JP2681097B2 - カルナウバワックスの品質改良法 - Google Patents

カルナウバワックスの品質改良法

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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はカルナウバワックスの品質改良法に係り、殊
にカルナウバワックス中級品を処理して品質を改良する
方法に係る。
(従来の技術) カルナウバワックスはブラジル東北部のCera地方にお
いて産出するパーム樹であるCopernicia erifera Marti
usの葉面に分泌されるワックスであり、未だ開ききって
いない若葉を切断し、乾燥させ、叩解して葉脈からワッ
クス分を分離させ、加熱溶解して夾雑物を除去したもの
がNo.1としてランク付けされる上級品であり、叩解した
後の葉脈、開ききった葉、落ちている葉、茎部等を煮出
し処理し、次いで夾雑物を除去して得たものがNo.2及び
No.3としてランク付けされている中級品及び下級品であ
る。
カルナウバワックス上級品、即ちNo.1は淡黄緑色の色
調を有し、中級品であるNo.2から次第に濃い色調とな
り、下級品であるNo.3は濃緑褐色の色調を有している。
カルナウバワックスは硬度において優れており、良好な
艶及び付着性を有し、しかも他のワックスとの混和が自
在なので、各種の用途に、例えば艶出し剤や各種ワック
スの融点向上剤等として汎用されている。即ち、カルナ
ウバワックスNo.1は高級用途に、例えばインキ基材、木
工品や家具類の艶出し用基材等として用いられ、No.2は
靴クリーム、フロアポリッシュなどの基材として用いら
れ、又No.3はロストワックス、段ボール紙用防湿剤の基
材等として用いられている。即ち、カルナウバワックス
は、その用途に応じて、No.1からNo.3のものを適宜選択
し、又必要に応じてこれらをミックスし、更には他のワ
ックスと配合して用いられており、市販のカルナウバワ
ックスを処理して更に精製することは行われていない。
(発明が解決しようとする問題点及び発明の目的) カルナウバワックスNo.2は価格面でNo.1の約1/2であ
り、市場に対する供給量も豊富であるが、艶と至上とす
る業種や特殊用途、例えば感熱感圧紙、熱転写用インク
リボン等の用途に用いると、ブリードにより結晶が浮き
出てしまい、外観的に劣り、製品のイメージダウンをも
たらすのみならず、性能を低下させる場合もある。
更に、一方において、カルナウバワックスは天然品で
あり、その生産量が天候に左右されて価格に変動を生
じ、又資源的にも無限のものではない。
従って、本発明の目的は、カルナウバワックス中級
品、即ちカルナウバワックスNo.2を処理することにより
品質を改良し、現在No.1のみが用いられている用途にも
利用できるようになすことにある。
(問題点を解決し、目積を達成する手段及び作用) そこで、本発明者等は、カルナウバワックスの精製に
ついて検討を重ねた結果、カルナウバワックスNo.2を基
材としたインキを用いる場合に、ブリードが発生し易い
要因の1つは、No.2の酸価が高いこと(8−13程度)、
即ち遊離脂肪酸含量の比較的高いことにあることが判明
した。従って、酸価を下げることを主眼として更に検討
を進めた。
一般に、ワックスに関して酸価を下げる方策として
は、減圧下で且つ高温度において処理する方法や酸処理
してエステル化度が高めることが考えられる。従って、
先ず、減圧下での高温処理をカルナウバワックスに適用
した処、カルナウバワックスNo.1に関しては品質を更に
向上させることができたが、No.2については、酸価が若
干下がるだけであり、当該処理品を基材としたインキの
ブリード発生を抑制することは不可能であった。一方、
酸を用いてカルナウバワックスNo.2を処理する場合に、
硫酸、塩酸等の鉱酸を用いるとエステル化反応は良好に
進むが酸焼けにより変色して黒色に近いものとなり、水
洗するとエマルジョン化するので酸の除去が困難になる
こと、即ち鉱酸の使用は実際上不可能であることが判明
した。そこで、有機酸を触媒とする場合について検討を
行った処、p−トルエンスルホン酸を用いる場合に良好
な結果が得られ、この酸触媒については反応後に残留触
媒を除去しなくても、処理品をインキ基材として用い得
ることが判明し、本発明の端緒が開かれるに至った。
本発明によれば、融解した酸価4−14のカルナウバワ
ックス中級品に不活性ガスを送り込みながら加熱し、品
温が100−160℃に至った時点でp−トルエンスルホン酸
を添加して1−4時間反応させることを特徴とする、カ
ルナウバワックスの品水改良法により既述の問題点が解
決され且つ所期の目的が達成される。
この本発明方法において、原料としてカルナウバワッ
クス中級品、即ちNo.2が採択される理由は、No.1品の場
合には、処理すべき必要性が必ずしもないからであり
(勿論、No.1品を処理すれば、その品質が更に向上する
が)、又No.3品を処理した場合には、酸価の減少は認め
られるが、樹脂分が多いために、所期の目的即ち、No.1
品代替物の提供をもたらし得ないからである。脱水処理
時に不活性ガスを送り込むのは、融解したカルナウバワ
ックスNo.2は変色し易く、色調が濃いものとなってしま
うからである。このために用いる不活性ガスとしては例
えば窒素ガスが好ましい。加熱による脱水が充分に行わ
れ、品温が110−160℃に至った時点で、触媒としてのp
−トルエンスルホン酸が添加されてエステル化反応が行
われる。p−トルエンスルホン酸の添加量としては原料
ワックスに対して0.1−0.6重量%程度が適当である。何
故ならば、0.1重量%以下では酸価が充分に下がらず、
又0.6重量%以上では酸焼けの生じる虞れがあり、イン
キ基材等の高級用途に適用するワックスとして適用なも
のとはならなくなる虞れがあるからである。尚、このエ
ステル化反応に際しては、常法におけるように、反応系
にアルコールを共存させることもできる。このアルコー
ルとしては例えばブタノールやセチルアルコールを挙げ
ることができる。尚、エステル化のための所要時間は1
−5時間であり、酸価13程度の原料ワックスを処理する
場合には、その酸価を4程度又はそれ以下に、又酸価が
7−9程度の原料ワックスを処理する場合には、その酸
価を約3程度迄減少させることができる。次いで、処理
済みの溶融ワックスは濾過され、成型固化されて製品と
なされる。この場合に、製品ワックスには、ブリード発
生の要因となる結晶の析出は認められない。
(実施例等) 次に、比較例及び実施例により、本発明を更に詳細に
且つ具体的に説明する。
比較例1 酸価7のカルナウバワックスNo.2を2g採取して、加熱
溶融させ、これに原料ワックスに対して2重量%及び0.
5重量%量のセチルアルコール及びp−トルエンスルホ
ン酸をそれぞれ添加し、品温を93℃に昇温させ、高減圧
下(7mmHg)に1時間保持して反応させたが、処理品の
酸価は余り下がらず4.3であった。
尚、セチルアルコールや触媒の量並びに反応温度や時
間条件を種々に設定して実験を行ったが、処理品の酸価
は4程度であり、充分に減少させることはできず、エス
テル化度を高めるために触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸を添加しても、減圧条件下では所期の目的を達成し
得ないことが判明した。
実施例1 酸価7のカルナウバワックスNo.2を5.5g宛採取して、
口の小さな釜に入れ、加温して溶融させ、直ちに窒素ガ
スを溶融ワックス中に送り込み、空気を窒素ガスで交換
させた。品温が100−150℃に至った時点で触媒(p−ト
ルエンスルホン酸)及びブタノールを種々の割合で添加
した上で1時間反応させた。
結果は、下記の表1に示される通りであり、酸価を約
3以下にまで低下せしめ得ること並びにアルコールの添
加は必ずしも必要でないことが判明した。
比較例2 酸価13.6のカルナウバワックスNo.2を16.5g採取し
て、加熱溶融させ、品温を110−150℃に昇温させ、窒素
ガスを送り込みながら1時間保持した。得られた処理品
の酸価は10.8であり、この処理品を濾過して成型した
処、ブリードの要因となる結晶析出が認められた。
尚、窒素ガスの送り込み時に、その吹き込みを強く設
定して溶融ワックスの撹拌を行った処、酸価は7.3とな
ったが、この処理品を濾過し、成型固化させる場合にも
結晶の析出が認められた。
これらの事実は、所期の目的を達成するためには、触
媒の使用が必要であることを示している。
実施例2 酸価13.6のカルナウバワックスNo.2を対象として16.5
g宛採取し、口の小さな釜に入れ、加温して溶融させ、
直ちに窒素ガスを溶融ワックス中に送り込み、空気を窒
素ガスで交換させた。品温が100−150℃に至った時点で
触媒(p−トルエンスルホン酸)を添加し、必要に応じ
ブタノールを添加した上で1時間反応させた。
結果は、下記の表2に示される通りであった。
これらの処理品を濾過し、成型固化させた処、ブリー
ドの要因となる結晶の析出は認められなかった。
実施例3 実施例2におけると同様にして酸価13.6のカルナウバ
ワックスNo.2を対象とし、口の小さな釜に入れ、加温し
て溶融させ、直ちに窒素ガスを溶融ワックス中に送り込
み、空気を窒素ガスで交換させ、必要に応じ、窒素ガス
の吹き込みを強く設定して溶融ワックスの撹拌を行っ
た。品温が100−150℃に至った時点で触媒(p−トルエ
ンスルホン酸)を添加し1時間反応させた。
結果は、下記の表3に示される通りであった。
これらの処理品を濾過し、成型固化させた処、ブリー
ドの要因となる結晶の析出は認められなかった。
実施例4(スケールアップ試験) 酸価9.4のカルナウバワックスNo.2を対象として1030g
採取し、口の小さな釜に入れ、加温して溶融させ、直ち
に窒素ガスを溶融ワックス中に強く吹き込み、溶融ワッ
クスの撹拌を行った。品温が100−150℃に至った時点で
触媒(p−トルエンスルホン酸)を添加し且つ窒素ガス
の強吹き込みにより溶融ワックスを強撹拌しながら1又
は2時間反応させた。
原料ワックスと処理品の特性は下記の表4に示される
通りであった。
尚、DSCチャートによれば、処理品はピークトップが
2.3度上昇しており、又若干ではあるが、カーブがシャ
ープになった。
(発明の効果) 本発明方法によれば、廉価なカルナウバワックス中級
品(No.2)を上級品(No.1)程度又はそれ以上に改質す
ることができる。しかも、原料ワックスを融解させ、不
活性ガス、例えば窒素ガスを送り込みながら加熱し、p
−トルエンスルホン酸を添加してエステル化反応させる
だけであるために、処理操作も容易である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】融解した酸価4−14のカルナウバワックス
    中級品に不活性ガスを送り込みながら加熱し、品温が10
    0−160℃に至った時点でp−トルエンスルホン酸を添加
    して1−4時間反応させることを特徴とする、カルナウ
    バワックスの品質改良法。
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