JP2655418B2 - 半凝固金属スラリー製造装置 - Google Patents

半凝固金属スラリー製造装置

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JP2655418B2 JP14292188A JP14292188A JP2655418B2 JP 2655418 B2 JP2655418 B2 JP 2655418B2 JP 14292188 A JP14292188 A JP 14292188A JP 14292188 A JP14292188 A JP 14292188A JP 2655418 B2 JP2655418 B2 JP 2655418B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、半凝固金属スラリー製造装置に関するもの
である。
[従来の技術] 2元金属元素以上の金属合金において、固液共存温度
域で溶融金属中に微細球状結晶粒をできるだけ多く存在
させた半凝固金属スラリー(以下単にスラリーと略称す
る)を得るためには、凝固開始点から溶融金属に温度制
御を行いつつ撹拌剪断力を与え、成長するデンドライト
結晶組織を破砕して溶融金属中に均一に微細球状結晶粒
を混在させる方法がある。
そして、この方法を実施し得るための装置としては、
容器外周に設けた冷却装置および加熱装置により、容器
内に供給した溶融金属の温度制御を行いつつ、容器内に
配設した角柱状のスタラーを軸回りに回転させることに
より溶融金属を撹拌し、溶融金属をスラリーに形成する
形式のものが知られている。
[発明が解決しようとする課題] ところで、このような装置においては、回転する角柱
状のスタラーによる溶融金属への撹拌剪断作用が不十分
な場合があり、その作用をより効率良く行えるスタラー
の開発が要請されている。
[課題を解決するための手段] 本発明は上記課題を解決するためになされたものであ
って、容器内に配設した筒状スタラーを軸回りに回転さ
せることにより、容器内の溶融金属に撹拌剪断力を与え
て該溶融金属を半凝固金属スラリーに形成する半凝固金
属スラリー製造装置において、前記筒状スタラーは、そ
の周壁に筒内外を貫通する空隙が周方向に沿って複数形
成されてなることを特徴としている。
[作用] 本発明の半凝固金属スラリーの製造装置によれば、筒
状スタラーの回転により溶融金属が撹拌される際、空隙
を通過して筒内外に溶融金属が流れ、また、空隙内面に
溶融金属が衝突することにより溶融金属に乱流が生じ、
このため、溶融金属に対し撹拌および剪断力が有効に作
用する。この結果、溶融金属は、均一な微細球状結晶粒
がより多く混在したスラリーとなる。また、空隙がある
ことにより、容器内への溶融金属の供給量を多くするこ
とができる。
[実施例] 以下、第1図ないし第3図を参照して本発明の一実施
例を説明する。
第1図中Aは本発明に係るスラリー製造装置であっ
て、この装置Aは、内部に溶融金属Mが供給される有底
円筒状の容器1と、この容器1上部に、容器1と同軸的
に固定された筒状ケーシング2と、この筒状ケーシング
2上部に固定された上部ケーシング3と、容器1内に配
設された温度調整軸4およびスタラー5と、前記上部ケ
ーシング3に設けられた温度調整軸4を上下動させる流
体圧シリンダ6および前記スタラー5を回転させるスタ
ラー駆動機構7とから概略構成されている。
前記容器1は、有底円筒状の鉄皮8内周壁に耐火材9
が設けられてなる有底円筒状のものであり、その周壁上
部の円周を等分する2箇所に、溶融金属Mあるいは他の
添加物質を内部に供給する供給管10が設けられている。
供給管10下方における耐火材9と鉄皮8の間にあけら
れたスペース11には、溶融金属加熱用の熱媒体を循環さ
せる熱媒体供給管12と、溶融金属冷却用の冷却媒体を循
環させる冷却媒体供給管13が配設されている。また、前
記耐火材9の内周壁には、第2図に示すように、軸方向
に沿った溝14が形成され、これにより、容器1内周面に
は、周方向に沿って凹凸が形成されている。
さらに、容器1底部を形成する鉄皮8の中央には円形
のスラリー排出口15が形成されている。
前記温度調整軸4は、円柱状軸部16の下部周囲が有底
筒状のカバー17に被われ、さらに、このカバー17に被わ
れた軸部16内部に、加熱手段として誘導電流を生じせし
める螺線状の鉄片18が埋め込まれてなるものである。前
記カバー17はセラミックス製であって、ボルト19により
前記軸部16に固定されており、また、その外周面には、
第2図に示すように、軸方向に沿った溝20が形成され、
これにより、カバー17外周面には、周方向に沿って凹凸
が形成されている。また、このカバー17の外径は、容器
2における排出口15の上端縁のそれより大きく設定され
ている。
この温度調整軸4は、その軸部16が、円柱状の支持ロ
ッド21下部に同軸的に固定され、この支持ロッド21は、
上部ケーシング3に設けられた前記流体圧シリンダ6の
伸縮ロッド22に固定されており、このロッド22の伸縮に
ともなって上下動するようになっている。そして、温度
調整軸4が下降して、容器1の底部にカバー17の下端面
が当接することにより、前記排出口15が塞がれるように
なっている。
容器1内であって温度調整軸4の周囲には、筒状の前
記スタラー5が配設されている。このスタラー5は、セ
ラミックス製円筒状基部23と、この基部23下端面に固定
され、基部23の軸方向に沿って下方に延びる複数のセラ
ミックス製円柱状ロッド24とからなる。各ロッド24は、
第2図および第3図に示すように、基部23に対し複数箇
所(この場合8箇所)に配され、これにより各ロッド24
間には、スリット(空隙)25が形成されている。
このスタラー5は、円筒状ケーシング2内に配された
支持筒26下部に固定されており、この支持筒26は、前記
支持ロッド21にローラベアリング27を介し、かつ円筒状
ケーシング2にベアリング28を介して軸回りに回転可能
とされている。支持筒26の上端部は前記上部ケーシング
3内にあり、この周囲に、ギヤ29が同軸的かつ一体に固
定されている。
前記スタラー駆動機構7は、上部ケーシング3内に、
ベアリング30を介して貫通されたシャフト31と、このシ
ャフト31先端に、前記支持筒26上端部に固定されたギア
29に噛み合う駆動ギヤ32と、前記シャフト31を回転させ
る図示せぬモータとからなり、このモータを作動させる
ことにより、シャフト31、両ギヤ29、32、支持筒26を介
してスタラー5が軸回りに回転するようになっている。
次いで、上記構成によるスラリー製造装置Aの作用を
説明する。
流体圧シリンダ6を作動させて温度調整軸4を下降さ
せ、温度調整軸4下端と排出口15との間の隙間をごく小
さくした状態でスタラー5を回転させ、また、鉄片18に
通電して誘導電流を発生させ、熱媒体供給管12に熱媒体
を循環させる。これにより、温度調整軸4の軸部16は誘
導電流により、また、容器1の耐火材9は熱媒体により
それぞれ所定の温度まで加熱される。
このように温度調整軸4および耐火材9が所定の温度
まで加熱されたら、供給管10より容器1内に溶融金属M
を供給し、必要に応じて熱媒体供給管12に熱媒体を、ま
た、冷却媒体供給管13に冷却媒体を供給し、さらに、温
度調整軸4の誘導電流による加熱を続行するかあるいは
中止することにより溶融金属Mの温度制御を行いつつ、
スタラー5の各ロッド26により溶融金属Mに撹拌剪断力
を与え、成長するデンドライト結晶組織を破砕して溶融
金属M中に均一な微細球状結晶粒を混在させることによ
り、この溶融金属Mをスラリーに形成する。
所定のスラリーが形成されたら、流体圧シリンダ6に
より温度調整軸4を距離X上昇させて温度調整軸4下端
面と排出口15の上端面との間に隙間をあけ、スラリーを
排出口15から排出する。
上記装置Aにおいては、スタラー5の各ロッド24によ
り溶融金属Mが撹拌されるが、溶融金属Mには、ロッド
24の回転方向に向いた周面に衝突し、かつロッド24間の
スリット25からロッド24の両側に流れるような動きが連
続的に起こることにより乱流が生じ、このため、溶融金
属Mには撹拌および剪断力が有効に作用する。この結
果、溶融金属Mは、その中に均一な微細球状結晶粒がよ
り多く混在したスラリーとなる。
また、スリット25に溶融金属Mが侵入することによ
り、容器1内への溶融金属Mの供給量を多くすることが
できるといった利点がある。
第4図および第5図は、スタラーの変形例を示し、こ
のスタラー40は、筒状のセラミックス製基部41下端面か
ら軸方向に沿って下方に延びた断面円弧状のスタラー片
42が、基部41と一体に形成されたもので、スタラー片42
は基部41下端面の複数箇所(この場合4カ所)に形成さ
れ、各スタラー片42間には、スリット43(空隙)が形成
されているものである。
また、第6図はさらに他のスタラーの変形例を示し、
このスタラー50はセラミックス製筒状体51の周壁に、筒
内外を貫通する適宜大きさの円形の孔(空隙)52が多数
形成されているものである。
上記各スタラー40、50も、先の実施例と同様に、軸回
りに回転することにより、溶融金属Mに乱流を発生さ
せ、溶融金属Mに対しより効率良く撹拌剪断力を与える
よう作用する。
なお、上記において、容器1内周面および温度調整軸
4の外周面には、それぞれ溝14、20が形成されることに
より周方向に凹凸が形成されているが、これらは、いず
れか一方に凹凸を形成し、他方を平滑な面としたり、あ
るいは両方の面を平滑な面としてもよい。さらに、容器
1内周面および温度調整軸4外周面の少なくとも一方
に、螺線状の溝を形成した構成としてもよい。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明の半凝固金属スラリー製
造装置によれば、容器内に配設した筒状スタラーを軸回
りに回転させることにより、容器内の溶融金属に撹拌剪
断力を与えて該溶融金属を半凝固金属スラリーに形成す
る半凝固金属スラリー製造装置において、前記筒状スタ
ラーは、その周壁に筒内外を貫通する空隙が周方向に沿
って複数形成されてなることを特徴とするものであり、
このスタラーによって撹拌される溶融金属には、前記空
隙の作用により乱流が生じ、このため、溶融金属には撹
拌および剪断力が有効に作用し、この結果、均一な微細
球状結晶粒がより多く混在した半凝固金属スラリーを製
造することができ、また、スタラーに空隙があることに
より、容器内への溶融金属の供給量を多くすることがで
きるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す側断面図、第2図は第
1図II−II線断面図、第3図はスタラーの斜視図、第4
図および第5図はスタラーの変形例を示す図であって、
第4図はその断面図、第5図はその斜視図、第6図はス
タラーの他の変形例を示す斜視図である。 1……容器、 5……スタラー、 25……スリット(空隙)、 A……スラリー製造装置、 M……溶融合金。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田添 信広 神奈川県横浜市磯子区新中原町1番地 石川島播磨重工業株式会社横浜第二工場 内 (56)参考文献 特開 昭60−39133(JP,A) 特公 昭56−20944(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】容器内に配設した筒状スタラーを軸回りに
    回転させることにより、容器内の溶融金属に撹拌剪断力
    を与えて該溶融金属を半凝固金属スラリーに形成する半
    凝固金属スラリー製造装置において、 前記筒状スタラーは、その周壁に筒内外を貫通する空隙
    が周方向に沿って複数形成されてなることを特徴とする
    半凝固金属スラリー製造装置。
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CN111558700B (zh) * 2020-06-27 2021-05-18 合肥学院 一种锥桶式半固态金属制备装置及使用方法
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