JP2687229B2 - 血圧降下剤 - Google Patents

血圧降下剤

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、血圧降下作用を有する菌体抽出物及び該菌
体抽出物を有効成分とする血圧降下剤に関するものであ
り、詳しくは血圧降下作用を有するビフィズス菌菌体抽
出物及び該ビフィズス菌菌体抽出物を有効成分とする血
圧降下剤に関するものである。
[従来の技術] 従来、高血圧の予防と治療のための血圧降下剤として
は種々のものが利用されているが、いずれも、なんらか
の副作用を示すことが問題であった。すなわち、降圧利
尿剤として知られている薬剤は、低カリウム血症や高酸
血症を招き易い。また、末梢血管拡張性降圧剤は赤血球
減少、β−遮断剤は気管支ぜん息、α−メチルドーパは
GOTやGPTの上昇および溶血性貧血など、特有の副作用を
それぞれ示すから、これらの血圧降下剤の服用には慎重
を要し、服用量及び服用期間はおのずから制限される。
そこで副作用のない血圧降下剤の開発が望まれ、微生物
由来の血圧降下剤が注目されている。
すでに知られている微生物由来の血圧降下剤として
は、クロレラ藻体から分離された分子量1万以上の糖タ
ンパク質からなるもの(特公昭60−45603号)およびス
トレプトコッカス属細菌の生菌体または死菌体からなる
もの(特開昭61−221124号)があり、本発明者らによる
ラクトバチルス菌体水抽出物からなるもの(特開昭63−
139129号)がある。
[発明が解決しようとする課題] 本発明者らは、前記従来の微生物以外の微生物につい
て血圧効果作用を検索したところ、ビフィズス菌に血圧
降下作用を有することを見出し、さらに鋭意努力の結
果、本発明に至った。つまり本発明は副作用が少なく、
使用し易い微生物由来の血圧降下剤のなかでもよりすぐ
れた性能を示すものを提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明に係る血圧降下剤は、ビフィズス菌菌体の水抽
出物を有効成分とするものである。
[作 用] 本発明に供されるビフィズス菌は生体と共生関係にあ
る所謂腸内細菌の一属であり、ビフィズス菌の安全性、
本発明以外の有効性は本出願人によって広く認められて
いるものであり、ビフィズス菌菌体は固より、ビフィズ
ス菌菌体の水抽出物は毒性が全く認められず、きわめて
安全性の高いものである。
ここで抽出物とは、水または熱水及び自己消化作用に
よりビフィズス菌菌体から抽出される成分のほか、それ
から塩類、低分子量物質など血圧降下作用とは無関係の
成分を除去したものを包含する。
ビフィズス菌菌体の水抽出物は、ヒトの本態性高血圧
症のモデル動物として使用されている高血圧自然発症ラ
ット(以下、SHRという)を用いた実験により、顕著な
血圧降下作用を示すことが確認された。ビフィズス菌菌
体の水抽出物の中で血圧降下作用に関与する物質はまだ
確認されていないが、たとえば水抽出物を蒸留水に対し
て透析すると内液に残る成分(糖、タンパク、核酸等)
に血圧降下作用が認められることから、主にビフィズス
菌細胞質由来の比較的高分子量の糖、タンパク、核酸等
のいずれかが、またはそれらの2つ以上が相乗すること
によって、血圧降下作用に関与するものと思われる。
次にビフィズス菌菌体から本発明の血圧降下剤を製造
する方法について説明する。原料とするビフィズス菌の
具体例としては、ビフィドバクテリウム・ロンガム(Bi
fidobacterium lonagum、以下“Bifidobacterium"を
“B."と記す)B.ブレーベ(B.breve),B.インファンテ
ィス(B.infantis),B.ビフィダム(B.bifidum)B.アド
レスセンティス(B.adolescentis)等をあげることがで
きるが、ビフィズス菌全てに血圧効果作用を有すること
が予測されることから、ビフィズス菌菌体抽出物が血圧
降下作用を有しない突然変異株でないならば、前記のビ
フィズス菌にのみ限定するものではない。これらは、ビ
フィズズ菌の培養に通常使用される倍地、例えばロゴサ
液体倍地(Rogosa medium;1中グルコース20g、トリブ
チケース10g、酵母エキス5g、トリプトース3g、K2HPO4
3g、KH2PO4 3g、クエン酸アンモニウム2g、酢酸ナトリ
ウム1g、ツィーン80 1g、MgSO4・H2O 0.575g、L−シス
ティン塩酸塩0.5g、MnSO4・2H2O 0.12g、FeSO4・7H2O 8
4mgを含む:pH6.8)を用いる通常の嫌気培養法により得
られたものでよく、また乾燥菌体であってもよいが、培
養液から分離された菌体は、常法により十分洗浄してお
くことが望ましい。
ビフィズス菌菌体の水抽出物を得るための抽出条件
は、50℃以上の熱水中に約40mg/mlのビフィズス菌菌体
懸濁液が望ましい。pHは特に制御する必要はないが、通
常7〜9が好ましい。有効成分の大部分を抽出するに
は、上記最適条件で抽出した場合で約10〜60分を要す
る。抽出終了後、菌体を除いてから得られる抽出液は、
そのまま濃縮乾燥し本発明の血圧降下剤として利用する
ことができるが、透析等により、塩類その他の低分子量
物質を除去すれば、より有効な血圧降下剤となる。透析
処理を施した抽出物の場合、その主な成分は代表的なも
のをあげると糖質(42%)、タンパク質(17%)および
核酸(13%)であり、収量は乾燥菌体100mgあたり約5mg
である。尚、本水抽出物は菌体の細胞質成分であること
が予想されるため、抽出の際に菌体を予め超音波破砕、
フレンチプレス等の細胞壁を破壊する操作をすることに
より、抽出時間の短縮化・単純化等を図ることができ
る。
また、本発明の血圧降下作用を有する菌体抽出物は水
に易溶であることから、本発明による血圧降下剤は任意
の剤形のものにすることができる。また投与方法も経口
投与と非経口投与のいずれもが可能である。
[実施例] 以下、実施例を示して本発明を説明する。
実施例 1 B.ブレーベ(自社No.YIT 4010)をロゴサの嫌気液体
培地1000mlに0.1%接種し、37℃で18時間培養した。培
養液を冷却後12,000×gで15分間遠心分離して菌体を集
め、得られた菌体を蒸留水に懸濁させ、再度遠心分離す
ることにより菌体を洗浄した。得られた乾燥菌体3090mg
を77mlの蒸留水に懸濁させ、沸騰水浴中で10分間加熱し
て可溶成分を抽出し、冷却後12,000×gで20分間遠心分
離した。上清として得られた抽出液約75mlを凍結乾燥し
て、菌体水抽出物(以下、LEXという)464mgを得た。別
に上記と同様にして菌体水抽出物を得、これらを蒸留水
に対して透析してから凍結乾燥して得られた粉末(以
下、LEX−1−1という)は、151mgであった。
実施例 2 収縮期圧が170mm/Hg以上の雄性SHR(15−17週令)を
1群を4匹として、実施例1による抽出物LEX−1 20mg/
Kgを胃ゾンデを用いて投与し、その後、24時間にわたっ
て無麻酔下にテール−カフ法(tail−cuff法)によりSH
Rの尾動脈の収縮期圧を測定した。対照群として、1群
を4匹とした水道水0.5ml/100g体重を経口投与したSHR
を用意し、応用の方法で収縮期圧を測定した。
LEX−1投与効果の判定は、個々のラットについてLEX
−1投与群と非投与群で比較することにより行った。得
られた結果は、t検定にて統計処理を行った。その結果
は、第1図に示した通りで、図中縦軸は収縮血圧、横軸
は投与後の経過時間、○は対照群、●は投与群を示す。
20mg/Kgの投与後6時間で有意な収縮期圧の低下が認め
られ、24時間後においても効果が認められた。
実施例 3 SHRの加令にともなう血圧上昇に対するLEX−1の長期
経口投与効果を検討した。すなわち、1群を4匹とした
5週令のSHR(体重80〜110g)にLEX−1を15mg/Kg体
重、胃ゾンデを用いて投与し、その後14週令に至るま
で、週2回の投与を続けた。収縮期圧の測定は週1回、
実施例2と同様の方法で行った。その結果は第1表に示
したとおりで、加令による血圧上昇がLEX−1投与によ
り抑制されることを確認した。
実施例 4 1群を4匹とした雄性ラット(WKY/NC,体重300〜400
g)にベントバルビタール40mg/Kg体重あたり腹腔内注射
後ラットを背位に固定した。右側の大腿動脈にカニュー
レを挿入し、血圧トランスデューサ(日本光電・P231
D)に接続して全身血圧を測定した。また同側の大腿静
脈にカニューレを挿入し、ここから実施例1による抽出
物LEX−1−1を静脈内投与した。投与量を変えて投与
前と投与後の平均血圧の差を個々のラットについて算出
し、平均した値を第2表に示す。
実施例 5 実施例1による抽出物・LEX−1の製造法と同様にし
て、他のビフィズス菌からその水抽出物を得た。原料ビ
フィズス菌名およびそれから得られた抽出物の名称は、
次のとおりである。尚、括弧内に記してある番号は自社
No.であり、全てヤクルト本社が保有している。
原料ビフィズス菌 水抽出物名称 B.ビフィダム (No.YIT 4007) LEX−2 B.インファンティス(No.YIT 4018*) LEX−3 B.ロンガム (No.YIT 4021**) LEX−4 B.アドレッセンス (No.YIT 4011***) LEX−5 (*;ATCC 15.697、**;ATCC 15.707、***;ATCC 15.703
としてアメリカン タイプ カルチャー コレクション
に寄託されている) 実施例 6 実施例5による水抽出物LEX−2,LEX−3,LEX−4およ
びLEX−5について、実施例2の場合と同様の方法によ
り血圧降下作用を調べた。すなわち、試料20mg/Kg(体
重)を1群を4匹としたSHRに経口投与し、その前およ
び6時間と24時間後における血圧を測定した。その結果
を第3表に示す。
実施例 7 実施例6による水抽出物LEX−2,LEX−3,LEX−4およ
びLEX−5についてマウスに対する経口投与により急性
毒性を試験した。尚各群は各々4匹としたその結果は第
4表のとおりであって、各LEX共に2g/Kg体重で死亡例は
全くなく、きわめて安全性の高いものであることが確認
された。
実施例 8 実施例1による水抽出物LEX−1−1を100mg vialに
封入した。用時、注射用生理食塩水(局方)1mgに溶解
し全量を投与する。
実施例 9 実施例1による水抽出物LEX−1を日本薬局方により
規定されている賦形剤・乳糖と混合して倍散した。成人
1人1日あたりの服用量は0.1〜0.8gの内服薬として使
用する。
[発明の効果] 以上説明した通り、本発明による血圧降下作用を有す
る菌体抽出物及び血圧降下剤は、以下のような効果をも
たらす。
毒性が全くない又はきわめて低い。
経口投与と注射のいずれも可能であり、且ついずれ
の投与法によっても効果がある。
速効性があり、かつ持続効果もある。
安価である。
など、本剤は多くの有利な特徴を備えていることから、
薬剤としての使用にとどまらず、食品に添加して高血圧
症の予防及び治療に役立てることも可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例2による本発明の血圧降下剤投与効果判
定試験の結果を示す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 精三郎 東京都港区東新橋1丁目1番19号 株式 会社ヤクルト本社内 (56)参考文献 特開 昭63−179829(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビフィズス菌(Bifidobacterium)菌体の
    水抽出物を有効成分とする血圧降下剤。
  2. 【請求項2】前記水抽出物が、透析により低分子量物質
    を除去されたものであることを特徴とする請求項1に記
    載の血圧降下剤。
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