JP2694846B2 - 鶏肉を原料とした乾燥牛肉様食品およびその製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は鶏肉を原料とした乾燥牛肉（ビーフジャーキ
ー）様食品およびその製造方法に関する。

〔従来の技術〕

牛肉を原料とした乾燥加工食品は既に市場に出回って
いる。これはビーフジャーキーと呼ばれており、ストラ
イプ状にスライスされ、乾燥加工されたものであり、古
くは屋外で日射乾燥されたが、最近では乾燥設備によっ
て強制的に乾燥される。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、牛肉を原料とした乾燥加工食品によると、牛
肉の価格が高いため、最終製品は高価なものになってい
る。

従って、本発明の目的は安価でしかも乾燥牛肉様のテ
クスチャー風味を有する乾燥加工食品およびその製造方
法を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は上記の目的を実現するため、原料として鶏
肉、特に、ブロイラー肉、更には、ブロイラー首肉を使
用するものであり、また、簡単な処法によって乾燥加工
食品の製造を可能にする。特に、鶏肉は不飽和脂肪酸が
多いが、これを複数の乾燥工程によって段階的に除去す
る。この場合、乾燥温度、時間等の乾燥条件を設定する
ことによって牛肉の乾燥肉に似たテクスチャー風味の鶏
肉乾燥加工食品を得ることができる。

〔実施例〕

以下、本発明の鶏肉を原料とした乾燥牛肉様食品およ
びその製造方法を詳細に説明する。

まず、前処理として原料鶏肉から余分な脂肪、膜、皮
を取り除く。更に、骨等の不可食部を除去する。その
後、清酒をふりかけ、10〜20分間静置する。その後、
塩、こしょう、ミリン、醤油を入れた調味液に漬け込
み、一昼夜＋５℃の冷蔵庫で保管熟成させる。一昼夜た
ったものは冷蔵庫からとりだし、肉たたき機でたたき薄
く整形する。その後、熱風乾燥機を使用し、60℃の温度
条件で６時間かけ、内部水分を蒸発させる。この温度は
非常に重要で、高温になると、表面硬化をおこし、内部
水分の蒸発が妨げられ、水分のバラツキが生じ、水分活
性を高める原因となり後工程での乾燥の妨げとなる。熱
風乾燥によってとり出した油および表面に浮き出した油
を良く拭き取る。次に、100℃のガスオーブンレンジで1
0分間焼成した後、温度を180℃に上げ３分間保持する。
第一の熱風乾燥と同様100℃の設定温度より高すぎて
も、表面に焦げ目のみが先に形成され、水分蒸発、油分
の分離を妨害し良好な効果が得られない。オーブンレン
ジ乾燥焼成が終わったものは、さらに浮いた油を丁寧に
取り除き、一昼夜、自然乾燥を行った後、切断機にか
け、所定の寸法に切断してパッケージを行う。牛肉のジ
ャーキーに似たチキンのジャーキーを得ることができ
る。

以上のように、本発明は比較的簡単な方法で牛肉乾燥
品に似た商品を鶏肉から作り出すことを可能にしたもの
である。本発明は鶏肉だけでなく、現在有効利用されて
いない首肉や他の畜肉からも同様な方法で乾燥食肉加工
品を製造できる方法である。

〔発明の効果〕

以上説明した通り、本発明の鶏肉を原料とした乾燥牛
肉様食品およびその製造方法によると、鶏肉、特に、ブ
ロイラーの肉、更には、ブロイラーの首肉をも使用し、
また、処法が簡単であるため、安価な乾燥加工食品を得
ることができ、また、鶏肉に特に多い不飽和脂肪酸を複
数の乾燥工程によって段階的に除去するため、乾燥牛肉
に似たテクスチャー風味を付与することができる。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】鶏肉を調味整形した後、段階的な乾燥によ
   って主として不飽和脂肪酸を除去することにより牛肉の
   乾燥肉に似たテクスチャー風味を有することを特徴とす
   る鶏肉を原料とした乾燥牛肉様食品。
2. 【請求項２】原料鶏肉から脂肪、膜、皮等の不要部分を
   除去する段階と、 不要部分を除去された原料鶏肉を所定の時間調味液に浸
   漬する段階と、 調味液に浸漬された後の原料鶏肉を整形する段階と、 整形された原料鶏肉に少なくとも２回の乾燥行程を与え
   ることにより脂肪を除去し、水分および油分の調整を行
   う段階と、 乾燥工程を経た原料鶏肉を自然乾燥した後切断する段階
   を有することを特徴とする鶏肉を原料とした乾燥牛肉様
   食品およびその製造方法。