JP2688927B2 - 密封包装用ガラス容器の熱封緘方法 - Google Patents

密封包装用ガラス容器の熱封緘方法

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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、密封包装用ガラス容器の熱封緘方法に関
する。
従来の技術 従来、粉体、液体および粘性体の食品をびん等のガラ
ス容器に密封包装するには、食品を充填後、容器の口部
に金属製キャップをかしめ止め、あるいは金属製もしく
は合成樹脂製ねじキャップをねじ止め、あるいはまた王
冠を被せ止めることにより密封していた。また従来、熱
接着性樹脂を積層した金属箔よりなる蓋材をガラス容器
の口部にヒートシールにより接着することも行なわれて
いた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のキャップや王冠は開封が比較的
難しく、かつコストが高くつくという問題があった。ま
た金属箔に積層した熱接着性樹脂をガラス容器の口部に
ヒートシールにより接着する場合には、容器内容物が例
えば粉ミルク、インスタントコーヒー等の粉末であれ
ば、容器口部と蓋材間の接着部の接着力の低下は無い
が、内容物が例えば酒、ジュース、ジャム等の液体もし
くは粘性体であるような場合には、保管中に容器口部と
蓋材間の熱封緘接着部に水が侵入して、接着力が著しく
低下し、ひどいときには蓋材が剥離してしまうという問
題があった。
とくに、ガラス容器の口部に蓋材を直接熱接着する場
合には、ガラス容器の口部表面はポーラス(多孔質)
で、比較的極性が弱く、接着性が悪いため、蓋材に施す
熱接着性樹脂として、近年接着性が改善された特殊アイ
オノマーを使用することが開発された(例えば特開昭61
−54587号公報参照)。
このような熱接着性樹脂は短時間でかつ比較的低い温
度での熱接着性にすぐれているものであるが、容器内容
物が例えば酒、ジュース、ジャム等の液体もしくは粘性
体であるような場合、内容物の充填シールラインにおい
て、充填時にあるいは内容物入りガラス容器の搬送時
に、容器の口部に内容物が付着して、熱封緘時にこれが
夾雑物となり、本来ガラス容器の口部表面に対し蓋材の
熱接着性樹脂が接着性の良好なものであっても、熱封緘
時にこのような夾雑物が介在することにより、本体の接
着性が発揮されず、接合不良が生じるという問題があっ
た。しかも従来の熱接着性樹脂では、熱封緘後、接着部
へ水が侵入した場合、接着力が著しく低下し、蓋材が接
着界面より簡単に剥がれてしまうという問題があった。
また従来、ガラス容器の口部上面に熱接着性樹脂層A
を設けるとともに、蓋材のアルミニウム箔等の基材にも
熱接着性樹脂層Bを設けておき、両者の樹脂層をヒート
シールにより密着させるようになされた密封包装体用材
料が知られている。この従来の密封包装体用材料には、
2通りのものがあり、具体的には、(I)樹脂層AとB
が相異なって、(イ)アイオノマー単独またはアイオノ
マーと他の樹脂との混合樹脂、および(ロ)ポリエチレ
ン単独またはポリエチレンと他の樹脂との混合樹脂、の
うちのいずれかである場合(例えば特開昭59−103862号
公報参照)と、(II)樹脂層Aが、変成ポリプロピレン
単独または変性ポリプロピレンと他の樹脂との混合樹脂
であり、かつ樹脂層Bが、ポリプロピレンおよび変性ポ
リプロピレンの少なくとも1種、または変性ポリプロピ
レンおよび変性ポリプロピレンの少なくとも1種と他の
樹脂との混合樹脂である場合(例えば特開昭59−103863
号公報参照)とがある。そして、この従来の密封包装体
用材料は、上記(I)(II)のいずれの場合も、ガラス
容器側の熱接着性樹脂層Aと、蓋材側の熱接着性樹脂層
Bとの接着強度を、イージーオープン(開封容易)の条
件をみたすように、例えば0.8え3.0kg/15mm幅程度に調
節して、両者の接着界面で剥離するようにしていた。し
かしこれでは、容器側の樹脂層Aと蓋材側の樹脂層Bと
の接着強度が比較的弱いものであるため、容器内容物が
例えば酒、ジュース、ジャム等の液体もしくは粘性体で
あるような場合には、上記のように内容物の充填シール
ラインにおいて、容器の口部に付着した内容物が熱封緘
時に夾雑物として介在すると、両樹脂層AB本来の接着性
が発揮されず、やはり接合不良が生じるという問題があ
るうえに、ガラス容器側の熱接着性樹脂層Aと、蓋材側
の熱接着性樹脂層Bとの接着界面で剥離するため、開封
後に容器の口部にどうしても樹脂層Aが残ることにな
り、容器の外観が損なわれるという問題があった。
この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、
ガラス容器の口部表面および蓋材の金属箔の表面のいず
れにもすぐれた接着性を有するモノオレフィン−不飽和
カルボン酸共重合体樹脂ないしその金属塩を含む熱封緘
材を使用して、ガラス容器側の熱封緘材層と、蓋材側の
熱封緘材層とを非常に強固にかつ一体に結合させること
ができて、開封時、両熱封緘材層の接着界面は剥離せ
ず、ガラス容器側の熱封緘材層とガラス容器表面との間
が剥離され、従って容器内容物が例えば酒、ジュース、
ジャム等の液体もしくは粘性体であるような場合にも、
両熱封緘材層本来の接着性が充分発揮され、接合不良を
生じないうえに熱封緘接着部への水の侵入を確実に阻止
することができて、熱封緘材の接着部の耐水性が大幅に
増大し、水環境下における接着力の低下が少なく、良好
な接着状態を長期間維持することができ、密封性に非常
にすぐれており、しかも開封後、容器の口部に熱封緘材
樹脂が残らず、容器の外観が損なわれるようなことが全
くない、密封包装用ガラス容器の熱封緘方法を提供しよ
うとするにある。
課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために、この発明による密封包
装用ガラス容器の熱封緘方法は、密封包装用ガラス容器
の容器本体の口部上面に、モノオレフィン−不飽和カル
ボン酸共重合体樹脂ないしその金属塩を含む熱封緘材層
を設けるとともに、蓋材の片面に、同素材よりなる熱封
緘材層を設けておき、密封包装用ガラス容器の口部に蓋
材を被せて、両者の熱封緘材層を互いに熱接着せしめ、
開封時には、両熱封緘材層の接着界面は剥離することな
くガラス容器側の熱封緘材層とガラス容器口部表面との
間で剥離するように、両熱封緘材層を接合することを特
徴とする、密封包装用ガラス容器の熱封緘方法を要旨と
している。
上記において、密封包装用ガラス容器には、本来のガ
ラス容器の他に、例えば金属容器、セラミック容器また
は陶器が含まれるものとする。ガラス容器の場合には、
ガラス容器の口部に特別な処理を施す必要はなく、一般
の無処理のガラス容器を使用すればよい。勿論、ガラス
容器の口部表面に、機械的強度および化学的安定性を向
上させるために、金属酸化物の皮膜を形成する処理を施
したガラス容器を使用してもよい。
また蓋材の基材である金属箔は、通常アルミニウム箔
を使用するが、その他の金属箔であってもよい。アルミ
ニウム箔の場合は、その厚さは5〜200μm、好ましく
は20〜60μmである。熱封緘材の基材として金属箔を使
用すると、バリヤー性にすぐれていて、デザート類や調
理済み食品等の内容物の保存を長期間有効に果すことが
できる。
密封包装用ガラス容器の容器本体の口部上面と蓋材の
片面とにそれぞれ設ける熱封緘材層の主成分であるモノ
オレフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂ないしその
金属塩は、いわゆるアイオノマーと称されるものである
(例えば特公昭61−54587号公報参照)。
ここで、モノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体
樹脂は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘ
プテンのようなα−モノオレフィンと、アクリル酸、メ
タアクリル酸、エタアクリル酸、クロトン酸のような
α、β−不飽和カルボン酸とを共重合させて得られた樹
脂をベースとするものであり、その代表例としては、エ
チレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタアク
リル酸共重合体樹脂があげられる。このような共重合体
樹脂の分子量は1000〜200000であり、共重合体樹脂中の
不飽和カルボン酸含有量は1〜30重量%、好ましくは2
〜20重量%である。
またモノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂
の金属塩の例としては、上記共重合体樹脂のカルボキシ
ル基を、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属イ
オンまたは亜鉛、マグネシウムのようなアルカリ土類金
属イオンで中和して得られるイオン架橋樹脂すなわちア
イオノマー樹脂があげられる。金属イオンによる中和度
は、例えば0.5〜40%である。特にエチレン−メタアク
リル酸共重合体樹脂の亜鉛塩よりなるアイオノマー樹脂
を使用するのが好ましい。アイオノマー樹脂のカルボン
酸含有量は5〜18%であり、イオン化度は数%〜90%で
ある。
なお、熱封緘材には、いわゆるブロッキングを防止す
るために、場合によっては上記の樹脂以外の合成樹脂を
ブレンドしてもよい。
また上記熱封緘材層には、低温シール性を確保するた
めに、かつプレスによる打抜き加工のさいブロッキング
を防止するために、無機化合物を充填するのが好まし
い。
ここで、無機化合物としては、例えばマグネシウム、
カルシウム、アルミニウム、チタンおよびケイ素の酸化
物、水酸化物、炭酸塩並びに硫酸塩、あるいはタルク、
クレー、長石粉、マイカ、バライトなどがあげられる
が、特にカルシウムの炭酸塩、タルクを使用するのが好
ましい。無機化合物の平均粒径は0.1〜50μm、好まし
くは0.5〜30μmである。
熱封緘材に無機化合物が含まれる場合は、上記熱可塑
性樹脂100重量部に対して、無機化合物が30重量部以
下、通常0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部混合
される。
ガラス容器の表面に熱封緘材層を設けるには、例えば
スプレー法、ハケ塗り法あるいはロールコート法等によ
り行なえばよい。
また、金属箔の片面に熱封緘材層を設けるには、上記
のような熱封緘材を予めフィルム状に加工しておき、こ
のフィルムを金属箔の片面に例えばポリエステル・イソ
シアネート系2液反応型接着剤等の接着剤を介して接合
するか、または金属箔の片面に押出機を用いて熱封緘材
の溶融物を押し出すことにより、これを直接接合するよ
うにすればよい。
密封包装用ガラス容器の容器本体の口部上面と蓋材の
片面とにそれぞれ設ける熱封緘材層の厚さは、20〜200
μm、好ましくは50〜100μmである。
なお、必要に応じて、密封包装用ガラス容器の容器本
体の口部上面もしくは蓋材の金属箔と、熱封緘材層との
間にポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムを
介在させてもよい。これによりヒートシール時のクッシ
ョン性が向上するとともに、内容物がドレッシングやマ
スタード等である場合には、蓋材側の金属箔の腐食をも
防止することができる。
また、蓋材の金属箔の他面には、通常必要な印刷を施
すとともに、これの表面に防食コート層を設けておく。
金属箔と熱封緘材層とよりなる蓋材は、ガラス製容器の
口部を被う形状および大きさに連続的に打抜き成形す
る。
第1図と第2図は、この発明の方法の具体例を示すも
のである。まず第1図に示すように、この発明の方法
は、ガラス容器(1)の容器本体(1a)の口部(2)上
面に、モノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂
ないしその金属塩を含む熱封緘材層(3)を設けるとと
もに、蓋材(10)のアルミニウム箔(11)の片面に、接
着剤層(12)を介して同素材よりなる熱封緘材層(13)
を設けておき、ガラス容器(1)の口部(2)に蓋材
(10)を被せて、両者の熱封緘材層(3)(13)を互い
に熱接着せしめるものである。蓋材(10)のアルミニウ
ム箔(11)の他面には、防食コート層(14)を施してお
く。
このように、ガラス容器(1)側の熱封緘材層(3)
と、蓋材(10)側の熱封緘材層(13)とが同一のモノオ
レフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂ないしその金
属塩を含む熱封緘材よりなるものであるから、例え熱封
緘の処理時間が非常に短い場合であっても、ガラス容器
(1)側の熱封緘材層(3)と、蓋材(10)側の熱封緘
材層(13)とが非常に強固にかつ一体に結合され、従っ
て熱封緘後、蓋材(10)を剥離すると、第2図に示すよ
うに、両熱封緘材層(3)(13)の接着界面は剥離せ
ず、ガラス容器(1)側の熱封緘材層(3)とガラス容
器口部(2)表面との間が剥離される。
このため、容器内容物が例えば酒、ジュース、ジャム
等の液体もしくは粘性体である場合に、内容物の充填シ
ールラインにおいて、充填時にあるいは内容物入りガラ
ス容器(1)の搬送時に、容器本体(1a)の口部(2)
に内容物が付着して、熱封緘時に夾雑物となったときに
も、両熱封緘材層(3)(13)本来の接着性が充分発揮
され、接合不良が生じない。
また、ガラス容器(1)側の熱封緘材層(3)と、蓋
材(10)側の熱封緘材層(13)とが非常に強固にかつ一
体に結合されることにより、熱封緘接着部への水の侵入
を確実に阻止することができる。勿論、ガラス容器
(1)の容器本体(1a)の口部(2)上面には、モノオ
レフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂ないしその金
属塩を含む熱封緘材層(3)を、例えば同変性体のフィ
ルムを加熱溶融させて充分な時間を掛けて接着せしめる
ことができるので、ガラス容器(1)の口部(2)上面
と熱封緘材層(3)との間に水が侵入して剥離を生じる
ようなことは全くなく、従って、熱封緘材の接着部の耐
水性が大幅に増大し、水環境下における接着力の低下が
少なく、良好な接着状態を長期間維持することができ、
密封性に非常にすぐれているものである。
実 施 例 つぎに、この発明の実施例を、比較例と共に説明す
る。
実施例 まず第1図に示すように、ガラス容器(1)の容器本
体(1a)の口部(2)上面に、特殊アイオノマーすなわ
ちモノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂の金
属塩であってかつ平均粒径約1μmの炭酸カルシウム5
重量%を均一に分散混合した厚さ50μmの熱封緘材フィ
ルム(商品名ハイミラン1702三井デュポンポリケミカル
社製、メルトインデックス14g/10分、亜鉛イオンタイ
プ)よりなる熱封緘材層(3)を接着剤層(2)を介し
てドライラミネートにより接合した。
一方、片面に防食コート層(14)を有する厚さ50μm
のアルミニウム箔(11)の他面に、同素材により構成さ
れた厚さ50μmの熱封緘材フィルムよりなる熱封緘材層
(13)を接着剤層(12)を介してドライラミネートによ
り接合し、蓋材(10)をつくった。
このようにして得られた蓋材(10)を打抜きプレスに
よりガラス容器(1)の口部(2)に対応する所定の形
状および大きさに打ち抜いた。
ついで、ガラス容器(1)に40℃の水を充填し、この
容器(1)の口部(2)に、蓋材(10)を温度200℃お
よび圧力160kgf/個の条件下に2秒間加熱、加圧し、両
者の熱封緘材層(3)(13)を互いに熱接着せしめるこ
とにより、容器(1)を密封した。
熱封緘後、蓋材(10)を剥離すると、第2図に示すよ
うに、両熱封緘材層(3)(13)の接着界面は剥離せ
ず、ガラス容器(1)側の熱封緘層(3)とガラス容器
口部(2)表面との間が剥離された。そして、熱封緘直
後の蓋材(10)の剥離強度と、密封ガラス容器(1)を
40℃で30日間倒立状態に放置した後の蓋材(10)の剥離
強度とをそれぞれ測定し、下表に示した。
比較例 比較のために、アルミニウム箔(11)の片面に接着剤
層(12)を介して上記実施例1の場合と同じ熱封緘材層
(13)をドライラミネートによりにより接合し、蓋材
(10)をつくった。
ついで、この蓋材(10)をガラス容器(1)の口部
(2)表面に直接接合して容器(1)を密封した。
熱封緘後、蓋材(10)の剥離試験を実施例の場合と同
様に行ない、得られた結果を下表にあわせて示した。
この表から明らかなように、この発明の方法によれ
ば、ガラス容器(1)側の熱封緘材層(3)と、蓋材
(10)側の熱封緘材層(13)とが同一のモノオレフィン
−不飽和カルボ酸共重合体樹脂ないしその金属塩を含む
熱封緘材よりなるものであるから、例え熱封緘の処理時
間が2秒間と非常に短い場合であっても、ガラス容器
(1)側の熱封緘材層(3)と、蓋材(10)側の熱封緘
材層(13)とが非常に強固にかつ一体に結合され、蓋材
(10)を剥がすと、両熱封緘材層(3)(13)の接着界
面は剥離せず、ガラス容器(1)側の熱封緘材層(3)
とガラス容器口部(2)表面との間が剥離されるととも
に、ガラス容器(1)に水を封入してこれを倒立状態で
長時間保存した後にも両熱封緘材層(3)(13)の接着
力が低下せず、耐水性が良好で、密封性がきわめてすぐ
れているものである。
これに対し、ガラス容器(1)の口部(2)表面に、
蓋材(10)の熱封緘材層(13)を直接接合して、容器
(1)を密封した比較例によれば、ガラス容器を倒立状
態で長時間保存すると、蓋材(10)が剥れてしまい、耐
水性に劣るものであった。
発明の効果 この発明による密封包装用ガラス容器の熱封緘方法
は、上述のように、密封包装用ガラス容器の容器本体の
口部上面に、モノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合
体樹脂ないしその金属塩を含む熱封緘材層を設けるとと
もに、蓋材の片面に、同素材よりなる熱封緘材層を設け
ておき、密封包装用ガラス容器の口部に蓋材を被せて、
両者の熱封緘材層を互いに熱接着せしめ、開封時には、
両熱封緘材層の接着界面は剥離することなくガラス容器
側の熱封緘材層とガラス容器口部表面との間で剥離する
ように、両熱封緘材層を接合するもので、モノオレフィ
ン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂ないしその金属塩を
含む熱封緘材は、ガラス容器の口部表面および蓋材の金
属箔の表面のいずれにもすぐれた接着性を有するもので
あるとともに、ガラス容器側の熱封緘材層と、蓋材側の
熱封緘材層とがいずれも同じモノオレフィン−不飽和カ
ルボン酸共重合体樹脂ないしその金属塩を含む熱封緘材
よりなるものであるから、両熱封緘材層は、相溶性が非
常にすぐれており、従って例え熱封緘の処理時間が非常
に短い場合であっても、両熱封緘材層が非常に強固にか
つ一体に結合され、熱封緘後、蓋材を剥離した場合、両
熱封緘材層の接着界面は剥離せず、ガラス容器側の熱封
緘材層とガラス容器口部表面との間が剥離される。この
ため、容器内容物が例えば酒、ジュース、ジャム等の液
体もしくは粘性体であって、内容物の充填シールライン
において、充填時にあるいは内容物入りガラス容器の搬
送時に、容器本体の口部に内容物が付着して、熱封緘時
に夾雑物となった場合にも、両熱封緘材層本来の接着性
が充分発揮され、接合不良が生じない。
またガラス容器側の熱封緘材層と、蓋材側の熱封緘材
層とが非常に強固にかつ一体に結合されることにより、
熱封緘接着部への水の侵入を確実に阻止することがで
き、熱封緘材の接着部の耐水性が大幅に増大し、水環境
下における接着力の低下が少なく、良好な接着状態を長
期間維持することができ、密封性に非常にすぐれてい
る。しかも開封のさい、ガラス容器側の熱封緘材層とガ
ラス容器口部表面との間が剥離されるため、容器の口部
に熱封緘材樹脂が残らず、従って容器の外観が損なわれ
るようなことが全くないという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の方法の具体例を示すもので、ガラス
容器と蓋材の部分拡大断面図、第2図は第1図において
蓋材を剥離した状態を示す部分拡大断面図である。 (1)……密封包装用ガラス容器、(1a)……容器本
体、(2)……口部、(3)……熱封緘材層、(10)…
…蓋材、(11)……アルミニウム箔、(12)……接着材
層、(13)……熱封緘材層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹中 博一 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和ア ルミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−244705(JP,A) 特開 昭55−38281(JP,A) 特開 昭61−21360(JP,A) 特公 昭61−54587(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密封包装用ガラス容器(1)の容器本体
    (1a)の口部(2)上面に、モノオレフィン−不飽和カ
    ルボン酸共重合体樹脂ないしその金属塩を含む熱封緘材
    層(3)を設けるとともに、蓋材(10)の片面に、同素
    材よりなる熱封緘材層(13)を設けておき、密封包装用
    ガラス容器(1)の口部(2)に蓋材(10)を被せて、
    両者の熱封緘材層(3)(13)を互いに熱接着せしめ、
    開封時には、両熱封緘材層(3)(13)の接着界面は剥
    離することなくガラス容器(1)側の熱封緘材層(3)
    とガラス容器口部(2)表面との間で剥離するように、
    両熱封緘材層(3)(13)を接合することを特徴とす
    る、密封包装用ガラス容器の熱封緘方法。
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