JPH04237543A - 熱間薄板製造設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は熱間薄板製造設備に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】２元金属元素以上の金属合金において、
固液共存温度域で溶湯中に微細結晶粒をできるだけ多く
存在させた半凝固スラリーを製造し、該スラリーから薄
板を得る方法として、凝固開始点から溶湯に温度制御を
行いつつ攪拌剪断力を与えて成長するデンドライト結晶
組織を破砕し、溶融金属中に均一に微細結晶粒を混在さ
せた半凝固スラリーを製造し、該スラリーを基に薄板を
製造する方法がある。

【０００３】而して斯かる方法により薄板を製造する従
来の熱間薄板製造設備の一例を、図３により説明すると
、該熱間薄板製造設備は、タンディッシュａから供給さ
れた溶融金属ｂを基に半凝固金属スラリーｃを製造する
ようにした機械式半凝固金属スラリー製造装置ｄと、該
装置ｄから離れて設置され薄板ｋを製造し得るようにし
た圧延装置ｇを備えている。

【０００４】前記半凝固金属スラリー製造装置ｄは図示
してないが溶融金属ｂを攪拌して半凝固金属スラリーｃ
を形成するスタラーを有し、また前記圧延装置ｇは、適
宜のギャップＳを隔てて対向配置された、内部冷却可能
な左右一対の水平ロールｈと該水平ロールｈの両端面に
設けたサイドシール板ｉによって水平ロールｈ上部間に
形成された湯溜りｊを有している。

【０００５】上記機械式半凝固金属スラリー製造装置ｄ
で製造された半凝固金属スラリーｃは装置下端に設けた
円筒形状の排出容器ｅから排出されて坩堝ｆに導入され
、坩堝ｆに導入された半凝固金属スラリーｃは、図示し
ていないクレーン等の搬送装置により、一対の水平ロー
ルｈを有する圧延装置ｇへ搬送される。

【０００６】而して、前記坩堝ｆ内の半凝固金属スラリ
ーｃは、前記圧延装置ｇの湯溜りｊへ注入され、該湯溜
りｊを経て水平ロールｈ間へ流下する半凝固金属スラリ
ーｃは水平ロールｈにより冷却されつつ、対向面が下方
へ向けて回転している水平ロールｈ間のロールギャップ
Ｓから連続的に引抜かれ、薄板ｋが製造される。

【０００７】また、従来の熱間薄板製造設備の他の例と
しては、図４に示すようなものがある。該熱間薄板製造
設備では機械式半凝固金属スラリー製造装置ｄの下方に
圧延装置ｇが配設され、機械式半凝固金属スラリー製造
装置ｄの下端に設けた円筒形排出容器ｅから排出された
半凝固金属スラリーｃは、圧延装置ｇの湯溜りｊへ流下
して導入され、該湯溜りｊから冷却ロールｈ間へ流入す
る半凝固金属スラリーｃは水平ロールｈにより冷却され
つつ、水平ロールｈ間のロールギャップＳから連続的に
引抜かれた薄板ｋが製造される。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図３に
示す熱間薄板製造設備では、機械式半凝固金属スラリー
製造装置ｄから圧延装置ｇへ半凝固金属スラリーｃを供
給する場合に、坩堝ｆを使用して半凝固金属スラリーｃ
を移送するようにしたので半凝固スラリーの製造および
薄板の製造を連続して行なうことができず、また固化し
易い性質を有する半凝固金属スラリーｃを搬送する際、
半凝固金属スラリーｃが冷却しないよう加熱をする必要
があり、設備のコストアップにもつながっていた。

【０００９】また図４の熱間薄板製造設備では、水平方
向断面が円筒形である排出容器ｅから排出された半凝固
金属スラリーｃは円柱状をなし、且つ半凝固金属スラリ
ーｃは高い粘性を有するため、排出容器ｅから湯溜りｊ
に導入される際板状に拡がり難くし、このため良好な形
状の薄板ｋの製造が困難であり、さらに排出容器ｅから
圧延装置ｇへの落下時間がかかるため、機械式半凝固金
属スラリー製造設備ｄにより微細粒化した金属結晶が前
記落下期間中に粗大化し製品品質が悪化するなどの問題
があった。

【００１０】本発明は、前述の実情に鑑み、余分な熱損
失がなく、しかも形状良好で結晶粒が微細化した薄板を
連続的に製造し得るようにした熱間薄板製造設備を提供
することを目的としてなしたものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は、容器内に回転
可能なスタラーを配設し、該スタラーを回転させること
により、容器内の溶融金属に攪拌剪断力を与え半凝固金
属スラリーを形成し得るようにした機械式半凝固金属ス
ラリー製造装置と、該機械式半凝固金属スラリー製造装
置の直下に配設された内部冷却可能な一対の水平ロール
を備え且つ該水平ロール間の上部空間に前記スタラー下
端が位置する圧延装置を備えてなる構成としている。

【００１２】

【作用】従って、本発明では、機械式半凝固金属スラリ
ー製造装置においてスタラーを回転し、容器内溶融金属
に攪拌剪断力を与えることにより、半凝固金属スラリー
を形成させ、機械式半凝固金属スラリー製造装置の直下
に配設された圧延装置が備えた内部冷却可能な一対の水
平ロールを回転することにより、前記半凝固金属スラリ
ーを機械式半凝固金属製造装置から引き出し、且つ冷却
しつつ、水平ロール間のロールギャップで扁平化し、圧
延を行ない、薄板を製造する。

【００１３】

【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面を参照しつ
つ説明する。

【００１４】図１および図２は本発明の一実施例であり
、タンディッシュ１から供給された溶融金属２をその凝
固開始点から温度制御を行ないつつ攪拌することにより
、溶融金属２に攪拌剪断力を与え成長するデンドライト
結晶組織を破砕して溶融金属２中に均一に微細球状結晶
粒を混在させ、半凝固金属スラリー３を形成し得る機械
式半凝固金属スラリー製造装置４を設け、該機械式半凝
固金属スラリー製造装置４の直下に、装置４から供給さ
れた半凝固金属スラリー３を冷却、固化して薄板３５を
製造する圧延装置６を配設する。

【００１５】前記機械式半凝固金属スラリー製造装置４
について詳述すると、ケーシング７内に、外周を鉄皮８
により被覆し、内周に耐火材９を内張りした中空円筒状
の容器１０を装着し、該容器１０上側部に、溶融金属２
をタンディッシュ１から容器１０内へ供給する溶融金属
供給管１１を設け、容器１０の鉄皮８と耐火材９との間
に、溶融金属２加熱用の加熱媒体を循環させる加熱媒体
供給管１２と、溶融金属２冷却用の冷却媒体を循環させ
る冷却媒体供給管１３とを配設する。

【００１６】前記ケーシング７の上部に竪軸ケーシング
１４を設け、該竪軸ケーシング１４内に垂直方向へ所定
の間隔を置いて軸受１５を配設し、該軸受１５により回
転自在に支持され且つ下端フランジ部１６を有する竪軸
１７を、前記竪軸ケーシング１４上部に設けた駆動装置
１８により駆動し得るよう形成し、該竪軸１７の下方に
、例えばセラミックス製のスタラー１９を前記容器１０
中心に垂下し、且つスタラー１９下端が容器１０下端よ
りも下方へ突出するよう配設し、該スタラー１９上端フ
ランジ部２０を前記竪軸１７下端フランジ部１６に合わ
せ、両フランジ部１６，２０をボルト２１により結合す
る。

【００１７】前記スタラー１９の溶融金属２攪拌部を外
周が多角形の筒状とし、該筒状内部に、加熱手段として
誘導電流を生じさせる螺旋状の鉄片２２を埋め込み、ス
タラー１９下端部を先細りに形成する。なお、図中、２
３は竪軸ケーシング１４に設けたガス排出管である。

【００１８】また、前記圧延装置６について詳述すると
、夫々ハウジングウインド２４ａを備えた前後一対の水
平ハウジング２４間に、相対向面が下方（矢印Ｘ方向）
へ回転し得る左右一対の水平ロール５を配設し、該水平
ロール５の軸５ａ両端部に、水平ロール軸箱２５を外嵌
し、該水平ロール軸箱２５を水平ハウジング２４のハウ
ジングウインド２４ａに水平方向へ摺動可能に嵌合する
。

【００１９】そして、一対の水平ロール５を支持する水
平ロール軸箱２５のうち一方の水平ロール軸箱２５（図
１では左側のもの）の後方に、水平ロール５の位置決め
を行なうためハウジングウインド２４ａに嵌合されたス
ペーサ２６を当接させる。また、他方の水平ロール５の
左右方向位置を調整することにより、水平ロール５，５
間のロールギャップＳを決めるため、他方の水平ロール
５を支持する水平ロール軸箱２５に、水平ハウジング２
４に螺合貫通し且つ先端が水平ロール軸箱２５後面に回
転自在に係合する圧下スクリュー２７を設ける。さらに
、前記ロールギャップＳを保持するため、一対の相対向
する水平ロール軸箱２５間に圧縮ばね２８を配設する。

【００２０】水平ロール５を形成する水平ロール本体５
ｂの内部には、冷却媒体を流通させるため、周方向に沿
い延びる流路３０を設けると共に水平ロール軸５ａ端面
に開口し、且つ水平ロール軸５ａ中心から前記空間３０
端部へ通じる冷却媒体供給孔３２を設ける。前記流路３
０には、伝熱面積を増加するため、ロール外周に近い側
に凹凸３１が付されている。

【００２１】前記一対の水平ロール本体５ｂ両側面にサ
イドシール板３３を配設し、該サイドシール板３３によ
って、一対の水平ロール本体５ｂ上部間に湯溜り３４を
形成する。

【００２２】而して、機械式半凝固金属スラリー製造装
置４の容器１０下端に水平ロール本体５ｂ外周上部が近
接し、スタラー１９下端が前記湯溜り３４に位置するよ
う圧延装置６を配設する。

【００２３】次に作動について説明する。

【００２４】圧下スクリュー２７を締め込み、圧下スク
リュー２７側の水平ロール軸箱２５を水平ハウジング２
４延設方向へ移動することにより、一対の水平ロール５
，５間のロールギャップＳをゼロとしたのち、駆動装置
１８を作動させ竪軸１７を介してスタラー１９を回転駆
動し、またガス排出管２３より容器１０内のガスを吸引
排気し、さらに、鉄片２２に通電を行なって誘導電流を
発生させ、加熱媒体供給管１２に加熱媒体を循環させる
。かくして、スタラー１９は誘導電流により、また容器
１０の耐火材９壁面は加熱媒体により所望の温度まで加
熱される。

【００２５】スタラー１９および耐火材９壁面が所定の
温度まで加熱されたら、溶融金属２をタンディッシュ１
から溶融金属供給管１１を介して容器１０内へ供給し、
必要に応じ、加熱媒体供給管１２に加熱媒体を、また冷
却媒体供給管１３に冷却媒体を供給し、さらにスタラー
１９の誘導電流による加熱を続行するか、或いは中止す
ることにより、溶融金属２の温度制御を行ないつつ、ス
タラー１９の回転により溶融金属２に攪拌剪断力を与え
、成長するデントライト結晶組織を破砕して溶融金属２
中に均一な微細球状結晶粒を混在させ、半凝固金属スラ
リー３を製造する。

【００２６】所定の半凝固金属スラリー３が形成された
ら、圧下スクリュー２７を緩め、圧下スクリュー２７側
の水平ロール軸箱２５を圧下スクリュー２７側へ移動し
、また圧縮ばね２８の反発力によって水平ロール５と水
平ロール軸箱２５の間のがたやその他の機械部品のがた
をなくすことにより一対の水平ロール５，５の間隔を所
定のロールギャップＳとし、冷却媒体を冷却媒体供給孔
３２より水平ロール本体５ｂの流路３０へ供給して水平
ロール本体５ｂを冷却しつつ、図示していない駆動装置
により水平ロール５，５を矢印Ｘの方向へ回転させると
、半凝固金属スラリー３は湯溜り３４からロールギャッ
プＳを通って水平ロール５，５下方へ排出され、その間
に水平ロール５，５により冷却されつつ扁平化され、さ
らに連続的に圧延されて薄板３５が製造される。

【００２７】上述した本発明の実施例によれば、機械式
半凝固金属スラリー製造装置４の直下に、一対の水平ロ
ール５，５からなる圧延装置６を設けたので、水平ロー
ル５の回転によって生ずる引込み力により、機械式半凝
固金属スラリー製造装置４の容器１０内の半凝固金属ス
ラリー３の排出が完全に行なわれ、また半凝固金属スラ
リー３に、スタラー１９の回転によって付加される水平
円周方向剪断力（図２に示す矢印Ｂ）と、水平ロール５
の回転によって付加される垂直方向剪断力（図２に示す
矢印Ｃ）との相乗効果により、結晶の微細粒化が促進さ
れ、且つ微細粒化された結晶を有する半凝固金属スラリ
ー３を連続的に扁平化し、圧延することができ、高品質
の薄板３５の製造が可能となる。

【００２８】なお、本発明は前述の実施例にのみ限定さ
れるものではなく、例えば、スタラー外周の形状は多角
形の他、溶融金属の種類に対応した形状に変更できるこ
と、また水平ロールの本体内の流路に設けた凹凸は、伝
熱面積が増大する種々の形状に変更できること、その他
、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を
加え得ることは勿論である。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明の熱間薄板製
造設備によれば、下記のごとき種々の優れた効果を奏し
得る。

【００３０】■機械式半凝固金属スラリ―製造装置の直
下に一対の水平ロ―ルからなる圧延装置を配設したので
、連続的な薄板の製造が可能となると共に余分な熱損失
を防止でき、また半凝固金属スラリ―に、スタラ―によ
る水平円周方向剪断力と水平ロ―ルによる垂直方向剪断
力とが付加されるためその相乗効果により半凝固金属ス
ラリ―中の結晶が微細粒化される。

【００３１】■微細粒化された結晶を有する半凝固金属
スラリ―を直ちに扁平化し、圧延することができるので
、高品質の薄板製造が可能となる。

【００３２】■機械式半凝固金属スラリ―製造装置と圧
延装置を直接組合せたので、簡単な構成で小型化を図る
ことができ、設備コストが低減する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱間薄板製造設備の一実施例の縦断面
図である。

【図２】図１の設備で薄板の製造を行なう場合の半凝固
金属スラリーの流れの状態を示す斜視図である。

【図３】従来の熱間薄板製造設備の一例の側面図である
。

【図４】従来の熱間薄板製造設備の他の例の側面図であ
る。

【符号の説明】

２　　　　　　　　　　溶融金属 ３　　　　　　　　　　半凝固金属スラリー４　　　　
　　　　　　機械式半凝固金属スラリー製造装置５　　
　　　　　　　　水平ロール ６　　　　　　　　　　圧延装置 １０　　　　　　　　容器 １９　　　　　　　　スタラー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　容器内に回転可能なスタラーを配設し
   、該スタラーを回転させることにより、容器内の溶融金
   属に攪拌剪断力を与え半凝固金属スラリーを形成し得る
   ようにした機械式半凝固金属スラリー製造装置と、該機
   械式半凝固金属スラリー製造装置の直下に配設された内
   部冷却可能な一対の水平ロールを備え且つ該水平ロール
   間の上部空間に前記スタラー下端が位置する圧延装置を
   備えてなることを特徴とする熱間薄板製造設備。