JP2690946B2 - Migヘッド波形再生装置 - Google Patents

Migヘッド波形再生装置

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    • G11B5/02Recording, reproducing, or erasing methods; Read, write or erase circuits therefor
    • G11B5/027Analogue recording
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、MIGヘッドで磁気記録媒体にディジタル情
報を記録・再生するときの波形再生装置に関し、特にMI
Gヘッドの擬似ギャップに起因する波形干渉による再生
信号の品質劣化を改善したMIGヘッド波形再生装置に関
するものである。
[従来の技術] 磁気ディスクなどのディジタル磁気記憶装置において
は、高記録密度化に伴う再生出力の低下に対処するた
め、記録媒体を高Hc(保持力)化する方向にある。それ
に伴い磁気ヘッドにおいても、ギャップ部に高Bs(飽和
磁束密度)の金属磁性膜を設けることによって飽和磁束
密度を上げ、高Hc媒体への記録能力の向上を図ったMIG
(Metal−in−gap)ヘッドが開発されている。
第5図は、上記のMIGヘッドの構成の説明図である。
1はヘッドコア材、g0はヘッド本体のメインギャップ、
2はこのメインギャップg0の内側であってトレーリング
側(記録媒体との相対移動において後方になる側)に形
成した金属磁性膜である。情報の記録すなわち記録媒体
の磁化はメインギャップg0のトレーリング側で行われる
ので、従来よりメインギャップg0のトレーリング側にセ
ンダストなどの金属磁性膜を設けて記録性能向上を図る
のが一般的であった。第5図におけるA部は上記メイン
ギャップg0部分の説明図である。金属磁性膜2とヘッド
コア材1の界面には、物理的なギャップは存在しない
が、記録媒体の磁化においては、擬似ギャップg1として
作用することが知られている。そのため、このようなMI
Gヘッドで記録・再生すると孤立再生波形は、第6図の
再生波形例に示すように、メインギャップg0で再生され
たメインパルスPMと擬似ギャップg1で再生されたサブパ
ルスPSの和となって、実線で示すような波形P0となって
いた。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記従来の技術におけるMIGヘッドを
用いた記録・再生では、ヘッドコア材1と金属磁性膜2
の界面が擬似ギャップg1として作用し、孤立再生波形に
は本来のメインギャップg0によるメインパルスPM以外に
サブパルスPSが現れ、このサブパルスPSが波形干渉の原
因となって信号弁別マージンを劣化させるという問題点
があった。
本発明は、上記問題点を解決するために創案されたも
ので、MIGヘッドによってディジタル情報を磁気記録媒
体に記録・再生したときの擬似ギャップに起因するサブ
パルスを除去し、波形干渉による再生信号品質の劣化を
改善するためのMIGヘッド波形再生装置を提供すること
を目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するための本発明のMIGヘッド波形
再生装置の構成は、 磁気記録媒体にディジタル情報を記録・再生するため
の装置であって、磁気ヘッドのメインギャップの内側の
トレーリング側に金属磁性膜を形成したMIGヘッドを有
するMIGヘッド波形再生装置において、所定の遅延時間
を有する遅延素子と、振幅調整器とを有し、前記MIGヘ
ッドからの再生信号を、前記遅延素子、及び前記振幅調
整器を経由して、前記MIGヘッドからの再生信号にネガ
ティブフィードバックさせるフィードバックループを有
することを特徴とする。
あるいは、磁気記録媒体にディジタル情報を記録・再
生するための装置であって、磁気ヘッドのメインギャッ
プの内側のトレーリング側に金属磁性膜を形成したMIG
ヘッドを有するMIGヘッド波形再生装置において、所定
の遅延時間を有する遅延素子と、前記MIGヘッドからの
再生信号の波形の信号スペクトラムに応じて設ける低域
強調型フィルタもしくは高域強調型フィルタと、振幅調
整器とを有し、前記MIGヘッドからの再生信号を、前記
遅延素子、前記低域強調型フィルタもしくは高域強調型
フィルタ、及び前記振幅調整器を経由して、前記MIGヘ
ッドからの再生信号にネガティブフィードバックさせる
フィードバックループを有することを特徴とする。
[作用] 本発明は、MIGヘッドの出力信号を遅延、減衰処理
し、必要に応じフィルタリング処理した信号を元の出力
信号にネガティブフィードバックさせるフィードバック
ループを有する回路構成によりMIGヘッドによる再生信
号の波形等化に必要な伝達関数を近似的に得て、MIGヘ
ッドの擬似ギャップによってその再生信号に生ずる波形
干渉の原因となる信号成分(サブパルス)を除去する。
[実施例] 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は本発明のMIGヘッド波形再生装置の波形等化
回路の一実施例を示す回路構成図である。3は2つの入
力信号の差分を出力する差動増幅器、4は差動増幅器3
の正転出力を入力しタップ4aの位置により所定時間τ
(遅延時間)だけ遅延させる遅延素子の例である遅延
線、5は遅延線4をプルアップする際にインピーダンス
整合を図る抵抗、6はタップ4aからの遅延線4の出力を
入力する高域強調型または低域強調型のフィルタ、7は
フィルタ6の出力の振幅を調整する可変抵抗器で構成し
た減衰率Kの振幅調整器である。差動増幅器3は、本発
明の差分をとる点を構成しており、その+入力端子3aに
は第5図のMIGヘッドによって再生された再生信号を入
力し、その−入力端子3bには振幅調整器7からの出力を
入力してネガティブフィードバックさせる。遅延線4の
遅延時間τは、第6図のMIGヘッドによる孤立再生波形
例に示すメインパルスPMに対するサブパルスPSの時間遅
れに等しく設定する。また、振幅調整器7の減衰率Kは
メインパルスPMに対するサブパルスPSの振幅比に等しく
設定する。フィルタ6は、後記するようにメインパルス
PM波形とサブパルスPS波形の波形分解能を比べて、サブ
パルスPSの波形分解能が良い場合には高域強調型のフィ
ルタを使用し、逆の場合には低域強調型のフィルタを使
用し、等しい場合にはフィルタは使用せず遅延線4の出
力を直接振幅調整器7へ入力する。MIGヘッドの再生信
号から擬似ギャップで再生されたサブパルスが除去され
た再生波形出力は、例えば差動増幅器3の反転出力端子
3cより得る。もちろん、上記再生波形出力は遅延線4へ
入力する点から適当なバッファ手段を介して取り出して
も良い。
以上のように構成した実施例の作用を述べる。本実施
例は、MIGヘッドの擬似ギャップg1(第5図)で再生さ
れるサブパルスPS(第6図)を除去するように作用す
る。上記構成の波形等化回路は、そのために必要な伝達
関数を近似的に得る。まず、波形等化回路によるサブパ
ルス除去の原理は第5図と第6図を参照して説明する。
前述したように、MIGヘッドは、ヘッドコア材1のメイ
ンギャップg0のトレーリング側にセンダストなどの金属
磁性膜2を設けて、高BS化を図り記録性能向上を図って
いる。このため、本来のギャップg0(メインギャップ)
の他に、金属磁性膜2とヘッドコア材1との界面が擬似
ギャップg1として作用し、孤立再生波形は第6図のよう
に、点線で示したメインギャップg0で再生されたメイン
パルスPMと擬似ギャップで再生されたサブパルスPSの和
として実線P0で示すような波形となる。従って、このよ
うな孤立再生波形のスペクトラムO(ω)は次式で表さ
れる。
0(ω)=I(ω)×[1+G(ω)exp(−jω τ)] …(1) 但し、I(ω)はメインパルスのスペクトラムを、I
(ω)×G(ω)exp(−jωτ)はサブパルスのスペ
クトラムを表している。さらに詳しくいえばG(ω)は
擬似ギャップg1とメインギャップg0の大きさの違い等に
起因するサブパルスPSとメインパルスPMのスペクトラム
の差を、τはサブパルスPSのメインパルスPMからの時間
遅れを表している。(1)式を変形すると、 I(ω)=0(ω)/[1+G(ω)exp(−jω τ)] …(2) となる。これは H(ω)=1/[1+G(ω)exp(−jω τ)] …(3) なる伝達関数を持つ波形等化回路により、MIGヘッド再
生波形のサブパルスを除去できることを示している。
第2図は本実施例の作用を説明するための説明図であ
って、上記(3)式のH(ω)なる伝達関数を実現する
上記原理的な波形等化回路のブロック図を示している。
原理的な波形等化回路は、帰還要素として時間遅れ要素
D(遅延時間τ)と伝達要素G(ω)とをもち、差分を
とる点APにフィードバックする帰還ループで構成でき
る。ここで、G(ω)の実現手段は、メインパルス波形
とサブパルス波形の差に依存するが、両者の波形分解能
がほぼ等しい場合には G(ω)=K …(4) (K=定数:メインパルスに対するサブパルス振幅比) で近似することができる。即ち、第1図で説明したよう
に、時間遅れ要素Dとして遅延時間τの遅延線4を用
い、G(ω)=Kの伝達要素を実現する手段として減衰
率Kの振幅調整器7を用い、差分をとる点に差動増幅器
3を用いることにより、極めて簡単に H(ω)=1/[1+kexp(−jω τ)] …(5) なる伝達関数を有する波形等化回路を構成することがで
き、サブパルスを除去することができる。
また、波形分解能が異なる場合には、例えば、 G(ω)=K(1+jω τ)/(1+jω
τ) …(6) とし、サブパルスの波形分解能の方が良い場合にはτ
>τとして高域強調型に、逆の場合にはτ<τ
して低域強調型することによって近似することができ
る。即ち、第1図で説明したように、加え合わせ点であ
る差動増幅器3の出力を、遅延時間τの時間遅れ要素で
ある遅延線4に入力し、(6)式の伝達要素を実現する
手段としてその出力をメインパルスに対するサブパルス
の波形分解能に応じて高域強調型または低域強調型のフ
ィルタ6に入力してフィルタ6の出力を減衰率Kの振幅
調整回路7に入力し、その出力を差動増幅器3へフィー
ドバックする実施例により、(6)式を満足する(3)
式の伝達関数を持つ波形等化回路を実現することがで
き、サブパルスを除去することができる。上記におい
て、波形分解能は、一例として波形出力が1/2となるパ
ルス幅で評価することができ、その大小の比較によりそ
の良否が判定できる。
第3図(a),(b)および第4図は本実施例の効果
の説明図であり、第3図(a),(b)はそれぞれ実験
によって得られた等化前後の孤立再生波形の例を示して
いる。等化前の波形(a)において、サブパルスはメイ
ンパルスよりτ(f50)=1.24(f50:等化前にヘッド出
力が孤立波の1/2になる記録周波数)だけ遅れた振幅比
0.19のパルスとなっている。このような入力波形に対し
て、波形等化回路の定数をτ(f50)=1.24,K=0.19に
設定したときの等化波形が(b)であり、サブパルスが
完全に除去されている。第4図は同一等化条件での等化
前後の再生出力の周波数特性図である。横軸はf50で規
格化した記録周波数で示してある。等化しない場合には
サブパルスの波形干渉により、点線で示すように周波数
特性上にうねりを生じているが、等化後は実線で示すよ
うにこのうねりが完全に除去されていることがわかる。
なお、本発明はその主旨に沿って種々に応用され、種
々の実施態様を取り得ることは当然である。
[発明の効果] 以上の説明で明らかなように、本発明のMIGヘッド波
形再生装置によれば、MIGヘッドの擬似ギャップによっ
てその再生信号に生ずる信号成分(サブパルス)を除去
することができ、その結果波形干渉による再生信号品質
の劣化を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の波形等化回路の一実施例を示す回路構
成図、第2図は本実施例の作用を説明するための波形等
化回路のブロック図、第3図(a),(b)は本実施例
の効果を説明するための等化前後の孤立再生波形例を示
す図、第4図は同じくその等化前後の再生出力の周波数
特性図、第5図はMIGヘッドの構成を示す説明図、第6
図はMIGヘッドによる孤立再生波形例を示す図である。 3……差動増幅器(加え合わせ点)、4……遅延線(遅
延素子)、6……フィルタ、7……振幅調整器。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気記録媒体にディジタル情報を記録・再
    生するための装置であって、磁気ヘッドのメインギャッ
    プの内側のトレーリング側に金属磁性膜を形成したMIG
    ヘッドを有するMIGヘッド波形再生装置において、 所定の遅延時間を有する遅延素子と、振幅調整器とを有
    し、 前記MIGヘッドからの再生信号を、前記遅延素子、及び
    前記振幅調整器を経由して、前記MIGヘッドからの再生
    信号にネガティブフィードバックさせるフィードバック
    ループを有する、 ことを特徴とするMIGヘッド波形再生装置。
  2. 【請求項2】磁気記録媒体にディジタル情報を記録・再
    生するための装置であって、磁気ヘッドのメインギャッ
    プの内側のトレーリング側に金属磁性膜を形成したMIG
    ヘッドを有するMIGヘッド波形再生装置において、 所定の遅延時間を有する遅延素子と、前記MIGヘッドか
    らの再生信号の波形の信号スペクトラムに応じて設ける
    低域強調型フィルタもしくは高域強調型フィルタと、振
    幅調整器とを有し、 前記MIGヘッドからの再生信号を、前記遅延素子、前記
    低域強調型フィルタもしくは高域強調型フィルタ、及び
    前記振幅調整器を経由して、前記MIGヘッドからの再生
    信号にネガティブフィードバックさせるフィードバック
    ループを有する、 ことを特徴とするMIGヘッド波形再生装置。
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