JP2681653B2 - 抗エイズウィルス剤 - Google Patents

抗エイズウィルス剤

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、(1)式のくり返し単位からなり分子量10
0万以下の多糖(以下(当該多糖)という)の硫酸化物
を有効成分として含む抗エイズウィルス剤に関する。
(従来技術および問題点) エイズ(AIDS,acquired immunodeficiency syndrom
e)は、その原因ウィルスであるHIV(human immunodefi
ciency virus)によってひきおこされるウィルス感染症
である。エイズウィルスに感染すると、主としてヘルパ
ーT細胞が破壊される。又、T細胞全般にわたる異常や
B細胞の異常が生じるため、免疫不全となる。その結
果、日和見感染症、カポジ肉腫・脳リンパ腫などの悪性
腫瘍、中枢神経系疾患および臓器障害を起し、ついには
死に至る恐ろしい病気である。
エイズを完治させる医薬品は現在までのところ見出さ
れていないが、アジドチミジン(AZT)、ジデオキシシ
チジン、ジデオキシアデノシン、スラミン(surami
n)、リバビリン(ribavirin)、HPA−23、およびイン
ターフェロン等の物質が抗エイズ効果を示すことが知ら
れている。これらのうちAZTはエイズウィルスの逆転写
酵素の阻害作業を有し、エイズ患者に対する有用性も証
明されたためアメリカにおいてはすでに使用が許可され
ている。
しかしながら、AZTをはじめとするヌクレオシド関連
物質は副作用を有し、骨髄障害、大赤血球性貧血、胃腸
障害、皮疹などが発生する。スラミン、リバビリン、HP
A−23等については、なお実用上の有効性が確証される
に至っていない。
最近、紅藻由来の多糖体SAEがエイズウィルスの逆転
写酵素の阻害作用を有することが見出され、さらにλ,
κ,ι−カラゲナン、ヘパリン、コンドロイチン硫酸等
天然物由来の硫酸多糖体が同様の生理活性を有すること
が見出されている。他方、種々の多糖体の硫酸化物の抗
エイズウィルス作用に関する研究も進められており、抗
エイズウィルス活性をもたないデキストラン、キシロフ
ラナンおよびリボフラナンなどの多糖体の硫酸化物であ
る、デキストラン硫酸、キシロフラナン硫酸およびリボ
フラナン硫酸が抗エイズウィルス活性を有することが見
出されている。このように、硫酸化によって抗エイズウ
ィルス活性をもたない物質に抗エイズウィルス活性を賦
与するという方法は、今や抗エイズウィルス剤開発の一
手法として利用されはじめている。
このような硫酸多糖体を抗エイズウィルス剤として開
発する場合の問題点として、(1)多糖体は一般に精製
するのが難しく、雑物として含まれる糖類、蛋白質或は
発熱性物質糖を除去するには高レベルの技術を要するこ
と。(2)抗エイズウィルス活性は多糖体の構造、分子
量および硫酸基の含有量によって異なること。(3)生
体内に投与された場合、体内酵素によって分解されてし
まう可能性もあることが列挙され、これらの問題の解明
が急がれている。
本発明者らは硫酸多糖体の生理活性について研究を重
ね、硫酸多糖体はリンパ球を非特異的に幼若化させる、
いわゆるマイトジェン活性の強弱が、硫酸多糖体の構造
によって変化することを見出した。
すなわち、異種の構成単糖からなるいわゆるヘテロ多
糖の硫酸化物と、同一種の構成単糖からなるホモ多糖の
硫酸化物とに分けてそのマイトジェン活性を比較する
と、前者の硫酸多糖体よりも後者の硫酸多糖体の方が、
より強いマイトジェン活性を有することを見出し、さら
に抗エイズウィルス活性についても検討した結果、ヘテ
ロな硫酸多糖体よりもホモ硫酸多糖体に強力な抗エイズ
ウィルス活性があることを見出した。(THE JAPANESE J
OURNAL OF EXPERIMENTAL MEDICINE.VOL.58.No.3.PP 147
−153(1988)) 本発明者らはこの知見にもとづき、いくつかのホモ多
糖体を硫酸化して、その抗エイズウィルス効果を比較し
たところ、マンナン、プルラン、アルギン酸等の硫酸化
物よりもデキストランの硫酸化物が強い活性を持つこと
を見出した。本発明者らは、さらに他のホモ多糖の硫酸
化物の抗エイズウィルス効果の試験を行い、当該多糖の
硫酸化物がデキストラン硫酸以上に強い抗エイズウィル
ス活性を示すことを見出し、さらに当該多糖硫酸化物の
分子量や、硫酸含量のエイズウィルス活性に与える影響
についても試験を行い、本発明を完成するに至った。
(発明の構成) 当該多糖とては、Schizophyllum commune Fries(ス
エヒロタケ)が産生するシゾフィラン、Sclerotium glu
canicumが産生するスクレログルカン、Porodisculus Pe
ndulusの産生するペンジュランなどがあり、これらのホ
モ多糖はいずれもそれぞれの生産菌を培養することによ
って菌体外に産生されるので、多糖の分離、精製が容易
である。
これらの培養で得られる当該多糖は極めて高粘性かつ
チクソトロピックな水溶液を作るため、その精製は一般
に困難である。これらの当該多糖を本発明の目的である
医薬品として利用するために高度に精製するには、多糖
の解重合によって分子量を低下せしめることが望まし
い。このための解重合法としては、多糖水溶液に超音波
を照射するか、或いは高剪断力で処理する方法が望まし
い。これらの解重合法では、当該多糖のβ−1,3−グル
コシド結合からなる主鎖だけが選択的に切断され、β−
1,6−グルコシド結合の側鎖は殆ど切断されることがな
い。
かくて当該多糖の基本構造は解重合後も変わることな
く保持されるのである。
当該多糖を医薬品製造のために利用するまでに精製す
るには、当該多糖の分子量は106以下((1)式のnと
して1544以下)、好ましくは、5×105以下((1)式
のnとして772以下)にまで低下することが望ましい。
当該多糖の分子量がこれ以上になるとその水溶液の高粘
性のために、濾過、イオン交換、活性炭処理等の精製操
作を行うことがむずかしい。
当該多糖はβ−1,3グルコシド結合を主鎖にもつ多糖
体であるため、デンプンやデキストラン糖のαグルコシ
ド結合をもった多糖体とは異なり、体内酵素によって分
解されにくく、非常に低毒性であるという特徴を有す
る。
当該多糖を硫酸化する場合、硫酸化の方法は既知の方
法のいずれを用いてもよいが例えば、硫酸を用いる方
法、クロロスルホン酸を用いる方法、スルファートリオ
キサイドを用いる方法等が使用できる。これらの方法の
うち、ルイス塩基との組合せで用いる、クロロスルホン
酸法およびスルファートリオキサイドを用いる方法は硫
酸を用いる方法に比較して多糖体の分解が少ないので、
本発明の硫酸化多糖の調製に適している。ルイス塩基と
しては、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミ
ン、ジオキサンおよびビス(2−クロロエチル)エーテ
ル等が用いられる。また、ピリジン無水硫酸コンプレッ
クスをピリジン中或はジメチルスルホキシド中で当該多
糖と反応させて硫酸化する方法も簡便法として用いるこ
とができる。
調製した硫酸化多糖は、加水分解を防ぐために適当な
塩の形にしておくのが普通である。塩の種類としては、
例えば、アンモニウム塩或はナトリウム塩をはじめとす
るアルカリ金属塩が一般的であるが、アルカリ土類金属
塩、鉄塩などの金属塩或は第4級アミンとの塩の形成が
可能である。
当該多糖、並びにその硫酸化物は、次のような赤外吸
収スペクトルを示す。
(イ)当該多糖(第1図) 3400cm-1付近におけるO−Hの伸縮振動、1250cm-1
近におけるC−O−Cの非対称伸縮振動、1050cm-1付近
におけるC−Oの伸縮振動及び890cm-1付近におけるβ
−グルコシド結合特有の吸収を示す。
(ロ)当該多糖硫酸化物(第2図) 1240cm-1付近にSO2の対称伸縮振動、810cm-1付近には
C−O−Sの伸縮振動による吸収を夫々示す。
本発明者らは当該多糖硫酸化物の調製に用いる出発原
料としての当該多糖の平均分子量或は硫酸化後のイオウ
含量と、マイトジェン活性或は抗エイズウィルス活性と
の関係について調べた結果、これらの生理活性が当該多
糖の平均分子量に依存するよりはむしろ、硫酸化後のイ
オウ含量に強く依存して発現されていることを見出し
た。マイトジェン活性は、硫酸化多糖のイオウ含量が2
〜17重量%の範囲で出現され、抗エイズウィルス活性
は、イオウ含量が3〜17重量%の範囲で発現され、イオ
ウ含量が3重量%以下では抗エイズウィルス活性は減少
した。また、イオウ含量が17重量%の硫酸化物シゾフィ
ランの細胞毒性試験では、2000μg/ml.の濃度まで細胞
毒性を示さなかったが、これ以上のイオウ含量では医薬
品としての利用に適さないと予想される。
当該多糖硫酸化物の抗エイズウィルス活性は当該多糖
の分子量依存性が小さい。従って本発明に使用する当該
多糖の分子量は、その充分な精製に適する範囲であれば
よく、一般に106以下((1)式のnとして1544以
下)、望ましくは5×105以下((1)式のnとして772
以下)である。
尚、他の多糖体、例えば、デキストラン、カードラ
ン、レンチナン等の硫酸化物においても、イオウ含量が
シゾフィランにおける上述の知見と大体同じ範囲におい
て抗エイズウィルス活性をもつことをも本発明者らは見
出したが、これらの知見は本願発明とは無関係である。
以下実施例により、具体的に説明をおこなう。
実施例1 種々の方法により、当該多糖の硫酸化物を調製し、マ
イトジェン活性および抗エイズウィルス活性についてし
らべた。
(1)硫酸化シゾフィランの調製 A 法: 当該多糖0.5gまたは1gをピリジン100ml中に45℃で5
分間懸濁させた後ピリジン無水硫酸コンプレックス(2
〜6g)を添加し、撹拌しながら、60〜70℃で反応させ
た、硫酸化をおこなった。
反応後、沈殿物を小量の水に溶解し、遊離の硫酸を硫
酸バリウムの沈殿として遠沈除去した。上澄液を減圧濃
縮し過剰量のエタノールを加えて硫酸化物の沈殿を析出
させた。沈殿を水に溶解しイオン交換処理後、NaOHで中
和した。濃縮後エタノールを加え、沈殿を生成させたの
ち遠沈によって沈殿を集め、少量の水に溶解させ凍結乾
燥し、硫酸化シゾフィラン(1)〜(3)、(7)〜
(10)を得た。
B 法: シゾフィラン1gをジメチルスルホキシド100mlに溶解
し、ピリジン無水硫酸コンプレックス3g、6gまたは9gを
加え、室温で5分間反応させて硫酸化をおこなった。
反応後反応液を氷水で冷却し、上清除去後沈殿物に冷
水50mlを加え溶解した。水酸化バリウム飽和水溶液を添
加して中和し、遠沈により沈殿除去後、上澄液を透析し
た。透析内液を減圧濃縮しアセトンを過剰量加え、遠沈
により得た沈殿を50mlの水に溶解しイオン交換処理後、
1N−NaOHを添加して中和し、凍結乾燥して硫酸化シゾフ
ィラン(4)〜(6)を得た。
C 法: 丸底フラスコにピリジン25mlを入れ、−10℃に冷却し
撹拌しながら、クロルスルホン酸5mlを徐々に加え、15
〜20分間反応させた。反応物を60〜70℃で溶解させた
後、シゾフィラン1gを加え、1時間激しく撹拌して硫酸
化をおこなった。
反応後、上清除去し、沈殿物を冷水100mlに溶解さ
せ、飽和炭酸ナトリウム溶液を加えて中和し、過剰量の
アセトンを加えて硫酸化物の沈殿を析出させた。遠沈に
より沈殿を回収し、水を加えて溶解しイオン交換処理
後、炭酸ナトリウムを加えてpHを9〜10に調整した。こ
れに過剰量のアセトンを加え、遠心分離して得た沈殿を
少量の水に溶解後、凍結乾燥して硫酸化多糖(11)およ
び(12)を得た。
以上の方法により得たシゾフィランの硫酸化物を表1
に要約した。
(2)硫酸化シゾフィランのマイトジェン活性の検討マ
ウスの脾臓を無菌的にとり出し、培地中でほぐして3×
106個/mlの細胞懸濁液を調製した。96穴マイクロプレー
トに3×105個/ウエルの細胞をまき、培地および試料
を添加して3日間培養した。3日目に0.5μCiの3H−チ
ミジンを各ウェルに添加し、さらに7時間培養した後、
細胞をハーベストし、よく洗浄し液体シンチレーション
カウンターで細胞内に取り込まれた3H−チミジンの量を
測定した。
測定値を表2に要約した。
硫酸化シゾフィランにはシゾフィランにはみられない
高いマイトジェン活性が観察された。
(3)硫酸化シゾフィランの抗エイズウィルス活性の検
討 Molt−4/cl.No.8細胞とTall−1/HTLV−III由来のウィ
ルスを細胞に吸着させた後、細胞を培地で洗って吸着し
ていないウィルスを除去し、この細胞を試験に供した。
24穴マイクロプレートの各ウェルに3.5×104個/mlの
細胞懸濁液1ml.,培地1ml.及びPBSに溶解した試料を最終
濃度100μg/ml.になるように加え、8日間培養し、ウィ
ルスによる細胞変性効果(CPE)を観察した。また8日
目に培養上清を採取し、逆転写酵素活性の測定に供し
た。細胞はウィルス抗原の検出のため間接蛍光抗体法に
供した。
逆転写酵素活性の測定結果を表3に要約した。
表3に示したように、硫酸化シゾフィランは顕著にエ
イズウィルスの増殖を抑制する、強力な抗エイズウィル
ス活性を有した。
これらの硫酸化シゾフィランはエイズウィルスによる
細胞変性効果によってひき起こされる、ジャイアントセ
ル形成を完全に抑制した。また、これらの硫酸化シゾフ
ィランとともに培養した細胞には間接蛍光抗体法でウィ
ルス抗原は検出されなかった。
実施例2 さらに、硫酸化シゾフィランの抗エイズウィルス活性
をMT−4細胞を用いて調べた。
実施例1の(3)と同様の方法で細胞を準備し、各ウ
ェルに14×104個/ml.の細胞懸濁液1ml.培地1ml.および
試料溶液を加え、10日間培養した。
細胞変性効果の観察、逆転写酵素活性の測定および間
接蛍光抗体法によって、硫酸化シゾフィランの抗エイズ
ウィルス作用について調べた。
表4に逆転写酵素活性の測定結果を要約した。
表4に示されているように、硫酸化シゾフィランはMT
−4細胞のようなエイズウィルスに高感受性の細胞系に
おいても強い抗エイズウィルス活性を有した。
これらの試料、(3),(10),(11),および(1
2)はまた細胞変性によるジャイアントセル形成を抑制
した。これらの硫酸化物とともに培養した細胞は間接蛍
光抗体法でウィルス抗原は全く検出されないか、検出さ
れても非常にわずかであった。
実施例3 以上は、セルライン化された培養細胞系において硫酸
化シゾフィランの抗エイズウィルス活性を調べたもので
あるが、本実施例では、ヒト末梢血リンパ球における硫
酸化シゾフィランのエイズウィルス増殖抑制効果につい
て試験をおこなった。
エイズ患者の末梢血から、比重遠心法によってリンパ
球を分離し、無血清培地で3回洗浄後、10%FCSの入っ
た培地に懸濁させた。吸着性細胞を除去した後、浮遊細
胞を集め、培地に懸濁させた後、PHAおよびIL−2を添
加した。健常人のリンパ球は3日前に上記の方法により
準備しておく。24穴のマイクロプレートの各ウェルに、
患者リンパ球106個/1ml.培地、健常人のリンパ球106個/
1ml.および硫酸化シゾフィラン溶液を入れ、混合培養す
る。培養開始後7日目、11日目に上清を採取し、逆転写
酵素の活性測定に供した。採取した上清と同量の培地を
各ウェルに入れ、培養を続けた。
表5に結果を要約する。
このように、ヒト末梢血リンパ球においても硫酸化シ
ゾフィランの抗エイズウィルス効果が確認された。
実施例4 シゾフィランは抗腫瘍活性を有する多糖体であり、硫
酸化によってもこの活性が残る場合もあり、抗エイズウ
ィルス剤として他にない特徴を有する。
マウス、鼠蹊部皮下にSarcoma 180細胞を2×106個移
植する。24時間後に、硫酸化シゾフィランの0.5%PBS溶
液を0.05ml.後肢大腿筋肉内に投与する。30日後にマウ
スを解剖して腫瘍を摘出し重量を測定する。
次式により抑制率を計算する。
尚、マウスは1群6匹、対照群にはPBSを試料投与群
と同量投与した。
結果を表6に要約した。
この結果のように、一部の硫酸化シゾフィランには、
強い抗腫瘍活性が維持されており、他にない大きな特徴
といえる。
以上具体的に実施例をいくつかあげて、硫酸化シゾフ
ィランの抗エイズウィルス剤としての有用性について述
べた。
尚、急性毒性試験の結果を表10に要約した。
実施例5 シゾフィランと同様(1)式のくり返し単位からなる
多糖体、スクレログルカンとペンデュランの水溶液に超
音波を照射して、それぞれの分子量を40万に調整後、そ
れらを実施例1のA法(当該多糖、0.5g;ピリジン−無
水硫酸コンプレックス、5g;反応時間、5時間)によっ
て硫酸化を行い多糖硫酸化物を得た。
得られたスクレログルカンおよびペンデュランの硫酸
化物について実施例1の(3)の方法に従って、抗エイ
ズウィルス活性を調べた。
対照として硫酸化シゾフィラン(実施例1の試料
(3))およびデキストラン硫酸を使用した。結果を表
8に示す。
表11に示したように、スクレログルカンおよびペンジ
ュランの硫酸化物は硫酸化シゾフィランと同様、デキス
トラン硫酸以上の強いエイズウィルス増殖抑制効果を有
した。また、これらの硫酸化物は細胞変性効果によって
ひき起こされるジャイアントセルの形成を完全に抑制し
た。
さらに、間接蛍光抗体法では、これらの硫酸化物とと
もに培養した細胞には、ウィルス抗原は検出されなかっ
た。
実施例6 分子量の異なるシゾフィランを実施例1のA法(当該
多糖、0.5g;ピリジン−無水硫酸コンプレックス、5g;反
応時間、5時間)によって硫酸化を行った。得られた多
糖硫酸化物について、実施例1の(3)の方法に従って
抗エイズウィルス活性を調べた。対照としてデキストラ
ン硫酸を使用した。結果を表9に示す。
(発明の効果) 本願発明の抗エイズウィルス剤は、原料物質として構
成単糖がグルコースのみからなる、ホモ多糖体を硫酸化
して用いているため、ヘテロな構造を有する硫酸多糖体
にはない非常に強いマイトジェン活性および抗エイズウ
ィルス活性を有する。さらに、当該多糖の硫酸化物はイ
オウ含量が3〜17%と規定されたために、強力な抗エイ
ズ活性をもちながら低毒性であるという特徴を有する。
Molt−4/cl.No.8細胞やMT−4細胞のようなセルライ
ン化された培養細胞のみならず、ヒト末梢血リンパ球に
おいても抗エイズウィルス作用を有することが証明され
たことにより、当該多糖の硫酸化物が非常にすぐれた抗
エイズウィルス剤となりうることを示すものである。
また、当該多糖の平均分子量が1万〜50万に調整され
ているため、濾過、精製といった製造工程上の種々の問
題が解決され、高度に精製された多糖体を用いることが
でき、従って本剤も医薬品として高い品質を保ちうる。
【図面の簡単な説明】
第1図は当該多糖の赤外吸収スペクトル、第2図は当該
多糖の硫酸化物の赤外吸収スペクトルを示す。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(1)式のくり返し単位からなり、分
    子量100万以下(n≦1544)の多糖の硫酸化物を含む抗
    エイズウィルス剤。
  2. 【請求項2】分子量50万以下(n≦772)の多糖の硫酸
    化物含む請求項(1)記載の抗エイズウィルス剤。
  3. 【請求項3】(1)式のくり返し単位からなる多糖がシ
    ゾフィランである請求項(1)記載の抗エイズウィルス
    剤。
  4. 【請求項4】(1)式のくり返し単位からなる多糖がス
    クレログルカンである請求項(1)記載の抗エイズウィ
    ルス剤。
  5. 【請求項5】(1)式のくり返し単位からなる多糖がペ
    ンジュランである請求項(1)記載の抗エイズウィルス
    剤。
  6. 【請求項6】多糖硫酸化物中の硫酸基の含量が、硫黄含
    量として3〜17重量%である請求項(1)記載の抗エイ
    ズウィルス剤。
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