JP2684975B2 - ボトムゲート型薄膜mosトランジスタおよびその製造方法 - Google Patents

ボトムゲート型薄膜mosトランジスタおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体装置、例えばS
RAM(Static Random Access
Memory)の負荷あるいは、液晶表示用駆動素子に
用いられるボトムゲート型のTFTの構造及び製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、メモリの容量が増大するにつれ
て、SRAMの負荷は高抵抗負荷からTFT負荷へと移
行しつつある。例えば、高抵抗負荷方式では第1層目に
ゲート電極が、第2層目に低抵抗配線層が、第3層目に
高抵抗層が形成されるが、TFT負荷方式では第1層目
及び第2層目は高抵抗負荷方式と同じであるが、第3層
目にTFTゲート電極、第4層目にTFTの基板領域が
それぞれ形成される。
【0003】具体的に、図10及び図11に従来のボト
ムゲートTFT負荷型スタティックRAM(SRAM)
のメモリセルの断面図及び平面図を示している。なお図
10の断面は、図11のII−II′線に沿った断面であ
る。
【0004】このようなボトムゲートTFT負荷型SR
AMの製造過程を以下に簡単に説明する。 (1)シリコン基板1の主面のP型ウェル領域2上にP
型不純物領域5を形成し、その後、素子分離酸化シリコ
ン膜6を約500nmの厚さで形成する。 (2)シリコン基板1を熱酸化して、NMOSゲート酸
化シリコン膜8を約20nmの厚さで形成する。 (3)フォトリソグラフィ技術を用いて、NMOSゲー
ト酸化シリコン膜8のパターニングを行い、第1のコン
タクト用ホール7a,7b,7cを形成する。この第1
のコンタクト用ホールの下部は、次に述べるNMOSゲ
ート電極形成時のリンの熱拡散によりN型高濃度不純物
領域3が形成される。 (4)CVD技術を用い、NMOSゲート酸化シリコン
膜8上にNMOSゲート電極9a,9b,9c,9dを
約300nmの厚さで形成する。このNMOSゲート電
極9a,9b,9c,9dは、多結晶シリコンにリンを
熱拡散させ、その後、高融点金属であるTiやWとシリ
コンの化合物(シリサイド)をスパッタするというポリ
サイド構造である。 (5)フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSゲート
電極9a,9b,9c,9dをパターニングし、イオン
注入技術を用いて不純物(リン)を注入することにより
N型低濃度不純物領域4を形成する。 (6)CVD技術を用い、素子分離酸化シリコン膜6、
N型低濃度不純物領域4、NMOSゲート電極9a,9
b,9c,9d上に、第1の酸化シリコン膜10を約1
00nmの厚さで形成する。 (7)エッチング技術を用い、第1の酸化シリコン膜1
0をエッチバックし、イオン注入技術を用いてNMOS
ゲート電極9a,9b,9c,9d及び第1の酸化シリ
コン膜10をマスクとして不純物(ヒ素)を注入し、N
型高濃度不純物領域3を形成する。 (8)CVD技術を用い、第2の酸化シリコン膜11を
約100nmの厚さで形成する。 (9)フォトリソグラフィ技術を用いて、第2の酸化シ
リコン膜11に第2のコンタクト用ホール12a,12
bを形成する。 (10)CVD技術を用いて、接地電位線13を約10
0nmの厚さで形成する。この接地電位線13は、高融
点金属であるTiやWとシリコンの化合物(シリサイ
ド)で形成する。 (11)フォトリソグラフィ技術を用いて、接地電位線
13を所定形状にパターニングする。 (12)CVD技術を用い、第3の酸化シリコン膜14
を約100nmの厚さで形成する。 (13)フォトリソグラフィ技術を用いて、第2の酸化
シリコン膜11及び第3の酸化シリコン膜14に、第3
のコンタクト用ホール17a,17bを形成する。 (14)CVD技術を用い、負荷用PMOSトランジス
タのゲート電極19a,19bとなる多結晶シリコン膜
を約100nmの厚さで形成する。 (15)イオン注入技術を用いて不純物(リン)を注入
し、フォトリソグラフィ技術を用いて負荷用PMOSト
ランジスタのゲート電極19a,19bを所定形状にパ
ターニングする。 (16)CVD技術を用い、負荷用PMOSトランジス
タのゲート酸化シリコン膜20を約30nmの厚さで形
成する。 (17)フォトリソグラフィ技術を用い、負荷用PMO
Sトランジスタのゲート酸化シリコン膜20に、第4の
コンタクト用ホール22a,22bを形成する。 (18)CVD技術を用い、負荷用PMOSトランジス
タの基板領域23a,23b及びVCC電位線26a,2
6bを、約50nmの厚さで形成する。この負荷用PM
OSトランジスタの基板領域23a,23b及びVCC
位線26a,26bは、アモルファスシリコン膜で形成
する。 (19)負荷用PMOSトランジスタの基板領域23
a,23b及びVCC電位線26a,26bに、不純物
(リン)を注入し、その後、フォトリソグラフィ技術に
より所定形状にパターニングする。 (20)フォトリソグラフィ技術を用い、負荷用PMO
SトランジスタのP型高濃度不純物領域24a,24b
及びVCC電位線26a,26bに、不純物(ボロン)を
注入する。 (21)CVD技術を用い、第5の酸化シリコン膜27
を約100nmの厚さで形成し、次に第6の酸化シリコ
ン膜28を約300nmの厚さで形成し熱処理を行う。 (22)フォトリソグラフィ技術を用い、駆動用NMO
Sトランジスタのゲート酸化シリコン膜8、第2の酸化
シリコン膜11、第3の酸化シリコン膜14、負荷用P
MOSトランジスタのゲート酸化シリコン膜20、第5
の酸化シリコン膜27、第6の酸化シリコン膜28に、
第5のコンタクト用ホール30a,30bを形成する。 (23)バリアメタル31a,31b及びアルミ配線3
2a,32bを形成し、最後にパッシベーション膜33
を全面に形成する。
【0005】以上のような技術は、特開平2−2951
64号公報に記載されている。なお図10及び図11に
おいて、25a,25bはPMOSチャネル領域であ
る。
【0006】図3にボトムゲートTFT負荷型SRAM
におけるメモリセルの回路構成を示している。なお、図
3に示すメモリセルは、図10の構造二組で構成され
る。
【0007】図3において、Tr1 ,Tr2 は第1,第
2の駆動用NMOSトランジスタ、Tr5 ,Tr6 は第
1,第2の負荷用PMOSトランジスタ、Tr3 ,Tr
4 は第1,第2のデータ読み書きのための転送用NMO
Sトランジスタ、WLは第1,第2の転送用NMOSト
ランジスタのゲート電極、BL,BL(反転)は一対の
ビット線である。またVCCはVCC電位線の電位を、GN
Dはグランドの電位を与える。
【0008】第1の駆動用NMOSトランジスタTr1
(または第2の駆動用NMOSトランジスタTr2 )の
ゲートGはNMOSゲート電極9b(またはNMOSゲ
ート電極9d)に、第1の負荷用PMOSトランジスタ
Tr5 (または第2の負荷用PMOSトランジスタTr
6 )のゲートGはPMOSゲート電極19b(またはP
MOSゲート電極19a)に、第1の転送用NMOSト
ランジスタTr3 (または第2の転送用NMOSトラン
ジスタTr4 )のゲート電極WLはNMOSゲート電極
9c(またはNMOSゲート電極9a)にそれぞれ対応
している。
【0009】このメモリセルの動作を簡単に説明する。
【0010】いま仮に、第1の負荷用PMOSトランジ
スタTr5 のドレインDと第1の駆動用NMOSトラン
ジスタTr1 のドレインDとの接続点N1 に、第1の転
送用NMOSトランジスタTr3 を介してビット線BL
(反転)から“L”レベルが書き込まれ、第2の負荷用
PMOSトランジスタTr6 のドレインDと第2の駆動
用NMOSトランジスタTr2 のドレインDとの接続点
2 に、第2の転送用NMOSトランジスタTr4 を介
してビット線BLから“H”レベルが書き込まれている
とする。
【0011】この場合、第1の駆動用NMOSトランジ
スタTr1 はそのゲートGに“H”レベルが与えられる
ためON状態、第1の負荷用PMOSトランジスタTr
5 はそのゲートGに“H”レベルが与えられるためOF
F状態となり、接続点N1 がグランドGNDとの接続に
より“L”レベルを保持する。また、第2の駆動用NM
OSトランジスタTr2 はそのゲートGに“L”レベル
が与えられるためOFF状態、第2の負荷用PMOSト
ランジスタTr6 はそのゲートGに“L”レベルが与え
られるためON状態となり、接続点N2 が第2の負荷用
PMOSトランジスタTr6 のON状態を介して直流電
源VCCに接続されるので“H”レベルを保持する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
接続点N1 が“L”レベル、接続点N2 が“H”レベル
を保持しているとすると、第1の駆動用NMOSトラン
ジスタTr1 と第2の負荷用PMOSトランジスタTr
6 とがON状態となっており、第2の駆動用NMOSト
ランジスタTr2 と第1の負荷用PMOSトランジスタ
Tr5 とがOFF状態となっている。
【0013】メモリセルを流れる電流(スタンバイ電
流)は、OFF状態にあるトランジスタのリーク電流で
決まる。従って、上述の場合のリーク電流は第2の駆動
用NMOSトランジスタTr2 と第1の負荷用PMOS
トランジスタTr5 のリーク電流の和となる。しかし、
バルクトランジスタである第2の駆動用NMOSトラン
ジスタTr2 のリーク電流は実際には少ないので、スタ
ンバイ電流は第1の負荷用PMOSトランジスタTr5
を流れるリーク電流に支配される。
【0014】従来技術によるこのようなボトムゲート型
SRAMの製造方法においては、図10,図12のメモ
リセルの製造方法を示す一部分の工程図である図12に
示すように、負荷のPMOSトランジスタのソース・ド
レイン領域であるP型高濃度不純物領域24aを形成す
る際にフォトリソグラフィ技術を用いている。P型高濃
度不純物領域24a及びVCC電位線26a,26b以外
の領域は、フォトレジスト34で覆われている。しか
し、フォトリソグラフィ技術を用いると、どうしても目
ズレが生じてしまう。
【0015】例えば、図12のA−A′方向に目ズレが
生じた場合、負荷用PMOSトランジスタのゲート電極
19aとソース・ドレイン領域であるP型高濃度不純物
領域24aとのオーバーラップ量が異なってきて、実効
的なチャネル長が変化することになる。実際のメモリセ
ルにおいては、図3に示すように負荷としてのPMOS
トランジスタTr5 とTr6 の二つで一つのメモリセル
を構成しているので、このようにP型高濃度不純物領域
24a形成時のフォトリソグラフィの目ズレが生じる
と、負荷用PMOSトランジスタTr5 とTr6 の特性
にアンバランスが生じ、上述のスタンバイ電流値に差が
生じることになる。つまり、負荷用PMOSトランジス
タTr5 ,Tr6 のOFF電流値に差が生じたとする
と、負荷用PMOSトランジスタTr5 がOFF状態の
場合(接点N1 が“L”レベル)と負荷用PMOSトラ
ンジスタTr6 がOFF状態の場合(接点N2 が“L”
レベル)とでスタンバイ電流値に差が生じることになる
のである。
【0016】今、一方の負荷用PMOSトランジスタの
OFF電流値が非常に小さく、他方の負荷用PMOSト
ランジスタのOFF電流値が非常に大きいと仮定する
と、SRAMの待機時における消費電力はOFF電流値
の大きい負荷用PMOSトランジスタがOFF状態であ
る時の方が大きくなる。上記消費電力には規格値があ
り、上述のようなことが起こり製品が規格値を満たさな
かった場合、その製品は不良品となってしまう。
【0017】その上、OFF電流値だけでなくON電流
値にも差が生じ、データ保持特性にも影響を及ぼす。こ
の場合は、ON状態にある負荷用PMOSトランジスタ
のON電流値の大小がデータ保持特性の良否を決定す
る。
【0018】以上述べたように負荷用PMOSトランジ
スタTr5 ,Tr6 の特性にアンバランスが生じると、
待機時の消費電力やデータ保持特性に差が生じ、製造歩
留まりに影響を及ぼすことになる。
【0019】また、第1,第2の負荷用PMOSトラン
ジスタTr5 ,Tr6 は、第1,第2の駆動用NMOS
トランジスタTr1 ,Tr2 及び第1,第2の転送用N
MOSトランジスタTr3 ,Tr4 の上部に形成される
ため、チャネル領域25a,25bを大きくしようとす
ると、面積が大きくなるという問題点もあった。
【0020】本発明の目的は、負荷用PMOSトランジ
スタのソース・ドレイン領域形成時のフォトリソグラフ
ィの目ズレにより、負荷用PMOSトランジスタの特性
がアンバランスになるのを防ぎ、製造歩留まりを向上さ
せることにある。
【0021】本発明の他の目的は、負荷用PMOSトラ
ンジスタの形成面積を小さくすることにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明のボトムゲート型
薄膜MOSトランジスタの製造方法は、半導体基板上の
絶縁膜に溝部を形成する工程と、前記溝部内にゲート電
極、ゲート絶縁膜、チャネル予定領域を含む基板領域、
絶縁膜を順次埋め込む工程と、前記絶縁膜をマスクとし
てイオン注入により前記基板領域にソース・ドレイン領
域を自己整合的に形成する工程とを含むことを特徴とす
る。
【0023】また、本発明のボトムゲート型薄膜MOS
トランジスタは、半導体基板上の絶縁膜に形成された溝
部内にゲート電極、ゲート絶縁膜、チャネル領域を含む
基板領域、絶縁膜が順次埋め込まれ、前記絶縁膜に対し
て自己整合的に形成された前記基板領域に設けられたソ
ース・ドレイン領域とを有することを特徴とする。
【0024】
【作用】本発明によるボトムゲートTFT負荷型SRA
Mでは、負荷用PMOSトランジスタのソース・ドレイ
ン領域であるP型高濃度不純物領域を形成する際に、フ
ォトレジストを用いずに自己整合的に不純物(ボロン)
の注入を行うので、目ズレの心配がなく負荷用PMOS
トランジスタの特性にアンバランスが生じることはな
い。つまり、負荷用PMOSトランジスタのON,OF
F電流値にアンバランスが生じることはなく、待機時に
おける消費電力,データ保持特性に差が生じることはな
いので製造歩留まりの向上が期待できる。
【0025】また、負荷用PMOSトランジスタのチャ
ネル領域と、チャネル領域に対向する負荷用PMOSト
ランジスタのゲート酸化シリコン膜及びゲート電極と
を、駆動用NMOSトランジスタのゲート電極と負荷用
PMOSトランジスタのゲート電極の間に形成された酸
化シリコン膜に掘られた溝部に形成するため、チャネル
領域を大きくしても面積は増大しない。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0027】(第1実施例)図1に本発明の第1実施例
に係るボトムゲートTFT負荷型SRAMの断面構造
図、図2に平面図、図4〜図9に製造手順を示してあ
る。なお図1の断面は、図2のI−I′線断面である。
また、図3は第1実施例のメモリセルの回路図である。
【0028】本実施例において、従来例と異なる構成
は、図1と図10を比較すれば判るように、駆動用NM
OSトランジスタのゲート電極9bと負荷用PMOSト
ランジスタのゲート電極19aとの間に形成された酸化
シリコン膜15に溝部16aが設けられているというこ
とである。
【0029】その他の構成は、図10と同じであり、し
たがって同一の構成要素には、同一の参照番号を付して
示している。
【0030】このような構造のボトムゲートTFT負荷
型SRAMの製造手順を以下に説明する。 (1)図4に示すように、シリコン基板1の主面のP型
ウェル領域2上にP型不純物領域5を形成し、その後、
素子分離酸化シリコン膜6を約500nmの厚さで形成
する。 (2)シリコン基板1を熱酸化して、NMOSゲート酸
化シリコン膜8を約20nmの厚さで形成する。 (3)図5に示すように、フォトリソグラフィ技術を用
い、NMOSゲート酸化シリコン膜8のパターニングを
行い、第1のコンタクト用ホール7aを形成する。この
第1のコンタクト用ホールの下部は、次に述べるNMO
Sゲート電極形成時のリンの熱拡散によりN型高濃度不
純物領域3が形成される。 (4)CVD技術を用い、NMOSゲート酸化シリコン
膜8上にNMOSゲート電極9a,9b,9c,9dを
約300nmの厚さで形成する。このNMOSゲート電
極9a,9b,9c,9dは、多結晶シリコンにリンを
熱拡散させ、その後、高融点金属であるTiやWとシリ
コンの化合物(シリサイド)をスパッタするというポリ
サイド構造である。 (5)フォトリソグラフィ技術を用い、NMOSゲート
電極9a,9b,9c,9dをパターニングし、イオン
注入技術を用いて不純物(リン)を注入することにより
N型低濃度不純物領域4を形成する。 (6)CVD技術を用い、素子分離酸化シリコン膜6、
N型低濃度不純物領域4、NMOSゲート電極9a,9
b,9c,9d上に、第1の酸化シリコン膜10を約1
00nmの厚さで形成する。 (7)エッチング技術を用い、第1の酸化シリコン膜1
0をエッチバックし、イオン注入技術を用いてNMOS
ゲート電極9a,9b,9c,9d及び第1の酸化シリ
コン膜10をマスクとして不純物(ヒ素)を注入し、N
型高濃度不純物領域3を形成する。 (8)CVD技術を用い、第2の酸化シリコン膜11を
約100nmの厚さで形成する。 (9)図6に示すように、フォトリソグラフィ技術を用
いて、第2の酸化シリコン膜11に第2のコンタクト用
ホール12a,12bを形成する。 (10)CVD技術を用いて、接地電位線13を約10
0nmの厚さで形成する。この接地電位線13は、高融
点金属であるTiやWとシリコンの化合物(シリサイ
ド)で形成する。 (11)フォトリソグラフィ技術を用いて、接地電位線
13を所定形状にパターニングする。 (12)CVD技術を用い、第3の酸化シリコン膜14
を約100nmの厚さで形成する。 (13)CVD技術を用い、第3の酸化シリコン膜14
上に第4の酸化シリコン膜15を約300nmの厚さで
形成し、熱処理を行う。その後、エッチング技術を用
い、第4の酸化シリコン膜15に溝16a,16bを順
テーパー型となるように形成する。 (14)図7に示すように、フォトリソグラフィ技術を
用いて、第2の酸化シリコン膜11、第3の酸化シリコ
ン膜14及び第4の酸化シリコン膜15に、第3のコン
タクト用ホール17a,17bを形成する。 (15)CVD技術を用い、負荷用PMOSトランジス
タのゲート電極19a,19bとなる多結晶シリコン膜
を約100nmの厚さで形成する。 (16)イオン注入技術を用いて不純物(リン)を注入
し、フォトリソグラフィ技術を用いて負荷用PMOSト
ランジスタのゲート電極19a,19bを所定形状にパ
ターニングする。この際、負荷用PMOSトランジスタ
のチャネル領域25a,25bに対向するゲート電極部
18a,18bは、溝部16a,16bに埋め込まれる
ようにする。 (17)CVD技術を用い、負荷用PMOSトランジス
タのゲート酸化シリコン膜20を、約30nmの厚さで
形成する。この際、負荷用PMOSトランジスタのチャ
ネル領域25a,25bに対向するゲート酸化シリコン
膜21a,21bは溝部16a,16bに埋め込まれる
ようにする。 (18)フォトリソグラフィ技術を用い、負荷用PMO
Sトランジスタのゲート酸化シリコン膜20に、第4の
コンタクト用ホール22a,22bを形成する。 (19)CVD技術を用い、負荷用PMOSトランジス
タの基板領域23a,23b及びVCC電位線26a,2
6bを、約50nmの厚さで形成する。この負荷用PM
OSトランジスタの基板領域23a,23b及びVCC
位線26a,26bは、アモルファスシリコン膜で形成
する。 (20)負荷用PMOSトランジスタの基板領域23
a,23b及びVCC電位線26a,26bに不純物(リ
ン)を注入し、その後フォトリソグラフィ技術により所
定形状にパターニングする。 (21)CVD技術を用い、第5の酸化シリコン膜27
を約100nmの厚さで形成し、次に第6の酸化シリコ
ン膜28を約300nmの厚さで形成し、熱処理を行
う。 (22)エッチング技術により、第5の酸化シリコン膜
27及び第6の酸化シリコン膜28を、図8に示すよう
な形状となるようにエッチバックを行い、その後、イオ
ン注入技術により、負荷用PMOSトランジスタのP型
高濃度不純物領域24a,24b及びVCC電位線26
a,26bに不純物(ボロン)を注入する。この不純物
(ボロン)は、埋め込まれた第5の酸化シリコン膜27
及び第6の酸化シリコン膜28をマスクとして注入する
ので、負荷用PMOSトランジスタのチャネル領域25
a,25bとソース・ドレイン領域であるP型高濃度不
純物領域24a,24bが自己整合的に形成されてい
る。 (23)図9に示すように、CVD技術を用い、第7の
酸化シリコン膜29を約300nmの厚さで形成する。 (24)フォトリソグラフィ技術を用い、駆動用NMO
Sトランジスタのゲート酸化シリコン膜8、第2の酸化
シリコン膜11、第3の酸化シリコン膜14、第4の酸
化シリコン膜15、第5の酸化シリコン膜27、第7の
酸化シリコン膜29に第5のコンタクト用ホール30
a,30bを形成する。 (25)バリアメタル31a,31b及びアルミ配線3
2a,32bを形成する。 (26)その後、パッシベーション膜33を形成する
と、最終的に図1で示される断面構造となる。
【0031】(第2実施例)第1の実施例では、接地電
位線13を第2層目の導体層で形成したが、この第2実
施例では第4層目の導体層で形成する。この時は、第2
層目の導体層が負荷用PMOSトランジスタのゲート電
極19a,19bになり、第3層目の導体層が負荷用P
MOSトランジスタの基板領域23a,23b及びVCC
電位線26a,26bとなる。
【0032】これは、図2の第2のコンタクト用ホール
12a,12bと重なっているVCC電位線26の部分を
切りとった形のマスクを形成するだけで、後は第1実施
例の製造方法と同様にして実現できる。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、負荷用PMOSトラン
ジスタのチャネル領域を層間酸化シリコン膜に形成され
た溝部に埋め込み、その上部に酸化シリコン膜を形成
し、この酸化シリコン膜をマスクとして不純物の注入を
行うので、負荷用PMOSトランジスタのチャネル領域
とソース・ドレイン領域であるP型高濃度不純物領域が
自己整合的に形成される。そのため、フォトリソグラフ
ィ技術を使用しないですむので目ズレが生じる心配はな
く、負荷用PMOSトランジスタの特性のアンバランス
を抑えることができる。また、負荷用PMOSトランジ
スタのチャネル領域を溝部に形成することにより、チャ
ネル領域を大きくしたときでも面積の増大を抑えること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例のメモリセルを示してお
り、図2のI−I′線に沿う断面図である。
【図2】第1実施例のメモリセルの平面図である。
【図3】第1実施例のメモリセルの回路図である。
【図4】第1実施例の製造方法を示す工程図である。
【図5】第1実施例の製造方法を示す工程図である。
【図6】第1実施例の製造方法を示す工程図である。
【図7】第1実施例の製造方法を示す工程図である。
【図8】第1実施例の製造方法を示す工程図である。
【図9】第1実施例の製造方法を示す工程図である。
【図10】従来技術によるメモリセルを示しており、図
11のII−II′線に沿う断面図である。
【図11】従来技術によるメモリセルの平面図である。
【図12】従来技術の製造方法を示す一部分の工程図で
ある。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 P型ウェル領域 9a,9b NMOSゲート電極 13 接地電位線 16a PMOSチャネル領域形成用溝 18a,19b PMOSゲート電極 20,21a PMOSゲート酸化シリコン膜 24a P型高濃度不純物領域 25a PMOSチャネル領域 26b VCC電位線 32a,32b アルミ配線 33 パッシベーション膜

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上の絶縁膜に溝部を形成する工
    程と、 前記溝部内にゲート電極、ゲート絶縁膜、チャネル予定
    領域を含む基板領域、絶縁膜を順次埋め込む工程と、 前記絶縁膜をマスクとしてイオン注入により前記基板領
    域にソース・ドレイン領域を自己整合的に形成する工程
    と、 を含むことを特徴とするボトムゲート型薄膜MOSトラ
    ンジスタの製造方法。
  2. 【請求項2】半導体基板上の絶縁膜に形成された溝部内
    にゲート電極、ゲート絶縁膜、チャネル領域を含む基板
    領域、絶縁膜が順次埋め込まれ、前記絶縁膜に対して自
    己整合的に形成された前記基板領域に設けられたソース
    ・ドレイン領域とを有することを特徴とするボトムゲー
    ト型薄膜MOSトランジスタ。
  3. 【請求項3】前記溝部が順テーパー型であることを特徴
    とする請求2記載のボトムゲート型薄膜MOSトランジ
    スタ。
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