アルコール;変性アルコール;希釈アルコール;Alfadex;アルギン酸;アルキルアンモニウムスルホン酸ベタイン;アルキルアリールスルホン酸ナトリウム;アラントイン;アリルα-イオノン;アーモンド油;酢酸アルミニウム;アルミニウムクロルヒドロキシアラントイネート;水酸化アルミニウム;水和水酸化アルミニウム-スクロース;水酸化アルミニウムゲル;水酸化アルミニウムゲルF 500;水酸化アルミニウムゲルF 5000;モノステアリン酸アルミニウム;酸化アルミニウム;アルミニウムポリエステル;ケイ酸アルミニウム;オクテニルコハク酸デンプンアルミニウム;ステアリン酸アルミニウム;塩基性酢酸アルミニウム;無水硫酸アルミニウム;Amerchol C;Amerchol-Cab;アミノメチルプロパノール;アンモニア;アンモニア溶液;濃アンモニア溶液;酢酸アンモニウム;水酸化アンモニウム;ラウリル硫酸アンモニウム;アンモニウムノノキシノール-4スルフェート;C-12~C-15直鎖のアンモニウム塩;第一級アルコールエトキシレート;硫酸アンモニウム;Ammonyx;Amphoteric-2;Amphoteric-9;アネトール;無水クエン酸;無水デキストロース;無水ラクトース;無水クエン酸三ナトリウム;アニス油;Anoxid Sbn;消泡剤;アンチピリン;アパフルラン;杏仁油Peg-6エステル;Aquaphor;アルギニン;Arlacel;アスコルビン酸;パルミチン酸アスコルビル;アスパラギン酸;ペルーバルサム(Balsam Peru);硫酸バリウム;蜜ろう;合成蜜ろう;ベヘネス-10;ベントナイト;塩化ベンザルコニウム;ベンゼンスルホン酸;塩化ベンゼトニウム;臭化ベンゾドデシニウム;安息香酸;ベンジルアルコール;安息香酸ベンジル;塩化ベンジル;ベータデクス;ビバプシチド;次没食子酸ビスマス;ホウ酸;ブロクリナト;ブタン;ブチルアルコール;ビニルメチルエーテル/マレイン酸のブチルエステル;無水物コポリマー(125000Mw);ステアリン酸ブチル;ブチル化ヒドロキシアニソール;ブチル化ヒドロキシトルエン;ブチレングリコール;ブチルパラベン;酪酸;C20~40パレス-24;カフェイン;カルシウム;炭酸カルシウム;塩化カルシウム;グルセプト酸カルシウム;水酸化カルシウム;乳酸カルシウム;カルコブトロール(Calcobutrol);カルジアミドナトリウム;カロキセト酸三ナトリウム(Caloxetate Trisodium);カルテリドールカルシウム;カナダバルサム;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;カプリル酸/カプリン酸/ステアリン酸トリグリセリド;カプタン;カプチゾール;カラメル;カルボマー1342;カルボマー1382;カルボマー934;カルボマー934p;カルボマー940;カルボマー941;カルボマー980;カルボマー981;カルボマーホモポリマーB型(アリル);ペンタエリトリトール(架橋));カルボマーホモポリマーC型(アリル);ペンタエリトリトール(架橋));二酸化炭素;カルボキシビニルコポリマー;カルボキシメチルセルロース;カルボキシメチルセルロースナトリウム;カルボキシポリメチレン;カラギーナン;カラギーナン塩;ヒマシ油;ニオイヒバ油セルロース;微晶質セルロース;Cerasynt-Se;セレシン;セテアレス-12;セテアレス-15;セテアレス-30;セテアリルアルコール/セテアレス-20;エチルヘキサン酸セテアリル;セテス-10;セテス-2;セテス-20;セテス-23;セトステアリルアルコール;塩化セトリモニウム;セチルアルコール;セチルエステルワックスl;パルミチン酸セチル;塩化セチルピリジニウム;クロロブタノール;クロロブタノール半水和物I;無水クロロブタノール;クロロクレゾール;クロロキシレノール;コレステロール;コレス;コレス-24;シトレート;クエン酸;クエン酸一水和物;含水クエン酸;コカミドエーテルスルフェート;コカミンオキシド;ココベタイン;ココジエタノールアミド;ココモノエタノールアミド;カカオ脂;ココ-グリセリド;ヤシ油;硬化ヤシ油;ヤシ油/パーム核油グリセリド;ココイルカプリロカプレート;コラノキ(Cola Nitida)種子抽出物;コラーゲン;着色料懸濁剤;トウモロコシ油;綿実油;クリーム基剤;クレアチン;クレアチニン;クロスカルメロースナトリウム;クロスポビドン;硫酸銅;無水硫酸銅;シクロメチコン;シクロメチコン/ジメチコンコポリオール;システイン;塩酸システイン;無水塩酸システイン;D&CレッドNo.28;D&CレッドNo.33;D&CレッドNo.36;D&CレッドNo.39;D&CイエローNo.10;ダルファムプリジン;Daubert 1-5 Pestr(Matte)164z;デシルメチルスルホキシド;Dehydag Wax Sx;デヒドロ酢酸;Dehymuls E;安息香酸デナトニウム;デオキシコール酸;デキストラン;デキストラン40;デキストリン;デキストロース;デキストロース一水和物;デキストロース溶液;ジアトリゾ酸;ジアゾリジニル尿素;ジクロロベンジルアルコール;ジクロロジフルオロメタン;ジクロロテトラフルオロエタン;ジエタノールアミン;ピロ炭酸ジエチル;セバシン酸ジエチル;ジエチレングリコールモノエチルエーテル;フタル酸ジエチルヘキシル;アミノ酢酸ジヒドロキシアルミニウム;ジイソプロパノールアミン;アジピン酸ジイソプロピル;ジリノール酸ジイソプロピル;ジメチコン350;ジメチコンコポリオール;ジメチコンMdx4-4210;ジメチコン医療用流体360;ジメチルイソソルビド;ジメチルスルホキシド;ジメチルアミノエチルメタクリレートーブチル;メタクリレート-メチルメタクリレート、コポリマー;ジメチルジオクタデシルアンモニウムベントナイト;ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン、コポリマー;ジノセブアンモニウム塩;ジパルミトイルホスファチジルグリセロール;ジプロピレングリコール;ココアンホ二酢酸二ナトリウム;スルホコハク酸ラウレス二ナトリウム;スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム;スルホサリチル酸二ナトリウム;ジソフェニン;ジビニルベンゼンスチレンコポリマー;Dmdmヒダントイン;ドコサノール;ドクサートナトリウム;Duro-Tak 280-2516;Duro-Tak 387-2516;Duro-Tak 80-1196;Duro-Tak 87-2070;Duro-Tak 87-2194;Duro-Tak 87-2287;Duro-Tak 87-2296;Duro-Tak 87-2888;Duro-Tak 87-2979;エデト酸カルシウム二ナトリウム;エデト酸二ナトリウム;無水エデト酸二ナトリウム;エデト酸ナトリウム;卵リン脂質;エンツホン;エンツホン;エピラクトース;エピテトラサイクリン塩酸塩;Essence Bouquet 9200;エタノールアミン塩酸塩;酢酸エチル;オレイン酸エチル;エチルセルロース;エチレングリコール;エチレン酢酸ビニルコポリマー;エチレンジアミン;エチレンジアミン二塩酸塩;エチレン-プロピレンコポリマー;エチレン-酢酸ビニルコポリマー;エチレン-酢酸ビニルコポリマー;ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル;エチルパラベン;ユーカリプトール;エキサメタジム;食用脂肪;固形脂肪;脂肪酸エステル;脂肪酸ペンタエリトリオールエステル;脂肪酸;クエン酸脂肪アルコール;脂肪アルコール;Fd&CブルーNo.1;Fd&CグリーンNo.3;Fd&CレッドNo.4;Fd&CレッドNo.40;Fd&CイエローNo.10;Fd&CイエローNo.5;Fd&CイエローNo.6;塩化第二鉄;酸化第二鉄;香味料89-186;香味料89-259;香味料Df-119;香味料Df-1530;香味増強剤;香味料イチジク827118;香味料ラズベリーPfc-8407;医薬用香味料Rhodia No.Rf 451;フルオロクロロ炭化水素;ホルムアルデヒド;ホルムアルデヒド;分留ヤシ油;香料3949-5;香料520a;香料6.007;香料91-122;香料9128-Y;香料93498g;香料マツバルサムNo.5124;香料Bouquet 10328;香料Chemoderm 6401-B;香料Chemoderm 6411;香料Cream No.73457;香料Cs-28197;香料Felton 066m;香料Firmenich 47373;香料Givaudan Ess 9090/1 c;香料H-6540;香料Herbal 10396;香料Nj-1085;香料P O Fl-147;香料Pa 52805;香料Pera Derm D;香料Rbd-9819;香料Shaw Mudge U-7776;香料Tf 044078;香料Ungerer Honeysuckle K 2771;香料Ungerer N5195;フルクトース;酸化ガドリニウム;ガラクトース;γシクロデキストリン;ゼラチン;架橋ゼラチン;Gelfoamスポンジ;ゲランガム(低アシル);Gelva 737;ゲンチジン酸;ゲンチジン酸エタノールアミド;グルセプト酸ナトリウム;グルセプト酸ナトリウム二水和物;グルコノラクトン;グルクロン酸;グルタミン酸;グルタチオン;グリセリン;水素化ロジンのグリセロールエステル;クエン酸グリセリル;イソステアリン酸グリセリル;ラウリン酸グリセリル;モノステアリン酸グリセリル;オレイン酸グリセリル;オレイン酸グリセリル/プロピレングリコール;パルミチン酸グリセリル;リシノ
ール酸グリセリル;ステアリン酸グリセリル;ステアリン酸グリセリル-ラウレス-23;ステアリン酸グリセリル/Pegステアレート;ステアリン酸グリセリル/Peg-100ステアレート;ステアリン酸グリセリル/Peg-40ステアレート;ステアリン酸グリセリル-ステアラミドエチル;ジエチルアミン;トリオレイン酸グリセリル;グリシン;グリシン塩酸塩;ジステアリン酸グリコール;ステアリン酸グリコール;グアニジン塩酸塩;グアーガム;ヘアコンディショナー(18nl95-lm);ヘプタン;ヘタスターチ;ヘキシレングリコール;高密度ポリエチレン;ヒスチジン;ヒトアルブミンミクロスフェア;ヒアルロン酸ナトリウム;炭化水素;可塑化炭化水素ゲル;塩酸;希塩酸;ヒドロコルチゾン;ヒドロゲルポリマー;過酸化水素;硬化ヒマシ油;硬化パーム油;硬化パーム/パーム核油Peg-6;エステル;水素化ポリブテン635-690;水酸化イオン;ヒドロキシエチルセルロース;ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸;ヒドロキシメチルセルロース;ヒドロキシオクタコサニルヒドロキシステアレート;ヒドロキシプロピルセルロース;ヒドロキシプロピルメチルセルロース2906;ヒドロキシプロピル-βシクロデキストリン;ヒプロメロース2208(15000Mpa.S);ヒプロメロース2910(15000Mpa.S);ヒプロメロース;イミド尿素;ヨウ素;ヨードキサム酸;イオフェタミン塩酸塩;アイリッシュモス抽出物;イソブタン;イソセテス-20;イソロイシン;イソオクチルアクリレート;イソプロピルアルコール;イソステアリン酸イソプロピル;ミリスチン酸イソプロピル;ミリスチン酸イソプロピル-ミリスチルアルコール;パルミチン酸イソプロピル;ステアリン酸イソプロピル;イソステアリン酸;イソステアリルアルコール;等張塩化ナトリウム溶液;Jelene;カオリン;Kathon Cg;Kathon Cg II;ラクテート;乳酸;乳酸;乳酸;ラクトビオン酸;ラクトース;ラクトース一水和物;含水ラクトース;ラネス;ラノリン;ラノリンアルコール-鉱油;ラノリンアルコール;無水ラノリン;ラノリンコレステロール;ラノリン非イオン性誘導体;エトキシ化ラノリン;水素化ラノリン;塩化ラウラルコニウム;酸化ラウラミン;ラウルジモニウム加水分解動物コラーゲン;硫酸ラウレス;ラウレス-2;ラウレス-23;ラウレス-4 T;ラウリン酸ジエタノールアミド;ラウリン酸ミリスチン酸ジエタノールアミド;ラウロイルサルコシン;乳酸ラウリル;硫酸ラウリル;イングリッシュラベンダー(Lavandula Angustifolia)花頂部;レシチン;無漂白レシチン;卵レシチン;水素化レシチン;水素化大豆レシチン;大豆レシチン;レモン油;ロイシン;レブリン酸;リドフェニン;軽油;軽油(85Ssu);リモネン、(+/-)-;リポコールSc-15;リジン;酢酸リジン;リジン一水和物;ケイ酸アルミニウムマグネシウム;ケイ酸アルミニウムマグネシウム水和物;塩化マグネシウム;硝酸マグネシウム;ステアリン酸マグネシウム;マレイン酸;マンニトール;マプロフィックス(Maprofix);メブロフェニン(Mebrofenin);医療用接着剤改変型S-15;医療用消泡剤A-Fエマルジョン;メドロン酸二ナトリウム;メドロン酸;メグルミン;メントール;メタクレゾール;メタリン酸;メタンスルホン酸;メチオニン;メチルアルコール;メチルグルセス-10;メチルグルセス-20;セスキステアリン酸メチルグルセス-20;セスキステアリン酸メチルグルコース;ラウリン酸メチル;メチルピロリドン;サリチル酸メチル;ステアリン酸メチル;メチルボロン酸;メチルセルロース(4000Mpa.S);メチルセルロース;メチルクロロイソチアゾリノン;メチレンブルー;メチルイソチアゾリノン;メチルパラベン;微結晶性ワックス;鉱油;モノ及びジグリセリド;クエン酸モノステアリル;モノチオグリセロール;マルチステロール(Multisterol)抽出物;ミリスチルアルコール;乳酸ミリスチル;ミリスチル-γ-ピコリニウムクロリド;N-(カルバモイル-メトキシPeg-40)-1,2-;ジステアロイル-セファリンナトリウム;N,N-ジメチルアセトアミド;ナイアシンアミド;ニオキシム;硝酸;Peg-2ステアレート;酢酸フェニル水銀;硝酸フェニル水銀;卵ホスファチジルグリセロール;リン脂質;卵リン脂質;ホスホリポン90g;リン酸;松葉油(ヨーロッパアカマツ(Pinus Sylvestris));ピペラジン六水和物;プラスチベース-50w;ポラクリリンイオントフォレシス(Iontophoresis);塩化ポリドロニウム;ポロキサマー124;ポロキサマー181;ポロキサマー182;ポロキサマー188;ポロキサマー237;ポロキサマー407;ポリ(ビス(P-カルボキシフェノキシ)プロパン;無水物、セバシン酸;末端ブロック化ポリ(ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサン/メチルヒドロゲンシロキサン)ジメチルビニル、ジメチルヒドロキシ、若しくはトリメチル;ポリ(Dl-乳酸-Co-グリコール酸);ポリ(Dl-乳酸-Co-グリコール酸);ポリアクリル酸(250000Mw);ポリブテン(1400Mw);ポリカルボフィル;ポリエステル;ポリエステルポリアミンコポリマー;ポリエステルレーヨン;ポリエチレングリコール1000;ポリエチレングリコール1450;ポリエチレングリコール1500;ポリエチレングリコール1540;ポリエチレングリコール200;ポリエチレングリコール300;ポリエチレングリコール300-1600;ポリエチレングリコール3350;ポリエチレングリコール400;ポリエチレングリコール4000;ポリエチレングリコール540;ポリエチレングリコール600;ポリエチレングリコール6000;ポリエチレングリコール8000;ポリエチレングリコール900;第二鉄含有高密度ポリエチレン;黒色酸化物(<1%);低密度ポリエチレン;硫酸バリウム(20~24%);ポリエチレンT;ポリエチレンテレフタレート;ポリグラクチン;ポリグリセリル3オレエート;ポリグリセリル4オレエート;ポリヒドロキシエチルメタクリレート;ポリイソブチレン;ポリイソブチレン(1100000Mw);ポリイソブチレン(35000Mw);ポリイソブチレン178-236;ポリイソブチレン241-294;ポリイソブチレン35-39;低分子量ポリイソブチレン;中分子量ポリイソブチレン;ポリイソブチレン/ポリブテン接着剤;ポリラクチド;ポリオール;ポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレン1800;ポリオキシエチレンアルコール;ポリオキシエチレン脂肪酸エステル;ポリオキシエチレンプロピレン;ポリオキシル20セトステアリルエーテル;ポリオキシル35ヒマシ油;ポリオキシル40硬化ヒマシ油;ステアリン酸ポリオキシル40;ステアリン酸ポリオキシル400;パルミトステアリン酸ポリオキシル6及びポリオキシル32;ジステアリン酸ポリオキシル;ポリオキシルステアリン酸グリセリル;ポリオキシルラノリン;パルミチン酸ポリオキシル;ステアリン酸ポリオキシル;ポリプロピレン;ポリプロピレングリコール;ポリクオタニウム-10;ポリクオタニウム-7;アクリルアミド/Dadmac;ポリシロキサン;ポリソルベート20;ポリソルベート40;ポリソルベート60;ポリソルベート65;ポリソルベート80;ポリウレタン;ポリ酢酸ビニル;ポリビニルアルコール;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニル-ポリ酢酸ビニル、コポリマー;ポリビニルピリジン;ケシ油;炭酸カリウム;酢酸カリウム;カリウムミョウバン;炭酸水素カリウム;亜硫酸水素カリウム;塩化カリウム;クエン酸カリウム;水酸化カリウム;メタ重亜硫酸カリウム;リン酸二カリウム;リン酸二水素カリウム;カリウム石鹸;ソルビン酸カリウム;ポビドンアクリレートコポリマー;ポビドンヒドロゲルイオントフォレシス(Iontophoresis);ポビドンK17;ポビドンK25;ポビドンK29/32;ポビドンK30;ポビドンK90;ポビドンK90f;ポビドン/エイコセンコポリマー;ポビドン;Ppg-12/Smdiコポリマー;Ppg-15ステアリルエーテル;Ppg-20メチルグルコースエーテルジステアレート;Ppg-26オレエート;プロダクトワット(Product Wat);プロリン;プロムルゲン(Promulgen)D;プロムルゲンG;プロパン;噴霧剤A-46;没食子酸プロピル;炭酸プロピレン;プロピレングリコール;プロピレングリコールジアセテート;プロピレングリコールジカプリレート;プロピレングリコールモノラウレート;プロピレングリコールモノパルミトステアレート;プロピレングリコールパルミトステアレート;プロピレングリコールリシノレエート;プロピレングリコール/ジアゾリジニル;尿素/メチルパラベン/プロピルパラベン;プロピルパラベン;硫酸プロタミン;タンパク質加水分解物;Pvm/Maコポリマー;クアテルニウム-15;クアテルニウム-15シス型;クアテルニウム-52;Ra-2397;Ra-3011;サッカリン;サッカリンナトリウム;無水サッカリンナトリウム;サフラワー油;Sdアルコール3a;Sdアルコール40;Sdアルコール40-2;Sdアルコール40b;Sepineo P 600;セリン;ゴマ油;シアバター;Silastic医療用接着剤;シリコーンA型;シリカ;ケイ素;二酸化ケイ素;シリコーン;シリコーン接着剤4102;シリコーン接着剤4502;シリコーン接着剤Bio-Psa Q7-4201;シリコーン接着剤Bio-Psa Q7-4301;シリコーンエマルジョン;シリコーン/ポリエステルフィルムストリップ;シメチコン;シメチコンエマルジョン;Sipon Ls 20np;ソーダ灰;酢酸ナトリウム;無水酢酸ナトリウム;アルキル硫酸ナトリウム;アスコルビン酸ナトリウム;安息香酸ナトリウム;炭酸水素ナトリウム;重硫酸ナトリウム;重亜硫酸ナトリウム;ホウ酸ナトリウム;ホウ酸ナトリウム十水和物;炭酸ナトリウム;炭酸ナトリウム十水和物;炭酸ナトリウム一水和物;セトステアリル硫酸ナトリウム;塩素酸ナトリウム;塩化ナトリウム;コレステリル硫酸ナトリウム;クエン酸ナトリウム;ココイルサルコシンナトリウム;デソキシコール酸ナトリウム;亜ジチオン酸ナトリウム;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム;ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム;グルコン酸ナトリウム;水酸化ナトリウム;次亜塩素酸ナトリウム;ヨウ化ナトリウム;乳酸ナトリウム;乳酸ナトリウム、L-;ラウレス-2硫酸ナトリウム;ラウレス-3硫酸ナトリウム;ラウレス-5硫酸ナトリウム;ラウロイルサルコシンナトリウム;ラウリル硫酸ナトリウム;ラウリルスルホ酢酸ナトリウム;メタ重亜硫酸ナトリウム;硝酸ナトリウム;リン酸ナトリウム;リン酸ナトリウム二水和物;リン酸水素ナトリウム;無水リン酸水素ナトリウム;リン酸水素ナトリウム二水和物;リン酸水素ナトリウム十二水和物;リン酸水素ナトリウム七水和物;リン酸一ナトリウム;無水リン酸一ナトリウム;リン酸一ナトリウム二水和物;リン酸一ナトリウム又は一水和物;ポリアクリル酸ナトリウム(2500000Mw);ピロリン酸ナトリウム;ピロリドンカルボン酸ナトリウム;デンプングリコール酸ナトリウム;コハク酸ナトリウム六水和物;硫酸ナトリウム;無水硫酸ナトリウム;硫酸ナトリウム十水和物;亜硫酸ナトリウム;スルホコハク酸ナトリウム化ウンデシレン(Sodium Sulfosuccinated Undecyclenic)、若しくはモノアルキロールアミド;酒石酸ナトリウム;チオグリコール酸ナトリウム;チオリンゴ酸ナトリウム;チオ硫酸ナトリウム;無水チオ硫酸ナトリウム;トリメタリン酸ナトリウム;キシレンスルホン酸ナトリウム;Somay 44;ソルビン酸;ソルビタン;イソステアリン酸ソルビタン;モノラウリン酸ソルビタン;モノオレイン酸ソルビタン;モノパルミチン酸ソルビタン;モノステアリン酸ソルビ
タン;セスキオレイン酸ソルビタン;トリオレイン酸ソルビタン;トリステアリン酸ソルビタン;ソルビトール;ソルビトール溶液;大豆粉;大豆油;スペアミント油;鯨ろう;スクアラン;安定化オキシクロロ錯体;2-エチルヘキサン酸第一スズ;塩化第一スズ;無水塩化第一スズ;フッ化第一スズ;酒石酸第一スズ;デンプン;アルファ化デンプン1500;トウモロコシデンプン;塩化ステアラルコニウム;ステアラルコニウムヘクトライト/炭酸プロピレン;ステアルアミドエチルジエチルアミン;ステアレス-10;ステアレス-100;ステアレス-2;ステアレス-20;ステアレス-21;ステアレス-40;ステアリン酸;ステアリン酸ジエタノールアミド;ステアロキシトリメチルシラン;ステアルトリモニウム加水分解動物;コラーゲン;ステアリルアルコール滅菌水;スチレン/イソプレン/スチレンブロックコポリマー;サクシマー;コハク酸;スクラロース;スクロース;ジステアリン酸スクロース;スクロースポリエステル;スルファセタミドナトリウム;スルホブチルエーテルβ-シクロデキストリン筋肉内;二酸化硫黄;硫酸;亜硫酸;Surfactol Qs;タガトース、D-;タルク;トール油;獣脂グリセリド;酒石酸;酒石酸;テノックス;テノックス-2;Tert-ブチルアルコール;Tert-ブチルヒドロペルオキシド;Tert-ブチルヒドロキノン;テトラキス(2-メトキシイソブチルイソシアニド)銅(I);テトラフルオロボレート;オルトケイ酸テトラプロピル;テトロホスミン;テオフィリン;チメロサール;トレオニン;チモール;スズ;二酸化チタン;トコフェロール;トコフェルソラン;トリアセチン;トリカプリリン;トリクロロモノフルオロメタン;トリデセス-10;ラウリル硫酸トリエタノールアミン;トリフルオロ酢酸;中鎖トリグリセリド;トリヒドロキシステアリン;トリラネス-4リン酸;トリラウレス-4リン酸;クエン酸三ナトリウム二水和物;Hedta三ナトリウム;Triton 720;Triton X-200;トロラミン;トロマンタジン;トロメタミン;トリプトファン;チロキサポール;チロシン;ウンデシレン酸;Union 76 Amsco-Res 6038;尿素;バリン;植物油;硬化植物油グリセリド;硬化植物油;ベルセタミド;Viscarin;ビスコース/綿;ビタミンE;乳化ワックス、Wecobee Fs;白色セレシンワックス;白ろう;キサンタンガム;亜鉛;酢酸亜鉛;炭酸亜鉛;塩化亜鉛;又は酸化亜鉛を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、脂質ナノ粒子(LNP)と組み合わされる。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、スクロース、ラクトース、又はトレハロースなどの二糖を含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、スクロースを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、多糖を含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、グリセロール又はポリソルベート80などの界面活性剤を含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、α-トコフェロールを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、ホスホコリンを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、アルコールを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、イソプロピルアルコールを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、ラノリンアルコールを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、ヒトアルブミンを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、水酸化アルミニウムゲルF 500を含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、アスパラギン酸を含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、硫酸バリウムを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、安息香酸を含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、カルシウムを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、塩化カルシウムを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、カルボキシメチルセルロースを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、クエン酸を含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、エチレングリコールを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、塩化第二鉄を含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、炭化水素ゲルを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、塩化マグネシウムを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、ナイアシンアミドを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、ポリエチレングリコールを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、塩化カリウムを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、プロピレングリコールを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、炭酸ナトリウムを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、塩化ナトリウムを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、乳酸ナトリウムを含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの製剤は、酢酸亜鉛を含む医薬品賦形剤とその後組み合わされる。
ある実施形態において、不純物(例えば、細胞タンパク質、細胞核酸、酵素、試薬成分、ゲル成分、又はクロマトグラフィー材料、タンパク質汚染、又はエンドトキシン汚染)の量は、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品が、参照基準を満たすかどうかを決定するために測定される。
例えば、製剤中の存在するDNAの量についての参照基準は、ゼロのDNA分子の存在であるか、DNA分子を実質的に含まないか、又は1pg/ml、10pg/ml、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、若しくは500ng/ml、1000μg/mL、5000μg/mL、10,000μg/mL、又は100,000μg/mL以下のDNAの存在である。
例えば、製剤中に存在するタンパク質汚染の量についての参照基準は、環状ポリリボヌクレオチド分子のミリグラム(mg)当たり、0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、又は500ng未満のタンパク質汚染のタンパク質汚染の存在である。
ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品中に存在するエンドトキシンの量は、20EU/kg(重量)、10EU/kg、5EU/kg、1EU/kgであるか、又は所定の閾値未満であり、例えば、製剤は、規定の方法による検出限界未満のレベルのエンドトキシンを含む。ある実施形態において、参照基準は、医薬品放出規格である。
ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、滅菌薬剤製品であるか、又は微生物を実質的に含まない(例えば、無菌状態で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援する)。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、USP<71>の標準及び/又はUSP<85>の標準を満たす。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品はさらに、医薬用途のためにラベルを付けられ、出荷される。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、滅菌前に、100CFU/100ml、50CFU/100ml、40CFU/100ml、30CFU/100ml、200CFU/100ml、10CFU/100ml、又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含む。
ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、少なくとも0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、60μg/mL、70μg/mL、80μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、300μg/mL、500μg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、100mg/mL、又は500mg/mLの環状ポリリボヌクレオチド分子の濃度を含む。
ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品はさらに、カラムクロマトグラフィー又はpH/バイアル不活性化などの、不純物を除去するための当該技術分野において公知の技術を用いて精製され得る。
環状化
一実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、環状化、又はコンカテマー化され得る。ある実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、製剤化及び/又は送達前にインビトロで環状化され得る。ある実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、細胞内で環状化され得る。
細胞外環状化
ある実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、化学的方法を用いて環状化又はコンカテマー化されて、環状ポリリボヌクレオチドを形成する。ある化学的方法において、核酸(例えば、線状環状ポリリボヌクレオチド)の5’末端及び3’末端は、互いに近づけると、分子の5’末端と3’末端との間で新たな共有結合を形成し得る化学的に反応性の基を含む。5’末端は、NHSエステル反応性基を含有し得、3’末端は、3’-アミノ末端ヌクレオチドを含有し得、有機溶媒中において、線状RNA分子の3’末端における3’-アミノ末端ヌクレオチドが、5’-NHS-エステル部分上で求核攻撃を起こして、新たな5’-/3’-アミド結合を形成するようになっている。
一実施形態において、DNA又はRNAリガーゼを用いて、5’-リン酸化核酸分子(例えば、線状環状ポリリボヌクレオチド)を核酸(例えば、線状核酸)の3’-ヒドロキシル基に酵素的に連結して、新たなホスホジエステル結合を形成し得る。例の反応において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、製造業者の説明に従って、1~10単位のT4 RNAリガーゼ(New England Biolabs,Ipswich,MA)と共に1時間にわたって37℃でインキュベートされる。ライゲーション反応は、酵素的ライゲーション反応を補助するために並んだ5’-及び3’-領域の両方と塩基対合することが可能な線状核酸の存在下で起こり得る。一実施形態において、ライゲーションは、スプリントライゲーションである。例えば、RNAリガーゼ2のようなスプリントリガーゼが、スプリントライゲーションに使用され得る。スプリントライゲーションでは、一本鎖DNAのような一本鎖ポリヌクレオチド(スプリント)は、2つの末端が一本鎖スプリントとのハイブリダイゼーション時に並置され得るように線状ポリリボヌクレオチドの両方の末端とハイブリダイズするように設計され得る。したがって、RNAリガーゼ2は、線状ポリリボヌクレオチドの並置される2つの末端のライゲーションを触媒して、共有結合された環状ポリリボヌクレオチドを生成し得る。
一実施形態において、DNA又はRNAリガーゼは、環状ポリヌクレオチドの合成に使用され得る。非限定的な例として、リガーゼは、circリガーゼ又は環状リガーゼであり得る。
一実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドの5’末端又は3’末端のいずれかは、インビトロ転写中、得られる線状環状ポリリボヌクレオチドが、線状環状ポリリボヌクレオチドの5’末端を線状環状ポリリボヌクレオチドの3’末端にライゲートすることが可能な活性リボザイム配列を含むように、リガーゼリボザイム配列をコードし得る。リガーゼリボザイムは、グループIイントロン、デルタ肝炎ウイルス、ヘアピン型リボザイムに由来し得るか、又はSELEX(指数関数的濃縮によるリガンドの体系的な進化)によって選択され得る。リボザイムリガーゼ反応は、0~37℃の温度で1~24時間行われ得る。
一実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも1つの非核酸部分を用いることによって環状化又はコンカテマー化され得る。一態様において、少なくとも1つの非核酸部分は、線状環状ポリリボヌクレオチドを環状化又はコンカテマー化するために、線状環状ポリリボヌクレオチドの5’末端の近傍及び/又は3’末端の近傍の領域又は特徴と反応し得る。別の態様において、少なくとも1つの非核酸部分は、線状環状ポリリボヌクレオチドの5’末端及び/又は3’末端に位置するか又は連結されるか又はその近傍にあり得る。考えられる非核酸部分は、同種又は異種であり得る。非限定的な例として、非核酸部分は、疎水性結合、イオン結合、生分解性結合及び/又は切断可能な結合などの結合であり得る。別の非限定的な例として、非核酸部分は、ライゲーション部分である。さらに別の非限定的な例として、非核酸部分は、本明細書に記載されるアプタマー又は非核酸リンカーなどのオリゴヌクレオチド又はペプチド部分であり得る。
一実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、線状環状ポリリボヌクレオチドの5’及び3’末端における、その近傍における若しくはそのような5’及び3’末端に連結された、原子間、分子表面間の吸引力を引き起こす非核酸部分により、環状化又はコンカテマー化され得る。非限定的な例として、1つ以上の線状環状ポリリボヌクレオチドは、分子間力又は分子内力によって環状化又はコンカテマー化され得る。分子間力の非限定的な例としては、双極子-双極子力、双極子-誘起双極子力、誘起双極子-誘起双極子力、ファン・デル・ワールス力、及びロンドン分散力が挙げられる。分子内力の非限定的な例としては、共有結合、金属結合、イオン結合、共鳴結合、アグノスティック結合(agnostic bond)、双極子結合、共役、超共役及び反結合が挙げられる。
一実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、5’末端の近傍及び3’末端の近傍にリボザイムRNA配列を含み得る。リボザイムRNA配列は、配列がリボザイムの残りの部分に曝されるとき、ペプチドに共有結合し得る。一態様において、5’末端及び3’末端の近傍でリボザイムRNA配列に共有結合されたペプチドは、互いに結合して、線状環状ポリリボヌクレオチドを環状化又はコンカテマー化させ得る。別の態様において、5’末端及び3’末端の近傍でリボザイムRNAに共有結合されたペプチドは、限定はされないが、タンパク質ライゲーションなどの当該技術分野において公知の様々な方法を用いたライゲーションに線状一次構築物又は線状mRNAを供した後、それらを環状化又はコンカテマー化させ得る。本発明の線状一次構築物若しくは線状RNAに使用するためのリボザイムの非限定的な例又はペプチドを組み込み且つ/又は共有結合するための方法の非限定的な一覧が、米国特許出願公開第20030082768号明細書に記載されており、その内容全体が参照により本明細書に援用される。
ある実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、例えば、5’トリホスフェートをRNA5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)又はATPジホスホヒドロラーゼ(アピラーゼ)と接触させることによって5’モノホスフェートに転化される核酸の5’トリホスフェートを含み得る。代わりに、線状環状ポリリボヌクレオチドの5’トリホスフェートを5’モノホスフェートに転化することは、(a)線状環状ポリリボヌクレオチドの5’ヌクレオチドをホスファターゼ(例えば、アンタークティック(Antarctic)ホスファターゼ、エビ由来アルカリホスファターゼ、又は仔牛小腸由来ホスファターゼ)と接触させて、3つ全てのホスフェートを除去する工程;及び(b)工程(a)後の5’ヌクレオチドを、1つのホスフェートを追加するキナーゼ(例えば、ポリヌクレオチドキナーゼ)と接触させる工程を含む2工程反応によって行われ得る。
ある実施形態において、本明細書において提供される環状化方法の環状化効率は、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は100%である。ある実施形態において、本明細書において提供される環状化方法の環状化効率は、少なくとも約40%である。
スプライシング要素
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも1つのスプライシング要素を含む。本明細書において提供される環状ポリリボヌクレオチドにおいて、スプライシング要素は、環状ポリリボヌクレオチドのスプライシングを媒介し得る完全なスプライシング要素であり得る。代わりに、スプライシング要素は、完了したスプライシング事象からの残留スプライシング要素でもあり得る。例えば、ある場合において、線状ポリリボヌクレオチドのスプライシング要素は、線状ポリリボヌクレオチドの環状化をもたらすスプライシング事象を媒介することができ、それにより、得られる環状ポリリボヌクレオチドは、このようなスプライシングを介した環状化事象からの残留スプライシング要素を含む。ある場合において、残留スプライシング要素は、スプライシングを媒介することができない。他の場合、残留スプライシング要素は、特定の状況下でスプライシングを依然として媒介することができる。ある実施形態において、スプライシング要素は、少なくとも1つの発現配列に隣接する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、各発現配列に隣接するスプライシング要素を含む。ある実施形態において、スプライシング要素は、各発現配列の1つの側又は両側にあり、発現産物、例えば、ペプチド及び又はポリペプチドの分離をもたらす。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、複製されると、スプライスされた末端が互いに結合される内部スプライシング要素を含む。いくつかの例は、スプライス部位配列及びAluSq2、AluJr、及びAluSzなどの短い逆方向反復(30~40nt)、隣接するイントロン中の逆方向配列、隣接するイントロン中のAlu要素、並びに隣接するエクソンを有するバックスプライス部位の200bp前にある(上流にある)又は後ろにある(下流にある)配列など、バックスプライス事象の近位にある(suptable4富化モチーフ)シス-配列要素に見られるモチーフを有する小型のイントロン(<100nt)を含み得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、内部スプライシング要素として本明細書の他の箇所に記載される少なくとも1つの反復ヌクレオチド配列を含む。このような実施形態において、反復ヌクレオチド配列は、イントロンのAluファミリーからの反復配列を含み得る。ある実施形態において、スプライシングに関連するリボソーム結合タンパク質は、環状ポリリボヌクレオチド生合成を調節し得る(例えば、Muscleblind及びQuaking(QKI)スプライシング因子)。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、環状ポリリボヌクレオチドの頭尾接合部(head-to-tail junction)に隣接する標準スプライス部位を含み得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、2つの3-ヌクレオチドバルジによって隣接される4-塩基対ステムを含むバルジ-ヘリックス-バルジモチーフを含み得る。切断がバルジ領域において起こり、末端5’-ヒドロキシル基及び2’,3’-環状ホスフェートを有する特徴的なフラグメントを生成する。環状化は、3’,5’-ホスホジエステル架橋を形成する同じ分子の2’,3’-環状ホスフェートへの5’-OH基の求核攻撃によって進行する。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、HPR要素を有する多量体反復RNA配列を含み得る。HPRは、2’,3’-環状ホスフェート及び5’-OH末端を含む。HPR要素は、線状環状ポリリボヌクレオチドの5’末端及び3’末端を自己プロセシングし、それによって末端を互いにライゲートする。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、自己ライゲーションを媒介する配列を含み得る。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、自己ライゲートするために、HDV配列(例えば、HDV複製ドメイン保存配列、
Figure 2022523794000004
)を含み得る。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、自己ライゲートするために、ループE配列(例えば、PSTVd中)を含み得る。別の実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、自己環状化イントロン、例えば、5’及び3’スプライス接合部、又はグループI、グループII若しくはグループIIIイントロンなどの自己環状化触媒イントロンを含み得る。グループIイントロン自己スプライシング配列の非限定的な例は、T4バクテリオファージ遺伝子tdに由来する自己スプライシング置換イントロン-エクソン配列、及びテトラヒメナ属(Tetrahymena)の介在配列(IVS)rRNAを含み得る。
他の環状化方法
ある実施形態において、線状環状ポリリボヌクレオチドは、個々のイントロン内に又は隣接するイントロンにわたって反復又は非反復核酸配列を含む相補的配列を含み得る。反復核酸配列は、環状ポリリボヌクレオチドのセグメント内に存在する配列である。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、反復核酸配列を含む。ある実施形態において、反復ヌクレオチド配列は、ポリCA又はポリUG配列を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、環状ポリリボヌクレオチドの別のセグメント中の相補的な反復核酸配列にハイブリダイズする少なくとも1つの反復核酸配列を含み、ハイブリダイズされたセグメントが内部二本鎖を形成する。ある実施形態において、2つの別個の環状ポリリボヌクレオチドからの反復核酸配列及び相補的な反復核酸配列がハイブリダイズして、単一の環状化ポリリボヌクレオチドを生成し、ハイブリダイズされたセグメントが内部二本鎖を形成する。ある実施形態において、相補的配列は、線状環状ポリリボヌクレオチドの5’及び3’末端において見られる。ある実施形態において、相補的配列は、約3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、又はそれ以上の対合ヌクレオチドを含む。
ある実施形態において、環状化の化学的方法が、環状ポリリボヌクレオチドを生成するのに使用され得る。このような方法としては、限定はされないが、クリック化学(例えば、アルキン及びアジドに基づく方法、又はクリック可能な塩基)、オレフィンメタセシス、ホスホロアミデートライゲーション、ヘミアミナール-イミン架橋、塩基修飾、及びそれらの任意の組合せが挙げられる。
ある実施形態において、環状化の酵素的方法が、環状ポリリボヌクレオチドを生成するのに使用され得る。ある実施形態において、ライゲーション酵素、例えば、DNA又はRNAリガーゼは、環状ポリリボヌクレアーゼ若しくは相補体の鋳型、環状ポリリボヌクレアーゼの相補鎖、又は環状ポリリボヌクレアーゼを生成するのに使用され得る。
環状ポリリボヌクレオチドの環状化は、当該技術分野において公知の方法、例えば、Nucleic Acids Res,2015、43(4):2454-2465からのPetkovic及びMullerによる“RNA circularization strategies in vivo and in vitro”、及びRNA Biol,2017,14(8):1018-1027からのMuller及びAppelによる“In vitro circularization of RNA”に記載されているものによって行われ得る。
発現配列
ペプチド又はポリペプチド
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ペプチド又はポリペプチドをコードする少なくとも1つの発現配列を含む。このようなペプチドとしては、限定はされないが、低分子ペプチド、ペプチド模倣物(例えば、ペプトイド)、アミノ酸及びアミノ酸類似体が挙げられる。ペプチドは、直鎖状又は分枝鎖状であり得る。このようなペプチドは、1モル当たり約5,000グラム未満の分子量、1モル当たり約2,000グラム未満の分子量、1モル当たり約1,000グラム未満の分子量、1モル当たり約500グラム未満の分子量並びにこのような化合物の塩、エステル及び他の薬学的に許容される形態を有し得る。このようなペプチドとしては、限定はされないが、神経伝達物質、ホルモン、薬剤、毒素、ウイルス若しくは微生物粒子、合成分子及びそれらのアゴニスト又はアンタゴニストが挙げられる。
ポリペプチドは、直鎖状又は分枝鎖状であり得る。ポリペプチドは、約5~約40,000アミノ酸、約15~約35,000アミノ酸、約20~約30,000アミノ酸、約25~約25,000アミノ酸、約50~約20,000アミノ酸、約100~約15,000アミノ酸、約200~約10,000アミノ酸、約500~約5,000アミノ酸、約1,000~約2,500アミノ酸又はそれらの間の任意の範囲の長さを有し得る。ある実施形態において、ポリペプチドは、約40,000未満のアミノ酸、約35,000未満のアミノ酸、約30,000未満のアミノ酸、約25,000未満のアミノ酸、約20,000未満のアミノ酸、約15,000未満のアミノ酸、約10,000未満のアミノ酸、約9,000未満のアミノ酸、約8,000未満のアミノ酸、約7,000未満のアミノ酸、約6,000未満のアミノ酸、約5,000未満のアミノ酸、約4,000未満のアミノ酸、約3,000未満のアミノ酸、約2,500未満のアミノ酸、約2,000未満のアミノ酸、約1,500未満のアミノ酸、約1,000未満のアミノ酸、約900未満のアミノ酸、約800未満のアミノ酸、約700未満のアミノ酸、約600未満のアミノ酸、約500未満のアミノ酸、約400未満のアミノ酸、約300未満のアミノ酸又はそれを下回る長さを有し、有用であり得る。
本発明の環状ポリリボヌクレオチド中の発現配列によって発現されるペプチド又はポリペプチドの非限定的な例としては、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0149]、[0150]、及び[0152]に記載されているものが挙げられる。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、タンパク質、例えば治療用タンパク質をコードする発現配列を含む。ある実施形態において、本明細書に開示される環状ポリリボヌクレオチドから発現され得る治療用タンパク質は、酸化防止活性、結合、積み荷受容体活性、触媒活性、分子担体活性、分子機能調節剤、分子トランスデューサ活性、栄養貯留活性、タンパク質タグ、構造分子活性、毒素活性、転写調節活性、翻訳調節活性又は輸送活性を有する。治療用タンパク質のいくつかの例としては、限定はされないが、酵素補充タンパク質、補充用のタンパク質、タンパク質ワクチン接種、抗原(例えば腫瘍抗原、ウイルス、細菌)、ホルモン、サイトカイン、抗体、免疫療法(例えば、癌)、リプログラミング/分化転換因子、転写因子、キメラ抗原受容体、トランスポザーゼ又はヌクレアーゼ、免疫エフェクター(例えば、免疫応答/シグナルに対する感受性に影響を与える)、調節された死エフェクタータンパク質(例えば、アポトーシス又は壊死の誘導因子)、腫瘍の非溶解性阻害剤(例えば、癌タンパク質の阻害剤)、エピジェネティック修飾剤、エピジェネティック酵素、転写因子、DNA又はタンパク質修飾酵素、DNA挿入剤、排出ポンプ阻害剤、核内受容体活性化剤若しくは阻害剤、プロテアソーム阻害剤、酵素用の競合阻害剤、タンパク質合成エフェクター若しくは阻害剤、ヌクレアーゼ、タンパク質フラグメント若しくはドメイン、リガンド若しくは受容体及びCRISPRシステム若しくはその構成要素が挙げられる。
ある実施形態において、本明細書に開示される環状ポリリボヌクレオチドから発現され得る例示的なタンパク質としては、細胞内タンパク質又は細胞質タンパク質が挙げられる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、レポーター分子、例えば、NanoLuc(登録商標)ルシフェラーゼ(nLuc)を発現する。ある実施形態において、本明細書に開示される環状ポリリボヌクレオチドから発現され得る例示的なタンパク質としては、分泌タンパク質、例えば分泌酵素が挙げられる。ある場合において、環状ポリリボヌクレオチドは、血液中で治療効果のある短い半減期を有し得る分泌タンパク質を発現するか、又は細胞内局在化シグナルを有するタンパク質若しくは分泌シグナルペプチドを有するタンパク質であり得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ガウシアルシフェラーゼ(gLuc)を発現する。ある場合において、環状ポリリボヌクレオチドは、非ヒトタンパク質、例えば蛍光タンパク質、エネルギー移動受容体又はFlag、Myc若しくはHisのようなタンパク質タグを発現する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドから発現され得る例示的なタンパク質としては、GFPが挙げられる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、タグ化タンパク質、例えばタンパク質タグを含有する融合タンパク質又は改変タンパク質、例えばキチン結合タンパク質(CBP)、マルトース結合タンパク質(MBP)、Fcタグ、グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、SNAP-タグ、tandem protein A(ZZ)タグ、Halo-タグ、AviTag(GLNDIFEAQKIEWHE)、カルモジュリン-タグ(KRRWKKNFIAVSAANRFKKISSSGAL);ポリグルタメートタグ(EEEEEE);E-タグ(GAPVPYPDPLEPR);FLAG-タグ(DYKDDDDK)、HA-タグ(YPYDVPDYA);His-タグ(例えば、HHHHHH);Myc-タグ(EQKLISEEDL);NE-タグ(TKENPRSNQEESYDDNES);S-タグ(KETAAAKFERQHMDS);SBP-タグ(MDEKTTGWRGGHVVEGLAGELEQLRARLEHHPQGQREP);Softag 1(SLAELLNAGLGGS);Softag 3(TQDPSRVG);Spot-タグ(PDRVRAVSHWSS);Strep-タグ(Strep-タグII:WSHPQFEK);TCタグ(CCPGCC);Tyタグ(EVHTNQDPLD);V5タグ(GKPIPNPLLGLDST);VSV-タグ(YTDIEMNRLGK);又はXpressタグ(DLYDDDDK)を発現する。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、抗原結合タンパク質、例えば、抗体、例えば抗体フラグメント又はその部分を発現する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドによって発現される抗体は、IgA、IgD、IgE、IgG、IgMなどの任意のアイソタイプのものであり得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、抗体の一部、例えば軽鎖、重鎖、Fcフラグメント、CDR(相補性決定領域)、Fvフラグメント又はFabフラグメント、そのさらなる部分を発現する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、抗体の1つ以上の部分を発現する。例えば、環状ポリリボヌクレオチドは、2つ以上の発現配列を含むことができ、これらは、それぞれ抗体の一部を発現し、これらの集合が抗体を構成し得る。ある場合において、環状ポリリボヌクレオチドは、抗体の重鎖をコードする1つの発現配列及び抗体の軽鎖をコードする別の発現配列を含む。ある場合において、環状ポリリボヌクレオチドが細胞内又は無細胞環境で発現される場合、軽鎖及び重鎖は、適切な修飾、折り畳み又は機能的抗体を形成する他の翻訳後修飾に供され得る。
調節要素
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、調節要素、例えば環状ポリリボヌクレオチド内の発現配列の発現を調節する配列を含む。
調節要素は、発現産物をコードする発現配列に隣接して位置する配列を含み得る。調節要素は、隣接する配列に動作可能に連結され得る。調節要素は、調節要素が存在しない場合に発現される産物の量と比較して、発現される産物の量を増加させ得る。さらに、1つの調節要素が、並んで結合された複数の発現配列について発現される産物の量を増加させ得る。したがって、1つの調節要素が1つ以上の発現配列の発現を促進することができる。複数の調節要素が当業者に周知である。
本明細書において提供される調節要素は、選択的翻訳配列を含み得る。本明細書において使用される際、「選択的翻訳配列」という用語は、環状ポリリボヌクレオチド、例えば特定のリボスイッチアプタザイム中の発現配列の翻訳を選択的に開始させるか又は活性化する核酸配列を指し得る。ある実施形態において、調節要素は、翻訳モジュレータである。翻訳モジュレータは、環状ポリリボヌクレオチド中の発現配列の翻訳を調節し得る。翻訳モジュレータは、翻訳エンハンサー又はサプレッサーであり得る。ある実施形態において、翻訳開始配列は、調節要素として機能し得る。限定はされないが、開始コドン又は別の開始コドンなど、翻訳を開始させるコドンに隣接するヌクレオチドは、環状ポリリボヌクレオチドの翻訳効率、長さ及び/又は構造に影響を与えることが知られている。(例えば、内容全体が参照により本明細書に援用されるMatsuda and Mauro PLoS ONE,2010 5:11を参照されたい)。翻訳を開始するコドンに隣接するヌクレオチドのいずれかをマスクすることを用いて、環状ポリリボヌクレオチドの翻訳開始の位置、翻訳効率、長さ及び/又は構造を変化させ得る。
一実施形態において、マスキング剤は、マスクされた開始コドン又は別の開始コドンにおける翻訳開始の可能性を低下させるために、コドンをマスクするか又は隠すために、開始コドン又は別の開始コドンの近くで使用され得る。別の実施形態において、マスキング剤は、翻訳が別の開始コドンから開始する可能性を増加させるために、環状ポリリボヌクレオチドの開始コドンをマスクするために使用され得る。
本明細書において提供される調節要素は、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0156]~[0161]に記載されている調節要素のいずれかを含み得る。
翻訳開始配列
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ポリペプチドをコードし、翻訳開始配列、例えば開始コドンを含み得る。ある実施形態において、翻訳開始配列は、コザック又はシャイン・ダルガノ配列を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、発現配列に隣接する翻訳開始配列、例えばコザック配列を含む。ある実施形態において、翻訳開始配列は、非コード開始コドンである。ある実施形態において、翻訳開始配列、例えばコザック配列は、各発現配列の1つの側又は両側に存在して、発現産物の分離をもたらす。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、発現配列に隣接する少なくとも1つの翻訳開始配列を含む。ある実施形態において、翻訳開始配列は、環状ポリリボヌクレオチドに立体配座柔軟性を与える。ある実施形態において、翻訳開始配列は、環状ポリリボヌクレオチドの実質的に一本鎖領域内にある。
環状ポリリボヌクレオチドは、限定はされないが、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、少なくとも6つ、少なくとも7つ、少なくとも8つ、少なくとも9つ、少なくとも10、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、少なくとも15、少なくとも16、少なくとも17、少なくとも18、少なくとも19、少なくとも20、少なくとも25、少なくとも30、少なくとも35、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60又は60超の開始コドンなどの2つ以上の開始コドンを含み得る。翻訳は、第1の開始コドン上で開始し得るか、又は第1の開始コドンの下流で開始し得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、第1の開始コドンでないコドン、例えばAUGから開始し得る。環状ポリリボヌクレオチドの翻訳は、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0164]に記載されているものなどの別の翻訳開始配列から開始し得る。
ある実施形態において、翻訳は、Rocaglatesによる真核生物開始因子4A(eIF4A)処理によって開始される(翻訳は、43Sスキャニングをブロックすることによって抑制されて、RocA-eIF4A標的配列を有する転写産物からの早期の上流の翻訳開始及び減少したタンパク質発現につながり、例えばwww.nature.com/articles/nature17978を参照されたい)。
IRES
ある実施形態において、本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドは、内部リボソーム進入部位(IRES)要素を含む。環状ポリリボヌクレオチド中に含むのに好適なIRES要素は、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0166]~[0167]に記載されているものなどの、真核生物リボソームにかみ合うことが可能なRNA配列を含む。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5つ又はそれを超える)の発現配列に隣接する少なくとも1つのIRESを含む。ある実施形態において、IRESは、少なくとも1つ(例えば、2、3、4、5つ又はそれを超える)の発現配列の両側に隣接する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、各発現配列の1つの側又は両側に存在して、得られるペプチド及び又はポリペプチドの分離をもたらす1つ以上のIRES配列を含む。
終止要素
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上の発現配列を含み、各発現配列は、終止要素を有していても又は有していなくてもよい。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上の発現配列を含み、発現配列は、環状ポリリボヌクレオチドが連続して翻訳されるように終止要素を欠いている。終止要素の排除は、リボソームの停滞又は落下がないために、発現産物、例えばペプチド又はポリペプチドのローリングサークル型翻訳又は連続した発現をもたらし得る。このような実施形態において、ローリングサークル型翻訳は、各発現配列を介して連続した発現産物を発現する。ある他の実施形態において、発現配列の終止要素は、スタガー要素の一部であり得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド中の1つ以上の発現配列は、終止要素を含む。しかしながら、環状ポリリボヌクレオチド中の後続の(例えば、第2、第3、第4、第5などの)発現配列のローリングサークル型翻訳又は発現が行われる。このような場合、リボソームが終止要素、例えば終止コドンに遭遇し、翻訳を終止するとき、発現産物は、リボソームから落下し得る。ある実施形態において、翻訳は、リボソーム、例えばリボソームの少なくとも1つのサブユニットが環状ポリリボヌクレオチドと接触状態を保ちながら終止される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上の発現配列の末端に終止要素を含む。ある実施形態において、1つ以上の発現配列は、連続して2つ以上の終止要素を含む。このような実施形態において、翻訳が終止され、ローリングサークル型翻訳が終止される。ある実施形態において、リボソームは、環状ポリリボヌクレオチドと完全に離脱する。あるこのような実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド中の後続の(例えば、第2、第3、第4、第5などの)発現配列の生成は、リボソームが翻訳の開始前に環状ポリリボヌクレオチドと再度かみ合うことを必要とし得る。一般に、終止要素は、翻訳の終止を示すインフレームヌクレオチド三つ組、例えばUAA、UGA、UAGを含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド中の1つ以上の終止要素は、限定はされないが、翻訳を終止し得るオフフレーム又は-1及び+1シフトされたリーディングフレーム(例えば、隠れた停止)などのフレームシフト終止要素である。フレームシフト終止要素は、発現配列の第2及び第3のリーディングフレームに現れるヌクレオチド三つ組、TAA、TAG及びTGAを含む。フレームシフト終止要素は、細胞に有害であることが多い、mRNAの読み違いを防ぐ際に重要であり得る。
スタガー要素
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、発現配列に隣接する少なくとも1つのスタガー要素を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、各発現配列に隣接するスタガー要素を含む。ある実施形態において、スタガー要素は、各発現配列の1つの側又は両側に存在して、発現産物、例えばペプチド及び又はポリペプチドの分離をもたらす。ある実施形態において、スタガー要素は、1つ以上の発現配列の一部である。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上の発現配列を含み、1つ以上の発現配列のそれぞれは、環状ポリリボヌクレオチドにおけるスタガー要素によって後続の発現配列から隔てられる。ある実施形態において、スタガー要素は、(a)単一の発現配列の2回の翻訳から、又は(b)2つ以上の発現配列の1回以上の翻訳からの単一のポリペプチドの生成を防止する。ある実施形態において、スタガー要素は、1つ以上の発現配列から切り離された配列である。ある実施形態において、スタガー要素は、1つ以上の発現配列の発現配列の一部を含む。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、スタガー要素を含む。ローリングサークル型翻訳を維持しながら、連続した発現産物、例えばペプチド又はポリペプチドの生成を避けるために、スタガー要素は、翻訳中のリボソームの休止を誘導するために含まれ得る。ある実施形態において、スタガー要素は、1つ以上の発現配列の少なくとも1つの3’末端にある。スタガー要素は、環状ポリリボヌクレオチドのローリングサークル型翻訳中にリボソームを停滞させるように構成され得る。スタガー要素としては、限定はされないが、2A様又はCHYSEL(シス作用性ヒドロラーゼ要素)配列が挙げられる。ある実施形態において、スタガー要素は、XEXNPGP(ここで、Xは、存在しないか、又はG若しくはHであり、Xは、存在しないか、又はD若しくはGであり、Xは、D、又はV、又はI、又はS、又はMであり、Xは、任意のアミノ酸である)であるC末端コンセンサス配列を有する配列をコードする。ある実施形態において、この配列は、強いαらせん傾向を有するアミノ酸の非保存配列、続いてコンセンサス配列-D(V/I)ExNPG P(ここで、x=任意のアミノ酸である)を含む。スタガー要素のいくつかの非限定的な例としては、GDVESNPGP、GDIEENPGP、VEPNPGP、IETNPGP、GDIESNPGP、GDVELNPGP、GDIETNPGP、GDVENPGP、GDVEENPGP、GDVEQNPGP、IESNPGP、GDIELNPGP、HDIETNPGP、HDVETNPGP、HDVEMNPGP、GDMESNPGP、GDVETNPGP、GDIEQNPGP及びDSEFNPGPが挙げられる。
ある実施形態において、本明細書に記載されるスタガー要素は、本明細書に記載されるコンセンサス配列のGとPとの間などで発現産物を切断する。1つの非限定的な例として、環状ポリリボヌクレオチドは、発現産物を切断するために少なくとも1つのスタガー要素を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも1つの発現配列に隣接するスタガー要素を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、各発現配列の後にスタガー要素を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、スタガー要素を含み、スタガー要素は、各発現配列の1つの側又は両側に存在して、各発現配列からの個々のペプチド及び又はポリペプチドの翻訳をもたらす。
ある実施形態において、スタガー要素は、翻訳中にリボソームの休止を誘導する1つ以上の修飾ヌクレオチド又は非天然ヌクレオチドを含む。非天然ヌクレオチドは、ペプチド核酸(PNA)、モルホリノ及びロックト核酸(LNA)並びにグリコール核酸(GNA)及びトレオース核酸(TNA)を含み得る。これらなどの例は、分子の骨格に対する変化により、天然DNA又はRNAと区別される。例示的な修飾は、糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合に対する(例えば、連結するホスフェート/ホスホジエステル結合/ホスホジエステル骨格に対する)任意の修飾及び翻訳中にリボソームの休止を誘導し得るそれらの任意の組合せを含み得る。本明細書において提供される例示的な修飾のいくつかが本明細書の他の箇所に記載される。
ある実施形態において、スタガー要素は、他の形態で環状ポリリボヌクレオチド中に存在する。例えば、ある例示的な環状ポリリボヌクレオチドにおいて、スタガー要素は、環状ポリリボヌクレオチド中の第1の発現配列の終止要素及び第1の発現配列に続く発現の第1の翻訳開始配列から終止要素を隔てるヌクレオチドスペーサー配列を含む。いくつかの例において、第1の発現配列の第1のスタガー要素は、環状ポリリボヌクレオチド中の第1の発現配列に続く発現の第1の翻訳開始配列の上流(5’末端側)にある。ある場合において、第1の発現配列及び第1の発現配列に続く発現配列は、環状ポリリボヌクレオチド中の2つの別個の発現配列である。第1のスタガー要素と第1の翻訳開始配列との間の距離は、第1の発現配列及びその後続の発現配列の連続した翻訳を可能にし得る。ある実施形態において、第1のスタガー要素は、終止要素を含み、第1の発現配列の発現産物をその後続の発現配列の発現産物から隔て、それにより別個の発現産物を形成する。ある場合において、環状ポリリボヌクレオチド中の後続の配列の第1の翻訳開始配列の上流の第1のスタガー要素を含む環状ポリリボヌクレオチドは、連続して翻訳される一方、第2の発現配列に続く発現配列の第2の翻訳開始配列の上流にある第2の発現配列のスタガー要素を含む対応する環状ポリリボヌクレオチドは、連続して翻訳されない。ある場合において、環状ポリリボヌクレオチド中に1つのみの発現配列があり、第1の発現配列及びその後続の発現配列は、同じ発現配列である。ある例示的な環状ポリリボヌクレオチドにおいて、スタガー要素は、環状ポリリボヌクレオチド中の第1の発現配列の第1の終止要素及び終止要素を下流の翻訳開始配列から隔てるヌクレオチドスペーサー配列を含む。あるこのような例において、第1のスタガー要素は、環状ポリリボヌクレオチド中の第1の発現配列の第1の翻訳開始配列の上流(5’末端側)にある。ある場合において、第1のスタガー要素と第1の翻訳開始配列との間の距離は、第1の発現配列及び任意の後続の発現配列の連続した翻訳を可能にする。ある実施形態において、第1のスタガー要素は、第1の発現配列のある回の発現産物を第1の発現配列の次回の発現産物から隔て、それにより別個の発現産物を形成する。ある場合において、環状ポリリボヌクレオチド中の第1の発現配列の第1の翻訳開始配列の上流の第1のスタガー要素を含む環状ポリリボヌクレオチドは、連続して翻訳される一方、対応する環状ポリリボヌクレオチド中の第2の発現配列の第2の翻訳開始配列の上流のスタガー要素を含む対応する環状ポリリボヌクレオチドは、連続して翻訳されない。ある場合において、第2のスタガー要素と第2の翻訳開始配列との間の距離は、環状ポリリボヌクレオチド中の第1のスタガー要素と第1の翻訳開始との間の距離より、対応する環状ポリリボヌクレオチド中で少なくとも2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍又は10倍大きい。ある場合において、第1のスタガー要素と第1の翻訳開始との間の距離は、少なくとも2nt、3nt、4nt、5nt、6nt、7nt、8nt、9nt、10nt、11nt、12nt、13nt、14nt、15nt、16nt、17nt、18nt、19nt、20nt、25nt、30nt、35nt、40nt、45nt、50nt、55nt、60nt、65nt、70nt、75nt又はそれを超える。ある実施形態において、第2のスタガー要素と第2の翻訳開始との間の距離は、第1のスタガー要素と第1の翻訳開始との間の距離より少なくとも2nt、3nt、4nt、5nt、6nt、7nt、8nt、9nt、10nt、11nt、12nt、13nt、14nt、15nt、16nt、17nt、18nt、19nt、20nt、25nt、30nt、35nt、40nt、45nt、50nt、55nt、60nt、65nt、70nt、75nt又はそれを超えて大きい。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、2つ以上の発現配列を含む。
調節核酸
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、調節核酸をコードし、例えば内在性遺伝子及び/又は外来性遺伝子の発現を調節する1つ以上の発現配列を含む。ある実施形態において、本明細書において提供される環状ポリリボヌクレオチドの発現配列は、限定はされないが、tRNA、lncRNA、miRNA、rRNA、snRNA、マイクロRNA、siRNA、piRNA、snoRNA、snRNA、exRNA、scaRNA、Y RNA及びhnRNAなど、ノンコーディングRNAのような調節核酸に対してアンチセンスである配列を含み得る。
一実施形態において、調節核酸は、宿主遺伝子などの遺伝子を標的にする。調節核酸は、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0177]及び[0181]~[0189]に記載されている調節核酸のいずれかを含み得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ガイドRNA(gRNA)を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ガイドRNAを含むか、又はガイドRNAをコードする。gRNA短鎖合成RNAは、不完全なエフェクター部分に結合するのに必要な「足場」配列及びゲノム標的のためのユーザー定義の約20ヌクレオチド標的化配列から構成される。実際に、ガイドRNA配列は、一般に、17~24ヌクレオチド(例えば、19、20又は21ヌクレオチド)の長さを有し、標的化核酸配列に対して相補的であるように設計される。カスタムgRNAジェネレータ及びアルゴリズムは、有効なガイドRNAの設計に使用するために市販されている。遺伝子編集は、天然crRNA-tracrRNA複合体を模倣し、tracrRNA(ヌクレアーゼに結合するため)及び少なくとも1つのcrRNA(編集のために標的化される配列にヌクレアーゼをガイドするため)の両方を含有する改変された(合成)単一RNA分子であるキメラ「シングルガイドRNA」(「sgRNA」)を用いても行われた。化学修飾されたsgRNAは、ゲノム編集に有効であることも実証され、例えばHendel et al.(2015)Nature Biotechnol.,985-991を参照されたい。
gRNAは、特定のDNA配列(例えば、遺伝子のプロモータ、エンハンサー、サイレンサー若しくはリプレッサーに隣接するか又はそれらの中にある配列)を認識し得る。
一実施形態において、gRNAは、遺伝子編集のためのCRISPRシステムの一部として使用される。遺伝子編集のために、環状ポリリボヌクレオチドは、所望の標的DNA配列に対応する1つ又は複数のガイドRNA配列を含むように設計され得、例えばCong et al.(2013)Science,339:819-823;Ran et al.(2013)Nature Protocols,8:2281-2308を参照されたい。gRNA配列の少なくとも約16又は17ヌクレオチドが、DNA切断が起こるためにCas9によって必要とされ;Cpf1について、gRNA配列の少なくとも約16ヌクレオチドが、検出可能なDNA切断を達成するために必要とされる。
環状ポリリボヌクレオチドは、遺伝子によってコードされるRNAの発現を調節し得る。複数の遺伝子が、互いにある程度の配列相同性を共有し得るため、ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、十分な配列相同性を有する遺伝子のクラスを標的にするように設計され得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、異なる遺伝子標的間で共有されるか又は特定の遺伝子標的に固有の配列に対する相補性を有する配列を含有し得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、いくつかの遺伝子間で相同性を有するRNA配列の保存領域を標的にし、それにより遺伝子ファミリー(例えば、異なる遺伝子アイソフォーム、スプライス変異、突然変異遺伝子など)におけるいくつかの遺伝子を標的にするように設計され得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、単一の遺伝子の特定のRNA配列に固有の配列を標的にするように設計され得る。
ある実施形態において、発現配列は、5000bp未満(例えば、約5000bp、4000bp、3000bp、2000bp、1000bp、900bp、800bp、700bp、600bp、500bp、400bp、300bp、200bp、100bp、50bp、40bp、30bp、20bp、10bp未満又はそれを下回る)の長さを有する。ある実施形態において、発現配列は、独立して又はそれに加えて、10bp超(例えば、少なくとも約10bp、20bp、30bp、40bp、50bp、60bp、70bp、80bp、90bp、100bp、200bp、300bp、400bp、500bp、600bp、700bp、800bp、900bp、1000kb、1.1kb、1.2kb、1.3kb、1.4kb、1.5kb、1.6kb、1.7kb、1.8kb、1.9kb、2kb、2.1kb、2.2kb、2.3kb、2.4kb、2.5kb、2.6kb、2.7kb、2.8kb、2.9kb、3kb、3.1kb、3.2kb、3.3kb、3.4kb、3.5kb、3.6kb、3.7kb、3.8kb、3.9kb、4kb、4.1kb、4.2kb、4.3kb、4.4kb、4.5kb、4.6kb、4.7kb、4.8kb、4.9kb、5kb、10kb、20kb、又はそれを超える)の長さを有する。
ある実施形態において、発現配列は、本明細書に記載される特徴の1つ以上、例えば1つ以上のペプチド又はタンパク質をコードする配列、1つ以上の調節要素、1つ以上の調節核酸、例えば1つ以上のノンコーディングRNA、他の発現配列及びそれらの任意の組合せを含む。
翻訳効率
ある実施形態において、本明細書において提供される環状ポリリボヌクレオチドの翻訳効率は、参照、例えば線状同等物、線状発現配列又は線状環状ポリリボヌクレオチドより高い。ある実施形態において、本明細書において提供される環状ポリリボヌクレオチドは、参照の翻訳効率より少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、100%、125%、150%、175%、200%、250%、300%、350%、400%、450%、500%、600%、70%、800%、900%、1000%、2000%、5000%、10000%、100000%又はそれを超えて高い翻訳効率を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、線状同等物のものより10%高い翻訳効率を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、線状同等物のものより300%高い翻訳効率を有する。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、化学量論比の発現産物を生成する。ローリングサークル型翻訳は、実質的に同等の比率で発現産物を連続して生成する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、発現産物が実質的に同等の比率で生成されるような化学量論的翻訳効率を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、複数の発現産物、例えば2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12又はそれを超える発現配列からの産物の化学量論的翻訳効率を有する。
ローリングサークル型翻訳
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの翻訳が開始されたら、環状ポリリボヌクレオチドに結合されたリボソームは、環状ポリリボヌクレオチドの少なくとも1回の翻訳を完了する前に環状ポリリボヌクレオチドから離脱しない。ある実施形態において、本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドは、ローリングサークル型翻訳の能力がある。ある実施形態において、ローリングサークル型翻訳中、環状ポリリボヌクレオチドの翻訳が開始されたら、環状ポリリボヌクレオチドに結合されたリボソームは、環状ポリリボヌクレオチドの少なくとも2回、少なくとも3回、少なくとも4回、少なくとも5回、少なくとも6回、少なくとも7回、少なくとも8回、少なくとも9回、少なくとも10回、少なくとも11回、少なくとも12回、少なくとも13回、少なくとも14回、少なくとも15回、少なくとも20回、少なくとも30回、少なくとも40回、少なくとも50回、少なくとも60回、少なくとも70回、少なくとも80回、少なくとも90回、少なくとも100回、少なくとも150回、少なくとも200回、少なくとも250回、少なくとも500回、少なくとも1000回、少なくとも1500回、少なくとも2000回、少なくとも5000回、少なくとも10000回、少なくとも10回又は少なくとも10回の翻訳を完了する前に環状ポリリボヌクレオチドから離脱しない。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドのローリングサークル型翻訳は、環状ポリリボヌクレオチドの2回以上の翻訳から翻訳されたポリペプチド産物(「連続した」発現産物)の生成をもたらす。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、スタガー要素を含み、環状ポリリボヌクレオチドのローリングサークル型翻訳は、環状ポリリボヌクレオチドの1回の翻訳又は1回未満の翻訳から生成されるポリペプチド産物(「別個の」発現産物)の生成をもたらす。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、環状ポリリボヌクレオチドのローリングサークル型翻訳中に生成される全ポリペプチド(モル/モル)の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%又は100%が別個のポリペプチドであるように構成される。ある実施形態において、全ポリペプチドにわたる別個の産物の量比率がインビトロ翻訳系において試験される。ある実施形態において、量比率の試験に使用されるインビトロ翻訳系は、ウサギ網状赤血球溶解物を含む。ある実施形態において、量比率は、真核細胞若しくは原核細胞、培養細胞又は生物内の細胞などのインビボ翻訳系において試験される。
非翻訳領域
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、非翻訳領域(UTR)を含む。遺伝子を含むゲノム領域のUTRは、転写され得るが、翻訳されていない。ある実施形態において、UTRは、本明細書に記載される発現配列の翻訳開始配列の上流に含まれ得る。ある実施形態において、UTRは、本明細書に記載される発現配列の下流に含まれ得る。ある場合において、第1の発現配列のための1つのUTRは、第2の発現配列のための別のUTRと同じであるか又はそれと連続しているか又はそれと重複している。ある実施形態において、イントロンは、ヒトイントロンである。ある実施形態において、イントロンは、完全長ヒトイントロン、例えばZKSCAN1である。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、中に埋め込まれたアデノシン及びウリジンの1つ以上のストレッチを有するUTRを含む。これらのAUリッチシグネチャーは、発現産物のターンオーバ速度を上昇させ得る。
UTR AUリッチ要素(ARE)の導入、除去又は修飾は、環状ポリリボヌクレオチドの安定性、又は免疫原性(例えば、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーのレベル)を調節するのに有用であり得る。特定の環状ポリリボヌクレオチドを改変するとき、AREの1つ以上のコピーが環状ポリリボヌクレオチドに導入され得、AREのコピーが発現産物の翻訳及び/又は生成を調節し得る。同様に、AREは、環状ポリリボヌクレオチド中で同定され、除去又は改変されて細胞内安定性を調節し、したがって得られるタンパク質翻訳及び生成に影響を与え得る。
任意の遺伝子からの任意のUTRは、環状ポリリボヌクレオチドのそれぞれの隣接領域に組み込まれ得ることが理解されるべきである。本明細書において提供される環状ポリリボヌクレオチドで使用され得る例示的なUTRは、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0200]~[0201]に記載されているものが挙げられる。
ポリA配列
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ポリ-A配列を含み得る。ある実施形態において、ポリ-A配列の長さは、10ヌクレオチド長を超える。一実施形態において、ポリ-A配列は、15ヌクレオチド長を超える(例えば、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、2,000、2,500及び3,000ヌクレオチド又はこれらを超える)。ある実施形態において、ポリA配列は、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0202]~[0204]中のポリA配列の説明に従って設計される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ポリAを含むか、ポリAを欠いているか、又は環状ポリリボヌクレオチドの1つ以上の特性を調節するための修飾ポリAを有する。ある実施形態において、ポリAを欠いた又は修飾ポリAを有する環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上の機能特性、例えば免疫原性(例えば、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーのレベル)、半減期、発現効率などを改善する。
RNA結合
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上のRNA結合部位を含む。マイクロRNA(又はmiRNA)は、核酸分子の3’UTRに結合し、核酸分子安定性を低下させるか又は翻訳を阻害することによって遺伝子発現を下方制御する短鎖ノンコーディングRNAである。環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上のマイクロRNA標的配列、マイクロRNA配列又はマイクロRNAシードを含み得る。このような配列は、内容全体が参照により本明細書に援用される米国特許出願公開第2005/0261218号明細書、米国特許出願公開第2005/0059005号明細書、及び国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0207]~[0215]において教示されるものなど、任意の公知のマイクロRNAに対応し得る。
タンパク質結合
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、タンパク質、例えばリボソームが、RNA配列における内部部位に結合することを可能にする1つ以上のタンパク質結合部位を含む。タンパク質結合部位、例えばリボソーム結合部位を環状ポリリボヌクレオチド中に操作することにより、環状ポリリボヌクレオチドは、宿主の免疫系の構成要素から環状ポリリボヌクレオチドをマスクすることにより、宿主の免疫系を回避するか若しくは宿主の免疫系によって減少された検出を有し得、調節された分解又は調節された翻訳を有し得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、例えば、免疫応答、例えばCTL(細胞傷害性Tリンパ球)応答を回避するために少なくとも1つの免疫タンパク質結合部位を含む。ある実施形態において、免疫タンパク質結合部位は、免疫タンパク質に結合し、環状ポリリボヌクレオチドを外因性であるものとしてマスクするのに役立つヌクレオチド配列である。ある実施形態において、免疫タンパク質結合部位は、免疫タンパク質に結合し、環状ポリリボヌクレオチドを外因性又は外来性であるものとして隠すのに役立つヌクレオチド配列である。
線状RNAへのリボソームのかみ合いの従来の機構は、RNAのキャップされた5’末端に結合するリボソームを含む。5’末端から、リボソームが開始コドンに移動すると直ちに第1のペプチド結合が形成される。本発明によれば、環状ポリリボヌクレオチドの翻訳の内部の開始(すなわちキャップ非依存的)は、遊離末端又はキャップされた末端を必要としない。むしろ、リボソームは、非キャップ内部部位に結合し、それにより、リボソームは、開始コドンにおけるポリペプチド伸長を開始する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、リボソーム結合部位、例えば開始コドンを含む1つ以上のRNA配列を含む。
天然5’UTRは、翻訳開始のために役割を果たす特徴を有する。それらは、リボソームが多くの遺伝子の翻訳を開始させるプロセスに関与することが一般的に知られているコザック配列のようなシグネチャーを有する。コザック配列は、コンセンサスCCR(A/G)CCAUGGを有し、ここで、Rは、開始コドン(AUG)の3塩基上流のプリン(アデニン又はグアニン)であり、その後、別の「G」が続く。5’UTRは、伸長因子結合に関与する二次構造にも関与することが知られている。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、タンパク質に結合するタンパク質結合配列をコードする。ある実施形態において、タンパク質結合配列は、環状ポリリボヌクレオチドを標的にするか又はそれを特定の標的に限局する。ある実施形態において、タンパク質結合配列は、タンパク質のアルギニンリッチ領域に特異的に結合する。
ある実施形態において、タンパク質結合部位としては、限定はされないが、ACIN1、AGO、APOBEC3F、APOBEC3G、ATXN2、AUH、BCCIP、CAPRIN1、CELF2、CPSF1、CPSF2、CPSF6、CPSF7、CSTF2、CSTF2T、CTCF、DDX21、DDX3、DDX3X、DDX42、DGCR8、EIF3A、EIF4A3、EIF4G2、ELAVL1、ELAVL3、FAM120A、FBL、FIP1L1、FKBP4、FMR1、FUS、FXR1、FXR2、GNL3、GTF2F1、HNRNPA1、HNRNPA2B1、HNRNPC、HNRNPK、HNRNPL、HNRNPM、HNRNPU、HNRNPUL1、IGF2BP1、IGF2BP2、IGF2BP3、ILF3、KHDRBS1、LARP7、LIN28A、LIN28B、m6A、MBNL2、METTL3、MOV10、MSI1、MSI2、NONO、NONO-、NOP58、NPM1、NUDT21、PCBP2、POLR2A、PRPF8、PTBP1、RBFOX2、RBM10、RBM22、RBM27、RBM47、RNPS1、SAFB2、SBDS、SF3A3、SF3B4、SIRT7、SLBP、SLTM、SMNDC1、SND1、SRRM4、SRSF1、SRSF3、SRSF7、SRSF9、TAF15、TARDBP、TIA1、TNRC6A、TOP3B、TRA2A、TRA2B、U2AF1、U2AF2、UNK、UPF1、WDR33、XRN2、YBX1、YTHDC1、YTHDF1、YTHDF2、YWHAG、ZC3H7B、PDK1、AKT1及びRNAに結合する任意の他のタンパク質などのタンパク質への結合部位が挙げられる。
エンクリプトゲン
本明細書に記載される際、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞の自然免疫応答を低下させるか、避けるか又は回避するためにエンクリプトゲンを含む。一態様において、細胞に送達されると、参照化合物、例えば記載される環状ポリリボヌクレオチド又はエンクリプトゲンを欠いた環状ポリリボヌクレオチドに対応する線状ポリヌクレオチドによって引き起こされる応答と比較して、宿主からの低下された免疫応答をもたらす環状ポリリボヌクレオチドが本明細書において提供される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、エンクリプトゲンを欠いた同等物より低い免疫原性(例えば、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーのより低いレベル)を有する。
ある実施形態において、エンクリプトゲンは、安定性を向上させる。核酸分子及び翻訳の安定性に関してUTRが果たす調節的役割についての証拠が増加している。UTRの調節的特徴は、環状ポリリボヌクレオチドの安定性を向上させるために、エンクリプトゲンに含まれ得る。
ある実施形態において、5’又は3’UTRは、環状ポリリボヌクレオチド中のエンクリプトゲンを構成し得る。例えば、UTR AUリッチ要素(ARE)の除去又は修飾は、環状ポリリボヌクレオチドの安定性又は免疫原性を調節する(例えば、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーのレベルを調節する)のに有用であり得る。
ある実施形態において、発現配列、例えば翻訳可能領域におけるAUリッチ要素(ARE)の修飾の除去は、環状ポリリボヌクレオチドの安定性又は免疫原性(例えば、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーのレベルの調節)を調節するのに有用であり得る。
ある実施形態において、エンクリプトゲンは、miRNA結合部位又は任意の他のノンコーディングRNAへの結合部位を含む。例えば、本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドへのmiR-142部位の組み込みは、造血細胞における発現を調節するだけではなく、環状ポリリボヌクレオチドにおいてコードされるタンパク質に対する免疫応答を低下させるか又はなくすことができる。
ある実施形態において、エンクリプトゲンは、タンパク質、例えば免疫タンパク質がRNA配列に結合することを可能にする1つ以上のタンパク質結合部位を含む。タンパク質結合部位を、環状ポリリボヌクレオチド中に操作することにより、環状ポリリボヌクレオチドは、宿主の免疫系の構成要素から環状ポリリボヌクレオチドをマスクすることにより、宿主の免疫系を回避するか若しくは宿主の免疫系によって減少された検出を有し得、調節された分解又は調節された翻訳を有し得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、例えば、免疫応答、例えばCTL応答を回避するために少なくとも1つの免疫タンパク質結合部位を含む。ある実施形態において、免疫タンパク質結合部位は、免疫タンパク質に結合し、環状ポリリボヌクレオチドを外因性であるものとしてマスクするのに役立つヌクレオチド配列である。
ある実施形態において、エンクリプトゲンは、1つ以上の修飾ヌクレオチドを含む。例示的な修飾は、糖、核酸塩基、ヌクレオシド間結合に対する(例えば、結合ホスフェート/ホスホジエステル結合/ホスホジエステル骨格に対する)任意の修飾及び環状ポリリボヌクレオチドに対する免疫応答を防ぐか又は低下させ得るそれらの任意の組合せを含み得る。本明細書において提供される例示的な修飾のいくつかが以下に詳細に説明される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、参照化合物、例えば修飾を欠いた環状ポリリボヌクレオチドによって引き起こされる応答と比較して、宿主からの免疫応答を低下させるために、本明細書の他の箇所に記載される1つ以上の修飾を含む。特に、1つ以上のイノシンの追加は、ウイルスに対して内在性であるものとしてRNAを区別することが示されている。例えば、全体が参照により援用されるYu,Z.et al.(2015)RNA editing by ADAR1 marks dsRNA as “self”.Cell Res.25,1283-1284を参照されたい。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、shRNAのための1つ以上の発現配列又はsiRNAにプロセシングされ得るRNA配列を含み、shRNA又はsiRNAは、RIG-Iを標的にし、RIG-Iの発現を低下させる。RIG-Iは、外来性環状RNAを感知することができ、外来性環状RNAの分解をもたらす。したがって、RIG-1標的化shRNA、siRNA又は任意の他の調節核酸のための配列を有する環状ポリヌクレオチドは、環状ポリリボヌクレオチドに対する免疫、例えば宿主細胞免疫を低下させ得る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞の自然免疫応答を低下させるか、避けるか又は回避する際に環状ポリリボヌクレオチドを補助する配列、要素又は構造を欠いている。あるこのような実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ポリ配列、5’末端、3’末端、リン酸基、ヒドロキシル基又はそれらの任意の組合せを欠き得る。
リボスイッチ
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上のリボスイッチを含む。
リボスイッチは、典型的に、小さい標的分子に直接結合することができる環状ポリリボヌクレオチドの一部であると考えられ、その標的の結合がRNA翻訳、発現産物安定性及び活性に影響を与える(Tucker B J,Breaker R R(2005),Curr Opin Struct Biol 15(3):342-8)。したがって、リボスイッチを含む環状ポリリボヌクレオチドは、その標的分子の存在又は非存在に応じて、自らの活性を調節するのに直接関与する。ある実施形態において、リボスイッチは、別個の分子に対するアプタマーのような親和性の領域を有する。したがって、本発明のより広い文脈において、非コード核酸内に含まれる任意のアプタマーは、かさ容積からの分子の隔離のために使用され得る。「(リボ)スイッチ」活性による事象の下流での報告が特に有利であり得る。
ある実施形態において、リボスイッチは、限定はされないが、転写終結、翻訳開始の阻害、mRNA自己切断及び真核生物におけるスプライシング経路の変更を含む遺伝子発現に影響を与え得る。リボスイッチは、トリガー分子の結合又は除去によって遺伝子発現を制御するように機能し得る。したがって、リボスイッチを含む環状ポリリボヌクレオチドを、リボスイッチを活性化、不活性化又はブロックする条件に供して、発現を変化させる。発現は、例えば、RNAに結合するリボソームの転写の終止又はブロックの結果として変化され得る。トリガー分子又はその類似体の結合は、リボスイッチの性質に応じて、RNA分子の発現を低下させるか若しくは防ぐか、又はRNA分子の発現を促進するか若しくは増加させ得る。リボスイッチのいくつかの例が本明細書に記載される。
ある実施形態において、リボスイッチは、環状ジ-GMPリボスイッチ、FMNリボスイッチ(RFN要素とも呼ばれる)、glmSリボスイッチ、グルタミンリボスイッチ、グリシンリボスイッチ、リジンリボスイッチ(L-ボックスとも呼ばれる)、PreQ1リボスイッチ(例えば、PreQ1-lリボスイッチ及びPreQ1-llリボスイッチ)、プリンリボスイッチ、SAHリボスイッチ、SAMリボスイッチ、SAM-SAHリボスイッチ、テトラヒドロ葉酸リボスイッチ、テオフィリン結合リボスイッチ、チミンピロリン酸結合リボスイッチ、T.テングコンジェンシス(T.tengcongensis)glmS触媒リボスイッチ、TPPリボスイッチ(THI-ボックスとも呼ばれる)、Mocoリボスイッチ、又はアデニン感知add-Aリボスイッチであり、これらはそれぞれ、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0235]~[0252]に記載されている。
アプタザイム
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、アプタザイムを含む。アプタザイムは、アプタマー領域がアロステリック制御要素として使用され、触媒RNA(後述される「リボザイム」)の領域に結合される条件的発現のためのスイッチである。ある実施形態において、アプタザイムは、細胞型特異的翻訳において活性である。ある実施形態において、アプタザイムは、細胞状態特異的翻訳、例えばウイルス感染細胞で又はウイルス核酸若しくはウイルスタンパク質の存在下で活性である。
リボザイム(RNA酵素又は触媒RNAとも呼ばれるリボ核酸酵素に由来する)は、化学反応を触媒するRNA分子である。リボザイムのいくつかの非限定的な例としては、ハンマーヘッド型リボザイム、VLリボザイム、リードザイム、ヘアピン型リボザイム、及び全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0254]~[0259]に記載されている他のリボザイムが挙げられる。
複製要素
環状ポリリボヌクレオチドは、複製に有用な配列及び/又はモチーフをコードし得る。環状ポリリボヌクレオチドの複製は、相補体環状ポリリボヌクレオチドを生成することによって行われ得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、転写を開始させるためのモチーフを含み、ここで、転写は、環状ポリリボヌクレオチドによってコードされる内在性細胞機構(DNA依存的RNAポリメラーゼ)又はRNA依存的RNAポリメラーゼのいずれかによって駆動される。ローリングサークル型転写事象の産物は、単位長において相補的又は伝播される環状ポリリボヌクレオチドのいずれかを生成するためにリボザイムによって切断され得る。リボザイムは、環状ポリリボヌクレオチド、その相補体又はトランスにおけるRNA配列によってコードされ得る。ある実施形態において、コードされたリボザイムは、環状RNA伝播を制御するためにリボザイムの活性を調節する(阻害又は促進する)配列又はモチーフを含み得る。ある実施形態において、単位長配列は、細胞内RNAリガーゼによって環状形態にライゲートされ得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、自己増幅に役立つ複製要素を含む。このような複製要素の例としては、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0280]~[0282]に記載されているものが挙げられる。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、例えば、エキソヌクレアーゼによる分解に対して実質的に抵抗性である。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞内で複製する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、約10%~20%、20%~30%、30%~40%、40%~50%、50%~60%、60%~70%、70%~75%、75%~80%、80%~85%、85%~90%、90%~95%、95%~99%又はそれらの間の任意のパーセンテージの速度において細胞内で複製する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞内で複製され、娘細胞に送られる。ある実施形態において、細胞は、少なくとも25%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%の効率で少なくとも1つの環状ポリリボヌクレオチドを娘細胞に送る。ある実施形態において、減数分裂を行っている細胞は、少なくとも25%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%の効率で環状ポリリボヌクレオチドを娘細胞に送る。ある実施形態において、有糸分裂を行っている細胞は、少なくとも25%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%の効率で環状ポリリボヌクレオチドを娘細胞に送る。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、宿主細胞内で複製する。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、哺乳動物細胞、例えばヒト細胞内で複製することが可能である。
実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、宿主細胞内で複製するが、環状ポリリボヌクレオチドは、例えば、宿主の染色体により、宿主のゲノムに組み込まれない。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、例えば、宿主の染色体により、ごくわずかな組み換え頻度を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、例えば、宿主の染色体により、例えば約1.0cM/Mb、0.9cM/Mb、0.8cM/Mb、0.7cM/Mb、0.6cM/Mb、0.5cM/Mb、0.4cM/Mb、0.3cM/Mb、0.2cM/Mb、0.1cM/Mb未満又はそれを下回る組み換え頻度を有する。
足場配列
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、1つ以上の足場配列を含む。足場配列は、アプタマー配列であり得る。上に列挙される各態様のある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド分子は、内在性又は天然の環状ポリリボヌクレオチド配列をコードする配列を有する。
ある実施形態において、環状RNAは、1つ以上の標的に結合する。ある実施形態において、環状RNAは、環状アプタマーである。一実施形態において、環状RNAは、1つ以上の標的に結合する1つ以上の結合部位を含む。一実施形態において、環状RNAは、アプタマー配列を含む。一実施形態において、環状RNAは、DNA標的及びタンパク質標的の両方に結合し、例えば、転写を媒介する。別の実施形態において、環状RNAは、タンパク質複合体を合わせて、例えば、翻訳後修飾又はシグナル伝達を媒介する。別の実施形態において、環状RNAは、タンパク質などの2つ以上の異なる標的に結合し、例えば、これらのタンパク質を細胞質に輸送するか、又は標的の1つ以上の分解を媒介する。
ある実施形態において、環状RNAは、DNA、RNA、及びタンパク質の少なくとも1つに結合し、それによって、細胞過程を調節する(例えば、タンパク質発現を変化させ、遺伝子発現を調節し、細胞シグナル伝達を調節するなど)。ある実施形態において、合成環状RNAは、標的又は選択されるDNA、RNA又はタンパク質の少なくとも1つの部分、例えば、結合部分との相互作用のための結合部位を含み、それによって、内在性同等物との結合で競合する。
ある実施形態において、環状RNAは、細胞過程を調節する(例えば、タンパク質発現を変化させ、遺伝子発現を調節し、細胞シグナル伝達を調節するなど)複合体を形成する。ある実施形態において、環状RNAは、標的(例えば、転写因子)への結合によって、細胞を細胞毒性剤(例えば、化学療法剤)に対して感作させ、これにより、細胞生存を減少させる。例えば、細胞を細胞毒性剤に対して感作させることにより、細胞毒性剤及び環状RNAの送達後に細胞生存が減少される。ある実施形態において、減少される細胞生存は、少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、若しくは90%、又はその中の任意のパーセンテージだけ減少される。
ある実施形態において、複合体は、細胞への環状RNAの送達後、少なくとも5日間にわたって検出可能である。ある実施形態において、複合体は、細胞への環状RNAの送達後、6日間、7日間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、14日間、15日間、又は16日間にわたって検出可能である。
一実施形態において、合成環状RNAは、miRNAを結合及び/又は隔離する。別の実施形態において、合成環状RNAは、タンパク質を結合及び/又は隔離する。別の実施形態において、合成環状RNAは、mRNAを結合及び/又は隔離する。別の実施形態において、合成環状RNAは、リボソームを結合及び/又は隔離する。別の実施形態において、合成環状RNAは、環状RNAを結合及び/又は隔離する。別の実施形態において、合成環状RNAは、長鎖ノンコーディングRNA(lncRNA)又は任意の他のノンコーディングRNA、例えば、miRNA、tRNA、rRNA、snoRNA、ncRNA、siRNA、長鎖ノンコーディングRNA、shRNAを結合及び/又は隔離する。結合及び/又は隔離部位に加えて、環状RNAは、分解要素を含み得、これは、結合及び/又は隔離されたRNA及び/又はタンパク質の分解をもたらす。
一実施形態において、環状RNAは、lncRNA又はlncRNAの配列を含み、例えば、環状RNAは、天然の、非環状lncRNA又はそのフラグメントの配列を含む。一実施形態において、lncRNA又はlncRNAの配列は、スペーサー配列を用いて又は用いずに環状化されて、合成環状RNAを形成する。
一実施形態において、環状RNAは、リボザイム活性を有する。一実施形態において、環状RNAは、リボザイムとして作用し、病原性又は内在性RNA、DNA、小分子又はタンパク質を切断するのに使用され得る。一実施形態において、環状RNAは、酵素活性を有する。一実施形態において、合成環状RNAは、RNA(例えば、ウイルスRNA)を特異的に認識及び切断することができる。別の実施形態において、環状RNAは、タンパク質を特異的に認識及び切断することができる。別の実施形態において、環状RNAは、小分子を特異的に認識及び分解することができる。
一実施形態において、環状RNAは、自滅性(immolating)又は自己切断性又は切断可能環状RNAである。一実施形態において、環状RNAは、RNA、例えば、miRNA、tRNA、rRNA、snoRNA、ncRNA、siRNA、長鎖ノンコーディングRNA、shRNAを送達するのに使用され得る。一実施形態において、合成環状RNAは、(1)自己切断可能要素(例えば、ハンマーヘッド型、スプライシング要素)、(2)切断動員部位(例えば、ADAR)、(3)分解性リンカー(例えば、グリセロール)、(4)化学的リンカー、及び/又は(5)スペーサー配列によって隔てられるマイクロRNAから構成される。別の実施形態において、合成環状RNAは、(1)自己切断可能要素(例えば、ハンマーヘッド型、スプライシング要素)、(2)切断動員部位(例えば、ADAR)、(3)分解性リンカー(例えば、グリセロール)、(4)、化学的リンカー、及び/又は(5)スペーサー配列によって隔てられるsiRNAから構成される。
一実施形態において、環状RNAは、転写/複製可能な環状RNAである。この環状RNAは、任意のタイプのRNAをコードし得る。一実施形態において、合成環状RNAは、アンチセンスmiRNA及び転写要素を有する。一実施形態において、転写後、線状機能的miRNAが、環状RNAから生成される。一実施形態において、環状RNAは、翻訳不可能な環状ポリリボヌクレオチドである。
一実施形態において、環状RNAは、翻訳要素と組み合わせて上記の属性の1つ以上を有する。
他の配列
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、別の核酸配列をさらに含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、DNA、RNA又は人工核酸を含む他の配列を含み得る。他の配列としては、限定はされないが、tRNA、mRNA、rRNA、miRNA、gRNA、siRNA又は他のRNAi分子をコードするゲノムDNA、cDNA又は配列が挙げられる。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、環状ポリリボヌクレオチドと同じ遺伝子発現産物の異なる遺伝子座を標的にするためにsiRNAを含む。一実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、環状ポリリボヌクレオチドと異なる遺伝子発現産物を標的にするためにsiRNAを含む。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、5’-UTRを欠いている。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、3’-UTRを欠いている。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ポリ-A配列を欠いている。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、終止要素を欠いている。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、内部リボソーム進入部位を欠いている。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼによる分解感受性を欠いている。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドが分解感受性を欠いていることは、環状ポリリボヌクレオチドがエキソヌクレアーゼによって分解されないか、又はエキソヌクレアーゼの非存在下と同等又は同様の限られた程度にエキソヌクレアーゼの存在下でのみ分解されることを意味し得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼによる分解を欠いている。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、エキソヌクレアーゼに曝されたときに減少した分解を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、キャップ結合タンパク質への結合を欠いている。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、5’キャップを欠いている。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、5’-UTRを欠いており、その1つ以上の発現配列からタンパク質を発現する能力がある。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、3’-UTRを欠いており、その1つ以上の発現配列からタンパク質を発現する能力がある。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ポリ-A配列を欠いており、その1つ以上の発現配列からタンパク質を発現する能力がある。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、終止要素を欠いており、その1つ以上の発現配列からタンパク質を発現する能力がある。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、内部リボソーム進入部位を欠いており、その1つ以上の発現配列からタンパク質を発現する能力がある。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、キャップを欠いており、その1つ以上の発現配列からタンパク質を発現する能力がある。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、5’-UTR、3’-UTR及びIRESを欠いており、その1つ以上の発現配列からタンパク質を発現する能力がある。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、以下の配列の1つ以上を含む:1つ以上のmiRNAをコードする配列、1つ以上の複製タンパク質をコードする配列、外来性遺伝子をコードする配列、治療薬をコードする配列、調節要素(例えば、翻訳モジュレータ、例えば翻訳エンハンサー又はサプレッサー)、翻訳開始配列、内在性遺伝子(siRNA、lncRNAs、shRNA)を標的にする1つ以上の調節核酸及び治療用mRNA又はタンパク質をコードする配列。
他の配列は、約2~約10000nt、約2~約5000nt、約10~約100nt、約50~約150nt、約100~約200nt、約150~約250nt、約200~約300nt、約250~約350nt、約300~約500nt、約10~約1000nt、約50~約1000nt、約100~約1000nt、約1000~約2000nt、約2000~約3000nt、約3000~約4000nt、約4000~約5000nt又はそれらの間の任意の範囲の長さを有し得る。
その環状化の結果として、環状ポリリボヌクレオチドは、それを線状RNAと区別するいくつかの特徴を含み得る。例えば、環状ポリリボヌクレオチドは、線状RNAと比較して、エキソヌクレアーゼによる分解に対する感受性がより低い。したがって、環状ポリリボヌクレオチドは、特に、エキソヌクレアーゼの存在下でインキュベートされるとき、線状RNAより安定している。線状RNAと比較した環状ポリリボヌクレオチドの増加した安定性により、環状ポリリボヌクレオチドが、ポリペプチドを生成する細胞形質転換試薬としてより有用になり、線状RNAより容易に及びより長く貯蔵可能になる。エキソヌクレアーゼで処理された環状ポリリボヌクレオチドの安定性は、RNA分解が起こったかどうかを決定する、当該技術分野において標準的な方法を用いて(例えば、ゲル電気泳動によって)試験され得る。
さらに、線状RNAと異なり、環状ポリリボヌクレオチドは、環状ポリリボヌクレオチドが仔牛小腸由来ホスファターゼなどのホスファターゼと共にインキュベートされるとき、脱リン酸化に対する感受性がより低い。
ヌクレオチドスペーサー配列
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、スペーサー配列を含む。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも1つのスペーサー配列を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1、2、3、4、5、6、7つ又はそれを超えるスペーサー配列を含む。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0295]~[0302]中の説明に従って構成される1つ以上のスペーサー配列を含む。
非核酸リンカー
本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドは、非核酸リンカーも含み得る。ある実施形態において、本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドは、本明細書に記載される配列又は要素の1つ以上の間に非核酸リンカーを有する。一実施形態において、本明細書に記載される1つ以上の配列又は要素は、リンカーを用いて連結される。非核酸リンカーは、化学結合、例えば1つ以上の共有結合又は非共有結合であり得る。ある実施形態において、非核酸リンカーは、ペプチド又はタンパク質リンカーである。このようなリンカーは、2~30アミノ酸又はそれを超えるものであり得る。リンカーは、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0304]~[0307]に記載されているものなど、可撓性、剛性又は切断可能なリンカーを含む。
安定性/半減期
ある実施形態において、本明細書において提供される環状ポリリボヌクレオチド製剤は、対照、例えば同じヌクレオチド配列を有するが、環状されていない線状ポリリボヌクレオチド(例えば、線状同等物)より増加した半減期を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、分解、例えばエキソヌクレアーゼに対して抵抗性である。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、自己分解に対して抵抗性である。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、酵素切断部位、例えばダイサー切断部位を欠いている。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、対照、例えば線状同等物より、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約100%、少なくとも約120%、少なくとも約140%、少なくとも約150%、少なくとも約160%、少なくとも約180%、少なくとも約200%、少なくとも約300%、少なくとも約400%、少なくとも約500%、少なくとも約600%、少なくとも約700%、少なくとも約800%、少なくとも約900%、少なくとも約1000%又は少なくとも約10000%長い半減期を有する。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞分裂中に細胞内で持続する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、有糸分裂後に娘細胞内で持続する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞内で複製され、娘細胞に送られる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、環状ポリリボヌクレオチドの自己複製を媒介する複製要素を含む。ある実施形態において、複製要素は、環状ポリリボヌクレオチドに対して相補的な線状ポリリボヌクレオチド(線状相補性)への環状ポリリボヌクレオチドの転写を媒介する。ある実施形態において、線状相補性ポリリボヌクレオチドは、相補的な環状ポリリボヌクレオチドに細胞内においてインビボで環状化され得る。ある実施形態において、相補的ポリリボヌクレオチドは、出発環状ポリリボヌクレオチドと同じ又は類似したヌクレオチド配列を有する別の環状ポリリボヌクレオチドにさらに自己複製し得る。1つの例示的な自己複製要素としては、HDV複製ドメインが挙げられる(Beeharry et al,Virol,2014,450-451:165-173によって記載されるように)。ある実施形態において、細胞は、少なくとも25%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%の効率で少なくとも1つの環状ポリリボヌクレオチドを娘細胞に送る。ある実施形態において、減数分裂を行っている細胞は、少なくとも25%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%の効率で環状ポリリボヌクレオチドを娘細胞に送る。ある実施形態において、有糸分裂を行っている細胞は、少なくとも25%、50%、60%、70%、80%、85%、90%、95%又は99%の効率で環状ポリリボヌクレオチドを娘細胞に送る。
修飾
環状ポリリボヌクレオチドは、参照配列に対して1つ以上の置換、挿入及び/又は付加、欠失及び共有結合修飾を含み得、特に親ポリリボヌクレオチドが本発明の範囲内に含まれる。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上の転写後修飾(例えば、キャッピング、切断、ポリアデニル化、スプライシング、ポリ-A配列、メチル化、アシル化、リン酸化、リジン及びアルギニン残基のメチル化、アセチル化並びにチオール基及びチロシン残基のニトロシル化など)を含む。1つ以上の転写後修飾は、RNAにおいて同定された100を超える様々なヌクレオシド修飾のいずれかなどの任意の転写後修飾であり得る(Rozenski,J,Crain,P,and McCloskey,J.(1999).The RNA Modification Database:1999 update.Nucl Acids Res 27:196-197)。ある実施形態において、第1の単離核酸は、メッセンジャーRNA(mRNA)を含む。ある実施形態において、mRNAは、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0311]に記載されているものなど、群から選択される少なくとも1つのヌクレオシドを含む。
環状ポリリボヌクレオチドは、糖、核酸塩基又はヌクレオシド間結合などに対する(例えば、連結ホスフェート/ホスホジエステル結合/ホスホジエステル骨格に対する)任意の有用な修飾を含み得る。ピリミジン核酸塩基の1つ以上の原子は、任意選択的に置換されるアミノ、任意選択的に置換されるチオール、任意選択的に置換されるアルキル(例えば、メチル若しくはエチル)又はハロ(例えば、クロロ若しくはフルオロ)で置き換えられ得るか又は置換され得る。特定の実施形態において、修飾(例えば、1つ以上の修飾)は、糖及びヌクレオシド間結合のそれぞれに存在する。修飾は、デオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックト核酸(LNA)又はそのハイブリッド)へのリボ核酸(RNA)の修飾であり得る。さらなる修飾が本明細書に記載される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、翻訳効率を高めるために、少なくとも1つのN(6)メチルアデノシン(m6A)修飾を含む。ある実施形態において、N(6)メチルアデノシン(m6A)修飾は、環状ポリリボヌクレオチドの免疫原性(例えば、免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーのレベルを低下)を低下させ得る。
ある実施形態において、修飾は、化学修飾又は細胞誘導性修飾を含み得る。例えば、細胞内RNA修飾のいくつかの非限定的な例は、Nat Reviews Mol Cell Biol,2017,18:202-210からの“RNA modifications and structures cooperate to guide RNA-protein interactions”においてLewis及びPanによって記載されている。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドのリボヌクレオチドに対する化学修飾は、免疫回避を促進し得る。環状ポリリボヌクレオチドは、参照により本明細書に援用される“Current protocols in nucleic acid chemistry”,Beaucage,S.L.et al.(Eds.),John Wiley&Sons,Inc.,New York,NY,USAに記載されているものなど、当該技術分野において十分に確立された方法によって合成及び/又は修飾され得る。修飾としては、例えば、末端修飾、例えば5’末端修飾(リン酸化(一-、二-及び三-リン酸化)、共役、反転結合など)、3’末端修飾(共役、DNAヌクレオチド、反転結合など)、塩基修飾(例えば、安定化塩基、不安定化塩基又は広いレパートリーのパートナーと塩基対合する塩基による置換)、塩基の除去(脱塩基ヌクレオチド)又は共役塩基が挙げられる。修飾リボヌクレオチド塩基は、5-メチルシチジン及びプソイドウリジンも含み得る。ある実施形態において、塩基修飾は、環状ポリリボヌクレオチドのいくつかの機能的効果を挙げると、発現、免疫応答、安定性、細胞内局在化を調節し得る。ある実施形態において、修飾としては、双直交(bi-orthogonal)ヌクレオチド、例えば非天然塩基が挙げられる。例えば、参照により本明細書に援用されるKimoto et al,Chem Commun(Camb),2017,53:12309,DOI:10.1039/c7cc06661aを参照されたい。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの1つ以上のリボヌクレオチドの糖修飾(例えば、2’位若しくは4’位における)又は糖の置換並びに骨格修飾は、ホスホジエステル結合の修飾又は置換を含む。環状ポリリボヌクレオチドの具体例としては、限定はされないが、ホスホジエステル結合の修飾又は置換を含む、ヌクレオシド間修飾などの修飾骨格又は非天然ヌクレオシド間結合を含む環状ポリリボヌクレオチドが挙げられる。修飾骨格を有する環状ポリリボヌクレオチドとしては、中でも特に、骨格中にリン原子を有さないものが挙げられる。本出願の趣旨では、且つ当該技術分野において時々参照されるように、それらのヌクレオシド間骨格中にリン原子を有さない修飾RNAもオリゴヌクレオシドであると考えられ得る。特定の実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、そのヌクレオシド間骨格中にリン原子を有するリボヌクレオチドを含む。
修飾環状ポリリボヌクレオチド骨格としては、例えば、ホスホロチオエート、キラルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホトリエステル、アミノアルキルホスホトリエステル、3’-アルキレンホスホネート及びキラルホスホネートなどのメチル及び他のアルキルホスホネート、ホスフィネート、3’-アミノホスホロアミデート及びアミノアルキルホスホロアミデートなどのホスホロアミデート、チオノホスホロアミデート、チオノアルキルホスホネート、チオノアルキルホスホトリエステル及びこれらの通常の3’-5’結合、2’-5’連結類似体を有するボラノホスフェート及び逆極性を有するものが挙げられ、ここで、ヌクレオシド単位の隣接する対が連結される(3’-5’を5’-3’に又は2’-5’を5’-2’に)。様々な塩、混合塩及び遊離酸形態も含まれる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、負の電荷又は正の電荷を帯び得る。
環状ポリリボヌクレオチドに組み込まれ得る修飾ヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合(例えば、ホスフェート骨格)上で修飾され得る。本明細書において、ポリヌクレオチド骨格に関して、「ホスフェート」及び「ホスホジエステル」という語句は、同義的に使用される。骨格リン酸基は、酸素原子の1つ以上を様々な置換基で置換することによって修飾され得る。さらに、修飾ヌクレオシド及びヌクレオチドは、本明細書に記載される別のヌクレオシド間結合による非修飾ホスフェート部分の大規模な置換を含み得る。修飾リン酸基の例としては、限定はされないが、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノホスフェート、ボラノリン酸エステル、水素ホスホネート、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、アルキル又はアリールホスホネート及びホスホトリエステルが挙げられる。ホスホロジチオエートは、両方の非連結酸素が硫黄で置換されている。ホスフェートリンカーは、窒素(架橋ホスホロアミデート)、硫黄(架橋ホスホロチオエート)及び炭素(架橋メチレン-ホスホネート)による連結酸素の置換によっても修飾され得る。
非天然ホスホロチオエート骨格結合によってRNA及びDNAポリマーに安定性を与えるためにa-チオ置換ホスフェート部分が提供される。ホスホロチオエートDNA及びRNAは、増加したヌクレアーゼ耐性、したがって細胞環境内でのより長い半減期を有する。環状ポリリボヌクレオチドに連結されたホスホロチオエートは、細胞の自然免疫分子のより弱い結合/活性化によって自然免疫応答を低減すると予測される。
特定の実施形態において、修飾ヌクレオシドとしては、α-チオ-ヌクレオシド(例えば、5’-0-(l-チオホスフェート)-アデノシン、5’-0-(l-チオホスフェート)-シチジン(a-チオ-シチジン)、5’-0-(l-チオホスフェート)-グアノシン、5’-0-(l-チオホスフェート)-ウリジン又は5’-0-(1-チオホスフェート)-プソイドウリジン)が挙げられる。
リン原子を含有しないヌクレオシド間結合を含む、本発明に従って用いられ得る他のヌクレオシド間結合が本明細書に記載される。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、1つ以上の細胞毒性ヌクレオシドを含み得る。例えば、細胞毒性ヌクレオシドは、二機能性修飾などの環状ポリリボヌクレオチドに組み込まれ得る。細胞毒性ヌクレオシドとしては、限定はされないが、アデノシンアラビノシド、5-アザシチジン、4’-チオ-アラシチジン、シクロペンテニルシトシン、クラドリビン、クロファラビン、シタラビン、シトシンアラビノシド、l-(2-C-シアノ-2-デオキシ-β-D-アラビノ-ペントフラノシル)-シトシン、デシタビン、5-フルオロウラシル、フルダラビン、フロクスウリジン、ゲムシタビン、テガフール及びウラシルの組合せ、テガフール((RS)-5-フルオロ-l-(テトラヒドロフラン-2-イル)ピリミジン-2,4(lH,3H)-ジオン)、トロキサシタビン、テザシタビン、2’-デオキシ-2’-メチリデンシチジン(DMDC)及び6-メルカプトプリンが挙げられる。さらなる例としては、フルダラビンホスフェート、N4-ベヘノイル-l-β-D-アラビノフラノシルシトシン、N4-オクタデシル-1-β-D-アラビノフラノシルシトシン、N4-パルミトイル-l-(2-C-シアノ-2-デオキシ-β-D-アラビノ-ペントフラノシル)シトシン及びP-4055(シタラビン5’-エライジン酸エステル)が挙げられる。
環状ポリリボヌクレオチドは、分子の全長に沿って均一に修飾されても又はされなくてもよい。例えば、ヌクレオチドの1つ以上若しくは全てのタイプ(例えば、天然ヌクレオチド、プリン又はピリミジン又はA、G、U、C、I、pUのいずれか1つ以上若しくは全て)は、環状ポリリボヌクレオチドにおいて又はその所与の所定の配列領域において均一に修飾されても又はされなくてもよい。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、プソイドウリジンを含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、イノシンを含み、これは、免疫系が、ウイルスRNAに対して内在性であるものとして環状ポリリボヌクレオチドを特徴付けることを促進し得る。イノシンの組み込みは、向上したRNA安定性/減少した分解も媒介し得る。例えば、全体が参照により援用されるYu,Z.et al.(2015)RNA editing by ADAR1 marks dsRNA as“self”.Cell Res.25,1283-1284を参照されたい。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド(又はその所与の配列)中の全てのヌクレオチドが修飾される。ある実施形態において、修飾としては、発現を増大し得るm6A;免疫応答を弱め得るイノシン;RNA安定性又は翻訳の読み過ごしを増大し得るプソイドウリジン(スタガー要素)、安定性を増大し得るm5C;及び細胞内転座(例えば、核局在化)を促進する2,2,7-トリメチルグアノシンが挙げられる。
様々な糖修飾、ヌクレオチド修飾及び/又はヌクレオシド間結合(例えば、骨格構造)が環状ポリリボヌクレオチド中の様々な位置に存在し得る。当業者は、環状ポリリボヌクレオチドの機能が実質的に低下されないように、ヌクレオチド類似体又は他の修飾が環状ポリリボヌクレオチドの任意の位置に位置し得ることを理解するであろう。修飾は、非コード領域の修飾でもあり得る。環状ポリリボヌクレオチドは、約1%~約100%の修飾ヌクレオチド(全ヌクレオチド含量に対して又はヌクレオチドの1つ以上のタイプ、すなわちA、G、U若しくはCのいずれか1つ以上に対して)又はその間の任意のパーセンテージ(例えば、1%~20%>、1%~25%、1%~50%、1%~60%、1%~70%、1%~80%、1%~90%、1%~95%、10%~20%、10%~25%、10%~50%、10%~60%、10%~70%、10%~80%、10%~90%、10%~95%、10%~100%、20%~25%、20%~50%、20%~60%、20%~70%、20%~80%、20%~90%、20%~95%、20%~100%、50%~60%、50%~70%、50%~80%、50%~90%、50%~95%、50%~100%、70%~80%、70%~90%、70%~95%、70%~100%、80%~90%、80%~95%、80%~100%、90%~95%、90%~100%及び95%~100%)を含み得る。
構造
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、高次構造、例えば二次又は三次構造を含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの相補的セグメントが二本鎖セグメントに折り畳まれ、対間、例えばA-U及びC-Gの水素結合で結合される。ある実施形態において、末端ループに連結された二本鎖セグメントを有する、ステムとしても知られているらせんが分子内に形成される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、疑似二本鎖二次構造を有する少なくとも1つのセグメントを有する。ある実施形態において、疑似二本鎖二次構造を有するセグメントは、少なくとも3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100又はそれを超える対合ヌクレオチドを有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、疑似二本鎖二次構造を有する1つ以上のセグメント(例えば、2、3、4、5、6つ又はそれを超える)を有する。ある実施形態において、セグメントは、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100又はそれを超えるヌクレオチドによって隔てられる。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの1つ以上の配列は、実質的に一本鎖対二本鎖領域を含む。ある実施形態において、一本対二本鎖の比率は、環状ポリリボヌクレオチドの機能性に影響を与え得る。
ある実施形態では、実質的に一本鎖である環状ポリリボヌクレオチドの1つ以上の配列である。ある実施形態において、実質的に一本鎖である環状ポリリボヌクレオチドの1つ以上の配列は、タンパク質-又はRNA-結合部位を含み得る。ある実施形態において、実質的に一本鎖である環状ポリリボヌクレオチド配列は、増大した相互作用を可能にするために立体配座柔軟性であり得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの配列は、結合するか又はタンパク質若しくは核酸結合を増加させるために、このような二次構造を含むように意図的に操作される。
ある実施形態では、実質的に二本鎖である環状ポリリボヌクレオチド配列である。ある実施形態において、実質的に二本鎖である環状ポリリボヌクレオチドの1つ以上の配列は、立体配座認識部位、例えばリボスイッチ又はアプタザイムを含み得る。ある実施形態において、実質的に二本鎖である環状ポリリボヌクレオチド配列は、立体配座的に固定され得る。あるこのような場合において、立体配座的に固定された配列は、環状ポリリボヌクレオチドを、タンパク質又は核酸の結合から立体的に遮蔽し得る。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの配列は、タンパク質又は核酸結合を回避又は低減するために、このような二次構造を含むように意図的に操作される。
16の可能な塩基対合があるが、これらの6つ(AU、GU、GC、UA、UG、CG)が実際の塩基対を形成し得る。残りは、ミスマッチと呼ばれ、らせん中に非常に低い頻度で存在する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの構造は、その機能に対する影響及び致命的な結果なしに容易に破壊することができず、それにより二次構造を維持する選択を与える。ある実施形態において、ステム(すなわちそれらのヌクレオチド配列)の一次構造は、らせん領域を依然として維持しながら、依然として変化し得る。塩基の性質は、より高次の構造に伴い、置換は、それらが二次構造を保つ限り可能である。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、疑似らせん構造を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、疑似らせん構造を有する少なくとも1つのセグメントを有する。ある実施形態において、疑似らせん構造を有するセグメントは、少なくとも3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100又はそれを超えるヌクレオチドを有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、疑似らせん構造を有する1つ以上のセグメント(例えば、2、3、4、5、6つ又はそれを超える)を有する。ある実施形態において、セグメントは、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100又はそれを超えるヌクレオチドによって隔てられる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、Uリッチ又はAリッチ配列又はそれらの組合せの少なくとも1つを含む。ある実施形態において、Uリッチ及び/又はAリッチ配列は、三重疑似らせん構造を生成し得るように配置される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、二重疑似らせん構造を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、二重疑似らせん構造を有する1つ以上のセグメント(例えば、2、3、4、5、6つ又はそれを超える)を有する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、Cリッチ及び/又はGリッチ配列の少なくとも1つを含む。ある実施形態において、Cリッチ及び/又はGリッチ配列は、三重疑似らせん構造を生成し得るように配置される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、安定化を促進する分子内三重疑似らせん構造を有する。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも1つの結合部位、例えば少なくとも1つのタンパク質結合部位、少なくとも1つのmiRNA結合部位、少なくとも1つのlncRNA結合部位、少なくとも1つのtRNA結合部位、少なくとも1つのrRNA結合部位、少なくとも1つのsnRNA結合部位、少なくとも1つのsiRNA結合部位、少なくとも1つのpiRNA結合部位、少なくとも1つのsnoRNA結合部位、少なくとも1つのsnRNA結合部位、少なくとも1つのexRNA結合部位、少なくとも1つのscaRNA結合部位、少なくとも1つのY RNA結合部位、少なくとも1つのhnRNA結合部位及び/又は少なくとも1つのtRNAモチーフを有する。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットに記載されているものなどの高次構造を含むように構成される。
送達
本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドは、担体と共に又は伴わずに医薬組成物にも含まれ得る。
本明細書に記載される医薬組成物は、例えば、医薬担体及び/又はポリマー担体、例えばリポソームなどの担体を含んで製剤化され得、それを必要とする対象(例えば、ヒト又は非ヒト農用動物又は家畜、例えばウシ、イヌ、ネコ、ウマ、家禽)に公知の方法によって送達され得る。このような方法としては、限定はされないが、トランスフェクション(例えば、脂質媒介性、カチオン性ポリマー、リン酸カルシウム、デンドリマー);エレクトロポレーション又は膜破壊の他の方法(例えば、ヌクレオフェクション)、ウイルス送達(例えば、レンチウイルス、レトロウイルス、アデノウイルス、AAV)、微量注入、微粒子銃(「遺伝子銃」)、フゲン(fugene)、直接音波負荷、細胞スクイージング、光学的トランスフェクション、プロトプラスト融合、インペールフェクション、マグネトフェクション、エクソソーム媒介性移動、脂質ナノ粒子媒介性移動及びそれらの任意の組合せが挙げられる。送達の方法は、例えば、Gori et al.,Delivery and Specificity of CRISPR/Cas9 Genome Editing Technologies for Human Gene Therapy.Human Gene Therapy.July 2015、26(7):443-451.doi:10.1089/hum.2015.074;及びZuris et al.Cationic lipid-mediated delivery of proteins enables efficient protein-based genome editing in vitro and in vivo.Nat Biotechnol.2014 Oct 30;33(1):73-80にも記載されている。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、ネイキッド送達製剤中で送達され得る。ネイキッド送達製剤は、担体を用いずに、及び環状ポリリボヌクレオチドの共有結合修飾又は環状ポリリボヌクレオチドの部分的若しくは完全な封入なしで、環状ポリリボヌクレオチドを細胞に送達する。
ネイキッド送達製剤は、担体を含まない製剤であり、ここで、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞への送達を助ける部分に結合する共有結合修飾を有さず、環状ポリリボヌクレオチドは、部分的に又は完全に封入されない。ある実施形態において、細胞への送達を助ける部分に結合する共有結合修飾を有さない環状ポリリボヌクレオチドは、細胞への送達を助けるタンパク質、小分子、粒子、ポリマー、又はバイオポリマーなどの部分に共有結合されないポリリボヌクレオチドであり得る。細胞への送達を助ける部分に結合する共有結合修飾を有さないポリリボヌクレオチドは、修飾リン酸基を含有することはない。例えば、細胞への送達を助ける部分に結合する共有結合修飾を有さないポリリボヌクレオチドは、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノホスフェート、ボラノリン酸エステル、水素ホスホネート、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、アルキル又はアリールホスホネート、又はホスホトリエステルを含有することはない。
ある実施形態において、ネイキッド送達製剤は、トランスフェクション試薬、カチオン性担体、炭水化物担体、ナノ粒子担体、又はタンパク質担体のうちのいずれか又は全てを含まなくてもよい。例えば、ネイキッド送達製剤は、フィトグリコーゲンオクテニルスクシネート、フィトグリコーゲンβ-デキストリン、無水物修飾フィトグリコーゲンβ-デキストリン、リポフェクタミン、ポリエチレンイミン、ポリ(トリメチレンイミン)、ポリ(テトラメチレンイミン)、ポリプロピレンイミン、アミノグリコシド-ポリアミン、ジデオキシ-ジアミノ-β-シクロデキストリン、スペルミン、スペルミジン、ポリ(2-ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、ポリ(リジン)、ポリ(ヒスチジン)、ポリ(アルギニン)、カチオン化ゼラチン、デンドリマー、キトサン、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)、N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、1-[2-(オレオイルオキシ)エチル]-2-オレイル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(DOTIM)、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、3B-[N-(N,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール塩酸塩(DC-コレステロールHCl)、ジヘプタデシルアミドグリシルスペルミジン(DOGS)、N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N-(1,2-ジミリスチルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、N,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、ヒト血清アルブミン(HSA)、低比重リポタンパク質(LDL)、高比重リポタンパク質(HDL)、又はグロブリンを含まなくてもよい。
ネイキッド送達製剤は、非担体賦形剤を含み得る。ある実施形態において、非担体賦形剤は、活性な細胞透過効果を示さない不活性成分を含み得る。ある実施形態において、非担体賦形剤は、緩衝液、例えばPBSを含み得る。ある実施形態において、非担体賦形剤は、溶媒、非水性溶媒、希釈剤、懸濁助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤、乳化剤、保存料、ポリマー、ペプチド、タンパク質、細胞、ヒアルロニダーゼ、分散剤、造粒剤、崩壊剤、結合剤、緩衝剤、滑沢剤、又は油であり得る。
ある実施形態において、ネイキッド送達製剤は、非経口で許容される希釈剤などの希釈剤を含み得る。希釈剤(例えば、非経口で許容される希釈剤)は、液体希釈剤又は固体希釈剤であり得る。ある実施形態において、希釈剤(例えば、非経口で許容される希釈剤)は、RNA可溶化剤、緩衝液、又は等張剤であり得る。RNA可溶化剤の例としては、水、エタノール、メタノール、アセトン、ホルムアミド、及び2-プロパノールが挙げられる。緩衝液の例としては、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)、ビス-トリス、2-[(2-アミノ-2-オキソエチル)-(カルボキシメチル)アミノ]酢酸(ADA)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸(ACES)、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、2-[[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ]エタンスルホン酸(TES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、トリス、トリシン、Gly-Gly、ビシン、又はホスフェートが挙げられる。等張剤の例としては、グリセリン、マンニトール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、トレハロース、又はスクロースが挙げられる。
ある実施形態において、本明細書に開示される医薬製剤、本明細書に開示される医薬組成物、本明細書に開示される医薬品原薬、又は本明細書に開示される医薬品製品は、非経口核酸送達系中にある。非経口核酸送達系は、本明細書に開示される医薬製剤、本明細書に開示される医薬組成物、本明細書に開示される医薬品原薬、又は本明細書に開示される医薬品製品、及び非経口で許容される希釈剤を含み得る。ある実施形態において、非経口核酸送達系中の本明細書に開示される医薬製剤、本明細書に開示される医薬組成物、本明細書に開示される医薬品原薬、又は本明細書に開示される医薬品製品は、任意の担体を含まない。
本発明は、本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドを含む宿主又は宿主細胞にさらに関する。ある実施形態において、宿主又は宿主細胞は、脊椎動物、哺乳動物(例えば、ヒト)又は他の生物若しくは細胞である。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、参照化合物、例えば記載される環状ポリリボヌクレオチド又はエンクリプトゲンを欠いた環状ポリリボヌクレオチドに対応する線状ポリヌクレオチドによって引き起こされる応答と比較して、宿主の免疫系による所望されない応答が減少されるか、又は宿主の免疫系による所望されない応答を生成することができない。実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、宿主において非免疫原性である。いくつかの免疫応答としては、限定はされないが、液性免疫応答(例えば、抗原特異的抗体の産生)及び細胞媒介性免疫応答(例えば、リンパ球増殖)が挙げられる。
ある実施形態において、宿主又は宿主細胞が環状ポリリボヌクレオチドと接触される(例えば、それに送達又は投与される)。ある実施形態において、宿主は、ヒトなどの哺乳動物である。宿主中の環状ポリリボヌクレオチド、発現産物又はその両方の量は、投与後の任意の時点で測定され得る。特定の実施形態において、培養物中の宿主成長の時間経過が決定される。成長が環状ポリリボヌクレオチドの存在下で増加又は減少される場合、環状ポリリボヌクレオチド若しくは発現産物又はその両方は、宿主の成長を増加又は減少させるのに有効であると特定される。
送達の方法
本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチド分子を、細胞、組織又は対象に送達する方法は、本明細書に記載される医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品を、細胞、組織、又は対象に投与することを含む。
ある実施形態において、送達の方法は、インビボ方法である。例えば、本明細書に記載される環状ポリリボヌクレオチドの送達の方法は、それを必要とする対象に、本明細書に記載される医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品を、それを必要とする対象に非経口的に投与することを含む。別の例として、環状ポリリボヌクレオチドを、対象の細胞又は組織に送達する方法は、細胞又は組織に、本明細書に記載される医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品を非経口的に投与することを含む。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、対象における生物学的反応を引き起こすのに有効な量である。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、対象における細胞又は組織に対する生物学的影響を与えるのに有効な量である。ある実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、担体を含む。ある実施形態において、本明細書に記載される医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、希釈剤を含み、任意の担体を含まない。ある実施形態において、非経口投与は、静脈内に、筋肉内に、眼内に、又は局所的に行われる。
ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、経口投与される。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、経鼻的に投与される。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、吸入によって投与される。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、局所的に投与される。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、眼内に投与される。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、直腸内に投与される。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬又は医薬品製品は、注入によって投与される。投与は、全身投与又は局所投与であり得る。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品は、非経口的に投与される。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品は、静脈内に、動脈内に、腹腔内に、皮内に、頭蓋内に、髄腔内に、リンパ内に(intralymphaticly)、皮下に、又は筋肉内に投与される。ある実施形態において、医薬組成物、医薬品原薬、又は医薬品製品は、眼内投与、蝸牛内(内耳)投与、又は気管内投与によって投与される。ある実施形態において、本明細書に記載される送達の方法のいずれかは、担体を用いて行われる。ある実施形態において、本明細書に記載されるいずれかの送達の方法は、担体又は細胞透過剤を用いずに行われる。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド又は環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物は、投与工程の後、少なくとも1日、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、又は少なくとも5日間にわたって、細胞、組織、又は対象において検出される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド又は環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物の存在は、投与工程の前に、細胞、組織、又は対象において評価される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチド又は環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物の存在は、投与工程の後、細胞、組織、又は対象において評価される。
細胞及び小胞ベースの担体
本明細書に記載される環状RNA組成物又は製剤は、小胞又は他の膜ベースの担体中で細胞に投与され得る。
実施形態において、本明細書に記載される環状RNA組成物又は製剤は、細胞、小胞若しくは他の膜ベースの担体中で又はそれを介して投与される。一実施形態において、環状RNA組成物又は製剤は、リポソーム又は他の同様の小胞中で製剤化され得る。リポソームは、内部水性区画を囲む単層若しくは多層脂質二重層及び比較的不透過性の外部親油性リン脂質二重層から構成される球形小胞構造である。リポソームは、アニオン性、中性又はカチオン性であり得る。リポソームは、生体適合性、非毒性であり、親水性及び親油性薬剤分子の両方を送達し、それらのカーゴを血漿酵素による分解から保護し、生体膜及び血液脳関門(BBB)をわたってそれらの負荷を輸送し得る(概説について、例えば、Spuch and Navarro,Journal of Drug Delivery,vol.2011,Article ID 469679,12 pages,2011.doi:10.1155/2011/469679を参照されたい)。
小胞は、いくつかの異なるタイプの脂質から作製され得るが;リン脂質が、薬剤担体としてリポソームを生成するために最も一般的に使用される。多層小胞脂質の調製のための方法は、当該技術分野において公知である(例えば、多層小胞脂質調製に関連するその教示内容が、参照により本明細書に援用される米国特許第6,693,086号明細書を参照されたい)。小胞形成は、脂質膜が水溶液と混合されるときに自発的であり得るが、それは、ホモジナイザー、ソニケーター、又は押し出し装置を使用することによって振とうする形で力を加えることによって促進することもできる(概説について、例えば、Spuch and Navarro,Journal of Drug Delivery,vol.2011,Article ID 469679,12 pages,2011.doi:10.1155/2011/469679を参照されたい)。押し出された脂質は、押し出された脂質調製に関連するその教示内容が、参照により本明細書に援用されるTempleton et al.,Nature Biotech,15:647-652,1997に記載されるように、減少するサイズのフィルタに通して押し出すことによって調製され得る。
脂質ナノ粒子は、本明細書に記載される環状RNA組成物又は製剤のための生体適合性及び生分解性送達系を提供する担体の別の例である。ナノ構造脂質担体(NLC)は、SLNの特徴を保ち、薬剤安定性及び負荷容量を向上させ、薬剤の漏出を防ぐ改質された固体脂質ナノ粒子(SLN)である。ポリマーナノ粒子(PNP)は、薬剤送達の重要な構成要素である。これらのナノ粒子は、有効に、薬剤送達を特定の標的に向け、薬剤安定性及び制御された薬剤放出を向上させ得る。リポソーム及びポリマーを組み合わせた新たなタイプの担体である脂質-ポリマーナノ粒子(PLN)も用いられ得る。これらのナノ粒子は、PNP及びリポソームの補完的な利点を有する。PLNは、コア-シェル構造から構成され;ポリマーコアが、安定した構造を提供し、リン脂質シェルが、良好な生体適合性を提供する。したがって、2つの構成要素が、薬剤封入効率速度を高め、表面改質を促進し、水溶性薬剤の漏出を防ぐ。概説について、例えば、Li et al.2017,Nanomaterials 7,122;doi:10.3390/nano7060122を参照されたい。
担体のさらなる非限定的な例としては、炭水化物担体(例えば、無水物修飾フィトグリコーゲン若しくはグリコーゲン型材料)、タンパク質担体(例えば、環状ポリリボヌクレオチドに共有結合されるタンパク質)、又はカチオン性担体(例えば、カチオン性リポポリマー若しくはトランスフェクション試薬)が挙げられる。炭水化物担体の非限定的な例としては、フィトグリコーゲンオクテニルスクシネート、フィトグリコーゲンβ-デキストリン、及び無水物修飾フィトグリコーゲンβ-デキストリンが挙げられる。カチオン性担体の非限定的な例としては、リポフェクタミン、ポリエチレンイミン、ポリ(トリメチレンイミン)、ポリ(テトラメチレンイミン)、ポリプロピレンイミン、アミノグリコシド-ポリアミン、ジデオキシ-ジアミノ-β-シクロデキストリン、スペルミン、スペルミジン、ポリ(2-ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、ポリ(リジン)、ポリ(ヒスチジン)、ポリ(アルギニン)、カチオン化ゼラチン、デンドリマー、キトサン、1,2-ジオレオイル-3-トリメチルアンモニウム-プロパン(DOTAP)、N-[1-(2,3-ジオレオイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、1-[2-(オレオイルオキシ)エチル]-2-オレイル-3-(2-ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(DOTIM)、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、3B-[N-(N,N’-ジメチルアミノエタン)-カルバモイル]コレステロール塩酸塩(DC-コレステロールHCl)、ジヘプタデシルアミドグリシルスペルミジン(DOGS)、N,N-ジステアリル-N,N-ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N-(1,2-ジミリスチルオキシプロパ-3-イル)-N,N-ジメチル-N-ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、及びN,N-ジオレイル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)が挙げられる。タンパク質担体の非限定的な例としては、ヒト血清アルブミン(HSA)、低比重リポタンパク質(LDL)、高比重リポタンパク質(HDL)、又はグロブリンが挙げられる。
エキソソームも、本明細書に記載される環状RNA組成物又は製剤のための薬剤送達ビヒクルとして使用され得る。概説について、Ha et al.July 2016.Acta Pharmaceutica Sinica B.Volume 6,Issue 4,Pages 287-296;https://doi.org/10.1016/j.apsb.2016.02.001を参照されたい。
エクスビボ分化された赤血球も、本明細書に記載される環状RNA組成物又は製剤のための担体として使用され得る。例えば、国際公開第2015073587号パンフレット;国際公開第2017123646号パンフレット;国際公開第2017123644号パンフレット;国際公開第2018102740号パンフレット;国際公開第2016183482号パンフレット;国際公開第2015153102号パンフレット;国際公開第2018151829号パンフレット;国際公開第2018009838号パンフレット;Shi et al.2014.Proc Natl Acad Sci USA.111(28):10131-10136;米国特許第9,644,180号明細書;Huang et al.2017.Nature Communications 8:423;Shi et al.2014.Proc Natl Acad Sci USA.111(28):10131-10136を参照されたい。
例えば、国際公開第2018208728号パンフレットに記載されるようなフソソーム組成物も、本明細書に記載される環状RNA組成物又は製剤を送達するための担体として使用され得る。
ビロソーム及びウイルス様粒子(VLP)も、本明細書に記載される環状RNA組成物又は製剤を、標的とされる細胞に送達するための担体として使用され得る。
例えば、国際公開第2011097480号パンフレット、国際公開第2013070324号パンフレット、国際公開第2017004526号パンフレット、又は国際公開第2020041784号パンフレットに記載されるような植物ナノ小胞及び植物メッセンジャーパック(PMP)も、本明細書に記載される環状RNA組成物又は製剤を送達するための担体として使用され得る。
発現の方法
本発明は、タンパク質発現のための方法であって、本明細書において提供される環状ポリリボヌクレオチドの少なくとも領域を翻訳することを含む方法を含む。
ある実施形態において、タンパク質発現のための方法は、ポリペプチドへの、環状ポリリボヌクレオチドの全長の少なくとも10%、少なくとも20%、少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%又は少なくとも95%の翻訳を含む。ある実施形態において、タンパク質発現のための方法は、少なくとも5アミノ酸、少なくとも10アミノ酸、少なくとも15アミノ酸、少なくとも20アミノ酸、少なくとも50アミノ酸、少なくとも100アミノ酸、少なくとも150アミノ酸、少なくとも200アミノ酸、少なくとも250アミノ酸、少なくとも300アミノ酸、少なくとも400アミノ酸、少なくとも500アミノ酸、少なくとも600アミノ酸、少なくとも700アミノ酸、少なくとも800アミノ酸、少なくとも900アミノ酸又は少なくとも1000アミノ酸のポリペプチドへの、環状ポリリボヌクレオチドの翻訳を含む。ある実施形態において、タンパク質発現のための方法は、約5アミノ酸、約10アミノ酸、約15アミノ酸、約20アミノ酸、約50アミノ酸、約100アミノ酸、約150アミノ酸、約200アミノ酸、約250アミノ酸、約300アミノ酸、約400アミノ酸、約500アミノ酸、約600アミノ酸、約700アミノ酸、約800アミノ酸、約900アミノ酸又は約1000アミノ酸のポリペプチドへの、環状ポリリボヌクレオチドの翻訳を含む。ある実施形態において、本方法は、本明細書において提供される連続したポリペプチド、本明細書において提供される別個のポリペプチド又はその両方への環状ポリリボヌクレオチドの翻訳を含む。
ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの少なくとも領域の翻訳は、ウサギ網状赤血球溶解物など、インビトロで行われる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの少なくとも領域の翻訳は、例えば、真核細胞のトランスフェクション又は細菌などの原核細胞の形質転換後、インビボで行われる。
ある態様において、本開示は、対象における1つ以上の発現配列のインビボ発現の方法であって、1つ以上の発現配列を含む環状ポリリボヌクレオチドを対象の細胞に投与する工程と;細胞内の環状ポリリボヌクレオチドから1つ以上の発現配列を発現する工程とを含む方法を提供する。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、後の時点での細胞内における1つ以上の発現配列の発現が前の時点と等しいか又はそれより多いように構成される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、少なくとも7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、23日間又はそれを超える期間にわたる細胞内における1つ以上の発現配列の発現が約40%を超えて低下しないように構成される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、細胞内における1つ以上の発現配列の発現が、少なくとも7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、23日間又はそれを超えて、約40%を超えて変化しないレベルに維持されるように構成される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの投与は、本明細書に記載される任意の送達方法を用いて行われる。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドは、静脈注射によって対象に投与される。ある実施形態において、環状ポリリボヌクレオチドの投与としては、限定はされないが、出産前投与、新生児期投与、出生後投与、経口、注入によるもの(例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、皮内、皮下及び筋肉内)、眼内投与及び鼻腔内投与によるものが挙げられる。
ある実施形態において、タンパク質発現のための方法は、翻訳産物の修飾、折り畳み又は他の翻訳後修飾を含む。ある実施形態において、タンパク質発現のための方法は、例えば、細胞機構を介したインビボでの翻訳後修飾を含む。
本明細書に引用される全ての参考文献及び刊行物は、参照により本明細書に援用される。
上述される実施形態は、上記の機能特性を得るために組み合わされ得る。これは、得られる例示的な組合せ及び機能特性を記載する以下の実施例によっても示される。
番号付けされた実施形態セット#1
[1]医薬製剤は、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、200g/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1mg/ml、1.5mg/ml、又は2mg/ml以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤。
[2]医薬製剤は、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の0.5%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)、5%(w/w)、10%(w/w)、15%(w/w)、20%(w/w)、25%(w/w)、30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤。
[3]医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、又は99%(w/w)は、環状ポリリボヌクレオチド分子である、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤。
[4]医薬製剤は、1つ又は複数の精製工程前のRNAのレベルと比較して、1つ又は複数の精製工程後に、少なくとも30%(w/w)、少なくとも40%(w/w)、少なくとも50%(w/w)、少なくとも60%(w/w)、少なくとも70%(w/w)、少なくとも80%(w/w)、少なくとも90%(w/w)、又は少なくとも95%(w/w)だけ減少される線状RNAのレベルを有する、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤。
[5]精製前と比較して、精製後に、免疫又は炎症反応の減少したレベルの1つ以上のマーカーを有する、段落1、2、3、又は4に記載の医薬製剤。
[6]免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーは、サイトカイン又は免疫原性関連遺伝子である、段落5に記載の医薬製剤。
[7]免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーは、RIG-I、MDA5、PKR、IFN-β、OAS、及びOASLからなる群から選択される遺伝子の発現である、段落5又は6のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[8]医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の30%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含み、宿主細胞タンパク質、宿主細胞デオキシリボ核酸、酵素、試薬成分、ゲル成分、又はクロマトグラフィー材料から選択されるプロセス関連不純物を実質的に含まない、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤。
[9]線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物を含む、いずれか1つの前の段落に記載の医薬製剤。
[10]線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子非同等物、又はそれらの組合せを含む、段落[1]~[2]、又は[9]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[11]医薬製剤は、リムルス変形細胞溶解物試験によって測定した際に、10EU/kg未満のエンドトキシンを含むか、又はエンドトキシンを含まない、段落[1]~[10]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[12]医薬製剤は、滅菌前に、100CFU/100ml未満又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含む、段落1~[11]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[13]医薬製剤は、滅菌医薬製剤である、段落[1]~[11]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[14]滅菌医薬製剤は、無菌状態で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援する、段落[12]に記載の医薬製剤。
[15]医薬製剤は、USP<71>の標準を満たす、段落[1]~[14]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[16]医薬製剤は、USP<85>の標準を満たす、段落[1]~[15]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[17]環状ポリリボヌクレオチド分子は、疑似らせん構造を含む、段落1~[16]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[18]環状ポリリボヌクレオチド分子は、疑似二本鎖二次構造を含む、段落1~[17]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[19]環状ポリリボヌクレオチド分子は、少なくとも1つの発現配列の3’末端に、1つ以上の発現配列及びスタガー要素を含む、段落[1]~[18]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[20]医薬製剤は、最終的な薬剤製品の中間の医薬製剤である、段落[1]~[19]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[21]医薬製剤は、対象への投与のための最終的な薬剤製品である、段落[1]~[19]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[22]医薬製剤は、少なくとも0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、60μg/mL、70μg/mL、80μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、300μg/mL、500μg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、100mg/mL、200mg/mL、又は500mg/mL、600mg/mL、650mg/mL、700mg/mL、又は750mg/mLの環状ポリリボヌクレオチド分子の濃度を含む、段落[1]~[21]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[23]製剤は、1pg/ml、10pg/ml、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、1000μg/mL、5000μg/mL、10,000μg/mL、又は100,000μg/mL以下のデオキシリボヌクレオチド分子を含む、段落[1]~[22]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[24]医薬製剤は、分光光度計によって測定した際に約1.6~2.3のA260/A280吸光度比を含む、段落[1]~[23]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[25]医薬製剤は、環状ポリリボヌクレオチド分子のミリグラム(mg)当たり、1pg、10pg、0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、又は500ng未満のタンパク質汚染のタンパク質汚染を含む、段落[1]~[24]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[26]タンパク質汚染は、酵素を含む、段落[23]に記載の医薬製剤。
[27]酵素は、ヌクレアーゼ又はリガーゼである、段落[24]に記載の医薬製剤。
[28]環状ポリリボヌクレオチド分子と比較した線状ポリリボヌクレオチド分子の量は、実施例2又は実施例3の方法を用いて決定される、段落[1]~[27]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[29]医薬製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量は、実施例2の方法を用いて決定される、段落[1]、[2]、又は[9]~[28]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[30]医薬製剤中の環状ポリリボヌクレオチド分子の量は、実施例3の方法を用いて決定される、段落[3]、[9]、又は[11]~[29]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[31]医薬組成物を作製する方法であって、
a)環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;
b)製剤中に残っている線状ポリリボヌクレオチド分子を実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;
c)任意選択的に、処理工程の後、製剤中に残っている線状ポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;
d)製剤をさらに処理して、医薬用途のための医薬組成物を生成する工程と
を含む方法。
[32]工程d)のさらなる処理は、
e)デオキシリボヌクレオチド分子を実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;
f)製剤中のデオキシリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;
g)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;
h)製剤を濃縮する工程と;
i)製剤中のデオキシリボヌクレオチド分子の量を、印刷又はデジタルメディアに記録する工程と
のうちの1つ以上を含む、段落[31]に記載の方法。
[33]工程d)のさらなる処理は、
e)タンパク質汚染を実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;
f)製剤中のタンパク質汚染の量を評価する工程と;
g)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;
h)製剤を濃縮する工程と
のうちの1つ以上を含む、段落[31]~[32]のいずれか1つに記載の方法。
[34]工程d)のさらなる処理は、
e)エンドトキシンを実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;
f)製剤中のエンドトキシンの量を評価する工程と;
g)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;
h)製剤を濃縮する工程と
のうちの1つ以上を含む、段落[31]~[33]のいずれか1つに記載の方法。
[35]線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物を含む、段落[31]~[34]のいずれか1つに記載の方法。
[36]線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子非同等物、又はそれらの組合せを含む、段落[31]~[35]のいずれか1つに記載の方法。
[37]タンパク質汚染は、酵素を含む、段落[31]~[36]のいずれか1つに記載の方法。
[38]医薬品原薬を作製する方法であって、
a)環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;
b)製剤中に残っている線状ポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;
c)製剤が、製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を医薬品原薬として処理する工程と
を含む方法。
[39]医薬品製品を作製する方法であって、
a)環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;
b)製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量を測定する工程と;
c)それが、製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を医薬品製品として製剤化する工程と;
d)それが、医薬品製品中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、医薬品製品にラベルを付け、出荷する工程と
を含む方法。
[40]環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を製剤化する工程は、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を、医薬品賦形剤と組み合わせることを含む、段落[38]~[39]のいずれか1つに記載の方法。
[41]製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、医薬品放出規格である、段落[38]~[40]のいずれか1つに記載の方法。
[42]医薬製剤は、環状ポリリボヌクレオチド分子の配列、例えば、参照環状ポリリボヌクレオチド配列に対する少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、97%、99%、100%)の配列同一性を有する配列について参照基準をさらに満たす、段落[41]に記載の方法。
[43]製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、200g/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1mg/ml、1.5mg/ml、又は2mg/ml以下の線状ポリリボヌクレオチド分子の存在である、段落[38]~[42]のいずれか1つに記載の方法。
[44]製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、顕微鏡法、分光測色法、蛍光分析法、変性尿素ポリアクリルアミドゲル電気泳動イメージング、UV-Vis分光測色法、RNA電気泳動、又はRNAse H分析によって測定した際に、特定の量以下(例えば、測定した際に検出不能なレベル又は検出限界未満のレベル)の線状ポリリボヌクレオチド分子の存在である、段落[38]~[42]のいずれか1つに記載の方法。
[45]線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物を含む、段落[38]~[44]のいずれか1つに記載の方法。
[46]線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子非同等物、又はそれらの組合せを含む、段落[38]~[45]のいずれか1つに記載の方法。
[47]医薬品製品又は医薬品原薬は、少なくとも0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、60μg/mL、70μg/mL、80μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、300μg/mL、500μg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、100mg/mL、200mg/mL、又は500mg/mLの環状ポリリボヌクレオチド分子の濃度を含む、段落[38]~[46]のいずれか1つに記載の方法。
[48]医薬品製品又は医薬品原薬は、医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、又は99%(w/w)の環状ポリリボヌクレオチド分子を含む、段落[38]~[47]のいずれか1つに記載の方法。
[49]医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、又は99%(w/w)の環状ポリリボヌクレオチド分子は、顕微鏡法、分光測色法、蛍光分析法、変性尿素ポリアクリルアミドゲル電気泳動イメージング、UV-Vis分光測色法、RNA電気泳動、RNAse H分析、UV分光学的若しくは蛍光検出器、光散乱技術、HPLCを含む分離の方法の使用を用いるか若しくは用いない表面プラズモン共鳴(SPR)、HPLC、分離前若しくは分離後の誘導体化方法を用いた若しくは用いないチップ若しくはゲルベースの電気泳動、線状ポリリボヌクレオチド分子の検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を使用する検出方法の使用、又は顕微鏡法、視覚法若しくは分光光度計を用いる方法によって測定される、段落[48]に記載の方法。
[50]全リボヌクレオチド分子に対する環状ポリリボヌクレオチドの量は、実施例3の方法を用いて決定される、段落[48]又は[49]に記載の方法。
[51]医薬品製品又は医薬品原薬は、リムルス変形細胞溶解物試験によって測定した際に、10EU/kg未満のエンドトキシンを含むか、又はエンドトキシンを含まない、段落[38]~[50]のいずれか1つに記載の方法。
[52]医薬品製品又は医薬品原薬は、滅菌前に、100CFU/100ml未満又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含む、段落[38]~[51]のいずれか1つに記載の方法。
[53]医薬品製品又は医薬品原薬は、滅菌薬剤製品又は滅菌原薬である、段落[38]~[52]のいずれか1つに記載の方法。
[54]滅菌薬剤製品又は滅菌原薬は、無菌状態で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援する、段落[53]に記載の方法。
[55]医薬品製品又は医薬品原薬は、USP<71>の標準を満たす、段落[38]~[54]のいずれか1つに記載の方法。
[56]医薬品製品又は医薬品原薬は、USP<85>の標準を満たす、段落[38]~[55]のいずれか1つに記載の方法。
[57]環状ポリリボヌクレオチド分子は、少なくとも1つの発現配列の3’末端に、1つ以上の発現配列及びスタガー要素を含む、段落[38]~[56]のいずれか1つに記載の方法。
[58]製剤は、製剤中に存在するデオキシリボヌクレオチド分子の量について参照基準をさらに満たす、段落[38]~[57]のいずれか1つに記載の方法。
[59]製剤中に存在するデオキシリボヌクレオチド分子の量についての参照基準は、1pg/ml、10pg/ml、0.1ng/ml、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、又は500ng/ml、1000μg/mL、5000μg/mL、10,000μg/mL、又は100,000μg/mL以下のデオキシリボヌクレオチド分子の存在である、段落[58]に記載の方法。
[60]製剤は、製剤中に存在するタンパク質汚染の量について参照基準をさらに満たす、段落[38]~[59]のいずれか1つに記載の方法。
[61]製剤中に存在するタンパク質汚染の量についての参照基準は、環状ポリリボヌクレオチド分子のミリグラム(mg)当たり、1pg、10pg、0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、又は500ng未満のタンパク質汚染のタンパク質汚染の存在である、段落[60]に記載の方法。
[62]医薬品製品又は医薬品原薬は、分光光度計によって測定した際に約1.6~2.3のA260/A280吸光度比を含む、段落[38]~[61]のいずれか1つに記載の方法。
[63]環状ポリリボヌクレオチドを、対象又は対象の細胞若しくは組織に送達する方法であって、段落[1]~[27]のいずれか1つに記載の医薬製剤、段落[31]~[37]のいずれか1つに記載の医薬組成物、段落[38]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品原薬、又は段落[39]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品製品を、対象の細胞又は組織に投与する工程を含み、ここで、環状ポリリボヌクレオチド又は環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物は、投与工程の少なくとも3日後に、細胞、組織、又は対象において検出される、方法。
[64]投与工程前に、細胞、組織又は対象中の環状ポリリボヌクレオチド又は環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物の存在を評価する工程をさらに含む、段落[63]に記載の方法。
[65]投与工程後に、細胞、組織又は対象中の環状ポリリボヌクレオチド又は環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物の存在を評価する工程をさらに含む、段落[63]~[64]のいずれか1つに記載の方法。
[66](i)段落[1]~[27]のいずれか1つに記載の医薬製剤、段落[31]~[37]のいずれか1つに記載の医薬組成物、段落[38]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品原薬、又は段落[39]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品製品、及び(ii)非経口で許容される希釈剤を含む非経口核酸送達系。
[67]段落[1]~[27]のいずれか1つに記載の医薬製剤、段落[31]~[37]のいずれか1つに記載の医薬組成物、段落[38]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品原薬、又は段落[39]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品製品は、任意の担体を含まない、段落[66]に記載の非経口核酸送達系。
[68]環状ポリリボヌクレオチドを対象に送達する方法であって、それを必要とする対象に、段落[1]~[27]のいずれか1つに記載の医薬製剤、段落[31]~[37]のいずれか1つに記載の医薬組成物、段落[38]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品原薬、又は段落[39]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品製品を、それを必要とする対象に非経口的に投与する工程を含む方法。
[69]環状ポリリボヌクレオチドは、対象における生物学的反応を引き起こすのに有効な量である、段落[68]に記載の方法。
[70]環状ポリリボヌクレオチドは、対象における細胞又は組織に対する生物学的影響を与えるのに有効な量である、段落[68]に記載の方法。
[71]環状ポリリボヌクレオチドを、対象の細胞又は組織に送達する方法であって、細胞又は組織に、段落[1]~[27]のいずれか1つに記載の医薬製剤、段落[31]~[37]のいずれか1つに記載の医薬組成物、段落[38]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品原薬、又は段落[39]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品製品を非経口的に投与する工程を含む方法。
[72]段落[1]~[27]のいずれか1つに記載の医薬製剤、段落[31]~[37]のいずれか1つに記載の医薬組成物、段落[38]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品原薬、又は段落[39]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品製品は、担体を含む、段落[68]~[71]のいずれか1つに記載の方法。
[73]段落[1]~[27]のいずれか1つに記載の医薬製剤、段落[31]~[37]のいずれか1つに記載の医薬組成物、段落[38]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品原薬、又は段落[39]~[62]のいずれか1つに記載の医薬品製品は、希釈剤を含み、任意の担体を含まない、段落[68]~[71]のいずれか1つに記載の方法。
[74]非経口投与は、静脈内に、筋肉内に、眼内に又は局所的に行われる、段落[68]~[73]のいずれか1つに記載の方法。
番号付けされた実施形態セット#2
[1]医薬組成物を作製する方法であって、
a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;
b)線状ポリリボヌクレオチドを環状化して、環状ポリリボヌクレオチドの製剤を生成する工程と;
c)残っている線状ポリリボヌクレオチド分子を実質的に除去するように、環状ポリリボヌクレオチドの製剤を処理する工程と;
d)任意選択的に、処理工程後の製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;
e)製剤をさらに処理して、医薬用途のための医薬組成物を生成する工程と
を含む方法。
[2]工程e)のさらなる処理は、
f)デオキシリボヌクレオチド分子を実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;
g)製剤中のデオキシリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;
h)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;
i)製剤を濃縮する工程と;
j)製剤中のデオキシリボヌクレオチド分子の量を、印刷又はデジタルメディアに記録する工程と
のうちの1つ以上を含む、段落[1]に記載の方法。
[3]工程e)のさらなる処理は、
f)タンパク質汚染を実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;
g)製剤中のタンパク質汚染の量を評価する工程と;
h)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;
i)製剤を濃縮する工程と
のうちの1つ以上を含む、段落[1]~[2]のいずれか1つに記載の方法。
[4]工程e)のさらなる処理は、
f)エンドトキシンを実質的に除去するように、製剤を処理する工程と;
g)製剤中のエンドトキシンの量を評価する工程と;
h)医薬品賦形剤により製剤を製剤化する工程と;
i)製剤を濃縮する工程と
のうちの1つ以上を含む、段落[1]~[3]のいずれか1つに記載の方法。
[5]線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物又は環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物のフラグメントを含む、段落[1]~[4]のいずれか1つに記載の方法。
[6]線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物又はそのフラグメント、環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子非同等物又はそのフラグメント、又はそれらの組合せを含む、段落[1]~[5]のいずれか1つに記載の方法。
[7]医薬組成物は、製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、20%、15%、10%、5%、2%、1%、又は0.5%(w/w)以下の組み合わされた線状及びニックポリリボヌクレオチド分子を含む、段落[1]~[6]のいずれか1つに記載の方法。
[8]環状化は、スプリントライゲーションを含む、段落[1]~[7]のいずれか1つに記載の方法。
[9]タンパク質汚染は、酵素を含む、段落[1]~[7]のいずれか1つに記載の方法。
[10]環状ポリリボヌクレオチド分子と比較した線状ポリリボヌクレオチド分子の量は、実施例2又は実施例3の方法を用いて決定される、段落[1]~[9]のいずれか1つに記載の方法。
[11]製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量は、実施例2の方法を用いて決定される、段落[1]~[10]のいずれか1つに記載の方法。
[12]製剤中の環状ポリリボヌクレオチド分子の量は、実施例3の方法を用いて決定される、段落[1]~[11]のいずれか1つに記載の方法。
[13]医薬組成物は、製剤中の全リボヌクレオチド分子の30%、20%、15%、10%、5%、2%、1%、又は0.5%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む、段落[1]~[12]のいずれか1つに記載の方法。
[14]医薬製剤は、環状ポリリボヌクレオチド分子、及び医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.1%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子を含む、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤。
[15]精製前と比較して、精製後に、免疫又は炎症反応の減少したレベルの1つ以上のマーカーを有する、段落[14]の医薬製剤。
[16]免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーは、サイトカイン又は免疫原性関連遺伝子である、段落[15]の医薬製剤。
[17]免疫又は炎症反応の1つ以上のマーカーは、RIG-I、MDA5、PKR、IFN-β、OAS、及びOASLからなる群から選択される遺伝子の発現である、段落[15]又は[16]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[18]細胞タンパク質、細胞デオキシリボ核酸、酵素、試薬成分、ゲル成分、又はクロマトグラフィー材料から選択されるプロセス関連不純物を実質的に含まない、段落[14]~[17]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[19]ニック線状ポリリボヌクレオチド分子は、環状化後のニック線状ポリリボヌクレオチドである、段落[14]~[18]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[20]医薬製剤は、リムルス変形細胞溶解物試験によって測定した際に、10EU/kg未満のエンドトキシンを含むか、又はエンドトキシンを含まない、段落[14]~[19]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[21]医薬製剤は、滅菌前に、100CFU/100ml未満又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含む、段落[14]~[20]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[22]医薬製剤は、滅菌医薬製剤である、段落[14]~[21]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[23]滅菌医薬製剤は、無菌状態で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援する、段落[22]に記載の医薬製剤。
[24]医薬製剤は、USP<71>の標準を満たす、段落[14]~[23]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[25]医薬製剤は、USP<85>の標準を満たす、段落[14]~[24]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[26]環状ポリリボヌクレオチド分子は、少なくとも1つの発現配列の3’末端に、1つ以上の発現配列及びスタガー要素を含む、段落[14]~[25]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[27]医薬製剤は、最終的な薬剤製品の中間の医薬製剤である、段落[14]~[26]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[28]医薬製剤は、対象への投与のための最終的な薬剤製品である、段落[14]~[27]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[29]医薬製剤は、少なくとも0.1ng/mLの環状ポリリボヌクレオチド分子の濃度を含む、段落[14]~[28]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[30]医薬製剤は、約9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、3%(w/w)、2%(w/w)、1%(w/w)、又は0.5%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子を含む、段落[14]~[29]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[31]医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の少なくとも80%(w/w)は、環状ポリリボヌクレオチド分子である、段落[14]~[30]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
[32]医薬製剤は、製剤中の全リボヌクレオチド分子の20%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む、段落[14]~[31]のいずれか1つに記載の医薬製剤。
以下の実施例は、本発明のある実施形態をさらに例示するために提供されるが、本発明の範囲を限定することを意図されておらず;それらの例示的な性質により、当業者に公知の他の手順、方法又は技術が代わりに使用され得ることが理解されるであろう。国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0356]~[0375]、[0393]~[0405]、及び[0433]~[0436]に記載される実施例1~3、6、9、10、及び16、並びにそれらの対応する図面は、全体が参照により本明細書に援用される。
以下の表2は、以下に記載される各実施例の内容の簡単な概要を示すことが意図され、これは、決して限定的なものではない。実施例の特定の態様は、表2中の説明に反映されていない場合がある。
Figure 2022523794000005
Figure 2022523794000006
Figure 2022523794000007
Figure 2022523794000008
実施例1:RNAse H-生成核酸分解産物を評価することによる環状RNA製剤の特性評価
この実施例は、RNAse H-生成核酸分解産物についての環状RNA製剤の評価により、環状産物に対する線状及びコンカテマー産物を検出することができることを実証する。
RNAは、リガーゼと共にインキュベートされる場合、反応しないか又は分子内若しくは分子間結合を形成することができないかのいずれかであり、これは、それぞれ環状(遊離末端なし)又はコンカテマーRNA(線状)を生成する。相補的DNAプライマー及びRNAse H、DNA/RNA二本鎖を認識する非特異的エンドヌクレアーゼによる各タイプのRNAの処理は、出発RNA材料に応じて、特定のサイズの固有の数の分解産物を生成することが予測される。
ライゲートされたRNAは、RNAse H分解によって生成されるRNAの数及びサイズに基づいて、コンカテマーRNA汚染を有さない環状RNA又はコンカテマーRNA汚染を有する環状RNAであることが示され得る。プライマー及びRNase Hが、環状RNAに加えられる場合、単一のプライマーが、環状RNAと共に二本鎖を形成し、RNase Hが、DNA/RNA二本鎖領域を分解して、単一の線状RNA産物をもたらす。プライマー及びRNase Hが、コンカテマーに加えられる場合、少なくとも2つのプライマーが、コンカテマーRNAと共に二本鎖を形成し、RNase Hが、DNA/RNA二本鎖を分解して、3つの産物をもたらし;1つの産物は、第1のプライマー結合領域への5’末端からのRNAであり、1つの産物は、一緒にライゲートされたコンカテマーの数に応じて複数のRNAを含み得る、第1のプライマー結合領域と次のプライマー結合領域との間のRNAであり、最後の産物は、3’末端への最後のプライマー結合領域からのRNAである。プライマー及びRNase Hが、線状RNAに加えられる場合、単一のプライマーが、線状RNAと共に二本鎖を形成して、プライマー結合領域への5’末端からのRNAに1つの産物をもたらし、3’末端へのプライマー結合領域に別の産物をもたらす。図1の左側の絵は、この手法を示す。
この実施例において、環状RNAを、以下のように生成した。非修飾線状RNAを、DNAセグメントから、T7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写によって合成した。転写されたRNAを、RNA精製システム(New England Biolabs,Inc.)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs,Inc.、M0356)で処理し、RNA精製システムを用いて再度精製した。環状RNAを、ナノルシフェラーゼ(Nluc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素と共にIRESを含むように設計した。
RNAの環状化状態を試験するために、0.05pmole/μlの線状又は環状RNA製剤を、30分間にわたって37℃で、0.25U/μlのRNAse H、DNA/RNA二本鎖を消化するエンドリボヌクレアーゼ、及び0.3pmole/μlの、Nluc RNA(CACCGCTCAGGACAATCCTT)に対して相補的なオリゴマーと共にインキュベートした。インキュベーション後、反応混合物を、6%の変性PAGEによって分析した。ゲルを、SYBR-グリーンで染色し、E-gel Imagerによって視覚化した。視覚化されたゲルにおけるバンド強度を測定し、ImageJによって分析した。
図1の右側は、この実験における実際の切断産物を示す。RNAse Hエンドヌクレアーゼと共にインキュベートされた線状RNAレーンにおけるバンドの数が、予測どおりに2つのバンドを生成した一方、単一のバンドが、レーンAの場合、環状RNAレーンにおいて検出され、これは、環状RNAが、実際に環状であり、コンカテマーでないことを示している。レーンB及びレーンCの場合、線状及びコンカテマー汚染からのバンドが、RNAse Hレーンにおいて出現する複数のより小さいフラグメントバンドの存在のため、RNase H処理後に可視であった。
実施例2:環状RNA製剤中の線状RNA(標準曲線)
この実施例は、環状RNA製剤中の線状RNAの計算を実証する。
この実施例において、環状RNAを、以下のように生成した。非修飾線状RNAを、DNAセグメントから、T7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写によって合成した。転写されたRNAを、RNA精製システム(New England Biolabs,Inc.)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs,Inc.、M0356)で処理し、RNA精製システムを用いて再度精製した。環状RNAを、ナノルシフェラーゼ(Nluc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素と共にIRESを含むように設計した。
スプリントライゲーション環状RNAを、T4 DNAリガーゼ2(New England Biolabs,Inc.、M0239)による転写された線状RNA及びDNAスプリントの処理によって生成した。
環状RNAを精製するために、ライゲーション混合物を4%の変性PAGEにおいて分解し、環状RNAのそれぞれに対応するRNAバンドを切除した。切除されたRNAゲルフラグメントを破砕し、RNAを、37℃で1時間にわたって、ゲル溶離緩衝液(0.5MのNaOAc、1mMのEDTA及び0.1%のSDS)で溶離させた。上清を収集し、RNAを、ゲル溶離緩衝液を、破砕されたゲルに加えることによってもう一度溶離させ、1時間にわたってインキュベートした。ゲル破片を遠心分離フィルタによって除去し、RNAをエタノールで沈殿させた。溶離された環状RNAを、6%の変性PAGEによって分析した。ゲルを、SYBR-グリーンで染色し、E-gel Imagerによって視覚化した。
ゲルにおけるRNAの量を、既知の量及び同じサイズのRNA(標準RNA)のバンド強度を比較することによって決定した。ゲルにおける不明のサンプルの量を決定するために、標準曲線を生成した(図2)。標準曲線を生成するために、1、0.5、0.2及び0.05pmoleの、環状RNAの線状同等物を、6%の変性PAGEにおいて環状RNA製剤と並行して充填した。変性ゲルを、SYBR-グリーンで染色し、E-gel Imagerによって視覚化した。次に、ゲルにおける各バンド強度を測定し、ImageJによって分析した。異なるレーン(全ての場合、R>0.98)のそれぞれに充填されたRNAのバンド強度の分析によって、線状RNAの標準曲線を生成し、環状RNA製剤中の線状RNAの量を、線状RNA標準曲線に基づいて決定した。
異なるサンプル中の線状RNAの量は、環状RNA製剤Aについて以下のとおりであった:線状RNAが、約0.31モル/モル、又は115.99ng/395ng、若しくは30.2%であることが計算された。環状RNA製剤Cについては:線状RNAは、約0.45モル/モル、又は260.52ng/488ng、若しくは49.2%であることが計算された。
実施例3:環状RNA製剤中の線状RNA(ゲル排除及び抽出)
この実施例は、製剤中の環状RNAの精製及び定量を実証する。
この実施例において、環状RNAを、以下のように生成した。非修飾線状RNAを、DNAセグメントから、T7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写によって合成した。転写されたRNAをRNA精製システム(New England Biolabs,Inc.)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(New England Biolabs,Inc.、M0356)で処理し、RNA精製システムを用いて再度精製した。環状RNAを、ナノルシフェラーゼ(Nluc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素と共にIRESを含むように設計した。
スプリントライゲーション環状RNAを、T4 DNAリガーゼ2(New England Biolabs,Inc.、M0239)による転写された線状RNA及びDNAスプリントの処理によって生成した。
環状RNAを精製するために、ライゲーション混合物を6%の変性PAGEにおいて分解し、環状RNAのそれぞれに対応するRNAバンドを切除した。切除されたRNAゲルフラグメントを破砕し、RNAを、37℃で1時間にわたって、ゲル溶離緩衝液(0.5MのNaOAc、1mMのEDTA及び0.1%のSDS)で溶離させた。上清を収集し、RNAを、ゲル溶離緩衝液を、破砕されたゲルに加えることによってもう一度溶離させ、1時間にわたってインキュベートした。ゲル破片を遠心分離フィルタによって除去し、RNAを0.3Mの酢酸ナトリウムの存在下においてエタノールで沈殿させた。溶離された環状RNAを、6%の変性PAGEによって分析した。ゲルを、SYBR-グリーンで染色し、E-gel Imagerによって視覚化した(図3)。可視バンドを再度切除しし、ゲル破砕機(gel breaker)を使用することによって破砕した。RNAを抽出するために、ゲル溶離緩衝液(0.5MのNaOAc、1mMのEDTA、0.1%のSDS)を、破砕されたゲルに加え、37℃で1時間にわたってインキュベートした。上清を収集し、RNAを、ゲル溶離緩衝液を、破砕されたゲルに加えることによってもう一度溶離させ、1時間にわたってインキュベートした。ゲル破片をspin Xカラムによって除去し、抽出されたRNAを、エタノールで沈殿させた。個々のバンドから抽出されたRNAを、Qubit3蛍光光度計によって測定した。
異なるサンプルから抽出されたRNAを、以下のように定量した:(製剤A)約1446ngの環状RNA及び176ngの線状RNA(89.1%の環状RNA);(製剤B)約934ngの環状RNA及び270ngの線状RNA(77.5%の環状RNA);並びに(製剤C)約320ngの環状RNA及び396ngの線状RNA(44.6%の環状RNA)。
実施例4:環状RNA製剤中の線状RNA
この実施例は、製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して91%(w/w)の純度の環状RNA分子の生成、及び生物学的影響をもたらすためのマウスにおけるその後の投与を実証する。
この実施例において、環状RNAは、IRES、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素を含んでいた。
この実施例において、環状RNAをインビトロで生成した。転写を駆動するT7 RNAポリメラーゼプロモータに加えて、上に列挙される全てのモチーフを含むDNA鋳型から非修飾線状RNAをインビトロで転写した。転写されたRNAを、RNAクリーンアップキット(New England Biolabs、T2050)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs、M0356)で処理し、RNA精製カラムを用いて再度精製した。RppHで処理された線状RNAを、スプリントDNA 5’-TTTTTCGGCTATTCCCAATAGCCGTTTTG-3’及びT4 RNAリガーゼ2(New England Biolabs、M0239)を用いて環状化した。環状RNAを尿素-PAGEで精製し、緩衝液(0.5Mの酢酸ナトリウム、0.1%のSDS、1mMのEDTA)で溶離させ、エタノールで沈殿させ、RNA貯蔵溶液(ThermoFisher Scientific、cat# AM7000)中で再懸濁させた。
線状ポリリボヌクレオチドが、最終的な環状RNA産物製剤中に残っていた。環状RNAの純度及び最終産物製剤中に残っている線状RNAのパーセンテージを、最終産物製剤を6%のTBE-尿素ゲルにおいて電気泳動にかけ、ImageJを用いてバンドを分析することによって、各バッチについて定量した。総RNA強度と比較して環状RNAの強度を計算することによって純度を評価し、パーセンテージとして示した。ここで、環状RNAは、製剤中の全RNAに対して91%(w/w)の純度を有していた。
投与前に、PBS及び10%のTransIT担体を加えて、100uLの最終体積中の0.25pmoleの所望の最終環状RNA濃度を達成した。マウスに、0.25pmoleの、ガウシアルシフェラーゼORF(100uL)をコードする環状RNAの単回の尾静脈注入を与えた。
血液サンプル(約25uL)を、サブモル量の引き抜き(submolar drawing)によって各マウスから採取した。投与の0、6時間、1、2、3、7、14、21、28及び35日後の時点で血液をEDTAチューブ中に採取した。血漿を、4℃において1300gで30分間にわたって遠心分離によって単離し、ガウシアルシフェラーゼ、分泌酵素の活性を、ガウシアルシフェラーゼ活性アッセイ(Thermo Scientific Pierce)を用いて試験した。簡潔に述べると、50uLの1×GLuc基質を5uLの血漿に加えて、GLucルシフェラーゼ活性アッセイを行った。プレートを、発光測定装置(Promega)において混合した直後に読み取った。
ガウシアルシフェラーゼ活性は、環状RNAの投与の6時間並びに1、2、3、7、14、及び21日後の時点で血漿中において検出された。環状RNAのより高い発現が、注入の約2日後に観察され、発現の高いレベルが、長期間にわたって維持され、21日の時点で依然として検出可能であった。全ての時点で、これらのレベルの活性は、陰性対照(PBSビヒクルのみ)について観察されたものより高かった。
この実施例は、製剤中の全RNAに対して91%(w/w)の純度の環状RNAが問題なく生成され、静脈注射によって問題なく送達され、長期間にわたって血液中で検出可能なタンパク質を発現することができたことを実証する。
実施例5:ゲル精製環状RNA中のニック環状RNAの定量
この実施例は、ゲル抽出によって精製された環状RNAが、製剤中の全RNA分子に対して1.1%(w/w)以下のニックRNAを含有することを実証する。
この実施例において、RNAは、IRES、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素を含んでいた。
この実施例において、環状RNAをインビトロで生成した。転写を駆動するT7 RNAポリメラーゼプロモータに加えて、上に列挙される全てのモチーフを含むDNA鋳型から非修飾線状RNAをインビトロで転写した。転写されたRNAを、RNAクリーンアップキット(New England Biolabs、T2050)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs、M0356)で処理し、RNA精製カラムを用いて再度精製した。RppHで処理された線状RNAを、スプリントDNA(5’-TTTTTCGGCTATTCCCAATAGCCGTTTTG-3’)及びT4 RNAリガーゼ2(New England Biolabs、M0239)を用いて環状化した。これは、ライゲーション接合部におけるRNAの環状化をもたらして、環状RNAを生成する。環状RNAを、4%のPAGEゲルにおいて尿素-PAGEで精製し、緩衝液(0.5Mの酢酸ナトリウム、0.1%のSDS、1mMのEDTA)で溶離させ、エタノールで沈殿させ、RNA貯蔵溶液(ThermoFisher Scientific、cat# AM7000)中で再懸濁させた。この実施例において、精製環状RNAが、製剤中の全RNAに対して80%(w/w)の純度を有することが評価された。
この実施例において、線状RNAの配列を、次世代シーケンシングによって評価した。精製環状RNA製剤(80%の純度)を、TruSeq Small RNA Workflow(Illumina、RS-200-0012)に記載されるライブラリー作製方法を用いて、NGSパイプラインのために調製した。この方法は、高い忠実度で3’末端同一性を保存した。簡潔に述べると、アダプターを、溶液中で利用可能な3’又は5’末端を有するRNA分子にライゲートした。無傷の環状RNAは、このライゲーションに供されず、結果として、この工程は、非環状RNAのみのために選択される。次に、これらの産物を逆転写し、増幅して、cDNAライブラリーを生成し、それを続いて精製し、品質管理し、多重化する。次に、ライブラリーを、Illumina Miniseq機械におけるシーケンシングに供する。
上述されるものと同様に、RppH処理後のインビトロ転写からの線状RNA産物を、シーケンシングのために処理した。
IVTの線状RNA産物及びゲル精製環状RNA製剤中の非環状RNAの両方のシーケンシング結果は、読み取りを、環状RNAを生成するのに使用される鋳型配列にマッピングし、ライゲーション接合部上に重なり合う読み取りの数を評価することによって比較した。
この分析において、残っている非環状RNAは、ニックRNA及びIVTからの残留線状RNA産物の混合物であると仮定される。この実施例において、非環状RNAが、ニックRNAのみを含むと仮定される場合、ライゲーション接合部上に重なり合うフラグメントのパーセンテージは、50%であると予測される。非環状RNAが、IVTからの残留線状RNA産物のみを含むと仮定される場合、ライゲーション接合部上に重なり合うフラグメントのパーセンテージは、0%であると予測される。これらの統計的仮定及び対照実験を用いて、ニックRNAの定量を可能にする標準曲線を生成した。これにより、ニックRNAとして5.4%の非環状RNAの計算が得られた。
この実施例は、精製環状RNA製剤の非環状RNA画分の5.4%(w/w)(全RNAの1.1%(w/w)に相当する)がニックRNAであったことを実証する。
実施例6:環状RNA製剤中に存在する線状RNAは、インビトロの発現レベル及び持続性に影響を与えた
この実施例は、環状RNA製剤中の線状RNAの存在が、細胞内の環状RNAのタンパク質発現のレベル及び持続性に影響を与えることを実証する。
この実施例において、環状RNAを、以下のように生成した。非修飾線状RNAを、DNAセグメントから、T7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写によって合成した。転写されたRNAを、RNA精製システム(New England Biolabs,Inc.)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs,Inc.、M0356)で処理し、RNA精製システムを用いて再度精製した。環状RNAを、ガウシアルシフェラーゼ(gluc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素と共にIRESを含むように設計した。
スプリントライゲーション環状RNAを、T4 DNAリガーゼ2(New England Biolabs,Inc.、M0239)による転写された線状RNA及びDNAスプリントの処理によって生成した。
ライゲーション混合物をゲル精製して、鋳型DNA、タンパク質、及び線状(非環状化)RNAを除去した。RNA製剤を4%の変性PAGEにおいて分解し、環状RNAのそれぞれに対応するRNAバンドを切除した。切除されたRNAゲルフラグメントを破砕し、RNAを、37℃で1時間にわたって、ゲル溶離緩衝液(0.5MのNaOAc、1mMのEDTA及び0.1%のSDS)で溶離させた。上清を収集し、RNAを、ゲル溶離緩衝液を、破砕されたゲルに加えることによってもう一度溶離させ、1時間にわたってインキュベートした。ゲル破片を遠心分離フィルタによって除去し、RNAをエタノールで沈殿させた。
細胞分裂中のゲル精製環状及び非精製RNA製剤の持続性を、BJ線維芽細胞において監視した。96ウェルプレート中の細胞は、脂質ベースのトランスフェクション試薬(ThermoFisher Scientific(LMRNA003)を用いて等量のゲル精製環状RNA又は非精製RNA製剤のいずれかで(リバース)トランスフェクトされた懸濁液であった。
ガウシアルシフェラーゼ酵素活性を、製造業者の説明に従って、ルシフェラーゼ酵素アッセイ(Thermo Scientific Pierce、16158)を用いたタンパク質発現測定として、投与の6時間及び1~5日後に監視した。簡潔に述べると、1×セレンテラジン基質を、トランスフェクトされたウェルから細胞上清に加えた。プレートを、発光測定装置(Promega)において基質添加の直後に読み取った。
ゲル精製環状RNA製剤でトランスフェクトされた細胞からのタンパク質発現が、非精製RNAでトランスフェクトされた細胞より高いレベルで及びより長い期間にわたって検出された(図4)。約100倍高い発光(RLU)が、5日間の期間にわたって非精製RNAと比較して精製環状RNA製剤で検出された。
実施例7:環状RNA製剤中に存在する線状RNAは、細胞内で、用量依存的に発現に影響を与えた
この実施例は、環状RNA製剤中の線状RNAが、用量依存的に発現に悪影響を与えたことを実証する。
この実施例において、環状RNA及び線状RNAを、以下のように生成した。非修飾線状RNAを、DNAセグメントから、T7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写によって合成した。転写されたRNAを、RNA精製システム(New England Biolabs,Inc.)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs,Inc.、M0356)で処理し、RNA精製システムを用いて再度精製した。環状RNAを、ガウシアルシフェラーゼ(gluc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素と共にIRESを含むように設計した。
スプリントライゲーション環状RNAを、T4 DNAリガーゼ2(New England Biolabs,Inc.、M0239)による転写された線状RNA及びDNAスプリントの処理によって生成した。
環状RNAを精製するために、ライゲーション混合物を4%の変性PAGEにおいて分解し、環状RNAのそれぞれに対応するRNAバンドを切除した。線状RNAを、同じ4%の変性PAGEゲルを用いて精製した。切除されたRNAゲルフラグメント(線状又は環状)を破砕し、RNAを、37℃で1時間にわたって、ゲル溶離緩衝液(0.5MのNaOAc、1mMのEDTA及び0.1%のSDS)で溶離させた。上清を収集し、RNAを、ゲル溶離緩衝液を、破砕されたゲルに加えることによってもう一度溶離させ、1時間にわたってインキュベートした。ゲル破片を遠心分離フィルタによって除去し、RNAをエタノールで沈殿させた。
ゲル精製環状RNAを含む製剤中の様々なレベルの線状RNA同等物の影響を、BJ線維芽細胞内の細胞分裂を監視することによって決定した。96ウェルプレート中の細胞は、脂質ベースのトランスフェクション試薬(ThermoFisher Scientific(LMRNA003)を用いて、ゲル精製環状RNA製剤又は様々な線状RNAが補充された等量のゲル精製環状RNA製剤のいずれかで(リバース)トランスフェクトされた懸濁液であった。ガウシアルシフェラーゼ酵素活性を、製造業者の説明に従って、ルシフェラーゼ酵素アッセイ(Thermo Scientific Pierce、16158)を用いて、タンパク質発現の尺度として、投与の6時間及び1~5日後に監視した。簡潔に述べると、1×セレンテラジン基質を、トランスフェクトされたウェルから細胞上清に加えた。プレートを、発光測定装置(Promega)において基質添加の直後に読み取った。
ゲル精製環状RNA製剤のみでトランスフェクトされた細胞からのタンパク質発現が、用量依存的に、組み合わされた環状及び線状RNAでトランスフェクトされた細胞からのものより長い期間にわたって検出された(図5)。精製環状RNAのみのレベルは、120時間の時間経過にわたって安定したままであったが、環状及び線状RNAの両方を含むRNA製剤のレベルは、時間と共に低下し、低下速度は、線状RNAのレベルに比例する。意外なことに、細胞が、等量の環状RNAでトランスフェクトされ、サンプルの一部が2倍多いコーディングRNA(線状と組み合わされた環状)を含有していたとしても、増加したレベルの線状RNAは、環状RNAの量が一定に保たれていたとしても、時間と共にタンパク質発現レベルに悪影響を与えた。
この実施例は、減少したレベルの線状RNAを有する環状RNAが、改善された発現、例えば、発現の長さの改善を有することを実証する。
実施例8:環状RNA製剤中の線状RNAが、発現レベル及び時間に影響を与えた(ゲルイメージング)
この実施例は、環状RNA製剤中の線状RNAの存在が、インビボのタンパク質発現及び持続性のレベルを調節することを実証する。
この実施例において、環状RNAを、以下のように生成した。非修飾線状RNAを、DNAセグメントから、T7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写によって合成した。転写されたRNAを、RNA精製システム(New England Biolabs,Inc.)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs,Inc.、M0356)で処理し、RNA精製システムを用いて再度精製した。環状RNAを、ナノルシフェラーゼ(Nluc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素と共にIRESを含むように設計した。
スプリントライゲーション環状RNAを、T4 DNAリガーゼ2(New England Biolabs,Inc.、M0239)による転写された線状RNA及びDNAスプリントの処理によって生成した。
環状RNAを精製するために、ライゲーション混合物を4%の変性PAGEにおいて分解し、環状RNAのそれぞれに対応するRNAバンドを切除した。切除されたRNAゲルフラグメントを破砕し、RNAを、37℃で1時間にわたって、ゲル溶離緩衝液(0.5MのNaOAc、1mMのEDTA及び0.1%のSDS)で溶離させた。上清を収集し、RNAを、ゲル溶離緩衝液を、破砕されたゲルに加えることによってもう一度溶離させ、1時間にわたってインキュベートした。ゲル破片を遠心分離フィルタによって除去し、RNAをエタノールで沈殿させた。溶離された環状RNAを、6%の変性PAGEによって分析した。ゲルを、SYBR-グリーンで染色し、E-gel Imagerによって視覚化した。視覚化されたゲルにおけるバンド強度を測定し、ImageJによって分析した(図6)。
個々の製剤中の環状及び線状RNAを示すRNAバンドを、E-gelイメージングによって比較した。環状及び線状RNA含量を、尿素PAGEゲル分析によって定量した。簡潔に述べると、ゲルを、個々の製剤中の線状及び環状RNA種の相対量について分析した。環状RNA含量のパーセンテージを、以下のように計算した:環状RNAの量を、全RNA量(環状+線状RNA)で除算した。レーンA中の環状RNAのパーセンテージは、79.5%であり、レーンBでは53.9%であり、レーンCでは44.8%であった。
Balb/cマウスに、Nluc ORFを有する環状RNA、又は対照として線状RNAを含む製剤を、静脈内(IV)尾静脈投与によって注入した。製造業者の説明に従って、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Mirus)中で製剤化された、単回用量の10pmolの全RNAを動物に投与した。
RNA投与の24時間後、マウスに、40ugのフリマジン(Promega、N1120;20ulの基質、80ulのPBS/投与)を腹腔内(IP)注入し、10分間のインキュベーションの後、Bioluminescence Image Acquisitionを用いて、画像を取得した。投与の14日後の時点で、動物に、40ugのフリマジン(Progemega、N1120、20ulの基質、80ulのPBS/投与)を腹腔内注入し、殺処分し、次に、肝臓を採取した。肝臓を、Bioluminescence Image Acquisitionを用いて採取の直後に2分間にわたって撮像した。Bioluminescence Image Acquisitionを用いて、線状及び環状RNAから発現されたナノルシフェラーゼの存在を測定した。画像を、Living Image 4.3.1(PerkinElmer、MA)ソフトウェアを用いて分析した。全身の固定体積ROIを、腹臥位で設置し、各個々の動物の仰臥位画像を、動物の同定に基づいて表示した。全光束(光子/秒)を計算し、全てのROIについてエクスポートして、群間の分析を容易にした。
79.5%の環状RNAを有する製剤は、線状RNA又は約44.8%若しくは約53.9%の環状RNAを含む製剤と比較して、24時間の時点でより高いインビボ発現を示した。さらに、より高いパーセンテージの環状RNA製剤からのルシフェラーゼ発現が、投与の14日後の時点で、肝臓中で、エクスビボで分析された場合、約79.5%の環状RNA製剤からの発現は維持されたが、約44.8%又は約53.9%の環状RNA製剤からの発現は維持されなかった。
したがって、環状RNA製剤中の線状RNAの存在は、インビボの発現及び持続性に影響を与える。
実施例9:ビオチン標識アデノシド及びその後のストレプトアビジンに媒介される捕捉を用いた、線状RNAのポリアデニル化による製剤からの環状RNAの富化
この実施例は、同じヌクレオチド配列を含む環状RNA及び線状RNA同等物の混合プールを含む製剤からの環状RNAの富化を実証する。
ポリ(A)ポリメラーゼを用いたRNAのポリアデニル化は、RNAへの3’ポリアデニン尾部の付加をもたらす。このプロセスは、RNAの3’末端がコンジュゲーションに利用可能であること必要とする。RNAが環状化されるとき、このような遊離末端は存在しない。ポリ(A)ポリメラーゼはまた、ビオチン化N6-ATP類似体などの修飾アデニンを組み込むことができる。これは、ビオチン-ストレプトアビジン結合システムを用いて、ビオチン化された、ポリアデニル化線状RNAのプルダウンを可能にする。したがって、モノリボヌクレオチドなどの任意のそのフラグメントを含む、ビオチン化された、ポリアデニル化線状RNA同等物は、このビオチン-ストレプトアビジン結合システムを用いて、プルダウンの際に捕捉され得る。
この実施例において、環状RNA(1.2kbの長さ)を、DNAセグメントから、T7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写によって生成された線状RNAから生成した。転写されたRNAを、RNA精製システム(New England Biolabs,Inc.)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs,Inc.、M0356)で処理し、RNA精製システムを用いて再度精製した。RppHで処理された線状RNAを、スプリントDNA及びT4 RNAリガーゼ2(New England Biolabs、M0239)を用いて環状化した。
ライゲーション後、環状RNA及び線状RNAの混合物が、スプリントDNAと共に溶液中に存在する。DNAseIを用いて、提供される反応緩衝液(40mMのトリス-HCl、pH8.0、10mMのMgSO4、10mMのCaCl2)と共に、DNase I[Promega、M610A]を用いて、残っているスプリントを消化した。この反応物を、37℃で30分間インキュベートした。RNAを、Monarch RNA Cleanup Kit[New England Biolabs、#T2040L]によって反応混合物から単離した。
ポリアデニル化反応のために、2.5ugの、ライゲーション後(post-ligation)の、DNaseIで処理された後(post-DNaseI treated)のRNAを、多くのビオチン化N6-ATP類似体[Jena Bioscience、NU-805-BIO]、並びに提供される反応緩衝液(100mMのトリス-HCl、pH7.0、3.0mMのMnCl2、0.1mMのEDTA、1mMのDTT、500μg/mLのアセチル化BSA、50%のグリセロール)の存在下で、酵母ポリ(A)ポリメラーゼ[Thermo Fisher Scientific、74225Z25KU]と共にインキュベートした。反応物を、37℃で30分間にわたってインキュベートした。RNAを、Monarch RNA Cleanup Kit[New England Biolabs、#T2030L]によって反応混合物から単離した。
ポリアデニル化線状RNAを除去するために、ポリアデニル化反応からの0.5ugのRNAを、2×結合/洗浄緩衝液(10mMのトリス-HCl、pH7.5、1mMのEDTA、2MのNaCl)による1対1の希釈によって平衡化し、5uLの予め平衡化されたMyOne Streptavidin Dynabeads C1[Thermo Fisher Scientific、65001]ビーズスラリーと共にインキュベートした。ビーズを、磁気足場への2分間の曝露によって上清から分離した。上清を、RNA含量についてA260吸光度(Nanodrop)によって分析し、RNAライゲーション産物増強について6%の尿素PAGEによって分析した。BioRad ImageLabを用いて、全ての分析されるサンプルについて、相対バンド強度を手動で定量した。
この実施例において、線状RNAに対する環状RNAの比率を、6%の尿素PAGEゲル中のバンド強度を測定することによって計算した。バンドの定量が、図7に示される:精製前、RNA産物の42.6%が、環状RNAであり、RNA産物の57.4%が、線状RNA(非精製RNA)であり;精製後、RNA産物の50.4%が、環状RNAであり、RNA産物の49.6%が、線状RNA(精製環状RNA)であった。この実施例は、ビオチン化アデニン類似体を用いた線状RNAのポリアデニル化、その後のストレプトアビジンに媒介される線状RNAのプルダウンを用いて、同じヌクレオチド配列を含む環状RNA及び線状RNA同等物の混合プール中の環状RNAの8パーセントの増加を実証する。
実施例10:環状RNA製剤中に存在する線状RNAの減少は、コードされたタンパク質の発現を増加させた
この実施例は、主に環状RNA組成物中に存在する線状RNAの減少が、細胞内のコードされたタンパク質の発現を増加させたことを実証する。
この実施例では、環状RNAは、IRES、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素を含んでいた。
2つのバッチの環状RNAを生成した。いずれの場合も、環状RNAをインビトロで生成した。転写を駆動するT7 RNAポリメラーゼプロモータに加えて、上に列挙される全てのモチーフを含むDNA鋳型から非修飾線状RNAをインビトロで転写した。転写されたRNAを、RNAクリーンアップキット(New England Biolabs、T2050)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs、M0356)で処理し、RNA精製カラムを用いて再度精製した。RppHで処理された線状RNAを、スプリントDNA 5’-GGCTATTCCCAATAGCCGTT-3’及びT4 RNAリガーゼ2(New England Biolabs、M0239)を用いて環状化した。環状RNAを尿素-PAGEで精製し、緩衝液(0.5Mの酢酸ナトリウム、0.1%のSDS、1mMのEDTA)で溶離させ、エタノールで沈殿させ、RNA貯蔵溶液(ThermoFisher Scientific、cat# AM7000)中で再懸濁させた。
線状RNAが、最終環状RNA産物中に残っていた。環状RNAの純度及び最終産物中に残っている線状RNAのパーセンテージを、6%のTBE-尿素ゲルにおいて最終産物を電気泳動にかけ、ImageJを用いてバンドを分析することによって、各バッチについて定量した。環状RNAの純度を、総RNA強度と比較して、環状RNAの強度を計算することによって評価し、パーセンテージとして示した。ここで、バッチは、71%の純度及び84%の純度を有していた。
0.2pmoleの各RNAバッチを、細胞トランスフェクションに使用した。RNAを、製造業者の推奨に従って、Optimem及びMessenger Maxと組み合わせた。ビヒクルのみの対照を、RNAを含有しないことを除いて同様に調製した。時間=0の時点で、各製剤をBJ線維芽細胞に加えた。
ガウシアルシフェラーゼの活性を、ガウシアルシフェラーゼ活性アッセイ(Thermo Scientific Pierce)を用いて試験した。20μLの各上清のサンプルを、96ウェルプレート(Corning 3990)に加えた。サンプルを、トランスフェクションの6、24、48、72、96及び120時間後の時点で取った。簡潔に述べると、1×セレンテラジン基質を各ウェルに加えた。プレートを、発光測定装置(Promega)において、基質添加及び混合の直後に読み取った。
ガウシアルシフェラーゼ活性が、トランスフェクションの6、24、48、72、96及び120時間後の時点で84%の純度の環状RNAを用いた実験において、細胞内で検出され(図8)、ビヒクルのみの対照によって得られる発現より高かった。84%の純度の環状RNAから得られる発現は、71%の純度の環状RNAから得られる発現より有意に高かった。トランスフェクションの24時間後の時点で、GLuc活性は、71%の純度の環状RNAがトランスフェクトされた場合と比較して、84%の純度の環状RNAがトランスフェクトされた場合、397倍高かった。GLuc活性は、トランスフェクションの6、24、48及び72時間後の時点で71%の純度の環状RNAを用いた実験において、細胞内で検出され(図8)、ビヒクルのみの対照によって得られる発現より高かった。
この実施例は、より高い純度の環状RNA(減少した線状RNAを含む)が、コードされたタンパク質の発現を増加させ、長くすることを実証した。
実施例11:環状RNA製剤中に存在する線状RNAは、細胞内で、用量依存的に環状RNA安定性に影響を与えた
この実施例は、環状RNA製剤中の線状RNAの存在が、用量依存的に環状RNA安定性に悪影響を与えたことを実証する。
この実施例において、環状RNA及び線状RNAを、以下のように生成した。非修飾線状RNAを、DNAセグメントから、T7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写によって合成した。転写されたRNAを、RNA精製システム(New England Biolabs,Inc.)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs,Inc.、M0356)で処理し、RNA精製システムを用いて再度精製した。環状RNAを、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素と共にIRESを含むように設計した。
スプリントライゲーション環状RNAを、T4 RNAリガーゼ2(New England Biolabs,Inc.、M0239)による転写された線状RNA及びDNAスプリントの処理によって生成した。
環状RNAを精製するために、ライゲーション混合物を4%の変性PAGEにおいて分解し、環状及び線状RNAのそれぞれに対応するRNAバンドを切除した。切除されたRNAゲルフラグメント(線状又は環状)を破砕し、RNAを、37℃で1時間にわたって、ゲル溶離緩衝液(0.5MのNaOAc、1mMのEDTA及び0.1%のSDS)で溶離させた。上清を収集し、RNAを、ゲル溶離緩衝液を、破砕されたゲルに加えることによってもう一度溶離させ、1時間にわたってインキュベートした。ゲル破片を遠心分離フィルタによって除去し、RNAをエタノールで沈殿させた。
ゲル精製環状RNAの製剤中の様々なレベルの線状RNA同等物の影響を、BJ線維芽細胞内の環状RNAレベルを監視することによって決定した。96ウェルプレート中の細胞を、脂質ベースのトランスフェクション試薬(ThermoFisher Scientific(LMRNA003)を用いて、ゲル精製環状RNA製剤、又は様々なレベルのゲル精製線状RNAが補充された等量のゲル精製環状RNA製剤のいずれかでトランスフェクトした。環状RNAレベルを、トランスフェクションの6時間及び1~5日後の時点で環状RNA特異的Q-PCRによって分析した。簡潔に述べると、cDNAを、Power SYBR Green cells to ct kit(ThermoFisher Scientific、cat # 4402953)を用いて、及び製造業者の説明に従って、ランダムプライミングによって細胞溶解物から生成した。Q-PCRを、環状RNAのみを増幅し、且つその線状同等物を増幅しないように設計された外向きプライマーを用いて行い、倍率変化を、ハウスキーピング遺伝子としてβ-アクチンを用いてPfaffl方法を用いて計算した。
環状RNAは、組み合わされた環状及び線状RNAの両方でトランスフェクトされた細胞と比較して、ゲル精製環状RNA製剤のみでトランスフェクトされた細胞において、用量依存的に、より長い期間にわたってより高い量で検出された(図9)。精製環状RNAのみのレベルは、120時間の時間経過にわたって安定したままであったが;環状及び線状RNAの両方の組合せでトランスフェクトされた細胞内で検出された環状RNAのレベルは、時間と共に低下し、低下速度は、線状RNAのレベルと比例していた。意外なことに、細胞が等量の環状RNAでトランスフェクトされたとしても、線状RNAの存在は、時間と共に環状RNAレベルに悪影響を与えた。
この実施例は、線状RNAからの環状RNAの精製が、環状RNA安定性に影響を与えることを実証する。
実施例12:環状RNA製剤中に存在する線状RNAは、細胞内で、用量依存的に自然免疫応答に影響を与えた
この実施例は、環状RNA製剤中に存在する線状RNAが、用量依存的に自然免疫応答に悪影響を与えたことを実証する。
この実施例において、環状RNA及び線状RNAを、以下のように生成した。非修飾線状RNAを、DNAセグメントから、T7 RNAポリメラーゼを用いてインビトロ転写によって合成した。転写されたRNAを、RNA精製システム(New England Biolabs,Inc.)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’ピロホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs,Inc.、M0356)で処理し、RNA精製システムを用いて再度精製した。環状RNAを、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)をコードするORF、及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素と共にIRESを含むように設計した。
スプリントライゲーション環状RNAを、T4 RNAリガーゼ2(New England Biolabs,Inc.、M0239)による転写された線状RNA及びDNAスプリントの処理によって生成した。
環状RNAを精製するために、ライゲーション混合物を4%の変性PAGEにおいて分解し、環状及び線状RNAのそれぞれに対応するRNAバンドを切除した。線状RNAを、同じ4%の変性PAGEゲルを用いて精製した。切除されたRNAゲルフラグメント(線状又は環状)を破砕し、RNAを、37℃で1時間にわたって、ゲル溶離緩衝液(0.5MのNaOAc、1mMのEDTA及び0.1%のSDS)で溶離させた。上清を収集し、RNAを、ゲル溶離緩衝液を、破砕されたゲルに加えることによってもう一度溶離させ、1時間にわたってインキュベートした。ゲル破片を遠心分離フィルタによって除去し、RNAをエタノールで沈殿させた。
ゲル精製環状RNAの製剤中の様々なレベルの線状RNA同等物の影響を、BJ線維芽細胞内の環状RNAレベルを監視することによって決定した。96ウェルプレート中の細胞は、脂質ベースのトランスフェクション試薬(ThermoFisher Scientific(LMRNA003)を用いて、ゲル精製環状RNA製剤、又は様々なレベルのゲル精製線状RNAが補充された等量のゲル精製環状RNA製剤のいずれかで(リバース)トランスフェクトされた懸濁液であった。免疫遺伝子レベルを、トランスフェクションの6時間及び1~5日後の時点でQ-PCRによって分析した。簡潔に述べると、cDNAを、Power SYBR Green cells to ct kit(ThermoFisher Scientific、cat # 4402953)を用いて、及び製造業者の説明に従って、ランダムプライミングによって細胞溶解物から生成した。Q-PCRを、免疫遺伝子特異的プライマーを用いて行い、相対RNAレベルを、Pfaffl方法及びハウスキーピング遺伝子としてのβ-アクチンを用いて計算した。
ゲル精製環状RNA製剤のみでトランスフェクトされた細胞内の環状RNAは、自然免疫遺伝子の発現の限られた増加を示した。逆に、組み合わされた環状及び線状RNAでトランスフェクトされた細胞は、用量依存的に、自然免疫遺伝子の上方制御を実証した(図10)。
実施例13:細胞培養物における非免疫原性
この実施例は、細胞トランスフェクション後の環状RNAの免疫原性のインビボ評価を実証する。
この実施例において、環状RNAは、エンクリプトゲン、例えばZKSCAN1イントロン及びGFP ORFを含むように設計される。さらに、対照環状RNAは、イントロンを含むか又は含まずに、GFP ORFを含むように設計される(図11を参照されたい)。環状RNAは、実施例1及び2に記載されるように、インビトロで又は細胞内で生成される。HeLa細胞が500ngの環状RNAでトランスフェクトされる。
環状RNAのトランスフェクションは、以下の条件を含む:(1)細胞培養培地中の裸の環状RNA(Lingor et al 2004);(2)エレクトロポレーション(Muller et al 2015);(3)カチオン性脂質(SNALP、Vaxfectin)(Chesnoy and Huang,2000);(3)カチオン性ポリマー(PEI、ポリブレン(polybrene)、DEAE-デキストラン)(Turbofect);(4)ウイルス様粒子(HPVからのL1、ポリオーマウイルスからのVP1)(Tonges et al 2006);(5)エクソソーム(SBIからのExo-Fect);(6)ナノ構造リン酸カルシウム(ナノCaP)(Olton et al 2006);(6)ペプチド形質導入ドメイン(TAT、ポリR、SP、pVEC、SynB1など)(Zhang et al 2009);(7)小胞(VSV-G、TAMEL)(Liu et al 2017);(8)細胞スクイージング;(SQZ Biotechnologies)(9)ナノ粒子(Neuhaus et al 2016);及び/又は(10)マグネトフェクション(Mair et al 2009)。トランスフェクション方法が細胞培養培地(DMEM 10%のFBS)中で行われ、細胞が、その後、24~48時間にわたって培養される。
トランスフェクションの2~48時間後、培地が除去され、示されるRNA及びトランスフェクトされたRNAの相対的発現がqRT-PCRによって測定される。
qRT-PCR分析の場合、全RNAは、製造業者の説明に従ってフェノール系RNA単離溶液(TRIzol)及びRNA(QIAGEN)を用いて、細胞から単離される。qRT-PCR分析は、PCRマスターミックス(Brilliant II SYBR Green qRT-PCR Master Mix)及びPCRサイクラー(LightCycler 480)を用いて3連で行われる。RIG-I、MDA5、OAS、OASL及びPKRなどの周知の自然免疫調節因子のmRNAレベルが定量化され、アクチン、GAPDH又はHPRT値に対して正規化される。環状RNAトランスフェクションについての示されるRNA遺伝子の相対的発現は、トランスフェクトされたRNAのレベルによって正規化され、エンクリプトゲンを含有しない環状RNAトランスフェクションによる細胞の発現レベルと比較される。
qRT-PCR分析に加えて、実施例6に上述されるように、ウエスタンブロット分析及び免疫組織化学を用いて、GFP発現効率を評価する。
エンクリプトゲンを含有するGFP陽性細胞は、弱められた免疫原性応答を示すことが予測される。
さらに、(1)初代マウス樹枝状細胞;(2)TLR-7、8又は9を安定的に発現するヒト胚腎臓293細胞(InvivoGen);(3)単球由来樹枝状細胞(AllCells)、又は(4)Raw 264.7細胞は、上述されるようにGFPをコードする環状RNAを生成するZKSCAN1又はtdイントロンを含むDNAプラスミドでトランスフェクトされる。トランスフェクションの6~48時間後、細胞培養物上清が収集され、サイトカイン発現がELISAを用いて測定される。細胞培養物上清が収集されるとき、細胞がノーザンブロット、遺伝子発現アレイ及びFACS分析のために収集される。
ELISAの場合、インターフェロン-β(IFN-β)、ケモカイン(C-Cモチーフ)リガンド5(CCL5)、IL-12(BD Biosciences)、IFN-α、TNF-α及びIL-8(Biosource International)のためのELISAキットが使用される。ELISAが製造業者の推奨に従って行われる。環状RNAトランスフェクト細胞についての示されるサイトカインの発現が対照RNAトランスフェクト細胞のレベルと比較される。エンクリプトゲンを有する環状RNAでトランスフェクトされた細胞は、対照トランスフェクト細胞と比較して低下されたサイトカイン発現を有することが予測される。
ノーザンブロット分析の場合。サンプルを処理し、上述されるように分析する。プローブは、プラスミドから得られ、ヒトIFN-α 13、IFN-β(Open Biosystems)、TNF-α又はGAPDH(ATCC)のコード領域に特異的である。エンクリプトゲンを有する環状RNAでトランスフェクトされた細胞は、対照トランスフェクト細胞と比較して低下されたサイトカイン発現を有することが予測される。
遺伝子発現アレイの場合、RNAがフェノール系溶液(TRIzol)及び/又はRNA単離キット(RNeasy Qiagen)を用いて単離される。RNAを増幅し、分析する(例えば、Illumina BeadStation 500GX中のIlluminaヒトHT12v4チップ)。モック対照処理細胞におけるレベルが増加倍数の計算のためのベースラインとして使用される。エンクリプトゲンを有する環状RNAでトランスフェクトされた細胞は、対照トランスフェクト細胞と比較して低下されたサイトカイン発現を有することが予測される。
FACS分析の場合、細胞をCD83(Research Diagnostics Inc)、HLA-DR、CD80又はCD86に対する直接共役抗体で染色し、フローサイトメーターにおいて分析する。エンクリプトゲンを有する環状RNAでトランスフェクトされた細胞は、対照トランスフェクト細胞と比較して、これらのマーカーの低下された発現を示すことが予測される。
実施例14:選択的発現のためのリボスイッチ
この実施例は、インビボの環状RNAからのタンパク質発現を制御する能力を実証する。
この実施例では、環状RNAは、エンクリプトゲン(配列番号4)、GFPをコードするORF(配列番号2)の発現を調節する合成リボスイッチ(配列番号9)を、GFP ORFに隣接するスタガー要素(2A配列)(配列番号3)と共に含むように設計される(図12を参照されたい)。環状RNAは、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0356]~[0365]に記載される実施例1及び2並びにそれらの対応する図面に記載されるように、インビトロで又は細胞内で生成される。
テオフィリンは、リボスイッチの活性化を誘導して、遺伝子発現のオフスイッチをもたらす(Auslander et al 2010によって記載されるように)。リボスイッチは、環状RNAからのGFP発現を制御することが予測される。テオフィリンの存在下でGFP発現が観察されることは予測されなかった。
HeLa細胞を、テオフィリン依存性合成リボスイッチ(配列番号9)の制御下でGFPをコードする500ngの記載される環状RNAでトランスフェクトして、選択的発現を評価する。トランスフェクション方法は、実施例7に記載されるとおりである。
37℃及び5%のCO2で24時間の培養後、細胞を、1nM~3mMの範囲の濃度のテオフィリンを用いて及び用いずに処理する。24時間の連続した培養後、細胞を室温で15分間にわたって4%のパラホルムアルデヒド中で固定し、ブロックし、0.2%の洗浄剤を含むPBS中の10%のFBSを用いて45分間にわたって透過処理する。次に、サンプルを、GFPに対する一次抗体(Invitrogen)及び10%のFBS及び0.1%の洗浄剤を含むPBS中のAlexa 488及びDAPI(Invitrogen)と共役された二次抗体と共に室温で2時間又は4℃で一晩インキュベートする。次に、細胞をPBSで洗浄し、その後、蛍光顕微鏡を用いてGFP発現について分析する。
実施例15:インビボでの非免疫原性
この実施例は、細胞トランスフェクション後の環状RNAの免疫原性のインビボ評価を実証する。
この実施例は、エンクリプトゲン(この場合ではイントロン)を有する環状RNAの投与後の免疫応答の定量化及び比較を記載している(図13を参照されたい)。一実施形態において、エンクリプトゲンを有する環状RNAのいずれも、対照と比較して、環状RNAの1回以上の投与後、免疫原性応答を低下させる(例えば、対照RNAの投与と比較して低下させる)。
環状RNAについての免疫原性の指標は、血清中のサイトカインレベルである。
この実施例において、サイトカイン血清濃度が環状RNAの1回以上の投与後に調べられる。前の実施例のいずれか1つからの環状RNAが皮内(ID)、筋肉内(IM)、経口(PO)、腹腔内(IP)又は静脈内(IV)を介して6~8週齢のBALB/cマウスに投与される。血清が異なるコホートから抜き取られる:エンクリプトゲンを有する環状RNA及びエンクリプトゲンを有さない環状RNAの注射を全身及び/又は局所的に注入されたマウス。
採取された血清サンプルをPBS中で1~10倍に希釈し、酵素結合免疫吸着法(PBL Biomedical Labs,Piscataway,NJ)及びTNF-α(R&D,Minneapolis,MN)により、マウスIFN-αについて分析する。
血清中のサイトカインレベルに加えて、炎症マーカーの発現は、免疫原性の別の指標である。この実施例において、ビヒクル(環状RNAなし)、線状RNA又は環状RNAで処理されたマウスからの脾臓組織を投与の1、4及び24時間後に採取する。サンプルを、以下の技術、qRT-PCR分析、ノーザンブロット又はFACS分析を用いて分析する。
qRT-PCR分析の場合、RIG-I、MDA5、OAS、OASL、TNF-α及びPKRについてのmRNAレベルを上述されるように定量化する。
ノーザンブロット分析の場合。サンプルを処理し、上述されるようにIFN-α 13、IFN-β(Open Biosystems)、TNF-α又はGAPDH(ATCC)について分析する。
FACS分析の場合、細胞をCD83に対する直接共役抗体(Research Diagnostics Inc)、HLA-DR、CD80又はCD86で染色し、フローサイトメーターにおいて分析する。
一実施形態において、エンクリプトゲンを有する環状RNAは、対照RNAと比較して、1回又は複数回の投与後、サイトカインレベルを低下させるであろう(ELISA、ノーザンブロット、FACS及び/又はqRT-PCRによって測定される際)。
実施例16:環状RNAは、少なくとも1つの二本鎖RNAセグメントを含む
この実施例は、環状RNAが少なくとも1つの二本鎖RNAセグメントを含むことを実証する。
この実施例において、環状RNAは、上述される方法の1つにより、GFP ORF及びIRESを含むように合成される(図14を参照されたい)。J2及びK1モノクローナル抗体によるドットブロットアッセイを用いて、少なくとも40bpの長さの二本鎖RNA構造を測定する。環状RNA(200ng)をナイロン膜(スーパーチャージ(super charged)Nytran)上にブロッティングし、乾燥させ、TBS-T緩衝液(50mMのトリス-HCl、150mMのNaCl、0.05%のTween-20、pH7.4)中5%の脱脂粉乳でブロックし、60分間にわたってdsRNA特異的mAb J2又はK1(English&Scientific Consulting)と共にインキュベートする。膜をTBS-Tで6回洗浄し、次にHRP共役ロバ抗マウスIg(Jackson Immunology)で処理し、次に6回洗浄し、ドットを、増強化学発光ウエスタンブロット検出試薬(Amersham)を用いて視覚化する。
環状RNAは、内部の疑似二本鎖RNAセグメントを生成することが予測される。
実施例17:環状RNAは、疑似二本鎖構造を含む
この実施例は、環状RNAが疑似二本鎖構造を含むことを実証する。
この実施例において、環状RNAは、HDVminの発現の追加を伴って及び伴わずに、上述される方法の1つによって合成される(Griffin et al 2014)。このRNA配列は、疑似らせん構造を形成し(図15を参照されたい)、陽性対照として使用される(Griffin et al 2014によって示されるように)。
環状RNA構造が機能的疑似二本鎖構造を含むかどうかを試験するために、本発明者らは、プライマー伸長(SHAPE)によって分析される選択的2’OHアシル化を用いて二次構造を決定する。SHAPEは、単一ヌクレオチド分解におけるRNAの局所的骨格柔軟性を評価する。SHAPE求電子剤に対する塩基位置の反応性は、二次構造に関連している:塩基対合された位置は、反応性が弱く、非対合位置は、より反応性が高い。
SHAPEが環状RNA、HDVmin及び線状RNAにおいて行われる。SHAPEは、それぞれWilkinson et al 2006及びGriffin 2014 et alによって本質的に報告されるN-メチルイサト酸無水物(NMIA)又はシアン化ベンゾイル(BzCN)を用いて行われる。BzCNを用いたSHAPEについて簡潔に述べると、ジメチルスルホキシド(DMSO)中の1ulの800mMのBzCNを、160mMのトリス、pH8.0、1U/lのRNAse阻害剤(例えば、SuperaseIn RNase阻害剤)中の3~6pmolのRNAを含有する20ulの反応混合物に加え、37℃で1分間インキュベートする。対照反応混合物は、BzCNなしで1ulのDMSOを含む。BzCNとのインキュベーション後、RNAをフェノールクロロホルムで抽出し、製造業者によって指示されるように精製し(例えば、RNA Clean&Concentrator-5キットを用いて)、6ulの10mMのトリス、pH8.0中で再懸濁させる。一染料系を用いて、BzCN付加物を検出する。RNAを、6-カルボキシフルオレセイン(6-FAM)で標識されたプライマーでアニールする。プライマー伸長は、インキュベーション条件に対する以下の変更を伴い、製造業者の推奨に従って逆転写酵素(SuperScript III-Invitrogen)を用いて行われる:42℃で5分、55℃で30分、65℃で25分及び75℃で15分。2つのシーケンシングラダーは、プライマー伸長反応において0.5mMのddATP又は0.5mMのddCTPのいずれかを用いて生成される。プライマー伸長産物をエタノールで沈殿させ、洗浄して、過剰な塩を除去し、市販のサイズ標準(例えば、Lizサイズ標準Genewiz Fragment Analysis Service)と共にキャピラリー電気泳動によって分解する。
そのままの電気泳動図を、一次フラグメント分析ツール(例えば、PeakScanner Applied Bio-systems)を用いて分析する。次に、電気泳動図の各位置におけるピークを積分する。分析される各RNAについて、各プライマー伸長反応のためのバックグラウンドが、BzCNで処理されないRNAにおいて行われる陰性対照反応のバックグラウンドに対して正規化されるように、ローディングエラー(loading error)を補正するためのy軸スケーリングが行われる。シグナル減衰補正が各反応についてデータに適用される。ピークは、2つのシーケンシング反応から生成されるラダーに整列される。各位置において、陰性対照のピーク面積が、BzCN処理されたサンプルにおけるピーク面積から差し引かれ;次に、これらの値が、差し引かれたピーク面積を、差し引かれたピーク面積の上位2%~10%の平均で除算することにより、正規化SHAPE反応性に換算される。
SHAPE分析に加えて、本発明者らは、NMR(Marchanka et al 2015);ヒドロキシル基プロービング(Ding et al 2012);又はDMS及びCMTC及びケトキサールの組合せ(Tijerina et al 2007及びZiehler et al 2001)を行う。
環状RNAは、疑似二本鎖構造を有することが予測される。
実施例18:環状RNAは、機能的疑似らせん構造を含む
この実施例は、環状RNAが機能的疑似らせん構造を含むことを実証する。
この実施例において、環状RNAは、395Lの発現の追加を伴い、上述される方法の1つによって合成される(Defenbaugh et al 2009)。このRNA配列は、疑似らせん構造(上に示されるように、RNA二次構造折り畳みアルゴリズムmfold及びDefenbaugh et al 2009によって)、図16を参照されたい。この構造は、D型肝炎抗原(HDAg)との複合体形成に必須である。
したがって、環状RNA構造が機能的疑似構造を含むかどうかを試験するために、本発明者らは、環状RNA及び線状RNAを、HDAg-160又はHDAg-195と共にインキュベートし、EMSAアッセイを用いて結合を分析する。結合反応を、10mMのトリス-HCl(pH7.0)、25mMのKCl、10mMのNaCl、0.1g/lのウシ血清アルブミン(New England Biolabs)、5%のグリセロール、0.5mMのDTT、0.2U/lのRNase阻害剤(Applied Biosystems)及び1mMのフッ化フェニルメチルスルホニル溶液を含む25ul中で行う。環状RNAを0~110nMの範囲の濃度のHDAgタンパク質(Defenbaugh et al 2009によって記載されるように得られた)と共にインキュベートする。反応混合物を氷上で集めて、37℃で1時間インキュベートし、2.5時間にわたって240Vで0.5トリス-ボレート-EDTA中において6%の天然ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動させる。遊離及び結合RNAのレベルを、核酸染色(例えば、ゲルレッド(gelred))を用いて決定する。結合は、バックグラウンドを差し引いた全レーンの強度に対する非結合RNAの強度として計算される。
環状RNAは、機能的疑似らせん構造を有することが予測される。
実施例19:自己転写/複製
この実施例において、環状RNAは、HDV複製ドメインの発現の追加(Beeharry et al 2014によって記載されるように)、アンチゲノム複製コンピテントリボザイム及び核局在化シグナルを伴い、上述される方法の1つによって合成される。これらのRNA配列は、環状RNAが核に位置することを可能にし、ここで、宿主RNAポリメラーゼがRNAに結合し、RNAを転写する。次に、このRNAは、リボザイムを用いて自己切断される。次に、RNAは、ライゲートされ、再度自己複製される(図17を参照されたい)。
環状RNA(1~5マイクログラム)は、上述される技術を用いてHeLa細胞中にトランスフェクトされる。HeLa細胞を、ペニシリン-ストレプトマイシン及び10%のウシ胎仔血清が補充された、高グルコース(Life Technologies)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中において37℃及び5%のCOで成長させる。トランスフェクション後、HeLa細胞をさらに4~72時間培養し、次にトランスフェクトされた細胞からの全RNAをトランスフェクションの1時間~20日後、製造業者の説明に従ってフェノール系RNA単離試薬(Life Technologies)を用いて単離し、HDVドメインをコードする環状RNAの総量を決定し、本明細書に記載されるようにqPCRを用いて、対照環状RNAと比較する。
実施例20:娘細胞内での環状RNA保存
この実施例において、環状RNAは、上述される方法の1つによって合成される。環状RNAは、エンクリプトゲン(配列番号4)及びGFPをコードするORF(配列番号2)を、GFP ORFに隣接するスタガー要素(配列番号3)と共に含むように設計される(図18を参照されたい)。
ヒト線維芽細胞(例えば、IMR-90)を、組織培養物で処理されたプレート上で5%のCO2下、37℃において、10%のウシ胎仔血清(FBS;Invitrogen)が補充されたダルベッコ改変イーグル培地(DMEM;Invitrogen)中で成長させる。細胞を、指数増殖を維持するために定期的に継代する。脂質トランスフェクション試薬(2μL;Invitrogen)を、12ウェル組織培養物で処理されたプレートの1つのウェル中において、1μgの環状RNA又は線状RNA(上述される)及び145μLの血清低減培地(Opti-MEM I溶液)の混合物に加える。15分間にわたる室温でのインキュベーション後、10%のFBSを含むDMEM中で懸濁された1×10個のHeLa細胞を環状RNA溶液(上述される)に加える。37℃及び5%のCO2で24時間にわたるインキュベーション後、細胞は、BrdU(例えば、Sigma-Aldrich)を用いてパルスをかけられる。BrdU、標識期間がそれらの特定の集団の倍加時間に従って各細胞型について最適化され、例えば、IMR-90ヒト線維芽細胞は、27時間の倍加時間を有し、Elabd et al 2013によって記載されるように、8~9時間にわたってパルスをかけられる。
細胞をBrdUパルスの1、2、3、4、5及び10日後の時点で収集する。細胞のサブセットをq-rt-PCRのために単離し、別のサブセットをFACS分析のために単離する。GFP環状RNA及びmRNAを測定するために、全体が参照により本明細書に援用される国際特許公開番号国際公開第2019118919A1号パンフレットの[0360]~[0365]に記載される実施例2及びその対応する図面に記載されるように、ランダムヘキサマーを用いたqPCR逆転写が行われる。細胞を、本明細書に記載されるようにBrdU及びGFP抗体を用いて、FACSを用いて分析する。
環状RNAは、娘細胞内で持続し、娘細胞は、GFPタンパク質を発現することが予測される。
実施例21:環状RNA環状化
この実施例は、スプリントライゲーションを用いた環状RNAのインビトロ生成を実証する。
非天然環状RNAは、1つ以上の望ましい特性を含むように操作され得、組み換えDNA技術を用いて生成され得る。以下の実施例に示されるように、スプリントライゲーションが線状RNAを環状化した。
環状RNA1を、終止コドン(264nt)なしで三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。それは、翻訳開始のために開始コドンにおいてコザック配列(配列番号11)を有する。環状RNA2は、それが終止要素(三重終止コドン)(273nt、配列番号12)を有することを除いて、環状RNA1と同一の配列を有する。環状RNA3を、終止要素(終止コドン)(330nt)なしで、スタガー要素(2A配列、配列番号13)によって隣接される三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。環状RNA4は、それが終止要素(三重終止コドン)(339nt)を有することを除いて、環状RNA3と同一の配列を有する。
この実施例において、環状RNAを以下のように生成した。インビトロ転写のためのDNA鋳型を、T7プロモータを有するフォワードプライマー及び2-O-メチル化ヌクレオチドをリバースプライマーと共に有する対応する配列(IDT)を有するgBlocks遺伝子フラグメントから増幅した。増幅されたDNA鋳型を、DNAゲル精製キット(Qiagen)を用いてゲル精製した。250~500ngの精製されたDNA鋳型をインビトロ転写に供した。線状、5’-一リン酸化インビトロ転写産物を7.5mMのGMP、1.5mMのGTP、7.5mMのUTP、7.5mMのCTP及び7.5mMのATPの存在下において、対応する配列を有する各DNA鋳型からT7 RNAポリメラーゼを用いて生成した。約40μgの線状RNAを各反応において生成した。インキュベーション後、各反応をDNaseで処理して、DNA鋳型を除去した。インビトロ転写RNAを2.5Mの酢酸アンモニウムの存在下においてエタノールで沈殿させて、取り込まれないモノマーを除去した。
転写された線状RNAを、鋳型としての20ntのスプリントDNAオリゴマー(配列番号14)上でT4 RNAリガーゼ2を用いて環状化した。スプリントDNAを、線状RNAの10ntの各5’又は3’末端をアニールするように設計した。スプリントDNA(3μM)でアニールした後、1μMの線状RNAを37C又は4時間で0.5U/μlのT4 RNAリガーゼ2と共にインキュベートした。T4 RNAリガーゼ2を含まない混合物を陰性対照として使用した。
線状RNAの環状化を6%の変性PAGEにおいてRNAを分離することによって監視した。よりゆっくりと移動するRNAバンドは、それらの環状構造のため、変性ポリアクリルアミドゲルにおける線状RNAより環状RNAと一致する。図19から分かるように、RNA混合物へのリガーゼの追加(+レーン)は、リガーゼを欠いた混合物(-レーン)中に存在する線状RNAバンドを超えるようである新たなバンドを生成した。よりゆっくりと移動するバンドは、全てのRNA混合物において見られ、これは、陰性対照と比較して、複数の構築物で行われる成功したスプリントライゲーション(例えば、環状化)を示す。
実施例22:RNA環状化効率
この実施例は、RNAスプリントライゲーションの環状化効率を実証する。
1つ以上の望ましい特性を含むように操作された非天然環状RNAがスプリント媒介性環状化を用いて生成され得る。以下の実施例に示されるように、スプリントライゲーションは、対照より高い効率で線状RNAを環状化した。
実施例21に記載される環状RNA1、環状RNA2、環状RNA3及び環状RNA4をここでも使用した。環状RNA5を、2A配列によって隣接されるFLAGタグ化EGF、続いてFLAGタグ化ナノルシフェラーゼ(873nt、配列番号17)をコードするように設計した。環状RNA6は、ナノルシフェラーゼ配列(762nt、配列番号18)の末端において、EGF及びナノルシフェラーゼ遺伝子及び終止要素(三重終止コドン)間に終止要素(三重終止コドン)を含んでいたことを除いて、環状RNA5と同一の配列を有する。
この実施例において、RNAの環状化効率を測定するために、6つの異なるサイズの線状RNA(264nt、273nt、330nt、339nt、873nt及び762nt)を生成し、実施例1に記載されるように環状化した。環状RNAを6%の変性PAGEによって分解し、線状又は環状RNAについてのゲルにおける対応するRNAバンドを精製のために切除した。切除されたRNAゲルバンドを破砕し、RNAを、800μlの300mMのNaClで一晩溶離させた。ゲル破片を遠心分離フィルタによって除去し、RNAを0.3Mの酢酸ナトリウムの存在下においてエタノールで沈殿させた。
環状化効率を以下のように計算した。溶離された環状RNAの量を、溶離された全RNAの量(環状+線状RNA)で除算し、結果を図20中のグラフとして示した。
T4 RNAseリガーゼ2を用いた線状RNAのライゲーションは、対照より高い効率速度で環状RNAを生成した。傾向データは、より多い構築物がより高い速度で環状化されたことを示し、例えば、約800ntを有する線状RNAが、約80%の環状化効率を有することが示された一方、約200~400ntを有する線状RNAは、50%~80%の範囲の環状化効率を有していた。
実施例23:分解感受性を欠いた環状RNA
この実施例は、線状RNAと比較した、RNAse Rによる分解に対する環状RNAの感受性を実証する。
環状RNAは、5’及び3’末端の欠如のために、線状RNAよりエキソヌクレアーゼ分解に対して抵抗性である。以下の実施例に示されるように、環状RNAは、その線状RNA同等物より分解に対する感受性が低い。
環状RNA5を生成し、本明細書に記載されるアッセイに使用するために実施例22に記載されるように環状化した。
環状RNA5の環状化を試験するために、20ng/μlの線状又は環状RNA5を30分間にわたって37℃において、2U/μlのRNAse R、線状RNAを消化するが、ラリアット又は環状RNA構造を消化しない3’-5’エキソリボヌクレアーゼと共にインキュベートした。インキュベーション後、反応混合物を6%の変性PAGEによって分析した。
エキソヌクレアーゼを欠いたレーンに存在する線状RNAバンドは、環状RNA5レーンに存在せず(図21を参照されたい)、これは、環状RNA5が、線状RNA対照と比較して、エキソヌクレアーゼ処理に対するより高い抵抗性を示したことを示す。
実施例24:環状RNAの単離及び精製
この実施例は、UREAゲル分離を用いた環状RNA精製を実証する。
実施例19及び20に記載される環状RNA1、環状RNA2、環状RNA3、環状RNA4、環状RNA5及び環状RNA6を本明細書に記載されるように単離した。
この実施例において、線状及び環状RNAを記載されるように生成した。環状RNAを精製するために、ライゲーション混合物を6%の変性PAGEにおいて分解し、環状RNAのそれぞれに対応するRNAバンドを切除した。切除されたRNAゲルフラグメントを破砕し、RNAを800μlの300mMのNaClで一晩溶離させた。ゲル破片を遠心分離フィルタによって除去し、RNAを0.3Mの酢酸ナトリウムの存在下においてエタノールで沈殿させた。溶離された環状RNAを6%の変性PAGEによって分析した(図22を参照されたい)。
単一のバンドを、可変サイズを有する環状RNAについてPAGEによって視覚化した。
実施例25:タンパク質発現の検出
この実施例は、環状RNAからのインビトロタンパク質発現を実証する。
タンパク質発現は、mRNAから特定のタンパク質を生成するプロセスである。このプロセスは、メッセンジャーRNA(mRNA)へのDNAの転写、続いてポリペプチド鎖へのmRNAの翻訳を含み、このポリペプチド鎖が最終的に機能的タンパク質に折り畳まれ、特定の細胞内又は細胞外の位置に標的化され得る。
以下の実施例に示されるように、タンパク質を環状RNA配列からインビトロで発現させた。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)(330nt、配列番号19)なしで、2A配列によって隣接される三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。
線状又は環状RNAを25μlの体積中において、30℃で、ウサギ網状赤血球溶解物中で5時間にわたってインキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMアミノ酸、0.8U/μlのRNase阻害剤及び1μgの線状又は環状RNAを含有していた。インキュベーション後、ヘモグロビンタンパク質を、酢酸(0.32μl)及び水(300μl)を反応混合物(16μl)に加え、15℃で10分間にわたって20,817×gで遠心分離することによって除去した。上清を除去し、ペレットを30lの2×SDSサンプル緩衝液に溶解させ、15分間にわたって70℃でインキュベートした。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、ECLキットを用いて視覚化し(図23を参照されたい)、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
蛍光が検出され、発現産物が存在することが示された。したがって、環状RNAがタンパク質の発現を駆動することが示された。
実施例26:IRES非依存的発現
この実施例は、環状RNAがIRESの非存在下で発現を駆動することを実証する。
IRES又は内部リボソーム進入部位は、キャップ非依存的に翻訳開始を可能にするRNA要素である。環状RNAがIRESの非存在下でFlagタンパク質の発現を駆動することが示された。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)(330nt、配列番号19)なしで、2A配列によって隣接される三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。
線状又は環状RNAを25μlの体積中において、30℃で、ウサギ網状赤血球溶解物中で5時間にわたってインキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMのアミノ酸、0.8U/μlのRNase阻害剤及び1μgの線状又は環状RNAを含んでいた。インキュベーション後、ヘモグロビンタンパク質を、酢酸(0.32μl)及び水(300μl)を反応混合物(16μl)に加え、15℃で10分間にわたって20,817×gで遠心分離することによって除去した。上清を除去し、ペレットを30lの2×SDSサンプル緩衝液に溶解させ、15分間にわたって70℃でインキュベートした。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、増強化学発光(ECL)キットを用いて視覚化し(図23を参照されたい)、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
発現産物は、IRESの非存在下でも環状RNA反応混合物中で検出された。
実施例27:キャップ非依存的発現
この実施例は、環状RNAがキャップの非存在下で発現を駆動できることを実証する。
キャップは、mRNAの5’末端において特異的に改変されたヌクレオチドである。5’キャップは、線状mRNAの安定性並びに翻訳開始のために有用である。環状RNAは、キャップの非存在下で産物の発現を駆動した。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)(330nt、配列番号19)なしで、2A配列によって隣接される三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。
線状又は環状RNAを25μlの体積中において、30℃で、ウサギ網状赤血球溶解物中で5時間にわたってインキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMのアミノ酸、0.8U/μlのRNase阻害剤及び1μgの線状又は環状RNAを含んでいた。インキュベーション後、ヘモグロビンタンパク質を、酢酸(0.32μl)及び水(300μl)を反応混合物(16μl)に加え、15℃で10分間にわたって20,817×gで遠心分離することによって除去した。上清を除去し、ペレットを15分間にわたって70℃で30μlの2×SDSサンプル緩衝液に溶解させた。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、ECLキットを用いて視覚化し(図23を参照されたい)、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
発現産物は、キャップの非存在下でも環状RNA反応混合物中で検出された。
実施例28:5’-UTRなしでの発現
この実施例は、5’非翻訳領域を欠いた環状RNAからのインビトロタンパク質発現を実証する。
5’非翻訳領域(5’UTR)は、RNA転写産物の下流のタンパク質翻訳を促進する開始コドンの直接上流にある領域である。
以下の実施例に示されるように、環状RNA配列中の5’-非翻訳領域は、インビトロタンパク質発現に必要でなかった。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)(330nt、配列番号19)なしで、2A配列によって隣接される三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。
線状又は環状RNAを、25μlの体積中において、30℃で、ウサギ網状赤血球溶解物中で5時間にわたってインキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMのアミノ酸、0.8U/μlのRNase阻害剤及び1μgの線状又は環状RNAを含んでいた。インキュベーション後、ヘモグロビンタンパク質を、酢酸(0.32μl)及び水(300μl)を反応混合物(16μl)に加え、15℃で10分間にわたって20,817×gで遠心分離することによって除去した。上清を除去し、ペレットを30lの2×SDSサンプル緩衝液に溶解させ、15分間にわたって70℃でインキュベートした。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を、10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、ECLキットを用いて視覚化し(図23を参照されたい)、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
発現産物は、5’UTRの非存在下でも環状RNA反応混合物中で検出された。
実施例29:3’-UTRなしでの発現
この実施例は、3’-UTRを欠いた環状RNAからのインビトロタンパク質発現を実証する。
3’非翻訳領域(3’-UTR)は、翻訳終止コドンの直接下流にある領域であり、遺伝子発現に転写後に影響を与え得る調節領域を含む。3’-非翻訳領域は、mRNAの局在化、安定性、輸送、及び翻訳効率に影響を与えることにより、遺伝子発現において役割も果たし得る。さらに、3’-UTRの構造特性並びに別のポリアデニル化のその使用が遺伝子発現において役割を果たし得る。
以下の実施例に示されるように、環状RNA配列中の3’-UTRは、インビトロタンパク質発現に必要でなかった。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)(330nt、配列番号19)なしで、2A配列によって隣接される三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。
線状又は環状RNAを25μlの体積中において、30℃で、ウサギ網状赤血球溶解物中で5時間にわたってインキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMのアミノ酸、0.8U/μlのRNase阻害剤及び1μgの線状又は環状RNAを含んでいた。インキュベーション後、ヘモグロビンタンパク質を、酢酸(0.32μl)及び水(300μl)を反応混合物(16μl)に加え、15℃で10分間にわたって20,817×gで遠心分離することによって除去した。上清を除去し、ペレットを30lの2×SDSサンプル緩衝液に溶解させ、15分間にわたって70℃でインキュベートした。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、ECLキットを用いて視覚化し(図23を参照されたい)、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
発現産物は、3’UTRの非存在下でも環状RNA反応混合物中で検出された。
実施例30:終止要素(終止コドン)を用いない発現
この実施例は、終止要素(終止コドン)を欠いた環状RNAからのローリングサークル型翻訳後のポリペプチド産物の生成を実証する。
タンパク質は、アミノ酸の固有の配列から構成されるポリペプチドに基づいている。各アミノ酸は、コドンと呼ばれるヌクレオチド三つ組によってmRNA中でコードされる。タンパク質翻訳中、mRNA中の各コドンは、成長しているポリペプチド鎖中のアミノ酸の付加に対応する。終止要素又は終止コドンは、結合解放因子によってこのプロセスの終了を示し、それによりリボソームサブユニットを分離させて、アミノ酸鎖を解放する。
以下の実施例に示されるように、終止コドンを欠いた環状RNAは、ローリングサークル型翻訳により、反復したポリペプチド配列から構成される大きいポリペプチド産物を生成した。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)(264nt、配列番号20)なしで、三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計し、翻訳開始に有利に作用するように開始コドンにおいてコザック配列を含んでいた。
線状又は環状RNAを25μlの体積中において、30℃で、ウサギ網状赤血球溶解物中で5時間にわたってインキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMのアミノ酸、0.8U/μlのRNase阻害剤及び1μgの線状又は環状RNAを含んでいた。インキュベーション後、ヘモグロビンタンパク質を、酢酸(0.32μl)及び水(300μl)を反応混合物(16μl)に加え、15℃で10分間にわたって20,817×gで遠心分離することによって除去した。上清を除去し、ペレットを30lの2×SDSサンプル緩衝液に溶解させ、15分間にわたって70℃でインキュベートした。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、ECLキットを用いて視覚化し(図24を参照されたい)、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
発現産物は、終止要素(終止コドン)の非存在下でも環状RNA反応混合物中で検出された。
実施例31:終止要素(終止コドン)を用いない別個のタンパク質の発現
この実施例は、終止要素(終止コドン)を欠いた環状RNAから翻訳された別個のタンパク質産物の生成を実証する。
2Aペプチドなどのスタガー要素は、約20aaの短いアミノ酸配列を含み得、これは、単一のmRNAからの等モルレベルの複数の遺伝子の生成を可能にする。スタガー要素は、リボソームに、2A要素のC末端におけるペプチド結合の合成をスキップさせて、2A配列の末端と下流の次のペプチドとの間の分離をもたらすことによって機能し得る。分離は、C末端上に見られるグリシン及びプロリン残基間で起こり、上流のシストロンは、末端に加えられたいくつかのさらなる残基を有する一方、下流のシストロンは、プロリンから開始する。
以下の実施例に示されるように、終止要素(終止コドン)を欠いた環状RNAは、大きいポリペプチドポリマーを生成し(図16の左側のパネル:スタガーなし-環状RNAレーン)、コード領域の3’末端における2A配列の包含は、同等の線状RNA構築物によって生成されるものと同等のサイズで別個のタンパク質の生成をもたらした(図16の右側のパネル:スタガー-環状RNAレーン)。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)(264nt、配列番号20)なり及びスタガー要素なしで、三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。第2の環状RNAを、終止要素(終止コドン)(330nt、配列番号19)なしで、2A配列によって隣接される三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。
線状又は環状RNAを25μlの体積中において、30℃で、ウサギ網状赤血球溶解物中で5時間にわたってインキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMのアミノ酸、0.8U/μlのRNase阻害剤及び1μgの線状又は環状RNAを含んでいた。インキュベーション後、ヘモグロビンタンパク質を、酢酸(0.32μl)及び水(300μl)を反応混合物(16μl)に加え、15℃で10分間にわたって20,817×gで遠心分離することによって除去した。上清を除去し、ペレットを30lの2×SDSサンプル緩衝液に溶解させ、15分間にわたって70℃でインキュベートした。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、ECLキットを用いて視覚化し(図25を参照されたい)、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
別個の発現産物が検出され、これは、スタガー要素を含む環状RNAが終止要素(終止コドン)の非存在下でも個々のタンパク質の発現を駆動したことを示す。
実施例32:ローリングサークル型翻訳
この実施例は、スタガー要素を用いた、環状RNAからのタンパク質の増加したインビトロ生合成を実証する。
非天然環状RNAを、スタガー要素を欠いた環状RNAを用いたタンパク質発現と比較するために、スタガー要素を含むように操作した。以下の実施例に示されるように、スタガー要素を含む環状RNAは、このような配列を欠いた以外は同一の環状RNAと比較して、タンパク質を過剰発現した。
環状RNAを、終止要素(例えば、並んだ3つの終止コドン)(273nt、配列番号21)を用いて、三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。第2の環状RNAを、終止要素(終止コドン)(330nt、配列番号19)なしで、2A配列によって隣接される三重FLAGタグ化EGFをコードするように設計した。
線状又は環状RNAを25μlの体積中において、30℃で、ウサギ網状赤血球溶解物中で5時間にわたってインキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMアミノ酸、0.8U/μlのRNase阻害剤及び1μgの線状又は環状RNAを含有していた。インキュベーション後、ヘモグロビンタンパク質を、酢酸(0.32μl)及び水(300μl)を反応混合物(16μl)に加え、15℃で10分間にわたって20,817×gで遠心分離することによって除去した。上清を除去し、ペレットを30lの2×SDSサンプル緩衝液に溶解させ、15分間にわたって70℃でインキュベートした。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、ECLキットを用いて視覚化し(図26を参照されたい)、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。図27は、図26に示される2つの例示的な環状RNAから翻訳されたタンパク質産物のウエスタンブロット分析からのシグナル強度を要約しているグラフを示し、これは、ローリングサークル型翻訳中の、終止コドンを含む環状RNAと比較して、スタガー要素を含み且つ終止コドンを含まない環状RNAからの増加したタンパク質発現を実証している。
別個の発現産物が検出され、これは、スタガー要素を含む環状RNAが終止要素(終止コドン)の非存在下でも個々のタンパク質の発現を駆動したことを示す。
実施例33:インビトロでの生物活性タンパク質の発現
この実施例は、環状RNAからの生物活性タンパク質のインビトロ生合成を実証する。
非天然環状RNAを、生物活性治療用タンパク質を発現するように操作した。以下の実施例に示されるように、生物活性タンパク質が網状赤血球溶解物中で環状RNAから発現された。
環状RNAを、2A配列によって隣接されるFLAGタグ化EGF、続いてFLAGタグ化ナノルシフェラーゼ(873nt、配列番号17)をコードするように設計した。
線状又は環状RNAを25μlの体積中において、30℃で、ウサギ網状赤血球溶解物中で5時間にわたってインキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMアミノ酸、0.8U/μlのRNase阻害剤を含有していた。翻訳混合物中のルシフェラーゼ活性を、製造業者のプロトコル(Promega)に従ってルシフェラーゼアッセイシステムを用いて監視した。
図28に示されるように、対照ビヒクルRNAよりはるかに高い蛍光が環状RNA及び線状RNAの両方で検出され、これは、発現産物が存在していたことを示す。したがって、環状RNAが生物活性タンパク質を発現することが示された。
実施例34:線状RNA同等物より長い半減期を有する環状RNA
この実施例は、環状RNAが、線状RNAと比較して延長された半減期を有するように操作されることを実証する。
治療用タンパク質をコードする環状RNAは、例えば、線状RNAと比較して、延長された生物学的半減期に起因する、より高いレベルのコードされたタンパク質を生成する能力をレシピエント細胞に与えた。以下の実施例に示されるように、環状RNAは、網状赤血球溶解物中でその線状RNA同等物より長い半減期を有していた。
環状RNAを、2A配列によって隣接されるFLAGタグ化EGF、続いてFLAGタグ化ナノルシフェラーゼ(873nt、配列番号17)をコードするように設計した。
この実施例において、時間経過実験がRNA安定性を監視するために行われた。100ngの線状又は環状RNAをウサギ網状赤血球溶解物と共にインキュベートし、サンプルを1時間、5時間、18時間及び30時間の時点で収集した。全RNAを、フェノール系試薬(Invitrogen)を用いて溶解物から単離し、cDNAを逆転写によって生成した。qRT-PCR分析を、色素ベースの定量的PCR反応ミックス(BioRad)を用いて行った。
図29に示されるように、より高い濃度の環状RNAが、線状RNAより後の時点で検出され、経時的な環状RNAの濃度の低下パーセントは、線状RNAの濃度の低下パーセントより少なかった。したがって、環状RNAは、より安定しているか、又はその線状同等物と比較して増加した半減期を有していた。
実施例35:環状RNAは、細胞内における線状RNAより長い半減期を実証した
この実施例は、環状RNAが細胞内に送達され、線状RNAと比較して細胞内での増加した半減期を有することを実証する。
非天然環状RNAを、生物活性治療用タンパク質を発現するように操作した。以下の実施例に示されるように、環状RNAは、その線状RNA同等物と比較してより高いレベルで存在し、これは、環状RNAのより長い半減期を実証している。
この実施例において、環状RNA及び線状RNAを、コザック、2Aによって隣接されるEGF、終止又は非終止配列(配列番号11、19、20、21)をコードするように設計した。細胞中のRNAの半減期を監視するために、0.1×10個の細胞を12ウェルプレートの各ウェル上で平板培養した。1日後、1μgの線状又は環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中でトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、全RNAを、フェノール系抽出試薬(Invitrogen)を用いて細胞から単離した。全RNA(500ng)を逆転写に供して、cDNAを生成した。qRT-PCR分析を、色素ベースの定量的PCRミックス(BioRad)を用いて行った。プライマー配列は、以下のとおりであった:線状又は環状RNAについてのプライマー、F:ACGACGGTGTGTGCATGTAT、R:TTCCCACCACTTCAGGTCTC;環状RNAについてのプライマー、F:TACGCCTGCAACTGTGTTGT、R:TCGATGATCTTGTCGTCGTC。
環状RNAは、その線状同等物と同様に、293T細胞中で問題なくトランスフェクトされた。24時間後、保持された環状及び線状RNAを、qPCRを用いて測定した。環状RNAは、線状RNAと比較して、トランスフェクションの24時間後に、細胞内におけるより高い濃度を有することが示され、これは、環状RNAが、線状RNAのものより、細胞内におけるより長い半減期を有することを示唆している(図30A及び図30B)。
実施例36:合成環状RNAを細胞内で翻訳し、合成環状RNAをローリングサークル型翻訳によって翻訳した
この実施例は、細胞内での合成環状RNAの翻訳を実証する。
以下の実施例に示されるように、環状RNA及び線状RNAを、終止要素(配列番号11)なしで、コザック、3xFLAG-EGF配列をコードするように設計した。環状RNAがポリマーEGFに翻訳された一方、線状RNAが翻訳されず、これは、細胞が合成環状RNAのローリングサークル型翻訳を行ったことを実証している。
この実施例において、細胞内での線状又は環状RNAの翻訳効率を監視するために、0.1×10個の細胞を12ウェルプレートの各ウェル上で平板培養した。1日後、1μgの線状又は環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中でトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、200μlのRIPA緩衝液を各ウェルに加えることにより、細胞を収集した。次に、10μgの細胞溶解物タンパク質を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。ドライ転写方法を用いて、ニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ローディングコントロールとして、抗βチューブリン抗体を使用した。ブロットを、増強化学発光(ECL)キットを用いて視覚化した。ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
環状RNAは、その線状同等物と同様に、293T細胞中で問題なくトランスフェクトされた。しかしながら、図31は、トランスフェクションの24時間後、EGFタンパク質が環状RNAトランスフェクト細胞中で検出された一方、線状RNAトランスフェクト細胞中で検出されなかったことを示す。したがって、環状RNAは、線状RNAと比較して、ローリングサークル型翻訳によって細胞内で翻訳された。
実施例37:合成環状RNAは、細胞内における低下した免疫原性遺伝子発現を実証した
この実施例は、環状RNAが線状RNAと比較して低下した免疫応答を有するように操作されることを実証する。
治療用タンパク質をコードした環状RNAは、線状RNAと比較して、レシピエント細胞内での免疫関連遺伝子(RIG-I、MDA5、PKR及びIFN-β)の低下した誘導を示した。RIG-Iは、短い5’トリホスフェート非キャップ二本鎖又は一本鎖RNAを認識し得る一方、MDA5は、より長いdsRNAを認識し得る。RIG-I及びMDA5の両方は、MAVSを活性化し、抗ウイルス応答を引き起こすことに関与し得る。PKRは、dsRNAによって活性化され、IFN-βなどのインターフェロンによって誘導され得る。以下の実施例に示されるように、環状RNAは、q-PCRによるRIG-I、MDA5、PKR及びIFN-βの発現によって評価した際、類似した線状RNAより、293T細胞内における免疫関連遺伝子の低下した活性化を有することが示された。
環状RNA及び線状RNAを、(1)コザック、終止要素(配列番号11)を有さない3xFLAG-EGF配列;(2)コザック、終止要素(終止コドン)(配列番号21)によって隣接された3xFLAG-EGF;(3)コザック、2A配列(配列番号19)によって隣接された3xFLAG-EGF;又は(4)コザック、2A配列によって隣接された3xFLAG-EGF配列、続いて終止要素(終止コドン)(配列番号20)のいずれかをコードするように設計した。
この実施例において、0.1×10個の細胞を12ウェルプレートの各ウェル中で平板培養することにより、自然免疫応答遺伝子のレベルを細胞内で監視した。1日後、1μgの線状又は環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中でトランスフェクトした。トランスフェクションの24時間後、全RNAを、フェノール系抽出試薬(Invitrogen)を用いて細胞から単離した。全RNA(500ng)を逆転写に供して、cDNAを生成した。qRT-PCR分析を、色素ベースの定量的PCRミックス(BioRad)を用いて行った。
使用されるプライマー配列:GAPDHについてのプライマー、F:AGGGCTGCTTTTAACTCTGGT、R:CCCCACTTGATTTTGGAGGGA;RIG-I、F:TGTGGGCAATGTCATCAAAA、R:GAAGCACTTGCTACCTCTTGC;MDA5、F:GGCACCATGGGAAGTGATT、R:ATTTGGTAAGGCCTGAGCTG;PKR、F:TCGCTGGTATCACTCGTCTG、R:GATTCTGAAGACCGCCAGAG;IFN-β、F:CTCTCCTGTTGTGCTTCTCC、R:GTCAAAGTTCATCCTGTCCTTG。
図32に示されるように、環状RNAでトランスフェクトされた293T細胞からの免疫関連遺伝子のqRT-PCRレベルは、線状RNAトランスフェクト細胞と比較して、RIG-I、MDA5、PKR及びIFN-βの減少を示した。したがって、レシピエント細胞内における免疫原性関連遺伝子の誘導は、線状RNAトランスフェクト細胞と比較して、環状RNAトランスフェクト細胞内で減少された。
実施例38:細胞内におけるローリングサークル型翻訳による合成環状RNAからの増加した発現
この実施例は、細胞内における合成環状RNAのローリングサークル型翻訳からの増加した発現を実証する。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)なしで、ナノルシフェラーゼ遺伝子又はEGF陰性対照遺伝子と共にIRESを含むように設計した。細胞をEGF陰性対照(配列番号22);nLUC stop(配列番号23):EMCV IRES、スタガー配列(2A配列)、3x FLAGタグ化nLUC配列、スタガー配列(2A配列)及び終止コドン;又はnLUCスタガー(配列番号24):EMCV IRES、スタガー配列(2A配列)、3x FLAGタグ化nLUC配列及びスタガー配列(2A配列)でトランスフェクトした。図33に示されるように、両方の環状RNAは、機能的ルシフェラーゼ活性を有する翻訳産物を生成した。
この実施例において、環状RNAの翻訳を細胞内で監視した。具体的には、0.1×10個の細胞を12ウェルプレートの各ウェル上で平板培養した。1日後、300ngの環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中でトランスフェクトした。24時間後、100μlのRIPA緩衝液を加えることにより、細胞を収集した。溶解物中のナノルシフェラーゼ活性を、その製造業者のプロトコル(Promega)に従ってルシフェラーゼアッセイシステムを用いて測定した。
図33に示されるように、両方の環状RNAが細胞内でタンパク質を発現した。しかしながら、スタガー要素、例えば2A配列を含み、終止要素(終止コドン)を欠いた環状RNAは、終止要素(終止コドン)を有する環状RNAより、機能的ルシフェラーゼ活性を有するより高いレベルのタンパク質産物を生成した。
実施例39:細胞内で翻訳される合成環状RNA
この実施例は、細胞内における合成環状RNA翻訳を実証する。さらに、この実施例は、環状RNAがその線状同等物より多くの発現産物を生成したことを示す。
環状RNAは、その線状同等物と同様に、293T細胞中で問題なくトランスフェクトされた。細胞を、陰性対照としてEGFをコードする環状RNA(配列番号22):EMCV IRES、スタガー配列(2A配列)、3x FLAGタグ化EGF配列、スタガー配列(2A配列);線状又は環状nLUC(配列番号23):EMCV IRES、スタガー配列(2A配列)、3x FLAGタグ化nLuc配列、スタガー配列(2A配列)及び終止コドンでトランスフェクトした。図34に示されるように、環状RNAは、細胞内でナノルシフェラーゼにおいて翻訳された。
線状又は環状RNA翻訳を細胞内で監視した。具体的には、0.1×10個の細胞を12ウェルプレートの各ウェル上で平板培養した。1日後、300ngの線状又は環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中でトランスフェクトした。24時間後、100μlのRIPA緩衝液を加えることにより、細胞を収集した。溶解物中のナノルシフェラーゼ活性を、その製造業者のプロトコル(Promega)に従ってルシフェラーゼアッセイシステムを用いて測定した。
図34に示されるように、環状RNA翻訳産物が細胞内で検出された。特に、環状RNAは、その線状RNA同等物と比較して、より高いレベルのルシフェラーゼ活性又は生成された増加したタンパク質を有していた。
実施例40:合成環状RNAからのローリングサークル型翻訳が細胞内で機能的タンパク質産物を生成した
この実施例は、終止要素(終止コドン)を欠いた、例えば細胞内において、終止要素(終止コドン)を欠き、スタガー要素を有する、合成環状RNAからの機能的タンパク質産物のローリングサークル型翻訳を実証する。さらに、この実施例は、スタガー要素を有する環状RNAがその線状同等物より多い機能的タンパク質産物を発現したことを示す。
環状RNAは、その線状同等物と同様に、293T細胞中で問題なくトランスフェクトされた。細胞を環状RNA EGF陰性対照(配列番号22);線状及び環状nLUC(配列番号24):EMCV IRES、スタガー配列(2A配列)、3x FLAGタグ化nLuc配列、スタガー配列(2A配列)でトランスフェクトした。図25に示されるように、環状RNAは、細胞内でナノルシフェラーゼ中において翻訳された。
線状又は環状RNA翻訳を細胞内で監視した。具体的には、0.1×10個の細胞を12ウェルプレートの各ウェル上で平板培養した。1日後、300ngの線状又は環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中でトランスフェクトした。24時間後、100μlのRIPA緩衝液を加えることにより、細胞を収集した。溶解物中のナノルシフェラーゼ活性を、その製造業者のプロトコル(Promega)に従ってルシフェラーゼアッセイシステムを用いて測定した。
図35に示されるように、環状RNA翻訳産物が細胞内で検出された。特に、終止要素(終止コドン)を有さない環状RNAは、その線状RNA同等物より、機能的ルシフェラーゼ活性を有するより高いレベルのタンパク質産物を生成した。
実施例41:合成環状RNAが細胞内におけるIRES開始によって翻訳される
この実施例は、細胞内におけるIRESによる合成環状RNA翻訳開始を実証する。
環状RNAを、ナノルシフェラーゼ遺伝子又はEGF陰性対照遺伝子と共にコザック配列又はIRESを含むように設計した。細胞をEGF陰性対照(配列番号22)、nLUCコザック(配列番号25):コザック配列、1x FLAGタグ化EGF配列、スタガー配列(T2A配列)、1x FLAGタグ化nLUC、スタガー配列(P2A配列)及び終止コドン;又はnLUC IRES(配列番号23):EMCV IRES、スタガー配列(2A配列)、3x FLAGタグ化nLUC配列、スタガー配列(2A配列)及び終止コドンでトランスフェクトした。図36に示されるように、IRESを有する環状RNAは、コザック配列を有する環状RNAと比較して、より高いタンパク質レベルに対応する、より高いレベルのルシフェラーゼ活性を示した。
この実施例において、環状RNAの翻訳を細胞内で監視した。具体的には、0.1×10個の細胞を12ウェルプレートの各ウェル上で平板培養した。1日後、300ngの環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中でトランスフェクトした。24時間後、100μlのRIPA緩衝液を加えることにより、細胞を収集した。溶解物中のナノルシフェラーゼ活性を、その製造業者のプロトコル(Promega)に従ってルシフェラーゼアッセイシステムを用いて測定した。
図36に示されるように、環状RNAは、IRESによりタンパク質発現を開始させ、コザックを有する環状RNAがタンパク質発現を開始させるより、機能的ルシフェラーゼ活性を有するより高いレベルのタンパク質産物を生成した。
実施例42:細胞内における合成環状RNAのローリングサークル型翻訳
この実施例は、IRESによりタンパク質産生を開始させる細胞内における合成環状RNAのローリングサークル型翻訳によるより多いタンパク質産生を実証する。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)を用いるか又は用いずに、ナノルシフェラーゼ遺伝子又はEGF陰性対照と共にコザック配列又はIRESを含むように設計した。細胞をEGF陰性対照(配列番号22);nLUC IRES stop(配列番号23):EMCV IRES、スタガー配列(2A配列)、3x FLAGタグ化nLUC配列、スタガー配列(2A配列)及び終止コドン;又はnLUC IRESスタガー(配列番号24):EMCV IRES、スタガー配列(2A配列)、3x FLAGタグ化nLUC配列及びスタガー配列(2A配列)でトランスフェクトした。図37に示されるように、両方の環状RNAが発現産物を生成し、ローリングサークル型翻訳を実証し、IRESを有し終止要素を有さない(例えば、コザック配列を有さない)環状RNAは、IRESを有さず終止要素を有する(例えば、コザック配列を有する)環状RNAより、機能的ルシフェラーゼ活性を有するより高いレベルのタンパク質産物を開始及び生成し、これは、ローリングサークル型翻訳を実証している。
この実施例において、環状RNAの翻訳を細胞内で監視した。具体的には、0.1×10個の細胞を12ウェルプレートの各ウェル上で平板培養した。1日後、300ngの環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中でトランスフェクトした。24時間後、100μlのRIPA緩衝液を加えることにより、細胞を収集した。溶解物中のナノルシフェラーゼ活性を、その製造業者のプロトコル(Promega)に従ってルシフェラーゼアッセイシステムを用いて測定した。
図37に示されるように、環状RNAを、両方の環状RNAから与えられるローリングサークル型方法により、細胞内でタンパク質に翻訳した。しかしながら、環状RNAのローリングサークル型翻訳は、IRESでより多いタンパク質産生を開始させ、終止要素コザック翻訳開始を有する環状RNAと比較して、機能的ルシフェラーゼ活性を有するより多くのタンパク質産物を生成した。
実施例43:環状RNAから発現される増加したタンパク質
この実施例は、細胞内における合成環状RNA翻訳を実証する。さらに、この実施例は、環状RNAが、その線状同等物より、適切な分子量のより多い発現産物を生成したことを示す。
線状及び環状RNAを、終止要素(終止コドン)と共にナノルシフェラーゼ遺伝子を含むように設計した。細胞を、ビヒクル:トランスフェクション試薬のみ;線状nLUC(配列番号23):EMCV IRES、スタガー要素(2A配列)、3x FLAGタグ化nLuc配列、スタガー要素(2A配列)及び終止要素(終止コドン);又は環状nLUC(配列番号23):EMCV IRES、スタガー要素(2A配列)、3x FLAGタグ化nLuc配列、スタガー要素(2A配列)及び終止要素(終止コドン)でトランスフェクトした。図28に示されるように、環状RNAは、線状RNAと比較して、適切な分子量を有する、より多いレベルのタンパク質を生成した。
24時間後、100μlのRIPA緩衝液を加えることにより、細胞を収集した。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、ECLキットを用いて視覚化し、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
図38に示されるように、環状RNAは、細胞内でタンパク質に翻訳された。特に、環状RNAは、その線状RNA同等物と比較して、適切な分子量を有するより高いレベルのタンパク質を生成した。
実施例44:合成環状RNAのローリングサークル型翻訳が細胞内で別個のタンパク質産物を生成した
この実施例は、別個のタンパク質産物が、終止要素(終止コドン)を欠いた、例えば細胞内において、終止要素(終止コドン)の代わりにスタガー要素を有する合成環状RNAからのローリングサークル型翻訳によって翻訳されたことを実証する。さらに、この実施例は、スタガー要素を有する環状RNAが、その線状同等物より、適切な分子量を有するより多いタンパク質産物を発現したことを示す。
環状RNAを、終止要素(終止コドン)の代わりに、スタガー要素と共にナノルシフェラーゼ遺伝子を含むように設計した。細胞をビヒクル:トランスフェクション試薬のみ;線状nLUC(配列番号24):EMCV IRES、スタガー要素(2A配列)、3x FLAGタグ化nLuc配列及びスタガー要素(2A配列);又は環状nLUC(配列番号24):EMCV IRES、スタガー要素(2A配列)、3x FLAGタグ化nLuc配列及びスタガー要素(2A配列)でトランスフェクトした。図39に示されるように、環状RNAは、線状RNAと比較して、適切な分子量を有するより高いレベルのタンパク質を生成した。
24時間後、100μlのRIPA緩衝液を加えることにより、細胞を収集した。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いてニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ブロットを、ECLキットを用いて視覚化し、ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
図39に示されるように、環状RNA翻訳産物が細胞内で検出された。特に、終止要素(終止コドン)を有さない環状RNAは、その線状RNA同等物より、適切な分子量を有するより高いレベルの別個のタンパク質産物を生成した。
実施例45:疑似二本鎖、らせん構造を有する環状RNAの調製
この実施例は、環状RNAが疑似二本鎖及びらせん構造の両方を有していたことを実証する。
非天然環状RNAを、疑似二本鎖、らせん構造を採用するように操作した。同様の構造は、固有に長い生体内半減期を有する天然環状RNAの縮合に関与することが示された(Griffin et al 2014,J Virol.2014 Jul;88(13):7402-11.doi:10.1128/JVI.00443-14,Guedj et al,Hepatology.2014 Dec;60(6):1902-10.doi:10.1002/hep.27357)。
この実施例において、環状RNAを、EMCV IRES、ORFとしての3XFLAGでタグ化されたNluc及びスタガー配列(EMCV 2A 3XFLAG Nluc 2A no stop)をコードするように設計した、RNA二次構造を評価するために、熱力学的RNA構造予測ツール(RNAfold)を使用した(Vienna RNA)。さらに、RNA三次構造を、RNAモデリングアルゴリズムを用いて分析した。
図40及び41に示されるように、環状RNAは、疑似二本鎖、らせん構造を採用したようにモデル化される。
実施例46:反復配列と連結された疑似らせん構造を有する環状RNAの調製
この実施例は、環状RNAが、反復配列と連結された疑似らせん構造を有するように設計され得ることを実証する。
非天然環状RNAを、反復配列と連結された疑似らせん構造を採用するように操作した。同様の構造は、固有に長い生体内半減期を有する天然環状RNAの縮合に関与することが示された(Griffin et al 2014、Guedj et al 2014)。
この実施例において、環状RNAを、EMCV IRES、Nluc及び反復配列(配列番号26)を含むスペーサーをコードするように設計した。RNA三次構造を評価するためにRNAモデリングアルゴリズムを使用した。
図42に示されるように、環状RNAは、疑似らせん構造を採用したようにモデル化される。
実施例47:環状化RNAは、環状であり、コンカテマーでない
この実施例は、RNAse Hによる環状RNA分解が、環状RNAと一致し、コンカテマーRNAと一致しない核酸分解産物を生成したことを実証する。
RNAは、リガーゼと共にインキュベートされる場合、反応しないか又は分子内若しくは分子間結合を形成することができないかのいずれかであり、これは、それぞれ環状(遊離末端がない)又はコンカテマーRNAを生成する。相補的DNAプライマー及びRNAse H、DNA/RNA二本鎖を認識する非特異的エンドヌクレアーゼによる各タイプのRNAの処理は、出発RNA材料に応じて、特定のサイズの固有の数の分解産物を生成することが予測される。
以下の実施例に示されるように、ライゲートされたRNAは、RNAse H分解によって生成されるRNAの数及びサイズに基づいて環状であり、コンカテマーでないことが示された。
EMCV T2A 3XFLAG-Nluc P2Aを含有する環状RNA及び線状RNAを生成した。
RNA(1299nt)の環状化状態を試験するために、0.05pmole/μlの線状又は環状RNAを20分間にわたって37℃において、1037-1046ntのRNA(CACCGCTCAGGACAATCCTT、配列番号55)に対して、0.25U/μlのRNAse H、DNA/RNA二本鎖を消化するエンドリボヌクレアーゼ及び0.3pmole/μlのオリゴマーと共にインキュベートした。インキュベーション後、反応混合物を6%の変性PAGEによって分析した。
上述される使用される線状RNAについて、DNAプライマーの結合及びRNAse Hによるその後の切断後、2つの切断産物が1041nt及び258ntで得られることが予測される。コンカテマーが258、1041及び1299ntの3つの切断産物を生成することが予測される。環状が単一の1299nt切断産物を生成することが予測される。
RNAseエンドヌクレアーゼと共にインキュベートされた線状RNAレーン中のバンドの数は、予測されるように1041nt及び258ntの2つのバンドを生成した一方、1299ntの単一のバンドは、環状RNAレーンにおいて生成され(図43を参照されたい)、これは、環状RNAが実際に環状であり、コンカテマーでなかったことを示す。
実施例48:大きい環状RNAの調製
この実施例は、約20塩基~約6.2Kbの範囲の環状ポリリボヌクレオチドの生成を実証する。
1つ以上の望ましい特性を含むように操作された非天然環状RNAは、所望の機能に応じたサイズの範囲で生成された。以下の実施例に示されるように、最大で6200ntの線状RNAが環状化された。
プラスミドpCDNA3.1/CAT(6.2kb)をここで使用した。プライマーを、規則的な間隔でpCDNA3.1/CATにアニールして、500nt、1000nt、2000nt、4000nt、5000nt及び6200ntに対応するDNAオリゴヌクレオチドを生成するように設計した。示されるDNAオリゴヌクレオチドのインビトロ転写を行って、対応するサイズの線状RNAを生成した。環状RNAを、スプリントDNAを用いて、これらのRNAオリゴヌクレオチドから生成した。
RNAの環状化効率を測定するために、6つの異なるサイズの線状RNA(500nt、1000nt、2000nt、4000nt、5000nt及び6200nt)を生成した。それらを、DNAスプリント及びT4 DNAリガーゼ2を用いて環状化した。対照として、1つの反応をT4 RNAリガーゼなしで行った。環状化サンプルの半分をRNAse Rで処理して、線状RNAを除去した。
環状化効率を監視するために、各サンプルを、qPCRを用いて分析した。図44に示されるように、環状RNAを異なる長さの様々なDNAから生成した。図45に示されるように、RNAの環状化を、環状接合部に対して、RNAse R処理及びqPCR分析を用いて確認した。この実施例は、様々な長さの環状RNA生成を実証する。
実施例49:タンパク質結合部位を用いて操作される環状RNA
この実施例は、タンパク質結合部位を有する環状RNAの生成を実証する。
この実施例において、1つの環状RNAは、CVB3 IRES(配列番号56)及びガウシアルシフェラーゼ(Gluc)をコードするORF(配列番号57)、続いて少なくとも1つのタンパク質結合部位を含むように設計される。特定の例では、シンドビスウイルス3’UTRからのHuR結合配列(配列番号52)を用いて、環状RNA免疫原性に対するタンパク質結合の影響を試験する。HuR結合配列は、2つの要素、URE(Uリッチ要素;配列番号50)及びCSE(保存配列要素;配列番号51)を含む。HuR結合配列を有さない又はUREを有する環状RNAが対照として使用される。アナベナ属(Anabaena)自己触媒イントロン及びエクソン配列の一部をCVB3 IRES(配列番号56)の前に配置する。環状RNAは、記載されるようにインビトロで生成される。図46に示されるように、環状RNAは、HuR結合部位を含有するように生成された。
環状RNA免疫原性に対するRNA結合タンパク質の影響を監視するために、細胞を96ウェルプレートの各ウェル中で平板培養する。1日後、500ngの環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中にトランスフェクトする。翻訳効率/RNA安定性/免疫原性を毎日最大で72時間監視する。Gluc活性を監視するために培地を収集する。RNAレベルを測定するための細胞溶解物を、リアルタイムRT-PCR(Invitrogen)によって相対的遺伝子発現の測定を可能にするキットを用いて調製する。
製造業者の説明(Pierce)に従ってガウシアルシフェラーゼフラッシュアッセイキットを用いて、Gluc活性を測定することにより、翻訳効率を監視する。
qRT-PCR分析のために、cDNAは、製造業者の説明(Invitrogen)に従って細胞溶解物調製キットを用いて生成される。qRT-PCR分析は、PCRマスターミックス(Brilliant II SYBR Green qRT-PCR Master Mix)及びPCRサイクラー(LightCycler 480)を用いて3連で行われる。環状RNA安定性をNlucに対するプライマーによって測定する。RIG-I、MDA5、OAS、OASL及びPKRなどの周知の自然免疫調節因子のmRNAレベルを定量化し、アクチン値に対して正規化する。
実施例50:調節核酸部位を有する環状RNAの調製
この実施例は、調節RNA結合部位を有する環状RNAのインビトロ生成を実証する。
異なる細胞型は、特定のRNA配列を標的にする独自の核酸調節機構を有する。環状RNA中のこれらの特定の配列をコードすることは、異なる細胞型における独自の特性を与え得る。以下の実施例に示されるように、環状RNAは、マイクロRNA結合部位をコードするように操作された。
この実施例において、環状RNAは、WT EMCV IRESをコードする配列、mir692マイクロRNA結合部位(GAGGUGCUCAAAGAGAU)及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素を含んでいた。
環状RNAをインビトロで生成した。転写を駆動するT7 RNAポリメラーゼプロモータに加えて、上に列挙される全てのモチーフを含むDNA鋳型から非修飾線状RNAをインビトロで転写した。転写されたRNAを、RNAクリーンアップキット(New England Biolabs、T2050)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA5’-ホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs、M0356)で処理し、RNA精製カラムを用いて再度精製した。RppHで処理されたRNAを、スプリントDNA(GGCTATTCCCAATAGCCGTT)及びT4 RNAリガーゼ2(New England Biolabs、M0239)を用いて環状化した。環状RNAを尿素-PAGEで精製し(図47)、緩衝液(0.5Mの酢酸ナトリウム、0.1%のSDS、1mMのEDTA)で溶離させ、エタノールで沈殿させ、RNaseフリー水中で再懸濁させた。
図47に示されるように、環状RNAを、miRNA結合部位を用いて生成した。
実施例51:環状RNAの自己スプライシング
この実施例は、自己スプライシングによって環状RNAを生成する能力を実証する。
この実施例では、環状RNAは、CVB3 IRES、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)をコードするORF及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素を含んでいた。
環状RNAをインビトロで生成した。上に列挙される全てのモチーフを含むDNA鋳型から非修飾線状RNAをインビトロで転写した。インビトロ転写反応は、1μgの鋳型DNA T7 RNAポリメラーゼプロモータ、10×T7反応緩衝液、7.5mMのATP、7.5mMのCTP、7.5mMのGTP、7.5mMのUTP、10mMのDTT、40UのRNase阻害剤及びT7酵素を含んでいた。転写を37℃で4時間行った。転写されたRNAは、37℃で15分間1UのDNase Iで処理されたDNaseであった。自己スプライシングによる環状化に有利に作用するように、さらなるGTPを2mMの最終濃度に加え、55℃で15分間インキュベートした。次に、RNAをカラム精製し、UREA-PAGEによって視覚化した。
図48は、自己スプライシングによって生成された環状RNAを示す。
実施例52:エンクリプトゲンを含むスプライシング要素を有する環状RNA
この実施例では、環状RNAは、CVB3 IRES、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)をコードするORF及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素を含んでおり、これらの2つのスペーサー要素は、アナベナ属(Anabaena)自己触媒イントロン及びエクソン配列(配列番号59)の一部であるスプライシング要素を含む。
環状RNAは、インビトロで生成される。
この実施例において、細胞を12ウェルプレートの各ウェル中で平板培養することにより、自然免疫応答遺伝子のレベルを細胞内で監視する。1日後、1μgの線状又は環状RNAは、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中にトランスフェクトされる。トランスフェクションの24時間後、全RNAは、フェノール系抽出試薬(Invitrogen)を用いて細胞から単離される。全RNA(500ng)を逆転写に供して、cDNAを生成する。qRT-PCR分析は、色素ベースの定量的PCRミックス(BioRad)を用いて行われる。
スプライシング要素を含む環状RNAでトランスフェクトされたBJ細胞からの免疫関連遺伝子のqRT-PCRレベルは、線状RNAトランスフェクト細胞と比較して、RIG-I、MDA5、PKR及びIFN-βの減少を評価する。
実施例53:細胞分裂中の環状RNAの持続性
この実施例は、細胞分裂中の環状ポリリボヌクレオチドの持続性を実証する。1つ以上の望ましい特性を含むように操作された非天然環状RNAは、分解されずに細胞分裂を通して細胞内で持続し得る。以下の実施例に示されるように、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)を発現する環状RNAをHeLa細胞内で72時間にわたって監視した。
この実施例において、1307ntの環状RNAは、CVB3 IRES、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)をコードするORF及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素を含んでいた。
細胞分裂にわたる環状RNAの持続性をHeLa細胞内で監視した。96ウェルプレート中の5000個の細胞/ウェルは、環状RNAでトランスフェクトされた懸濁液であった。Bright細胞イメージングをAvos imager(ThermoFisher)において行い、細胞計数を、0時間、24時間、48時間、72時間及び96時間の時点で発光細胞生存アッセイ(Promega)を用いて行った。ガウシアルシフェラーゼ酵素活性をタンパク質発現の指標として毎日監視し、gLuc発現を、ガウシアルシフェラーゼ活性アッセイ(Thermo Scientific Pierce)を用いて、24時間ごとにウェルから除去された上清中で毎日監視した。50μlの1X Gluc基質を5μlの血漿に加えて、Glucルシフェラーゼ活性アッセイを行った。プレートを、発光測定装置(Promega)において混合した直後に読み取った。
環状RNAからのタンパク質の発現は、分裂細胞内で線状RNA(トランスフェクションの48時間後で約7RLU)より高いレベル(トランスフェクションの48時間後で約10RLU)で検出された(図49)。環状RNAを有する細胞は、測定される全ての時点において、線状RNAと比較してより高い細胞分裂速度を有していた。この実施例は、その線状RNA同等物より、細胞分裂中の環状RNAの増加した検出を実証する。
実施例54:ローリングサークル型翻訳は、複数の発現配列を生成した
この実施例は、単一の構築物から複数のタンパク質を発現する環状RNAの能力を実証する。さらに、この実施例は、複数のORFをコードする環状RNAのローリングサークル型翻訳を実証する。この実施例は、単一の構築物からの2つのタンパク質の発現をさらに実証する。
1つの環状RNA(mtEMCV T2A 3XFLAG-GFP F2A 3XFLAG-Nluc P2A ISスペーサー)を、EMCV IRES(配列番号58)及び3XFLAGタグを有するGFPをコードするORF及び3XFLAGタグを有するナノルシフェラーゼ(Nluc)をコードするORFを含むようにローリングサークル型翻訳のために設計した。スタガー要素(2A)は、GFP及びNluc ORFに隣接していた。別の環状RNAを同様に設計したが、Nluc ORFとスペーサーとの間に三重終止コドンを含んでいた。アナベナ属(Anabaena)自己触媒イントロン及びエクソン配列の一部がEMCV IRESの前に含まれていた。環状RNAを記載されるようにインビトロで生成した。
環状RNAからのタンパク質の発現をインビトロ又は細胞内で監視した。インビトロ分析の場合、環状RNAを30℃においてウサギ網状赤血球溶解物(Promega,Fitchburg,WI,USA)中で3時間インキュベートした。反応混合物の最終組成物は、70%のウサギ網状赤血球溶解物、20μMの完全アミノ酸及び0.8U/μLのRNase阻害剤(日本大阪の東洋紡(Toyobo,Osaka,Japan))を含んでいた。
インキュベーション後、ヘモグロビンタンパク質を、酢酸(0.32μl)及び水(300μl)を反応混合物(16μl)に加え、15℃で10分間にわたって20,817×gで遠心分離することによって除去した。上清を除去し、ペレットを2×SDSサンプル緩衝液に溶解させ、15分間にわたって70℃でインキュベートした。5分間にわたる1400×gでの遠心分離後、上清を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
細胞内での分析のため、細胞内での環状RNAの翻訳効率を監視するために細胞を12ウェルプレートの各ウェル中で平板培養した。1日後、500ngの環状RNAを、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Invitrogen)を用いて各ウェル中でトランスフェクトした。トランスフェクションの48時間後、200μlのRIPA緩衝液を各ウェルに加えることにより、細胞を収集した。次に、10μgの細胞溶解物タンパク質を10~20%の勾配のポリアクリルアミド/SDSゲル上で分析した。
ドライ転写方法を用いて、網状赤血球溶解物及び細胞からのサンプルをニトロセルロース膜に電気泳動転写した後、ブロットを抗FLAG抗体及び抗マウスIgGペルオキシダーゼと共にインキュベートした。ローディングコントロールとして、抗βチューブリン抗体を使用した。ブロットを、増強化学発光(ECL)キットを用いて視覚化した。ウエスタンブロットバンド強度をImageJによって測定した。
図50に示されるように、GFP及びnLucをコードする環状RNAは、2つのタンパク質産物を生成した。三重終止を有さない環状RNAからの翻訳は、三重終止コドンを有する環状RNAより多い両方のタンパク質産物を生成した。最後に、三重終止を有する及び有さない両方の環状RNAは、それぞれ1/3.24及び1/3.37の比率でタンパク質を発現した。
実施例55:環状RNAは、線状RNAと比較して低下した毒性を示す
この実施例は、環状RNAが、線状RNAより毒性が低いことを実証する。
この実施例では、環状RNAは、EMCV IRES、3XFLAGタグを有し、且つスタガー要素(2A)及び終止要素(終止コドン)によって両側が隣接されたNanoLucをコードするORFを含む。環状RNAをインビトロで生成し、本明細書に記載されるように精製した。この実施例に使用される線状RNAは、グロビンUTRを有するnLucをコードするキャップ修飾ポリAテイルRNA又はキャップ非修飾ポリAテイルRNAであった。
細胞内のRNAの毒性を監視するために、BJヒト線維芽細胞を96ウェルプレートの各ウェル上で平板培養した。50ngの環状又はキャップ修飾ポリAテイル線状RNAのいずれかを、製造業者の推奨に従って脂質ベースのトランスフェクション試薬(ThermoFisher)を用いて、0、48及び72時間後にトランスフェクトした。Bright細胞イメージングを96時間の時点でAvos imager(ThermoFisher)において行った。1条件当たりの全細胞を、ImageJを用いて分析した。
図51に示されるように、環状RNAでトランスフェクトされた培養物中に画像当たり約90~100個の細胞があった一方、線状キャップ-Nluc-ポリ(A)RNAでトランスフェクトされた培養物中に画像当たり約40個のみの細胞があり、これは、環状RNAのトランスフェクションが、線状RNAと比較して、低下した毒性を実証したことを示している。
実施例56:ストレス条件下での発現
この実施例は、環状RNAが、線状RNAより、ストレス条件下でより良好に発現されたことを実証する。
この実施例では、環状RNAは、EMCV IRES、3XFLAGタグを有し、且つスタガー要素によって隣接されたNanoLucをコードするORFを含む。環状RNAをインビトロで生成し、記載されるように精製した。この実施例に使用される線状RNAは、グロビンUTRを有するnLucをコードするキャップポリAテイルRNAであった。
細胞からのガウシアルシフェラーゼの発現を監視するために、BJヒト線維芽細胞を96ウェルプレートの各ウェル中で平板培養した。50ngの環状又はキャップ-ポリAテイル線状RNAのいずれかを、製造業者の推奨に従って脂質ベースのトランスフェクション試薬を用いて、0、48及び72時間後にトランスフェクトした。ガウシアルシフェラーゼ酵素活性をタンパク質発現の指標として毎日監視し、gLuc発現を、ガウシアルシフェラーゼ活性アッセイ(Thermo Scientific Pierce)を用いて、24時間ごとにウェルから除去された上清中で毎日監視した。50μlの1X Gluc基質を5μlの血漿に加えて、Glucルシフェラーゼ活性アッセイを行った。プレートを、発光測定装置(Promega)において混合した直後に読み取った。
図52に示されるように、環状RNAは、ストレス条件下での線状RNA(トランスフェクションの3日後の時点で約2000RLU及びトランスフェクションの4日後の時点で検出不能になるまで減少する)と比較して、より高いレベル(トランスフェクションの3日後の時点で約1000RLU及びトランスフェクションの6日後の時点で2000RLU超)で翻訳された。
実施例57:選択的発現のためのリボスイッチ
この実施例は、環状RNAからのタンパク質発現を制御する能力を実証する。
この実施例では、環状RNAを、NanoLucをコードするORFの発現を調節する合成リボスイッチ(配列番号60)を含むように設計した(図43を参照されたい)。環状RNAをインビトロで生成した。転写を駆動するT7 RNAポリメラーゼプロモータに加えて、上に列挙される全てのモチーフを含むDNA鋳型から非修飾線状RNAをインビトロで転写した。転写されたRNAを、RNAクリーンアップキット(New England Biolabs、T2050)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA 5’-ホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs、M0356)で処理し、RNA精製カラムを用いて再度精製した。RppHで処理されたRNAを、スプリントDNA(CCGTTGTGGTCTCCCAGATAAACAGTATTTTGTCC)及びT4 RNAリガーゼ2(New England Biolabs、M0239)を用いて環状化した。環状RNAを尿素-PAGEで精製した(図53)。
テオフィリン又はテトラサイクリンは、その特定のリボスイッチの活性化を誘導して、遺伝子発現のオフスイッチをもたらす(Auslander et al Mol Biosyst.2010 May;6(5):807-14及びOgawa et al,RNA.2011 Mar;17(3):478-88.doi:10.1261/rna.2433111.Epub 2011 Jan 11によって記載されるように)。リボスイッチは、環状RNAからのGFP又はNLuc発現を制御することが予測される。したがって、GFP又はNLuc発現は、テオフィリン又はテトラサイクリンの追加後に予測されない。
リボスイッチの効率が無細胞翻訳系及びHeLa細胞内で試験される。無細胞翻訳は、製造業者の推奨に従って無細胞翻訳キット(Promega、L4140)を使用し、NLuc ORFについて発光測定装置(Promega)及びGFP ORFについて細胞イメージングマルチモードリーダー(BioTek)を用いて発光を測定することによって行われる。
細胞アッセイのために、HeLa細胞/ウェルは、テオフィリン又はテトラサイクリン依存的合成リボスイッチ(theoN5についての第1のPCRフォワードプライマー、
Figure 2022523794000009
、theoN5についての第2のPCRフォワードプライマー、
Figure 2022523794000010
;tc-N5についての第1のPCRフォワードプライマー、
Figure 2022523794000011
、tc-N5についての第2のPCRフォワードプライマー、
Figure 2022523794000012
)のいずれかの制御下において、1nMの、GFP又はNLucをコードする記載される環状RNAでトランスフェクトされて、選択的発現を評価する。脂質ベースのトランスフェクション試薬が製造業者の推奨に従って使用される。
37℃及び5%のCO2で24時間の培養後、細胞は、1nM~3mMの範囲の濃度を有する、環状RNA内でコードされるリボスイッチに応じて、テオフィリン又はテトラサイクリンを用いて及び用いずに処理される。24時間の連続した培養後、蛍光又は発光が評価される。GFPについて、生細胞は、5%のFBS及びペニシリン/ストレプトマイシン及び核の染色を含む蛍光ニュートラルDMEM培地中でイメージングされる。NLucについて、発光は、発光測定装置(Promega)を用いて、製造業者の説明に従ってルシフェラーゼシステムを用いて評価される。
NLuc(青色:チャバネアオカメムシ(Plautia stali)腸管ウイルスIRES、オレンジ色:NLuc ORF)についてのDNA鋳型
Figure 2022523794000013
eGFP(青色:チャバネアオカメムシ(Plautia stali)腸管ウイルスIRES、オレンジ色:eGFP ORF)についてのDNA鋳型
Figure 2022523794000014
プライマー配列
2(下線:T7プロモータ)についてのフォワードプライマー
Figure 2022523794000015
theoN5(オレンジ色:アプタマー;赤色:aIRES;紫色:aaIRES)についての第1のPCRにおけるフォワードプライマー
Figure 2022523794000016
TheoN5 第2のPCR
Figure 2022523794000017
tc-N5についての第1のPCRにおけるフォワードプライマー
Figure 2022523794000018
tc-N5についての第2のPCRにおけるフォワードプライマー
Figure 2022523794000019
全てのPCRにおけるリバースプライマー
AGATAAACAGTATTTTGTCCAGTCGTCGAAC
接合部
GGACAAAATACTGTTTATCTGGGAGACCACAACGG
スプリント
5’-CCG TTG TGG TCT CCC AGA TAA ACA GTA TTT TGT CC -3’
実施例58:修飾ヌクレオチドを有する環状RNAが生成され、翻訳され、環状RNAの免疫効果を低下させた
この実施例は、タンパク質産物を生成した修飾環状ポリリボヌクレオチドの生成を実証する。さらに、この実施例は、ヌクレオチド修飾を有するように操作された環状RNAが線状RNAと比較して低下した免疫効果を有していたことを実証する。
1つ以上の望ましい特性を含み、且つ修飾ヌクレオチドの完全又は部分的な組み込みを有するように操作された非天然環状RNAを生成した。以下の実施例に示されるように、完全長修飾線状RNA又は修飾及び非修飾線状RNAのハイブリッドを環状化し、nLucの発現を評価した。さらに、修飾環状RNAは、非修飾環状RNAと比較して、BJ細胞内における免疫関連遺伝子の低下した活性化を有することが示された(MDA5、OAS及びIFN-β発現のq-PCR)。
WT EMCV Nluc stopスペーサーを有する環状RNAを生成した。完全な修飾置換のために、修飾ヌクレオチド、プソイドウリジン及びメチルシトシン又はm6Aを、インビトロ転写反応中、標準的な非修飾ヌクレオチド、ウリジン及びシトシン又はアデノシンのそれぞれの代わりに加えた。ハイブリッド構築物について、WT EMCV IRESをnLuc ORFとは別々に合成した。WT EMCV IRESを、修飾又は非修飾ヌクレオチドのいずれかを用いて合成した。対照的に、nLuc ORF配列を、インビトロ転写反応中、標準的な非修飾ヌクレオチド、ウリジン及びシトシン又はアデノシンのそれぞれの代わりに、修飾ヌクレオチド、プソイドウリジン及びメチルシトシン又はm6Aを用いて合成した。修飾又は非修飾IRES及び修飾ORFの合成後、これらの2つのオリゴヌクレオチドを、T4 DNAリガーゼを用いて一緒にライゲートした。図54Aに示されるように、修飾環状RNAを生成した。
完全修飾又はハイブリッド修飾構築物からのnLucの発現効率を測定するために、0.1pmolの線状及び環状RNAを6時間にわたってBJ線維芽細胞中にトランスフェクトした。nLuc発現をトランスフェクションの6時間、24時間、48時間及び72時間後の時点で測定した。
自然免疫応答遺伝子のレベルを、フェノール系抽出試薬(Invitrogen)を用いて、細胞から単離された全RNAから細胞中で監視した。全RNA(500ng)を逆転写に供して、cDNAを生成した。qRT-PCR分析を、色素ベースの定量的PCRミックス(BioRad)を用いて行った。
図54B及び図54Cに示されるように、修飾環状RNAは、ルシフェラーゼ活性によって測定されるように翻訳された。図55A、図55B、及び図55Cに示されるように、環状RNAでトランスフェクトされたBJ細胞からの免疫関連遺伝子のqRT-PCRレベルは、非修飾環状RNAトランスフェクト細胞と比較して、MDA5、OAS及びIFN-βの発現の低下を示した。したがって、レシピエント細胞における免疫原性関連遺伝子の誘導は、非修飾環状RNAトランスフェクト細胞と比較して、修飾環状RNAでトランスフェクトされた細胞内で減少された。
実施例59:インビボで投与された環状RNAは、線状RNAと比較して、より長い半減期/増加した安定性を示した
この実施例は、環状RNAを送達する能力及びインビボの線状RNAと比較して、環状RNAの増加した安定性を実証する。
この実施例では、環状RNAを、ナノルシフェラーゼ(Nluc)をコードするORF及びスタガー配列(EMCV 2A 3XFLAG Nluc 2A no stop及びEMCV 2A 3XFLAG Nluc 2A stop)と共にEMCV IRESを含むように設計した。環状RNAをインビトロで生成した。
Balb/cマウスに環状RNAをNluc ORF又は対照としての線状RNAと共に静脈内(IV)尾静脈投与によって注入した。動物に、製造業者の説明に従い、脂質ベースのトランスフェクション試薬(Mirus)中で製剤化された単回用量の5μgのRNAを投与した。
マウスを殺処分し、肝臓を投与の3、4及び7日後の時点で採取した(n=2匹のマウス/時点)。肝臓を採取し、RNA安定化試薬(Invitrogen)中で貯蔵した。組織を、マイクロチューブホモジナイザ(Fisher scientific)を用いてRIPA緩衝液中で均質化し、RNAを、cDNA合成のためにフェノール系RNA抽出試薬を用いて抽出した。qPCRを用いて、肝臓中の線状及び環状RNAの両方の存在を測定した。
組織におけるRNA検出をqPCRによって行った。線状及び環状RNAを検出するために、Nluc ORFを増幅するプライマーを使用した。(F:AGATTTCGTTGGGGACTGGC、R:CACCGCTCAGGACAATCCTT)。環状RNAのみを検出するために、5’-3’接合物を増幅するプライマーは、線状RNA構築物ではなく環状RNA構築物の検出を可能にした(F:CTGGAGACGTGGAGGAGAAC、R:CCAAAAGACGGCAATATGGT)。
環状RNAは、注入の3、4-及び7日後の時点でマウスの肝臓中において線状RNAより高いレベルで検出された(図56)。したがって、環状RNAが投与され、投与後少なくとも7日間においてインビボで検出可能であった。
実施例60:環状RNAのインビボ発現、半減期及び非免疫原性
この実施例は、インビボで環状RNAから発現を駆動する能力を実証する。それは、線状RNAと比較して、環状RNAの増加した半減期を実証する。最後に、それは、環状RNAがインビボで低下した免疫効果を有することを実証する。
この実施例では、環状RNAは、CVB3 IRES、ガウシアルシフェラーゼ(GLuc)をコードするORF及びIRES-ORFに隣接する2つのスペーサー要素を含んでいた。
環状RNAをインビトロで生成した。上に列挙される全てのモチーフ並びに転写を駆動するT7 RNAポリメラーゼプロモータを含むDNA鋳型から非修飾線状RNAをインビトロで転写した。転写されたRNAを、RNAクリーンアップキット(New England Biolabs、T2050)を用いて精製し、製造業者の説明に従ってRNA5’-ホスホヒドロラーゼ(RppH)(New England Biolabs、M0356)で処理し、RNA精製カラムを用いて再度精製した。RppHで処理されたRNAを、スプリントDNA(GTCAACGGATTTTCCCAAGTCCGTAGCGTCTC)及びT4 RNAリガーゼ2(New England Biolabs、M0239)を用いて環状化した。環状RNAを尿素-PAGEで精製し、緩衝液(0.5Mの酢酸ナトリウム、0.1%のSDS、1mMのEDTA)で溶離させ、エタノールで沈殿させ、RNaseフリー水中で再懸濁させた。
マウスに、ガウシアルシフェラーゼORF又は対照としての線状RNAと共に2.5μgの環状RNAの単回の尾静脈注入投与を与え、これらの両方は、担体として脂質ベースのトランスフェクション試薬(Mirus)中で製剤化された。
投与の1、2、7、11、16及び23日後の時点で血液サンプル(50μl)を各マウスの尾静脈からEDTAチューブ中に採取した。血漿を4℃において1300gで25分間にわたって遠心分離によって単離し、ガウシアルシフェラーゼ、分泌酵素の活性を、ガウシアルシフェラーゼ活性アッセイ(Thermo Scientific Pierce)を用いて試験した。50μlの1X Gluc基質を5μlの血漿に加えて、Glucルシフェラーゼ活性アッセイを行った。プレートを、発光測定装置(Promega)において混合した直後に読み取った。
ガウシアルシフェラーゼ活性は、環状RNAの投与の1、2、7、11、16及び23日後の時点で血漿中において検出された(図57A及び図57B)。
対照的に、ガウシアルシフェラーゼ活性は、修飾線状RNAの投与の1及び2日後の時点でのみ血漿中で検出された。線状RNA由来タンパク質からの酵素活性は、6日又はそれを超える時点でバックグラウンドレベルを超えて検出されなかった(図57A及び図57B)。
16日目に肝臓を3匹の動物から切除し、全RNAを、フェノール系抽出試薬(Invitrogen)を用いて細胞から単離した。全RNA(500ng)を逆転写に供して、cDNAを生成した。qRT-PCR分析を、色素ベースの定量的PCRミックス(BioRad)を用いて行った。
図58に示されるように、線状RNAではなく環状RNAのqRT-PCRレベルは、16日目に肝臓及び脾臓の両方において検出された。図59に示されるように、線状RNAでトランスフェクトされた肝臓からの免疫関連遺伝子は、RIG-I、MDA5、IFN-B及びOASの増加した発現を示した一方、環状RNAでトランスフェクトされた肝臓は、16日目に、担体でトランスフェクトされた動物と比較して、これらのマーカーRIG-I、MDA5、PKR及びIFN-βの増加した発現を示さなかった。したがって、レシピエント細胞内における免疫原性関連遺伝子の誘導は、トランスフェクトされた肝臓からの環状RNA中に存在しなかった。
この実施例は、環状RNAが注入の複数日数後に血漿中のタンパク質活性のレベルを有して、長期間にわたってインビボでタンパク質を発現したことを実証する。マウス血漿中のガウシアルシフェラーゼの半減期が約20分間である場合(Tannous,Nat Protoc.,2009,4(4):582-591を参照されたい)、同様の活性レベルは、環状RNAからの連続した発現を示す。さらに、環状RNAは、免疫関連遺伝子を誘導せずに、その修飾線状RNA同等物より長い発現プロファイルを示した。
配列表
配列番号1(開始コドン)
AUG
配列番号2(GFP)
EGFP:
Figure 2022523794000020
配列番号3(スタガー要素)
P2A:gctactaacttcagcctgctgaagcaggctggcgacgtggaggagaaccctggacct
T2A:gagggcaggggaagtctactaacatgcggggacgtggaggaaaatcccggccca
E2A:cagtgtactaattatgctctcttgaaattggctggagatgttgagagcaacccaggtccc
その他:F2A、BmCPV2A、BmIFV2A
配列番号4 ZKSCANイントロン
Figure 2022523794000021
配列番号5(IRES)
IRES(EMCV):
Figure 2022523794000022
配列番号6(addgene p3.1ラッカーゼ)
pcDNA3.1(+)ラッカーゼ2 MCSエクソンベクター配列6926bp
Figure 2022523794000023
Figure 2022523794000024
Figure 2022523794000025
Figure 2022523794000026
配列番号8(RFP)
mCherry:
Figure 2022523794000027
配列番号9(リボスイッチ)
アプタザイム(テオフィリン依存性、Auslander 2010 Mol Biosysを参照されたい):
Figure 2022523794000028
配列番号10(ルシフェラーゼ)
nLuc:
Figure 2022523794000029
配列番号11
コザック3XFLAG-EGF nostop(264bp)
Figure 2022523794000030
5~13:コザック配列
14~262:3XFLAG-EGF
配列番号12
コザック3XFLAG-EGF stop(273bp)
Figure 2022523794000031
5~13:コザック配列
14~262:3XFLAG-EGF
263~271:三重終止コドン
配列番号13
コザック3XFLAG-EGF P2A nostop(330bp)
Figure 2022523794000032
5~13:コザック配列
14~262:3XFLAG-EGF
263~328:P2A
配列番号14
構築物コザック3XFLAG-EGF nostop(264bp)についてのスプリント
GGTGGCTCCCAGGCGCAGTT
配列番号15
構築物コザック3XFLAG-EGF stop(273bp)についてのスプリント
GGTGGCTCCCAGTTACTATC
配列番号16
構築物コザック3XFLAG-EGF P2A nostop(330bp)についてのスプリント
GGTGGCTCCCAGAGGTCCAG
配列番号17
コザック1XFLAG-EGF T2A 1XFLAG-Nluc P2A nostop(873bp)
Figure 2022523794000033
5~13:コザック配列
14~202:1XFLAG-EGF
203~265:T2A
266~805:1XFLAG-Nluc
806~871:P2A
配列番号18
コザック1XFLAG-EGF stop 1XFLAG-Nluc stop(762bp)
Figure 2022523794000034
5~13:コザック配列
14~202:1XFLAG-EGF
203~211:三重終止コドン
212~751:1XFLAG-Nluc
752~760:三重終止コドン
配列番号19
コザック3XFLAG-EGF P2A nostop(330bp)
Figure 2022523794000035
5~13:コザック配列
14~262:3XFLAG-EGF
263~328:P2A
配列番号20
コザック3XFLAG-EGF nostop(264bp)
Figure 2022523794000036
5~13:コザック配列
14~262:3XFLAG-EGF
配列番号21
コザック3XFLAG-EGF stop(273bp)
Figure 2022523794000037
5~13:コザック配列
14~262:3XFLAG-EGF
263~271:三重終止コドン
配列番号22
EMCV IRES T2A 3XFLAG-EGF P2A nostop(954bp)
Figure 2022523794000038
5~574:EMCV IRES
575~637:T2A
638~886:3XFALG-EGF
887~952:P2A
配列番号23
EMCV T2A 3XFLAG Nluc P2A stop(1314nt)
Figure 2022523794000039
5~574:EMCV IRES
575~637:T2A
638~1237:3XFLAG Nluc
1238~1303:P2A
1304~1312:三重終止コドン
配列番号24
EMCV T2A 3XFLAG Nluc P2A nostop(1305nt)
Figure 2022523794000040
5~574:EMCV IRES
575~637:T2A
638~1237:3XFLAG Nluc
1238~1303:P2A
配列番号25
コザック1XFLAG-EGF T2A 1XFLAG-NLuc P2A stop(882bp)
Figure 2022523794000041
5~13:コザック配列
14~202:1XFLAG-EGF
266~805:1XFLAG-NLuc
806~871:P2A
872~880:三重終止コドン
配列番号26
例示的な反復スペーサー配列
Figure 2022523794000042
配列番号27
pCDNA3.1/CATから鋳型を増幅するために実施例55に使用されるフォワードプライマー
CGCGGATCCTAATACGACTCACTATAGGGAGACCCAAGCTGGC
配列番号28
pCDNA3.1/CATから0.5kb鋳型を増幅するために実施例55に使用されるリバースプライマー
Figure 2022523794000043
配列番号29
pCDNA3.1/CATから1kb鋳型を増幅するために実施例55に使用されるリバースプライマー
Figure 2022523794000044
配列番号30
pCDNA3.1/CATから2kb鋳型を増幅するために実施例55に使用されるリバースプライマー
Figure 2022523794000045
配列番号31
pCDNA3.1/CATから4kb鋳型を増幅するために実施例55に使用されるリバースプライマー
Figure 2022523794000046
配列番号32
pCDNA3.1/CATから5kb鋳型を増幅するために実施例55に使用されるリバースプライマー
Figure 2022523794000047
配列番号33
pCDNA3.1/CATから6.2kb鋳型を増幅するために実施例55に使用されるリバースプライマー
Figure 2022523794000048
配列番号34
pCDNA3.1/CATから線状転写産物を検出するために実施例55に使用されるフォワードqPCRプライマー
ATTCTTGCCCGCCTGATGAA
配列番号35
pCDNA3.1/CATから線状転写産物を検出するために実施例55に使用されるリバースqPCRプライマー
TTGCTCATGGAAAACGGTGT
配列番号36
pCDNA3.1/CATから環状転写産物を検出するために実施例55に使用されるフォワードqPCRプライマー
TGATCCTGCACTATGGCACA
配列番号37
pCDNA3.1/CATから環状転写産物を検出するために実施例55に使用されるリバースqPCRプライマー
CTGGACTAGTGGATCCGAGC
配列番号38
ACTINを検出するために実施例56に使用されるフォワードプライマー配列
GACGAGGCCCAGAGCAAGAGAGG
配列番号39
ACTINを検出するために実施例56に使用されるリバースプライマー配列
GGTGTTGAAGGTCTCAAACATG
配列番号40
RIG-Iを検出するために実施例56に使用されるフォワードプライマー配列
TGTGGGCAATGTCATCAAAA
配列番号42
RIG-Iを検出するために実施例56に使用されるリバースプライマー配列
GAAGCACTTGCTACCTCTTGC
配列番号42
MDA5を検出するために実施例56に使用されるフォワードプライマー配列
GGCACCATGGGAAGTGATT
配列番号43
MDA5を検出するために実施例56に使用されるリバースプライマー配列
ATTTGGTAAGGCCTGAGCTG
配列番号44
PKRを検出するために実施例56に使用されるフォワードプライマー配列
TCGCTGGTATCACTCGTCTG
配列番号45
PKRを検出するために実施例56に使用されるリバースプライマー配列
GATTCTGAAGACCGCCAGAG
配列番号46
IFN-βを検出するために実施例56に使用されるフォワードプライマー配列
CTCTCCTGTTGTGCTTCTCC
配列番号47
IFN-βを検出するために実施例56に使用されるリバースプライマー配列
GTCAAAGTTCATCCTGTCCTTG。
配列番号48
EMCV T2A 3XFLAG-GFP F2A 3XFALG-Nluc P2A IS
Figure 2022523794000049
Figure 2022523794000050
配列番号49
EMCV T2A 3XFLAG-GFP F2A 3XFALG-Nluc P2A IS
Figure 2022523794000051
Figure 2022523794000052
配列番号50
URE
UCAUAAUCAAUUUAUUAUUUUCUUUUAUUUUAUUCACAUAAUUUUGUUUUU
配列番号51
CSE
AUUUUGUUUUUAACAUUUC
配列番号52
URE/CSE
Figure 2022523794000053
配列番号53
CVB3-GLuc-STOP-URE
Figure 2022523794000054
配列番号54
CVB3-GLuc-STOP-URE/CSE
Figure 2022523794000055
配列番号55
実施例54に使用される相補的プライマー
CACCGCTCAGGACAATCCTT
配列番号56
CVB3 IRES
Figure 2022523794000056
配列番号57
Gluc
Figure 2022523794000057
配列番号58
終止突然変異を有するEMCV IRES
Figure 2022523794000058
配列番号59
スペーサー1
Figure 2022523794000059
スペーサー2
Figure 2022523794000060
配列番号60
Figure 2022523794000061
実施例5に使用されるガウシアルシフェラーゼDNA鋳型
Figure 2022523794000062
実施例5に使用されるEMCV IRES
Figure 2022523794000063
実施例4に使用されるガウシアルシフェラーゼORF
Figure 2022523794000064
実施例4に使用されるEMCV IRES
Figure 2022523794000065

Claims (40)

  1. 医薬組成物を作製する方法であって、
    a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;
    b)前記線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を得る工程と;
    c)前記製剤中に残っている線状ポリリボヌクレオチド分子を実質的に除去するように、前記製剤を処理する工程と;
    d)任意選択的に、前記処理工程後に残っている前記製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;
    e)前記製剤をさらに処理して、医薬用途のための前記医薬組成物を生成する工程と
    を含む方法。
  2. 工程d)のさらなる処理は、
    f)デオキシリボヌクレオチド分子を実質的に除去するように、前記製剤を処理する工程と;
    g)前記製剤中のデオキシリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;
    h)医薬品賦形剤により前記製剤を製剤化する工程と;
    i)前記製剤を濃縮する工程と;
    j)前記製剤中のデオキシリボヌクレオチド分子の量を、印刷又はデジタルメディアに記録する工程と
    のうちの1つ以上を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 工程d)のさらなる処理は、
    f)タンパク質汚染を実質的に除去するように、前記製剤を処理する工程と;
    g)前記製剤中のタンパク質汚染の量を評価する工程と;
    h)医薬品賦形剤により前記製剤を製剤化する工程と;
    i)前記製剤を濃縮する工程と
    のうちの1つ以上を含む、請求項1又は請求項2に記載の方法。
  4. 工程d)のさらなる処理は、
    f)エンドトキシンを実質的に除去するように、前記製剤を処理する工程と;
    g)前記製剤中のエンドトキシンの量を評価する工程と;
    h)医薬品賦形剤により前記製剤を製剤化する工程と;
    i)前記製剤を濃縮する工程と
    のうちの1つ以上を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記環状化工程は、スプリントライゲーションによって行われる、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記線状ポリリボヌクレオチド分子は、前記環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子同等物、前記環状ポリリボヌクレオチド分子の線状ポリリボヌクレオチド分子非同等物、又はそれらの組合せを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記タンパク質汚染は、酵素を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記医薬組成物は、前記製剤中の全リボヌクレオチド分子の20%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記医薬組成物は、前記製剤中の全リボヌクレオチド分子の10%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 環状ポリリボヌクレオチド分子、及び医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の5%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子を含む、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤。
  11. 前記医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の2%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子を含む、請求項10に記載の医薬製剤。
  12. 前記医薬製剤は、
    (i)リムルス変形細胞溶解物試験によって測定した際に、10EU/kg未満のエンドトキシンを含むか、又はエンドトキシンを含まず;及び/又は
    (ii)滅菌前に、100CFU/100ml未満又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含み;及び/又は
    (iii)滅菌医薬製剤であり、例えば、無菌状態で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援し;及び/又は
    (iv)USP<71>の標準を満たし;及び/又は
    (v)USP<85>の標準を満たし;及び/又は
    (vi)最終的な薬剤製品の中間の医薬製剤であり;及び/又は
    (vii)対象への投与のための最終的な薬剤製品であり;及び/又は
    (viii)少なくとも0.1ng/mLの前記環状ポリリボヌクレオチド分子の濃度を含み;及び/又は
    (ix)約9%(w/w)、8%(w/w)、7%(w/w)、6%(w/w)、5%(w/w)、4%(w/w)、3%(w/w)、2%(w/w)、1%(w/w)、若しくは0.5%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子を含み;及び/又は
    (x)細胞タンパク質、細胞デオキシリボ核酸、酵素、試薬成分、ゲル成分、若しくはクロマトグラフィー材料から選択されるプロセス関連不純物を実質的に含まず;及び/又は
    (xi)精製前と比較して、精製後に、免疫又は炎症反応の減少したレベルの1つ以上のマーカーを有し、例えば、免疫又は炎症反応の前記1つ以上のマーカーは、(a)サイトカイン若しくは免疫原性関連遺伝子;及び/又は(b)RIG-I、MDA5、PKR、IFN-β、OAS、及びOASLからなる群から選択される遺伝子の発現である、請求項10又は請求項11に記載の医薬製剤。
  13. 前記環状ポリリボヌクレオチド分子は、少なくとも1つの発現配列の3’末端に、1つ以上の発現配列及びスタガー要素を含む、請求項10~12のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  14. 前記医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の少なくとも80%(w/w)は、環状ポリリボヌクレオチド分子である、請求項10~13のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  15. 前記医薬製剤は、前記製剤中の全リボヌクレオチド分子の20%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む、請求項10~14のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  16. 医薬品原薬を作製する方法であって、
    a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;
    b)前記複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;
    c)前記製剤中に残っている線状ポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;
    d)前記製剤が、前記製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の前記製剤を医薬品原薬として処理する工程と
    を含む方法。
  17. 医薬品製品を作製する方法であって、
    a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;
    b)前記複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;
    c)前記製剤中の線状ポリリボヌクレオチド分子の量を測定する工程と;
    d)前記製剤が、前記製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の前記製剤を医薬品製品として製剤化する工程と;
    e)それが、前記医薬品製品中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、前記医薬品製品にラベルを付け、出荷する工程と
    を含む方法。
  18. 前記環状化工程は、スプリントライゲーションによって行われる、請求項16又は請求項17に記載の方法。
  19. 環状ポリリボヌクレオチド分子の前記製剤を製剤化する工程は、環状ポリリボヌクレオチド分子の前記製剤を、医薬品賦形剤と組み合わせることを含む、請求項16~18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記製剤中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量についての前記参照基準は、
    (i)医薬品放出規格;又は
    (ii)1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、600ng/ml、1μg/ml、10μg/ml、50μg/ml、100μg/ml、200g/ml、300μg/ml、400μg/ml、500μg/ml、600μg/ml、700μg/ml、800μg/ml、900μg/ml、1mg/ml、1.5mg/ml、若しくは2mg/ml以下の線状ポリリボヌクレオチド分子の存在;又は
    (iii)顕微鏡法、分光測色法、蛍光分析法、変性尿素ポリアクリルアミドゲル電気泳動イメージング、UV-Vis分光測色法、RNA電気泳動、又はRNAse H分析によって測定した際に、特定の量以下(例えば、測定した際に検出不能なレベル又は検出限界未満のレベル)の線状ポリリボヌクレオチド分子の存在
    であり;
    及び任意選択的に、前記医薬製剤は、前記環状ポリリボヌクレオチド分子の配列、例えば、参照環状ポリリボヌクレオチド配列に対する少なくとも80%(例えば、85%、90%、95%、97%、99%、100%)の配列同一性を有する配列について参照基準をさらに満たす、請求項16~19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記医薬品製品又は医薬品原薬は、
    (i)少なくとも0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、60μg/mL、70μg/mL、80μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、300μg/mL、500μg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、100mg/mL、200mg/mL、若しくは500mg/mLの環状ポリリボヌクレオチド分子の濃度;又は
    (ii)前記医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、若しくは99%(w/w)の環状ポリリボヌクレオチド分子
    を含む、請求項16~20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、少なくとも30%(w/w)、40%(w/w)、50%(w/w)、60%(w/w)、70%(w/w)、80%(w/w)、85%(w/w)、90%(w/w)、91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)、又は99%(w/w)の環状ポリリボヌクレオチド分子は、顕微鏡法、分光測色法、蛍光分析法、変性尿素ポリアクリルアミドゲル電気泳動イメージング、UV-Vis分光測色法、RNA電気泳動、RNAse H分析、UV分光学的若しくは蛍光検出器、光散乱技術、HPLCを含む分離の方法の使用を用いるか若しくは用いない表面プラズモン共鳴(SPR)、分離前若しくは分離後の誘導体化方法を用いた若しくは用いないチップ若しくはゲルベースの電気泳動、線状ポリリボヌクレオチド分子の検出のために銀若しくは色素染色若しくは放射性崩壊を使用する検出方法の使用、又は顕微鏡法、視覚法若しくは分光光度計を用いる方法によって測定される、請求項21に記載の方法。
  23. 前記医薬品製品又は医薬品原薬は、
    (i)リムルス変形細胞溶解物試験によって測定した際に、10EU/kg未満のエンドトキシンを含むか、又はエンドトキシンを含まず;及び/又は
    (ii)滅菌前に、100CFU/100ml未満又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含み;及び/又は
    (iii)滅菌薬剤製品又は滅菌原薬であり、任意選択的に、無菌状態で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援し;及び/又は
    (iv)USP<71>の標準を満たし;及び/又は
    (v)USP<85>の標準を満たし;及び/又は
    (vi)分光光度計によって測定した際に約1.6~2.3のA260/A280吸光度比を含む、請求項16~22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記環状ポリリボヌクレオチド分子は、少なくとも1つの発現配列の3’末端に、1つ以上の発現配列及びスタガー要素を含む、請求項16~23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記製剤は、
    (i)前記製剤中に存在するデオキシリボヌクレオチド分子の量について、例えば、1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、又は500ng/ml、1000μg/mL、5000μg/mL、10,000μg/mL、又は100,000μg/mL以下のデオキシリボヌクレオチド分子の存在であり;及び/又は
    (ii)前記製剤中に存在するタンパク質汚染の量について、例えば、前記環状ポリリボヌクレオチド分子のミリグラム(mg)当たり、0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、若しくは500ng未満のタンパク質汚染のタンパク質汚染の存在である、参照基準をさらに満たす、請求項16~24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の少なくとも91%(w/w)、92%(w/w)、93%(w/w)、94%(w/w)、95%(w/w)、96%(w/w)、97%(w/w)、98%(w/w)又は99%(w/w)は、環状ポリリボヌクレオチド分子である、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤。
  27. 医薬製剤中の全リボヌクレオチド分子の0.5%(w/w)、1%(w/w)、2%(w/w)又は5%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子を含む、環状ポリリボヌクレオチド分子の医薬製剤。
  28. 前記医薬製剤は、
    (i)リムルス変形細胞溶解物試験によって測定した際に、10EU/kg未満のエンドトキシンを含むか、又はエンドトキシンを含まず;及び/又は
    (ii)滅菌前に、100CFU/100ml未満又は10CFU/100ml未満のバイオバーデンを含み;及び/又は
    (iii)滅菌医薬製剤であり、例えば、無菌状態で試験した際に、100未満の生存微生物の増殖を支援し;及び/又は
    (iv)USP<71>の標準を満たし;及び/又は
    (v)USP<85>の標準を満たし;及び/又は
    (vi)最終的な薬剤製品の中間の医薬製剤であり;及び/又は
    (vii)対象への投与のための最終的な薬剤製品であり;及び/又は
    (viii)少なくとも0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、0.1μg/mL、0.5μg/mL、1μg/mL、2μg/mL、5μg/mL、10μg/mL、20μg/mL、30μg/mL、40μg/mL、50μg/mL、60μg/mL、70μg/mL、80μg/mL、100μg/mL、200μg/mL、300μg/mL、500μg/mL、1mg/mL、2mg/mL、3mg/mL、5mg/mL、10mg/mL、100mg/mL、200mg/mL、若しくは500mg/mLの環状ポリリボヌクレオチド分子の濃度を含み;及び/又は
    (ix)1ng/ml、5ng/ml、10ng/ml、15ng/ml、20ng/ml、25ng/ml、30ng/ml、35ng/ml、40ng/ml、50ng/ml、60ng/ml、70ng/ml、80ng/ml、90ng/ml、100ng/ml、200ng/ml、300ng/ml、400ng/ml、500ng/ml、1000μg/mL、5000μg/mL、10,000μg/mL、若しくは100,000μg/mL以下のデオキシリボヌクレオチド分子を含み;及び/又は
    (x)前記環状ポリリボヌクレオチド分子のミリグラム(mg)当たり、0.1ng、1ng、5ng、10ng、15ng、20ng、25ng、30ng、35ng、40ng、50ng、60ng、70ng、80ng、90ng、100ng、200ng、300ng、400ng、若しくは500ng未満のタンパク質汚染のタンパク質汚染(例えば酵素)を含み;及び/又は
    (xi)分光光度計によって測定した際に約1.6~2.3のA260/A280吸光度比を含み;
    (xii)細胞タンパク質、細胞デオキシリボ核酸、酵素、試薬成分、ゲル成分、又はクロマトグラフィー材料から選択されるプロセス関連不純物を実質的に含まず;及び/又は
    (xiii)精製前と比較して、精製後に、免疫又は炎症反応の減少したレベルの1つ以上のマーカーを有する、請求項26又は請求項27に記載の医薬製剤。
  29. 前記環状ポリリボヌクレオチド分子は、
    (i)疑似らせん構造を含み;及び/又は
    (ii)疑似二本鎖二次構造を含み;及び/又は
    (iii)少なくとも1つの発現配列の3’末端に、1つ以上の発現配列及びスタガー要素を含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の医薬製剤。
  30. 環状ポリリボヌクレオチドを、対象又は対象の細胞若しくは組織に送達する方法であって、請求項10~15及び26~29のいずれか一項に記載の医薬製剤、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物、請求項16及び18~25のいずれか一項に記載の医薬品原薬、又は請求項17~25のいずれか一項に記載の医薬品製品を、前記対象の細胞又は組織に投与する工程を含み、ここで、前記環状ポリリボヌクレオチド又は前記環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物は、前記投与工程後、少なくとも3日間にわたって、前記細胞、組織、又は対象において検出される、方法。
  31. (i)前記投与工程前に、前記細胞、組織又は対象中の前記環状ポリリボヌクレオチド又は前記環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物の存在を評価する工程;及び/又は
    (ii)前記投与工程後に、前記細胞、組織又は対象中の前記環状ポリリボヌクレオチド又は前記環状ポリリボヌクレオチドから翻訳された産物の存在を評価する工程
    をさらに含む、請求項30に記載の方法。
  32. (i)請求項10~15及び26~29のいずれか一項に記載の医薬製剤、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物、請求項16及び18~25のいずれか一項に記載の医薬品原薬、又は請求項17~25のいずれか一項に記載の医薬品製品、及び(ii)非経口で許容される希釈剤を含む非経口核酸送達系。
  33. 環状ポリリボヌクレオチドを対象に送達する方法であって、それを必要とする対象に、請求項10~15及び26~29のいずれか一項に記載の医薬製剤、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物、請求項16及び18~25のいずれか一項に記載の医薬品原薬、又は請求項17~25のいずれか一項に記載の医薬品製品を、それを必要とする対象に非経口的に投与する工程を含む方法。
  34. 環状ポリリボヌクレオチドを、対象の細胞又は組織に送達する方法であって、前記細胞又は組織に、請求項10~15及び26~29のいずれか一項に記載の医薬製剤、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物、請求項16及び18~25のいずれか一項に記載の医薬品原薬、又は請求項17~25のいずれか一項に記載の医薬品製品を非経口的に投与する工程を含む方法。
  35. 請求項10~15及び26~29のいずれか一項に記載の医薬製剤、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物、請求項16及び18~25のいずれか一項に記載の医薬品原薬、又は請求項17~25のいずれか一項に記載の医薬品製品は、担体を含む、請求項33又は34に記載の方法。
  36. 請求項10~15及び26~29のいずれか一項に記載の医薬製剤、請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物、請求項16及び18~25のいずれか一項に記載の医薬品原薬、又は請求項17~25のいずれか一項に記載の医薬品製品は、希釈剤を含み、任意の担体を含まない、請求項32に記載の非経口核酸送達系、又は請求項34又は35に記載の方法。
  37. 非経口投与は、静脈内に、筋肉内に、眼内に又は局所的に行われる、請求項33~36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 医薬品原薬を作製する方法であって、
    a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;
    b)前記複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;
    c)前記製剤中に残っている線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量を評価する工程と;
    d)前記製剤が、前記製剤中に存在する線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の前記製剤を医薬品原薬として処理する工程と
    を含む方法。
  39. 医薬品製品を作製する方法であって、
    a)複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を提供する工程と;
    b)前記複数の線状ポリリボヌクレオチド分子を環状化して、環状ポリリボヌクレオチド分子の製剤を提供する工程と;
    c)前記製剤中の線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量を測定する工程と;
    d)前記製剤が、前記製剤中に存在する線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、環状ポリリボヌクレオチド分子の前記製剤を医薬品製品として製剤化する工程と;
    e)それが、前記医薬品製品中に存在する線状ポリリボヌクレオチド分子の量について、参照基準を満たす場合、前記医薬品製品にラベルを付け、出荷する工程と
    を含む方法。
  40. 前記製剤中に存在する線状及び/又はニックポリリボヌクレオチド分子の量についての前記参照基準は、
    (a)前記製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、20%、15%、10%、5%、2%、1%、若しくは0.5%(w/w)以下の線状ポリリボヌクレオチド分子;
    (b)前記製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、若しくは0.1%(w/w)以下のニックポリリボヌクレオチド分子;又は
    (c)前記製剤中の全リボヌクレオチド分子に対して、20%、15%、10%、5%、2%、1%、若しくは0.5%(w/w)以下の組み合わされた線状及びニックポリリボヌクレオチド分子
    から選択される、請求項38又は39に記載の方法。
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