JP2692142B2 - 半凝固金属スラリー製造装置 - Google Patents

半凝固金属スラリー製造装置

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JP2692142B2
JP2692142B2 JP63142923A JP14292388A JP2692142B2 JP 2692142 B2 JP2692142 B2 JP 2692142B2 JP 63142923 A JP63142923 A JP 63142923A JP 14292388 A JP14292388 A JP 14292388A JP 2692142 B2 JP2692142 B2 JP 2692142B2
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信広 田添
一幸 佐藤
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石川島播磨重工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、半凝固金属スラリー製造装置に関するもの
である。
[従来の技術] 2元金属元素以上の金属合金において、固液共存温度
域で溶融金属中に微細球状結晶粒をできるだけ多く存在
させた半凝固金属スラリー(以下単にスラリーと略称す
る)を得るためには、凝固開始点から溶融金属に温度制
御を行いつつ剪断撹拌力を与え、成長するデンドライト
結晶組織を破砕して溶融金属中に均一に微細球状結晶粒
を混在させる方法がある。
そして、この方法を実施し得るための装置としては、
容器外周に設けた冷却装置および加熱装置により、容器
内に供給した溶融金属の温度制御を行いつつ、容器内に
配設したスタラーを回転させることにより溶融金属を撹
拌してスラリーを形成し、形成されたスラリーを容器下
部に設けた排出口より取り出すものが知られている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、このようなスラリー製造装置によって形成
されたスラリーを材料として中空円筒状のパイプを製造
する場合には、前記排出口より排出されたスラリーに対
し、パイプ成形用の装置を用いて成形しなければならな
いといった手間のかかる問題があり、スラリーから容易
にパイプを得る技術の要請がある。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
って、容器内に回転可能に配設したスタラーを回転させ
ることにより、容器内の溶融金属に撹拌剪断力を与えて
該溶融金属を半凝固金属スラリーに形成するとともに、
該スラリーを容器に設けられた排出口より排出する半凝
固金属スラリー製造装置において、前記排出口は、前記
容器の下部に設けられた排出管と、前記スタラーの下端
に前記排出管内に挿入される形態で固着されかつ外周面
に螺旋状の案内溝が形成された案内部材との間に形成さ
れた環状の空隙よりなることを特徴とするものである。
[作用] 本発明の半凝固金属スラリーの製造装置によれば、環
状の空隙に形成された排出口からスラリーが排出してい
く際に、このスラリーはパイプに成形される。したがっ
て、パイプに成形するための成形装置を必要とせず、容
易にパイプを得ることができ、スラリーは、スタラーと
ともに回転している案内部材の案内溝に沿って螺旋状に
回転しながら下方に導かれて排出されるので、効率的に
撹拌され、結果的に、均一な微細結晶粒が混在した高品
質な製品となる。
[実施例] 以下、第1図を参照して本発明の一実施例を説明す
る。
図中Aは本発明に係る半凝固金属スラリー製造装置で
あって、この装置Aは、天板1aを有する筒状のケーシン
グ1内に収容された容器2と、この容器2内に配設され
たスタラー3と、ケーシング1上の上部ケーシング4内
に収容されたスタラー駆動機構5とから概略構成されて
いる。
前記容器2は、鉄皮6の内部に耐火材7が設けられて
なる中空円筒状のものであり、その上端が前記ケーシン
グ1の天板1a内面に固定されることにより、ケーシング
1内に収納されている。
容器2の周壁2a上部であって、円周を等分する2箇所
には、外部から容器2内に溶融金属あるいは添加物質を
供給する供給管(供給口)8、9が容器2と一体にそれ
ぞれ設けられている。これら供給管8、9は、容器2の
周壁2aから所定の傾斜角をもって容器2の径方向上方に
延びてケーシング1を貫通している。
前記各供給管8、9下方の容器2の周壁2aにおける鉄
皮6と耐火材7との間には、スペース10があいており、
このスペース10には、溶融金属加熱用の熱媒体を循環さ
せる熱媒体供給管11と、溶融金属冷却用の冷却媒体を循
環させる冷却媒体供給管12が配設されている。
そして、上記容器2内には、円柱状のスタラー3が容
器2と同軸的に配設されている。このスタラー3はセラ
ミックス製であって、下方の溶融金属撹拌部3Aが断面多
角形のテーパ状に形成され、この撹拌部3Aの内部には、
加熱手段として誘導電流を生じせしめる螺旋状の鉄片13
が埋め込まれている。また、スタラー3の下端には、ス
タラー3より小径で先端が絞られ、その周囲に案内溝14
aが形成された円柱状の案内部材14が、スタラー3と一
体に固着されている。またスタラー3の上部は、ケーシ
ング1の天板1aを貫通し、その上端にはフランジ3aが形
成されている。
前記スタラー駆動機構5は、上部ケーシング4に設け
られた上下の軸受15と、この軸受15に回転可能に支持さ
れ、図示せぬ駆動装置により回転させられる堅軸16と、
この堅軸16の下端に形成されたフランジ16a上に設けら
れたスタラー3を上下動させる流体圧シリンダ17と、ス
タラー3および堅軸16のフランジ3a,16a間に介在され堅
軸16の回転をスタラー3に伝えるキー18とから構成され
ている。
前記流体圧シリンダ17のピストンロッド17aは、堅軸1
6のフランジ16aを貫通して上下動するようになってお
り、このピストンロッド17aは、スタラー2のフランジ3
aに係合されている。これにより、スタラー3は、流体
圧シリンダ17の作動(ピストンロッド17aの伸縮)によ
り容器2内を上下動し、かつ、キー18を介して堅軸16と
ともに一体に回転するようになっている。
容器2の下部には、鉄皮19および耐火材20からなるス
ラリー排出用の排出管21が設けられている。この排出管
21は、前記案内部材14の外径よりも所定サイズ大きく設
定された一定の内径を有する円筒状部21aと、この円筒
状部21aの下端に傘状に拡径した開口21bとからなり、前
記容器2および前記案内部材14と同軸的となるように、
上端に一体に形成されたフランジ部22が容器2の下端面
に固定されている。
この排出管21の内部であって鉄皮19と耐火材20との間
には、スラリー加熱用の熱媒体を循環させる熱媒体供給
管23が配されている。
この排出管21が上記のように容器2に取り付けられた
状態で、排出管21の上端開口24より円筒状部21a内に前
記案内部材14が挿入され、スタラー3が最も下方にある
とき、上端開口24はスタラー3の下端面によって閉塞さ
れるようになっている。すなわち、排出管21と案内部材
14との間には、円環状の空隙が形成され、この空隙が該
装置Aのスラリー排出口25とされている。
また、図中26は上部ケーシング4に設けたガス排出用
の管、Mは溶融金属である。
次いで、上記構成によるスラリー製造装置の作用を説
明する。
流体圧シリンダ17を作動させてスラリー3を下降さ
せ、スタラー3下端と排出管21上端面との間の隙間をご
く小さくした状態で、堅軸16を回転させることによりス
タラー3を回転させ、また、鉄片13に通電して誘導電流
を発生させ、各媒体供給管11、21に熱媒体を循環させ
る。
これにより、スタラー3は誘導電流により、また、容
器2、排出管21の各耐火材7、20は熱媒体によりそれぞ
れ所定の温度まで加熱される。
このようにスタラー3および各耐火材7、20が所定の
温度まで加熱されたら、供給管8あるいは9より容器2
内に溶融金属Mを供給し、必要に応じて熱媒体供給管11
に熱媒体を、また、冷却媒体供給管12に冷却媒体を供給
し、さらに、スタラー3の誘導電流による加熱を続行す
るかあるいは中止することにより溶融金属Mの温度制御
を行いつつ、スタラー3の回転により溶融金属に撹拌剪
断力を与え、成長するデンドライト結晶組織を破砕して
溶融金属中に均一な微細球状結晶粒を混在させることに
より、この溶融金属を半凝固金属スラリーに形成する。
所定のスラリーが形成されたら、流体圧シリンダ17に
よりスタラー3を距離X上昇させてスタラー3下端と排
出管21の上端面との間に隙間をあけ、スラリーを排出口
25から排出する。この際スラリーは、スタラー3ととも
に回転している案内部材14の案内溝14aに沿って螺旋状
に回転しながら下方に導かれて落下して排出されるが、
排出口25は、排出管21と案内部材14とより円筒状に形成
されているため、ここを排出していくスラリーは、中空
円筒状のパイプPに成形される。
このように、本装置Aでは、排出口25より排出される
スラリーは、この時点でパイプに成形される。したがっ
て、パイプに成形するための成形装置を必要とせず、容
易にパイプを得ることができ、またこのパイプは、スラ
リーを材料とするため、均一な微細結晶粒が混在した高
品質な製品となる。
また、本装置Aには、2つの供給管8、9が設けられ
ているから、これら供給管8、9からそれぞれ組成の異
なる溶融金属、あるいは溶融金属と添加物質とを独自に
容器2内に供給し、これらを容器3内で混合するととも
にその合金のスラリーを形成することが可能であり、そ
の合金のパイプを容易に形成することができる。
[発明の効果] 本発明は、以上説明したとおりに構成されているの
で、半凝固金属スラリーが環状の空隙からなる排出口か
ら排出することによりパイプが自動的に形成されるか
ら、パイプに成形するための別途の成形装置を必要とせ
ず、容易にパイプを得ることができるとともに、スラリ
ーは、スタラーとともに回転している案内部材の案内溝
に沿って螺旋状に回転しながら下方に導かれて排出され
るので、効率的に撹拌されて微細球状結晶粒の混合率が
均一になり、結果的に、均一な微細結晶粒が混在した高
品質なパイプを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す側断面図である。 2……容器、3……スタラー、25……排出口、P……パ
イプ、M……溶融合金。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器内に回転可能に配設したスタラーを回
    転させることにより、容器内の溶融金属に撹拌剪断力を
    与えて該溶融金属を半凝固金属スラリーに形成するとと
    もに、該スラリーを容器に設けられた排出口より排出す
    る半凝固金属スラリー製造装置において、前記排出口
    は、前記容器の下部に設けられた排出管と、前記スタラ
    ーの下端に前記排出管内に挿入される形態で固着されか
    つ外周面に螺旋状の案内溝が形成された案内部材との間
    に形成された環状の空隙よりなることを特徴とする半凝
    固金属スラリー製造装置。
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JPS6039133A (ja) * 1983-08-10 1985-02-28 Hitachi Ltd 合金スラリ製造装置

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