JPH0859492A - 抗糖尿病薬 - Google Patents

抗糖尿病薬

Info

Publication number
JPH0859492A
JPH0859492A JP6224011A JP22401194A JPH0859492A JP H0859492 A JPH0859492 A JP H0859492A JP 6224011 A JP6224011 A JP 6224011A JP 22401194 A JP22401194 A JP 22401194A JP H0859492 A JPH0859492 A JP H0859492A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polysaccharide
antidiabetic drug
insulin
glycan complex
dependent diabetes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6224011A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Matsuzaki
健 松崎
Ryuta Yamazaki
竜太 山崎
Masato Nagaoka
正人 長岡
Koji Nomoto
康二 野本
Hidesuke Hashimoto
秀介 橋本
Teruo Yokokura
輝男 横倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yakult Honsha Co Ltd
Original Assignee
Yakult Honsha Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yakult Honsha Co Ltd filed Critical Yakult Honsha Co Ltd
Priority to JP6224011A priority Critical patent/JPH0859492A/ja
Publication of JPH0859492A publication Critical patent/JPH0859492A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 インスリン非依存性糖尿病による血糖値およ
び尿糖の上昇を抑制する作用を有する安全性の高い抗糖
尿病薬を提供する。 【構成】 乳酸菌、ビフィドバクテリウム菌等、グラム
陽性菌の菌体を、細胞壁溶解酵素製剤・アクロモペプチ
ダーゼ(登録商標)で処理したとき得られる多糖−グリ
カン複合体を有効成分とする抗糖尿病薬。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インスリン非依存性糖
尿病の予防および治療に有効な抗糖尿病薬に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】糖尿病は、臨床的にはインスリン依存性
糖尿病とインスリン非依存性糖尿病に分類されている。
インスリン依存性糖尿病は、インスリン産生細胞である
膵臓のβ細胞がなんらかの原因で極度に破壊されて生じ
る内因性インスリン欠乏によって発症する。したがっ
て、インスリン依存性糖尿病の患者にはインスリンの投
与が有効である。一方、インスリン非依存性糖尿病の発
症因子としては、インスリン分泌異状すなわち膵臓のイ
ンスリン分泌(特に分泌第一相)の低下とインスリン抵
抗性の発現すなわち標的組織におけるインスリン作用障
害が考えられているが、どちらがより重要なのかはまだ
明らかではない。
【0003】従来、インスリン非依存性糖尿病の治療に
は、インスリン製剤のほか、経口血糖下降剤であるスル
フォニル尿素剤やビグアナイド剤等が用いられている。
しかしながら、これらの血糖下降剤は濫用すると低血糖
症や乳酸アシドーシスを招く危険性があるため、より副
作用の少ない抗糖尿病薬の開発が求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
スリン非依存性糖尿病による血糖値および尿糖の上昇を
抑制する作用を有する安全性の高い抗糖尿病薬を提供す
ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明により提供された
抗糖尿病薬は、乳酸菌、ビフィドバクテリウム菌等のグ
ラム陽性菌を細胞壁溶解酵素製剤・アクロモペプチダー
ゼ(登録商標,和光純薬株式会社製品)で処理して得ら
れる多糖−グリカン複合体を有効成分とするものであ
る。
【0006】上記多糖−グリカン複合体は、インスリン
非依存性糖尿病による血糖値および尿糖の上昇を抑制す
る作用を有することが、動物実験の結果確認された。
【0007】乳酸菌、ビフィドバクテリウム菌等、グラ
ム陽性菌の細胞壁は、N−アセチルグルコサミンとN−
アセチルムラミン酸からなる基本糖鎖がペプチド鎖で架
橋されて網状構造をとり、さらに基本糖鎖のN−アセチ
ルムラミン酸残基の部分から多糖鎖が分枝している物質
により構成されている。これをアクロモペプチダーゼで
処理すると、ペプチド結合が加水分解されて架橋構造が
失われ、多糖からなる側鎖だけを残した上記基本糖鎖が
生成する。
【0008】任意の精製手段で未反応細胞壁や低分子化
物等を除去すると、本発明の抗糖尿病薬の有効成分であ
る多糖−グリカン複合体が得られる。ゲル濾過法により
測定される多糖部分の分子量は、通常約10万である
(細胞壁構成成分であるムラミン酸とグルコサミンの重
合体にこの多糖が結合した構造を有するものが、本複合
体である。)。得られた多糖−グリカン複合体は、その
まま、あるいは必要に応じて更に精製して、本発明の抗
糖尿病薬の構成成分とすることができる。
【0009】原料のグラム陽性菌としては、各種乳酸
菌、ビフィドバクテリウム菌等、飲食物製造に使用され
ているものが、安全性と入手容易性の点で、最も適当で
ある。その好ましい具体例としては、乳酸菌ではS.フ
ェカリス、S.フェシウム、S.サーモフィラス、S.
ラクチス、S.クレモリス等のストレプトコッカス属乳
酸菌;L.ラクチス、L.ブルガリクス、L.ヘルベチ
クス、L.アシドフィルス、L.サリバリウス、L.カ
ゼイ、L.ファーメンタム等のラクトバチルス属乳酸菌
があり、ビフィドバクテリウム菌ではB.ロンガム、
B.ビフィダム、B.ブレーベ、B.インファンティ
ス、B.アドレセンティス、B.サーモフィラム等があ
る(注:S.はストレプトコッカス、Lはラクトバチル
ス、Bはビフィドバクテリウム)。
【0010】原料菌体は、任意の培地を用いて任意の条
件で培養されたものでよく、特殊な培養法によるもので
ある必要はない。
【0011】本発明による抗糖尿病薬の必須構成成分
は、上述のようにしてアクロモペプチダーゼをグラム陽
性菌に作用させることにより得られた多糖−グリカン複
合体に限られるわけではなく、アクロモペプチダーゼと
同様の細胞壁溶解作用を有する他の細胞壁溶解酵素をグ
ラム陽性菌に作用させて得られた同様の多糖−グリカン
複合体であってもよい。
【0012】多糖−グリカン複合体は水溶性であり、ま
た安定性のよい物質である。すなわち、凍結乾燥粉末は
室温保存で一年以上も活性が低下せず、また生理的食塩
水溶液にしたものは、−20℃で凍結保存した場合、6
カ月以上活性が減弱しないし、凍結融解を3回くり返し
ても活性が減弱しない。生理的食塩水溶液は、さらに1
00℃で10分間加熱しても活性減弱を起こさない。
【0013】したがって、多糖−グリカン複合体から抗
糖尿病薬を製造する場合は任意の方法により注射剤、錠
剤、粉剤等の形に製剤し、静脈注射、経口投与などの形
で利用することができる。
【0014】本発明による抗糖尿病薬の標準的な投与量
は、体重1kg当り、多糖−グリカン複合体として約0.
8〜80mg/日 である。
【0015】多糖−グリカン複合体については下記のL
50値 (体重約25g、7週令のBALB/c雄マウスに
ついての値)が確認されており、毒性は全く認められな
い。 経口投与の場合 2000mg/kg以上 静脈内投与の場合 800mg/kg以上 腹腔内投与の場合 800mg/kg以上
【0016】
【実施例】
製造実施例 乳酸桿菌ラクトバチルス・カゼイ YIT9018(生
工研条寄BP−665号)の加熱死菌体1.5gを15
0mlの10mMトリス塩酸緩衝液(pH8.0)に懸濁さ
せ、そこにアクロモペプチダーゼ(TBL−1)10万
単位を加えて37℃で48時間インキュベートした。そ
の後、1万回転で60分間遠心分離し、上清を採取して
それに10mgのデオキシリボヌクレアーゼおよびリボヌ
クレアーゼを加え、37℃で一夜インキュベートした。
次いでエバポレーターを用いて濃縮し、得られた濃縮液
を4℃で24時間、蒸留水にて透析後、透析内液を凍結
乾燥することにより、目的とする多糖−グリカン複合体
を得た。その多糖部分の分子量は約10万であった。
【0017】試験例 上記製造実施例による多糖−グリカン複合体の抗糖尿病
作用を次の方法で試験した。 試験法:自然発症性のインスリン非依存性糖尿病モデル
であるKK−Ayマウスを4週齢で購入し、投与群(1
群6匹)にはその後7週間にわたり上記多糖−グリカン
複合体を水溶液にして1日1回(ただし各週5回)、マ
ウス当たり2.5mg/1回を経口投与した。対照群(1
群6匹)には、投与群に対する投与において多糖−グリ
カン複合体を溶解するのに用いた蒸留水を経口投与し
た。投与開始後、1週間ごとに血糖値および尿糖スコア
を測定し、対照群についての測定値と比較することによ
り抗糖尿病作用を検討した。
【0018】測定結果を図1および図2に示す。多糖−
グリカン複合体投与群では、投与開始1週間後の5週齢
より、すべての測定時点で血糖値と尿糖スコアの上昇が
抑制されていたことがわかる。
【0019】
【発明の効果】本発明の抗糖尿病薬の有効成分である多
糖−グリカン複合体は、毒性や副作用がなく、また、水
溶性であるため、注射剤その他任意の剤形への製剤が容
易である。さらに、食品製造に使われている乳酸菌やビ
フィドバクテリウム菌等の菌体から製造することができ
るので原料入手が容易であり、製造もまた容易である。
【0020】これらの特長により、本発明の抗糖尿病薬
はインスリン非依存性糖尿病の予防と治療にきわめて有
効なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 試験例の結果を示すグラフである。
【図2】 試験例の結果を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野本 康二 東京都港区東新橋1−1−19 株式会社ヤ クルト本社内 (72)発明者 橋本 秀介 東京都港区東新橋1−1−19 株式会社ヤ クルト本社内 (72)発明者 横倉 輝男 東京都港区東新橋1−1−19 株式会社ヤ クルト本社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラム陽性菌の菌体を細胞壁溶解酵素製
    剤・アクロモペプチダーゼ(登録商標)で処理して得ら
    れる多糖−グリカン複合体を有効成分とする抗糖尿病
    薬。
  2. 【請求項2】 乳酸菌またはビフィドバクテリウム菌の
    菌体を細胞壁溶解酵素製剤・アクロモペプチダーゼ(登
    録商標)で処理して得られる多糖−グリカン複合体を有
    効成分とする抗糖尿病薬。
JP6224011A 1994-08-26 1994-08-26 抗糖尿病薬 Pending JPH0859492A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6224011A JPH0859492A (ja) 1994-08-26 1994-08-26 抗糖尿病薬

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6224011A JPH0859492A (ja) 1994-08-26 1994-08-26 抗糖尿病薬

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0859492A true JPH0859492A (ja) 1996-03-05

Family

ID=16807194

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6224011A Pending JPH0859492A (ja) 1994-08-26 1994-08-26 抗糖尿病薬

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0859492A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004014403A1 (en) * 2002-08-09 2004-02-19 Bioneer Corporation Microorganisms for inhibiting obesity and diabetes mellitus
KR100794701B1 (ko) * 2002-08-09 2008-01-14 (주)바이오니아 비만 또는 당뇨 예방 및 치료용 미생물
KR100794702B1 (ko) * 2003-07-21 2008-01-14 (주)바이오니아 비만증 또는 당뇨병 예방 및/또는 치료용 미생물
WO2016080449A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 株式会社ヤクルト本社 小胞体ストレス抑制剤
KR20170103774A (ko) 2015-01-22 2017-09-13 가부시키가이샤 야쿠르트 혼샤 인슐린 초기 분비능 개선제
CN110638844A (zh) * 2019-10-22 2020-01-03 江苏恒丰强生物技术有限公司 一种预防宠物2型糖尿病的复合微生态制剂及其应用

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004014403A1 (en) * 2002-08-09 2004-02-19 Bioneer Corporation Microorganisms for inhibiting obesity and diabetes mellitus
KR100794701B1 (ko) * 2002-08-09 2008-01-14 (주)바이오니아 비만 또는 당뇨 예방 및 치료용 미생물
KR100794702B1 (ko) * 2003-07-21 2008-01-14 (주)바이오니아 비만증 또는 당뇨병 예방 및/또는 치료용 미생물
WO2016080449A1 (ja) * 2014-11-19 2016-05-26 株式会社ヤクルト本社 小胞体ストレス抑制剤
KR20170103774A (ko) 2015-01-22 2017-09-13 가부시키가이샤 야쿠르트 혼샤 인슐린 초기 분비능 개선제
CN110638844A (zh) * 2019-10-22 2020-01-03 江苏恒丰强生物技术有限公司 一种预防宠物2型糖尿病的复合微生态制剂及其应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1282687B1 (en) Microorganisms for treatment or prevention of obesity and diabetes mellitus, and pharmaceutical composition containing the same
US4710379A (en) Intestinal microflora-improving agent
JPS5927833A (ja) コレステロール乃至トリグリセリド低下剤
JPH0656680A (ja) 凍結乾燥された乳酸菌を含有する栄養学的及び/又は薬学的組成物、それらの調製及び使用
JP2000095697A (ja) 抗アレルギー剤
JP2002522393A (ja) 共生乳酸産生細菌を使用する、栄養材料の溶解度を増大するための方法
JPS62145026A (ja) 抗発癌剤
KR100404236B1 (ko) 비만 또는 당뇨병 치료용 미생물 및 상기 미생물을포함하는 의약 조성물
JP5238166B2 (ja) インターロイキン12産生抑制剤
JPH0859492A (ja) 抗糖尿病薬
JP2004051530A (ja) 腸内菌叢改善剤及びそれを含有する飲食品
JPWO2005077390A1 (ja) 血糖値低下剤、糖尿病治療・予防剤及びその製造方法
US5601999A (en) Antitumor polysaccharide-glycan complexes
US20110268829A1 (en) Quality of life for hepatitis c patients with a formulation for administration to the oral mucosa including lactobacillus delbrueckii subsp. bulgaricus and n-acetyl d-glucosamine
Winkelstein et al. Phagocytosis: the normal process and its clinically significant abnormalities
JP4054697B2 (ja) 便秘改善剤
KR20180070484A (ko) 안정성이 증진된 유산균 및 이의 제조방법
GB2077101A (en) Antiallergic composition containing streptococci
JP2855283B2 (ja) 抗潰瘍剤およびその製造法
KR102264188B1 (ko) 당귀 김치에서 분리한 락토바실러스 사케이 mbel1397 (kctc14037bp) 균주 및 이를 포함하는 혈당강하용 조성물
Qadri et al. Role of Shigella dysenteriae type 1 slime polysaccharide in resistance to serum killing and phagocytosis
JPS5946492B2 (ja) 脂質酸化抑制剤
JPH06116156A (ja) 血糖値低下剤
CN116606761B (zh) 一种能够缓解类风湿性关节炎的动物双歧杆菌乳亚种BLa19及其应用
JPS63139129A (ja) 血圧降下剤