JP2685186B2 - 誤り訂正装置 - Google Patents
誤り訂正装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
産業上の利用分野
本発明はPCM(パルス・コード・モジュレーション)
音声の再生などの際に適用できるディジタル符号伝送に
おける誤り訂正装置に関するものである。 従来の技術 PCM音声等のディジタル信号を伝送する際、伝送途中
でのビット誤りを訂正するために送信側で誤り訂正用検
査符号を付加して送信し、受信側で誤り訂正装置を用い
てビット誤りを訂正する方法が用いられる。例えば、訂
正符号にはBCH符号があり、その誤り訂正装置として第
7図のようなものがよく知られている。 以下、図面を参照しながら、上述した従来の誤り訂正
装置の一例について、BCH(15,6)符号を用いて説明す
る。 ここで、BCH(15,6)符号は、6ビットの情報に9ビ
ットの誤り訂正符号を付加して15ビットで伝送し、誤り
訂正装置によって伝送中に発生した符号中の2個以下の
誤りを訂正し、且つ、少なくとも3個の誤りを検出でき
る符号、すなわち最小符号間距離が6の符号である。こ
れは、符号間距離が5であるBCH(15,7)符号にパリテ
ィ検査符号を付加して拡大BCH(16,7)符号とし、情報
点を1ビット少なくして短縮化拡大BCH(15,6)符号と
したものである。(参考文献、羽物俊秀「BCH符号によ
る誤り訂正」,放送技術,昭58.11,p.1111)。例えば、
BCH(15,6)符号の生成多項式は、G=x9+x6+x5+x4
+x+1で、これは3個の既約多項式G1=x4+x+1,G2
=x4+x3+x2+x+1、および、G3=x+1から成り、
生成多項式Gは3つの既約多項式G1,G2,G3を掛け合せ
て得られるものである。 第7図に従来の誤り訂正装置のブロック図を示す。第
7図において、81,82,83は除算器で、符号生成用の生成
多項式を成すそれぞれ3つの既約多項式G1,G2,G3に基
づいて入力信号を除算し、それぞれの剰余を出力するも
のである。84,85は符号変換器で、除算器81,82,83で得
られた剰余符号を入力し、入力信号の誤りのある位置を
示す符号を出力するもので、通常ROM(リード・オンリ
ー・メモリ)で実現される。86,87は一致検出器、88は
カウンタ、89はOR回路で、カウンタ88によって出力する
信号の位置を計数し、一致検出器86,87で誤り位置情報
と出力する信号の位置とを比較して、出力する信号の位
置が誤りである場合にそれぞれ誤り訂正信号を出力し、
OR回路89によって前述の2つの誤り訂正信号の論理和が
とられる。90は遅延器で、入力信号を遅延させて、誤り
訂正信号とのタイミングを合せるものである。91はビッ
ト反転器で、遅延器90によって遅延された入力信号を、
OR回路89で得られた誤り訂正信号でビット反転すること
で誤りを訂正し、出力するものである。また、92は符号
変換器で、除算器81,82,83で得られた剰余符号を入力
し、少なくとも3個の誤りがあったことを示す誤り検出
信号を出力するもので、通常ROM(リード・オンリー・
メモリ)で実現される。 第7図において、除算器81,82,83を、既約多項式G1,
G2,G3に基づいた除算器とすると、それぞれ、第3図、
第4図および第5図に示すような構成になる。第3図、
第4図および第5図において、41a〜41d、51a〜51dおよ
び61はフリップ・フロップで、信号を1クロック遅延さ
せるものである。42a,42b、52a〜52dおよび62は加算回
路で、2を法とした加算を行うもので、EX−OR回路で実
現できる。43a〜43d、53a〜53dおよび63はそれぞれの除
算器の出力端子で、44、54および64はそれぞれの除算器
の入力端子である。 第7図において、符号変換器84,85,92はROMで構成で
き、除算器81,82,83が出力する剰余符号を連結したもの
をそれぞれのROMにアドレスとして入力し、符号変換器8
4,85に用いるROMは、すべての2個以下の誤りについ
て、そのときの除算器81,82,83が出力する剰余符号をア
ドレスとして与えたときに、その誤りの位置が出力され
るようにデータを設定しておき、符号変換器92に用いる
ROMは、すべての2個以下の誤りでの除算器81,82,83が
出力する剰余符号以外で且つ零符号以外の符号をアドレ
スとして与えたときに誤り検出信号を出力するように設
定しておく。 いま、伝送された信号が入力端子93から入力される
と、入力信号は遅延器90によって1符合分(本例では15
ビット分)遅延され、また、同時に入力信号は除算器8
1,82,83によって除算される。入力信号が1符号分入力
されると、除算器81,82,83によって剰余符号が求めら
れ、符号変換器84,85によって入力された信号中の誤り
の位置を示す符号、また、符号変換器92によって3以上
の誤りを示す誤り検出信号を得る。次に、除算器81,82,
83を停止させ、カウンタ88を起動してカウンタ88で出力
信号の位置をカウントしながら、遅延器90から信号を出
力する。このとき、一致検出器86,87によって、符号変
換器84,85の出力とカウンタ88の出力とを比較し、符号
変換器84,85で示される誤りの位置とカウンタ88で示さ
れる出力符号の位置が一致したときに誤り訂正信号を出
力し、OR回路89で論理和された誤り訂正信号によって、
ビット反転器91で出力信号を反転することで誤りを訂正
し、出力端子94から出力する。 なお、除算器81,82,83内のフリップ・フロップの初期
状態をすべて零とし、入力信号は生成多項式Gによって
生成された符号とする。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、符号変換器に用
いられるROMに、3つの剰余符号を連結したビット数の
アドレスを持ち、各アドレスに誤りの位置を表現し得る
だけのビット数の出力を持つ2個のROMと誤り検出信号
を出力するROMが必要となり、ROMの容量が非常に大き
く、誤り訂正装置の回路規模が大きなものになるという
問題を有していた。更には、誤り訂正に用いる符号長が
大きくなると、ROMの容量が符号長に対して指数関数的
に増加して、誤り訂正装置の回路規模が莫大なものとな
る。 例えば、最小符号間距離が6で15ビットの符号長を持
つ前述のBCH(15,6)符号の場合、除算器81,82,83の出
力するそれぞれの剰余符号が4,4,1ビットの合計9ビッ
トでROMのアドレスは9ビットとなり、1アドレスで出
力するデータのビット数は、符号変換器84,85において
符号長15ビット中のビット位置を示すためにそれぞれ4
ビット、および符号変換器92において誤り検出信号に1
ビットの合計9ビットであるため、ROMの容量は合計460
8(=9×29)ビット必要であり、最小符号間距離が6
で63ビットの符号長を持つBCH(63,50)符号では、ROM
の容量が106,496ビット必要である。 そこで、本発明は符号変換器に用いるROMの容量を小
さくし、回路規模の小さな誤り訂正装置を提供するもの
である。 問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の誤り訂正装置
は、最小符号間距離がN(Nは6以上)である誤り訂正
符号を発生する生成多項式を成すM個の既約多項式のう
ち最大次数の原始多項式である第1の既約多項式で除算
を行なう第1の除算手段と、第1の既約多項式以外の既
約多項式である第2,3,……,Mの既約多項式でそれぞれ除
算を行なう第2,3,……,Mの除算手段と、第1の除算手段
で得られた第1の剰余符号を変換して検査符号を出力す
る符号変換手段と、第2,3,……,Mの除算手段で得られた
第2,3,……,Mの剰余符号と検査符号とを比較して誤り訂
正信号を出力する一致検出手段と、入力信号と誤り訂正
信号のいずれかを選択して第1,2,……,Mの除算手段に入
力するように制御される選択手段と、入力信号を所定の
クロックパルス数だけ遅延させる遅延手段と、遅延手段
の出力信号を誤り訂正信号で反転させるビット反転手段
と、第1,2,……,Mの剰余符号の少なくともひとつが零で
ない場合に誤り検出信号を出力する非零検出手段を備え
たものである。 作用 本発明は上記した構成によって、符号変換器にROMを
用いた場合に、ROMのアドレスとして入力する剰余符号
をM個の除算器のうち1つの除算器の出力する剰余符号
のみとし、一致検出器で残りの除算器の出力する剰余符
号と符号変換器の出力とを比較して誤り訂正信号を発生
することによって、符号変換器に用いるROMの容量を小
さくでき、誤り訂正装置の回路規模を小さくすることが
できる。 実施例 以下本発明の一実施例の誤り訂正装置について、図面
を参照しながら前述のBCH(15,6)符号を用いて説明す
る。 第1図は本発明の第1の一実施例における誤り訂正装
置の構成を示すブロック図である。第1図において、1
は除算器で、誤り訂正符号発生用の生成多項式を成す3
つの既約多項式のうち最大次数の原始多項式である第1
の既約多項式に基づいた除算を行ない、剰余符号を出力
するものである。2,3は除算器で、前記の3つの既約多
項式のうち第1の既約多項式以外の既約多項式である第
2,3の既約多項式に基づいた除算を行ない、剰余符号を
出力するものである。4は符号変換器で、除算器1で得
られた剰余符号を入力して検査符号を出力するものであ
る。5は一致検出器で、除算器2,3で得られた剰余符号
と検査符号との一致を検査して、誤り訂正信号を出力す
るものである。6は選択器で、入力信号と誤り訂正信号
のいずれかを選択して、除算器1,2,3に入力するように
制御されるものである。7は遅延器で、入力信号を所定
のクロックパルス数だけ遅延させ、誤り訂正信号とのタ
イミングをとるものである。8はビット反転器で、遅延
器7によって遅延された入力信号を誤り訂正信号によっ
て反転するもので、EX−OR回路で実現できる。 ここで、生成多項式Gおよび既約多項式G1,G2,G3は
前述のものと同じで、最大次数の原始多項式である既約
多項式は既約多項式G1であり、除算器1は既約多項式G1
に基づいた除算を行なうもので、例えば第3図に示すよ
うなものである。また、除算器2,3は既約多項式G2,G3
に基づいた除算を行なうもので、例えばそれぞれ第4図
および第5図に示すようなものである。 いま、誤り訂正符号の先に伝送される信号から順に番
号を付け、第1ビット〜第15ビットとする。また、伝送
途中で第iビットと第jビットに誤りが発生した誤り訂
正符号が除算器1,2,3に入力されたとき、除算器1,2,3か
ら出力されるのを剰余符号をそれぞれR1(i,j),R
2(i,j),R3(i,j)とし(ただし:i<j)、第iビッ
トだけに誤りが発生した場合に、除算器1,2,3から出力
される剰余符号をそれぞれR1(i,i),R2(i,i),R
3(i,i)とする。 符号変換器4はROMを用いて構成し、1≦i≦15なる
iについて、R1(1,i)をROMのアドレスとし、そのアド
レスにおいてR2(1,i),R3(1,i)が出力されるように
あらかじめROMを設定しておく。ここで、除算器1では
原始多項式である既約多項式に基づいて除算を行なうた
め巡回符号の性質から、1≦i≦15,1≦j≦15,i≠jな
るiおよびjについて、R1(1,i)≠R1(1,j)となるこ
とは容易に示される。第1表にROMに設定するデータを
示す。 第1表のアドレスおよびデータの剰余符号R1(1,
i),R2(1,i)は左側が最下位ビットを示し、余剰符号
R1(1,i)は左側のビットから順に第3図の出力端子43a
〜43dの出力に、剰余符号R2(1,i)は左側のビットから
順に第4図の出力端子53a〜53dの出力に、剰余符号R
3(1,i)は第5図の出力端子63の出力に対応する。な
お、除算器1の出力する剰余符号が零(0000)である場
合、すなわち、誤りが無い場合の処理は後述する。 ここで、2≦i≦15,i≦j≦15,1≦k≦15なるi,jお
よびkにおいて、除算器1からR1(i,j)なる剰余符号
が出力された場合、R1(i,j)=R1(1,k)なる剰余符号
R1(1,k)が存在し、符号変換器4は剰余符号R1(1,k)
の入力で検査符号としてR2(1,k)およびR3(1,k)を出
力する。誤り訂正符号の定義より、R1(i,j)=R1(1,
k)とR2(i,j)=R2(1,k)およびR3(i,j)=R3(1,
k)は同時に成り立たないため、剰余符号R1(i,j)を符
号変換器4で変換して得られた検査符号R2(1,k)およ
びR3(1,k)と除算器2,3で得られた剰余符号R2(i,j)
およびR3(i,j)とは一致せず、一致検出器5からは誤
り訂正信号が出力されない。 以下に、符号中の第2ビットおよび第6ビットに誤り
が生じた信号が入力された場合を仮定して本発明の誤り
訂正装置の動作を説明する。 まず、除算器1,2,3内のシフトレジスタをすべて零に
し、入力端子10からの入力信号が除算器1,2,3に入力さ
れるように選択器6を制御する。 次に、入力端子10から入力信号を遅延器7と、選択器
6を経て除算器1,2,3とに与える。除算器1,2,3と遅延器
7とを動作させながら順次信号を入力し、信号が1符号
分入力されると、選択器6を制御し、一致検出器5で得
られる誤り訂正信号が除算器1,2,3に入力されるように
する。入力信号は、遅延器7によって1符号分遅延して
出力され、以後順次出力される。 信号が1符号分入力された時点において、除算器1,2,
3からそれぞれR1(2,6),R2(2,6),R3(2,6)なる剰
余符号が出力され、符号変換器4によってR1(2,6)を
変換した検査符号が一致検出器5に与えられる。この場
合、符号変換器4によってR1(2,6)を変換した検査符
号とR2(2,6)およびR3(2,6)は一致しないため誤り訂
正信号は出力されず、遅延器7から出力された第1ビッ
トの信号はビット反転器8を経てそのまま出力端子11か
ら出力される。 続いて、遅延器7および除算器1,2,3を1クロック動
作させると、遅延器7から第2ビットの信号が出力さ
れ、除算器1,2,3からはそれぞれR1(1,5),R2(1,
5),R3(1,5)なる剰余符号が出力されることになる。
このときの除算器の動作は、第3図,第4図および第5
図に示す除算器の回路図から容易に確かめられる。例え
ば、除算器1において前述の動作の場合、剰余符号R
1(2,6)は1110すなわち第3図におけるフリップ・フロ
ップ41a〜41dの状態はそれぞれ1,1,1,0で、一致検出器
5からは誤り訂正信号が出力されていないため除算器1
の入力は0であり、その状態から除算器を1クロック動
作させると第3図におけるフリップ・フロップ41a〜41d
の状態はそれぞれ0,1,1,1となり、剰余符号は0111すな
わちR1(1,5)となることがわかる。除算器2,3の動作に
ついても第4図,第5図を用いて同様に確かめられ、ま
た、以下の説明において除算器の詳細な動作は省略す
る。この場合、符号変換器4によってR1(1,5)を変換
した検査符号とR2(1,5)およびR3(1,5)は一致し、誤
り訂正信号が出力され、誤り訂正信号によって遅延器7
から出力された第2ビットの信号はビット反転器8で反
転され、誤りが訂正されて出力端子11から出力される。 続いて、遅延器7および除算器1,2,3を1クロック動
作させると、遅延器7から第3ビットの信号が出力さ
れ、除算器1,2,3からはそれぞれR1(4,4),R2(4,
4),R3(4,4)なる剰余符号が出力されることになる。
この場合の除算器1,2,3の動作では、先の誤り訂正信号
が選択器6を経て除算器1,2,3に入力されるため、第3
図,第4図および第5図における除算器の入力端子44,5
4,64には1が入力されている。この場合、符号変換器4
によってR1(4,4)を変換した検査符号とR2(4,4)およ
びR3(4,4)は一致しないため誤り訂正信号は出力され
ず、遅延器7から出力された第3ビットの信号はビット
反転器8を経てそのまま出力端子11から出力される。同
様の動作で、第4,第5ビットの信号は出力端子11からそ
のまま出力される。 続いて、遅延器7および除算器1,2,3を1クロック動
作させると、遅延器7から第6ビットの信号が出力さ
れ、除算器1,2,3からはそれぞれR1(1,1),R2(1,
1),R3(1,1)なる剰余符号が出力されることになる。
この場合、符号変換器4によってR1(1,1)を変換した
検査符号とR2(1,1)およびR3(1,1)は一致し、誤り訂
正信号が出力され、誤り訂正信号によって遅延器7から
出力された第6ビットの信号はビット反転器8で反転さ
れ、誤りが訂正されて出力端子11から出力される。ま
た、誤り訂正信号は選択器6を経て除算器1,2,3に入力
され、剰余符号は零になり、以後、誤りがない状態を示
す。 続いて、遅延器7および除算器1,2,3を1クロック動
作させると、遅延器7から第7ビットの信号が出力さ
れ、除算器1,2,3からはそれぞれ零符号が出力されるこ
とになる。この場合、一致検出器から誤り訂正信号が出
力されなくなり、遅延器7から出力された第7ビットの
信号はビット反転器8を経てそのまま出力端子11から出
力される。以後同様の動作で、第8ビット〜第15ビット
の信号は出力端子11からそのまま出力され、誤り訂正は
完了する。 また、前述の第3ビット以後の誤り訂正装置の動作か
ら、符号中の1ビットだけが誤った場合も正しく訂正で
きることがわかる。 なお、本実施例において、誤りのない場合または誤り
が途中ですべて訂正された場合、もしくは少なくとも3
個の誤りがあって除算器1の出力する剰余符号が零にな
った場合に誤り訂正信号を出力しないようにするため、
符号変換器4は除算器1の出力する剰余符号が零である
とき検査符号と合せて訂正制御信号を出力し、一致検出
器5で誤り訂正信号を出力しないようにする。 また、本実施例に用いられたBCH(15,6)符号は最小
符号間距離が6であるため、符号中に3個の誤りが発生
しても他の符号の2個以下の誤りに落ち込まないため、
符号中に3個の誤りが発生した場合、その符号を訂正す
る間で一致検出器5において符号変換器4で得られた検
査符号と除算器2,3で得られた剰余符号は一致すること
がなく誤り訂正信号が出力されず、その符号の出力が完
了した後に除算器1,2,3から少なくとも1つは零でない
剰余符号が出力される。そこで、非零検出器9で除算器
1,2,3の出力する剰余符号の少なくとも1つが零でない
場合に誤り検出信号を出力することによって符号中の少
なくとも3個の誤りの検出することができる。 以上のように誤り訂正装置を本実施例のような構成に
すれば、符号変換器にROMを用いた場合に、ROMのアドレ
スとして入力する剰余符号を1つとし、一致検出器で残
りの剰余符号と符号変換器の出力とを比較して誤り訂正
信号を発生することによって、符号変換器に用いるROM
の容量を小さくでき、誤り訂正装置の回路規模を小さく
することができる。 例えば、符号間距離が6で15ビットの符号長をもつBC
H(15,6)符号の場合、除算器1の出力する剰余符号は
4ビットでROMのアドレスは4ビットとなり、1アドレ
スで出力するデータのビット数は除算器2,3の出力する
剰余符号と比較する検査符号がそれぞれ4ビットおよび
1ビットの合計5ビットであるため、ROMの容量は合計8
0(=5×24)ビットあればよく、本発明はROM容量を極
めて小さくするものであり、更には、符号間距離が6で
63ビットの符号長を持つBCH(63,50)符号では、ROMの
容量が448ビットあればよく、誤り訂正符号の符号長が
大きいほど本発明の効果は顕著になる。 以下本発明の第2の実施例の誤り訂正装置について、
図面を参照しながら説明する。 第2図は本発明の第2の実施例における誤り訂正装置
の構成を示すブロック図である。 第2図において、21は除算器、24は符号変換器、25は
一致検出器、26は選択器、27は遅延器、28はビット反転
器、29は非零検出器で、それぞれ第1図における除算器
1、符号変換器4、一致検出器5、選択器6、遅延器
7、ビット反転器8、非零検出器9と同様のものであ
る。第1図と異なるのは、第1図における除算器2,3
を、その除算多項式である第2,3の既約多項式G2,G3を
掛け合せて得られた第2′の多項式G2′によって除算を
行なう除算器22とした点で、G2′=x5+1となり除算器
22は第6図に示すようなものとなる。 第2の一実施例における誤り訂正の動作は、第1の実
施例の誤り訂正の動作の説明における除算器2,3を除算
器22に、剰余符号R2(i,j),R3(i,j)を剰余符号R2′
(i,j)に置き換えて説明できるため省略する。ここ
で、第1表に示すROMに設定するデータは第2表のよう
になり、第2表に従って符号変換器24に用いるROMを設
定しておく。 なお、第2の実施例の誤り訂正装置における符号変換
器24に用いるROMの容量は、第1の実施例の誤り訂正装
置における符号変換器4に用いるROMの容量と等しくな
る。 発明の効果 以上のように本発明は、符号中の2個以下の誤りを訂
正し、且つ、少なくとも(N−3)個の誤りを検出する
誤り訂正符号、すなわち、最小符号間距離がNである符
号を発生する生成多項式を成すM個の既約多項式のうち
原始多項式である第1の既約多項式で除算を行なう第1
の除算器と、第1の既約多項式以外の既約多項式である
第2,3,……,Mの既約多項式で除算を行なう第2,3,……,M
の除算器と、第1の除算器で得られた剰余符号を変換し
て検査符号を出力する符号変換器と、第2,3,……,Mの除
算器で得られた剰余符号と検査符号の一致を検査して誤
り訂正信号を出力する一致検出器とを備えることによ
り、符号変換器に用いるROMの容量を極めて小さくする
ことができ、回路規模の極めて小さな誤り訂正装置を提
供することができる。 第3表に、最小符号間距離が6である誤り訂正符号の
符号長に対し、第7図に示される従来の誤り訂正装置お
よび第1図および第2図に示される本発明の第1および
第2の実施例における誤り訂正装置の符号変換器に用い
られるROMの容量を示す。第3表からわかるように本発
明の誤り訂正装置はROMの容量を極めて小さくでき、更
に、誤り訂正符号の符号長が大きくなるほど本発明の効
果は顕著になる。
音声の再生などの際に適用できるディジタル符号伝送に
おける誤り訂正装置に関するものである。 従来の技術 PCM音声等のディジタル信号を伝送する際、伝送途中
でのビット誤りを訂正するために送信側で誤り訂正用検
査符号を付加して送信し、受信側で誤り訂正装置を用い
てビット誤りを訂正する方法が用いられる。例えば、訂
正符号にはBCH符号があり、その誤り訂正装置として第
7図のようなものがよく知られている。 以下、図面を参照しながら、上述した従来の誤り訂正
装置の一例について、BCH(15,6)符号を用いて説明す
る。 ここで、BCH(15,6)符号は、6ビットの情報に9ビ
ットの誤り訂正符号を付加して15ビットで伝送し、誤り
訂正装置によって伝送中に発生した符号中の2個以下の
誤りを訂正し、且つ、少なくとも3個の誤りを検出でき
る符号、すなわち最小符号間距離が6の符号である。こ
れは、符号間距離が5であるBCH(15,7)符号にパリテ
ィ検査符号を付加して拡大BCH(16,7)符号とし、情報
点を1ビット少なくして短縮化拡大BCH(15,6)符号と
したものである。(参考文献、羽物俊秀「BCH符号によ
る誤り訂正」,放送技術,昭58.11,p.1111)。例えば、
BCH(15,6)符号の生成多項式は、G=x9+x6+x5+x4
+x+1で、これは3個の既約多項式G1=x4+x+1,G2
=x4+x3+x2+x+1、および、G3=x+1から成り、
生成多項式Gは3つの既約多項式G1,G2,G3を掛け合せ
て得られるものである。 第7図に従来の誤り訂正装置のブロック図を示す。第
7図において、81,82,83は除算器で、符号生成用の生成
多項式を成すそれぞれ3つの既約多項式G1,G2,G3に基
づいて入力信号を除算し、それぞれの剰余を出力するも
のである。84,85は符号変換器で、除算器81,82,83で得
られた剰余符号を入力し、入力信号の誤りのある位置を
示す符号を出力するもので、通常ROM(リード・オンリ
ー・メモリ)で実現される。86,87は一致検出器、88は
カウンタ、89はOR回路で、カウンタ88によって出力する
信号の位置を計数し、一致検出器86,87で誤り位置情報
と出力する信号の位置とを比較して、出力する信号の位
置が誤りである場合にそれぞれ誤り訂正信号を出力し、
OR回路89によって前述の2つの誤り訂正信号の論理和が
とられる。90は遅延器で、入力信号を遅延させて、誤り
訂正信号とのタイミングを合せるものである。91はビッ
ト反転器で、遅延器90によって遅延された入力信号を、
OR回路89で得られた誤り訂正信号でビット反転すること
で誤りを訂正し、出力するものである。また、92は符号
変換器で、除算器81,82,83で得られた剰余符号を入力
し、少なくとも3個の誤りがあったことを示す誤り検出
信号を出力するもので、通常ROM(リード・オンリー・
メモリ)で実現される。 第7図において、除算器81,82,83を、既約多項式G1,
G2,G3に基づいた除算器とすると、それぞれ、第3図、
第4図および第5図に示すような構成になる。第3図、
第4図および第5図において、41a〜41d、51a〜51dおよ
び61はフリップ・フロップで、信号を1クロック遅延さ
せるものである。42a,42b、52a〜52dおよび62は加算回
路で、2を法とした加算を行うもので、EX−OR回路で実
現できる。43a〜43d、53a〜53dおよび63はそれぞれの除
算器の出力端子で、44、54および64はそれぞれの除算器
の入力端子である。 第7図において、符号変換器84,85,92はROMで構成で
き、除算器81,82,83が出力する剰余符号を連結したもの
をそれぞれのROMにアドレスとして入力し、符号変換器8
4,85に用いるROMは、すべての2個以下の誤りについ
て、そのときの除算器81,82,83が出力する剰余符号をア
ドレスとして与えたときに、その誤りの位置が出力され
るようにデータを設定しておき、符号変換器92に用いる
ROMは、すべての2個以下の誤りでの除算器81,82,83が
出力する剰余符号以外で且つ零符号以外の符号をアドレ
スとして与えたときに誤り検出信号を出力するように設
定しておく。 いま、伝送された信号が入力端子93から入力される
と、入力信号は遅延器90によって1符合分(本例では15
ビット分)遅延され、また、同時に入力信号は除算器8
1,82,83によって除算される。入力信号が1符号分入力
されると、除算器81,82,83によって剰余符号が求めら
れ、符号変換器84,85によって入力された信号中の誤り
の位置を示す符号、また、符号変換器92によって3以上
の誤りを示す誤り検出信号を得る。次に、除算器81,82,
83を停止させ、カウンタ88を起動してカウンタ88で出力
信号の位置をカウントしながら、遅延器90から信号を出
力する。このとき、一致検出器86,87によって、符号変
換器84,85の出力とカウンタ88の出力とを比較し、符号
変換器84,85で示される誤りの位置とカウンタ88で示さ
れる出力符号の位置が一致したときに誤り訂正信号を出
力し、OR回路89で論理和された誤り訂正信号によって、
ビット反転器91で出力信号を反転することで誤りを訂正
し、出力端子94から出力する。 なお、除算器81,82,83内のフリップ・フロップの初期
状態をすべて零とし、入力信号は生成多項式Gによって
生成された符号とする。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では、符号変換器に用
いられるROMに、3つの剰余符号を連結したビット数の
アドレスを持ち、各アドレスに誤りの位置を表現し得る
だけのビット数の出力を持つ2個のROMと誤り検出信号
を出力するROMが必要となり、ROMの容量が非常に大き
く、誤り訂正装置の回路規模が大きなものになるという
問題を有していた。更には、誤り訂正に用いる符号長が
大きくなると、ROMの容量が符号長に対して指数関数的
に増加して、誤り訂正装置の回路規模が莫大なものとな
る。 例えば、最小符号間距離が6で15ビットの符号長を持
つ前述のBCH(15,6)符号の場合、除算器81,82,83の出
力するそれぞれの剰余符号が4,4,1ビットの合計9ビッ
トでROMのアドレスは9ビットとなり、1アドレスで出
力するデータのビット数は、符号変換器84,85において
符号長15ビット中のビット位置を示すためにそれぞれ4
ビット、および符号変換器92において誤り検出信号に1
ビットの合計9ビットであるため、ROMの容量は合計460
8(=9×29)ビット必要であり、最小符号間距離が6
で63ビットの符号長を持つBCH(63,50)符号では、ROM
の容量が106,496ビット必要である。 そこで、本発明は符号変換器に用いるROMの容量を小
さくし、回路規模の小さな誤り訂正装置を提供するもの
である。 問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために本発明の誤り訂正装置
は、最小符号間距離がN(Nは6以上)である誤り訂正
符号を発生する生成多項式を成すM個の既約多項式のう
ち最大次数の原始多項式である第1の既約多項式で除算
を行なう第1の除算手段と、第1の既約多項式以外の既
約多項式である第2,3,……,Mの既約多項式でそれぞれ除
算を行なう第2,3,……,Mの除算手段と、第1の除算手段
で得られた第1の剰余符号を変換して検査符号を出力す
る符号変換手段と、第2,3,……,Mの除算手段で得られた
第2,3,……,Mの剰余符号と検査符号とを比較して誤り訂
正信号を出力する一致検出手段と、入力信号と誤り訂正
信号のいずれかを選択して第1,2,……,Mの除算手段に入
力するように制御される選択手段と、入力信号を所定の
クロックパルス数だけ遅延させる遅延手段と、遅延手段
の出力信号を誤り訂正信号で反転させるビット反転手段
と、第1,2,……,Mの剰余符号の少なくともひとつが零で
ない場合に誤り検出信号を出力する非零検出手段を備え
たものである。 作用 本発明は上記した構成によって、符号変換器にROMを
用いた場合に、ROMのアドレスとして入力する剰余符号
をM個の除算器のうち1つの除算器の出力する剰余符号
のみとし、一致検出器で残りの除算器の出力する剰余符
号と符号変換器の出力とを比較して誤り訂正信号を発生
することによって、符号変換器に用いるROMの容量を小
さくでき、誤り訂正装置の回路規模を小さくすることが
できる。 実施例 以下本発明の一実施例の誤り訂正装置について、図面
を参照しながら前述のBCH(15,6)符号を用いて説明す
る。 第1図は本発明の第1の一実施例における誤り訂正装
置の構成を示すブロック図である。第1図において、1
は除算器で、誤り訂正符号発生用の生成多項式を成す3
つの既約多項式のうち最大次数の原始多項式である第1
の既約多項式に基づいた除算を行ない、剰余符号を出力
するものである。2,3は除算器で、前記の3つの既約多
項式のうち第1の既約多項式以外の既約多項式である第
2,3の既約多項式に基づいた除算を行ない、剰余符号を
出力するものである。4は符号変換器で、除算器1で得
られた剰余符号を入力して検査符号を出力するものであ
る。5は一致検出器で、除算器2,3で得られた剰余符号
と検査符号との一致を検査して、誤り訂正信号を出力す
るものである。6は選択器で、入力信号と誤り訂正信号
のいずれかを選択して、除算器1,2,3に入力するように
制御されるものである。7は遅延器で、入力信号を所定
のクロックパルス数だけ遅延させ、誤り訂正信号とのタ
イミングをとるものである。8はビット反転器で、遅延
器7によって遅延された入力信号を誤り訂正信号によっ
て反転するもので、EX−OR回路で実現できる。 ここで、生成多項式Gおよび既約多項式G1,G2,G3は
前述のものと同じで、最大次数の原始多項式である既約
多項式は既約多項式G1であり、除算器1は既約多項式G1
に基づいた除算を行なうもので、例えば第3図に示すよ
うなものである。また、除算器2,3は既約多項式G2,G3
に基づいた除算を行なうもので、例えばそれぞれ第4図
および第5図に示すようなものである。 いま、誤り訂正符号の先に伝送される信号から順に番
号を付け、第1ビット〜第15ビットとする。また、伝送
途中で第iビットと第jビットに誤りが発生した誤り訂
正符号が除算器1,2,3に入力されたとき、除算器1,2,3か
ら出力されるのを剰余符号をそれぞれR1(i,j),R
2(i,j),R3(i,j)とし(ただし:i<j)、第iビッ
トだけに誤りが発生した場合に、除算器1,2,3から出力
される剰余符号をそれぞれR1(i,i),R2(i,i),R
3(i,i)とする。 符号変換器4はROMを用いて構成し、1≦i≦15なる
iについて、R1(1,i)をROMのアドレスとし、そのアド
レスにおいてR2(1,i),R3(1,i)が出力されるように
あらかじめROMを設定しておく。ここで、除算器1では
原始多項式である既約多項式に基づいて除算を行なうた
め巡回符号の性質から、1≦i≦15,1≦j≦15,i≠jな
るiおよびjについて、R1(1,i)≠R1(1,j)となるこ
とは容易に示される。第1表にROMに設定するデータを
示す。 第1表のアドレスおよびデータの剰余符号R1(1,
i),R2(1,i)は左側が最下位ビットを示し、余剰符号
R1(1,i)は左側のビットから順に第3図の出力端子43a
〜43dの出力に、剰余符号R2(1,i)は左側のビットから
順に第4図の出力端子53a〜53dの出力に、剰余符号R
3(1,i)は第5図の出力端子63の出力に対応する。な
お、除算器1の出力する剰余符号が零(0000)である場
合、すなわち、誤りが無い場合の処理は後述する。 ここで、2≦i≦15,i≦j≦15,1≦k≦15なるi,jお
よびkにおいて、除算器1からR1(i,j)なる剰余符号
が出力された場合、R1(i,j)=R1(1,k)なる剰余符号
R1(1,k)が存在し、符号変換器4は剰余符号R1(1,k)
の入力で検査符号としてR2(1,k)およびR3(1,k)を出
力する。誤り訂正符号の定義より、R1(i,j)=R1(1,
k)とR2(i,j)=R2(1,k)およびR3(i,j)=R3(1,
k)は同時に成り立たないため、剰余符号R1(i,j)を符
号変換器4で変換して得られた検査符号R2(1,k)およ
びR3(1,k)と除算器2,3で得られた剰余符号R2(i,j)
およびR3(i,j)とは一致せず、一致検出器5からは誤
り訂正信号が出力されない。 以下に、符号中の第2ビットおよび第6ビットに誤り
が生じた信号が入力された場合を仮定して本発明の誤り
訂正装置の動作を説明する。 まず、除算器1,2,3内のシフトレジスタをすべて零に
し、入力端子10からの入力信号が除算器1,2,3に入力さ
れるように選択器6を制御する。 次に、入力端子10から入力信号を遅延器7と、選択器
6を経て除算器1,2,3とに与える。除算器1,2,3と遅延器
7とを動作させながら順次信号を入力し、信号が1符号
分入力されると、選択器6を制御し、一致検出器5で得
られる誤り訂正信号が除算器1,2,3に入力されるように
する。入力信号は、遅延器7によって1符号分遅延して
出力され、以後順次出力される。 信号が1符号分入力された時点において、除算器1,2,
3からそれぞれR1(2,6),R2(2,6),R3(2,6)なる剰
余符号が出力され、符号変換器4によってR1(2,6)を
変換した検査符号が一致検出器5に与えられる。この場
合、符号変換器4によってR1(2,6)を変換した検査符
号とR2(2,6)およびR3(2,6)は一致しないため誤り訂
正信号は出力されず、遅延器7から出力された第1ビッ
トの信号はビット反転器8を経てそのまま出力端子11か
ら出力される。 続いて、遅延器7および除算器1,2,3を1クロック動
作させると、遅延器7から第2ビットの信号が出力さ
れ、除算器1,2,3からはそれぞれR1(1,5),R2(1,
5),R3(1,5)なる剰余符号が出力されることになる。
このときの除算器の動作は、第3図,第4図および第5
図に示す除算器の回路図から容易に確かめられる。例え
ば、除算器1において前述の動作の場合、剰余符号R
1(2,6)は1110すなわち第3図におけるフリップ・フロ
ップ41a〜41dの状態はそれぞれ1,1,1,0で、一致検出器
5からは誤り訂正信号が出力されていないため除算器1
の入力は0であり、その状態から除算器を1クロック動
作させると第3図におけるフリップ・フロップ41a〜41d
の状態はそれぞれ0,1,1,1となり、剰余符号は0111すな
わちR1(1,5)となることがわかる。除算器2,3の動作に
ついても第4図,第5図を用いて同様に確かめられ、ま
た、以下の説明において除算器の詳細な動作は省略す
る。この場合、符号変換器4によってR1(1,5)を変換
した検査符号とR2(1,5)およびR3(1,5)は一致し、誤
り訂正信号が出力され、誤り訂正信号によって遅延器7
から出力された第2ビットの信号はビット反転器8で反
転され、誤りが訂正されて出力端子11から出力される。 続いて、遅延器7および除算器1,2,3を1クロック動
作させると、遅延器7から第3ビットの信号が出力さ
れ、除算器1,2,3からはそれぞれR1(4,4),R2(4,
4),R3(4,4)なる剰余符号が出力されることになる。
この場合の除算器1,2,3の動作では、先の誤り訂正信号
が選択器6を経て除算器1,2,3に入力されるため、第3
図,第4図および第5図における除算器の入力端子44,5
4,64には1が入力されている。この場合、符号変換器4
によってR1(4,4)を変換した検査符号とR2(4,4)およ
びR3(4,4)は一致しないため誤り訂正信号は出力され
ず、遅延器7から出力された第3ビットの信号はビット
反転器8を経てそのまま出力端子11から出力される。同
様の動作で、第4,第5ビットの信号は出力端子11からそ
のまま出力される。 続いて、遅延器7および除算器1,2,3を1クロック動
作させると、遅延器7から第6ビットの信号が出力さ
れ、除算器1,2,3からはそれぞれR1(1,1),R2(1,
1),R3(1,1)なる剰余符号が出力されることになる。
この場合、符号変換器4によってR1(1,1)を変換した
検査符号とR2(1,1)およびR3(1,1)は一致し、誤り訂
正信号が出力され、誤り訂正信号によって遅延器7から
出力された第6ビットの信号はビット反転器8で反転さ
れ、誤りが訂正されて出力端子11から出力される。ま
た、誤り訂正信号は選択器6を経て除算器1,2,3に入力
され、剰余符号は零になり、以後、誤りがない状態を示
す。 続いて、遅延器7および除算器1,2,3を1クロック動
作させると、遅延器7から第7ビットの信号が出力さ
れ、除算器1,2,3からはそれぞれ零符号が出力されるこ
とになる。この場合、一致検出器から誤り訂正信号が出
力されなくなり、遅延器7から出力された第7ビットの
信号はビット反転器8を経てそのまま出力端子11から出
力される。以後同様の動作で、第8ビット〜第15ビット
の信号は出力端子11からそのまま出力され、誤り訂正は
完了する。 また、前述の第3ビット以後の誤り訂正装置の動作か
ら、符号中の1ビットだけが誤った場合も正しく訂正で
きることがわかる。 なお、本実施例において、誤りのない場合または誤り
が途中ですべて訂正された場合、もしくは少なくとも3
個の誤りがあって除算器1の出力する剰余符号が零にな
った場合に誤り訂正信号を出力しないようにするため、
符号変換器4は除算器1の出力する剰余符号が零である
とき検査符号と合せて訂正制御信号を出力し、一致検出
器5で誤り訂正信号を出力しないようにする。 また、本実施例に用いられたBCH(15,6)符号は最小
符号間距離が6であるため、符号中に3個の誤りが発生
しても他の符号の2個以下の誤りに落ち込まないため、
符号中に3個の誤りが発生した場合、その符号を訂正す
る間で一致検出器5において符号変換器4で得られた検
査符号と除算器2,3で得られた剰余符号は一致すること
がなく誤り訂正信号が出力されず、その符号の出力が完
了した後に除算器1,2,3から少なくとも1つは零でない
剰余符号が出力される。そこで、非零検出器9で除算器
1,2,3の出力する剰余符号の少なくとも1つが零でない
場合に誤り検出信号を出力することによって符号中の少
なくとも3個の誤りの検出することができる。 以上のように誤り訂正装置を本実施例のような構成に
すれば、符号変換器にROMを用いた場合に、ROMのアドレ
スとして入力する剰余符号を1つとし、一致検出器で残
りの剰余符号と符号変換器の出力とを比較して誤り訂正
信号を発生することによって、符号変換器に用いるROM
の容量を小さくでき、誤り訂正装置の回路規模を小さく
することができる。 例えば、符号間距離が6で15ビットの符号長をもつBC
H(15,6)符号の場合、除算器1の出力する剰余符号は
4ビットでROMのアドレスは4ビットとなり、1アドレ
スで出力するデータのビット数は除算器2,3の出力する
剰余符号と比較する検査符号がそれぞれ4ビットおよび
1ビットの合計5ビットであるため、ROMの容量は合計8
0(=5×24)ビットあればよく、本発明はROM容量を極
めて小さくするものであり、更には、符号間距離が6で
63ビットの符号長を持つBCH(63,50)符号では、ROMの
容量が448ビットあればよく、誤り訂正符号の符号長が
大きいほど本発明の効果は顕著になる。 以下本発明の第2の実施例の誤り訂正装置について、
図面を参照しながら説明する。 第2図は本発明の第2の実施例における誤り訂正装置
の構成を示すブロック図である。 第2図において、21は除算器、24は符号変換器、25は
一致検出器、26は選択器、27は遅延器、28はビット反転
器、29は非零検出器で、それぞれ第1図における除算器
1、符号変換器4、一致検出器5、選択器6、遅延器
7、ビット反転器8、非零検出器9と同様のものであ
る。第1図と異なるのは、第1図における除算器2,3
を、その除算多項式である第2,3の既約多項式G2,G3を
掛け合せて得られた第2′の多項式G2′によって除算を
行なう除算器22とした点で、G2′=x5+1となり除算器
22は第6図に示すようなものとなる。 第2の一実施例における誤り訂正の動作は、第1の実
施例の誤り訂正の動作の説明における除算器2,3を除算
器22に、剰余符号R2(i,j),R3(i,j)を剰余符号R2′
(i,j)に置き換えて説明できるため省略する。ここ
で、第1表に示すROMに設定するデータは第2表のよう
になり、第2表に従って符号変換器24に用いるROMを設
定しておく。 なお、第2の実施例の誤り訂正装置における符号変換
器24に用いるROMの容量は、第1の実施例の誤り訂正装
置における符号変換器4に用いるROMの容量と等しくな
る。 発明の効果 以上のように本発明は、符号中の2個以下の誤りを訂
正し、且つ、少なくとも(N−3)個の誤りを検出する
誤り訂正符号、すなわち、最小符号間距離がNである符
号を発生する生成多項式を成すM個の既約多項式のうち
原始多項式である第1の既約多項式で除算を行なう第1
の除算器と、第1の既約多項式以外の既約多項式である
第2,3,……,Mの既約多項式で除算を行なう第2,3,……,M
の除算器と、第1の除算器で得られた剰余符号を変換し
て検査符号を出力する符号変換器と、第2,3,……,Mの除
算器で得られた剰余符号と検査符号の一致を検査して誤
り訂正信号を出力する一致検出器とを備えることによ
り、符号変換器に用いるROMの容量を極めて小さくする
ことができ、回路規模の極めて小さな誤り訂正装置を提
供することができる。 第3表に、最小符号間距離が6である誤り訂正符号の
符号長に対し、第7図に示される従来の誤り訂正装置お
よび第1図および第2図に示される本発明の第1および
第2の実施例における誤り訂正装置の符号変換器に用い
られるROMの容量を示す。第3表からわかるように本発
明の誤り訂正装置はROMの容量を極めて小さくでき、更
に、誤り訂正符号の符号長が大きくなるほど本発明の効
果は顕著になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の一実施例による誤り訂正装置の
構成を示すブロック図、第2図は本発明の第2の実施例
による誤り訂正装置の構成を示すブロック図、第3図は
第1図,第2図または第7図の誤り訂正装置に用いられ
る除算器の構成を示す回路図、第4図および第5図は第
1図または第7図の誤り訂正装置に用いられる除算器の
構成を示す回路図、第6図は第2図の誤り訂正装置に用
いられる除算器の構成を示す回路図、第7図は従来例に
よる誤り訂正装置の構成を示すブロック図である。 1,21……原始多項式なる既約多項式に基づいた除算器、
2,3……残りの既約多項式に基づいた除算器、4,24……
符号変換器、5,25……一致検出器、6,26……選択器、7,
27,90……遅延器、8,28,91……ビット反転器、41a〜41
d,51a〜51d,61,71a〜71e……フリップ・フロップ、42a,
42b,52a〜52d,62,72……加算回路、81,82,83……除算
器、84,85……符号変換器、86,87……一致検出器、88…
…カウンタ。
構成を示すブロック図、第2図は本発明の第2の実施例
による誤り訂正装置の構成を示すブロック図、第3図は
第1図,第2図または第7図の誤り訂正装置に用いられ
る除算器の構成を示す回路図、第4図および第5図は第
1図または第7図の誤り訂正装置に用いられる除算器の
構成を示す回路図、第6図は第2図の誤り訂正装置に用
いられる除算器の構成を示す回路図、第7図は従来例に
よる誤り訂正装置の構成を示すブロック図である。 1,21……原始多項式なる既約多項式に基づいた除算器、
2,3……残りの既約多項式に基づいた除算器、4,24……
符号変換器、5,25……一致検出器、6,26……選択器、7,
27,90……遅延器、8,28,91……ビット反転器、41a〜41
d,51a〜51d,61,71a〜71e……フリップ・フロップ、42a,
42b,52a〜52d,62,72……加算回路、81,82,83……除算
器、84,85……符号変換器、86,87……一致検出器、88…
…カウンタ。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.2個以下の誤り訂正を行なう誤り訂正装置であっ
て、最小符号間距離がN(Nは6以上の整数)である誤
り訂正符号を発生する生成多項式を成すM個の既約多項
式のうち最大次数の原始多項式である第1の既約多項式
で除算を行なう第1の除算手段と、前記第1の既約多項
式以外の既約多項式である第2,3,……,Mの既約多項式で
それぞれ除算を行なう第2,3,……,Mの除算手段と、前記
第1の除算手段で得られた第1の剰余符号を変換して検
査符号を出力する符号変換手段と、前記第2,3,……,Mの
除算手段で得られた第2,3,……,Mの剰余符号と前記検査
符号とを比較して誤り訂正信号を出力する一致検出手段
と、入力信号と前記誤り訂正信号のいずれかを選択して
前記第1の除算手段および前記第2,3,……,Mの除算手段
に入力するように制御される選択手段と、前記入力信号
を所定のクロックパルス数だけ遅延させる遅延手段と、
前記遅延手段の出力信号を前記誤り訂正信号で反転させ
るビット反転手段と、前記第1,2,……,Mの剰余符号の少
なくともひとつが零でない場合に誤り検出信号を出力す
る非零検出手段とを備え、前記符号変換手段が所定のビ
ットないし前記所定のビットと他の1ビットが誤った場
合に前記第1の除算手段に得られる第1の剰余符号を前
記第2,3,……,Mの除算手段に得られる第2,3,……,Mの剰
余符号に変換し検査符号として出力することを特徴とす
る誤り訂正装置。 2.第2,3,……,Mの除算手段を、第2,3,……,Mの既約多
項式の一部または全部を掛け合せて得られた第2′,
3′,……,M′の多項式でそれぞれ除算を行なう第2′,
3′,……,M′の除算手段とした特許請求の範囲第
(1)項記載の誤り訂正装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62186175A JP2685186B2 (ja) | 1987-07-24 | 1987-07-24 | 誤り訂正装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62186175A JP2685186B2 (ja) | 1987-07-24 | 1987-07-24 | 誤り訂正装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6429123A JPS6429123A (en) | 1989-01-31 |
JP2685186B2 true JP2685186B2 (ja) | 1997-12-03 |
Family
ID=16183703
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62186175A Expired - Lifetime JP2685186B2 (ja) | 1987-07-24 | 1987-07-24 | 誤り訂正装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2685186B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH03179923A (ja) * | 1989-12-08 | 1991-08-05 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Bch符号の復号方法および装置 |
IT1241429B (it) * | 1990-03-01 | 1994-01-17 | Sip | Circuito elettronico per la generazione di codici per la rilevazione di errori in segnali numerici |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58175334A (ja) * | 1983-03-11 | 1983-10-14 | Hitachi Ltd | 符号誤り訂正回路 |
JPS61288524A (ja) * | 1985-06-14 | 1986-12-18 | Sanyo Electric Co Ltd | Bch符号復号方式 |
JP2685180B2 (ja) * | 1987-04-10 | 1997-12-03 | 松下電器産業株式会社 | 誤り訂正装置 |
-
1987
- 1987-07-24 JP JP62186175A patent/JP2685186B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6429123A (en) | 1989-01-31 |
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EXPY | Cancellation because of completion of term |