JP2619693B2 - 密封包装用容器の熱封緘蓋材 - Google Patents

密封包装用容器の熱封緘蓋材

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の属する技術分野 この発明は、密封包容用容器の熱封緘蓋材に関する。
従来の技術 従来、粉体、液体および粘性体の食品をびん等のガラ
ス容器に密封包装するには、食品を充填後、容器の口部
に金属製キャップをかしめ止め、あるいは金属製もしく
は合成樹脂製ねじキャップをねじ止め、あるいはまた王
冠を被せ止めることにより密封していた。また従来、蓋
材に熱接着性樹脂を被覆しておき、この蓋材をガラス容
器の口部にヒートシールにより接着することも行われて
いた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のキャップや王冠は開封が比較的
難しく、かつコストが高くつくという問題があった。ま
た蓋材に被覆した熱接着性樹脂をガラス容器の口部にヒ
ートシールにより接着する場合には、容器内容物が例え
ば粉ミルク、インスタントコーヒー等の粉末であれば、
容器口部と蓋材間の接着部の接着力の低下は無いが、内
容物が例えば酒、ジュース、ジャム等の液体もしくは粘
性体であるような場合には、保管中に容器口部と蓋材間
の熱封緘接着部に水が侵入して、接着力が著しく低下
し、ひどいときには蓋材が剥離してしまうという問題が
あった。
とくに、ガラス容器の口部に蓋材を直接熱接着する場
合には、ガラス容器の口部表面はポーラス(多孔質)
で、比較的極性が弱く、接着性が悪いため、蓋材に施す
熱接着性樹脂として近年、接着性が改善された特殊アイ
オノマーを使用することが開発された(例えば特開昭61
−54587号公報参照)。このような熱接着性樹脂は、確
かに非常に短時間でかつ比較的低い温度での熱接着性に
すぐれているものであるが、熱封緘後、接着部へ水が侵
入した場合、接着性が著しく低下し、蓋材が接着界面よ
り簡単に剥がれてしまうという問題があった。
ところで従来、ガラス容器の口部にシランカップリン
グ剤をシール材として直接コートすることは既に知られ
ている(例えば特公昭53−8273号公報参照)が、この場
合、ガラス容器の口部にシール材をコートする作業は非
常に面倒であるとともに、ガラス容器の口部表面はポー
ラスで凹凸があるため、シール材を均一に塗布すること
が困難であった。従ってシール材の塗布量が充分でない
場合は、口部の凹凸、平行度のバラツキなどにより均一
なシールが困難となり、また塗布量が多すぎると、コス
ト高になるという問題があった。
また従来、ガラス容器の口部に金属塩、シランカップ
リング剤等をアンカーコート層とし、この層にさらに熱
接着性樹脂をコートする方法も既に知られている(例え
ば特公昭61−9181号公報参照)が、このような従来法に
よれば、開封時に容器の口部に蓋材の樹脂の一部が残
り、外観が損なわれる場合があるし、容器の口部に予め
熱可塑性樹脂を被覆するため、それだけ工程が増え、容
器の生産性が悪く、コスト高になるという問題があっ
た。
さらに従来、金属箔の片面に、カルボキシル基含有ポ
リオレフィン系樹脂とシランカップリング剤とを含む熱
封緘材層を具備した熱封緘蓋材(例えば特開昭60−5654
9号公報参照)、並びに金属箔の片面に、アイオノマー
層を介して塗布されたシランカップリング剤を含むアイ
オノマー組成物よりなる熱封緘材層を具備した熱封緘蓋
材(例えば特開昭61−104971号公報参照)は既に知られ
ているが、このように蓋材の熱封緘樹脂にシランカップ
リング剤を混入すると、熱封緘材層の表面にシランカッ
プリング剤がブリードされて、表面側に拡散されかつ濃
縮された状態となり、従って熱封緘材層の表面における
シランカップリング剤の存在量が多くなるが、その存在
量は熱封緘時の処理温度等の条件によって、あるいはま
た蓋材の放置時間等によって異なるため、熱封緘すべき
面に存在せしめるシランカップリング剤の量を調整する
のが非常に困難であるという問題があった。
この発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、
ガラス容器等の口部のようなポーラスでかつ比較的極性
が弱い被着面に対しても非常にすぐれた接着性を有して
おり、蓋材を短時間で密封包装用容器の口部に熱封緘す
ることができるばかりか、熱封緘材層の表面に存在せし
めるべきシランカップリング剤の量を容易に調整するこ
とができ、接着力を確実に増大することができ、このた
め熱封緘材層とガラス容器の口部との接着力が大幅に強
化され、容器内容物が例えば酒、ジュース、ジャム等の
液体もしくは粘性体であるような場合にも、熱封緘接着
部への水の侵入を確実に阻止することができて、熱封緘
接着部の耐水性が大幅に増大し、水環境下における接着
力の低下が少なく、良好な接着状態を長期間維持するこ
とができ、密封性にすぐれている、密封包装用容器の熱
封緘蓋材を提供しようとするにある。
課題を解決するための手段 上記の目的を達成するために、この発明による密封包
装用容器の熱封緘蓋材は、金属箔の片面に、モノオレフ
ィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂ないしその金属塩
を含む熱封緘緘材層が設けられている熱封緘蓋材であっ
て、熱封緘材層の表面に、シランカップリング剤単独よ
りなる厚み0.01〜1μmのコーティング層が設けられて
いることを特徴とするものである。
上記金属箔は、通常アルミニウム箔を使用するが、そ
の他の金属箔であってもよい。アルミニウム箔の場合
は、その厚さは5〜200μm、好ましくは2〜60μmで
ある。熱封緘材の基材として金属箔を使用すると、バリ
ヤー性にすぐれていて、デザート類や調理済み食品等の
内容物の保存を長期間有効に果すことができる。
上記熱封緘材としては、アイオノマー(例えば特公昭
61−54587号公報参照)を使用する。
このアイオノマーは、モノオレフィン−不飽和カルボ
ン酸共重合体樹脂ないしその金属塩よりなるものであ
る。
ここで、モノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体
樹脂は、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘ
プテンのようなαモノオレフィンと、アクリル酸、メタ
アクリル酸、エタアクリル酸、クロトン酸のようなα、
β−不飽和カルボン酸とを共重合させて得られた樹脂を
ベースとするものであり、その代表例としては、エチレ
ン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタアクリル
酸共重合体樹脂があげられる。このような共重合体樹脂
の分子量は1000〜200000であり、共重合体樹脂中の不飽
和カルボン酸含有量は1〜30重量%、好ましくは2〜20
重量%である。
またモノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂
の金属塩の例としは、上記共重合体樹脂のカルボキシル
基を、ナトリウム、カリウムのようなアルカリ金属イオ
ンまたは亜鉛、マグネシウムのようなアルカリ土類金属
イオンで中和して得られるイオン架橋樹脂すなわちアイ
オノマー樹脂があげられる。金属イオンによる中和度
は、例えば、0.5〜40%である。特にエチレン−メタア
クリル酸共重合体樹脂の亜鉛塩よりなるアイオノマー樹
脂を使用するのが好ましい。アイオノマー樹脂のカルボ
ン酸含有量は5〜18%であり、イオン化度は数%〜90%
である。
なお、熱封緘材には、いわゆるブロッキングを防止す
るために、場合によっては上記の樹脂以外の合成樹脂を
ブレンドしてもよい。
また上記シランカップリング剤としては、一般化学構
造式、 YRSiX で表わされるものを使用する。
式中、Rはアルキル基、Xは珪素原子に結合している
加水分解性の基を示し、例えば塩素、アルコキシ基、ア
セトキシ基などであり、Yは有機ポリマーと結合する有
機反応基を示し、例えばメルカプト、アミノ、エポキ
シ、ビニル、メタクリルなどである。
シランカップリング剤としては、上記一般式を有する
メルカプトシラン、アミノシラン、エポキシシラン、ビ
ニルシランおよびメタクリルシランよりなる群の中から
選ばれた少なくとも1つのシラン化合物を使用する。
シランカップリング剤の具体例としては、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル
トリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランなどがあげられ
る。
上記熱封緘材層の厚みは、通常5〜300μm、好まし
くは20〜100μmであり、シランカップリング剤よりな
るコーティング層の厚みは、0.01〜1μmである。
ここで、シランカップリング剤よりなるコーティング
層の厚みが0.01μm未満であれば、薄すぎて、熱封緘接
合部に十分な耐水性が付与されず、水環境下において接
着性が低下するので、好ましくない。
また逆に、シランカップリング剤よりなるコーティン
グ層の厚みが1μmを越えるときは、水環境下において
接着性がさほど変らないばかりか、コスト高となるた
め、好ましくない。
熱封緘材層の表面にシランカップリング剤よりなるコ
ーティング層を設けるには、例えばスプレー法、あるい
はロールコート法等により行なえばよい。
また上記熱封緘材層には、低温シール性を確保するた
めに、かつプレスによる打抜き加工のさいブロッキング
を防止するために、無機化合物を充填するのが好まし
い。
ここで、無機化合物としては、例えばマグネシウム、
カルボン、アルミニウム、チタンおよびケイ素の酸化
物、水酸化物、炭酸塩並びに硫酸塩、あるいはタルク、
クレー、長石粉、マイカ、バライトなどがあるが、特に
好ましくはカルシウムの炭酸塩、タルクが使用する。
これら無機化合物の平均粒径は0.1〜50μm、好まし
くは0.5〜30μmであり、モノオレフィン−不飽和カル
ボン酸共重合体樹脂ないしその金属塩よりなる樹脂100
重量部に対して、上記無機化合物を30重量部以下、通常
0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部混合する。
上記共重合体樹脂ないしその金属塩と無機化合物との
混合は、例えば単軸押出機、2軸押出機、バンバリーミ
キサーおよびニーダー等を用いて、通常15〜200℃の温
度条件下で行なう。また乾燥時間は、乾燥温度によって
異なるが、例えば100℃では約30秒である。
なお、金属箔の片面に熱封緘材層を設けるには、上記
のような熱封緘材を予めフィルム状に加工しておき、こ
のフィルムを金属箔の片面に例えばポリエステル・イソ
シアネート系2液反応型接着剤等の接着剤を介して接合
するか、または金属箔の片面に押出機を用いて熱封緘材
の溶融物を押し出すことにより、これを直接接合するよ
うにすればよい。
また必要に応じて、熱封緘材層と金属箔との間にポリ
エチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムよりなる中
間層を介在させてもよい。これによりヒートシール時の
クッション性が向上するとともに、ドレッシングやマス
タード等の内容物による金属箔の腐食を防止することが
できる。
なお、金属箔の他面には通常必要な印刷が施され、さ
らにこれの表面に防食コート層が設けられる。
シランカップリング剤よりなるコーティング層を有す
る上記の蓋材は、ガラス製容器の口部を被う形状および
大きさに連続的に打抜き成形される。
この発明による熱封緘蓋材によって密封せられる密封
包装容器は、例えばガラス、金属、セラミックまたは陶
器によりつくられたものである。
発明の実施の形態 つぎに、この発明の実施の形態を、図面を参照して説
明する。
第1図と第2図は、この発明による熱封緘蓋材の具体
例を示すものである。
まず第1図に示す蓋材は、アルミニウム箔(1)の片
面に、モノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂
ないしその金属塩を含む熱封緘材層(2)が接着剤層
(3)を介して設けられ、この熱封緘材層(2)の表面
に、シランカップリング剤単独よりなる厚み0.01〜1μ
mのコーティング層(5)が設けられているものであ
る。アルミニウム箔(1)の他面には、防食コート層
(4)が施されている。
第2図に示す熱封緘蓋材は、第1図の蓋材の構成とほ
ぼ同様であるが、内容物によるアルミニウム箔(1)の
腐食を防止するためにアルミニウム箔(1)の片面にポ
リエチレンフィルムよりなる中間層(7)が設けられ、
この中間層(7)に接着剤層(3)を介して熱封緘材層
(2)が設けられ、この熱封緘材層(2)の表面にシラ
ンカップリング剤のコーティング層(5)が設けられ、
またアルミニウム箔(1)の他面に印刷層(6)が設け
られ、さらにその表面に防食コート層(4)が設けられ
ているものである。
この発明の熱封緘蓋材によれば、モノオレフィン−不
飽和カルボン酸共重合体樹脂ないしその金属塩を含む熱
封緘剤層(2)の表面にシランカップリング剤のコーテ
ィング層(5)が設けられているため、水環境下におい
て接着性の低下が少なく、良好な接着性が長期間維持す
ることができて、密封性にすぐれているものであるが、
これはつぎのような理由によるものと考えられる。
すなわち、例えばガラス容器の蓋材に施される熱封緘
材には、ガラス容器の口部上面がポーラスで、比較的極
性が弱く、接着性が悪いことから、−OH基および−COOH
基等の官能基を多く含む樹脂、例えばモノオレフィンに
−OH基あるいは−COOH基を導入したエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体ケン化物のカルボキシル変性体、およびアイ
オノマー系樹脂等が用いられて、接着性の向上が図られ
ているが、このような樹脂を用いても、熱封緘の処理時
間が非常に短いため、熱封緘樹脂中の官能基がガラス容
器の口部上面のガラス成分と作用して水素結合を形成す
るに至らず、該樹脂はガラス表面に主としてファンデル
ワールス力により接着しているものと考えられる。とく
に熱封緘直後は、熱封緘樹脂の分子セグメントが熱運動
して、その配向が乱れており、従って水素結合は生じに
くく、主としてファンデルワールス力により接着してい
る。そして、熱封緘後、経時的に、上記官能基がガラス
表面に徐々に配列し、ガラス表面のシラノール基と水素
結合を形成し、接着力は次第に増大する。
ところが、ガラス容器の内容物が液体または粘性体で
あると、容器口部のガラス表面は親水性であるため水分
子のヌレが生じ易く、水分子の多分子層が形成されるた
め、熱封緘接着部のファンデルワールス力が弱められ、
かつ水素結合も切られて、接着性が著しく低下する。
これに体し、この発明の熱封緘蓋材によれば、モノオ
レフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂ないしその金
属塩を含む熱封緘材層の表面に、所定の厚みを有するシ
ランカップリング剤単独よりなるコーティング層が設け
られているから、蓋材の熱封緘樹脂とガラス容器の口部
表面との接着力が非常に強固となり、従って接着界面へ
の水の侵入を確実に阻止することができて、熱封緘接着
部の耐水性が大幅に増大するものである。
しかも熱封緘材層の表面に、シランカップリング剤単
独よりなるコーティング層を設けるには、例えばスプレ
ー法あるいはロールコート法等により行なえばよく、作
業が非常に簡単である。またコーティング層が、シラン
カップリング剤単独よりなる層であるため、材料が少な
くてすむとともに、手間がかからない。
実 施 例 つぎに、この発明の実施例を、比較例と共に説明す
る。
実施例1 第1図に示すように、片面に防食コート層(4)を有
する厚さ50μmのアルミニウム箔(1)の他面に、特殊
アイオノマーすなわちモノオレフィン−不飽和カルボン
酸共重合体樹脂の金属塩であってかつ平均粒径約1μm
の炭酸カルシウム5重量%を均一に分散混合した熱封緘
材フィルム(商品名ハイミラン1702三井デュポンケミカ
ル社製、メルトインデックス14g/10分、亜鉛イオンタイ
プ)よりなる厚さ50μmの熱封緘材層(2)を、接着材
層(3)を介してドラィラミネートにより設けたのち、
熱封緘材層(2)の表面にアミノ系シランカップリング
剤(商品名A1100、日本ユニカー株式会社製)を、ロー
ルコート法により塗布し、100℃で5分間乾燥させるこ
とにより、各種の厚さを有するシランカップリング剤コ
ーティング層(5)を形成し、蓋材(試料No.1〜4)を
つくった。
このようにして得られた各種蓋材を打抜きプレスによ
りガラス容器の口部(10)に対応する所定の形状および
大きさに打ち抜いた。
ついで、ガラス容器に40℃の水を充填し、この容器の
口部に上記蓋材を温度200℃および圧力160kgf/個の条件
下に2秒間加熱、加圧し、熱封緘によりこれらの蓋材を
ガラス容器の口部(10)に直接接合して容器を密封し
た。そして、熱封緘直後の蓋材の剥離強度と、密封ガラ
ス容器を40℃で30日間倒立状態に放置した後の蓋材の剥
離強度とをそれぞれ測定し、下表に示した。
実施例2 この実施例においては、第1図に示すように、アルミ
ニウム箔(1)の片面に接着剤層(3)を介して上記実
施例1の場合と同じ熱封緘材層(2)をドライラミネー
トにより設けたのち、熱封緘材層(2)の表面にエポキ
シ系シランカップリング剤(商品名A−187、日本ユニ
カー株式会社製)をロールコート法により塗布し、100
℃で5分間乾燥させることにより、厚さ0.4μmのシラ
ンカップリング剤コーティング層(5)を形成し、蓋材
(試料No.5)をつくった。
このようにして得られた蓋材について密封包装試験を
実施例1の場合と同様に行ない、得られた結果を下表に
あわせて示した。
比較例 比較のために、アルミニウム箔(1)の片面に接着剤
層(3)を介して上記実施例1の場合と同じ熱封緘材層
(2)がドライラミネートにより設けられているが、シ
ランカップリング剤のコーティング層(5)が設けられ
ていない蓋材をくり、これらの蓋材について密封包装試
験を実施例1の場合と同様に行ない、得られた結果を下
記表1にあわせて示した。
上記表1から明らかなように、この発明の蓋材によれ
ば、モノオレフィン−不飽和カルボン酸共重合体樹脂な
いしその金属塩を含む熱封緘材層の表面に、所定の厚み
を有するシランカップリング剤単独よりなるコーティン
グ層が設けられているので、ガラス容器の口部表面に対
する接着力が非常にすぐれており、水を封入したガラス
容器を倒立状態で長時間保存した後にも蓋材の接着力が
低下せず、耐水性が良好で、密封性がすぐれている。
これに対し、シランカップリング剤を使用しない熱封
緘材を用いた比較例の蓋材によれば、ガラス容器を倒立
状態で長時間保存すると、蓋材が剥れてしまい、耐水性
に劣るものであった。
発明の効果 この発明による密封包装用容器の熱封緘蓋材は、上述
のように、金属箔の片面モノオレフィン−不飽和カルボ
ン酸共重合体樹脂ないしその金属塩を含む熱封緘材層が
設けられている熱封緘蓋材であって、熱封緘材層の表面
に、シランカップリング剤単独よりなる厚み0.01〜1μ
mのコーティング層が設けられているものであるから、
ガラス容器等の口部のようなポーラスでかつ比較的極性
が弱い被着面に対しても非常にすぐれた接着性を有して
おり、蓋材を短時間で密封包装用容器の口部に熱封緘す
ることができるばかりか、熱封緘材層の表面に存在せし
めるべきシランカップリング剤の量を容易に調整するこ
とができて、接着力を確実に増大することができ、この
ため熱封緘材層とガラス容器の口部との接着力が大幅に
強化され、従って一般にガラス容器の口部は親水性を有
するものであり、加えて容器の内容物が例えば酒、ジュ
ース、ジャム等の液体もしくは粘性体であるような場合
にも、熱封緘接着部への水の侵入を確実に阻止すること
ができて、熱封緘接着部の耐水性が大幅に増大し、水環
境下における接着力の低下が少なく、良好な接着状態を
長期間維持することができ、密封性にすぐれている。
また、熱封緘材層の表面に、所定の厚みを有するシラ
ンカップリング剤単独よりなるコーティング層を設ける
には、例えばスプレー法あるいはロールコート法等によ
り行なえばよく、作業が非常に簡単である。
さらにコーティング層が、シランカップリング剤単独
よりなる層であるため、材料が少なくてすむとともに、
手間がかからない。
またこの発明の熱封緘蓋材によれば、従来のように食
品を充填後、容器の口部に金属製キャップをかしめ止め
たり、あるいは金属製もしくは合成樹脂製ねじキャップ
をねじ止めたり、王冠を被せ止めたりしないので、開封
が容易であるとともに、キャップや王冠を使用しないだ
け密封包装用容器のシールコストが安くつく。
そのうえ、開封時に容器口部に樹脂が残るようなこと
がなく、従って開封後の容器口部の外観がきれいである
し、比較的低い温度でヒートシールすることができるた
め、充填シール装置の設備費、運転費が安くつき、充填
およびシールの作業性が向上するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明品の具体例を示す部分拡大断面図、第2
図はいま1つの具体例を示す部分拡大断面図である。 (1)……アルミニウム箔、(2)……熱封緘材層、
(3)……接着剤層、(4)……防食コート層、(5)
……シランカップリング剤コーティング層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹中 博一 大阪府堺市海山町6丁224番地 昭和ア ルミニウム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−275747(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属箔の片面に、モノオレフィン−不飽和
    カルボン酸共重合体樹脂ないしその金属塩を含む熱封緘
    材層が設けられている熱封緘蓋材であって、熱封緘材層
    の表面に、シランカップリング剤単独よりなる厚み0.01
    〜1μmのコーティング層が設けられていることを特徴
    とする、密封包装用容器の熱封緘蓋材。
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