JP2985358B2 - 合金金粘土の製造方法 - Google Patents
合金金粘土の製造方法Info
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- Powder Metallurgy (AREA)
Description
用材料として用いて好適な合金金粘土の製造方法に関す
る。
するための造形用材料として、粘土、陶土、磁土等の可
塑性組成物が知られている。従来、これらの造形用可塑
性組成物を所望の形状に造形し、窯で焼いて硬化させ、
美術工芸品、装飾品等を製造していた。しかし、陶磁器
等は、極めて壊れやすく、機械加工も容易でない。そこ
で、貴金属の粉末を含有した粘土が美術工芸品等の材料
として提案されるに至った。すなわち、この種の粘土を
所望の形に造形した後、焼成をおこなうことによって固
化させ、金属製の美術工芸品等を得るものである。
わされる他、造形性の調整、焼成後における機械的強度
の調整、および色調の調整を行うために各種貴金属の合
金の粉末が混ぜ合わされる。貴金属の粉末を得るための
方法は各種提案されているが、合金の粉末は液中還元法
によって製造することが不可能であるため、金の粉末、
その他の貴金属合金の粉末共に、ガスアトマイズ法によ
り製造を行っていた。
イズ法によって貴金属の粉末を製造した場合、粉末の平
均粒径がばらつき、所望の粒径が得られない。このた
め、質がよく、かつ、質の安定した合金金粘土が得られ
ず、また、合金金粘土の製造歩留りも悪いという問題が
あった。この発明は上述した事情に鑑みてなされたもの
であり、質の良い合金金粘土を安定して得ることが可能
な製造方法を提供することを目的とする。
法によってAu粉末を得ると共にガスアトマイズ法によ
ってAgあるいはCuによる合金粉末を得、これらの各
粉末を混合して所望の貴金属粉末を用意する一方、セル
ローズ系水溶性バインダーと水とを混合した後、放置し
て寒天状物質とし、この寒天状物質に界面活性剤を添加
して混合し、 さらに前記貴金属粉末を添加して混合し
て貴金属粉末混合体とし、この貴金属粉末混合体に油脂
を添加して混合することを特徴としている。第2の発明
は、上記第1の発明において、前記合金粉末に加え、ガ
スアトマイズ法によってNi、Pd、Zn、Co、B
e、SnあるいはInによる合金粉末を製造して混合し
前記貴金属粉末を得ることを特徴としている。
び乾燥後の割れ性に優れ、かつ、焼結後における色調お
よび機械的強度に優れた合金金粘土を高い歩留りで製造
することができる。
明する。本実施例による合金金粘土は、金およびその他
の合金による貴金属粉末:50〜90重量%、セルロー
ズ系水溶性バインダー:0.8〜8重量%、界面活性剤:
0.03〜3重量%、油脂:0.1〜3重量%、を含有し、残
りが水および不可避不純物からなる。
について説明する。 (a)貴金属粉末金粉末の粒径は、合金金粘土の成形
性、乾燥時における割れ性等に大きな影響を与える。従
って、粒径のばらつきが少なく、かつ、制御性の良い液
中還元法により、金粉末を製造する。より詳しくは、4
6g/lの濃度のAuCl3水溶液5lおよび70g/l
の濃度のK2SO3水溶液5lを−10℃〜+5℃の温度
範囲、好ましくは+2℃の温度条件にて素早く混合す
る。この結果、下記式に示す反応が起こり、5〜10秒
後、金の沈殿が生じる。 2AuCl3+3K2SO3+3H2O →2Au+3K2SO4+6HClこのようにして生じた
沈殿物をろ過して乾燥させ金粉末を得る。上記のように
混合を行う温度範囲を決めたのは、−10℃より低い温
度にて混合すると反応速度が著しく遅くなり、また、+
5℃より高い温度にて混合すると沈殿物たる金の粒径が
小さくなり過ぎて凝集してしまうからである。以上の条
件による液中還元法により、粒径が10μm程度であ
り、かつ、こぶ付きの金粉末が得られる。さらに所望の
特性を有する合金金粘土を得るために、合金金粘土に含
有させる貴金属粉末として、以下のものをガスアトマイ
ズ法によって製造する。 [AgあるいはCuを含んだ合金の粉末]これらの貴金
属の含有率を変えることにより、合金金粘土の硬さ、強
度、色調等を調整することができる。色調の調整につい
て説明すると、Agは白色を強調するのに有効であり、
Cuは赤色を強調するのに有効である。 [NiあるいはPdを含んだ合金の粉末]これらの貴金
属は特に白色を強調する場合に有効である。 [Zn,Co,Be,SnあるいはInの合金を含んだ
粉末]Znは色調の調整に有効である。また、Co,B
e,Sn,In等は合金金粘土の強度を向上させるのに
有効である。なお、以上のものは、合金の状態で製造す
る他、各貴金属の粉末を独立して製造し、製造後に混合
してもよい。以上のようにして得られる金粉末およびそ
の他の合金粉末を、75%:25%の割合で混合し、粘
土に含有させるべき貴金属粉末を得る。合金金粘土にお
ける貴金属粉末の含有量は、50〜90重量%とした。
貴金属粉末は合金金粘土の色調、硬さ等の特性を左右す
る重要な要素であるが、貴金属粉末の含有量が50重量
%未満ではその効果がなく、一方、90重量%以上を越
えて含有すると、得られた合金金粘土の伸びおよび強度
が低下するようになるので好ましくない。従って、上記
の通りの含有量とした。また、貴金属粉末の平均粒径
は、200μmを越えると貴金属合金金粘土の伸びおよ
び強度が低下することから200μm以下とすることが
好ましい。特に金粉末については、上述のように合金金
粘土の特性を大きく左右するので、液中還元法によって
得られる平均粒径10μm程度のこぶ付きのものを使用
する。
ローズ系水溶性バインダーは、加熱すると速やかにゲル
化して固化し、造形物の形状の保持を容易にする。しか
し、その添加量が0.8重量%未満ではその効果が得られ
ず、一方、8重量%より多く添加すると粘性度が大きく
なり過ぎて造形することができなくなってしまう。従っ
て、上記の通り、セルローズ系水溶性バインダーの含有
量は、0.8〜8重量%とした。セルローズ系水溶性バイ
ンダーとしては、メチルセルローズ、エチルセルローズ
等が好ましい。 (c)界面活性剤界面活性剤を添加して混合することに
より、バインダーと水との反応により生じた固形物が粉
砕され、また、貴金属粉末とバインダーとの混合性が良
くなるという作用が得られる。しかし、添加する界面活
性剤の量が0.03重量%未満ではその効果が充分でなく、
一方、界面活性剤を3重量%よりも多く添加すると、合
金金粘土の粘性度が低下し、流動性が増して造形するこ
とができなくなるので好ましくない。従って、上記の通
り、界面活性剤の添加量は0.03〜3重量%とした。 (d)油脂油脂を少量添加することにより、造形時、貴
金属合金金粘土が手に付着しないようにすることができ
る。しかし、その添加量が0.1重量%未満ではその効果
が得られず、一方、3重量%より多く添加すると、合金
金粘土が油っぽくなり、滑りやすくなって、造形時の作
業性が悪くなるので好ましくない。従って、上記の通
り、油脂の含有量は0.1〜3重量%とした。油脂として
は、高級有機酸、例えば、フタル酸、高級有機酸エステ
ル、例えば、フタル酸−n−ジオクチル、フタル酸−n
−ジブチル、フタル酸−n−オクチル、フタル酸イソオ
クチル、高級アルコール、高級多価アルコール、例え
ば、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、
エーテル類、等である。
うにして合金金粘土を製造する。すなわち、セルローズ
系水溶性バインダーと水とを混合し、暫く放置して寒天
状物質とする。次いで、この寒天状物質に界面活性剤を
添加して混合し、さらに上記貴金属粉末を添加して混合
する。そして、この貴金属粉末混合体に油脂を添加して
混合することにより、図1に示すように、金の粒1およ
びその他の貴金属合金の粒2がその他の材料と混ざり合
った状態の合金金粘土が得られる。
ば、液中還元法によって得られる金粉末を材料として使
用するようにしたので、質のよい合金金粘土が得られ、
かつ、高い歩留りで合金金粘土を製造することができる
という効果がある。
製造された合金金粘土の状態を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 液中還元法によってAu粉末を得ると共
にガスアトマイズ法によってAgあるいはCuによる合
金粉末を得、これらの各粉末を混合して所望の貴金属粉
末を用意する一方、 セルローズ系水溶性バインダーと水とを混合した後、放
置して寒天状物質とし、 この寒天状物質に界面活性剤を添加して混合し、 さら
に前記貴金属粉末を添加して混合して貴金属粉末混合体
とし、 この貴金属粉末混合体に油脂を添加して混合することを
特徴とする合金金粘土の製造方法。 - 【請求項2】 前記合金粉末に加え、ガスアトマイズ法
によってNi、Pd、Zn、Co、Be、Snあるいは
Inによる合金粉末を製造して混合し前記貴金属粉末を
得ることを特徴とする請求項1記載の合金金粘土の製造
方法。
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JPH04218603A JPH04218603A (ja) | 1992-08-10 |
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-
1991
- 1991-03-27 JP JP3087621A patent/JP2985358B2/ja not_active Expired - Lifetime
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