JP2688689C - - Google Patents

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JP2688689C
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acrylic
rubber latex
filler
weight
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日本エヌエスシー株式会社
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、一定圧力以上で再剥離強度が顕著に発現する特殊なコールドシール
接着剤組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 近年、銀行では個人情報をデータファイル化し、口座振替,年金支払通知,満
期通知等のサービスを行っており、各家庭には、各種の通知書が封書で郵送され
るようになっている。また、クレジットカードの利用が一般化され、利用明細通
知,引落通知,請求書等も、各家庭に封書で郵送されるようになっている。さら に、各種のダイレクトメールも郵送される。このように、生活が便利になる反面
、郵便物の量は多くなる一方で、銀行,信販会社等においては、郵送業務の簡素
化と経費節減が大きな課題となっている。 【0003】 そこで、このような社会現象に対応するため、最近、郵便法が改正され、はが
きに個人情報を記載し、その記載部分を隠蔽して郵送することができるようにな
った。このため、封書に変わる新しいタイプのはがきがいろいろ提案されている
。例えば、図3(a)に示すように、はがきが2枚重ねで構成され、左右の縁部
Sが接着剤で貼着され、その内側領域には個人情報が印刷されワックス層とシリ
コン層による再剥離性が与えられており、上記縁部Sを切り取り線に従って切り
取ることにより中を開くことができるようになっているものや、同図(b)に示
すように、はがきの左半分に、インキ層と接着層と剥離層とを順に積層したシー
ル1が貼付され、その上から所定の文字等が印刷されて文字が内側に表示された
状態で隠されているもの等があげられる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記図3(a)のものは、はがき表面となる紙材と、その下側
の紙材の表面に、個別に宛名と個人情報を印刷しなければならず、印刷工程に手
間を要するという問題がある。また、ワックス層とシリコン層の形成や縁部Sに
おける切り取り線の形成等にも手間を要し、コストが高いという問題もある。一
方、上記図3(b)のものは、シール1の面積が小さいため情報量が限られると
いう問題がある。また、上記シール1の製造工程が複雑で、やはりコストが高く
つくという問題がある。 【0005】 そこで、より簡単に個人情報を隠してはがき化する方法として、例えば図4に
示すように、横長の紙材を、鎖線Pに沿って3つ折りして一枚のはがきにするこ
とが提案され注目を集めている。このものは、上記紙材の両面に再剥離性のコー
ルドシール接着剤を全面塗布し、その上に宛名および個人情報を印刷したのち折
り畳み、図5に示すように、上下方向から高圧でプレスして一体化するものであ る。この方法によれば、印刷が片面で済むこと,広面積にわたって情報を載せる
ことができること等の利点を有する。しかし、接着剤塗布面が、はがきの表裏面
に露出するため、接着層の手触りが問題となる他、接着面(図4においてQ,R
で示す)において優れた接着性、再剥離性、耐ブロッキング性等を発揮すること
が必要である。また、接着剤塗布面に印刷するため、印刷適性(プリンターにお
いて粉落ちしないこと)を備えていなくてはならない。しかもはがきへの使用を
前提とするならば、消印に用いられる水性インキの受理性も必要である。このた
め、これら全ての要件を兼ね備えたコールドシール接着剤の開発が望まれている
が、実用性ある優れたものは未だ開発されていないのが実情である。 【0006】 本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、上記諸要件をすべて具備し、
3つ折りはがきの接着に最適なコールドシール接着剤組成物の提供をその目的と
する。 【0007】 【課題を解決するための手段】 上記の目的を達成するため、本発明は、ゴムラテックスと保護コロイド系アク
リル共重合エマルジョンとを混合してなる接着剤ベースと充填剤とを主成分とし
、上記接着剤ベース100重量部に対し上記充填剤が5〜90重量部含有されて
いるコールドシール接着剤組成物を第1の要旨とし、天然ゴムラテックスのゴム
成分に対し、重量基準で〔ゴム〕:〔アクリル〕=100:1〜100:15の
範囲でアクリル系モノマーを共重合させてアクリル変性したアクリル変性ゴムラ
テックスからなる接着剤ベースと充填剤とを主成分とし、上記接着剤ベース10
0重量部に対し上記充填剤が5〜90重量部含有されているコールドシール接着
剤組成物を第2の要旨とする。また、ゴムラテックスと、保護コロイド系アクリ
ル共重合エマルジョンと、天然ゴムラテックスのゴム成分に対し、重量基準で〔
ゴム〕:〔アクリル〕=100:1〜100:15の範囲でアクリル系モノマー
を共重合させてアクリル変性したアクリル変性ゴムラテックスとを混合してなる
接着剤ベースと、充填剤とを主成分とし、上記接着剤ベース100重量部に対し
上記充填剤が5〜90重量部含有されているコールドシール接着剤組成物を第3 の要旨とする。なお、本発明において、「主成分とする」とは、全体が主成分の
みからなる場合も含める趣旨である。 【0008】 【作用】 すなわち、本発明者らは、上記3つ折りはがきの接着に最適なコールドシール
接着剤組成物について研究を重ねる過程で、接着面の耐ブロッキング性を高める
には、接着時のプレス圧と再剥離強度とが正比例するのではなく、一定の高圧力
以上で、急激に再剥離強度が高まるような特性となることが望ましいことがわか
った。そこで、上記特殊な特性を発現し、しかも優れた風合い,印刷適性,イン
キ受理性等を兼ね備えるよう、各種のゴム,樹脂等を組み合わせて研究を重ねた
結果、上記三通りの組み合わせのものが、所期の目的を達することを見いだし、
本発明に到達した。 【0009】 つぎに、本発明を詳細に説明する。 【0010】 本発明のコールドシール接着剤組成物は、接着剤ベースXと充填剤Yを主成分
とするもので、上記接着剤ベースXとしては、ゴムラテックスと保護コロイド系
アクリル共重合エマルジョンとを混合したものか、これに代えてアクリル変性ゴ
ムラテックスが用いられる。また、上記ゴムラテックスと、保護コロイド系アク
リル共重合エマルジョンと、アクリル変性ゴムラテックスとを併用してもよいし
、上記保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンと、アクリル変性ゴムラテッ
クスとを併用しても差し支えはない。 【0011】 上記ゴムラテックスとしては、天然ゴムエマルジョン,スチレン−ブタジエン
ゴムエマルジョン,エチレン−酢酸ビニルゴムエマルジョン,アクリロニトリル
−ブタジエンゴムエマルジョン等かあげられ、なかでも天然ゴムエマルジョンが
好適である。 【0012】 また、上記保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとは、アクリル酸エス テルモノマーと他のモノマー成分とを、保護コロイドを用いて共重合しエマルジ
ョン化したもので、上記共重合に供される他のモノマーとしては、スチレン,メ
タクリル酸メチル等、各種の不飽和単量体があげられる。そして、上記保護コロ
イドとしては、スチレン−無水マレイン酸共重合ポリマーや、イソブチレン−無
水マレイン酸共重合ポリマー等があげられる。このように、エマルジョンとして
乳化剤系ではなく保護コロイド系のものを用いるのは、保護コロイドによる親
水基の導入によって得られる組成物の紙面へのアンカーリング性が向上する、
保護コロイドのガラス転移点(Tg)が高いので表面硬度が硬くなって耐ブロッ
キング性が向上する、塗膜表面が乾燥時に造膜不良を起こしてフィルム化せず
、インキ受理性や印刷適性が向上する、等の理由によるものである。なお、上記
保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンは、モノマー組成を調整することに
より、その最低造膜温度(MFT)が90℃C以上となるように設定することが
好適である。 【0013】 上記ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとを組み合
わせて接着剤ベースXとする場合には、両者の配合割合は、重量基準で、〔ゴム
〕:〔アクリル〕=100:10〜100:70の範囲に設定することが好適で
ある。アクリル共重合エマルジョンが少なすぎると、樹脂分が不足して耐ブロッ
キング性およびアンカーリング性が悪くなる傾向がみられ、逆にゴム分が少なす
ぎると、接着力が弱くなるという傾向がみられるからである。 【0014】 さらに、上記ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンの
組み合わせに代えて用いることのできるアクリル変性ゴムラテックスとは、上記
ゴムラテックスのなかでも天然ゴムラテックスのゴム成分にアクリル系モノマー
を共重合させてアクリル変性したものであり、これを用いた場合には、上記ゴム
ラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンとを組み合わせると同
様の効果が得られる。そして、上記アクリル変性ゴムラテックスにおけるアクリ
ル系モノマーの配合割合は、天然ゴムラテックスのゴム成分に対し、重量基準で
、〔ゴム〕:〔アクリル〕=100:1〜100:15の範囲に設定することが 好適である。この範囲を外れると、前記の場合と同様、接着界面の状態のバラン
スが悪くなる傾向がみられる。 【0015】 また、上記充填剤Yとしては、シリカゲル,中空シリカ,雲母,炭酸カルシウ
ム,カオリン,ケイソウ土等の無機系充填剤や、デンプン,カルボキシメチルセ
ルロース(CMC),カゼイン,ポリビニルアルコール(PVA)等の水溶性高
分子,スチレンビーズ,メタクリル酸メチルビーズ等の樹脂ビーズ等があげられ
る。これらは、単独で用いてもよいが、硬度の異なるものを組み合わせることに
より、接着界面の凹凸状態や塗工表面状態を適宜に変化させることができる。 【0016】 なお、上記充填剤Yは、平均粒径1〜20μmのものを用いることが好適であ
る。すなわち、上記範囲よりも小さいものを使用すると、耐ブロッキング性が低
下し、逆に上記範囲よりも大きいものを使用すると、接着剤組成物が、充填剤ご
と表面から脱落しやすくなって好ましくない。 【0017】 本発明のコールドシール接着剤組成物は、上記接着剤ベースXと、充填剤Yと
、必要に応じて任意に添加される各種の添加剤とを、所定の割合で混合すること
によって得られる。 【0018】 上記製法において、接着剤ベースXに対する充填剤Yの割合は、接着剤ベース
X100重量部(以下「部」と略す)に対し、充填剤Yが5〜90部となるよう
設定することが必要である。すなわち、充填剤Yが5部よりも少ないと、ブロッ
キングを生じやすくなるだけでなく接着機能の発現をコントロールしにくくなり
、逆に90部よりも多いと、粉落ちを生じたり印刷適性が悪くなるからである。 【0019】 また、上記接着剤ベースXと充填剤Yからなる主成分とともに、必要に応じて
用いられる添加剤としては、安定剤,消泡剤,防かび・防バクテリア剤,増粘剤
等があげられる。そして、上記安定剤は前記ゴムラテックスに対し3〜10重量
%、上記消泡剤は主成分全体(X+Y)に対し0.01〜3重量%、上記防かび ・防バクテリア剤は同じく主成分全体(X+Y)に対し0.05〜0.2重量%
、それぞれ配合することが好適である。また、上記増粘剤は、塗工条件等に合わ
せて必要な粘度を達成できる程度に添加される。 【0020】 また、以上の原料以外に、組成物の耐ブロッキング性を高めるために、ポリエ
チレン分散液を配合するようにしてもよい。あるいは、組成物の粘着特性を与え
るために、ロジン系等のタッキファイヤーを配合するようにしてもよい。さらに
、上記接着剤ベースXを、ゴムと樹脂の混合エマルジョン液もしくはゴムエマル
ジョンと樹脂エマルジョンとを分けた状態で、それぞれを樹脂皮膜で覆うことに
よりマイクロカプセル化して用いるようにしてもよい。このようにすると、樹脂
皮膜が破れるだけの高圧下で初めて接着性を発現するため、耐ブロッキング性に
非常に優れたものが得られる。 【0021】 このようにして得られたコールドシール接着剤組成物を、図1に模式的に示す
ように、紙材10の両側に塗工すると、塗工層11の表面が、充填剤Y(図示せ
ず)の存在によって、適度な凹凸粗面となり(実施例品の500倍の電子顕微鏡
写真である図2参照)、この塗工表面同士を重ねて加圧一体化すると、接着剤ベ
ースX中のゴム成分と樹脂成分、あるいはアクリル変性ゴム成分同士が、互いに
相溶状態となり、優れた接着性を発現する。そして、この接着面は、軽い圧力で
互いに剥離させることができ、剥離面は、高圧をかけない限り、再び接着させる
ことができないという特性を有する。すなわち、通常の接着剤組成物は、図6に
直線12〜15(後述する比較例1〜4の特性曲線)として示すように、接着さ
せるための圧力(コールドシール圧)を強くすればするほど、接着が強固になっ
て、再剥離強度も高くなる(両者は正比例の関係にある)が、本発明の接着剤組
成物は、図6に曲線16,17(後述する実施例1,2の特性曲線)として示す
ように、コールドシール圧が100kg/cm2を超えると急激に再剥離強度が高く
なるようになっている。このため、100kg/cm2未満の圧力で接着すれば、簡
単に人間の手で剥がすことができ、そして一旦剥がした界面は、100kg/cm2
を超えないと、再び接着することはできないという特性を有する。そして、耐ブ ロッキング性,印刷適性,アンカーリング性等の諸特性にも優れている。 【0022】 したがって、このコールドシール接着剤組成物は、図4および図5に示す3つ
折りはがきの接着に用いるのに最適である。もちろん、それ以外に、大量に秘密
文書を取り扱う会社等内における文書の秘密保持等に利用することができる。 【0023】 つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。 【0024】 【実施例1】 まず、スチレンとアクリル酸ブチルエステルとを用い、保護コロイドとしてス
チレン−無水マレイン酸共重合ポリマーを用いて通常のモノマー油滴滴下法によ
って重合を行い、固形分50%でMFTが95℃以上の保護コロイド系アクリル
共重合エマルジョンPを調製した。そして、天然ゴムラテックス100部に対し
、上記エマルジョンP50部と、平均粒径1.5μmのシリカゲル20部と、タ
ピオカデンプン20部とを添加配合し、目的とするコールドシール接着剤組成物
を得た。 【0025】 【実施例2】 天然ゴムラテックスをアクリル変性したアクリル変性ゴムラテックス(アクリ
ル化度10%)50部と天然ゴムラテックス50部に対し、上記エマルジョンP
60部と、中空シリカ(富士デヴィソン化学社製、マイクロバルーンH−30)
30部と、ポテトデンプン10部とを添加配合し、目的とするコールドシール接
着剤組成物を得た。 【0026】 【比較例1】 天然ゴムラテックス60部とSBRラテックス40部に対し、平均粒径2μm
のシリカゲル20部を添加配合し、目的とするコールドシール接着剤組成物を得
た。 【0027】 【比較例2】 天然ゴムラテックス50部とSBRラテックス50部に対し、平均粒径9μm
のシリカゲル20部と平均粒径1μmのシリカゲル20部とを添加配合し、目的
とするコールドシール接着剤組成物を得た。 【0028】 【比較例3】 まず、スチレンとアクリロニトリルとアクリル酸2−エチルヘキシルとを用い
、乳化剤として、アニオン系乳化剤(花王社製、レベノールWZ)とノニオン系
乳化剤(花王社製、エマルゲン−500)を用いて通常のモノマー滴下法によっ
て重合を行い、固形分50%でMFTが60℃の乳化剤系アクリル共重合エマル
ジョンQを調製した。そして、天然ゴムラテックス100部に対し、上記エマル
ジョンQ50部と、平均粒径1.5μmのシリカゲル20部と、タピオカデンプ
ン20部とを添加配合し、目的とするコールドシール接着剤組成物を得た。 【0029】 【比較例4】 アクリル変性ゴムラテックス(アクリル化度10%)50部と天然ゴムラテッ
クス50部に対し、平均粒径4μmのシリカゲル100部と、タピオカデンプン
30部を添加配合し、目的とするコールドシール接着剤組成物を得た。 【0030】 これらのコールドシール接着剤組成物の諸特性について、下記の手順に従って
評価した。そして、その結果を、後記の表1,表2に示した。また、各組成物の
コールドシール圧と再剥離強度の相関関係を示す線図を図6に示した。図におい
て、12は比較例1の特性曲線、13は比較例2の特性曲線、14は比較例3の
特性曲線、15は比較例4の特性曲線、16は実施例1の特性曲線、17は実施
例2の特性曲線を示す。 【0031】 <耐ブロッキング性> 上質紙に接着剤組成物を塗布し乾燥させ、この塗布面にさらに同様の接着剤組
成物を塗布した上質紙を重ね合わせて、20℃の恒温中で30kg/cm2の荷重を かけたのち、両紙を手で引き剥がすことにより耐ブロッキング性を評価した。こ
のとき、軽く剥がれるものを○、やや力を要するが材破せずに剥がれるものを△
、材破に至るものを×として評価した。 【0032】 <再剥離性> 上質紙に接着剤組成物を塗布し乾燥させ、この塗布面同士を重ね合わせて、2
0℃の恒温中で120kg/cm2の荷重をかけ密着させたのち引き剥がしたとき、
材破せずに界面剥離させるときの剥離強度をテンシロン(オリエンテック社製、
RTM−250)を用いて測定した。そして、再剥離強度が100〜200g/
インチであるものを〇、100g/インチ未満であるものを△、200g/イン
チを超えて剥離するか、または材破するものを×として評価した。 【0033】 <水性インキ受理性> 上質紙に接着剤組成物を塗布し乾燥させ、この面にゴム印を用いて水性インキ
をスタンプした際、にじみの程度を目視によって観察した。そして、受理性のよ
いものを〇、悪いものを×として評価した。 【0034】 <印刷適性> 複写機を用いて、文字または絵が鮮明に複写できるものを○、かすれる等して
不鮮明になるものを×として評価した。 【0035】 <プリンター適性> ワードプロセッサのインクリボンを用いて印刷したときに、文字または絵が鮮
明に印刷されるものを○、かすれる等して不鮮明になるものを×として評価した
。 【0036】 <紙への密着性(アンカーリング性)> 上質紙に接着剤組成物を塗布し乾燥させて試験片をつくり、JIS L−08
23に規定されている摩耗試験機II型に適応する摩耗堅ろう試験機の摩擦子(金 属面)とを互いに摩擦させた。そして、試験片の表面に、25回摩擦してもカス
が生じなかったものを○、10〜24回の間にカスを生じたものを△、9回以下
でカスを生じたものを×として評価した。 【0037】 <プレス前後の表面タック性> 上質紙に接着剤組成物を塗布し乾燥させ、上記再剥離性評価の場合と同様に、
片面に120kg/cm2の荷重をかけたあと、その表面のベトツキ具合(タック)
を、表面を指でなぞることにより官能評価した。そして、指がスムーズに滑るも
のを○、指が引っ掛かってスムーズに滑らないものを×として評価した。 【0038】 【表1】 【0039】 【表2】 【0040】 上記の結果から、実施例品は比較例品に比べ、全ての性能を兼ね備えているこ
とがわかる。 【0041】 【実施例3〜8】 下記の表3,表4に示す材料組成に従って、各種のコールドシール接着剤組成
物を調製した。なお、表3,表4において、「アクリル変性ゴムラテックス」と
あるのは、ともに、天然ゴムラテックスをアクリル変性したアクリル変性ゴムラ
テックスのことである。 【0042】 【表3】 【0043】 【表4】 【0044】 上記各実施例品の諸特性について、前記実施例1,2と同様にして評価した。 そして、その結果を、下記の表5,表6に示した。 【0045】 【表5】 【0046】 【表6】 【0047】 上記の結果から、材料の配合割合や充填剤の種類によっては、得られるコール
ドシール接着剤組成物の特性が左右される場合があることがわかる。 【0048】 【発明の効果】 以上のように、本発明のコールドシール接着剤組成物は、接着剤ベースとして
、天然ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョンを組み合わ
せたものか、アクリル変性ゴムラテックスか、これらを併用したものを用い、し
かもこれらに対し、限定的な割合で充填剤を含有させるようにしているため、従 来の接着剤組成物では考えられなかった特性、すなわちコールドシール圧が一定
の値を超えると急激に再剥離強度が高くなるという特性を有している。このため
、上記一定の値未満の圧力で接着すれば、簡単に人間の手で剥がすことができ、
そして一旦剥がした界面は、上記一定の値を超えないと、再び接着することはで
きず、再剥離性に優れている。そして、耐ブロッキング性,印刷適性,アンカー
リング性等の諸特性にも優れている。したがって、3つ折りはがきの接着に用い
るのに最適であり、さらに、大量に秘密文書を取り扱う会社等内における文書の
秘密保持等に利用することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の接着剤組成物を塗布した状態を模式的に示す説明図である。 【図2】 本発明の一実施例の塗布面を示す電子顕微鏡写真である。 【図3】 (a),(b)はいずれも従来の個人情報隠蔽はがきの説明図である。 【図4】 本発明を適用しうる3つ折り式の個人情報隠蔽はがきを広げた状態の説明図で
ある。 【図5】 上記3つ折り式の個人情報隠蔽はがきを折り畳んだ状態の説明図である。 【図6】 実施例品と比較例品におけるコールドシール圧と再剥離強度の相関関係を示す
線図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 ゴムラテックスと保護コロイド系アクリル共重合エマルジョン
    とを混合してなる接着剤ベースと充填剤とを主成分とし、上記接着剤ベース10
    0重量部に対し上記充填剤が5〜90重量部含有されていることを特徴とするコ
    ールドシール接着剤組成物。 【請求項2】 天然ゴムラテックスのゴム成分に対し、重量基準で〔ゴム〕:
    〔アクリル〕=100:1〜100:15の範囲でアクリル系モノマーを共重合
    させてアクリル変性したアクリル変性ゴムラテックスからなる接着剤ベースと充
    填剤とを主成分とし、上記接着剤ベース100重量部に対し上記充填剤が5〜9
    0重量部含有されていることを特徴とするコールドシール接着剤組成物。 【請求項3】 ゴムラテックスと、保護コロイド系アクリル共重合エマルジョ
    ンと、天然ゴムラテックスのゴム成分に対し、重量基準で〔ゴム〕:〔アクリル
    〕=100:1〜100:15の範囲でアクリル系モノマーを共重合させてアク
    リル変性したアクリル変性ゴムラテックスとを混合してなる接着剤ベースと、充
    填剤とを主成分とし、上記接着剤ベース100重量部に対し上記充填剤が5〜9
    0重量部含有されていることを特徴とするコールドシール接着剤組成物。

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