JP3330930B2 - Rnaの機能を阻害するための遺伝子単位 - Google Patents

Rnaの機能を阻害するための遺伝子単位

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明はRNAとの相互作用によるRNAの特異的阻害に関
する。
例えば調節解除された発ガン遺伝子またはウィルス遺
伝子の治療的阻止を達成するための、オリゴヌクレオチ
ドによる遺伝子の特異的阻害はかかる相補RNAもしくはD
NA、いわゆるアンチセンス(非転写)オリゴヌクレオチ
ドの、mRNA類、プロセシング信号もしくはプレーmRNA類
とハイブリッドして遺伝子からタンパク質への情報の伝
達を中断する能力に基づいている。
アンチセンスDNAの使用は形成されたハイブリッドのR
NAseH−切断による相補標的RNAの分解、ひいては相補RN
Aの不可逆的破壊に帰結する。
アンチセンスRNAを用いる場合には翻訳またはプロセ
シングのいわゆるハイブリッドアレスト(抑止)(arre
st)が起こり、RNA/RNAハイブリッドが構造的障害物を
形成する。かかるハイブリッドは細胞中に蓄積すると考
えられるが、それらのその後の運命についてはこれまで
調査されていない。現時点で知られる限りでは、この機
構は可逆的出来事であると大いに考えられる。アンチセ
ンスRNA分子の使用は、これらの分子を生体外で合成し
細胞に導入することもできるし、それらをコード化する
遺伝子を該阻害性RNAが細胞内で産生され得るよう細胞
に導入することもできるという利点を有している。しか
しながら、これまで何人もかかる遺伝子を、細胞内で有
効量のアンチセンスRNAを生産することを可能にする形
態にすることに成功しなかった。
ごく最近、RNA阻害剤の第3の原理が発見され生体外
使用に利用できるようになった。この原理はRNA分子、
いわゆるリボザイムの特定のRNA配列を認識し、それら
に結合し、それらを切断する能力に基に基づいている。
それは生体外で観察された、植物バイロイド中のRNA分
子、及びサテライトRNAの自触切断反応から導かれた。
リボザイムによって触媒されるRNA切断のための特定
の構造上の必要性に基づき、ある一定の標的配列にイン
トランスに(in trans)指向したエンドヌクレアーゼ
活性を有するデノボ(de novo)リボザイムを構築する
ことが今や可能である。
これらのリボザイム(それらの中でもっとも入念に研
究したのはそれらの構造に由来してハンマー頭リボザイ
ムとして知られているものである)は多くの異なる配列
に作用できるので、対応するリボザイムは事実上いずれ
のRNA基質に対しても「測定するように」ことができ
る。このことはリボザイムを興味あるもとし、また特異
的遺伝子を阻害するための極端に柔軟性がある道具に
し、その結果それらは可能性ある治療用途をすでに実証
しているアンチセンス構築物への約束された代替物とな
る。
一般的に知られこれまでもっとも十分に研究された1
つのリボザイムモデルは3つの構造上の領域(domain
s)を有する。このモデルに基づき、CAT−mRNAに対する
リボザイムがすでに成的裏に構築された(Haseloffら、
1988;Uhlenbeckら、1987)。
3つの領域は以下のものよりなる: a) 5′方向における切断部位の側面に位置する(fl
anking)ヌクレオチドの高度に維持された(conserve
d)領域。これは通常配列GUGを意味する。もっともGUA
またはGUUにおける修飾も実質上減少しない切断活性を
示した。配列CUCの後でも切断が認められ、またより少
ない程度でAUC及びUUCに対しても切断が認められた(有
効な切断のための必要は未だ十分に説明されていない) b) 一種の塩基対ステムを形成する、リボザイムの天
然に存在する切断領域に含まれる高度に維持された配列 c) 両側の切断部位の側面に位置し(flank)、切断
部位及び基質と酵素の密着(cohesion)に関するリボザ
イムの正確な配列を確保する領域(これまでに行われた
実験では各側に8つの塩基が選択された)。
このモデルに従ってRNA酵素を構築することができ、
これらはRNA配列の有効かつ特異的切断に対し生体外で
適していることがすでに証明ささている(Haseloffら、
1988)。
ごく最近標的RNA阻害に用いることができるさらなる
型の自触RNA切断活性が発見された。これらのモデルの
1つはいわゆるヘアピンリボザイムであり、その活性部
位はタバコリングスポットウィルス(tabacco ring spo
t uirus)のサテライトRNAのマイナス鎖に由来する(Ha
mpel及びTritz、1989)。他の自己切断RNA活性は肝炎δ
ウィルス(Kuoら、1988;Sharmeenら、1988;Wuら、198
9)及びRNAseP(Altmanら、1988)に関与する。
本発明の研究に先行した実験はアンチセンスRNA、ア
ンチセンスDNA及びリボザイムの活性を比較するのに役
立った。これらの実験はSnRNP U7−依存性ヒストン−pr
e RNA−プロセシング反応を用いてU7依存性ヒストン−p
re RNA−(Mowryら、1987、Soldatiら、1988)を有する
生体外系で行った。アンチセンスRNAがもっとも有能な
阻害剤であり、その阻害は可逆的であることが見い出さ
れた。アンチセンスDNA及びハンマー頭型リボザイムの
阻害作用は不可逆的であり、同じ程度の大きさであり、
総阻害を達成するのに基質RNAに対し約1000倍過剰をそ
れぞれ必要とした。
以前のテストはタンパク質フリーの系で裸のRNAを有
するリボザイムを用いて行われたのに対し、本発明につ
いての予備テストは、特異的配列に指向した合成生産さ
れたリボザイムがタンパク質を含有する培地でも切断活
性を示すことを実証する最初の実験であった。この事実
は生体内における可能性ある使用の最初の指示を提供し
た。
特異的遺伝子の発現を阻害するリボザイムの使用にお
ける制限的因子の1つは特異的生物反応を有効に妨げる
のに十分なリボザイム濃度の集積である。この理由はア
ンチセンスRNAの使用の場合と同様他の物の中でのRNAの
不十分な安全性である。
本発明の目的はmRNAの生体内阻害剤として、有効濃度
の利用し得る阻害RNAを細胞内で生産することによっ
て、前記RNAの使用の場合における制限を打破するmRNA
を用いる系を提供することであった。
この目的は本発明により、ポリメラーゼIIIによる転
写に必要な転写ユニット、及びRNA機能を阻害するRNAを
コード化するDNAであって、その阻害性RNAがポリメラー
ゼIII転写物の一部であるように遺伝子単位内に配置さ
れているDNAを含有する遺伝子ユニットによって達成さ
れる。
この問題の解決のための出発点として役立った考え
は、RNAそのものを輸入することに比較し、阻害性RNAを
生産する遺伝子を導入することによってRNAのかなりの
増幅が確保され、その結果生物反応を阻害するのに十分
なRNAの供給がなされるという事実である。
阻害性RNAは目的とするいずれかのリボザイムまたは
別のmRNA阻害性RNA、例えばアンチセンスRNAであること
ができる。理論的には、ウィルスまたはウィルスのベク
ター例えばレトロウィルスを用いてRNAまたはそれをコ
ード化するDNA配列の有効な輸送を行うことができる。
しかしながら、この系はいくつかの重大な欠点、例え
ば内因性ウィルスの起動(mobilization)、内因性ウィ
ルスとの組換え、組込みによる内因性遺伝子の活性化、
宿主生物及び組織型に関する制限を有する。
対照的にこれらの欠点を有しないキャリアー(carrie
r)遺伝子が本発明によって製造される。
本発明の範囲内でRNA遺伝子に対するキャリアー遺伝
子として提案される遺伝子は以下の利点を有する:それ
らはコンパクトな構造を有し、より容易に細胞内に輸送
され、サイズがより小さく、高い転写率(transcriptio
n ratc)を有し、それらの発現に際し特異的組織に制限
されずに遍在的に、すなわち、事実上すべての型の細胞
内で発現される。
ポリメラーゼIII遺伝子のさらなる利点は非常に強力
な転写終結信号の存在である。これによって近傍の細胞
遺伝子が望ましくなく活性化される可能性が減じられ
る。
ポリメラーゼIIIによって転写される遺伝子は以下の
特徴を有する:それらは上流にその遺伝子の前にプロモ
ーターが存在していないので、その遺伝子の中に存在す
る遺伝子である(Geiduschekら、1988)。ポリメラーゼ
IIIの結合に必須のこれらの内部制御領域は不連続な構
造を有する。それらは転写因子による認識に必須の2つ
のいわゆるボックス(Aボックス及びBボックス)、及
びその長さが重要である中間遺伝子区域(section)よ
りなる(Hofstetterら、1981)。この配列の長さはtRNA
遺伝子の場合31〜74塩基対である。
ポリメラーゼIIIによって転写されるこれらの遺伝子
の例は、tRNA遺伝子、5S−RNA及びいくつかの他の小核
及び細胞質RNA遺伝子:7SK、7SL、M、U6及び4,5SRNA、
のみならずアデノウィルス遺伝子VA1及びVA2(Geidusch
ekら、1988)である。これらの遺伝子に共通なことはそ
れらの減じられた大きさ、コンパクトな構造、高転写率
及び不偏的転写である。
驚くべきことに、本発明の遺伝子単位(geneticuni
t)の使用によってそれらの活性に関する有効性の減少
を受けることなく阻害性RNAの増加した安定性を達成す
ることができることが見い出された。
ポリメラーゼIIIによって特異的に認識されるプロモ
ーターがアンチセンスRNAの合成を導くのに適している
ことがJennings及びMolloy、1987によってすでに示され
ている。この目的のために、プロモーターを含有する、
VAl遺伝子のXba I/BamHl断片を、ポリメラーゼIIのプロ
モーターを用いた場合の通常の原理に対応する、アンチ
センスDNAの前の5′方向にクローン化した。ポリメラ
ーゼII転写物と比較して短い転写物を得る努力がなされ
た。この転写物は、一重鎖エキソヌクレアーゼによる消
化から末端を保護するために可能な末端の塩基対合をつ
くる唯一のわずかな修飾を有している。
特異的なポリメラーゼIII遺伝子のプロモーター配列
のみを用いる(30位と73位の間の配列、野性型VA1遺伝
子は+160〜+200位のターミネーター配列まで広がって
いる)この示唆と対照的に、本発明によると転写物の二
次構造を決定するポリメラーゼIIIの配列を阻害性RNA配
列を安定化するのに活用するために制御された方法で付
け加えて使用する。上述の提案と対照的に、阻害性RNA
をコード化する遺伝子配列は本発明によって「遺伝子カ
セット」を得るようにポリメラーゼIIIによって転写さ
れる遺伝子内部に配列される。さらに本発明で用いられ
るキャリアー遺伝子はウィルスVA1遺伝子と異なり無毒
である。
ポリメラーゼIIIによって転写される遺伝子は本発明
の範囲内で柔軟に用いることができる。RNA阻害性配列
についてのキャリアー遺伝子としてのそれらの機能に関
し、天然遺伝子または構築中の人工遺伝子を選択しまた
は修飾する場合以下の基準を考慮すべきである: 1) A及Bボックスが高度に維持されている 2) Bボックスの下流5〜7T残基の区域は転写を終結
させる任を負う 3) A及びBボックスの間の距離は随意に大きくする
ことはできない。最大間隔は現今では約90bpと考えられ
ている。
4) ある系では5′フランキング(flanking)配列は
転写に影響を与える。
5) 完全なアンチコドンステム領域は転写を安定にす
る任を負うという徴候がある。
tRNA遺伝子は本発明の遺伝子単位の生産のためのキャ
リアー遺伝子として特に適している。これらの遺伝子に
よってコード化されているRNA類も、そのクローバー葉
構造により阻害性RNAを安定化するのに特に適している
と考えられる。これらの遺伝子を用いて、A及びBボッ
クスの間に阻害性RNAをコード化する配列を挿入するこ
とによってコンパクトなRNA生産性遺伝子単位を生産す
ることができる(第1図はtRNAリボザイム遺伝子の図式
的表示を示す)。
アンチコドンステム及びA及びBブロックの間に位置
するループ領域にApa I制限部位を有する開示メチオニ
ンtRNA(すべての高等真核生物の開始メチオニンtRNAは
アンチコドンループ中にこの制限部位を有する)を用い
て本発明範囲内の実験を行った。
A及びBボックスの間に位置する領域に加え、ポリメ
ラーゼIIIの転写活性及び転写の安定性が維持されるこ
とを確保する注意がなされる限り、キャリアーDNA配列
(tRNA遺伝子または他のポリメラーゼIII遺伝子)内の
他の挿入部位も可能である。
しかしながら、理論的には、本発明による遺伝子単位
はすべてのtRNAを用いて生産することができ、必要に応
じ、適当な制限部位を構築し、ついでその中に、阻害性
RNAをコード化する配列を挿入する。唯一の条件は、遺
伝子の転写率(transcription ratc)または得られるtR
NAの安定性に影響を与えるアンチコドン塩基領域におい
ては塩基交換は許されないことである(Folkら、198
3)。さらに、60bpより大なる挿入物は転写を引き起こ
す(effect)可能性があることを心に刻むべきである
(Cillibertoら、1982)。
適当なキャリアー遺伝子の選択に際しては、同じ種の
tRNA遺伝子またはポリメラーゼIIIによって転写される
有毒でない他の遺伝子を用いることが基本的に望まし
い。
本発明の範囲内の実験はリボザイム配列を正常tRNA遺
伝子に導入することによって行われた。この遺伝子によ
って転写されるtRNAリボザイムが本来細胞質に存在する
としても、例えば核特異的RNA類、例えばsnRNP粒からの
それら、を阻害するためには、核中にtRNAリボザイムも
しくはtRNAリボザイムもしくはtRNAアンチセンスRNAを
局在させることが特異的適用のために望ましく、また核
に優先的に局在する変異体、例えばZasloffら、1982及
びZasloff、1983に記述された単一塩基交換(a single
base exchange)を有するmet i tRNA遺伝子を用いるこ
とができる。
本発明による遺伝子単位は例えば以下の如くして調製
できる: ポリメラーゼIIIによって転写され、細菌プラスミド
上に含有される遺伝子、例えばtRNA遺伝子のコピーを挿
入のために提供される部位、例えばA及びBブロックの
間で適当な制限酵素で切断し、阻害性RNAをコード化す
る、常法によって生産された二本鎖DNAをその中に連結
する。適当な宿主生物をそれによって形質転換し、選択
し、複製し、増幅したプラスミドDNAを得る。プラスミ
ドを本発明の遺伝子単位の存在についてチェックする。
これは制限消化もしくは配列分析によってまたはプラス
ミドDNAの機能内生体外転写物を検出することによって
なすことができる。
かくして得られる遺伝子単位は環状プラスミドの形態
において、またはプラスミドから切り出され、ポリメラ
ーゼIIIによる転写に必要なすべての情報を含有する遺
伝子単位の形態において用いることができる。
選ばれる特定の形態は一般に使用分野、及び遺伝子単
位を細胞に導入するのに選択される輸送系による。
本発明の遺伝子単位は多重コピー(該遺伝子単位が、
阻害性挿入物は同じであっても異なっていても、次々と
配列されているタンデム構造)として存在していてもよ
い。
この種のタンデムの転写は個々の単位に含まれるプロ
モーター及び終結信号により別個のRNA単位を生ずる。
個々の単位のお互いの方向性も、断片の完全な転写単位
として存在するという性質により、無関係である。かか
るタンデムを製造する場合には阻害単位をコード化する
領域の多重結合コピー(multimeric copies)を含有す
るプラスミドを用いる。
多重結合tRNAリボザイム遺伝子を含有するベクターは
例えば実施例1に記述したerbB切断シリーズから出発し
て、個々の断片をT4RNAリガーゼで連結してポリマーを
生産し、同義遺伝子(the polymeric genes)を適当な
プラスミドベクターの対応する制限部位に再クローン化
することにより生産できる。かかるタンデムの生産は好
ましくは200〜350bpである本発明の小さなサイズの単位
によって可能になる。アンチセンスRNA類またはリボザ
イドの多重結合複合体の製造後この種のタンデム阻害剤
を用いて阻害剤セットの有効性を1つの実験でテストで
きる。例えば、5〜10のリボザイムの混合物をこの方法
を用いて細胞系に導入できる。混合物の成果として阻害
が生じたら、個々のリボザイムをその活性についてテス
トできる。阻害される標的RNA配列を選択する基準が完
全には研究されていない事実により、このことは特に有
利である。
良い標的配列は例えば、二次構造を有さない領域、切
断信号の近くの領域、開始コドンに続く領域、特異的タ
ンパク質に対する結合部位(例えばsnRNA分子におけるs
n結合部位)を有しない領域を含有する。特にタンデム
形態における本発明を用いて、これらの標的配列に関す
る、ひいてはそれらを有効に阻害するためのある結論に
至ることができる。
生物プロセスを不活性化するためにRNA例えばウィル
スRNAをいくつかの部位で切断する必要性がある場合に
もタンデム単位の使用は有利である。例えばかなり多く
の数の異なるリボザイムを構築し、それらをコード化す
るDNA配列を有する遺伝子単位類を含有するベクターを
細胞に導入することにより、多重切断を行うことができ
る。これらの配列が転写されると、リボザイム単位類が
対応する標的配列に加えられ、効果としてmRNAは断片に
分解される。
特異的適用における満足すべき結果を達成するために
低分子量リボザイムを大量必要とする場合、例えばトラ
ンスフェリン−ポリカチオン輸送系を用いる場合に、多
重結合コピーを用いることができる。遺伝子単位の多重
結合コピーを運び、このリボザイムをコード化するDNA
配列を含有するプラスミドはかつてそうであったものの
多重性に対する収率(the yield to a multiple of wha
t it was)を増加することによって断片生産を改善す
る。
種々の型のRNAに指向する阻害性RNA類を同時に生産す
ることが望まれる場合にもタンデム単位は有利に用いら
れる。
本発明をアンチセンスRNAに適用する場合、tRNA遺伝
子の場合に挿入物の大きさを制限する注意をしなければ
ならない。有効な転写のための大きさの程度は約60bpで
ある。従って、より大きなアンチセンスRNA構築物を用
いる場合には、より長い配列を転写する観点からより大
きな容量を有する、ポリメラーゼIIIによって転写され
る他の遺伝子を考慮すべきである。
本発明の範囲内で用いられるキャリアー遺伝子は、そ
れらがポリメラーゼIIIによる転写に必要な転写単位を
有するという条件を満足する限り、合成的に生産しても
よい。かかる合成遺伝子の使用は以下の利点をもたら
す: a) かかる遺伝子はアミノアシルシンセターゼ及びリ
ボソームによって認識されず、結果としてその範囲(th
e circle)の翻訳機構による妨害を回避できる。
b) 合成構築物を作出する(create)ことによって、
天然遺伝子によって得られるよりも大きな安定性とより
高い転写率を有する阻害性RNAを生産する可能性があ
る。
c) 合成配列の作出によりクローニングプロセスをよ
り柔軟性に富ませることができる。
本発明の範囲内で、キャリアーtDNA分子のアンチコド
ン塩基領域を長くすることによってリボザイム−tRNA分
子の安定性を増加できることが確立された。5塩基対を
有する野性型tRNA遺伝子のアンチコドン塩基領域を合計
で9塩基対まで延ばすことによって、短くされた野性型
tRNA遺伝子と比較して6倍多くの転写を得ることができ
ることが実証されたが、このことは結果得られる安定性
及び複写性(processability)の増加に帰すことができ
る。
tRNA−リボザイム遺伝子またはtRNAアンチセンス遺伝
子の形態にある本発明の遺伝子単位の安定性における増
加は阻害性RNA機能をコード化するDNA配列がイントロン
(リボザイムの場合)「リブイントロン」(ribintron
s)として知られる)の部分として存在する場合にも達
成することができる。出発時点の前提は天然に存在する
イントロンはtRNAプレカーサーの二次構造を変化しない
こと及びtRNAイントロンは配列保存(sequence conseru
ation)を示さないことであったが、結果としてイント
ロンの部分としてリボザイムまたはアンチセンス配列を
要求することによって得られるtRNAプレカーサー内の構
造変化は最小になり安定性は最大になる。
tRNAプレカーサー分子のスプライシングがが徐々にし
か行われない、本発明で使用するtry tRNA遺伝子によっ
て、「イブイントロン」配列を含有するtDNA分子を用い
ることによってリブtRNAの活性を有効に増加させること
ができることを実証することができる。ついで細胞質に
局在するRNAにより強力な攻撃を加えることができる。
この系はエキソヌクレアーゼによる劣化に対する「リブ
イントロン」の安定性を増加させるための適当な構造要
素を移入する単純な方法を提供する。これは例えば追加
の塩基対合によってまたはリボザイム配列に隣接するよ
り大きなヘアピン領域によって達成できる。この種の修
飾にあたってはイントロンのスプライシングに必要な構
造を維持することを確保しなければならない。
天然イントロン配列は、オリゴヌクレオチドのクロー
ニングを可能にするために適当な制限切断部位を挿入す
ることによって修飾でき、またそれらが天然に存在する
遺伝子に含有されていない場合には追加の安定構造特徴
を利用するためにアンチコドントリプレットとの塩基対
合を可能にするヌクレオチドを挿入することによって修
飾できる。
イントロンの構成成分としてのリボザイムの発現はtR
NAの二次構造における劣化を本質的には伴わなず、従っ
て生成した転写物は高濃度で蓄積され正しく加工される
ことが本発明の範囲内で示された。プロセシング中に放
出されたイントロンが十分に安定でないことが分った場
合にはエキソヌクレアーゼ劣化に対する安定性を増加さ
せる適当な構造的特徴を提供できる。
本発明の遺伝子単位を細胞中に導入するのにいくつか
の方法を用いることができる: 組織培養細胞にDNAを挿入する標準的方法はDNAとリン
酸カルシウムの間の共沈殿の生成を利用する(Graham
ら、1973)。沈殿を細胞に加えと、細胞はあるいは飲作
用プロセスによってある量取り込む。同様の方法は正に
荷電した物質、DEAEデキストランを用いるが、それによ
りDNAの細胞による吸収が容易になる。エレクトロポレ
ーション(electroporation)によって細胞内にDNAを導
入するための方法も開発された(これらの方法では脈動
する電場(a pulsating electrical field)によって孔
が一時的に形成される(Langridgeら、1987、Frommら、
1987)。大きな細胞(Kressmannら、1980)及び組織培
養細胞(Perpperkokら、1988)への導入のためのマイク
ロインジエクション技術も用いることができる。しかし
ながら、これらの方法は実験室や生体外適用に対してし
か適していない。最近、DNAと自発的にリポソームを形
成しDNAが細胞中に運ばれるのを容易にする合成カチオ
ン性ペプチド(DOTMA)が開発された(Felgnerら、198
7)。すでに述べたごとく、理論的にはレトロウィルス
ベクターも遺伝物質の移送に適している(Stewartら、1
986、1987)が、これらの系はすでに述べた欠点を有し
ている。
別の輸送機構は輸送媒体(vchicle)として「安全化
した」毒素の使用に基づく。
これまで用いられた輸送方法はすべて十分な阻害性核
酸を細胞中に運搬できないという欠点を有する。本発明
の助けによって分子の小型化及びコンパクトな性質によ
り今や輸送容量に関し活性阻害単位数を増加させること
が可能となった。本発明の遺伝子単位の小サイズ及びコ
ンパクトな構造により、わずかな修飾、例えばコレステ
ロール、親油性対イオンもしくは核局在ペプチドとの複
合化後でも輸送系を必要としない。
本発明の範囲内において好ましくは受容体媒介細胞内
取込みを用いる可溶系(soluble systom)を輸送のため
に用いる。トランスフェリン−ポリカチオン複合体を本
発明の遺伝子単位と複合化することが特に好ましい。得
られる複合体は事実上すべての増殖する細胞上に存在す
るトランスフェリン受容体によって取り込まれる。
本発明の適用分野は多岐に亘る:例えば、本発明の遺
伝子単位の存在によりウィルス、例えば口蹄疫ウィル
ス、ニューキャッスル病ウィルス、ウシ乳頭腫ウィル
ス、仮性狂犬病または感染性胃腸炎に対し細胞内免疫を
有するトランスジェニック(transgenic)動物を生産で
きる。また、例えばジャガイモウィルスPUXに対する細
胞内免疫もトランスジェニック動物において生じさせ得
る。
さらにHIVもしくは関連レトロウィルス等の病原性ウ
ィルスに指向したリボザイムまたはアンチセンスRNAを
これらのウィルス病原体と闘うために用いるべく、本発
明の遺伝子単位を体細胞にも導入することができる。
使用の別の分野は発ガン遺伝子または細胞の増殖及び
/または分化を制御する他のキー遺伝子に相補性を有す
るRNA構築物の使用による遺伝子治療(gene therapy)
にある。かかる適用においては本発明の助力によって有
効に達成することができ、またそれによって例えばプロ
ト発ガン遺伝子(protooncogene)と発ガン遺伝子転写
物とを区別できる、RNA阻害の高い特異性がある重要性
を獲得する。
さらに好ましい特性をもたらすために植物または動物
中の特異的遺伝子の発現を防ぐように本発明の遺伝子単
位を用いることができる。
また、望ましくない遺伝子産物の生産、例えばアルツ
ハイマー病において生成する主たるプラークタンパク質
または自己免疫病を引き起こすタンパク質の生産を抑制
して病気と闘うためにRNAの阻害効果を用いることもで
きる。
RNAと相互作用する調節タンパク質がRNAの添加によっ
て除去されると考えられる場合にも本発明を適用するこ
とができる。
本発明はまた本発明の遺伝子単位を活性成分として、
あるいは凍結した物質の形態で含有する医薬製剤も包含
する。その使用は上に具体的に記述した適応症の範囲を
カバーする。
本発明の範囲内で行われた実験を用いて、tRNAリボザ
イム遺伝子の転写活性を実証することが可能であった。
これを行うため、snRNA U7配列に対して指向した53bp
長のリボザイムをコード化するDNA配列を、開始メチオ
ニンtDNAのAボックスとBボックスの間のApa I制限部
位(Aボックス及びBボックスはポリメラーゼの2つの
認識配列である。転写はAボックスの15bp上流で始まり
Bボックスの下流のオリゴT配列で終わる)に挿入する
ことによってtDNAリボザイム遺伝子構築物を調製した。
この遺伝子のマイクロインジェクション後、転写を検出
した。tRNA/リボザイムハイブリッドの濃度は共注入さ
れた(co−injected)野性型tRNA遺伝子によって生産さ
れたtRNAの濃度の10〜20%であった。
tRNAリボザイム遺伝子から生体外で合成したRNA分子
は標的RNAを認識された(envisaged)部位で切断する。
tRNA構造のリボザイム配列への付加はリボザイム活性を
阻止しない。卵母細胞に注入した遺伝子から合成された
tRNAリボザイム分子も認識された部位でかつ付加tRNA構
造なしに生体外で合成されたリボザイムと同様の有効性
で標的RNAを切断する。このことはtRNAリボザイムの生
体内合成及びプロセシングがリボザイムの活性を妨害す
る修飾によって伴われないことを証明している。
本発明の範囲内でリボザイムの活性がはじめて生体内
で検出された。これをなすため、tDNA/リボザイム遺伝
子を放射標識したGTPと共に卵母細胞の核に注入した。
リボザイムの合成のために行われた8時間の培養後、卵
母細胞の細胞質に放射標識した基質RNA(U7 RNA)を注
入した。さらに2時間後、卵母細胞から核酸を取り出し
た。リボザイム合成が起こった卵母細胞では残存基質RN
Aが検出されなかった。対照的に、tDNA/リボザイム遺伝
子を注入しなかった卵母細胞、または該遺伝子が核に達
しなかった卵母細胞では基質RNAは安定であった。
本発明の範囲内で本発明のtDNAリボザイムが発ガン遺
伝子の形質転換作用を阻害することができることも実証
することができる。erb B発ガン遺伝子で形質転換した
赤血球系ひよこ細胞を用いて、erb B発現の阻害の結果
として生じた赤血球における細胞の分化によってtRNAリ
ボザイムの活性を検出した。
本発明の遺伝子単位の効能はまた、ウィルスに対して
(あるいはいくつかの領域に対して)、例えば乳頭腫ウ
ィルスに対して指向した本発明の遺伝子単位の使用後、
マウス細胞の感染、例えばポリオーマ感染に対する抵抗
性を観察することによってもテストできる。
実施例1 tRNAリボザイム遺伝子の構築 a)pST18met1の構築 pBR322中にクローン化された284bpEcoR I断片〔Hinf
I H−G断片(Hofstetterら、1981、Tellford et al.19
76)〕上に存在する、アフリカツメガエルのメチオニン
イニシエーター1−tRNAをpBR322ベクターのEcoR I消化
によって単離し、ゲル電気泳動(2%アガロース/TBE)
によって精製し、細菌プラスミドpSPT18(ベーリンガー
マンハイム)のEcoR I部位にプラスミドをSP6ポリメラ
ーゼで転写したときにセンス(sense)−tRNA転写産物
が得られるように連結した。マニアティス(Maniatis)
に記述された標準的クローニング法をこの目的のために
用いた。pSPT18におけるtRNA遺伝子の再クローニングの
主な利点はこのプラスミドにおける対立する(opposin
g)SP6及びT7−RNAポリメラーゼプロモーターの存在に
ある。従って生体外転写によってtRNAリボザイム配列ま
たは相補配列(Meltonら、1984)を含有する特異的RNA
転写産物を得ることが可能である。これらの転写産物は
RNA分子の切断活性をテストするために、または「RNase
保護マッピング」(RNase Protcition Mapping)によっ
て、tRNAリボザイムを発現する細胞抽出物中のtRNAリボ
ザイムの存在を検出するために有用である。
b) tRNAリボザイム遺伝子の構築 pSPT18met1のtRNA遺伝子をアンチコドンステム及びル
ープ領域(第2図参照)における唯一のApa I部位で切
断した。この図はtRNAリボザイムをコード化する配列を
含有するプラスミドを示す。pSPT18met1はクセノパス・
レヴィスイニシエーターtRNA遺伝子を運搬する284bpEco
R I断片を含有する。これがpSPT18のポリリンカーのEco
R I部位にクローン化されたG−H断片(Hofstetter
ら、1981)である。U7snRNA(CD33及びerb B−mRNAの2
つの配列(ES13、ES53))に対して指向したリボザイム
をコード化する相補オリゴヌクレオチドを示す。ここで
用いられたクローニング方法はtRNA遺伝子中のApa I部
位の突出末端の除去に立ちかえった。リボザイム及び標
的RNAに相補的な領域(auti−U7、auti−erb B)をコー
ド化する挿入物の部分に印を付し、A及びBボックス、
5T残基の区域(終結信号)及び転写開始部位も同様にし
た。このプラスミドはColE I複製開始点、及びアンピシ
リン抵抗マーカー及びT7のためのプロモーター及びSP6
−RNAポリメラーゼを含有する。
標的mRNAに相補的な配列によって側面に位置された
(flanked)バイロイド切断配列(Haseloffら、1988)
をコードする二本鎖合成DNAオリゴヌクレオチドを生産
するため、標準的方法(Applied Biosystems DNA合成装
置)に従ってまず一本鎖オリゴヌクレオチドを生産し
た。相補オリゴヌクレオチドをホスホリル化し、アニー
ル化し、標準的方法(マニアティス)を用いてApa I切
断pSPT18met1プラスミド中に連結した。連結混合物を用
いてE.コリHP101を形質転換し、新規プラスミドを含有
する細菌クローンを単離し、細菌プラスミド上の活性リ
ボザイム配列の存在を2つの方法で確認した。
1) クローン化したDNAプラスミドの生体外 SP6転写から生じるRNA分子をリボザイムについての標
的配列を含有する放射標識したRNAと共にインキュベー
トし、標的RNAの特異的切断についてテストした(第4
図参照)。
2) 挿入部位によるジデオキシDNA配列決定によって
正しく挿入されたDNA配列の存在を確認した。
第4図はtRNAリボザイムの生体外リボザイム活性を示
す。erB切断tRNAリボザイムES13及びES53を運搬するプ
ラスミドDNA分子をPvu IIで消化し、SP6−RNAポリメラ
ーゼで転写した。この転写により、tRNAリボザイム配
列、及び加えて側面に位置するアフリカツメガエル配列
及び側面に位置する細菌プラスミド配列(第2図参照)
に源を発する5′及び3′フランキング(flanking)配
列を含有する230ヌクレオチド長のRNA分子が生じた。リ
ボザイム転写産物を、開始コドンを含有するerb B−mRN
Aの領域を有するRNA分子20,000cpm(20fM)と共にイン
キュベートした。RNA分子はES13及びES53(第3図参
照)のための標的配列を有している。リボザイム+標的
RNAを10mM MgCl2、20mMトリス−HCl(pH7.5)及び150mM
NaClの存在下37℃で2時間インキュベートした後、EDT
Aを15mMの濃度に加え、サンプルを乾燥し、80%ホルム
アミド/TBEに溶解し、95℃に30秒加熱し、9.5%アクリ
ルアミド/8.3M尿素/TBEゲル上で分離した。電気泳動
後、標識したRNA分子をオートラジオグラフィーで検出
した。
トレース(Trace)M:分子量マーカー;PBR 322DNA、Hpa
IIで切断し、DNAポリメラーゼのクレノー断片を用いて
α32 P CTP(マニアティス)で放射標識した。分子量マ
ーカーをゲルに適用し95℃で3分加熱する直前に80%ホ
ルムアミド/TBEに溶解した。いくつかの断片の分子量
(ヌクレオチドによる)を左に示す。
トレース1:インキュベーションなしのerb B標的mRNA(2
0,000cpm、20fM) トレース3:リボザイムなしにMgCl2と共に37℃でインキ
ュベートしたerb B標的mRNA(20,000cpm、20fM)。
トレース4:ES13−RNA(1fM)と共にインキュベートした
erb B標的mRNA(20,000cpm、20fM)。
トレース5:ES53−RNAと共にインキュベートしたerb B標
的mRNA(20,000cpm、20fM)。
図の右側にerb B標的mRNA及び両分断反応の5′及び
3′切断産物の分子量(ヌクレオチドによる)を示す
(第3図も参照)。
第3図はリボザイムと標的RNAとの間の相補製を示す:
U7snRNA(Cottenら、1988)に対するCD33(A)、ES13
(C)及びerb BmRNA(Venustromら、1980)の配列に対
するES53(B)。
tRNAリボザイムのtRNA部分は明確さのため示していな
い。リボザイムについての切断部位は印を付してあり、
erbB−mRNAの開始コドンも同様である。
実施例2 アフリカツメガエル卵母細胞中でのtRNAリボザイム転写 アフリカツメガエル卵母細胞中にマイクロインジェク
トしたtRNAリボザイム遺伝子の転写をKressmannら197
8、Hofstetterら1981、Kressmannら1980においてtRNAに
ついて記述した方法を用いて行った。以下の操作を用い
た: HCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)で刺激したアダ
ルトXenopus haeuis(雌性)から第4期(Stage IV)
卵母細胞を得た。核を卵母細胞の縁にもってくるため卵
母細胞を短い間遠心分離した。スーパーコイルプラスミ
ドDNA0.3μg/μ(実施例1によるtRNAリボザイム遺伝
子を含有)及び32P−GTP2μCi/μを含有する溶液約50
μを各核に注射した。20℃で5〜8時間のインキュベ
ーション後、個々の注射した卵母細胞を1%SDS、1mg/m
プロテイナーゼK、300mM NaCl、20mMトリス(pH
8)、20mM EDTA(400μ/卵母細胞)中37℃で45分消
化し、ついでフェノールで1回及びフェノール/クロロ
ホルムで1回抽出し、エタノールで沈殿させた。集めた
エタノール沈殿を80%ホルムアミド/TBEに溶解し、それ
らを変性するため95℃に短い間加熱し、10%アクリルア
ミド/8.3M尿素/TBEゲル上の電気泳動によって分離し、
オートラジオグラフィーで視覚化した。tRNAリボザイム
遺伝子を用いるすべての実験において注射溶液はtRNAリ
ボザイム遺伝子の濃度の1/6の濃度で野性型metRNA遺伝
子を含有していた。TBE緩衝液(トリス、ホウ酸塩、EDT
A)はマニアティスに記述された指示に従って調製し
た。
これらの実験の結果を第5図に示す。
トレースm:分子量マーカー:第4図の通り。いくつかの
断片の分子量(ヌクレオチドによる)の図の左側に示
す。
トレース1、2、3:met−tRNA遺伝子及びmet−tRNAリボ
ザイム遺伝子metribo 33を注射した各卵母細胞の核酸 図の右側にmet tRNA(met、77ヌクレオチド長)及びt
RNAリボザイム(metribo、128ヌクレオチド長)の位置
を示す。
実施例3 卵母細胞から合成したtRNAリボザイムの活性のtRNA配列
を含有しない生体外合成リボザイムとの比較による決定 U7に対して指向した、マイクロインジェクトした卵母
細胞中で合成されたtRNAリボザイムを電気泳動を用いる
分離によって得、オートラジオグラフィーによって視覚
化し、ポリアクリルアミドゲルから切り出し、エッペン
ドルフハイブレーター(Eppendorf Vibrator)を用いる
HEP〔ハイデルベルグ(Heidelberg)抽出緩衝液:0.75M
酢酸アンモニウム、10mM酢酸マグネシウム、1%(v/
v)フェノール、0.1%(w/v)SDS、0.1mM EDTA〕中一
夜のインキュベーションによって溶出した。溶出したRN
Aをフェノール/クロロホルムで1回、クロロホルムで
1回抽出し、キャリアーとしての10μgE.コリtRNAの存
在下エタノールで沈殿させた。沈殿を取り、特異的活性
(Kressmanら、1982)に対する値を用いる32P標識のセ
レンコフ(Cerenkov)計測によって定量的に測定した。
tRNAのリボザイムのサンプルをU7配列(10,000cpm/サン
プル10fM+標準量の非標識U7−RNA)を含有する32P−標
識RNAと共に、150mM NaCl、10mM MgCl2及び20mMトリス
HCl(pH7.5)の存在下37℃で2時間インキュベートし
た。EDTAの15mMまでの添加によって反応を停止し、サン
プルを乾燥し、80%ホルムアミド/TBEに溶解し、95℃で
30秒加熱し、予熱した9.5%アクリルアミド/8.3M尿素/T
BEゲル上で分離した。放射標識した型のRNAをゴーズ博
士(Dr.Goos)の「特別」増感フィルム(“special"int
ensifying film)を用いる−80℃でのオートラジオグラ
フィーによって視覚化した。
CD33(第2図参照)の挿入物を含有するプラスミドの
T7ポリメラーゼ転写によってリボザイムCD32を得、pSPT
19(ベーリンガー・マンハイム)のHind III/sal I部位
中にクローン化した。この転写産物はベクター配列の短
い区画が側面に位置した。リボザイム配列+U7に相補的
な配列しか含有しない。tRNAの二次構造、及びリボザイ
ム活性上での生体内合成及び修飾の影響を評価するため
に、卵母細胞で合成したtRNAリボザイムCD33の切断活性
との比較として、このリボザイムの切断活性を用いた。
両リボザイム共(CD32及びCD33)U7配列(94ヌクレオチ
ド長)を含有するRNAを25ヌクレオチドを有する5′切
断産物及び69ヌクレオチドを有する3′切断産物に切断
することが見い出された。これらの実験の結果を第6図
に示す。
トレースm:第5図に類似した分子量マーカー トレース1:リボザイムなしにインキュベートしたU7−RN
A(10,000cpm、10fM) トレース2:卵母細胞で合成したtRNAリボザイムCD33 10
fMと共にインキュベートしたU7−RNA(10,000cpm、10f
M) トレース3:卵母細胞で合成したtRNAリボザイムCD33 10
fMと共にインキュベートしたU7−RNA(10,000cpm、1P
M) トレース4:T7ポリメラーゼを用いて生体外で合成したリ
ボザイムCD32 10fMと共にインキュベートしたU7−RNA
(10,000cpm、100fM) トレース5:T7ポリメラーゼを用いて生体外で合成したリ
ボザイムCD32 1fMと共にインキュベートしたU7−RNA
(10,000cpm、100fM) 実施例4 卵母細胞中のリボザイム基質の切断の測定32P−GTP、
抗U7−tRNAリボザイム遺伝子及びmet−tRNA遺伝子の混
合物を卵母細胞核に注入した。転写が起こるように、注
射した卵母細胞を実施例2に記述した如くして20℃で8
時間インキュベートした。ついで放射標識したU7−RNA
(50μ、100,000cpm/μ、100fM/μ)を卵母細胞
の細胞質に注入した。卵母細胞をついで2時間インキュ
ベートした。個々の卵母細胞核酸の調製及びゲル電気泳
動によるその分離を上記したと同様にして行った。
これらの実験の結果を第7図に示す。
トレースm:第5図に示した分子量マーカー トレース1:met及びmetribo遺伝子を注入した卵母細胞か
らの核酸 トレース2及び3:met及びmetriboを注入し、ついでU7−
RNAを注入した卵母細胞 トレース4及び5:U7−RNAのみを注入した卵母細胞 トレース6:注入に用いられた1既知少量の(1oliquot)
のU7−RNA トレース7:150mM NaCl、10mM MgCl2及び20mMトリス−
HCl、pH7.5の存在下リボザイムCD32(10fM)と共に37℃
で2時間インキュベートしたU7−RNA(10fM) ゲル状態(couditions)なので、3′切断産物(69ヌ
クレオチド)のみ示す。
実施例5 ヒヨコ細胞中のtRNAリボザイムの転写活性 tRNAリボザイム遺伝子を含有するプラスミドDNA分子
を、遺伝子の転写活性を測定するため、ヒヨコ細胞に導
入した。tRNAリボザイム遺伝子(アフリカツメガエルの
tRNA遺伝子から誘導)がヒヨコ細胞中で有効に転写され
ることが示された。以下の操作を用いた:106初期(prim
ary)ヒヨコ胚繊維芽細胞(Zenkeら、1988)を核10mc皿
中に標準的方法を用いて接種し(besecded out)、一夜
増殖させた。翌朝、リン酸カルシウム共沈殿法(Graham
ら、1973)を用いて各皿を10μgのプラスミドDNA(erb
B−カット(cut)13またはerb Bカット53を含有)でト
ランスフェクトした。細胞をその沈殿に一夜さらし、翌
朝新鮮培地で2回洗浄し、新鮮培地中でさらに48時間イ
ンキュベートした。ついで培地を除去し、細胞をPK/SDS
緩衝液(上記参照)に取り、核酸を回収した。ついでtR
NAリボザイム転写産物の存在を検出するため、核酸を32
P標識したアンチセンスerbBカット13もしくはerbBカッ
ト53RNAプローブを用いるRNAse保護マッピングに供し
た。乾燥したエタノール沈殿に標識したRNA(サンプル
あたり10,000cpm/10fM アンチセンスRNA)を加え、サ
ンプルを再び乾燥し、80%脱イオン化ホルムアミド、40
0mM NaCl、20mM PIPES(pH6.5)、10mM EDTAの10μ
に溶解した。サンプルに無菌パラフィン油を塗布し、95
℃に3分加熱し、45℃の水浴に急いで移し、一夜インキ
ュベートした。翌朝、急速で注意深い攪拌下に氷冷した
NaCl0.3m(300mM)、トリス30mM(pH7.5)、EDTA 1m
M、RNAseA0.05mg/m及びRNase T1 80units/mを加え
た。サンプルを周囲温度で45分インキュベートした。プ
ロテイナーゼK及びSDSをそれぞれ1mg/m及び0.5%に
なるように加え、インキュベーションを周囲温度でつい
で56℃で各場合につき20分続けた。tRNA10μgの添加後
サンプルをエタノールで抽出した。得られた沈殿を80%
ホルムアミド/TBEに取り、予熱した9.5%アクリルアミ
ド/8.3M尿素/TBEゲル上で分離した。この実験の結果を
第8図に示す。
トレースm:前の実施例と同様な分子量マーカー トレース1:E.コリtRNA(10μg)でハイブリッドしたア
ンチセンスES13プローブ トレース2:E.コリtRNAでハイブリッドしたアンチセンス
ES53プローブ トレース3及び4:ES13プローブでハイブリッドしたプラ
スミドDNAでトランスフェクトしなかった10,000及び10
0,000細胞の核酸のマッピング トレース5及び6:ES13プローブとハイブリッドさせた、
ES13でトランスフェクトさせた10,000及び100,000細胞
の核酸のマッピング トレース7及び8:ES53プローブとハイブリッドさせた、
ES53でトランスフェクトした10,000及び100,000細胞の
核酸のマッピング 実施例6 v−erb Bで形質転換した赤芽球中にポリリジン−ト
ランスフェリン複合体を用いて導入したtDNAリボザイム
遺伝子によるVerb B発ガン遺伝子の活性の弱まり この実施例を用いて、erb B発ガン遺伝子に対して指
向したtDNAリボザイムがポリリジン−トランスフェリン
複合体によってerb Bで形質転換した赤芽球に導入さ
れ、該発ガン遺伝子の形質転換活性を弱めることができ
ることを示すことが可能であった。
予備テスト1 トランスフェリン−ポリリジン複合体の調製 文献公知の方法〔G.Jung,W.Khnlein及びG.Lders,
Biochem.Biophys.Res.Commun,101(1981)、599〕に従
って、サクシンイミジルピリジルジチオプロピオネート
による修飾後にジスルフィド橋を導入することによって
カップリングを行った。
ピリジルジチオプロピオネートで修飾したトランスフェ
リン1: セファデックスG−25上でゲル濾過したトランスフェ
リン〔ヒヨコアルブミンから、シグマ(sigma)、コン
アルブミン−タイプI、鉄フリー〕120mg(1.5μmol)
の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.8)中の溶液6m
をサクシンイミジルピリジルジチオプロピオネート(SP
DP、ファーマシア)の15mMエタノール溶液200μと振
蘯下に混合し、混合物を時折攪拌しつつ周囲温度で1時
間反応させた。低分子反応生成物及び痕跡の試薬をゲル
カラム(セファデックスG−25、14×180mM、0.1Mリン
酸ナトリウム緩衝液pH7.8)によって除き、生産物画分7
mを得た。トランスフェリンに結合したピリジルジチ
オプロピオネート残基の含量をジチオスレイトールによ
る還流後の1既知少量を用いる放出ピリジン−2−チオ
ン量の測光測定によって測定したところ、約2.6μmolに
達していた。
メルカプトプロピオネートで修飾したポリリジン2: 0.1Mリン酸ナトリウム(pH7.8)3m中臭化水素酸ポ
リ(L)リジン(シグマ、フルオレスセインイソチオシ
アネート(=FITC)標識、分子量約18,000平均重合度約
90に相当)18mg(約1.0μmol)の溶液をセファデックス
G−25で濾過した。ポリリジン溶液を水で7mに希釈
し、SPDPの15mMエタノール溶液270μを振蘯下に加
え、混合物を暗条件中時折の振蘯下周囲温度で1時間反
応させた。1M酢酸ナトリウム緩衝液(pH5.0)0.5mを
添加後、混合物をセファデックスG−25上で濾過して低
分子量物質を分離した(溶出剤:20mM酢酸ナトリウム緩
衝液pH0.5)。生産物画分(ニンヒドリンで染色、螢
光)を真空蒸発で濃縮し、緩衝液でpH約7に調整し、水
200μ中ジチオスレイトール23mg(150μmol)の溶液
を加え、混合物を暗条件下アルゴン雰囲気中周囲温度で
1時間静置した。過剰の還元剤をさらなるゲル濾過(セ
ファデックスG−25、14×130mMカラム、10mM酢酸ナト
リウム緩衝液pH5.0)で除去し、エルマン(Ellman's)
試薬、5,5′−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)を用
いて3.8molのメルカプト基(測光測定)を含有する螢光
標識ポリリジンの生産物溶液3.5mを得た。
トランスフェリン−ポリリジン複合体3: 上述の如くして得られた修飾トランスフェリン1の溶
液(0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液pH7.8、ピリジルジチ
オプロピオネート残基約2.5μmolを有する約1.5μmolの
トランスフェリン)をアルゴンですすいだ。メルカプト
修飾ポリリジン2の上記溶液2.0m(10Mm酢酸ナトリウ
ム緩衝液pH5.0、約2.2μmolのメルカプト基を有する約
0.6μmolのポリリジンに相当)を加え、混合物をアルゴ
ンですすぎ、振蘯し、暗条件中アルゴン下周囲温度で18
時間反応させた。反応混合物を水で14mに希釈し、イ
オン交換クロマトグラフィー(ファーマシアモノSカラ
ムHR10/10、グラジェント溶出、緩衝液A:50mM HEPES p
H7.9、緩衝液B:A+3M塩化ナトリウム、0.5m/min)で
分離した。非複合化トランスフェリンが最初に溶出し、
生産物画分は約0.66−1.5M塩化ナトリウムで溶出した。
複合化生産物(ニンヒドリン染色、280nmUVでのタンパ
ク質吸収及び螢光)を6画分で集めたが、各々約10mgの
トランスフェリンを含有していた。まず各画分を100mM
クエン酸鉄(II)溶液(重炭酸ナトリウムでpH7.8に調
整)に対して透析し、ついでさらに2回1mM HEPES緩衝
液(pH7.5)に対し透析した。2−メルカプトエタノー
ルで前処理した場合のドデシル硫酸ナトリウムゲル電気
泳動(10%SDS、8%ポリアクリルアミド)は6つの画
分のすべてで大略同じトランスフェリン含量を示したの
に対し、非還元サンプルでは遊離トランスフェリンにつ
いてのバンドは認識できず、より少なく広くに範囲する
(less uide ranging)複合体に対してのみであった。
予備テスト2 生存細胞におけるトランスフェリン−ポリリジン複合体
の輸送 予備テストに記述したトランスフェリン−ポリリジン
複合体が生存赤芽球に効率よく取り込まれることを示す
ため、これらの複合体をFITCで標識した。トランスフェ
リンが予め除去された赤芽球と共のある時間のインキュ
ベーション後の細胞内の小胞内でFITC標識トランスフェ
リンを検出できることが知られている(Schmidtら、198
6)(螢光顕微鏡下の検査)。
本実施例では、赤芽球(EGF受容体レトロウィルス、K
ahazaieら、1988で形質転換)をトランスフェリンフリ
ー分化培地(Zonkeら、1988での組成)中37℃で18時間
インキュベートした(細胞濃度1.5×106/m)。種々の
トランスフェリン−ポリリジン複合体(またはコントロ
ールとして対応量の無菌2回蒸留水)の添加後、細胞を
10μg/mのEGF(形質転換状態の維持のため)の存在下
37℃でインキュベートした。24及び48時間後、約5×10
5細胞を取り出し、リン酸塩緩衝化生理食塩水(PBS、pH
7.2)中で1回洗浄し、50倍容量のPBS中の3.7%ホルム
アルデヒト及び0.02%のグルタルアルデヒドの混合物で
固定し(40℃、10分)、PBSで1回洗浄し、エルバノー
ル(Elvanol)中に包埋し、螢光顕微鏡〔ザイス・アキ
シオフォット(Zeiss Axiophot)、狭いバンドのFITC及
びTRITC励起)下に検査した。同時に細胞の増殖速度を
他の既知少量の種々の混合物中で測定した。
100μの細胞懸濁液を取り、Leutzら、1984に記述さ
れたようにして3H−チミジン(8μCi/m、2時間)の
移入を測定した。第10図はトランスフェリン−ポリリジ
ンでインキュベートした赤芽球が24時間後に2〜10個の
強く螢光を発する小胞を有するが、かかる小胞はコント
ロールでは検出できないことを示す。表Aは画分6を除
きすべての複合体が事実上すべての細胞によって吸収さ
れたことを示す。
すべてのサンプルにおいて細胞が同程度に早く増殖す
る事実(トリチウム化したチミジン(3H TdR)の移入
によって測定;表A)はポリリジン構築物によって細胞
が損傷されないこと、及び結果として非特異的取込み
(例えば透過性になった細胞膜を通しての取込み)を除
外できる(be ruled out)ことを示している。
予備実験3 ヒヨコ赤芽球の生体外誘起成熟化による赤血球の生成
においてポリリジン−トランスフェリン構築物は機能的
に在来トランスフェリン−イオン複合体にとって代わる
ことができる。
この実験の目的はここで用いたトランスフェリン−ポ
リリジン複合体が細胞在来トランスフェリンによって用
いられ得ること、すなわちそれらが同様の効率で正常ト
ランスフェリン回路を通る(pass through)ことができ
ることを示すことであった。形質転換性発ガン遺伝子を
「スイッチオフにする」ことによって正常赤血球に誘導
成熟化できる赤芽球がこの目的のためのテスト系として
特に適している(Beugら、1982)。この文献はかかる細
胞が正常な成熟のために高い濃度のトランスフェリン−
鉄複合体を必要とすることを示している(100〜200μg/
m、3倍低い濃度は細胞の成熟を防止し、数日後に細
胞は死に至る)(Kowenzら、1986)。再循環、すなわち
トランスフェリン受容体の再使用及び従って最適速度で
進行するトランスフェリン回路が正常な生体外分化に必
須であることも示されている(Schmidtら、1986)。
赤芽球(EGF受容体レトロウィルスによって形質転換
した)をEGFの除去と最適量の部分精製ヒヨコエリスロ
ポエチン(Kowenzら、1986、トランスフェリンフリー)
の添加により誘導分化した。インキュベーションをトラ
ンスフェリンフリー分化培地中1×106/mの細胞濃度
下42℃、5%CO2で行った。インキュベーション開始時
に在来トランスフェリン−鉄複合体(シグマ100μg/m
)か鉄飽和トランスフェリン−ポリリジン複合体(濃
度再び100μg/m)を加えた。細胞の増殖及び成熟状態
を24及び48時間後に以下の方法で分析した。
1. 細胞数の測定〔コールターカウンター(the Coulte
r Counter)、モデルZM、Bcugら、1984〕 2. 細胞サイズ分布の記録によって〔コールターチャネ
ライザー(a Coulter Channelyzer)モデル256〕 3. 細胞のヘモグロビン含量の測光測定によって(Kowe
nzら、1986) さらに、72時間後既知少量の混合物を細胞遠心分離機
〔シャンドン(Shandon)〕で対象キャリアー(an obje
ctive carrier)について遠心分離し、ついで組織化学
検査に付してヘモグロビンを検出した(中性ベンジジン
染色及び血液細胞についてのディフ・クウィク(Diff−
Quik)急速染色、Beugら、1982)。
表Bの結果はポリリジン−トランスフェリン複合体画
分1〜5の存在下に誘導分化した細胞が丁度効率よく
(just as efficiently)かつ在来トランスフェリン−
鉄でインキュベートした細胞を同じ速度で成熟すること
を明確に示している。他方、トランスフェリンフリーの
コントロールにおける細胞ははるかに遅い細胞増殖を示
し、少量のヘモグロビンしか蓄積しなかった。染色した
サイトスピン(cytospin)調製物についての細胞表現型
の検査により、ポリリジン−トランスフェリン複合体と
共にインキュベートした細胞は在来トランスフェリンで
処理した細胞と全く同様に成熟して後期網状赤血球(後
期網状赤血球、Beugら、1982)を生産するが、トランス
フェリンなしにインキュベートした細胞は分解した細胞
及び赤芽球に似た未成熟細胞の混合物を構成する(Schm
idtら、1986)ことが示された。トランスフェリン−ポ
リリジン画分6で処理した細胞のみがより低いヘモグロ
ビン含量及びより高い未成熟細胞パーセンテージを示し
た(表B)。このことは特に大量のポリリジンと複合化
した画分6がトランスフェリン回路で十分に機能しない
(functions less well)ことを示している。同時に、
この結果はテスト方法の選択性を示している。
予備テスト4 ポリリジン−トランスフェリン複合体はヒヨコ赤芽球
におけるDNAの取込みを可能にする。
tDNAリボザイム(実施例1参照)の大きさに相当する
大きさのトランスフェリン−ポリリジン複合体によって
DNAが細胞の内部に効率よく輸送されるかどうかを調べ
るため本実験を企画した。本実施例においては の挿入物、分子量約300,000を有し、γ32PATP(マニア
ティス)で末端標識したtRNAを用いた。TE緩衝液20μ
に溶解したこのDNA約0.3μgを、各々、2回蒸留水50μ
+400μg/mウシ血清アルブシン(Beugら、1982)に
溶解した、天然トランスフェリン10μgまたはトランス
フェリン−ポリリジン複合体画分3と混合するか、また
はトランスフェリンなしにこの溶媒50μと混合した。
このDNA−タンパク質混合物をトランスフェリンフリー
の分化培地2mを加え、ついで4×106ヒヨコ赤芽球
〔このものは予めEGF受容体レトロウィルスで形質転換
し、EGFの存在下トランスフェリンフリー培地中で18時
間前インキュベートした(Kahazaieら、1988)〕を加
え、混合物を37℃、5%CO2で8時間インキュベートし
た。次いで遠心分離に付して上清を除き、細胞をトラン
スフェリンフリー培地で3回洗浄した。細胞沈降物及び
培養培地を1%SDS、1mg/mプロテイナーゼK、300mM
NaCl、20mMトリスpH8.0、10mM EDTA(PK/SDS緩衝液)
に取り、37℃で30分インキュベートし、フェノール/ク
ロロホルムで抽出し、ついでエタノール沈殿によりDNA
を単離した。合計で2000cpmの放射能を有する単離DNAを
非変性3.5%アクリルアミドゲル(TBE、マニアティス)
上で分離し、オートラジオグラフィーによってDNAを検
出した。図はFITC標識トランスフェリン−ポリリジン複
合体なしに(A)、またはそれと共に、(B、C)24時
間インキュベートしたヒヨコ赤芽球の螢光画像を示す。
青い光で活性化した場合(B、FITCを検出するため
に)、かなり多い(significantly more)螢光小胞が各
細胞に見られる。この螢光の特異性は緑光による活性化
の場合には(C、この場合にはAの場合と同様細胞の非
特異的螢光が見られる)小胞螢光は生じない事実によっ
て示される。
この図は、トランスフェリン−ポリリジンで処理した
細胞サンプルでは天然トランスフェリンを有するコント
ロールサンプルまたはトランスフェリンを有しないコン
トロールサンプルにおけるより約5〜10倍多いDNAが細
胞によって吸収ささたことを示している。
erb Bの翻訳開始領域に対して指向した2つのtRNAリ
ボザイム遺伝子を構築した(第2及び3図、実施例1参
照)。
225bpの断片上のtRNAリボザイム遺伝子を遊離させる
ため、この遺伝子を含有する各プラスミド約100μgをE
coR Iで消化した。消化産物をクレノー断片で末端標識
し、2%アガロース/TBEゲルを用いるゲル電気泳動によ
って精製した。エチジウムブロマイド染色によってベク
ター断片及びtRNAリボザイム遺伝子断片の位置を突きと
め、切り出し電気泳動溶出、フェノール/クロロホルム
及びクロロホルム抽出及びエタノール沈殿によって得
た。ついで精製した放射標識DNA断片を用い、トランス
フェリン−ポリリジン輸送系を利用してその取込み及び
erb B−RNAの阻害を測定した。コントロールDNAとして
ベクターpSPT18を用いた。
選択したテスト細胞系はアビン(avine)赤芽球症ウ
ィルスAFV(Beugら、1982)の温度感受性変異体(ts3
4、Grafら、1978)によって形質転換されたヒヨコ赤芽
球細胞系であった。(これらの細胞でも発現されるerb
A発ガン遺伝子は特異的プロテインキナーゼ阻害剤(H
7)によって阻害できる)。v−erb A発ガン遺伝子が2
つの部位で、すなわちSer 28及びSer 29でプロテインキ
ナーゼCもしくはcAMP依存性プロテインキナーゼによっ
て生体内で及び生体外で(すなわち細菌的に発現された
タンパク質として)ホスホリル化されることが確立され
ている。これらのセリンのアラニンへの突然変異はホス
ホリル化を妨げ、v−erb A発ガン遺伝子活性を破壊す
る。H7はこれら2つのキナーゼの特異的阻害剤であり、
v−erb A−v−erb Bを含有する赤芽球中のv−erb A
によって引き起こされる変化(例えば分化の阻止)を選
択的に停止させることができる。
erb B発ガン遺伝子が不活性化されている(例えば温
度感受性erb B変異体の場合には温度上昇によって)赤
芽球は誘導されて赤血球を成熟させることが知られてい
る。このプロセスの最初の適用の1つは単一細胞のレベ
ルでの感受性検査(酸性ベンジジン染色、Orkinら、197
5、Grafら、1978)によって検出できるヘモグロビン合
成の誘導である。かくしてベンジジン陽性細胞数の特異
的増加がこのテスト系におけるerb Bに対して指向した
リボザイムの表現型効果として期待できる。
本実施例が基づくテスト系は以下の如くして行った:T
E緩衝液30μに溶解した種々のDNA調製物(上記及び表
C参照)を(2回蒸留水50μに溶解した)天然トラン
スフェリン−鉄醋体もしくはトランスフェリン−ポリリ
ジン複合体10μgと混合し、37℃で30分インキュベート
した。
ベクターDNA(10μg)の場合には相応してより多く
の量(100μg)のトランスフェリン調製物を用いた。D
NA−トランスフェリン−DNA混合物をそれぞれトランス
フェリンフリーの分化培地(Zenkeら、1988)1mに加
えた。テスト前にテスト細胞(バッチあたり3×106
をトランスフェリンフリー分化培地(トランスフェリン
の取込みを増加させるため)中42℃で60分インキュベー
トし、DNA−トランスフェリンを含有する混合物に加え
た。6、18及び68時間後に(細胞の処理のために、下記
参照)、サンプルを記述された如くして取り、上清及び
細胞沈降物に分離し、PK/SDS緩衝液に取り、DNAを分析
した(第9図)。
インキュベーション(6時間)の終了後に細胞を遠心
分離で得、エリスロポエチン及びインシュリンを含有す
るトランスフェリン含有分化培地(Kowenzら、1986、Ze
nkeら、1988)(バッチあたり2m)中、すなわち活性
v−erb Bタンパク質の存在下、37℃でさらに72時間イ
ンキュベートした。
以下の結果が得られた: 1. 予備テスト4と同様、トランスフェリン−ポリリジ
ン(TF−PL)で処理した細胞サンプル中のerb−カットD
NAのサイズでDNAの取込み増加が認められた(約5
倍)。
2. erbカット(erb−cut)DNAによるヒヨコ繊維芽細胞
のトランスフェクションによってヒヨコ細胞中にerbカ
ットリボザイムtDNAが発現されることが実証された(実
施例5参照)。
3. 表Cは、erbカットリボザイムtDNAをポリリジン−
トランスフェリン構築物の助けによりerb Bで形質転換
した赤芽球に導入したいずれの場合にもベンジジン陽性
細胞のパーセンテージがかなり(significantly)上昇
した(約2倍)が、ベクターDNAで処理したサンプルを
用いた参考例ではポリリジン−トランスフェリン複合体
の使用は予想された如くベンジジン陽性細胞数の増加を
もたらさなかった。
実施例7 アンチコドンステム領域の延長はribtRNAの収率を増
加する。
ヒトmet t RNA遺伝子〔ブルースクリプト(Bluescrip
t)ベクターのEcoR I切断部位中のEcoR Iリンカーによ
って補足されたbamH I/Rsa I断片としてクローン化〕を
アンチコドンステム領域の唯一のApa I切断部位で切断
した。一本鎖突出部分(overhang)をT4−DNAポリメラ
ーゼによる処理で除去し、リボザイム配列を含有するオ
リゴヌクレオチドを挿入した。先行する実施例で用いた
リボザイム挿入により三塩基ステムを含有するribtRNA
分子を得た(第11図は野性型tRNAmet及び短くされたア
ンチコドンステムを有するtRNAribを示す)。2番目の
構築においては、最初のものと5′末端における、野性
型配列に相補的な配列GGTTATにおいて異なるオリゴヌク
レオチドを用いた。野性型系統(strain)が再確立され
4塩基対ほど延長された(第12図は強化したアンチコド
ンステムを有するtRNAribの構築を示す。リボザイムの
配列は第13図に示す。左手5′末端のところに短縮した
ステムをコードする領域と強化したステムをコードする
領域の間のヌクレオチド配列における差を示す。第13図
はmet tDNA遺伝子の配列をも示す。)。2つの連結産物
でマニアティスに記述された標準的方法を用いてE.コリ
HB101を形質転換し、プラスミドDNAを単離し、正しい構
造を決定するため配列決定した。rib tRNA分子の転写活
性及び蓄積の何らかの証拠のため32P−GTPの存在下実施
例2もしくは3に記述した如くして行われたアフリカツ
メガエル卵母細胞へのクローン化DNAのマイクロインジ
ェクションによって、得られた2つのrib tDNA遺伝子を
検査した。野性型tRNA遺伝子を10倍低い濃度で共注入し
た。注入した卵母細胞を20℃で7時間インキュベート
し、得られるRNAを回収し(実施例2参照)、電気泳動
(10%アクリルアミド/8.3M尿素/TBEゲル)で分離し、
オートラジオグラフィー(−70℃に2日間さらした)で
RNA分子を視覚化した(第14図)。短縮したrib tRNA遺
伝子は野性型遺伝子によって転写されたRNAの約1/10し
か生じなかったが、対照的により長いステムを有するri
b tRNA分子をコード化する遺伝子は6倍量のRNAを生じ
た。
実施例8 イントロンの構成成分としてのリボザイム遺伝子の発現 用いた出発遺伝子はBヌクレオチドよりなるイントロ
ンを含有するクセノパス・レヴィスtRNAtyrC遺伝子(卵
母細胞型)であった。天然イントロン配列を以下の如く
修飾した: 最初にオリゴヌクレオチドの引き続いてのクローニン
グを可能にするために適当な制限切断部位を挿入し(Ap
a I;GGGCCC)、ついでイントロン配列を延長することに
よってさらに安定化する構造的特徴をもたせるべくアン
チコドントリプレットに相補的なヌクレオチドを挿入し
た。修飾された遺伝子中のイントロンの大きさは13から
15ヌクレオチドに増加する(第15図)。
イントロン配列の修飾はポリメラーゼ連鎖反応(chai
n reaction)(RCR;Hoら、1989)を用いて行った。4つ
のプライマーを合成したが、そのうち2つは変更された
イントロン配列(お互いに相補的)を含み、他方2つは
EcoR IもしくはSal I制限切断部位を導入するため遺伝
子のそれぞれ5′もしくは3′末端に対して指向してい
た。野性型遺伝子はpBR327にクローン化されたHhal断片
(258bp)として存在していた(Stutzら、1989)。得ら
れたPCR産物をアガロースゲルで精製し、上記制限酵素
で切断し、ベクターpAALM(=pSP64+T7プロモーター;V
ieira及びMessing、1982)と連結した。構築物をE.コリ
HB101中に形質転換し、目的とする挿入物を含有するク
ローンを配列分析で固定した。
修飾した遺伝子(tRNAtryM)の活性をアフリカツメガ
エルへのマイクロインジェクションによって野性型遺伝
子の活性と比較し、一方プラスミドpUC−10−5S(Carro
ll及びBrown、1976)上に存在する5S−RNA遺伝子(50倍
低い濃度)を内部標準として32P−GTPの存在下に共注入
した。注入した卵母細胞を20℃で20時間インキュベート
し、8%アクリルアミド/8.3M尿素/TBEゲル上で分離
し、オートラジオグラフィーに付した(第16図)。
120ntでの5S−RNAに加え、一次tRNAtyr転写産物が100
(102)ntで視覚化され、5′及び3′加工されたプレ
カーサーが90(92)ntで生じ、成熟した(finished)加
工チロシンtRNAが76ntに生じた。90ntプレカーサー形態
のスプライシングが制限因子であると思われる、という
のは生成した転写産物の大部分がこの形態で存在してい
るからである。予想されたごとく、野性型遺伝子からの
修飾によって生物活性は減少しなかった。
別の実験では系の容量をテストした。リボザイム配列
を含有する2つのオリゴデオキシリボヌクレオチドを合
成したが、これらはすでにApa I末端を含む修飾されたt
RNAtyr遺伝子のイントロン配列に直接クローン化するこ
とができる。あるオリゴヌクレオチドではリブイントロ
ン(ribintron)中に安定な「ヘアピン」を形成させも
ってエキソヌクレアーゼの劣化を防ぐために両末端に12
ntを挿入した。得られたイントロンの全体の大きさは非
保護リボザイム配列(リボザイムC)の場合の65ntに比
べ80nt(リボザイムHP)であった。リボザイムの配列及
びクローニング計画を第17図に示す。
上記したと類似したアフリカツメガエル卵母細胞への
マイクロインジェクションについて、すでに記述した2
つの構築物に加え、二量体形態中にリボザイムHPを含有
し、それによりイントロンサイズを163nt(リボザイム
D)に増加した第3の構築物を用いた。共注入した5sス
タンダートの濃度は構築物HP及びDについて1:20及び構
築物Cについて1:1であった(第18図)。実験は、実質
上大きくしたイントロンにも拘らず、構築物HP及びCが
非常に活発に転写され、野性型tRNAtyr遺伝子と同様な
効率で加工されることを示している。構築物Dの場合に
は、PoI III転写複合体の生成に必要とされる二次構造
が長いイントロン配列によって明らかに破壊されたので
最少量の転写産物しか検出できない。
tRNAのイントロンとしてのリボザイムの発現がtRNAの
二次構造に大きな劣化をもたらさないことを実証するこ
とができた。この結果生じた転写産物は高い濃度で蓄積
し、正しく加工できる。
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【図面の簡単な説明】
第1図はtRNAリボザイム遺伝子の図式的表示を示す。 第2図はtRNAリボザイムをコード化する配列を含有する
プラスミドを示す。 第3図は標的RNAとリボザイムの間の相補性を示す。す
なわち、AはU7snRNAに対するCD33、Bはerb Bm RNAに
対するES53、Cはerb Bm RNAに対するES13の相補性を示
す。 第4図はtRNAリボザイムの生体外リボザイム活性を示
す。 第5図は実施例2で行われた実験の結果を示すオートラ
ジオグラムである。 第6図は実施例3で行われた実験の結果を示すオートラ
ジオグラムである。 第7図は実施例4で行われた実験の結果を示す。 第8図は実施例5で行われた実験の結果を示す。 第9図は、トランスフェリン(TF)、トランスフェリン
−ポリリジン(TF−PL)で処理した細胞サンプル中のDN
Aの分析結果を示す。 第10図はトランスフェリン−ポリリジンと共にインキュ
ベートした赤芽球が強く螢光を発する小胞を有すること
を示している(予備テスト2)。 第11図は野性型tRNA met及び短縮したアンチコドンステ
ムを有するtRNAリブ(rib)を示す(実施例7)。 第12図は延長したアンチコドンシステムを有するtRNAリ
ブの構築を示す(実施例7)。 第13図はリボザイムの配列及びmet tRNA遺伝子の配列を
示す(実施例7)。 第14図は実施例7で行われた実験の結果を示すオートラ
ジオグラクである。 第15図はイントロンの大きさを増した修飾遺伝子を示す
(実施例8)。 第16図は実施例8で行われた実験の結果を示すオートラ
ジオグラムである。 第17図はリボザイムの配列及びクローニング計画を示
す。 第18図は実施例8で行われた実験の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 マシュー コッテン オーストリア国 アー1130 ウィーン マキシングシュトラーセ 22‐24‐3- 8 (72)発明者 エルンシュト ヴァーグナー オーストリア国 アー2103 ランゲンツ ェルスドルフ シュトレーベルスドルフ ェルシュトラーセ 18 (72)発明者 ハーラルト カンドルフ オーストリア国 アー1060 ウィーン ガルベルガッセ 4‐15ベー 審査官 上條 肇 (56)参考文献 EMBO J.,1987年,Vol. 6,No.10,p.3043−3047 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/52 - 15/90 C12N 9/00 A61K 31/711 A61K 48/00 BIOSIS(DIALOG) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリメラーゼIIIによって転写される遺伝
    子断片および阻害性RNA分子をコードするDNA配列を含
    み、多重コピーとして存在していてもよいDNA分子であ
    って、ポリメラーゼIIIによる転写のために必要なtRNA
    遺伝子の転写単位を有し、tRNAの2次構造を決定する配
    列を含み、阻害性RNA分子をコードするDNA配列は前記阻
    害性RNA分子が転写物の一部となるような様式で分子中
    に配置されていることを特徴とするDNA分子。
  2. 【請求項2】阻害性RNAがリボザイムである請求項1記
    載のDNA分子。
  3. 【請求項3】リボザイムがハンマー頭型のリボザイムで
    ある、請求項2記載のDNA分子。
  4. 【請求項4】阻害性RNAが非転写RNAである請求項1記載
    のDNA分子。
  5. 【請求項5】開始met tDNAの転写単位を含有する請求項
    1〜4のいずれか1項記載のDNA分子。
  6. 【請求項6】tyr tDNAの転写単位を含有する請求項1〜
    4のいずれか1項記載のDNA分子。
  7. 【請求項7】ポリメラーゼIIIによって転写される遺伝
    子のAブロックとBブロックの間に挿入物として阻害性
    RNAをコードするDNAを含有する請求項1〜6のいずれか
    1項記載のDNA分子。
  8. 【請求項8】阻害性RNAがリボザイムである請求項7記
    載のDNA分子。
  9. 【請求項9】リボザイムがハンマー頭型のリボザイムで
    ある請求項8記載のDNA分子。
  10. 【請求項10】AおよびBブロック間の天然Apa I制限
    切断部位内に挿入物として阻害性RNAをコードするDNAを
    含有する請求項5または7〜9のいずれか1項に記載の
    DNA分子。
  11. 【請求項11】イントロンの部分として阻害性RNAをコ
    ードするオリゴヌクレオチド配列を含有する請求項6記
    載のDNA分子。
  12. 【請求項12】そのtRNAの転写産物のアンチコドンステ
    ム領域が野生型tRNA転写産物のそれより長いオリゴヌク
    レオチド配列を含有する請求項5〜11のいずれか1項記
    載のDNA分子。
  13. 【請求項13】リボザイムをコードするDNAを含有する
    請求項12に記載のDNA分子。
  14. 【請求項14】リボザイムがハンマー頭型のリボザイム
    である請求項13記載のDNA分子。
  15. 【請求項15】人工的に導入した制限切断部位への挿入
    物として阻害性RNAをコードするDNAを含有する請求項11
    〜14のいずれか1項記載のDNA分子。
  16. 【請求項16】前駆体tRNAの二次構造が安定化され、他
    方スプライシングに不可欠な構造が維持されるようにイ
    ントロンを修飾した請求項11〜15のいずれか1項記載の
    DNA分子。
  17. 【請求項17】阻害性RNAがウイルスRNAに対するもので
    ある請求項1〜16のいずれか1項に記載のDNA分子。
  18. 【請求項18】阻害性RNAが発ガン遺伝子または細胞の
    増殖及び/または分化を制御する他のキー遺伝子に対す
    るものである請求項1〜16のいずれか1項記載のDNA分
    子。
  19. 【請求項19】多重コピーとして存在し、他方阻害性RN
    AをコードするDNAを含有する同一のもしくは異なるサブ
    ユニットが完全な転写単位として存在する請求項1〜18
    のいずれか1項記載のDNA分子。
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