JP2000238738A - 蓋 材 - Google Patents

蓋 材

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JP2000238738A
JP2000238738A JP11037675A JP3767599A JP2000238738A JP 2000238738 A JP2000238738 A JP 2000238738A JP 11037675 A JP11037675 A JP 11037675A JP 3767599 A JP3767599 A JP 3767599A JP 2000238738 A JP2000238738 A JP 2000238738A
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resin
lid material
thermoplastic resin
sealant layer
break
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JP11037675A
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English (en)
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Masayoshi Suzuta
昌由 鈴田
Masayuki Taniguchi
谷口  正幸
Nobuo Furusawa
伸夫 古沢
Mamoru Sekiguchi
守 関口
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】易開封性および開封時の糸引きを解消させるだ
けでなく、紙カップフランジ部における密封性を向上さ
せることが可能な蓋材を提供することにある。 【解決手段】JIS.K7210に準ずる190℃、2
1.168NにおけるMIが20〜80、JIS.K7
113における引張破断強度が5〜20MPa、かつ引
張破断伸びが600%以下の熱可塑性樹脂Aをベース樹
脂とし、この熱可塑性樹脂Aに非相溶系あるいは部分相
溶系の熱可塑性樹脂Bをポリマーブレンドしたポリマー
をシーラント層として使用した蓋材において、その最内
層のシーラント層にエンボス加工が施されたことを特徴
とする蓋材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙を主体とした紙
カップ等の紙製容器用の蓋材に関するものであり、さら
に詳細には、易開封性、密封性、開封時の糸引き改善を
可能にする蓋材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食品包装分野において、インスタントラ
ーメン、ゼリー、ヨーグルトなどカップもしくはトレー
に内容物を充填した包装形態が増加してきた。これらの
カップもしくはトレーは一般的にポリスチレン、発泡ポ
リスチレン、ポリプロピレン樹脂などの熱可塑性樹脂を
射出成形、真空圧縮成形などの製法を利用して製造され
ているが、近年、省資源化、ごみの減容積化、リサイク
ル性などを考慮して、紙にポリエチレン樹脂などのポリ
オレフィン系樹脂を積層させた紙カップ、紙トレーなど
の紙製容器が開発されており、内容物としてインスタン
トラーメンに限らず、飲料なども充填されるようになっ
てきた。
【0003】これらの紙カップ容器等の紙製容器におけ
る蓋材の要求品質としては、内容物を保護するため蓋材
最内層のシーラント層と被着材であるカップなどの容器
が強接着である事が望まれるのに対し、開封時にはでき
るだけ易開封であることという相反する要求が求められ
る。
【0004】このような要求を満たすため、様々な機能
が蓋材に付与されてきた。その一つが、易開封機構の設
計であり、それらの例として、層間剥離機構、凝集剥離
機構が挙げられる。このうち、凝集剥離機構は非相溶系
あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂をブレンドすること
で設計され、その剥離原理としては、非相溶系あるいは
部分相溶系の熱可塑性樹脂ブレンド層の凝集力の小さい
ことを利用し、開封時は蓋材最内シーラントと被着材と
の界面ではなく、このような非相溶系あるいは部分相溶
系のブレンド層の凝集破壊を利用することが挙げられ
る。
【0005】この凝集剥離型の易開封機構の問題点とし
ては、開封時の糸引きが挙げられる。この問題は易開封
層(ブレンド層)の層厚を薄くする、あるいはブレンド
層のマトリックスードメイン構造のドメイン径を小さく
するなどの構造設計、モルフォロジー設計をする必要が
ある。マトリックスードメイン構造の制御は、両者の界
面接着性の問題となり、この界面接着性を強くすると
(ドメイン径を小さくすると)糸引きは発生しなくなる
が開封強度が強くなり、逆に界面接着性を弱くすると
(ドメイン径を大きくすると)開封強度が弱くなり、易
開封性を付与することが可能であるが、ブレンド構成に
よっては糸引きを発生することになる。上述したよう
に、易開封層(ブレンド層)を薄くすることも一つの方
法であるが、薄くなると膜厚の制御が困難になり、加工
性が低下する。
【0006】また、例えば紙カップ用の蓋材の場合に
は、特にその構造上の問題から、密封性が要求される。
それは紙カップ製造から内容物を充填後、蓋材をシール
する過程は図1で説明される。まずポリオレフィン系樹
脂を押出ラミネート手法などにより積層させた原紙をカ
ップのブランク形状に裁断し(図1−A)、ブランク糊
代部aをヒートシールなどの手法を用いてカップ形状を
形成させた後、底蓋bを取り付ける(図1−B)。蓋材
dを接着させるためのフランジ部cを形成させ(図1−
C)、内容物を充填後を蓋材dを接着させる(図1−
D)。
【0007】一般に、射出成形や真空圧縮成形でカップ
やトレーを成形する場合には、フランジ部cは段差もな
く平坦な状態である(図2−A)。しかしながら、紙カ
ップの場合は、上述したようにブランク糊代部aをヒー
トシール後にフランジ部cを作成するため、フランジ部
cはヒートシール後の段差eが生じることになる(図2
−B)。同様なことが紙製トレーにもいえ、紙製トレー
のブランクを罫線に沿って折り曲げ、成形する際に、ト
レーのフランジコーナー部にも同様な段差を生じること
になる。
【0008】この段差eが存在すると、蓋材dを接着さ
せた際に、前記段着部分にシール不良が発生し(図
3)、密封性が低下する。一般にインスタントラーメン
のような乾物を充填する場合には大きな問題にはならな
いが、飲料などを充填した場合、内容物が漏れてしまう
など問題点が発生する。また、食品の衛生性を考慮する
と、できるだけ蓋材の密封性が良好な方が好ましい。
【0009】これらの問題点を解決させるため、蓋材d
と容器との接着にはホットメルト樹脂を使用し、容器の
ヒートシール部の段差eを埋めようとする試みがある。
しかしながら、ホットメルト樹脂を用いた接着は、段差
eを埋めることは可能であるが、衛生性や耐熱性、高温
多湿下における接着強度の低下など問題点が生じる可能
性がある。
【0010】また、容器の密着性を維持するため、蓋材
と容器との接着強度を強くすると、蓋材の開封が困難に
なり、開封時に内容物をこぼしたりする恐れがある。以
上の内容から、紙カップ等紙製容器用の蓋材としては、
易開封性や開封時の糸引きを発生させること無しに、さ
らに好ましくは、紙カップフランジ部等のヒートシール
部に生じる段差を埋め、密封性を向上させることが可能
な蓋材を開発したいのが現状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は上記の
実状を考慮したものであり、易開封性および開封時の糸
引きを解消させるだけでなく、紙カップフランジ部等の
ヒートシール部における密封性を向上させることが可能
な蓋材を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するために考え出されたものであり、請求項1記載の
発明は、JIS.K7210に準ずる190℃、21.
168NにおけるMIが20〜80、JIS.K711
3における引張破断強度が5〜20MPa、かつ引張破
断伸びが600%以下の熱可塑性樹脂Aをベース樹脂と
し、この熱可塑性樹脂Aに非相溶系あるいは部分相溶系
の熱可塑性樹脂Bをポリマーブレンドしたポリマーをシ
ーラント層として使用した蓋材において、その最内層の
シーラント層にエンボス加工が施されたことを特徴とす
る蓋材、としたものである。
【0013】請求項2記載の発明は、請求項1記載の蓋
材において、最内層のシーラント層に施されたエンボス
加工により形成された凹凸部の凸部をα、深さをγ、凹
部をβとした際に、凸部αの合計の面積は凹部βの合計
の面積より大きく、かつ深さγは20μm以上であるこ
とを特徴とする蓋材、としたものである。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の蓋材において、シーラント層のベースとなる熱可
塑性樹脂Aが、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹
脂、エチレンーαオレフィン共重合体、これらオレフィ
ン系樹脂の酸変性物、エチレンー酢酸ビニル共重合体、
エチレンーα、β不飽和カルボン酸あるいはそのエステ
ル化物もしくはイオン架橋物、共重合ポリエステルの単
体あるいはこれらを主成分とするブレンド樹脂もしくは
共重合物の中から選ばれた1種であることを特徴とする
蓋材、としたものである。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項1、2、ま
たは3記載の蓋材において、蓋材とこの蓋材と接着する
容器との剥離が、シーラント層との凝集破壊により行わ
れ、その剥離強度が1〜15N/15mmであることを
特徴とする蓋材、としたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下で詳細に説明する。本発明の
蓋材は、JIS.K7210に準ずる190℃、21.
168NにおけるMIが20〜80で、JIS.K71
13における引張破断強度が5〜20MPaでかつ引張
破断伸びが大きくとも600%以下の熱可塑性樹脂をベ
ース樹脂とした非相溶系あるいは部分相溶系のブレンド
樹脂をシーラント層として使用しており、これらのブレ
ンド樹脂の配合比として、ベース樹脂を50〜99wt
%、ブレンド樹脂を1〜50wt%が好ましい。この時
の蓋材の構成を例としてあげると、
【0017】例1:熱可塑性樹脂(最外層)/熱可塑性
樹脂(中間層)/熱可塑性樹脂(シーラント層) 例2:紙/熱可塑性樹脂/金属箔/熱可塑性樹脂/熱可
塑性樹脂層(シーラント層) 例3:熱可塑性樹脂(最外層)/紙/熱可塑性樹脂(シ
ーラント層)など様々である。 この時、層構成は上記構成に限らず何層でも構わず、必
要に応じてバリア性樹脂層、接着性樹脂層などを積層さ
せても構わない。また、紙を積層した構成において紙の
材質も特に限定されるものではない。また、バリア性を
付与させるために無機化合物を蒸着などの手法により積
層させたフィルムも使用可能である。
【0018】蓋材シーラント層のベース樹脂としては、
容器の材質に応じて様々な樹脂を使用することが可能で
あり、例を挙げると、低密度ポリエチレン樹脂、中密度
ポリエチレン樹脂、高密度ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、エチレンープロピレン共重合体、エチレン
ーαオレフィン共重合体、エチレンーアクリル酸共重合
体、エチレンーメタクリル酸共重合体、エチレンーメタ
クリル酸エステル共重合体、エチレンーアクリル酸エス
テル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレンー酢酸ビニ
ル共重合体、共重合ポリエステル等が挙げられる。
【0019】また、これらの樹脂は前記の樹脂単体、ま
たは前記の樹脂をブレンドした樹脂を使用しても構わな
い。さらに、前記樹脂中に低分子量の石油樹脂、例えば
脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、共重合系石油樹
脂、脂環族系石油樹脂や、ロジン、重合ロジン、水素添
加ロジン、ロジングリセリンエステル、およびその水添
物または重合物、ロジンペンタエリストールおよびその
水添物または重合物のようなロジン類を粘着付与剤とし
て上記樹脂に適量を配合しても構わない。
【0020】凝集剥離を開封機構として採用する場合、
シーラント層ベース樹脂に配合するブレンド樹脂(熱可
塑性樹脂B)としては、ベース樹脂と非相溶あるいは部
分相溶する樹脂が用いられ、ベース樹脂の種類にもよる
が、低密度ポリエチレン樹脂、中密度ポリエチレン樹
脂、高密度ポリエチレン樹脂、エチレンーαオレフィン
共重合体、ポリブテン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチ
レンープロピレン共重合体、ポリエチレンテレフタレー
トのようなポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エチレ
ンーアクリル酸共重合体やエチレンーメタクリル酸共重
合体のような酸共重合物やそのエステル化物、エチレン
ー酢酸ビニル共重合体あるいはその鹸化物、ポリスチレ
ン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などが使用可能
であり、特に上述した樹脂以外にも、酸変性物など様々
な樹脂の使用が可能である。これらの樹脂は熱可塑性樹
脂Aと同様に単体でも、複数の樹脂をブレンドした樹脂
でも構わない。
【0021】本発明において、この蓋材で蓋をするカッ
プなどの被着体がポリエチレン樹脂の場合、熱可塑性樹
脂A/熱可塑性樹脂Bの組合せとして、ポリエチレン樹
脂/ポリブデン樹脂、ポリエチレン樹脂/ポリスチレン
樹脂、ポリエチレン樹脂/ポリプロピレン樹脂の組合せ
が好ましい。被着体がポリプロピレン樹脂の場合、熱可
塑性樹脂A/熱可塑性樹脂Bの組合せとして、ポリプロ
ピレン樹脂/ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂/
ポリエチレン樹脂の組合せが好ましい。また、被着体が
ポリスチレン樹脂の場合、熱可塑性樹脂A/熱可塑性樹
脂Bの組合せとして、エチレン−酢酸ビニル共重合体/
ポリブデン樹脂、ポリエチレン+エラストマー+石油樹
脂/ポリブデン樹脂の組合せが好ましい。
【0022】シーラント層のベース樹脂(熱可塑性樹脂
A)とベース樹脂に非相溶系あるいは部分相溶系のブレ
ンド樹脂(熱可塑性樹脂B)との配合比は、ベース樹脂
で50〜99wt%、ブレンド樹脂で1〜50wt%が
好ましい。ブレンド樹脂は、ベース樹脂に配合すること
で、ベース樹脂の凝集力を低下させ、易開封性を附与さ
せるものであるため、上記配合比であった方が好まし
い。特に好ましくは、ブレンド樹脂の配合比で15〜4
5wt%である。
【0023】上述したベース樹脂のJIS.K7210
に準ずる190℃、21.168NにおけるMIが20
〜80が採用される。MIが20よりも小さいと、紙カ
ップフランジ部に生じた段差を生めることが困難であ
り、MIが80を超えると加工性に問題がある。このよ
うな意味で、ベース樹脂のMIとしては20〜80とす
る。また、ベース樹脂の融点や融解熱量としては特に制
限はないが、蓋材と紙カップとをシールする際に、その
シール温度で完全にベース樹脂が溶融していたほうが、
段差部の密着性という点では好ましいので、比較的低融
点でかつ融解熱量も小さい方が好ましい。
【0024】上述したベース樹脂はJIS.K7113
における引張破断強度で5〜20MPaでかつ、引張破
断伸びが大きくとも600%以下のものが採用される。
ここで、JIS.K7113における引張破断強度、引
張破断伸びの測定試験片および測定条件は、JIS.K
7113に記載されている内容に従う。例えば、測定す
る樹脂が低密度ポリエチレン樹脂であれば、2号試験片
で厚さ2.0±0.2mm、試験速度200mm/mi
n.など、各樹脂に応じた試験を行う。引張り破断強度
が5MPaより小さいと、樹脂としての強度が低くなり
すぎ、シール強度が得られない可能性がある。また、引
張り破断強度が20MPaより超え、かつ破断伸びが6
00%を超えると、開封時に糸引きを発生する恐れがあ
る。このような意味から、引張破断強度で5〜20MP
aでかつ、引張破断伸びが大きくとも600%以下とす
る。
【0025】本蓋材の容器との開封強度は、易開封性を
考えると1〜15N/15mmである方が好ましい。1
N/15mmよりも弱いと接着強度に劣り、15N/1
5mm以上であると易開封性に劣る。また、凝集剥離の
場合は、その凝集剥離層の層厚によっても強度が著しく
変化するため、ブレンド層の含有量など様々な要因を考
慮して設定しても構わなく、層厚に特に制限はない。し
かしながら、ベースとなる熱可塑性樹脂AがMIで20
以上の高流動性の樹脂であるため、加工性を考慮すると
10〜30μm程度が好ましい。ただし、上述したよう
に、本発明の蓋材のシーラントは糸引きの問題が無いた
め、層厚に制限はない。
【0026】本発明の蓋材シーラント層に施すエンボス
加工は、図4に示すように、エンボス加工により形成さ
れた凹凸部の凸部をα、深さをγ、凹部をβとした際
に、凸部αの合計の面積は凹部βの合計の面積より大き
く、かつ深さγは20μm以上とする。またそのエンボ
スの模様は比較的細かな線状の模様(図5〜8参照)が
好ましいく、大きな模様は、段差eの位置に大きな模様
の凹部βが位置した場合、密封性が悪くなることもある
ので、好ましくない。このエンボス加工は、紙カップフ
ランジ部に生じた段差を埋めるのに有効な方法である。
まず、蓋材と紙カップが温度および圧力によりヒートシ
ールされると、エンボス加工により施された凸部と凹部
がレベリングにより平坦になる。その時の物理的な現象
を利用して、紙カップフランジ部に生じた段差部を効率
的に埋めてやることが可能である。その際、凸部αの合
計の面積は凹部βの合計の面積より大きく、かつ深さγ
は20μm以上とすることで、シーラント層溶融時のレ
ベリングによる段差埋まりの効果を大きくすることが可
能である。深さγとしては20μmより小さいと凹凸が
不明瞭になり、レベリングの効果が少なくなるため、2
0μm≦γである方が好ましい。
【0027】本発明の蓋材の作成方法は、様々な方法を
採ることができるが、基本的にはあらかじめドライラミ
ネート、押出ラミネートなどの手法で積層させた積層体
を基材として、上記内容の熱可塑性樹脂を押出ラミネー
トする方法が採られる。本発明の蓋材のシーラント層は
高流動性であるため、加工性を考慮して共押出手法によ
り積層させても構わない。これらの蓋材に関する製造方
法には制約はない。また、エンボス加工も従来から行わ
れている様に、プレスロールもしくは熱プレスロールを
通して蓋材全体にエンボスをかけてもよく、さらには、
上記シーラント層をTダイにより押出ラミネートする際
に、冷却ロールにあらかじめエンボスの形状を形成させ
ておくことで、シーラント製膜時にインラインでエンボ
ス加工を施すことが可能である。上記以外の方法でもも
ちろん利用しても構わない。
【0028】また、シーラント材の加工性、熱安定性な
どを考慮して、必要に応じて酸化防止剤、安定剤、滑
剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、防雲剤、粘着
調整剤、充填剤、着色剤などの添加剤を加えることも可
能である。
【0029】本発明の蓋材の被着材となる容器は、上述
してきた紙カップだけでなく、紙トレーのようにヒート
シール部分に段差がある紙製容器であれば使用できる。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、これらの実
施例に限られるものではない。 <実施例1>ポリエチレンテレフタレートの二軸延伸フ
ィルム(25μm)上に低密度ポリエチレンを厚さ20
μmで押出ラミネートにより積層させたものを基材とし
て使用した。蓋材最内シーラント層として、JIS.K
7113における引張破断強度が9MPa、引張破断伸
びが450%、そしてJIS.K7210に準ずる19
0℃、21.168NにおけるMIが70の低密度ポリ
エチレン樹脂(熱可塑性樹脂A)を用い、さらに易開封
性を付与させるためMIが1.8のポリブテン樹脂(熱
可塑性樹脂B)を30wt%添加した。また、このシー
ラント層は流動性が高いため、MIが5の低密度ポリエ
チレン樹脂との共押出により、押出温度280℃で基材
上に積層した(MI=5低密度ポリエチレン樹脂層30
μm、シーラント層30μm)。
【0031】エンボス加工は、あらかじめ図5の形状の
エンボス版を冷却ロールに取り付けることで、シーラン
ト製膜時と同時にエンボス加工を施した。その時、凸部
αの線の幅を0.4mm、凹部βの幅を0.2mm、深
さγを40μmとした。その後、この積層体を上述した
基材の低密度ポリエチレン面とヒートシールし、130
〜160℃のヒートシール強度を測定した。その時のシ
ール圧は0.15MPaでシール時間は1秒である。こ
のヒートシール物を幅15mmの短冊状にサンプリング
し、90度剥離試験を行った。その時の接着強度を表1
に示す。蓋材としての構成は、基材として紙(坪量80
g/cm2)にアルミ箔を積層させたものを基材と使用
した。シーラントの構成は上述したブレンド品を用い、
アルミ箔と接着性を有するエチレンーアクリル酸共重合
体との共押出により蓋材を作成した。
【0032】被着体となる容器は、紙に低密度ポリエチ
レン樹脂をラミネートした原反から作成した紙カップを
実際使用した。この容器と蓋材とのヒートシールにはカ
ップシーラーを使用し、シール温度130〜160℃、
シール圧力0.15MPa、シール時間1秒でシールし
た。この時の層厚は、上述した構成と同様であり、この
際にはエチレンーアクリル酸共重合体の層厚を30μm
とした。この蓋材をシールした紙カップを用いて、段差
の埋まりおよび開封感を評価した。この時、段差におけ
る密着性はリークチェック液で確認し、開封感は官能的
に評価した。これらの結果をまとめて表1に示す。
【0033】<実施例2>シーラント層のベースとなる
熱可塑性樹脂Aとしての引張破断強度を9MPa、引張
破断伸びを100%、そしてMIを50の低密度ポリエ
チレンを用い、エンボス形状を図6にした以外は実施例
1と同じ構成の蓋材を用い、実施例1と同様のテストを
行った。その結果を表1に示す。
【0034】<実施例3>シーラント層のベースとなる
熱可塑性樹脂Aとしての引張破断強度を10MPa、引
張破断伸びを100%、そしてMIを35の低密度ポリ
エチレンを用い、エンボス形状を図7にした以外は実施
例1と同じ構成の蓋材を用い、実施例1と同様のテスト
を行った。その結果を表1に示す。
【0035】<実施例4>シーラント層のベースとなる
熱可塑性樹脂Aとしての引張破断強度を9MPa、引張
破断伸びを350%、そしてMIを50の低密度ポリエ
チレンを用い、熱可塑性樹脂BをMI=20のポリブテ
ン樹脂に、エンボス形状を図8にした以外は実施例1と
同じ構成の蓋材を用い、実施例1と同様のテストを行っ
た。その結果を表1に示す。
【0036】<実施例5>シーラント層のベースとなる
熱可塑性樹脂Aとしての引張破断強度を18MPa、引
張破断伸びを500%、そして190℃におけるMIを
30の低密度ポリエチレンを用い、熱可塑性樹脂Bとし
てMI=11のポリスチレン樹脂を使用し、エンボス形
状を図9にした以外は実施例1と同じ構成の蓋材を用
い、実施例1と同様のテストを行った。その結果を表1
に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き優れた実用上の効果を有する。即ち、JIS.
K7210に準ずる190℃、21.168Nにおける
MIが20〜80、JIS.K7113における引張破
断強度が5〜20MPa、かつ引張破断伸びが600%
以下の熱可塑性樹脂Aをベース樹脂とし、この熱可塑性
樹脂Aに非相溶系あるいは部分相溶系の熱可塑性樹脂B
をポリマーブレンドしたポリマーをシーラント層として
使用した蓋材において、その最内層のシーラント層にエ
ンボス加工を施すことにより、好ましくはこのエンボス
加工により形成された凹凸部の凸部全体の面積は凹部全
体の面積より多く、かつ深さは20μm以上とすること
により、易開封性や糸引きを解消させるだけでなく、紙
カップフランジ部に生じる段差を埋めることが可能であ
り、このことより、紙カップ用の蓋材として要求されて
いる密封性を確保することが可能である
【0039】またこの蓋材は、今回の実施例では主にポ
リエチレンについて説明したが、シーラント層の種類を
様々に選択することで、ポリプロピレンやポリエステル
を積層させた紙トレーなどの蓋材にも展開は可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】A〜Dは紙カップ製造と蓋材のシールまでの過
程を示す斜視説明図。
【図2】A、Bはカップフランジ部の状態を示す斜視説
明図。
【図3】紙カップと蓋材の密着性の低下の模式図。
【図4】エンボス形状の関係を示す断面で表した説明図
であり、Aはシール前(レベリング前)、Bはシール後
(レベリング後)をそれぞれ示す。
【図5】実施例1のエンボス形状を示す平面図。図中ハ
ッチング部分又は線の部分が凹部βで、白い部分が凸部
αであり、図6〜9も同様である。
【図6】実施例2のエンボス形状を示す平面図。
【図7】実施例3のエンボス形状を示す平面図。
【図8】実施例4のエンボス形状を示す平面図。
【図9】実施例5のエンボス形状を示す平面図。
【符号の説明】
a‥‥ブランク糊代部 b‥‥底蓋 c‥‥フランジ部 d‥‥蓋材 e‥‥段差 α‥‥凸部 β‥‥凹部 γ‥‥深さ
フロントページの続き (72)発明者 関口 守 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 Fターム(参考) 3E084 AA02 AA12 AA34 AA37 AB10 BA01 BA07 BA08 BA09 CA01 CB10 CC03 CC04 CC05 CC07 CC08 FD13 GB08 4F100 AK01B AK04B AK06 AK07B AK09 AK41B AK42 AK62B AK68B AK70B AL01B AL05B AL07B AT00 AT00A BA02 EJ38 EJ40 GB16 HB21B JB04B JB16B JK02B JK06 JL12B JL14 YY00B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】JIS.K7210に準ずる190℃、2
    1.168NにおけるMIが20〜80、JIS.K7
    113における引張破断強度が5〜20MPa、かつ引
    張破断伸びが600%以下の熱可塑性樹脂Aをベース樹
    脂とし、この熱可塑性樹脂Aに非相溶系あるいは部分相
    溶系の熱可塑性樹脂Bをポリマーブレンドしたポリマー
    をシーラント層として使用した蓋材において、その最内
    層のシーラント層にエンボス加工が施されたことを特徴
    とする蓋材。
  2. 【請求項2】請求項1記載の蓋材において、最内層のシ
    ーラント層に施されたエンボス加工により形成された凹
    凸部の凸部をα、深さをγ、凹部をβとした際に、凸部
    αの合計の面積は凹部βの合計の面積より大きく、かつ
    深さγは20μm以上であることを特徴とする蓋材。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の蓋材において、シ
    ーラント層のベースとなる熱可塑性樹脂Aが、ポリエチ
    レン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレンーαオレフィ
    ン共重合体、これらオレフィン系樹脂の酸変性物、エチ
    レンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーα、β不飽和カ
    ルボン酸あるいはそのエステル化物もしくはイオン架橋
    物、共重合ポリエステルの単体あるいはこれらを主成分
    とするブレンド樹脂もしくは共重合物の中から選ばれた
    1種であることを特徴とする蓋材。
  4. 【請求項4】請求項1、2、または3記載の蓋材におい
    て、蓋材とこの蓋材と接着する容器との剥離が、シーラ
    ント層との凝集破壊により行われ、その剥離強度が1〜
    15N/15mmであることを特徴とする蓋材。
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