JP2694782C - - Google Patents

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JP2694782C
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JP
Japan
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noble metal
plastic composition
decoration
metal powder
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Mitsubishi Materials Corp
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Mitsubishi Materials Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、材料として貴金属粉末を含有した可塑性組成物を用いた貴金属物品
の製造方法に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、貴金属製の成形物に金属板を取り付けるにはろう付けが行われており、
貴金属製の成形物にダイヤモンド等の宝石を取り付けるにはかしめが行われてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、ろう付けによる金属板の取り付けにおいては、取り付けられる
金属板が大きいと、ろう付け作業に時間が多くかかる。 【0004】 また、かしめによる宝石の取り付けにおいては、取付強度が充分に得られず、
宝石が脱落することがあった。 【0005】 本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、装飾物を簡単に取り付けること
ができるとともに、装飾物の充分な取付強度を確保することができる貴金属物品
の製造方法を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明の貴金属物品の製造方法は、貴金属粉末を含有した可塑性組成物を所定
の形状に成形し、この成形体の表面に前記貴金属粉末よりも融点が高い材料から
なる装飾物を押し込み取り付け、前記成形体を焼成することでこの成形体を収縮
させて押し込まれた装飾物を拘束して保持させたことを特徴とする。 【0007】 【作用】 貴金属粉末を含有した可塑性組成物は粘土状をしているので、成形が容易であ
り、成形体の表面に装飾物を押し込むことにより装飾物を取り付けることが可能
である。また、装飾物が押し込み取り付けられた成形体を焼成すると、成形体は
収縮し、装飾物が強い拘束力で保持される。なお、装飾物の融点が可塑性組成物
を構成する貴金属粉末よりも融点が高いので、成形体を焼成する際に装飾物が溶
解することもない。 【0008】 【実施例】 以下に、図面を参照して本発明の一実施例について説明する。 【0009】 本実施例の金属物品の製造方法は、貴金属粉末を含有する可塑性組成物を原料
として使用する。 【0010】 この可塑性組成物は、 貴金属粉末 50〜90重量%、 セルローズ系水溶性バインダー 0.8〜8重量% 界面活性剤 0.03〜3重量% 油脂 0.1〜3重量% を含有し、残りが水及び不可避不純物からなる。 【0011】 金属物品の製造方法の説明に先立ち、前記可塑性組成物の製造手順について説
明する。 【0012】 まず、セルローズ系水溶性バインダーと水とを混合し、しばらく放置して寒天
状物質とする。次いで、この寒天状物質に界面活性剤を添加して混合し、さらに
所定の貴金属粉末を添加して混合する。そして、この貴金属粉末混合体に油脂を
添加して混合する。 【0013】 次に、可塑性組成物の組成を上記のように決めた理由を説明する。 【0014】 (a)貴金属粉末 金、銀、銅、白金及びそれらの合金等の貴金属粉末は、可塑性組成物を構成す
る主成分であり、製品の色を決定する重要な要素であるが、その含有量が50重
量%末満ではその効果がなく、一方、90重量%以上を越えて含有すると得られ
た可塑性組成物の伸び及び強度が低下するようになるので好ましくない。従って
、上記の通り、貴金属粉末の含有量は、50〜90重量%とした。 【0015】 (b)セルローズ系水溶性バインダー セルローズ系水溶性バインダーは、加熱すると速やかにゲル化して固化し、成
形体の形状の保持を容易にする。しかし、その添加量が0.8重量%未満ではそ
の効果が得られず、一方、8重量%より多く添加すると粘性度が大きくなりすぎ
て造形することができなくなってしまう。従って、上記の通り、セルローズ系水
溶性バインダーの含有量は、0.8〜8重量%とした。セルローズ系水溶性バイ
ンダーとしては、メチルセルローズ、エチルセルローズ等が好ましい。 【0016】 (c)界面活性剤 界面活性剤を添加して混合することにより、バインダーと水との反応により生
じた固形物が粉砕し、また、貴金属粉末とバインダーとの混合性か良くなるとい
う作用が得られる。しかし、添加する界面活性剤の量が0.03重量%未満では
その効果が充分でなく、一方、界面活性剤を3重量%よりも多く添加すると、得
られた可塑性組成物の粘性度が低下し、流動性が増して造形することができなく なるので好ましくない。従って、上記の通り、界面活性剤の添加量は、0.03
〜3重量%とした。 【0017】 (d)油脂 油脂を少量添加することにより、造形時、可塑性組成物が手に付着しないよう
にすることができる。しかし、その添加量が0.1重量%未満ではその効果が得
られず、一方、3重量%より多く添加すると、可塑性組成物が油っぽくなり、滑
り易くなって、造形時の作業性が悪くなるので好ましくない。従って、上記の通
り、油脂の含有量は0.1〜3重量%とした。 【0018】 油脂としては、高級有機酸(例えば、フタル酸)、高級有機酸エステル(例え
ば、フタル酸−n−ジオクチル、フタル酸−n−ジブチル)、高級アルコール、
高級多価アルコール(例えば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール
、エーテル類)等が挙げられる。 【0019】 次に、図面を参照して、この発明の一実施例による金属物品の製造方法につい
て説明する。 【0020】 上記可塑性組成物は小さな荷重により塑性変形させることができる。そこで、
可塑性組成物をプレス加工や圧延により所望の形状の成形体1に成形する。なお
、成形体1は、ペンダントであれば板状に、指輪であればリング状に成形する。 【0021】 次に、成形体1の表面に、図2に示すように、ダイヤモンドのようにカッティ
ングされた装飾物2の一部を成形体1内に埋設しこの装飾物2の一部を露出して
押し込み取り付ける。可塑性組成物による成形体は粘土状で塑性変形が容易であ
るので、前記押し込みは指で簡単に行うことができる。装飾物2としては、成形
体1を構成する可塑性組成物の主成分である貴金属粉末の融点よりも融点が高い
材料が使用され、例えば、プラチナ等の貴金属材料や、ダイヤモンド、ルビー等
のセラミック材料が用いられる。 【0022】 装飾物2が押し込み取り付けられた成形体1を加熱炉において加熱して成形体
1の焼成を行う。加熱条件は、成形体1を構成する可塑性組成物中の貴金属粉末
の材質や装飾物2の材質によって異なる。貴金属粉末及び装飾物が大気中におい
て安定した物性を有する場合には、大気中で加熱して焼成する。特に、装飾品2
の材質が酸化物であれば大気中での加熱を行うことができる。さらに、装飾品2
の材質が非酸化系材質である場合には、装飾品2の保護のため不活性雰囲気内で
加熱して焼成する必要がある。 【0023】 成形体1を焼成すると成形体1を構成する可塑性組成物内のセルローズ系水溶
性バインダや油脂が熱で蒸発するので、成形体1は体積が縮小する。このため、
成形体1に押し込み取り付けた装飾物2の埋設部分に圧縮力が働き、装飾物2は
強固に固定される。 【0024】 図3に本発明の製造方法を利用して製造した金属物品の断面図を示す。このも
のは、成形体1の表面に平板状の装飾物3を押し込んで取り付けたものであり、
成形体1の焼成による体積の縮小により装飾品3を成形体に強固に取り付けたも
のである。 【0025】 さらに、図4に本発明の製造方法を利用して製造した金属製晶の断面図を示す
。このものは、成形体1に押し込み取り付ける装飾品4の形状に特色を有するも
のである。すなわち、装飾品4は、板状部4aとこの板状部4aの裏側から突出
する先端先鋭の脚部4bとを備えたもので、装飾物4を成形体1に押し込む際に
、脚部4bを成形体1に突き刺し、この後、板状部4aを押し込むようにしてい
る。脚部4bは成形体内に深く突き刺さるので、くさび作用により装飾物4が成
形体1から抜け落ちにくくなり、さらに、焼成時の体積収縮による圧縮力が脚部
4bに効果的に作用し装飾物4の固定が強固になる。 【0026】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、貴金属粉末を含有した可塑性組成物を
所定の形状に成形し、この成形体の表面に前記貴金属粉末よりも融点が高い材料
からなる装飾物を押し込み取り付け、前記成形体を焼成することでこの成形体を
収縮させて押し込まれた装飾物を拘束して保持させたので、装飾物を簡単に取り
付けることができるとともに、装飾物の充分な取付強度を確保することができる
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例の金属物品の製造方法を示すフローチャートである。 【図2】 本発明の一実施例の金属物品の製造方法により製造された金属物品を示す断面
図である。 【図3】 本発明の他の実施例の金属物品の製造方法により製造された金属物品を示す断
面図である。 【図4】 本発明の更に他の実施例の金属物品の製造方法により製造された金属物品を示
す断面図である。 【符号の説明】 1 成形体 2,3,4 装飾物 4a 板状部 4b 脚部

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 貴金属粉末を含有した可塑性組成物を所定の形状に成形し、こ
    の成形体の表面に前記貴金属粉末よりも融点が高い材料からなる装飾物を押し込
    み取り付け、前記成形体を焼成することでこの成形体を収縮させて押し込まれた
    前記装飾物を拘束して保持させたことを特徴とする貴金属物品の製造方法。

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