JP2679982B2 - 人工毛髪 - Google Patents

人工毛髪

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はかつらあるいはヘヤーウィッグ等に使用する
人工毛髪に関する。 〈従来技術〉 従来、かつらおよびヘヤーウィッグ等の人工毛髪用と
して種々の合成繊維が用いられているが、強度,光沢,
感触などの点で充分満足できるものはまだ開発されてい
ない。 たとえばポリビニルクロライド繊維の場合、強度が低
くウェービング処理を施したのち整毛すると僅かなひっ
かかりで切れ易い。更には染色堅牢度が低く、カチオン
染料で染色したものでもかつら着用中に受ける光によっ
て容易に変褪色する。従って黒色の人工毛髪の場合、黒
色顔料を繊維原料に混合したのち製糸する方法で得てい
るが、その場合でも表面反射光が大であるため天然毛髪
の黒色度は得られていない。また熱セット耐久性が低い
ので入浴,シャワー,サウナ,太陽光下などの条件下で
カールやウェーブが消失する。そのため人工毛髪を部分
的に着用した場合、人工毛髪の部分だけ変形を生じるの
で一見して人工毛髪であることが判る。また整毛中の摩
擦のため静電気が発生するので逆毛を生じたりほこりが
付着したりする。すなわち現状の人工毛髪は強度,シル
クファクターが低く天然毛髪に近い色相の黒色度(特に
赤味,青味などを帯びた黒色)が得られず、また熱セッ
ト耐久性も不良であり、がさがさした手触りのものであ
り、到底天然毛髪に代替することのできないものであ
る。 〈問題解決の手段〉 本発明者らはこられの問題点を解決するため鋭意研究
を行った結果、微細孔形成剤を含有するポリエステルモ
ノフィラメント繊維を例えばアルカリ処理により繊維表
面を微細多孔化して染色しさらに染糸の表面に帯電防止
剤を薄膜状に付与することによって高発色性,熱セット
耐久性,高強力,マイルドな光沢,ソフトタッチ性ある
いはさらに制電性を同時に満足する人工毛髪が得られる
ことを見出し本発明に到達したものである。 〈発明の構成〉 即ち、本発明は、 (1)ポリエステルモノフィラメントからなる人工毛髪
において、該モノフィラメントが微細孔形成剤を含有
し、アルカリ減量処理により、その度数分布において最
大頻度を有する値が、繊維軸と直交する方向に沿う巾が
0.1〜0.5μm、繊維軸方向における長さが0.5〜5μ
m、繊維軸に向う孔の深さが0.1〜0.3μmの範囲にある
微細孔が形成されたモノフィラメントであることを特徴
とする人工毛髪。 である。 本発明に用いるポリエステル繊維は微細孔形成剤を含
有する必要があり微細孔形成剤を含有しないポリエステ
ル繊維では本発明の効果が得られない。 かかる微細孔形成剤としてはアルカリ減量処理等によ
ってポリエステル繊維の表面又は表面と内部に微細孔を
形成し染色後に天然毛髪様風合,吸湿性,吸水性,色の
深みや鮮明性等の機能を実質的に発揮できるものであれ
ば特に限定する必要はないが、なかでも微細孔形成剤が
金属を含有する化合物である場合に本発明の効果が顕著
に奏せられる。 上記微細孔形成剤の中で本発明の目的を達成するため
に特に望ましいものとしてはポリエステルの合成が完了
するまでの任意の段階で(a)ポリエステルを構成する
酸成分に対して0.3〜3モル%の下記一般式(I) で表わされるリン化合物及び(b)アルカリ土類金属化
合物を(a)と(b)とを予め反応させることなく且つ
(a)と(b)の金属の当量数の合計量が(a)のリン
化合物のモル数に対して2.0〜3.2倍となるように添加す
ることによってポリエステル反応系内部で析出した不溶
性微粒子があげられる。 リン化合物を示す上記式(I)中R1及びR2は水素原子
又は1価の有機基である。この1価の有機基は具体的に
はアルキル基,アリール基,アラルキル基又は(CH2)k
R3(但し、R3は水素原子,アルキル基,アリール基又
はアラルキル基,lは2以上の整数,kは1以上の整数)等
が好ましくR1とR2とは同一でも異なっていてもよい。X
は水素原子,1価の有機基又は金属であり1価の有機基と
しては上記R1,R2における有機基の定義と同様であって
R1,R2と同一でも異なっていてもよくまた金属としては
特にアルカリ金属,アルカリ土類金属が好ましくなかで
もLi,Na,K,Mg1/2,Ca1/2が特に好ましい。mは0又は1
の整数である。 かかるリン化合物としては例えば正リン酸,リン酸ト
リメチル,リン酸トリエチルの如きリン酸トリエステ
ル,メチルアシドホスフェート,エチルアシドホスフェ
ートの如きリン酸モノ及びジエステル,亜リン酸,亜リ
ン酸トリメチル,亜リン酸トリメチルの如き亜リン酸ト
リエステル,メチルアシドホスファイト,エチルアシド
ホスファイトの如き亜リン酸モノ及びジエステル,上記
リン化合物をグリコール及び/又は水と反応することに
より得られるリン化合物、更に上記したリン化合物を所
定量のLi,Na,K等の如きアルカリ金属の化合物又はMg,Ca
等の如きアルカリ土類金属の化合物と反応せしめること
により得られるリン化合物等から選ばれた1種以上のリ
ン化合物を用いることができる。 上記リン化合物と併用するアルカリ土類金属化合物と
しては上記リン化合物と反応してポリエステルに不溶性
の塩を形成するものであれば特に制限はなくアルカリ土
類金属の酢酸塩,しゅう酸塩,安息香酸塩の如き有機カ
ルボン酸塩,硼酸塩,硫酸塩の如き無機酸塩,塩化物の
ようなハロゲン化物,エチレンジアミン4酢酸錯塩の如
きキレート化合物,水酸化物,酸化物,メチラート,エ
チラート等のアルコラート類,フェノラート等をあげる
ことができる。特にエチレングリコールに可溶性である
有機カルボン酸塩,ハロゲン化物,キレート化合物,ア
ルコラートが好ましくなかでも有機カルボン酸塩が特に
好ましい。上記のアルカリ土類金属化合物は1種のみ単
独で使用してもまた2種以上併用してもよい。 微細孔形成剤としては上記したもの以外にもシリカゾ
ル,酸化アルミニウムを含有する乾式法シリカ,粒子表
面のシラノール基を封鎖した乾式法シリカ,アルミナゾ
ル,微粒子状アルミナ,極微粒子状酸化チタン及び微粒
子状炭酸カルシウムより選ばれた少くとも1種からなり
平均の一次粒子径が100mμ以下の不活性無機微粒子など
が好ましい。かかる不活性無機微粒子のポリエステル繊
維中における含有量はポリエステル繊維に対して0.1〜1
0重量%の範囲が好ましくなかでも0.3〜5重量%の範囲
が好ましい。 上記不活性微粒子はグリコール,アルコール又は水等
の分散スラリー又はゾルとしてポリエステルの合成反応
が完了するまでの任意の段階で添加することが望まし
い。 このようにして得られた微細孔形成剤を含有するポリ
エステルは通常の製糸方法により繊維とされる。 本発明でいうポリエステルはテレフタル酸を主たる酸
成分としアルキレングリコールを主たるグリコール成分
とするポリエステルである。 またテレフタル酸成分の一部を他の二官能性カルボン
酸成分で置換えたポリエステルであってもよく、及び/
又はグリコール成分の一部を主成分以外のグリコールで
置換えたポリエステルであってもよい。 かかるポリエステルは任意の方法によって合成したも
のでよい。例えばポリエチレンテレフタレートについて
説明すれば通常テレフタル酸とエチレングリコールとを
直接エステル化反応させるかテレフタル酸ジメチルの如
きテレフタル酸の低級アルキルエステルとエチレングリ
コールとをエステル交換反応させるか又はテレフタル酸
とエチレンオキサイドとを反応させるかしてテレフタル
酸のグリコールエステル及び/又はその低重合体を生成
させる第1段階の反応と第1段階の反応生成物を減圧下
加熱して所望の重合度になるまで重縮合反応させる第2
段階の反応とによって製造される。 該微細孔成形剤含有ポリエステルを溶融紡糸するに際
しては通常のポリエステル繊維の溶融紡糸法が任意に採
用できる。 延伸は必要に応じて行われるがその場合には例えばホ
ットローラやホットピンを用いて加熱延伸し必要に応じ
てプレットヒーターを用いてヒートセットすればよい。
その場合延伸倍率を延伸糸の残留伸度が30〜50%と高く
なるような低い倍率を選定するのが好ましい。 ポリエステル繊維の断面形状は丸断面でも異形断面で
もよい。発色性を高めるには丸断面が好適で天然感のあ
る光沢を加味したい場合には多角断面が好適である。単
糸繊度は20〜80デニールが好ましい。特に人工毛髪に近
ずけるには3〜5種類の単糸繊度のものを混合して用い
るとよい。低い単糸繊度のものは腰のあるドレープ性を
与える。また高い単糸繊度のものはくしによる整毛性,
張り,熱セット耐久性を与える。又、他の繊維と混繊し
たり乱流空気でランダムミックスさせてもよい。 本発明に使用するポリエステルモノフィラメント繊維
には必要に応じて任意の添加剤、例えば触媒,着色防止
剤,耐熱剤,蛍光増白剤,艶消剤,着色剤等が含まれて
いてもよい。 かくして得られたポリエステルモノフィラメント繊維
はアルカリ化合物によるアルカリ減量処理により繊維軸
方向に配列した微細孔が形成される。 ここで使用するアルカリ化合物としては水酸化ナトリ
ウム,水酸化カリウム,テトラメチルアンモニウムハイ
ドロオキサイド,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム等をあ
げることができる。なかでも水酸化ナトリウム,水酸化
カリウムが特に好ましい。 またセチルトリメチルアンモニウムブロマイド,ラウ
リルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の如き
アルカリ減量促進剤を適宜使用することができる。 該アルカリ減量処理は染色機等の高圧若しくは常圧液
中法でもよいがパッドスチーム法,さらにコールドバッ
チ法でも行うことができる。このアルカリ減量処理によ
って減量する量は繊維重量に対して2重量%以上にする
のがよく通常は2〜40重量%の範囲で行うことができ
る。必要に応じてアルカリ減量処理の前に油剤等を除去
する目的で静練工程を加えてもよい。 該アルカリ減量処理により得られる微細孔の大きさと
しては当該微細孔の度数分布において最大頻度を有する
値が繊維軸と直交する方向に沿う巾は0.1〜0.5μmの範
囲にあり且つ繊維軸方向における長さは0.5〜5μmの
範囲にあり更に繊維軸に向う孔の深さは0.1〜0.3μmの
範囲にあることが必要である。微細孔の孔径が大きくな
ると光散乱の影響で色調がパステル化するという欠点を
ひき起す。従って深色かつ鮮明な発色性を得る点から微
細孔の大きさは前記範囲内に抑えることが必要である。 微細孔の形状を変化させるにはポリエステルの極限粘
度,微細孔形成剤量,紡糸速度,延伸倍率,アルカリ減
量率等の条件を種々変更して行う。 かかる処理を施されたモノフィラメントは次いで染色
される。用いる染料は分散染料等でありしかも高堅牢度
タイプのものを使用することが好ましい。一般に分散染
料には分子量が150未満のソフトタイプのものと分子量
が150以上のハードタイプのものが知られており均染性
が良好なソフトタイプのものが主として使用されてい
る。しかし本発明における染色は分散染料としてハード
タイプのものを使用することが好ましく特に分子量とし
て250〜350程度のものを使用することが好ましい。ただ
し該ハードタイプの染料は堅牢度は良好であるが均染性
にやや難があるので染色助剤を使用する。なお染色後ア
ルカリ減量処理を施してもよい。すなわち繊維素材に着
色顔料を混合したのち製糸したポリエステルモノフィラ
メントあるいは分散染料で染色したポリエステルモノフ
ィラメントにアルカリ減量処理を施してもよい。 また本発明のポリエステルモノフィラメントは染色後
に微細凹凸化した繊維表面に耐久性のある帯電防止剤を
付与する。帯電防止剤は繊維に対して0.05〜6重量%薄
膜状に均一付着せしめるとよい。 帯電防止剤としては (1)アニオン性帯電防止剤 ポリアクリル酸,メタクリル酸メチル等と無水マレイ
ン酸との共重合体、スチレンと無水マレン酸との共重合
体とポリエチレングリコールとのエステル誘導体、ポリ
ビニルスルホン酸等のスルホン酸、エチル水素−4−ア
ミノ−6−アニリノ−S−トリアジニルメチルホスホン
酸 (2)カチオン性帯電防止剤 ジエチルアミノエチルメタクリレートの第4級アンモ
ニウム塩等のアクリル酸エステル誘導体、アクリル酸ア
ミドメチレンウレア等のアクリル酸アシド誘導体、ポリ
ビニル−2−クロロエチルエーテル・ピリジニウム塩な
どのビニルエーテル誘導体、2−ビニルピリジンとスチ
レンとの共重合体からの第4アンモニウム塩、ポリエチ
レングリコールアミン、1,3,5−トリアクリロイル−ヘ
キサヒドロ−S−トリアジン等 (3)非イオン性帯電防止剤 メタクリル酸とポリエチレングリコールとのエステ
ル、ポリエチレングリコールとクロロヒドリンとの反応
生成物、N−メトキシメチル化されたポリアミド、テレ
フタル酸及び/又はイソフタル酸若しくはそれらの低級
アルキルエステル並びに低級アルキレングリコール及び
ポリアルキレングリコールからなるポリエステルポリエ
ーテルブロック共重合体等 の水性分散液である。上記ポリエステルポリエーテルブ
ロック共重合体の低級アルキレングリコール:ポリアル
キレングリコール(モル比)は1:2〜3:1の範囲が制電性
の点から好ましい。 かかる帯電防止剤の処理方法としては、パッドキュア
法,浴中吸着法,パッドスチーミング法などを用いるこ
とができるが特に浴中吸着法が好ましい。この浴中吸着
法は染色後に別処理で行ってもよいが染色と同時に実施
することもできる。いずれにせよ微細孔表面に上記帯電
防止剤を付与した後乾燥を行うが必要に応じて乾熱処理
を施す。電気抵抗値が1010Ω/cm以下の場合には合成樹
脂製のくし等で整毛したときにも静電気はまったく発生
せずホコリ吸着もない。 〈発明の効果〉 本発明は多孔化して染色することあるいはさらに帯電
防止処理を施すことによって次の様な作用効果を備えた
人工毛髪とすることができる。 (1)表面の反射光減少による深色性は鮮明性が増大す
る。 (2)熱セット耐久性に優れている。 (3)天然毛髪に近いマイルドな光沢を呈する。 (4)表面の微凹凸によってソフトタッチな触感が得ら
れくし等による毛さばき性が向上し切断現象はまったく
見られない。 (5)耐久性のある制電性が付与され整毛時に静電気が
発生しない。 〈実施例〉 本発明の人工毛髪の実施例を以下に示す。尚、測定値
は下記の測定法により求めた。 電気抵抗値 絶縁ポリエチレンテレフタレートフィルム上で精密に
2.0cmに両端を断面方向にカットした白色導電繊維の断
面にAgドウタイト(導電性樹脂塗料,藤倉工業製)を付
着させ20℃×30%RH下で1KVの直流電圧を印加して電気
抵抗値を測定した(単位はΩ/cm)。 制電性 得られたモノフィラメントを筒編にしてロータリース
タティックテスターで荷重600g,回転数700rpm,摩擦布:
綿金巾の条件にて摩擦帯電圧を測定した(20℃×40%R
H)。 単位はボルト(V)で数字が小さい程良好な制電性を
示し又ホコリ付着量(タバコの灰)が少ない。 発色性 島津製作所製の自記分光光度計RC−330を用いて染色
された布帛の反射率R(%)を波長500mμで測定し下記
のKubelka−Munkの式から深色性(K/S)を算出した。 K/S=(1-R)2/2R 熱セット耐久性(ヘアカールのセットの耐久性評価) マルチフィラメントを90°の角度で固定し熱風乾燥機
中で180℃で2分間熱処理し次に90℃の熱水に30分間浸
漬したのちマルチフィラメントの角度を測定した。 (良好)○>△>×(不良) 光沢,触感の判定 光沢及び触感のレベルを各々視感と手触りとで判定し
天然毛髪と対比して下記のランク分けを行った。 (天然毛髪に近いマイルドな光沢) ○>△>×(アダ光する光沢・金属調) (天然毛髪に近い手触り) ○>△>×(歯ブラシの如きハードなタッチ) 実施例1 テレフタル酸ジメチル100部,エチレングリコール60
部,酢酸カルシウム1水塩0.06部(テレフタル酸ジメチ
ルに対して0.066モル%)をエステル交換缶に仕込み窒
素ガス雰囲気下4時間かけて140℃から230℃まで昇温し
て生成するメタノールを系外に留去しながらエステル交
換反応を行った。続いて得られた反応生成物に0.5部の
リン酸トリメチル(テレフタル酸ジメチルに対して0.69
3モル%)と0.31部の酢酸カルシウム1水塩(リン酸ト
リメチルに対して1/2倍モル)とを8.5部のエチレングリ
コール中で120℃の温度において全還流下60分間反応せ
しめて精製したリン酸ジエステルカルシウム塩の透明溶
液9.31部に室温下0.57部の酢酸カルシウム1水塩(リン
酸トリメチルに対して0.9倍モル)を溶解せしめて得た
リン酸ジエステルカルシウム塩と酢酸カルシウムとの混
合透明溶液9.88部を添加し次いで三酸化アンチモン0.04
部を添加して重合缶に移した。次いで1時間かけて760m
mHgから1mmHgまで減圧し同時に1時間30分かけて230℃
から285℃まで昇温した。1mmHg以下の減圧下、重合温度
285℃で更に3時間、合計4時間30分重合して極限粘度
0.640,軟化点259℃のポリマーを得た。反応終了後ポリ
マーを常法に従いチップ化した。 このチップを常法により乾燥し孔径0.3mmの円形紡糸
孔を36個穿設した紡糸口金を使用して290℃で溶融紡糸
して1300m/minで巻取ったのち延伸して40デニールのモ
ノフィラメントの延伸糸を得た。 得られた糸を常法に従い50%の水酸化ナトリウム水溶
液で沸騰温度にて処理し減量率15.2%の表面微細細多孔
化されたモノフィラメント繊維を得た。このものを分散
染料Dianix Black HG−FS(三菱化成工業(株)製品)1
5%owf;分散均染剤Disper VG(明成化学工業(株)製
品)pH調整剤,酢酸0.3g/l,加工剤A(後述)10%owf
(有効成分で1%owf)を含む染色液にて130℃で60分間
染色したのち乾燥した。 ここで加工剤Aとはジメチルテレフタール酸とジメチ
ルイソフタール酸とをモル比80:20としたもの:エチレ
ングリコール:ポリエチレングリコール(平均分子量31
00)を1:25:7のモル比で共重合した共重合体と、ノニル
フェノールのエチレンオキサイド6モル付加物をスルホ
ン酸ソーダ化した界面活性剤とを水に混合し10%分散液
(有効成分10%)に調整したものである。 得られた黒色モノフィラメント糸は電気抵抗値が2×
108Ω/cmであり摩擦による制電性も良好であるばかりか
黒深色性,熱セット耐久性,マイルドな光沢,ソフトな
触感性を有するものであった。 比較例1 実施例1においてアルカリ減量処理工程を除外し且つ
染色時に加工剤Aを除いて加工した。得られた無孔モノ
フィラメント糸は電気抵抗値が6×1014Ω/cmであり摩
擦により静電気を発生し黒色性は不充分であり「アダ光
り」がして触感も不良であった。 第1表に実施例1,比較例1の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 6/92 306 D01F 6/92 306C D06M 11/38 D06M 13/00 13/00 D06M 13/00 // D06M 101:32 5/02 E (56)参考文献 特開 昭58−104215(JP,A) 特開 昭61−245301(JP,A)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.ポリエステルモノフィラメントからなる人工毛髪に
    おいて、該モノフィラメントが微細孔形成剤を含有し、
    アルカリ減量処理により、その度数分布において最大頻
    度を有する値が、繊維軸と直交する方向に沿う巾が0.1
    〜0.5μm、繊維軸方向における長さが0.5〜5μm、繊
    維軸に向う孔の深さが0.1〜0.3μmの範囲にある微細孔
    が形成されたモノフィラメントであることを特徴とする
    人工毛髪。
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