JP3122774B2 - 密封包装用容器の熱封緘蓋材 - Google Patents

密封包装用容器の熱封緘蓋材

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JP3122774B2
JP3122774B2 JP03215566A JP21556691A JP3122774B2 JP 3122774 B2 JP3122774 B2 JP 3122774B2 JP 03215566 A JP03215566 A JP 03215566A JP 21556691 A JP21556691 A JP 21556691A JP 3122774 B2 JP3122774 B2 JP 3122774B2
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永三 礒山
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昭和アルミニウム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばガラス、金
属、セラミックまたは陶器等によりつくられた密封包装
用容器に好適に用いられる熱封緘蓋材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、粉体、液体および粘性体の食品を
びん等のガラス容器に密封包装するには、食品を充填
後、容器の口部に金属製キャップをかしめ止め、あるい
は金属製もしくは合成樹脂製ねじキャップをねじ止め、
あるいはまた王冠を被せ止めることにより密封してい
た。また従来、蓋材に感熱接着剤を被覆しておき、この
蓋材をガラス容器の口部にヒートシールにより接着する
ことも行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
キャップや王冠は開封が比較的難しく、かつコストが高
くつくという問題があった。また蓋材に被覆した感熱接
着剤をガラス容器の口部にヒートシールにより接着する
場合には、容器内容物が例えば粉ミルク、インスタント
コーヒー等の粉末であれば、容器口部と蓋材間の接着部
の接着力の低下は無いが、内容物が例えば酒、ジュー
ス、ジャム等の液体もしくは粘性体であるような場合に
は、保管中に容器口部と蓋材間の熱封緘接着部に水やジ
ャムが入り込んで、接着力が著しく低下し、ひどいとき
には蓋材が剥離してしまうという問題があった。
【0004】また従来、ガラス容器の口部に金属塩、シ
ランカップリング剤等をアンカーコート層とし、この層
にさらに熱接着性樹脂をコートする方法も既に知られて
いる(例えば特公昭61−9181号公報参照)が、こ
のような従来法によれば、開封時に容器の口部に蓋材の
樹脂の一部が残り、外観が損なわれる場合があるし、容
器の口部に予め熱可塑性樹脂を被覆するため、それだけ
工程が増え、容器の生産性が悪く、コスト高になるとい
う問題があった。
【0005】ところで従来、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(以下、EVAと略称する)に、ロジン類を含有し
てなる感熱接着剤層を備えた熱封緘蓋材は、既に公知で
ある(例えば実公昭63−28137号公報参照)。
【0006】この従来の熱封緘蓋材は、主としてプラス
チック、ワックスコート紙、ポリエチレンコート紙等か
らなるびん等の小型容器の封緘に使用された場合に、す
ぐれた密封性と耐水性を発揮するものであるが、ガラス
容器の口部のようなポーラスでかつ親水性を有する被着
面に対しては接着性が著しく劣り、このような従来の熱
封緘蓋材は、ガラス容器の口部のシールに使用すること
ができないものであった。
【0007】この発明の目的は、上記の従来技術の問題
を解決し、ガラス容器等の口部のようなポーラスでかつ
親水性を有する被着面に対しても良好な接着性を有して
おり、しかも内容物が例えば酒、ジュース、ジャム等の
液体もしくは粘性体であるような場合にも、接着界面へ
の水の侵入を有効に阻止することができ、水環境下にお
いて接着力の低下が少なく、従って耐水性が大幅に増大
し、良好な接着状態を長期間維持することができて、す
ぐれた密封性を有しており、しかも適度の力で容易に開
封することができる、耐水接着性とイージーピール性の
両機能を備えた密封包装用容器の熱封緘蓋材を提供しよ
うとするにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、まず、第1発明の密封包装用容器の
熱封緘蓋材は、金属箔の片面に、モノオレフィン−不飽
和カルボン酸共重合体もしくはその塩またはモノオレフ
ィン−不飽和カルボン酸エステルの共重合体を主成分と
する感熱接着性樹脂6097重量部と、ロジン類
40重量部と、高級脂肪酸10重量部とを含有する
感熱接着剤層が設けられていることを特徴とするもので
ある。
【0009】つぎに、第2発明の密封包装用容器の熱封
緘蓋材は、金属箔の片面に、モノオレフィン−不飽和カ
ルボン酸共重合体もしくはその塩またはモノオレフィン
−不飽和カルボン酸エステルの共重合体を主成分とする
感熱接着性樹脂6097重量部と、ロジン類40
重量部とを含有する感熱接着剤層が設けられ、この感熱
接着剤層の表面に高級脂肪酸が0.01〜10μmの厚
さでコーティングされていることを特徴とするものであ
る。
【0010】上記金属箔は、通常アルミニウム箔を使用
するが、その他の金属箔であってもよい。アルミニウム
箔の場合は、その厚さは5〜200μm、好ましくは2
0〜70μmである。熱封緘蓋材の基材として金属箔を
使用すると、バリヤー性にすぐれていて、デザート類や
調理済み食品等の内容物の保存を長期間有効に果すこと
ができる。
【0011】上記感熱接着剤層の構成成分のうち、まず
感熱接着性樹脂の主成分であるモノオレフィン−不飽和
カルボン酸共重合体ないしその金属塩、すなわちアイオ
ノマーは、下記のようなものである。
【0012】まず、モノオレフィン−不飽和カルボン酸
共重合体は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソ
ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1
−ヘプテンのようなα−モノオレフィンと、アクリル
酸、メタアクリル酸、エタアクリル酸、クロトン酸のよ
うなα,β−不飽和カルボン酸とを共重合させて得られ
た樹脂をベースとするものであり、その代表例として
は、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタア
クリル酸共重合体などがあげられる。
【0013】このような共重合体の分子量は1,000
〜200,000であり、共重合体中の不飽和カルボン
酸含有量は1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%
である。
【0014】またモノオレフィン−不飽和カルボン酸共
重合体の金属塩の例としては、上記共重合体のカルボキ
シル基を、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属
イオン、または亜鉛、マグネシウムのようなアルカリ土
類金属イオンで中和して得られるイオン架橋樹脂、すな
わちアイオノマー樹脂があげられる。
【0015】金属イオンによる中和度は、例えば0.5
〜40%である。
【0016】とくに、エチレン−メタアクリル酸共重合
体の亜鉛塩よりなるアイオノマー樹脂を使用するのが好
ましい。アイオノマー樹脂のカルボン酸含有量は5〜1
8%であり、イオン化度は数%〜90%である。
【0017】また、モノオレフィン−不飽和カルボン酸
エステルの共重合体は、上記モノオレフィン−不飽和カ
ルボン酸共重合体について記述したようなα−モノオレ
フィンと、アクリル酸、メタアクリル酸、エタアクリル
酸、クロトン酸のようなα,β−不飽和カルボン酸のメ
チルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イ
ソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエス
テル、アミルエステル、およびイソアミルエステルのよ
うなエステルとを、共重合させて得られた樹脂をベース
とするものであり、その代表例としては、エチレン−ア
クリル酸エチル共重合体、エチレン−メタアクリル酸メ
チル共重合体、エチレン−メタアクリル酸エチル共重合
体などがあげられる。
【0018】つぎに、上記ロジン類について説明する。
【0019】一般にロジン類は、アビエチン酸を主成分
とする熱可塑性樹脂であって、これにはガムロジン、ウ
ッドロジンおよびトール油ロジンなどがある。
【0020】さらに本発明に用いられるロジン類として
は、例えばつぎのようなものがあげられる。
【0021】変性ロジン: 水添ロジン(ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビ
エチン酸)。
【0022】不均化ロジン。
【0023】不均化水添ロジン。
【0024】重合ロジン(一部重合ロジンを含む)。
【0025】ロジンエステル: ロジンのアルキルエステル、ロジンのグリコールエステ
ル、ロジンのグリセリンエステル、ロジンのペンタエリ
スリトールエステル。
【0026】変性ロジンエステル: 変性ロジンのアルキルエステル、変性ロジンのグリコー
ルエステル、変性ロジンのグリセリンエステル、変性ロ
ジンのペンタエリスリトールエステル。
【0027】二塩基酸変性ロジン: マレイン酸または無水マレイン酸変性ロジン。
【0028】二塩基酸変性ロジンエステル: マレイン酸または無水マレイン酸変性ロジンのアルキル
エステル、グリコールエステル、グリセリンエステル、
ペンタエリスリトールエステル。
【0029】上記ロジン類は、単独で、または2種以上
混合して使用されるものである。
【0030】上記感熱接着剤層には、モノオレフィン−
不飽和カルボン酸共重合体もしくはその塩またはモノオ
レフィン−不飽和カルボン酸エステルの共重合体を主成
分とする感熱接着性樹脂60〜97重量部と、ロジン
〜40重量部とを含有する樹脂が用いられる。
【0031】ここで、モノオレフィン−不飽和カルボン
酸共重合体もしくはその塩またはモノオレフィン−不飽
和カルボン酸エステルの共重合体を主成分とする感熱接
着性樹脂が97重量部を越え、かつロジン類が重量部
未満であるときは、ロジン類の量が少なすぎて、熱封緘
接合部に十分な耐水性が付与されず、水環境下において
接着性が低下するので、好ましくない。
【0032】また逆に、上記感熱接着性樹脂が60重量
部未満、かつロジン類が40重量部を越えるときは、ロ
ジン類の量が多すぎるため、いわゆるブロッキングが生
じるので、好ましくない。
【0033】また上記高級脂肪酸としては、例えばつぎ
のものを使用する。
【0034】すなわち、高級脂肪酸は、不飽和および飽
和高級脂肪酸であって、ジカルボン酸を含む。またオキ
シ脂肪酸(主としてC12以上)も含まれる。
【0035】高級脂肪酸:ラウリン酸、ステアリン酸、
オレイン酸、エルカ酸など。
【0036】高級脂肪酸は、2種類以上混合して使用し
てもよい。
【0037】上記第1発明において、金属箔の片面に、
高級脂肪酸を含む感熱接着剤層が設けられることによ
り、密封包装用容器の口部と熱接着すべき面に、高級脂
肪酸が存在せしめられる場合には、感熱接着剤層は、感
熱接着性樹脂60〜97重量部と、ロジン類3〜40重
量部と、高級脂肪酸1〜10重量部とを含有するもので
ある。
【0038】また上記第2発明において、金属箔の片面
に、感熱接着性樹脂60〜97重量部と、ロジン類3
40重量部とを含有する感熱接着剤層が設けられ、この
感熱接着剤層の表面に高級脂肪酸がコーティングされる
ことにより、密封包装用容器の口部と熱接着すべき面
に、高級脂肪酸が存在せしめられる場合には、高級脂肪
酸のコーティング層の厚みは0.01〜10μm、好ま
しくは0.1〜5μmとする。
【0039】上記第1および第2発明において、高級脂
肪酸の含有量が1重量部未満であるとき、および高級脂
肪酸のコーティング層の厚みが0.01μm未満である
ときには、いずれも高級脂肪酸の量が少なすぎて、熱封
緘接合部に十分な耐水性が付与されず、水環境下におい
て接着性が低下するので、好ましくない。
【0040】また逆に、高級脂肪酸の含有量が10重量
部を越えるとき、あるいは高級脂肪酸コーティング層の
厚みが10μmを越えるときは、高級脂肪酸は元来接着
性を有するものではないので、感熱接着剤層本来の接着
性が低下し、あるいは高級脂肪酸コーティング層を介し
ての感熱接着剤層と密封包装用容器との接着力が低下し
てしまうため、好ましくない。
【0041】なお、上記第1発明において、蓋材の金属
箔の片面に高級脂肪酸を含む感熱接着剤層を設けた場合
には、感熱接着剤層の表面に高級脂肪酸がブリードされ
て、表面側に拡散され濃縮された状態となる。この場
合、高級脂肪酸は、密封包装容器の口部に熱封緘すべき
面に、すなわち感熱接着剤層の表面に、1%以上存在さ
せるようにするのが好ましい。
【0042】また上記第2発明において、蓋材の金属箔
の片面に設けられた感熱接着剤層の表面に高級脂肪酸を
コーティングする場合には、密封包装用容器の口部と熱
接着すべき面に、高級脂肪酸が100%存在せしめられ
るものであり、従ってコーティング層の厚みすなわち熱
封緘すべき面に存在させる高級脂肪酸の量を調整するの
が、上記第1発明の場合に比べて容易である。
【0043】金属箔の片面に感熱接着剤層を設けるに
は、上記のような高級脂肪酸を含むまたは含まない感熱
接着剤を予めフィルム状に加工しておき、このフィルム
を金属箔の片面に例えばポリエステル・イソシアネート
系2液反応型接着剤等の接着剤を介して接合するか、ま
たは金属箔の片面に押出機を用いて感熱接着剤の溶融物
を押し出すことにより、これを直接接合するようにすれ
ばよい。感熱接着剤層の厚さは、通常5〜300μm、
好ましくは20〜100μmである。
【0044】また、感熱接着剤層の表面に高級脂肪酸を
コーティングする場合は、例えばハケ塗りあるいはロー
ルコーター等により行なえばよい。
【0045】さらに上記感熱接着剤層には、低温シール
性を確保するために、かつプレスによる打抜き加工のさ
いブロッキングを防止するために、無機化合物を充填す
るのが好ましい。
【0046】ここで、無機化合物としては、例えばマグ
ネシウム、カルシウム、アルミニウム、チタン、および
ケイ素の酸化物、水酸化物、炭酸塩並びに硫酸塩、ある
いはタルク、クレー、長石粉、マイカ、バライトなどが
あげられるが、とくにカルシウムの炭酸塩、タルクを使
用するのが好ましい。これらの無機化合物の平均粒径は
0.1〜50μm、好ましくは0.5〜30μmであ
る。
【0047】感熱接着剤層に無機化合物が含まれる場合
は、上記熱可塑性樹脂100重量部に対して、上記無機
化合物が30重量部以下、通常0.1〜20重量部、好
ましくは1〜10重量部混合される。
【0048】なお、必要に応じて、感熱接着剤層と金属
箔との間にポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィ
ルムを介在させてもよい。これによりヒートシール時の
クッション性が向上するとともに、ドレッシングやマス
タード等の内容物による金属箔の腐食を防止することが
できる。
【0049】また、金属箔の他面には通常必要な印刷が
施され、さらにこれの表面に防食コート層が設けられ
る。
【0050】金属箔と感熱接着剤層とよりなる蓋材はガ
ラス製容器の口部を被う形状および大きさに連続的に打
抜き成形される。
【0051】この発明による熱封緘蓋材によって密封せ
られる密封包装用容器は、例えばガラス、金属、セラミ
ックまたは陶器によりつくられたものである。
【0052】図1〜図3は、この発明による蓋材の具体
例を示すものである。まず図1に示す蓋材は、アルミニ
ウム箔(1) の片面に、高級脂肪酸を含む感熱接着剤層
(2) が接着剤層(3) を介して設けられ、ガラス容器等の
密封包装用容器の口部(10)と熱接着すべき面に、高級脂
肪酸が存在せしめられているものである。アルミニウム
箔(1) の他面には、防食コート層(4) が施されている。
【0053】また図2に示す蓋材は、アルミニウム箔
(1) の片面に、感熱接着剤層(2) が接着剤層(3) を介し
て設けられ、この感熱接着剤層(2) の表面に高級脂肪酸
のコーティング層(5) が施されることにより、ガラス容
器の口部(10)と熱接着すべき面に、高級脂肪酸が存在せ
しめられているものである。アルミニウム箔(1) の他面
には、同様に防食コート層(4) が施されている。
【0054】さらに図3に示す蓋材は、図1の蓋材の構
成とほぼ同様であるが、内容物によるアルミニウム箔
(1) の腐食を防止するためにアルミニウム箔(1) の片面
に例えばポリエチレンフィルムよりなる中間層(7) が設
けられ、この中間層(7) に接着剤層(3) を介して高級脂
肪酸を含む感熱接着剤層(2) が設けられ、またアルミニ
ウム箔(1) の他面に印刷層(6) が設けられ、さらにその
表面に防食コート層(4)が設けられているものである。
【0055】
【作用】この発明の熱封緘蓋材によれば、感熱接着剤に
ロジン類が含まれることにより、ポーラスなガラス表面
を充分に覆うことができる。
【0056】また、感熱接着剤に高級脂肪酸が含まれ
る、ないしはコーティングされることにより、水環境下
において、接着力の低下が少なく、良好な接着状態を長
期間維持することができる。
【0057】この発明の熱封緘蓋材によれば、ポーラス
なガラス表面を感熱接着剤が隙間なく充分に覆うことが
でき、またガラス容器の口部と熱接着すべき面に高級脂
肪酸が存在せしめられているから、接着界面における水
のヌレが低下し、接着界面への水の侵入を阻止し得ると
ともに、熱封緘樹脂の吸水性が抑制され、感熱接着剤の
接着部の耐水性が大巾に増大するものである。
【0058】
【実施例】つぎに、この発明の実施例を、比較例と共に
説明する。
【0059】実施例1〜6 図1に示すように、片面に防食コート層(4)を有する厚
さ50μmのアルミニウム箔(1) の他面に、感熱接着性
樹脂に各種配合量のロジン類と高級脂肪酸を混合した厚
さ50μmの感熱接着剤フィルムよりなる感熱接着剤層
(2) を接着剤層(3)を介して接合し、各種蓋材をつくっ
た。
【0060】ここで、感熱接着性樹脂としては、エチレ
ン−アクリル酸共重合体(EAA、商品名ユカロン22
1M、三菱油化株式会社製)よりなるモノオレフィン−
不飽和カルボン酸共重合体を使用した。
【0061】なお、このモノオレフィン−不飽和カルボ
ン酸共重合体には、平均粒径約1μmの炭酸カルシウム
5重量%を均一に分散混合した。
【0062】またロジン類として二塩基酸変性ロジンエ
ステル(商品名ルイゾール28、理化ハーキュレス株式
会社製)を、高級脂肪酸としてステアリン酸をそれぞれ
使用した。
【0063】このようにして得られた各種蓋材を打抜き
プレスによりガラス容器の口部(10)に対応する所定の形
状および大きさに打ち抜いた。
【0064】ついで、ガラス容器に40℃の水を充填
し、この容器の口部に上記蓋材を温度200℃および圧
力160kgf/個の条件下に2秒間加熱、加圧し、熱
封緘によりこれらの蓋材をガラス容器の口部(10)に直接
接合して容器を密封した。
【0065】そして、熱封緘直後の蓋材の剥離強度と、
密封ガラス容器を40℃で30日間倒立状態に放置した
後の蓋材の剥離強度とをそれぞれ測定し、下表に示し
た。
【0066】実施例7〜13 これらの実施例においては、モノオレフィン−不飽和カ
ルボン酸共重合体の塩として、エチレン−メタアクリル
酸共重合体の亜鉛塩よりなるアイオノマー(商品名ハイ
ミラン1702、三井デュポンケミカル株式会社製)を
使用する他は、実施例1〜3と同様に行なった。
【0067】実施例14〜16 これらの実施例においては、図2に示すように、片面に
防食コート層(4)を有する厚さ50μmのアルミニウム
箔(1) の他面に、上記実施例7〜13と同じモノオレフ
ィン−不飽和カルボン酸共重合体の塩と、ロジン類とを
下表に示す所定の割合で混合した厚さ50μmの感熱接
着剤フィルムよりなる感熱接着剤層(2)を、接着剤層
(3)を介して接合したのち、予め溶剤に稀釈したステア
リン酸溶液を感熱接着剤層(2) の表面に塗布し、60℃
で5分間乾燥させることにより、各種の厚みを有するス
テアリン酸コーティング層(5) を形成し、各種蓋材をつ
くった。
【0068】実施例17 この実施例においては、ロジン類として二塩基酸変性ロ
ジンエステルの代わりに不均化水添ロジン(商品名KR
−610荒川化学工業株式会社製)を使用する他は、実
施例7と同様に行なった。
【0069】実施例18 この実施例においては、高級脂肪酸をオレイン酸に代え
て実施例7と同様に行なった。
【0070】実施例19〜23 これらの実施例においては、モノオレフィン−不飽和カ
ルボン酸エステルの共重合体として、エチレン−アクリ
ル酸エチルエステル共重合体(EEA、商品名NUC−
6220、日本ユニカー株式会社製)を使用する他は、
実施例1〜5と同様に行なった。
【0071】なお、上記実施例7〜23において得られ
た蓋材について密封包装試験を実施例1〜6の場合と同
様に行ない、得られた結果を下表にあわせて示した。
【0072】比較例1〜3 比較のために、アルミニウム箔(1) の片面に接着剤層
(3) を介して、上記実施例1〜6の場合と同じエチレン
−アクリル酸共重合体(EAA)よりなるモノオレフィ
ン−不飽和カルボン酸共重合体の単独のフィルム(比較
例1)、実施例7〜13の場合と同じアイオノマーより
なるモノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体の塩の
単独のフィルム(比較例2)、および実施例19〜23
の場合と同じエチレン−アクリル酸エチル共重合体(E
EA)よりなるモノオレフィン−不飽和カルボン酸エス
テルの共重合体の単独のフィルム(比較例3)よりなる
感熱接着剤層(2) を、それぞれ接合した蓋材をつくっ
た。
【0073】これらの蓋材について密封包装試験を実施
例1〜23の場合と同様に行ない、得られた結果を下表
にあわせて示した。
【0074】
【表1】 上記表から明らかなように、この発明の蓋材によれば、
ガラス容器の口部(10)と熱接着すべきかつロジン類を含
む感熱接着剤層(2) の表面に高級脂肪酸が含有もしくは
コーティングにより存在せしめられているので、水を封
入したガラス容器を倒立状態で長時間保存した後にも蓋
材の接着力が低下せず、耐水性が良好で、密封性がきわ
めてすぐれている。
【0075】これに対し、ロジン類を含まずかつ表面に
高級脂肪酸が存在せしめられていない感熱接着剤を用い
た比較例の蓋材によれば、ガラス容器を倒立状態で長時
間保存すると、蓋材が剥れてしまい、耐水性に劣るもの
であった。
【0076】
【発明の効果】この発明の第1発明による密封包装用容
器の熱封緘蓋材は、上述のように、金属箔の片面に、モ
ノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体もしくはその
塩またはモノオレフィン−不飽和カルボン酸エステルの
共重合体を主成分とする感熱接着性樹脂6097重量
部と、ロジン類40重量部と、高級脂肪酸10
重量部とを含有する感熱接着剤層が設けられているもの
であり、また、この発明の第2発明による密封包装用容
器の熱封緘蓋材は、金属箔の片面に、モノオレフィン−
不飽和カルボン酸共重合体もしくはその塩またはモノオ
レフィン−不飽和カルボン酸エステルの共重合体を主成
分とする感熱接着性樹脂6097重量部と、ロジン類
40重量部とを含有する感熱接着剤層が設けられ、
この感熱接着剤層の表面に高級脂肪酸が0.01〜10
μmの厚さでコーティングされているものであり、いず
れの場合にも、この発明の蓋材によれば、ガラス容器の
口部と熱接着すべきかつロジン類を含む感熱接着剤層の
表面に高級脂肪酸が含有もしくはコーティングにより存
在せしめられているから、ガラス容器等の口部のような
ポーラスでかつ親水性を有する被着面に対しても良好な
接着性を有している。そして内容物が例えば酒、ジュー
ス、ジャム等の液体もしくは粘性体であるような場合に
も、接着界面への水の侵入を有効に阻止することがで
き、水環境下において接着力の低下が少なく、従って耐
水性が大幅に増大し、良好な接着状態を長期間維持する
ことができて、すぐれた密封性を有するとともに、適度
の力で容易に開封することができ、非常に便利である。
【0077】またこの発明の熱封緘蓋材によれば、従来
のように食品を充填後、容器の口部に金属製キャップを
かしめ止めたり、あるいは金属製または合成樹脂製ねじ
キャップをねじ止めたり、王冠を被せ止めたりしないの
で、開封が容易であるとともに、キャップや王冠を使用
しないだけ密封包装用容器のシールコストが安くつく。
【0078】そのうえ、開封時に容器口部に樹脂が残る
ようなことがなく、従って開封後の容器口部の外観がき
れいであるし、比較的低い温度でヒートシールすること
ができるため、充填シール装置の設備費、運転費が安く
つき、充填およびシールの作業性が向上するという効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明品の具体例を示す部分拡大断面図であ
る。
【図2】本発明品のいま1つの具体例を示す部分拡大断
面図である。
【図3】本発明品のさらにいま1つの具体例を示す部分
拡大断面図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム箔 2 感熱接着剤層 3 接着剤層 4 防食コート層 5 高級脂肪酸コーティング層 7 中間樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−19229(JP,A) 特開 昭60−124672(JP,A) 特開 平3−96339(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 53/00 B32B 15/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属箔の片面に、モノオレフィン−不飽和
    カルボン酸共重合体もしくはその塩またはモノオレフィ
    ン−不飽和カルボン酸エステルの共重合体を主成分とす
    る感熱接着性樹脂6097重量部と、ロジン類
    重量部と、高級脂肪酸10重量部とを含有する感
    熱接着剤層が設けられている、密封包装用容器の熱封緘
    蓋材。
  2. 【請求項2】金属箔の片面に、モノオレフィン−不飽和
    カルボン酸共重合体もしくはその塩またはモノオレフィ
    ン−不飽和カルボン酸エステルの共重合体を主成分とす
    る感熱接着性樹脂6097重量部と、ロジン類
    重量部とを含有する感熱接着剤層が設けられ、この感
    熱接着剤層の表面に高級脂肪酸が0.01〜10μmの
    厚さでコーティングされている、密封包装用容器の熱封
    緘蓋材。
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