JP2682291B2 - 車両用居眠り運転検出装置 - Google Patents

車両用居眠り運転検出装置

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JP2682291B2
JP2682291B2 JP3230541A JP23054191A JP2682291B2 JP 2682291 B2 JP2682291 B2 JP 2682291B2 JP 3230541 A JP3230541 A JP 3230541A JP 23054191 A JP23054191 A JP 23054191A JP 2682291 B2 JP2682291 B2 JP 2682291B2
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久志 里中
準一 福田
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Toyota Motor Corp
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は車両用居眠り運転検出装
置、特に車両と走行区分帯との距離の変動に基づいて居
眠り運転発生を検出する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高速道路走行時の安全性確保
等を目的としてドライバの居眠り運転を検出する居眠り
運転検出装置が提案されている。このような居眠り検出
装置としては、ドライバの意識低下に伴うステアリング
角の変動やその結果としての車両の横変位(走行区分帯
からの距離)の変動を検出して居眠り運転の有無を検出
する構成が主に用いられいる。
【0003】例えば、特開平1−122734号公報に
開示された自動運転時の居眠り防止用警報装置において
は、自動車のドアミラー等の突出物に走行区分帯を認識
する装置、例えば発光器・受光器を設け、ドライバが居
眠り等をして走行区分帯に異常接近したときに走行区分
帯を検出してブザー等の警報装置を作動させるものであ
る。
【0004】あるいは、特開昭60−76425号公報
に開示された居眠り運転検出装置では、予めメモリに基
準となる操舵パターンを記憶しておき、操舵パターンが
この基準パターンと異なる場合に居眠り運転を検出す
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両が
走行区分帯に異常接近したときに居眠り運転が発生した
と判断する構成では、 (1)走行区分帯に近づいて走行する特性を有するドラ
イバの場合 (2)カーブ走路をアウト−イン−アウトで走行した場
合 (3)方向指示器を操作せずに進路変更した場合 などにはドライバが通常の意識状態にあるにもかかわら
ず居眠り運転と判断されて警報が発せられてしまう問題
があった。
【0006】また、操舵パターンを基準パターンと比較
する構成では、個人差の大きい操舵パターンにおいて基
準となる操舵パターンを決定することは困難であり、し
かもこの基準パターンとの相違の度合いを評価すること
が困難である問題があった。本発明は上記従来技術の有
する課題に鑑みなされたものであり、その目的は居眠り
運転か否かを確実かつ迅速に判断して警報等を与えるこ
とが可能な車両用居眠り運転検出装置を提供することに
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る車両用居眠り運転検出装置は、図1に
示されるように走行区分帯からの車両の横変位を検出す
る横変位検出手段1と、横変位の所定時間内の標準偏差
を算出する演算手段2と、標準偏差としきい値とを比較
し、しきい値を越えた場合に居眠り運転と判定する判定
手段3を有することを特徴とする。
【0008】
【作用】このように、本発明の居眠り運転検出装置は車
両の横変位の標準偏差に着目し、この標準偏差が所定値
以上となった場合にドライバの意識が低下した、つまり
居眠り運転が発生したと判断するものである。
【0009】すなわち、図3に示されるように車両の横
変位を通行区分帯によって決定される走行レーンの中央
からの変位とし、この横変位が時間とともにどう変化す
るかを考えると、ドライバの意識が正常である場合には
図4(A)に示されるように走行レーン中央(あるいは
ドライバによっては走行レーンの端)を小量の変動幅で
走行するため、同図(a)に示されるように所定時間内
のその標準偏差は比較的小さな値となる。ところが、ド
ライバの意識が低下しはじめると、同図(B)に示され
るように走行レーン内を走行区分帯に急接近したり離れ
たりと大きく蛇行するようになり、結果として同図
(b)に示されるようにその標準偏差は大きな値とな
る。
【0010】従って、この標準偏差の大小、すなわち通
常走行に対するずれの頻度の大小から居眠り運転を検出
することが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、図面を用いながら本発明に係る車両用
居眠り運転検出装置の好適な実施例を説明する。
【0012】図2には本実施例の構成ブロック図が示さ
れている。車両の所定位置、例えば図9に示されるよう
にルームミラー4上部にカメラ10が取り付けられ、前
方下方を撮影して道路に敷設された走行区分帯を撮影
し、画像入力部11でデジタル信号に変換してフレーム
メモリ11aに格納する。なお、このようにルームミラ
ー4上部にカメラ10を取り付けるのは、室内に配置す
ることで埃や水から保護する、ワイパの払拭領域にレン
ズを配置して良好なレンズ効果を得るためである。そし
て画像処理装置(DSP)12でデジタル化された画像
信号から走行区分帯を表示する白線部分を抽出し、バス
13を介してマイクロコンピュータ14に供給する。マ
イクロコンピュータ14はCPU14a、所定の制御用
プログラムが格納されたROM14b、CPU14aで
の演算結果を記憶するRAM14cを含んでおり、以下
の演算を行って居眠り運転か否かを判定する。
【0013】すなわち、まず画像処理装置(DSP)1
2から送られてきた画像信号から車両の横変位を検出す
る。横変位は図3に示されるように走行レーンの中央か
らの変位で定義され、カメラ10にて得られた画像内に
おける走行区分帯白線の位置または傾きから算出するこ
とができる。なお、車両がカーブ走路等を走行していて
走行区分帯の白線が曲率を有している場合には、例えば
特開平3−139706号公報に示されているように白
線の2位置における接線からまず曲率を求め、この曲率
に応じて算出した横変位を補正して正確な横変位を検出
すれば良い。そして、検出された横変位は順次RAM1
4cに格納される。
【0014】次に、CPU14aは格納された横変位を
読みだし、所定時間内の標準偏差σを算出する。本実施
例では4〜5分間のデータをサンプリング周波数10H
z、シフト時間10秒(10秒間ずらしたデータ列)で
標準偏差を算出している。
【0015】図5ないし図7には運転開始後12分経
過、30分経過及び48分経過時における横変位の変化
(A)とその時のヒストグラフ(B)及び算出された標
準偏差値が示されている。運転開始後12分経過時には
ドライバの疲労度も少なく、従って通常の意識状態で走
行しているため横変位の変動も少なく標準偏差も0.2
2と小さな値となっているが、運転開始30分さらには
運転開始48分と経過するに従いドライバも疲労するた
め意識レベルが低下し、横変位の変動も大きくなって標
準偏差もそれぞれ0.30、0.40と大きくなってく
る。これは、ドライバの意識レベルが低下すると、車両
周囲環境の認知ステップ、ステアリングやアクセル操作
量の判断ステップ、操作ステップからなる運転の各ステ
ップでの反応が遅れるためである。
【0016】このように、ドライバの意識レベルが低下
し始めるとそれに反して標準偏差は大きくなるため、こ
の標準偏差の増大からドライバの居眠り運転を検出する
ことができる。
【0017】図8にはドライバの脳波の内のα波の出現
率変化(A)と標準偏差の変化(B)との比較が示され
ている。図において、横軸は時間を示しており、縦軸は
それぞれα波の出現率及び標準偏差を示している。α波
は人間がリラックスした状態で出現する脳波であり、ド
ライバが疲労してきて精神緊張がなくなり、うとうとし
始めるとよく出現するようになる。この例では、時間5
00sec当たりからα波の出現率が増大し、1200
〜1300secでピークに達し、その後急激に減少す
る変化を示している。1500secで急激に減少した
のは、居眠り運転のため車両がコースからはずれ、ドラ
イバがあわててステアリングを操作したためである。
【0018】このα波の変化に対し、同図(B)に示さ
れた横変位の標準偏差の変化においても500sec当
たりから標準偏差が増大し始め、1200〜1300s
ecでピークに達し、その後1500secで急激に減
少する特性を示しており、横変位の標準偏差がドライバ
の意識状態の指標であるα波とよく一致し、ドライバの
居眠り運転判定にきわめて優れたパラメータとなり得る
ことが理解される。そこで、CPU14aは算出された
標準偏差をROM14bに格納された所定のしきい値
0.35と比較し、標準偏差がこの0.35を越えた場
合に居眠り運転が発生したと判定してブザー等の警報装
置16に警報信号を出力してドライバの覚醒を促す。
【0019】このように、本実施例では横変位の標準偏
差をパラメータに用いることにより、ドライバの意識レ
ベルを的確に把握して居眠り運転発生を確実に検出する
ことができ、高速道路等を安全に走行することが可能と
なる。
【0020】なお、本実施例では居眠り運転か否かを判
定するためのしきい値を予め所定値に定めてメモリに格
納しているが、ドライバの個人差を考慮して運転開始数
分間の標準偏差値の平均値の2倍をしきい値に設定する
等、ドライバの運転特性に合致させたしきい値を適宜用
いることも可能であることはいうまでもない。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る車両
用居眠り運転検出装置によれば、ドライバの居眠り運転
を確実に検出することができ、ドライバに覚醒を促して
安全走行を可能とする効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成ブロック図である。
【図2】本発明の一実施例の構成ブロック図である。
【図3】本発明の横変位説明図である。
【図4】正常運転時と異常運転時の横変位変化の説明図
である。
【図5】本発明の一実施例の横変位と標準偏差の関係を
示す説明図である。
【図6】本発明の一実施例の横変位と標準偏差の関係を
示す説明図である。
【図7】本発明の一実施例の横変位と標準偏差の関係を
示す説明図である。
【図8】本発明の一実施例のα波変化と標準偏差変化の
関係を示すグラフ図である。
【図9】本発明の一実施例のカメラ配置説明図である。
【符号の説明】
10 カメラ 12 画像処理装置 14 マイクロコンピュータ 16 警報装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行区分帯からの車両の横変位を検出す
    る横変位検出手段と、 前記横変位の所定時間内の標準偏差を算出する演算手段
    と、 前記標準偏差としきい値とを比較し、しきい値を越えた
    場合に居眠り運転と判定する判定手段と、 を有することを特徴とする車両用居眠り運転検出装置。
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