JPH0474109B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、連続鋳造用の金属スラリーをその成
形工程に連続的に送給して成形する方法及びその
装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来、固液共存域で撹拌することにより部分凝
固の状態にある連続鋳造用の金属スラリーを、成
形工程のダイス等に連続的に送給する場合に、金
属スラリーを成形のための最適状態に保持したま
ま送給するために、電磁撹拌手段による撹拌が行
われている。

この電磁撹拌手段は、固液共存域で撹拌するこ
とにより部分凝固した金属スラリーを、チクソト
ロピツクな性質（揺変性）を発現保持させた状態
にするために用いられるものであるが、電磁撹拌
の十分な効果を得るには、大容量の装置が必要と
されるし、間接的な撹拌であるために効率が極め
て悪い。そのため、電力消費量が大きく、これが
最終的に材料製造コストを上昇させている。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の技術的課題は、部分凝固した金属スラ
リーを上記チクソトロピツクな性質を発現保持さ
せた状態で成形工程まで送給するための、簡単で
低コストな手段を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記課題を解決するため、本発明に係る金属ス
ラリーの連続的成形方法は、固液共存域で撹拌す
ることにより部分凝固の状態にある連続鋳造用の
金属スラリーを、駆動装置により回転駆動される
スラリー移送用スクリユーを備えた送給装置によ
つて、強制的な流動を与えながら成形工程に連続
送給し、成形することを特徴としている。

また、上記目的を達成するため、本発明に係る
金属スラリーの連属的成形装置は、固液共存域の
連続鋳造用金属スラリーを撹拌槽内において撹拌
する撹拌装置と、駆動装置により案内筒内におい
て回転駆動されるスラリー移送用スクリユーを備
え、上記撹拌装置における撹拌により部分凝固の
状態にある金属スラリーが撹拌槽の排出口を通し
て送入される送給装置と、上記送給装置からダイ
スを通して金属スラリーが送給される成形型とを
備えた点に特徴を有している。

［作用］ 撹拌工程において固液共存域で撹拌することに
より部分凝固の状態にある連続鋳造用の金属スラ
リーを、移送用スクリユーを備えた送給装置によ
つて成形工程に送給すると、その送給の間に金属
スラリーに対して強制的な流動が与えられるの
で、金属スラリーがチクソトピツクな性質を発現
保持し、流動性を維持した状態で成形工程に送給
され、そのため電磁撹拌手段等を用いる必要がな
い。

［実施例］ 第１図は、本発明に基づいて、アルミニウム、
銅、ニツケル、鉄、あるいはそれらの合金等から
なる連続鋳造用金属スラリーを撹拌装置から成形
装置に連続送給する装置の一例を示している。

まず、同図に示す撹拌装置は、連続鋳造用金属
スラリーを固液共存域で撹拌することにより、部
分凝固の状態にある連続鋳造用の金属スラリーと
するもので、連続給湯されるターンデイシユ１の
注湯口２の下方に図示しない水冷装置を有する水
冷撹拌槽３を備え、この水冷撹拌槽３内に撹拌部
材４を内挿し、図示しない軸受により回転自在に
支持させている。

上記撹拌部材４は、撹拌槽３内に注下された溶
湯５内に浸漬される断面多角形（例えば８角形）
の筒状その他の多面体からなる撹拌部６と、回転
自在に支持されるシヤフト部７と、上記撹拌部６
及びシヤフト部７を貫通して、上端をターンデイ
シユ１の注湯口２に対向させると共に下端を撹拌
槽３内の溶湯中に開口させる湯路８を備えたもの
で、そのシヤフト部７を回転モータ１０から鋼ベ
ルト１１を介して回転駆動可能に構成している。
なお、図中、１３は反射板を示している。

上記水冷撹拌槽３においては、ターンデイシユ
１の注湯口２から連続的に注下された溶湯５を撹
拌部材４の湯路８によつて受け、それがシヤフト
部７及び撹拌部６内を通して、湯路８の下端から
鋳型内の溶湯中へ注入される。また、上記溶湯の
供給と同時に撹拌部材４が回転モータ１０によつ
て回転駆動されるので、生成したデンドライト結
晶が完全に破砕されたうえで、溶湯が部分凝固状
態にある金属スラリーとして送給装置２０に送入
される。

耐火物からなる水冷撹拌槽３の底板１５の中央
部には、溶湯５を排出する排出口１６が開設さ
れ、水冷撹拌槽３内で撹拌されて部分凝固状態に
ある金属スラリーは、この排出口１６を通して送
給装置２０により次段の成形装置２１に送られ、
それによつて鋳造欠陥のない均質な鋳片が連続的
に製造される。

送給装置２０は、上記金属スラリーを、駆動装
置２２により案内筒２３内において回転駆動され
るスラリー移送用スクリユー２４で成形工程に送
給するようにした機構によつて構成され、その操
作制御はスクリユー２４の駆動装置２２をによつ
て行われる。また、上記案内筒２３は均熱炉２５
内に配設され、案内筒２３の送出端に取付けたダ
イス２６の周囲には、金属スラリーの柔軟度を調
整する予熱炉２７が配設されている。

従つて、駆動装置２２によつてスクリユー２４
が駆動されると、撹拌工程において固液共存域で
撹拌することにより部分凝固の状態にある金属ス
ラリーが、強制的な流動を与えられながら、即ち
撹拌状態で均熱炉２５中をダイス２６の前面まで
圧送され、その結果、金属スラリーがチクソトロ
ピツクな性質を発現保持し、流動性を維持した状
態で成形工程に送給される。

成形工程においては、金属スラリーが予熱炉２
７で柔軟度を調整して成形型２８へ押出され、連
続鋳造が行われる。ダイス２６の孔形状を任意に
変えることによつて、種々の断面を有した異形
条、棒、パイプ等を製造できるのは勿論である。

第２図は、金属スラリーの撹拌装置の異なる構
成例を示すもので、連続給湯される撹拌槽３０の
上部周囲に誘導加熱装置３１を設けると共に、そ
の下部周囲に冷却装置３２を設け、撹拌槽３０の
中央に下部の冷却帯に達する撹拌棒３３を挿入
し、図示しない回転モータによつて回転駆動可能
に構成している。

従つて、撹拌槽３０に連続給湯された溶融金属
は、撹拌槽内において撹拌棒３３の回転によりデ
ンドライト結晶が破砕され、部分凝固状態にある
金属スラリーとして、下部の排出口３４を通して
送給装置２０の案内筒２３内に送入される。

送給装置２０及び成形装置２１の構成は、第１
図の装置と同一であるため、同一または相当部分
に同一の符号を付してその説明を省略する。

［発明の効果］ 以上に詳述したように、本発明の成形方法及び
装置においては、撹拌工程における撹拌により部
分凝固の状態にある金属スラリーを成形工程に送
給するに当つて、金属スラリーにチクソトロピツ
クな性質を発現保持させるために、従来から用い
られている大電力が必要な電磁撹拌装置の代り
に、送給装置の移送用スクリユーによる機械的な
撹拌手段を用い、撹拌と同時にその金属スラリー
を移送するようにしている。そのため、金属スラ
リーを、簡単な装置により低コストで、しかもチ
クソトロピツクな性質を発現保持し、流動性を維
持した状態で送給することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る連続的成形装置の実施例
を示す断面図、第２図は他の実施例の断面図であ
る。 ３，３０……撹拌槽、１６，３４……排出口、
２０……送給装置、２２……駆動装置、２３……
案内筒、２４……スラリー移送用スクリユー、２
６……ダイス、２８……成形型。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固液共存域で撹拌することにより部分凝固の
   状態にある連続鋳造用の金属スラリーを、駆動装
   置により回転駆動されるスラリー移送用スクリユ
   ーを備えた送給装置によつて、強制的な流動を与
   えながら成形工程に連続送給し、成形することを
   特徴とする連続鋳造用金属スラリーの連続的成形
   方法。 ２ 固液共存域の連続鋳造用金属スラリーを撹拌
   槽内において撹拌する撹拌装置と、 駆動装置により案内筒内において回転駆動され
   るスラリー移送用スクリユーを備え、上記撹拌装
   置における撹拌により部分凝固の状態にある金属
   スラリーが撹拌槽の排出口を通して送入される送
   給装置と、 上記送給装置からダイスを通して金属スラリー
   が送給される成形型と、 を備えたことを特徴とする連続鋳造用金属スラリ
   ーの連続的成形装置。